JPH1027621A - 炭酸ガスの発生を抑制する燃料電池発電設備 - Google Patents

炭酸ガスの発生を抑制する燃料電池発電設備

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JPH1027621A
JPH1027621A JP8182866A JP18286696A JPH1027621A JP H1027621 A JPH1027621 A JP H1027621A JP 8182866 A JP8182866 A JP 8182866A JP 18286696 A JP18286696 A JP 18286696A JP H1027621 A JPH1027621 A JP H1027621A
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hydrogen
steam
fuel
reformer
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Minoru Koga
実 古賀
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素を燃料として高効率で発電ができ、
併せて燃料中の炭素(カーボン)の炭酸ガス(CO2
としての排出を抑制することができ、かつ発電と同時に
ユーティリィティ蒸気の製造と一酸化炭素の固定を効率
良く行うことができる燃料電池発電設備を提供する。 【解決手段】 水素を燃料とし炭化水素を水蒸気改質し
て水素及び一酸化炭素を含むガスに改質するリフォーマ
12と、改質ガス中の水素を分離するガス分離装置14
と、分離された水素を燃料とする燃料電池16と、燃料
電池の余剰水素及びリフォーマの排熱から水蒸気を発生
させる廃熱ボイラ18とを備え、発生した水蒸気をリフ
ォーマの水蒸気改質及びユーティリィティ蒸気として用
いる。燃料電池は、リン酸型、固体高分子型又は固体電
解質型である。ガス分離装置は、水素PSA装置、CO
−PSA装置又は膜分離装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガスの発生を
抑制するとともに、発電と同時にユーティリィティ蒸気
と一酸化炭素を製造する燃料電池発電設備に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ガス等の炭化水素を燃料とし、リフ
ォーマ,ガスタービン,排熱ボイラ及び蒸気タービンを
組み合わせた複合サイクル発電プラント(combined cycl
e power plant)が既に実用化されている。この発電プラ
ントは、発電効率が高い特徴を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の複合サ
イクル発電プラントは、発電効率自体は高いが、炭化水
素燃料中の炭素(カーボン)が全て炭酸ガス(CO2
として大気中に排出されるため、地球温暖化の要因とな
る問題点がある。そのため、地球環境保護の見地から建
設が困難になりつつある。
【0004】一方、複合サイクル発電プラントと同様
に、発電効率が高く、かつ低公害な発電プラントとし
て、種々の型式の燃料電池発電プラントが注目されてい
る。しかし、燃料電池発電プラントの場合でも、炭化水
素燃料中のカーボンは最終的には全て炭酸ガス(C
2 )として大気中に排出されるため、複合サイクル発
電プラントと同様の問題点があった。
【0005】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、炭化
水素を燃料として高効率で発電ができ、併せて燃料中の
炭素(カーボン)の炭酸ガス(CO2 )としての排出を
抑制することができ、かつ発電と同時にユーティリィテ
ィ蒸気の製造と一酸化炭素の固定を効率良く行うことが
できる燃料電池発電設備を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水素を
燃料とし炭化水素を水蒸気改質して水素及び一酸化炭素
を含むガスに改質するリフォーマと、改質ガス中の水素
を分離するガス分離装置と、分離された水素を燃料とす
る燃料電池と、燃料電池の余剰水素及びリフォーマの排
熱から水蒸気を発生させる廃熱ボイラと、を備え、発生
した水蒸気を、リフォーマの水蒸気改質及びユーティリ
ィティ蒸気として用いることを特徴とする炭酸ガスの発
生を抑制する燃料電池発電設備が提供される。
【0007】上記本発明の構成によれば、リフォーマで
燃料を改質し、改質ガス中の水素をガス分離装置で分離
し、分離された水素を燃料として燃料電池装置で発電す
るので、燃料中の炭素(カーボン)の炭酸ガス(C
2 )としての排出を抑制しながら発電することがで
き、同時に一酸化炭素を原料とする化学製品を製造する
ことができる。また、廃熱ボイラで排熱から水蒸気を発
生させ、この水蒸気をリフォーマの水蒸気改質及びユー
ティリィティ蒸気として用いるので、炭化水素を燃料と
する高効率発電ができる。
【0008】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
燃料電池は、リン酸型、固体高分子型又は固体電解質型
である。これらの燃料電池を用いることにより、一酸化
炭素を用いることなく発電ができ、二酸化炭素の発生を
大幅に抑制することができる。更に、CO変成装置(シ
フトコンバータ)と、一酸化炭素を二酸化炭素に選択的
に変換する選択酸化装置とを備えるのがよい。これによ
り、残留する一酸化炭素をほぼ完全に二酸化炭素に変換
することができ、一酸化炭素による燃料電池の被毒を防
止することができる。
【0009】また、前記ガス分離装置は、水素PSA装
置、CO−PSA装置又は膜分離装置であることが好ま
しい。この構成により、水素又は一酸化炭素(CO)を
効率良く分離することができる。更に、本発明の好まし
い実施形態によれば、ガス分離装置で分離された一酸化
炭素をメタノールと反応させて酢酸を製造する酢酸製造
装置を備える。この構成により、一酸化炭素を付加価値
の高い酢酸に固定化することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通
する部分には同一の符号を付して使用する。図1は、本
発明による炭酸ガスの発生を抑制する発電設備10の全
体構成図である。この図において、本発明の発電設備1
0は、水素1を燃料とし炭化水素2を水蒸気改質して水
素及び一酸化炭素を含むガス3(改質ガス)に改質する
リフォーマ12(改質器)と、改質ガス3中の水素1を
分離するガス分離装置14と、分離された水素1を燃料
とする燃料電池16と、燃料電池16及びリフォーマ1
2の排熱から水蒸気4を発生させる廃熱ボイラ18と、
を備えている。なおこの図で13aはリサイクルブロ
ア、22a,22bは熱交換器、24,25はコンプレ
ッサである。
【0011】リフォーマ12は、隔壁により分離された
改質室Refと燃焼ガス室Hexとからなる。また、こ
のリフォーマ12に付随して副燃焼器13が設けられ、
燃料電池の排ガス5(大量の酸素を含む)により水素1
を燃焼させ、リフォーマ12で必要な熱を発生させるよ
うになっている。
【0012】燃料電池16は、アノード側Aとカソード
側Cとが電解質を隔てて対向しており、水素1を燃料と
して化学反応により電気を発電するようになっている。
この燃料電池16は、リン酸型、固体高分子型又は固体
電解質型であるのがよい。これらの燃料電池を用いるこ
とにより、一酸化炭素を用いることなく発電ができ、二
酸化炭素の発生を大幅に抑制することができる。
【0013】また、図1に示すように、更に、CO変成
装置17a(シフトコンバータ)と、一酸化炭素を二酸
化炭素に選択的に変換する選択酸化装置17bとを備え
ることが好ましい。シフトコンバータ17aは、COを
CO2 にシフト反応により変換し、CO濃度を低減す
る。また、選択酸化装置17bは、更に酸素又は空気を
用いて触媒反応により残留するCOをCO2 に選択的に
変換する装置である。これらの装置17a,17bを燃
料電池16の上流側に設けることにより、残留する一酸
化炭素をほぼ完全に二酸化炭素に変換することができ、
一酸化炭素による燃料電池の触媒被毒を防止することが
できる。
【0014】ガス分離装置14は、圧力スイング式吸着
装置であり、好ましくは、水素PSA装置又はCO−P
SA装置である。図2は、水素PSA装置の模式的構成
図であり、複数の吸着塔14aに例えば活性炭とZMS
(ゼオライトモレキュラーシーブス)が充填されてお
り、活性炭によりメタンと炭酸ガスを吸着し、ZMSに
よって一酸化炭素を吸着して残った水素を得るようにな
っている。吸着したガス(例えば一酸化炭素)は減圧に
より取り出すことができる。なお、この図で14bは、
バッファタンクである。
【0015】同様に、CO−PSA装置(図示せず)に
より、原料ガス中のCOを吸着剤に吸着させて分離し、
高濃度の一酸化炭素(CO)を分離することができる。
これらのガス分離装置を用いることにより、水素又は一
酸化炭素(CO)を効率良く分離することができる。な
お、本発明におけるガス分離装置14は、上述した圧力
スイング式吸着装置に限定されず、例えば水素膜分離装
置を用いてもよい。
【0016】図1において、本発明の発電設備10は、
更に、ガス分離装置14で分離した一酸化炭素6を固定
するガス固定設備20を備えている。このガス固定設備
20は、この例ではメタノールと反応させて酢酸を製造
する酢酸製造装置である。この構成により、一酸化炭素
を付加価値の高い酢酸に固定化することができる。な
お、本発明におけるガス固定設備20は、酢酸製造装置
に限定されず、一酸化炭素を原料として化学製品を製造
する別の周知の設備であってもよい。
【0017】上述した構成により、リフォーマ12で燃
料2を改質し、改質ガス3中の水素1をガス分離装置1
4で分離し、この水素1を燃料として燃料電池装置16
で発電するので、燃料中の炭素(カーボン)の炭酸ガス
(CO2 )としての排出を抑制しながら発電することが
でき、同時に化学原料となる一酸化炭素6を分離するこ
とができる。また、廃熱ボイラ18で排熱から水蒸気4
を発生させ、この水蒸気4をリフォーマの水蒸気改質及
びユーティリィティ蒸気として用いるので、炭化水素を
燃料として高効率で発電ができ、かつ発電と同時にユー
ティリィティ蒸気と一酸化炭素を効率良く製造すること
ができる。
【0018】上述したように本発明は、天然ガス等の炭
化水素2を燃料とし、リフォーマ12、ガス分離装置1
4(例えば水素PSA装置)、燃料電池16及び廃熱ボ
イラ18等より構成されている。炭化水素2はリフォー
マ12で水蒸気改質され、水素,一酸化炭素及び二酸化
炭素に転換される。改質されたガス3は冷却された後に
水素PSA装置14に入り、水素1と一酸化炭素を主成
分とするガス6に分離される。酢酸製造装置20におい
て一酸化炭素はメタノールと反応し酢酸が製造され炭素
分が固定化される。一方、水素1は燃料電池16で燃焼
され発電に利用されると同時にリフォーマ12の熱源と
して活用される。燃料電池16及びリフォーマ12の排
ガス5は、廃熱ボイラ18の熱源としてリフォーマ用水
蒸気及びユーティリィティ用水蒸気を発生するために活
用される。従って、本発明の発電設備は高効率発電と同
時に一酸化炭素(又はこれを原料とする化学製品、例え
ば酢酸)及びユーティリィティ蒸気を効率良く製造する
ことができる。
【0019】上述したように本発明による発電設備10
は、以下の特徴を有している。 炭化水素2を水蒸気改質するリフォーマ12を設置
している。 リフォーマ12からの改質ガス3を冷却後、水素P
SA装置14を設置し、水素1とそれ以外のガス6(一
酸化炭素、二酸化炭素、メタン、未回収水素、等)に分
離する。 水素PSA装置14からの水素1は燃料電池16を
設置し発電用燃料として使用すると同時に、リフォーマ
12の加熱源として利用する。 水素PSA装置14からの一酸化炭素を主成分とす
るガスは、各種化学製品(ポリカーボネイト、ポリウレ
タン、エチレングリコール等)の原料として活用する。
一例として、一酸化炭素とメタノールを反応させ酢酸を
製造し、炭化水素2中の炭素を固定化することにより、
以下の反応により、発電設備の排ガス中のCO2 発生量
を低減することができる。
【0020】CO+CH3 OH(メタノール)→CH3
COOH(酢酸) 燃料電池16及びリフォーマ12の排ガスは廃熱ボ
イラ18を設置し、蒸気を発生させ熱回収を行う。 発生した水蒸気4は改質反応用プロセスガスに使用
し、残余の水蒸気は他のユーティリィティとして活用す
る。 の水素PSA装置14の代わりに、CO−PSA
装置を設置し、回収されたCOを各種化学製品の原料と
して使用し、残余ガスを燃料電池16及びリフォーマ1
2の熱源として活用することもできる。 の代わりに、水素分離膜を利用し、水素は燃料
電池16及びリフォーマ12を熱源として、COを含む
残余ガスは各種化学製品の原料として活用することもで
きる。 廃熱ボイラ18を水質によって2台設置し、1台は
イオン交換樹脂による水処理後、蒸気発生させプロセス
用に利用し、残りの1台は軟質器による水処理後、蒸気
を発生させ一般ユーティリィティ用として利用すること
により、水質を効率よく管理することができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。図3はリフォーマ12及び燃料電池16を加圧運
転する場合の発電設備のフローチャート図である。この
図に示すように、都市ガス2を脱硫器11に入る前にコ
ンプレッサ26で圧縮し、リフォーマ12の改質室Re
fを高圧運転することにより、発電設備の動力を削減す
るようになっている。
【0022】燃料である炭化水素2(TG:都市ガス)
にはリフォーマの改質触媒の被毒物質となる付臭剤(T
BM:Tertiary Butyl Mercaptane (CH3)3CSH, DMS:D
imethl Sulfide (CH3)2S)が含まれており、これを除去
する必要がある。この発電設備では常温脱硫方式を採用
し、発電設備のシンプル化を図っている。脱硫器11に
は、脱硫剤として二酸化マンガンが充填され、都市ガス
2を通すことにより付臭剤は脱硫剤に吸着される。2基
の脱硫器11が設置されているのは、1基の脱硫性能が
低下した際、他の脱硫器11に切り換えることにより、
連続運転に支障をきたさないよう配慮している。
【0023】なお、脱硫方式としては通常の水添脱硫方
式を採用してもよい。すなわち、改質ガスの一部を都市
ガスに混合加熱後、コバルト−モリブデン(Co−M
o)、あるいはニッケル−モリブデン(Ni−Mo)の
充填層を通すことにより、付臭剤(TBM,DMS)を
硫化水素に転換する。硫化水素を含む都市ガスは酸化亜
鉛の充填層を通すことにより、硫化水素は酸化亜鉛に吸
着される。ただし、発電設備が若干複雑になる。
【0024】改質に使用されるプロセス水蒸気4は、精
製器21で上水中のSO4 --,Cl - など、改質触媒に
被毒する物質を除去後、廃熱ボイラ18bで製造され
る。この廃熱ボイラ18bの熱源はリフォーマ12から
の高温改質ガス3である。脱硫された都市ガス2と廃熱
ボイラ18bからのプロセス水蒸気4は混合後、熱交換
器22aで予熱されリフォーマ12で燃焼ガス室Hex
から熱を受け改質される。
【0025】リフォーマ12の改質室Refには改質触
媒が充填されている。リフォーマ12で改質されたガス
3は熱交換器22a及び廃熱ボイラ18bで冷却され、
かつドレンセパレータ23で水切りを実施後、水素PS
A装置14のガスコンプレッサ24で約10atmに加
圧される。ガスコンプレッサ24の動力を低減するた
め、中間冷却器(図示せず)が配置されている。
【0026】水素PSA装置14の作動原理は図2で説
明した通りである。水素PSA装置14では水素がはじ
めに吸着するため、水素1の圧力損失が少なくほぼ10
atmに近い圧力である。一方、COを主成分とする副
生品6は吸着後、圧力を下げる工程でゼオライト等の吸
着剤から放出されるので、圧力はほぼ大気圧に近い値と
なる。水素PSA装置14からの高圧水素1は燃料電池
16の燃料及びリフォーマ12の加熱燃料として活用さ
れる。一方、COを主成分とひる副生品6は各種化学製
品の原料として活用される。
【0027】なお図3の発電設備では、水素PSA装置
14の場合を説明したが、ガス分離としてはCO−PS
A装置を採用することもできる。この場合、COは各種
化学製品の原料として活用され、それ以外の副生品は燃
料電池16及びリフォーマ12の加熱燃料として用い
る。CO−PSA装置の作動原理も、実質的には、水素
PSA装置14と同様である。また、ガス分離法として
は水素膜分離も考えられる。
【0028】図3において、燃料電池16のアノード側
Aに送られた高圧水素1と、カソード側Cに供給される
空気とにより、化学反応により電気を発生する。アノー
ド側Aを通過したアノード排ガス5はリフォーマ12か
らの燃焼排ガスの一部と共にリフォーマ12の副燃焼器
13に送られ支燃材として活用される。
【0029】水素PSA装置14からの高圧水素1の一
部は減圧された後、リフォーマ12の副燃焼器13で燃
焼され、リフォーマ12の加熱源となる。リフォーマ1
2からの排ガスの一部は廃熱ボイラ18aの加熱源とし
て活用された後、大気放出される。廃熱ボイラ18a,
18bを2台設置する理由は、ボイラ水質のグレードが
異なるためである。つまり、改質反応用のプロセス蒸気
4は改質触媒の被毒を避けるため、上水をイオン交換樹
脂に通し、SO4 --,Cl- イオン等を除去する必要が
ある(18b)。一方、一般ユーティリィティに使用さ
れる蒸気は通常のボイラ水を用いることができる。
【0030】図4は、以下の条件における熱バランス及
び物質バランスの一例である。 リフォーマ12:運転圧力2.65atm,運転温度
760℃、S/C=3.0、PSA装置14:H2
収率80%、燃料電池16:入口圧力2.65at
m,入口温度200℃。 解析結果は図4に示す通りである。この熱バランス及び
物質バランスから、炭化水素を燃料として高効率で発電
ができ、かつ発電と同時にユーティリィティ蒸気と一酸
化炭素を効率良く製造することができることがわかる。
【0031】図5は、リフォーマ12におけるS/C比
(横軸)とCO生成量及び改質率(縦軸)との関係を示
す。この図から、S/C比(蒸気量とカーボン量のモル
比)を変化させることにより、所望のCO生成量を変化
させることができ、かつ改質率を高く維持することもで
きることがわかる。
【0032】図6は燃料電池16の酸素利用率(横軸)
とセル電圧(縦軸)との関係図である。この図における
燃料電池は、リン酸型(PAFC)の場合を示してい
る。この図から、酸素利用率の変化にも係わらず、ほぼ
安定したセル電圧を保持できることがわかる。なお、本
発明は上述した実施形態及び実施例に限定されず、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論
である。
【0033】
【発明の効果】上述したように、本発明の炭酸ガスの発
生を抑制する燃料電池発電設備は、炭化水素を燃料とし
て高効率で発電ができ、併せて燃料中の炭素(カーボ
ン)の炭酸ガス(CO2 )としての排出を抑制すること
ができ、かつ発電と同時にユーティリィティ蒸気の製造
と一酸化炭素の固定を効率良く行うことができる、等の
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料電池発電設備の全体構成図で
ある。
【図2】水素PSA装置の模式的構成図である。
【図3】リフォーマ及び燃料電池を加圧運転する場合の
発電設備のフローチャート図である。
【図4】本発明の発電設備の熱バランス及び物質バラン
スの一例を示す図である。
【図5】リフォーマにおけるS/C比とCO生成量及び
改質率との関係図である。
【図6】燃料電池における酸素利用率とセル電圧との関
係図である。
【符号の説明】
1 水素 2 炭化水素 3 改質ガス 4 水蒸気 5 排ガス 6 一酸化炭素を主成分とするガス 10 燃料電池発電設備 11 脱硫器 12 リフォーマ(改質器) 13 副燃焼器 13a リサイクルブロア 14 ガス分離装置(水素PSA装置) 16 燃料電池 17 18,18a,18b 廃熱ボイラ 20 ガス固定設備(酢酸製造装置) 21 精製器 22a,22b 熱交換器 23 ドレンセパレータ 24,25,26 ガスコンプレッサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を燃料とし炭化水素を水蒸気改質し
    て水素及び一酸化炭素を含むガスに改質するリフォーマ
    と、改質ガス中の水素を分離するガス分離装置と、分離
    された水素を燃料とする燃料電池と、燃料電池の余剰水
    素及びリフォーマの排熱から水蒸気を発生させる廃熱ボ
    イラと、を備え、 発生した水蒸気を、リフォーマの水蒸気改質及びユーテ
    ィリィティ蒸気として用いることを特徴とする炭酸ガス
    の発生を抑制する燃料電池発電設備。
  2. 【請求項2】 前記燃料電池は、リン酸型、固体高分子
    型又は固体電解質型である、ことを特徴とする請求項1
    に記載の燃料電池発電設備。
  3. 【請求項3】 更に、CO変成装置と、一酸化炭素を二
    酸化炭素に選択的に変換する選択酸化装置とを備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池発電設備。
  4. 【請求項4】 前記ガス分離装置は、水素PSA装置、
    CO−PSA装置又は膜分離装置である、ことを特徴と
    する請求項1に記載の燃料電池発電設備。
  5. 【請求項5】 ガス分離装置で分離された一酸化炭素を
    メタノールと反応させて酢酸を製造する酢酸製造装置を
    更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電
    池発電設備。
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