JPH10274690A - 燃料集合体検査装置 - Google Patents

燃料集合体検査装置

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JPH10274690A
JPH10274690A JP9078449A JP7844997A JPH10274690A JP H10274690 A JPH10274690 A JP H10274690A JP 9078449 A JP9078449 A JP 9078449A JP 7844997 A JP7844997 A JP 7844997A JP H10274690 A JPH10274690 A JP H10274690A
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JP
Japan
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image
fuel assembly
marker
fuel
projection
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Application number
JP9078449A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Yaginuma
芳隆 柳沼
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Mitsubishi Nuclear Fuel Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Nuclear Fuel Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料集合体を撮影した画像により、通常の外
観検査を行うと同時に、燃料集合体やその各燃料棒のテ
レビカメラに対して前後左右方向の曲がりを測定する。 【解決手段】 テレビカメラ1により燃料集合体側面を
撮影するに際し、フラッシュマーカ投影部7を設け、こ
れにより所定の測定位置で燃料集合体に水平ライン状の
マーカMを投影する。そして、画像解析部4dにて、マ
ーカ投影画像と通常の撮影画像とを区別して記憶した
後、マーカ投影画像からマーカMの画像を抽出してその
形態を解析することにより、各測定位置での各燃料棒、
上部ノズル、下部ノズル及び各グリッドの前後左右方向
における位置や傾きを求め、燃料集合体全体や各燃料棒
の曲がりを測定すると共に、通常撮影画像を通常の定検
に用いることとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料集合体の外観
を撮影して当該燃料集合体の外観検査を行う際に用いて
好適な燃料集合体検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電所においては、健全
な状態で発電を行うことができるようにするために、定
期点検前に各種構造部材の検査を実施し、その健全性を
確保している。この検査において、原子炉炉心を構成す
る燃料集合体は最も重要な検査対象の一つとされてお
り、その外観検査が原子力発電所における健全性確保の
ために必要不可欠となっている。
【0003】ここで、かかる検査対象たる燃料集合体に
ついて説明する。図10に燃料集合体の構造を示す。こ
の図に示すように、燃料集合体50は、複数の燃料棒5
1を束ねることによって構成されており、横断面が約2
1cm角の正方形で縦方向の全長が約4mの四角柱状をな
している。燃料棒51は、それぞれ、金属製の薄板を正
方格子状に組み上げたグリッド52の各格子目52aに
挿通され、これにより正方格子状に配列されている。グ
リッド52は、燃料棒51の長手方向に50〜70cmの
間隔をあけて配置されており、挿通された複数の案内管
53に固定されている。案内管53は、燃料棒51より
も長く、その上下端にそれぞれ上部ノズル54、下部ノ
ズル55が固定されている。
【0004】上述したような燃料集合体は普通3年程度
に亘って使用されるが、毎年原子炉内から取り出され、
燃料の挙動解析やボーイング(曲がり)対策等のための
外観検査が行われる。この外観検査は、水を張ったプー
ル内で燃料集合体を照明しつつテレビカメラにより撮影
して行うが、この場合の撮影では、1画面中に燃料集合
体1側面の縦方向十数cm程度の画像しか捉えることがで
きないので、一般に、テレビカメラを上下に移動しつつ
撮影を行うことによって、燃料集合体1面全長について
の画像情報を得る手法が採用されている。そして、かか
る手法によって撮影した画像をモニタに表示すると共
に、一旦ビデオテープに録画等して画像解析を行い、撮
影した側面における燃料集合体の曲がりや各燃料棒の曲
がりを測定したり、各燃料棒間の間隔を測定したりす
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
一般的な外観検査においては、燃料集合体の側面を部分
的に順次撮影して画像情報を得ることとしているので、
テレビカメラに対向する側面を平面的に見た外観形象の
画像情報しか得ることができず、テレビカメラに対して
前後方向の形象についての情報を得ることはできない。
このため、従来の外観検査における画像解析では、テレ
ビカメラに対して左右方向の曲がりを測定することはで
きたが、前後方向の曲がりを測定することはできないと
いう問題点を有していた。
【0006】この定検で燃料集合体を測定するための方
法としては、スポット型レーザ変位計、超音波距離計又
はマグネスケール計測器を使って、局部的な測定ポイン
トから集合体曲がりを計測する方式が考えられるが、そ
のための測定器の新設が必要となる。又、作業を外観検
査と独立して行うことになり、作業時間の増加、ひいて
は定検時間の延長につながるものとなる。
【0007】加えて、撮影のための撮像レンズや撮像管
が放射線によって劣化するので、撮影は短時間で行うこ
とが望ましい。そして、短時間で撮影を行うということ
は、検査全体の作業時間を短縮することにもつながるの
で、燃料集合体の定検全般において要望されるところで
ある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、燃料集合体を撮影した画像により、当該燃料集
合体やその各燃料棒について、テレビカメラに対して前
後左右方向の曲がりを測定することができる燃料集合体
検査装置を提供することを目的とする。
【0009】又、本発明は、通常の外観検査と同時に上
記曲がり測定を行い、検査時間を増加させることなく、
測定精度を向上させることができる燃料集合体検査装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
撮影手段を燃料集合体に沿って上下方向に移動させ、当
該燃料集合体を部分的に順次撮影した撮影画像により、
当該燃料集合体若しくはその各燃料棒又はそれら双方の
曲がりを測定する燃料集合体検査装置において、水平ラ
イン状の投影像を当該燃料集合体の水平断面に対して斜
めに交差する方向からフラッシュ状に投影する投影手段
と、前記撮影画像から前記投影像が含まれた像投影画像
を分離し、該像投影画像に基づいて前記曲がりを算出す
る第1の画像処理手段と、前記撮影画像において、前記
像投影画像を、その直前及び直後の撮影画像に基づいて
置き換える第2の画像処理手段とを有することを特徴と
している。
【0011】請求項2記載の発明は、撮影手段を燃料集
合体に沿って上下方向に移動させ、当該燃料集合体を部
分的に順次撮影した撮影画像により、当該燃料集合体若
しくはその各燃料棒又はそれら双方の曲がりを測定する
燃料集合体検査装置であって、水平ライン状の投影像を
当該燃料集合体の水平断面に対して斜めに交差する方向
からフラッシュ状に投影する投影手段を有し、前記投影
像が含まれた像投影画像を解析する方法において、像投
影画像中の投影像に基づき、燃料棒の前記撮影手段側へ
向かう頂点位置から燃料棒の前後左右の曲がりを算出す
ることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明は、撮影手段を燃料集
合体に沿って上下方向に移動させ、当該燃料集合体を部
分的に順次撮影した撮影画像により、当該燃料集合体の
燃料棒の中心を測定する燃料集合体検査装置であって、
水平ライン状の投影像を当該燃料集合体の水平断面に対
して斜めに交差する方向からフラッシュ状に投影する投
影手段を有し、前記投影像が含まれた像投影画像から燃
料棒の位置を求める方法において、像投影画像中の投影
像が描く円弧状曲線に該当する円又は楕円を求めて燃料
棒の位置を求めることを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明は、撮影手段を燃料集
合体に沿って上下方向に移動させ、当該燃料集合体を部
分的に順次撮影した撮影画像により、当該燃料集合体の
上部ノズル、下部ノズル及び各グリッドの位置を測定す
る燃料集合体検査装置であって、水平ライン状の投影像
を当該燃料集合体の水平断面に対して斜めに交差する方
向からフラッシュ状に投影する投影手段を有し、前記投
影像が含まれた像投影画像から前記上部ノズル、下部ノ
ズル及び各グリッドの位置を求める方法において、前記
上部ノズルの角、前記下部ノズルの角、前記各グリッド
のスプリング窓及びディンプル窓における投影像の位置
により、前記上部ノズル、下部ノズル及び各グリッドの
位置を求めることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
<構成>以下に図面を参照して本発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は本発明の一実施形態による燃料集
合体検査装置の構成を示すブロック図である。
【0015】この図において、1は原子炉建屋のプール
内に浸漬された燃料集合体を撮影するテレビカメラであ
り、同プール内において、上部ノズルが釣支された燃料
集合体の側面に対向しつつ上下方向に移動するように設
けられ、対向側面の部分的な外観を順次撮影する。この
テレビカメラ1による撮影画像の画像情報は、ビデオ信
号に変換されてビデオデッキ2、ビデオ制御器3及び演
算処理装置4へ供給される。
【0016】ビデオデッキ2は、燃料集合体の外観撮影
時にはテレビカメラ1からのビデオ信号にエンコーダ5
からのエンコーダ情報を加えた画像を録画し、再生時に
はビデオテープに録画されたビデオ画像のビデオ信号を
ビデオ制御器3及び演算処理装置4へ供給する。ここ
に、エンコーダ5は、プール内でテレビカメラ1を上下
移動させる機構に添設され、テレビカメラ1の上下方向
位置に応じたエンコーダ情報を出力するものであり、こ
のエンコーダ情報がビデオ信号に乗せられて上述のよう
にビデオデッキ2で録画される。
【0017】ビデオ制御器3は、テレビカメラ1若しく
はビデオデッキ2又は演算処理装置4から受けた信号に
基づいて所定の信号形態の画像信号を出力し、撮影中又
は再生中の燃料集合体外観画像を外観検査用モニタ6に
表示させる。
【0018】演算処理装置4は、供給されたビデオ信号
等に基づいて、画像の識別や燃料棒位置及び曲がり等の
測定のための演算及び後述するフラッシュマーカ投影部
7の制御処理を行う装置であり、ビデオ信号入出力部4
a、エンコーダデータ入力部4b、フラッシュトリガ発
生部4c及び画像解析部4dからなっている。以下に、
これら各部について説明する。
【0019】ビデオ信号入出力部4aは、テレビカメラ
1からの撮影画像のビデオ信号をエンコーダ情報と共に
順次取り込み、画像解析部4dにおける処理に適した信
号形態に順次変換する。又、フラッシュマーカ投影部7
による投影像(後述)が含まれた画像が取り込まれたと
きには、その画像信号を画像解析部4dに送り込むと同
時に、当該画像の前後に取り込んだ画像に基づいて通常
の撮影画像に相当する画像を生成し、ビデオ信号に変換
してビデオ制御器3へ出力する。更に、ビデオ信号入出
力部4aは、ビデオデッキ2からのビデオ信号を受ける
場合には、画像を順次取り込み、エンコーダ情報を抽出
して読み込むと共に画像解析部4dにおける処理に適し
た信号形態に順次変換する。そして、この場合において
も、上記同様、投影像が含まれた画像が取り込まれたと
きには、その画像信号を画像解析部4dに送り込むと同
時に、当該画像の前後の画像から通常の撮影画像に相当
する画像を生成してビデオ制御器3へ出力する。
【0020】エンコーダデータ入力部4bは、エンコー
ダ5から供給されるエンコーダ情報に基づき、テレビカ
メラ1の上下方向位置を表す位置データを生成する。
【0021】フラッシュトリガ発生部4cは、エンコー
ダデータ入力部4bにて生成された位置データと、後述
する画像解析部4dの画像識別によって算出されたズレ
補正値とに基づき、テレビカメラ1が燃料棒やグリッド
等についての測定(位置測定)を行うべき測定位置に移
動してきたか否か判断し、測定位置にきたときにトリガ
パルスを発生してフラッシュマーカ投影部7へ出力す
る。
【0022】ここに、ズレ補正値とは、燃料集合体の伸
びや縮みに起因する上下方向位置のズレに対する補正値
である。テレビカメラ1を移動させた場合において、仮
に燃料集合体が新品であるとすれば、仕様値から各グリ
ッド位置やノズル位置等が分かるので、予め測定位置を
設定し、上記位置データと比較するのみで上記判断を行
うことができる。しかし、実際には、原子炉内で発熱さ
せた燃料集合体は、伸びや縮みによって長さが変わって
いるので、その変わった長さ分の位置ズレを補正するた
めのズレ補正値を導入するのである。尚、このズレ補正
値の算出処理については後述する。
【0023】画像解析部4dは、所定の演算手段、画像
メモリ等を具備しており、ビデオ信号入出力部4aにて
取り込まれた画像を用いて種々の画像解析処理を行う。
そして、投影像から燃料棒位置、ノズルやグリッドの位
置及び傾きを求め、燃料棒の曲がり(“Rod Bow
ing”以下、適宜“RB”という)及び燃料集合体の
曲がり(“Assembly Bowing”以下、適
宜“AB”という)等の測定、画像の記憶、ビデオ制御
器3へ出力する画像信号の選択等のための処理を実行
し、その処理結果を各出力端子(図中の端子T1、T2、
T3)等から出力する。
【0024】尚、画像解析部4dは、撮影時には、取り
込まれた画像がノズル部分、燃料棒部分、グリッド部分
のいずれのものであるかを識別し、燃料集合体の伸びや
縮みによる位置ズレに対する補正値の算出も行う。又、
ビデオデッキ2からのビデオ信号入力に対しては、ビデ
オ信号からエンコーダ値等の位置情報の読み込み機能も
働かせる。この画像解析部4dによる処理内容の詳細は
後述する。
【0025】フラッシュマーカ投影部7は、テレビカメ
ラ1の上方(又は下方)に設置され、テレビカメラ1の
光軸より斜め上方(又は下方)の方向から水平ライン状
のマーカを燃料集合体に投影する。このマーカの投影
は、フラッシュマーカ投影部7が、フラッシュトリガ発
生部4cからのトリガパルスを受けたときに、水平ライ
ン状マーカを投影するレーザ光をフラッシュ状に短時間
(テレビカメラ1の1画面撮影時間より短時間)照射す
ることによって行われる。
【0026】ここで、上記フラッシュマーカ投影部7に
よるマーカ投影の態様について、更に詳細に説明する。
図2は、テレビカメラ1の光軸Aより45度上方の方向
から燃料棒51にマーカMを投影するレーザ光Lを照射
する場合を模式的に示した図である。この図において
は、左側(イ)がマーカMの投影された燃料棒51(便
宜上2本分のみ)をテレビカメラ1側から見た様子を示
し、右側(ロ)が撮影面に垂直な方向から見たマーカ投
影の様子を示している。
【0027】図示のように、斜め上方からレーザ光Lを
照射すると、それによって投影される水平ライン状のマ
ーカMは、テレビカメラ1側から見ると、円柱状である
燃料棒51の外周表面では円弧状の曲線となる(図2の
(イ)の方参照)。この円弧状のマーカMは、レーザ光
Lが各燃料棒51を切る断面の切り口を前半分だけ撮影
面に投影した半円(又は半楕円)に相当することとな
り、それらの頂点(図中の記号P)は、各燃料棒51に
曲がりが生じていないとすれば、テレビカメラ1の光軸
Aを含む中央の水平ライン(以下、「中央水平ライン」
という)上に一定間隔で位置する。
【0028】投影されたマーカMは、理論的には上述し
たように写し出されるが、実際の撮影では、カメラの感
度範囲の影響もあって燃料棒の側面までのマーカMの画
像をできるだけ撮ろうとすると頂点付近にハレーション
が生じやすい。又、頂点付近については、レーザ光によ
る燃料棒表面での回折光が写りやすく、マーカMのライ
ンが確定しにくい画像しか得られないことが多い。図3
にかかる場合に撮影されるマーカMの様子を示す。但
し、この図は曲がりがほとんどない燃料棒配列へのレー
ザ光LによるマーカMの様子を示すものである。各燃料
棒外周表面に捉えられるマーカMは、図示のような略半
円に相当する円弧状となり、当該略半円の頂点付近にお
いては、ハレーションや回折等の影響によりマーカMが
塊状及び突起状に写ることが多い。尚、この部分は、燃
料棒の概略中心を示すので、これをサーチすることによ
って、各燃料棒の概略的な中心を短時間で求めることが
できる。
【0029】尚、上述したマーカMの投影は、単一の水
平ライン状マーカを投影するものであったが、これに限
らず、図4に示すように複数の水平ライン状マーカを投
影し、複数の円弧状マーカを撮影するものとしてもよ
い。同図では、左側(イ)が、複数のマーカMが投影さ
れた燃料棒51(便宜上1本分のみ)を示し、右側
(ロ)がそのマーカ投影の様子を示している。
【0030】又、通常の外観検査には、マーカMが投影
されていない画像を用いるので、レーザ光Lの照射時間
やマーカMの投影位置及び回数(測定位置及びその数)
は、外観検査に支障を来すことがないように設定する。
具体的には、マーカMが投影されている画像が、撮影に
よって得られる全画像の1/3〜1/20程度となるよ
う、テレビカメラ1の移動速度等に基づいて照射時間や
投影回数等を設定する。
【0031】<動作> 1.撮影 次に、上記構成による燃料集合体検査装置の動作につい
て説明する。まず初めに、テレビカメラ1を移動させ、
燃料集合体の外観を撮影する際の動作について説明す
る。
【0032】この撮影においては、テレビカメラ1を燃
料集合体の側面に亘って下から上へ又は上から下へ移動
させ、燃料集合体の部分的な撮影画像を順次ビデオデッ
キ2、ビデオ制御器3及び演算処理装置4へ供給する。
そして、ビデオデッキ2へのビデオ信号にテレビカメラ
1の位置を示すエンコーダ情報が乗せられ、その画像信
号がビデオデッキ2で録画される。又、撮影画像は、ビ
デオ制御器3を介して必要なタイミングをとって外観検
査用モニタ6に表示されると共に、ビデオ信号入出力部
4aにて取り込まれて画像解析部4d内の画像メモリに
順次記憶され、処理される。
【0033】このとき同時に、演算処理装置4において
は、エンコーダデータ入力部4bがエンコーダ5からの
エンコーダ情報によって位置データを生成し、画像解析
部4dでの画像識別結果によるズレ補正値を反映してフ
ラッシュトリガ発生部4cがテレビカメラ1の位置につ
いての判断(測定位置か否かの判断)を行う。又、画像
解析部4dは、画像を記憶する際に当該画像に対応する
位置データも併せて記憶する。
【0034】ここで、画像解析部4dによるズレ補正値
の算出は、取り込まれた画像がノズル部分、燃料棒部
分、グリッド部分のいずれのものであるかを識別し、各
部分が撮影された位置と、燃料集合体が変形していない
(伸びや縮み等がない)とした場合の当該各部分が撮影
されるべき位置との差によって算出する。すなわち、下
から撮影を開始し、変形していない燃料集合体の下部ノ
ズルがあるべき位置より下方で実際の下部ノズルが撮影
された場合、その下方への位置ズレをズレ補正値とし、
その後に各グリッドが撮影されたときにも同様にしてズ
レ補正値を求めていくのである。これにより、実際に撮
影する燃料集合体における(予め設定した)測定位置に
テレビカメラ1が移動してきたか否かの判断を正確に行
うことができる。
【0035】尚、燃料集合体の次の撮影面については、
上から撮影を行うことになるので、前の面の補正された
測定位置を利用することができる。このようにすること
で、各グリッド部分及びノズル部分における一定の測定
位置を確保することができる。又、スパンの広い燃料棒
部分についても、グリッドと干渉することのないように
測定位置を判断することができる。
【0036】そして、テレビカメラ1が測定位置に達し
たとき、フラッシュトリガ発生部4cがテレビカメラ1
の同期信号にシンクロしたトリガパルスを発生し、これ
を受けてフラッシュマーカ投影部7がレーザ光Lを照射
する。これにより、燃料集合体の現在撮影中の位置であ
る当該測定位置にマーカMが投影される。
【0037】このようにしてマーカMが投影されると、
画像解析部4dは、その投影がされた当該測定位置の画
像(以下、「マーカ投影画像」という)を、外観検査用
の通常の照明で撮影している間に取り込んだ画像(以
下、「通常撮影画像」という)と区別し、画像メモリの
所定の領域に記憶する。
【0038】ここで、画像解析部4dにおけるマーカ投
影画像と通常撮影画像との区別については、テレビカメ
ラ1からの画像では、フラッシュトリガ発生部4cのト
リガ発生パルスにより区別する。一方、一度録画された
画像では、録画時にマーカ投影画像にマーカ測定用画像
識別信号を付してその識別信号によって区別したり、或
いは、フラッシュマーカ投影部7の設置位置等により、
マーカMの投影される範囲(撮影画像の上下方向中央部
付近)が予め分かるので、取り込んだ画像の当該範囲内
にマーカMに相当するものが含まれているか否かを識別
することによって区別する。又、これらの手法を組み合
わせてより確実に区別を行うこともできる。
【0039】尚、マーカMが投影されている撮影画像を
そのまま外観検査用モニタ6に表示すると、撮影中の外
観観察に支障を来すので、必要に応じて、マーカMが投
影されている画像を表示しないようにする次の各種モー
ドを設定する。
【0040】ビデオ制御器3にFIFO画像メモリを設
けてそのフリーズ機能を働かせ、マーカ投影画像がきた
とき、画像メモリの書き込みを1画像分停止させて表示
画像の更新をしない方法をとる。マーカ投影画像の頻度
があまり高くなければこれで十分検査可能となる。
【0041】マーカ投影画像の頻度が50%に上がって
も外観検査に全く影響を及ぼさないモードとしては、ビ
デオ制御器3に複数(好ましくは6枚位)のFIFO画
像メモリを設け、画像の表示遅れをとって、マーカ投影
画像がきたときは、その前後の画像比較を行い、ズレ量
を求め、その中間画像をマッピング再構成して生成す
る。そして、表示までにマーカ投影画像を書き換えるこ
とにより、通常の外観検査画像と遜色ない画像を表示で
きる方法をとる。
【0042】以上の撮影、録画、表示及び画像記憶等の
動作を燃料集合体の全長に亘って行い、外観を観察しつ
つ、燃料集合体1側面全長に亘る外観の画像情報を得
る。これにより得られた画像情報のうち、ビデオテープ
に記録された形で得られた方は、後にそれを再生して各
種の計測を行う場合に使用され、画像メモリに記憶され
た形で得られた方は、画像解析部4dにて後述の画像処
理に使用される。
【0043】尚、ビデオデッキ2により上記ビデオテー
プを再生し、その再生画像を演算処理装置4へ供給する
ことによって画像解析部4d内の画像メモリに画像情報
を記憶することとしてもよい。この場合、演算処理装置
4においては、上記同様の画像識別によって取り込んだ
画像を区別して記憶することとし、フラッシュマーカ投
影部7へのトリガパルス出力は行わないこととする。
【0044】2.画像処理 (1)燃料棒部分のマーカ投影画像 燃料棒部分における各マーカ投影画像においては、上述
したように、各燃料棒の外周表面にそれぞれ円弧状のマ
ーカMが写し出されている。そこで、画像解析部4dで
は、まず、画像メモリに記憶したマーカ投影画像の画像
情報を読み出し、マーカMのみの画像を抽出する。
【0045】次いで、その抽出したマーカMの画像によ
り、当該マーカ投影画像が撮影された測定位置における
各燃料棒の前後左右方向の位置(燃料集合体水平断面内
における位置)を算出する。この算出演算処理は、抽出
された各燃料棒外周表面におけるマーカMの画像につい
て、それぞれ頂点位置を求め、それらの求めた頂点位置
と、各燃料棒が通常の位置にあるとき(曲がりが生じて
いないとき)のマーカMの頂点位置とを比較することに
よって行う。
【0046】ここで、かかる算出演算処理の具体的内容
について、図5を参照して説明する。尚、この図では、
説明を簡略化するため、撮影面中央の1本のみの燃料棒
位置算出について示す。上段の図5(a)は、燃料棒5
1が通常の位置にある場合を示しており、この場合、マ
ーカ投影画像を画面表示したときのマーカMの頂点P
は、右側の画面中に示すように中央に位置することとな
る。
【0047】一方、下段の図5(b)は、燃料棒51が
通常の位置よりテレビカメラ1寄りにある場合(テレビ
カメラ1の方へ曲がっている場合)を示しており、上記
図5(a)の場合を併せて示してある(図中の破線部
分)。この図に示すように、燃料棒51がテレビカメラ
1寄りに位置していると、マーカMの頂点P′は、通常
の位置の場合(P)より上方に位置することとなる。こ
のようなことから、図5(b)の場合にあっては、頂点
PとP′の位置の差に基づいて、三角測量法によって燃
料棒51の前方への位置変位量を求め、これにより、燃
料棒51の前後方向の位置を算出する。
【0048】同様にして、燃料棒51がテレビカメラ1
から遠ざかる方へ曲がっている場合には、頂点P′は下
方に位置し、左に曲がっている場合には、頂点P′は左
方に位置し、右に曲がっている場合には、頂点P′は右
方に位置することとなる。そして、これらそれぞれの場
合においても、上記同様、頂点PとP′の位置の差に基
づいて、燃料棒51の前方、左方、右方への位置変位量
を算出することができる。このような原理により、マー
カMの画像の頂点位置に基づいて、燃料棒の前後左右方
向における位置を算出するのである。
【0049】又、このとき、上述したように頂点付近で
はハレーションや回折等が起こり易く、マーカMの確定
誤差が大きくなる場合が多い。きれいなラインが出たと
しても1画素以上の分解能で頂点を確定することは難し
い。但し、この方法は粗い測定にはなるが燃料棒の位置
を確実に短時間で測定できる方法である。このため、こ
の方法で各燃料棒の概略位置を検知しておき、図6に示
すように、頂点付近のハレーションや回折等が起こり易
い部分を除いたマーカMの画像を用いて円(又は楕円)
近似最小二乗法等の数学的処理を行い、レーザ光Lによ
る燃料棒の切り口断面を撮影面に投影した円(又は楕
円、以下、「断面投影円」という)を統計的に求める。
ここで、図6においては、断面投影円を近似的な楕円に
よって求める場合を例として示し、求めた楕円Cを破線
にて表している。
【0050】そして、その求めた断面投影円の中心線と
円周との交点から頂点位置を求める。図6の例では、中
心線lと楕円Cとの交点PlCを頂点位置とする。これに
より、マーカMを一部分のみしか捉えられない場合にあ
っても、上述した原理によって燃料棒の前後左右方向に
おける位置を精度良く算出することができる。又、求め
た断面投影円の中心(図中×印のO)と径から、結果と
して燃料棒の水平面の中心位置と径も求めることができ
ることになる。
【0051】又、求めた断面投影円のデータから仮想円
(又は楕円)を計算し、異常に離れているデータをノイ
ズとして捨て、再度最小二乗計算を行う。燃料棒の表面
位置がより精度良く出たので、この距離と画像位置から
光学系の歪み等を考慮して燃料棒径に相当する画素数を
算出し、燃料棒外径画素数を既知として、再度、円(又
は楕円)近似最小二乗法で燃料棒位置を計算する。この
演算処理を何度か繰り返し、値が収束した時点で測定値
を確定する。このようにすることで、より一層精度の高
い測定が可能となる。
【0052】尚、図5で説明した撮影面中央の燃料棒以
外の各燃料棒については、曲がりが生じていなければ頂
点位置が一定間隔で位置することとなるので、上記頂点
Pに相当する基準となる頂点の位置をそれぞれ特定する
ことができ、上記同様の原理によって、それぞれの位置
を測定することができる。
【0053】又、燃料棒の中心位置については、マーカ
Mの画像から直接求めることとしてもよい。この場合の
処理は、マーカMの画像から部分的に2つの弧を選び、
それぞれの弧の弦の垂直2等分線の交点を中心位置とす
ることによって行う。これにより求まる中心位置は、理
論的には断面投影円の中心に相当することになる。
【0054】しかしながら、かかる手法によって中心位
置を求めることとすると、撮影画像が不鮮明でマーカM
の画像が一つの円(又は楕円)の一部に完全には一致し
ないことから、事実上無数の中心位置が求まることとな
る。そこで、上記2つの弧をマーカMの画像から複数選
び出し、それぞれの2つの弧を用いて中心位置を求め、
求められた複数の中心位置の座標を平均したものを燃料
棒の中心位置として確定する。このようにすることで、
鮮明な画像が得られない状況下においても中心位置の精
度を確保することができる。またこの時、複数の中心位
置座標値における最大値最小値を除く等の統計処理を行
えば、精度は更に向上する。
【0055】以上のようにして、当該測定位置における
各燃料棒の前後左右方向位置、中心位置及び径を求め、
再度円近似最小二乗法等の数学的処理によって、燃料集
合体水平断面内における各燃料棒断面の外周を表す円を
算出する。これにより、当該測定位置における各燃料棒
断面の配置が得られ、各燃料棒間の間隔を測定すること
もできることになる。
【0056】更に、他の測定位置についても上記同様に
順次各燃料棒断面の外周円を算出し、それらを燃料集合
体の全長方向(上下方向)に順次配列させて各燃料棒の
形状(曲がり)を立体的に再現する。
【0057】尚、上記図4に示したように複数のマーカ
を投影する場合にあっては、マーカ投影画像から各々の
マーカを抽出し、上記同様の処理を行う。このようにす
ると、一つのマーカ投影画像から複数の測定位置におけ
る燃料棒配置が得られる。
【0058】(2)上部ノズル、下部ノズル及び各グリ
ッドの部分のマーカ投影画像 一方、上部ノズル、下部ノズル及び各グリッドの部分に
ついては、マーカ投影画像においてマーカMが直線状に
写し出される。そこで、そのマーカMの画像を抽出し、
その位置に基づいて各部分の前後左右方向における位置
を求める。以下、それぞれの部分の場合について説明す
る。
【0059】上部ノズル部分 図7(a)、(b)は、それぞれ、上部ノズル54にマ
ーカMが投影されたときの種々の態様を示しており、上
部ノズル54が通常の位置にあるとき(燃料集合体に曲
がりが生じていないとき)のマーカMの画像を一点鎖線
MU0にて示してある(以下、この画像を「マーカ画像M
U0」という)。図示のように、このマーカ画像MU0は、
定位置(中央水平ライン上)で上部ノズル54に対して
平行に写し出される。上部ノズル54については、その
各コーナ部(撮影側面の水平方向各端部)において、撮
影されたマーカ画像の位置とマーカ画像MU0の位置との
差を求め、以下に述べる原理によって位置を算出する。
【0060】まず、上述の図5(b)に示した場合と同
様に、上部ノズル54が、その対向側面がテレビカメラ
1に対して垂直で、かつ、テレビカメラ1寄り(前方)
に位置している場合には、マーカ画像MU0と平行でこれ
より上方に位置するマーカ画像MU1(図7(a)中の実
線MU1)が撮影される。従って、この場合においては、
各コーナ部におけるマーカ画像MU1の位置(図中の点P
MU1、QMU1)と、マーカ画像MU0の位置(点PMU0、QM
U0)との差は等しくなる。そこで、この等しい両コーナ
部における位置の差に基づき、三角測量法によって上部
ノズル54の前方への位置変位量を算出する。
【0061】又、上部ノズル54が、その対向側面がテ
レビカメラ1に対して垂直で、かつ、テレビカメラ1か
ら遠ざかる方(後方)に位置している場合には、下方に
位置するマーカ画像MU2(図7(a)中の破線MU2)が
撮影されるので、上記同様に両コーナ部におけるマーカ
画像MU2とマーカ画像MU0の位置の差に基づいて上部ノ
ズル54の後方への位置変位量を算出する。
【0062】これに対し、上部ノズル54の対向側面が
テレビカメラ1に対して左奥に傾いている場合(左側端
部がテレビカメラ1から遠ざかる方に位置し、右側端部
がテレビカメラ1寄りに位置している場合)には、図7
(b)中の実線にて示したマーカ画像MU3が撮影され
る。図示のように、このマーカ画像MU3は、マーカ画像
MU0に対して右上がりの直線となる。従って、この場合
においては、各コーナ部におけるマーカ画像MU3の位置
(点PMU3、QMU3)と、マーカ画像MU0の位置(点PM
U0、QMU0)との差に基づき、マーカ画像MU3が傾いた
方向(右上)から上部ノズル54の位置変位方向(左
奥)を求めると共に、傾いた量から上部ノズル54の左
奥方向への位置変位量を算出する。
【0063】又、これとは逆に上部ノズル54の対向側
面がテレビカメラ1に対して右奥に傾いている場合(右
側端部がテレビカメラ1から遠ざかる方に位置し、左側
端部がテレビカメラ1寄りに位置している場合)には、
左上がりのマーカ画像MU4(図7(b)中の破線MU4)
が撮影されるので、上記同様に各コーナ部におけるマー
カ画像MU4とマーカ画像MU0の位置の差に基づき、マー
カ画像MU4の傾き方向(左上)から位置変位方向(右
奥)を求め、傾き量から上部ノズル54の右奥方向への
位置変位量を算出する。
【0064】このような原理により、抽出されたマーカ
Mの画像を用い、その上部ノズル54の各コーナ部にお
ける位置に基づいて、上部ノズル54の前後左右方向に
おける位置を算出するのである。
【0065】又、ここで同時に、上部ノズル54のテレ
ビカメラ1に対して垂直な面内における傾きも算出す
る。これは、画像中に写し出された上部ノズル54の輪
郭の画面内における傾きや、複数のマーカ投影画像それ
ぞれのマーカ画像のコーナ部における位置によって求め
ることができる。これと上記前後左右方向における位置
とにより、上部ノズル54の立体的な傾きを求め、その
傾きから上部ノズル54の中心位置(3次元座標での中
心位置)も求める。
【0066】下部ノズル部分 図8(a)、(b)は、それぞれ、下部ノズル55にマ
ーカMが投影されたときの種々の態様を示しており、下
部ノズル55が通常の位置にあるときのマーカ画像を一
点鎖線MD0にて示してある。この下部ノズル部分につい
ても、上記上部ノズル部分同様、マーカ画像MD0が定位
置で下部ノズル55に対して平行に写し出されるので、
各コーナ部においてマーカ画像の位置の差を求め、それ
らの差に基づいて下部ノズルの前後左右方向における位
置を算出する。
【0067】すなわち、下部ノズル55の対向側面がテ
レビカメラ1に対して垂直で、前方に位置している場合
には、図8(a)中実線のマーカ画像MD1が撮影され、
後方に位置している場合には、破線のマーカ画像MD2が
撮影されるので、それぞれの場合において、両コーナ部
におけるマーカ画像の位置の差に基づいて下部ノズル5
5の前方、後方への位置変位量を算出する。又、左奥に
傾いている場合には、図8(b)中実線のマーカ画像M
D3が撮影され、右奥に傾いている場合には、破線のマー
カ画像MD4が撮影されるので、それぞれの場合におい
て、各コーナ部におけるマーカ画像の位置の差に基づい
て下部ノズル55の位置変位方向及び位置変位量を算出
する。
【0068】又、上部ノズル同様、下部ノズル55につ
いても、テレビカメラ1に対して垂直な面内における傾
きを算出し、これと上記前後左右方向における位置とに
よって立体的な傾きを求め、中心位置も求める。
【0069】尚、上述した「上部ノズル部分」及び
「下部ノズル部分」の位置算出おいては、コーナ部に
おけるマーカ画像そのものの位置を用いることとした
が、投影面におけるマーカ画像に相当する近似直線を求
め、その直線とコーナ部との交点をマーカ画像のコーナ
部における位置としてもよい。すなわち、投影面におけ
るマーカ画像位置の各画素点を抽出し、それらに基づい
て最小二乗近似により当該マーカ画像に相当する近似直
線(例えば、図7(a)のマーカ画像MU1では線分PM
U1QMU1)を求め、その近似直線とコーナ部との交点を
マーカ画像のコーナ部における位置とするのである。こ
のようにして算出演算処理に用いるマーカ画像の位置を
確定することとすれば、上部ノズル54、下部ノズル5
5の位置をより精度良く求めることができる。
【0070】又、上記「上部ノズル部分」及び「下
部ノズル部分」の位置算出においては、コーナ部におけ
るマーカ画像の位置から当該マーカ画像の傾きを求め、
その求めた傾きにより、上部ノズル54、下部ノズル5
5の傾きを求めているが、これに関しても、マーカ画像
の画素点から投影面におけるマーカ画像に相当する近似
直線を求め、その近似直線の傾きを用いることとすれ
ば、上部ノズル54、下部ノズル55の傾きをより精度
良く求めることができる。
【0071】各グリッド部分 図9(a)、(b)は、それぞれ、グリッド52にマー
カMが投影されたときの種々の態様を示しており、グリ
ッド52が通常の位置にあるときのマーカ画像を一点鎖
線MG0にて示してある。このグリッド部分については、
上記上部ノズル部分及び下部ノズル部分同様、撮影され
たマーカ画像の位置とマーカ画像MG0の位置との各コー
ナ部における差を求め、その差に基づいてグリッド52
の位置を算出することとしてもよいが、グリッド52に
は多数のスプリング窓52s及びディンプル窓52dが
あるので、これを利用して次のような手法により位置を
求める。
【0072】図示のように、グリッド52に投影された
マーカMは、各スプリング窓52sの部分以外のグリッ
ド表面に断続的に写し出される。そこで、マーカ画像が
途切れる各スプリング窓52sのそれぞれの端部におい
て、撮影されたマーカ画像(MG1、MG2、MG3若しくは
MG4)の位置とマーカ画像MG0の位置との差を求める。
【0073】尚、各スプリング窓52sのそれぞれの端
部におけるマーカ画像の位置は、マーカ画像の画素点か
ら最小二乗近似によって当該マーカ画像に相当する近似
直線を求め、その直線と各スプリング窓端部との交点か
ら求める。
【0074】そして、それらの位置の差それぞれに基づ
いて、上記同様の原理により、グリッド52の前後左右
方向における位置を算出する。ここで、あるグリッドに
ついて、各スプリング窓52sの端部におけるマーカ画
像の位置の差からそれぞれ求まるグリッド位置は、理論
的には全て同一となるはずであるが、画像が不鮮明であ
ること等から生ずる誤差により、実際には同一とはなら
ない。このため、当該グリッドについて求めた複数のグ
リッド位置座標を平均して得られる位置を当該グリッド
の位置として確定する。このようにすることで、グリッ
ド52の前後方向における位置を高い精度によって求め
る。またこの時、複数のグリッド位置座標値における最
大値最小値を除く等の統計処理を行えば、精度は更に向
上する。
【0075】尚、ディンプル窓52dを利用する場合
も、上記同様、各ディンプル窓52dのそれぞれの端部
において、撮影されたマーカ画像の位置と、グリッド5
2が通常の位置にあるときのマーカ画像の位置との差を
求め、それぞれの差からグリッド位置を算出し、平均化
や最大値最小値の排除等の演算処理を行ってグリッド位
置を確定する。
【0076】(3)処理結果出力 以上述べたように、画像解析部4dでは、燃料集合体全
長に亘り、前後左右方向における各燃料棒の中心、上部
ノズル、下部ノズル及び各グリッドの位置を算出し、そ
れらに基づいて燃料集合体全長に亘る形状(曲がり)を
立体的に再現する。そして、上記燃料棒部分の画像処理
にて再現した各燃料棒の立体形状と、燃料集合体の立体
形状とを、それぞれRB表示出力、AB表示出力として
出力端子T2から出力する。これにより、各燃料棒や燃
料集合体全体の形を立体的に表示し、全長に亘る立体的
なRB、ABを把握、測定する。尚、これに加えて、各
燃料棒外周の相互位置関係、間隔等も立体的に測定する
ことがきる。
【0077】更に、画像解析部4dは、マーカ投影画像
と区別して画像メモリに記憶した通常撮影画像の画像情
報とそのエンコーダ情報から、上下方向の所定の範囲で
展開した展開画像を再構成し、外観検査用表示出力とし
て出力端子T1から出力する。この場合、画像メモリに
記憶した通常撮影画像においては、マーカ投影画像を取
得した測定位置のものが欠落している。
【0078】そこで、各測定位置については、その前後
の画像情報から欠落している画像情報を引き出し、欠落
分の画像を埋めて再構成して展開画像を生成する。そし
て、その展開画像を記憶しておくことにより、燃料集合
体50の1面の再生画像をスクロールしながら任意の位
置について確認することができる。
【0079】又、このとき、これらの外観画像データを
燃料集合体曲がりや燃料棒曲がりを立体的に再現した表
示画像表面にマッピングし、3D表示を行うことによっ
て、燃料集合体側面の任意の視点からの立体観察を行う
ことができる。
【0080】尚、出力端子T3からは、必要に応じて上
記各種処理の結果をプリンタへ出力したり、他の外部装
置へ送信したりする。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、燃料集合体の部分的な撮影画像により、当該
燃料集合体若しくはその各燃料棒又はそれら双方の曲が
りを測定する燃料集合体検査装置において、水平ライン
状の投影像を燃料集合体の水平断面に斜めに交差する方
向からフラッシュ状に投影する投影手段を設け、第1の
画像処理手段によって投影像が含まれた像投影画像を分
離して前記曲がりを算出すると共に、第2の画像処理手
段によって撮影画像における像投影画像をその直前及び
直後の撮影画像に基づいて置き換えることとしたので、
曲がり測定用の画像と検査用の画像とが同時に得られ
る。これにより、燃料集合体の撮影に要する時間が短縮
され、検査時間全体が短縮されることとなると共に、放
射線による撮影器具の劣化が防止されるという効果が得
られる。
【0082】又、請求項2記載の発明によれば、燃料集
合体検査装置における像投影画像を解析する方法におい
て、像投影画像中の投影像に基づき、燃料棒の撮影手段
側へ向かう頂点位置から燃料棒の前後左右の曲がりを算
出することとしたので、撮影手段に対して前後方向の曲
がりも測定することができることとなる。これにより、
撮影手段に対して前後及び左右の曲がりを同時に測定す
ることが可能となるという効果が得られる。
【0083】ここで、燃料棒の中心(上記頂点)付近に
ついては、ハレーションが生じやすく、像投影による回
折光が写りやすいので、投影像を確定しにくい場合も多
い。このような場合、投影像に基づく燃料棒の頂点位置
が定まらず、その頂点によって燃料棒の中心を求めるこ
とができない。これに対し、請求項3記載の発明では、
燃料集合体検査装置における燃料棒の位置を求める方法
において、像投影画像中の投影像が描く円弧状曲線に該
当する円又は楕円を求めて燃料棒の位置を求めることと
したので、上述のような場合にあっても燃料棒の位置を
求めることができる。又、燃料棒の中心位置と径とが求
まることから、燃料棒と燃料棒の立体的間隔も測定する
ことができる。
【0084】尚、燃料棒の中心は、上記円弧の2つの弦
の垂直2等分線の交点から求めることとしてもよい。こ
の場合においては、無数の中心が求まることとなるが、
複数の中心位置を求めてそれらの前後左右方向における
座標値を平均することにより、中心位置の精度を向上さ
せることができる。この時、複数の中心位置座標値にお
ける最大値最小値を除く等の統計処理を行えば、精度は
更に向上する。又、上記複数の中心位置のばらつきを上
下方向に比較することにより、燃料棒の偏平度も数学的
定義に基づいて求めることができる。
【0085】一方、請求項4記載の発明によれば、燃料
集合体検査装置における上部ノズル、下部ノズル及び各
グリッドの位置を測定する方法において、上部ノズルの
角、前記下部ノズルの角、前記各グリッドのスプリング
窓及びディンプル窓における投影像の位置により、前記
上部ノズル、下部ノズル及び各グリッドの位置を求める
こととしたので、請求項3記載の発明によって得られる
燃料棒の中心位置と径とを併せて用い、外観画像をマッ
ピングすることで燃料集合体の立体画像を表示すること
もできる。
【0086】ここで、グリッドに関しては、スプリング
窓及びディンプル窓が多数あるので、各スプリング窓、
各ディンプル窓における投影像の位置からそれぞれグリ
ッド位置を求め、それらの平均化や最大値最小値の排除
等、上記同様の統計処理を行うことができ、グリッド位
置の精度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による燃料集合体検査装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】 燃料棒51にマーカMを投影する様子を模式
的に示した図である。
【図3】 頂点付近でハレーションを起こしている場合
に撮影されるマーカMの様子を示す図である。
【図4】 複数の水平ライン状マーカを投影する様子を
模式的に示した図である。
【図5】 抽出されたマーカMの頂点位置から燃料棒位
置を求める演算処理の内容を示した図である。
【図6】 断面投影円を近似的な楕円によって求める場
合を示した図である。
【図7】 上部ノズル54にマーカMが投影されたとき
の種々の態様を示した図である。
【図8】 下部ノズル55にマーカMが投影されたとき
の種々の態様を示した図である。
【図9】 グリッド52にマーカMが投影されたときの
種々の態様を示した図である。
【図10】 燃料集合体の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 テレビカメラ 4 演算処理装置 4a ビデオ信号入出力部 4c フラッシュトリガ発生部 4d 画像解析部 7 フラッシュマーカ投影部 50 燃料集合体 51 燃料棒 52 グリッド 52s スプリング窓 52d ディンプル窓 54 上部ノズル 55 下部ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影手段を燃料集合体に沿って上下方向
    に移動させ、当該燃料集合体を部分的に順次撮影した撮
    影画像により、当該燃料集合体若しくはその各燃料棒又
    はそれら双方の曲がりを測定する燃料集合体検査装置に
    おいて、 水平ライン状の投影像を当該燃料集合体の水平断面に対
    して斜めに交差する方向からフラッシュ状に投影する投
    影手段と、 前記撮影画像から前記投影像が含まれた像投影画像を分
    離し、該像投影画像に基づいて前記曲がりを算出する第
    1の画像処理手段と、 前記撮影画像において、前記像投影画像を、その直前及
    び直後の撮影画像に基づいて置き換える第2の画像処理
    手段とを有することを特徴とする燃料集合体検査装置。
  2. 【請求項2】 撮影手段を燃料集合体に沿って上下方向
    に移動させ、当該燃料集合体を部分的に順次撮影した撮
    影画像により、当該燃料集合体若しくはその各燃料棒又
    はそれら双方の曲がりを測定する燃料集合体検査装置で
    あって、 水平ライン状の投影像を当該燃料集合体の水平断面に対
    して斜めに交差する方向からフラッシュ状に投影する投
    影手段を有し、 前記投影像が含まれた像投影画像を解析する方法におい
    て、像投影画像中の投影像に基づき、燃料棒の前記撮影
    手段側へ向かう頂点位置から燃料棒の前後左右の曲がり
    を算出することを特徴とする燃料集合体検査装置。
  3. 【請求項3】 撮影手段を燃料集合体に沿って上下方向
    に移動させ、当該燃料集合体を部分的に順次撮影した撮
    影画像により、当該燃料集合体の燃料棒の中心を測定す
    る燃料集合体検査装置であって、 水平ライン状の投影像を当該燃料集合体の水平断面に対
    して斜めに交差する方向からフラッシュ状に投影する投
    影手段を有し、 前記投影像が含まれた像投影画像から燃料棒の位置を求
    める方法において、像投影画像中の投影像が描く円弧状
    曲線に該当する円又は楕円を求めて燃料棒の位置を求め
    ることを特徴とする燃料集合体検査装置。
  4. 【請求項4】 撮影手段を燃料集合体に沿って上下方向
    に移動させ、当該燃料集合体を部分的に順次撮影した撮
    影画像により、当該燃料集合体の上部ノズル、下部ノズ
    ル及び各グリッドの位置を測定する燃料集合体検査装置
    であって、 水平ライン状の投影像を当該燃料集合体の水平断面に対
    して斜めに交差する方向からフラッシュ状に投影する投
    影手段を有し、 前記投影像が含まれた像投影画像から前記上部ノズル、
    下部ノズル及び各グリッドの位置を求める方法におい
    て、前記上部ノズルの角、前記下部ノズルの角、前記各
    グリッドのスプリング窓及びディンプル窓における投影
    像の位置により、前記上部ノズル、下部ノズル及び各グ
    リッドの位置を求めることを特徴とする燃料集合体検査
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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