JPH10274631A - 表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ及びその製造方法 - Google Patents

表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ及びその製造方法

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JPH10274631A
JPH10274631A JP9081453A JP8145397A JPH10274631A JP H10274631 A JPH10274631 A JP H10274631A JP 9081453 A JP9081453 A JP 9081453A JP 8145397 A JP8145397 A JP 8145397A JP H10274631 A JPH10274631 A JP H10274631A
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film
nucleic acid
surface plasmon
layer
plasmon resonance
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JP9081453A
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Ryohei Nagata
良平 永田
Hiroyuki Nakamura
洋之 中村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 透明基板、該透明基板上に配置される金
属膜、該金属膜上に配置される有機ケイ素膜、該有機ケ
イ素膜上に配置される多価性試薬層、及び該多価性試薬
層上に配置されるアビジン層を備えていることを特徴と
する表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ、
及びその製造方法。 【効果】 核酸を固定化でき、また、固定化する核酸が
少量であっても、良好な感度で測定対象物質を測定でき
る表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップを提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面プラズモン共鳴
バイオセンサー用測定チップ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、臨床検査等で免疫反応を利用した
測定が数多く行われているが、従来法では煩雑な操作や
標識物質を必要とするため、標識物質を必要とすること
なく、リガンドの変化を高感度に検出することのできる
表面プラズモン共鳴(SPR)を利用した免疫センサー
が使用されている。
【0003】このような表面プラズモン共鳴を利用した
装置(表面プラズモン共鳴バイオセンサー)では、測定
対象物と相互作用をする生理活性物質を装置内の測定チ
ップに固定して測定を行う。測定チップは、通常、ガラ
ス基板とその上に形成される金属膜と金属膜に結合する
カルボキシメチルデキストランからなり(例えば、ファ
ルマシアバイオセンサー社製BIAcore 2000用の測定チッ
プ)、カルボキシメチルデキストランに生理活性物質を
固定化する。
【0004】しかし、カルボキシメチルデキストラン
に、抗体や酵素などの蛋白質を固定化することは容易で
あるが、核酸のような酸性物質を固定化することは非常
に難しい(「蛋白質 核酸 酵素」Vol 37 No.15 2997-
2984(1992))。また、前記測定チップの層構造では、測
定対象物と実質的にかつ効率的に相互作用する生理活性
物質は、カルボキシメチルデキストランからなる層の表
面に露出するものだけであるため、層の内部に結合され
ている生理活性物質は有効に機能せず、その分感度が低
下することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、核酸
を固定化することができ、また、固定化する核酸が少量
であっても、良好な感度が得られる表面プラズモン共鳴
バイオセンサー用の測定チップを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、金属膜上に、有機ケイ素膜、多価
性試薬層、及びアビジン層を形成させることにより、核
酸を金属膜上に固定でき、また、使用する核酸が少量で
あっても良好な感度が得られることを見出し、本発明を
完成した。
【0007】即ち、本発明は、透明基板、該透明基板上
に配置される金属膜、該金属膜上に配置される有機ケイ
素膜、該有機ケイ素膜上に配置される多価性試薬層、及
び該多価性試薬層上に配置されるアビジン層を備えてい
ることを特徴とする表面プラズモン共鳴バイオセンサー
用測定チップである。
【0008】また、本発明は、透明基板上に、金属膜、
有機ケイ素膜、多価性試薬層、及びアビジン層を、この
順に配置していくことを特徴とする、表面プラズモン共
鳴バイオセンサー用測定チップの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測
定チップ(以下、単に「測定チップ」という)とは、表
面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用されるチップで
あって、該センサーより照射された光を透過及び反射す
る部分、並びに測定対象物と相互作用をする物質を固定
化する部分とを含む部材をいい、該センサーの本体に固
着されるものであってもよく、また脱着可能なものであ
ってもよい。
【0010】本発明の測定チップは、透明基板、該透明
基板上に配置される金属膜、該金属膜上に配置される有
機ケイ素膜、該有機ケイ素膜上に配置される多価性試薬
層、及び該多価性試薬層上に配置されるアビジン層を備
えている。ここで、「透明基板上に配置される金属膜」
とは、金属膜が直接接して透明基板上に配置されている
場合のほか、金属膜が透明基板に直接接することなく、
他の層を介して配置されている場合をも含む意である。
「金属膜上に配置される有機ケイ素膜」、「有機ケイ素
膜上に配置される多価性試薬層」、及び「多価性試薬層
上に配置されるアビジン層」も上記と同様の意味であ
る。
【0011】本発明の一例による測定チップの断面概略
図を図1に示す。本実施例による測定チップは、透明基
板1、透明基板1上に形成された金属膜2、金属膜2上
に形成された有機ケイ素膜3、有機ケイ素膜3上に形成
された多価性試薬層4、及び多価性試薬層4上に形成さ
れたアビジン層5の5層からなる。
【0012】透明基板1としては、通常表面プラズモン
共鳴バイオセンサー用の測定チップに使用されるもので
あればどのようなものでもよく、一般的にはガラス、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどのレ
ーザー光に対して透明な材料からなるものが使用でき、
偏光に対して異方性を示さずかつ加工性の優れた材料が
望ましく、その厚さは0.1 〜20mm程度である。
【0013】金属膜2としては、表面プラズモン共鳴が
生じ得るようなものであれば特に限定されない。この金
属膜2に使用することのできる金属の種類としては、
金、銀、銅、アルミニウム、白金等が挙げられ、それら
を単独で又は組み合わせて使用することができる。ま
た、上記透明基板1への付着性を考慮して、透明基板1
と金、銀等からなる層との間にクロム等からなる介在層
を設けてもよい。
【0014】金属膜2の膜厚は、100 〜2000Åであるの
が好ましく、特に200 〜600 Åであるのが好ましい。30
00Åを超えると、媒質の表面プラズモン現象を十分検出
することができない。また、クロム等からなる介在層を
設ける場合、その介在層の厚さは、5〜50Åであるのが
好ましい。
【0015】金属膜2の形成は常法によって行えばよ
く、例えば、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティン
グ法、電気めっき法、無電解めっき法等によって行うこ
とができる。これらの方法の中でもスパッタ法を用いる
のが好ましい。
【0016】有機ケイ素膜3とは、Si−O及びSi−
C結合を分子内に含む高分子からなる膜をいう。該有機
ケイ素膜3は、例えば、シランカップリング剤を用いて
形成させることができる。シランカップリング剤とは、
その分子中にビニル基、エポキシ基、アミノ基、メルカ
プト基のような有機材料と親和性のある有機官能基と、
メトキシ基、エトキシ基のような無機材料と親和性のあ
る加水分解基を有する有機ケイ素化合物のことをいう。
シランカップリング剤中の加水分解基は、金属膜2中の
金属原子と結合し、有機官能基は多価性試薬層4を構成
する物質と結合する。これにより金属膜2、有機ケイ素
膜3及び多価性試薬層4の三者は強固に固定される。本
発明に使用できるシランカップリング剤は、上記定義に
該当するものであればいかなるものでもよく、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチ
ルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ト
リメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロ
ピル)ジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプ
ロピルメチルシランなどを単独又は組み合わせて使用す
ることができる。
【0017】有機ケイ素膜3は、ケイ素原子が上下方向
に重ならない単分子層膜であることが好ましい。単分子
層膜にすることにより、測定対象物と、入射した光が反
射する面との距離を短くすることができ、良好な感度が
得られるとともに、使用するシランカップリング剤の量
を必要最小限に抑え、コストの低減化を図ることができ
る。
【0018】また、有機ケイ素膜3は、細密充填構造を
とるのが好ましい。細密充填構造とは、有機ケイ素膜3
を構成するSi及びOの網目構造中に他の分子が貫入す
る余地のないほど、網目構造が緻密であることをいう。
細密充填構造をとることにより、生理活性物質を高い密
度で均等に固定化することができ、測定感度を向上させ
ることができる。有機ケイ素膜3が細密充填構造をとる
かどうかは、以下の方法により確認することができる。
【0019】プロピルエトキシシラン(シランカップリ
ング剤である3−アミノプロピルトリエトキシシランの
アミノ基を水素原子で置換した化合物)を用いて金属膜
2上に有機ケイ素膜3を形成させる。プロピルエトキシ
シランは、強い疎水性を有する化合物なので、有機ケイ
素膜2の表面の濡れ程度により、プロピルエトキシシラ
ンの密度(即ち、有機ケイ素膜3の細密充填の程度)を
知ることができる。即ち、シリンジにより蒸留水を滴下
した際に表面が一様に水滴を弾くのであれば有機ケイ素
膜3は細密充填構造をとっており、表面が部分的にしか
水を弾かないのであれば、細密充填構造をとっておら
ず、Si及びOの網目構造に空隙が存在することが推測
される。
【0020】有機ケイ素膜3は、例えば、所定量のシラ
ンカップリング剤を金属膜2に所定時間接触させること
により形成させることができる。具体的には、シランカ
ップリング剤の飽和蒸気中に金属膜2を一定時間暴露す
る方法(飽和蒸気法)、シランカップリング剤を含む溶
液中に金属膜2を一定時間浸漬する方法(浸漬法)、ス
ピンコータを用いる方法(スピンコーティング法)、グ
ラビア印刷機を用いる方法(グラビア法)などを挙げる
ことができる。本発明においては、これらのいずれの方
法を用いてもよいが、細密充填構造をとる単分子層膜を
形成させるためには、飽和蒸気法を用いるのが好まし
い。
【0021】飽和蒸気法においては、暴露時の温度、湿
度なども単分子層構造及び細密充填構造の形成に影響を
与えるが、暴露時間が最も重要な要素である。暴露時間
が長すぎると単分子層構造が得られず、また、暴露時間
が短すぎると細密充填構造が得られない。暴露時間は、
通常、1〜600 分とするのが好ましく、15〜90分とする
のが更に好ましい。
【0022】本発明における有機ケイ素膜3は、以下の
ような利点を有する。 核酸を金属膜2に極めて近い位置に固定することが
できるので、測定感度を向上させることができる。 成膜が容易であり、また、一度に大量の成膜処理が
できる。 シランカップリング剤の種類を変えることにより、
膜厚だけでなく、表面改質、官能基導入などの化学修飾
が可能となる。
【0023】多価性試薬層4は、有機ケイ素膜3上の有
機官能基とアビジン層中のアビジン分子と結合し得る物
質からなる層である。多価性試薬層の厚さは、10〜200
Åであるのが好ましく、特に10〜50Åであることが好ま
しい。
【0024】多価性試薬層4は、所定量の水溶性多価性
試薬を有機ケイ素膜3に所定時間接触させることにより
形成させることができる。具体的な方法としては、フロ
ーセル型の表面プラズモン共鳴バイオセンサーに有機ケ
イ素膜3を形成させた透明基板1を設置して一定流量の
水溶性多価性試薬を所定時間(所定量)流す方法を例示
できる。使用する水溶性多価性試薬は、有機ケイ素膜3
上の有機官能基に応じて決めればよい。例えば、有機ケ
イ素膜3上の有機官能基がアミノ基であれば、システイ
ン、グルタルアルデヒド、過ヨウ素酸、N,N'−o−
フェニレンジマレイミド、N−スクシニミジル−4−
(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボ
キシレート、N−スクシニミジルマレイミド酢酸、N−
スクシニミジル−4−マレイミド酪酸、N−スクシニミ
ジル−6−マレイミドヘキサン酸、N−スルホスクシニ
ミジル−4−マレイミドメチルシクロヘキサン−1−カ
ルボン酸、N−スルホスクシニミジル−3−マレイミド
安息香酸、N−(4−マレイミドブチリロキシ)スルホ
スクシンイミド・ナトリウム塩、N−(6−マレイミド
カプロイロキシ)スルホスクシンイミド・ナトリウム
塩、N−(8−マレイミドカプリロキシ)スルホスクシ
ンイミド・ナトリウム塩、N−(11−マレイミドウンデ
カノイロキシ)スルホスクシンイミド・ナトリウム塩、
N[2−(1−ピペラジニル)エチル]マレイミド・二
塩酸で例示されるマレイミド化合物及びN−スクシニシ
ジルピリジルジチオカルボキシレートなどを使用するこ
とができ、また、有機官能基がメルカプト基であれば、
システイン、N,N'−o−フェニレンジマレイミド、
N−スクシニミジル−4−(N−マレイミドメチル)シ
クロヘキサン−1−カルボキシレート、N−スクシニミ
ジルマレイミド酢酸、N−スクシニミジル−4−マレイ
ミド酪酸、N−スクシニミジル−6−マレイミドヘキサ
ン酸、N−スルホスクシニミジル−4−マレイミドメチ
ルシクロヘキサン−1−カルボン酸、N−スルホスクシ
ニミジル−3−マレイミド安息香酸、N−(4−マレイ
ミドブチリロキシ)スルホスクシンイミド・ナトリウム
塩、N−(6−マレイミドカプロイロキシ)スルホスク
シンイミド・ナトリウム塩、N−(8−マレイミドカプ
リロキシ)スルホスクシンイミド・ナトリウム塩、N−
(11−マレイミドウンデカノイロキシ)スルホスクシン
イミド・ナトリウム塩、N[2−(1−ピペラジニル)
エチル]マレイミド・二塩酸で例示されるマレイミド化
合物及びN−スクシニシジルピリジルジチオカルボキシ
レートなどを使用することができるが、これらに限定さ
れるわけではない。
【0025】アビジン層5はアビジン分子からなる層で
ある。アビジン層5は、所定量のアビジンを多価性試薬
層4に所定時間接触させることにより形成させることが
できる。具体的な方法としては、フローセル型の表面プ
ラズモン共鳴バイオセンサーに多価性試薬層4を形成さ
せた透明基板1を設置して一定流量のアビジンを所定時
間(所定量)流す方法を例示できる。
【0026】本発明の測定チップは、図2に示すように
アビジン層5に、測定対象とする核酸とハイブリダイズ
することができ、ビオチン62で標識された相補鎖核酸
(以下、単に「標識相補鎖核酸6」という)を固定して
使用する。
【0027】相補鎖核酸61は、測定対象とする核酸とハ
イブリダイズし得るような塩基配列を有するものであれ
ば特に限定されず、DNA、RNAのいずれでもよい。
測定対象とする核酸としては、細菌の産生する毒素をコ
ードするDNA、腫瘍遺伝子(oncogene)、フェニルケ
トン尿症などの遺伝子病遺伝子などを例示することがで
きる。
【0028】標識相補鎖核酸6は、そのビオチン62部分
をアビジン分子に結合させることにより固定化できる。
標識相補鎖核酸6をアビジン分子に固定化する方法とし
ては、インクジエット法、マクロディスペンサー法など
を例示することができる。インクジェット法は、極めて
狭い領域に精度よく標識相補鎖核酸6を含む液滴を発射
できるので、固定化する標識相補鎖核酸6を有効利用で
きるという点で有利である。また、フローセル型の表面
プラズモン共鳴バイオセンサーに測定チップを設置して
一定流量の標識相補鎖核酸6を所定時間(所定量)流す
ことによっても固定化できる。この固定化方法によれ
ば、多価性試薬層4及びアビジン層5の形成、並びに標
識相補鎖核酸6の固定を一連の操作で行うことができる
という点で有利である。相補鎖核酸61をビオチン62で標
識する方法としては、ビオチン62を結合させたプライマ
ーを用いてPCRを行う方法を例示することができる。
【0029】本発明の測定チップは、例えば、図3に示
されるような表面プラズモン共鳴バイオセンサーに使用
することができる。
【0030】この表面プラズモン共鳴バイオセンサー
は、カートリッジブロック7と、光源8と、検出器9と
を有し、カートリッジブロック7の上に本発明の測定チ
ップ10を設置して使用する。測定チップ10は、透明基板
が上になるように設置する。カートリッジブロック7の
上面には凹部が設けられており、この凹部と上記測定チ
ップ10とで測定セル71が構成される。測定セル71は、流
路72、73によりカートリッジブロック7の外部に連通し
ており、試料は流路72を通じて測定セル71中に流れ込
み、測定に供された後流路73を通じて外部に排出され
る。
【0031】光源8からは、測定チップ10の透明基板に
向かって単色光が照射され(入射光80)、測定チップ10
の裏面に設けられた金属膜で反射したその反射光90が、
検出器9に入光する。検出器9では、反射光90の強度を
検出することができる。
【0032】上記のような構造によって、ある入射角θ
に対して谷を形成する反射光強度曲線が得られる。反射
光強度曲線における谷は、表面プラズモン共鳴によるも
のである。即ち、光が測定チップ10の透明基板と外との
界面で全反射するときに、その界面にエバネッセント波
といわれる表面波が生じ、一方、金属膜にも表面プラズ
モンといわれる表面波が生じる。この2つの表面波の波
数が一致すると共鳴が起こり、光のエネルギーの一部が
表面プラズモンを励起するために使用され、反射光の強
度が低下する。ここで、表面プラズモンの波数は、金属
膜表面のごく近くにある媒質の屈折率の影響を受けるた
め、測定対象物質と生理活性物質との相互作用により媒
質の屈折率が変化すると、表面プラズモン共鳴が生じる
入射角θが変化する。従って、反射光強度曲線の谷のず
れによって、測定対象物質の濃度の変化を検知すること
ができる。入射角θの変化量は共鳴シグナルといわれ、
10-4°の変化を1RUとして表す。
【0033】
【発明の効果】本発明の測定チップは、核酸を固定化で
き、また、固定化する核酸が少量であっても、良好な感
度で測定対象物質を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定チップの一実施例を示す概略断面
図である。
【図2】標識相補鎖核酸を固定化した本発明の測定チッ
プの一実施例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の測定チップに使用する表面プラズモン
共鳴バイオセンサーの概念図である。
【符号の説明】
1…透明基板 2…金属膜 3…有機ケイ素膜 4…多価性試薬層 5…アビジン層 6…標識相補鎖核酸 61…相補鎖核酸 62…ビオチン 7…カートリッジブロック 71…測定セル 72,73…流路 8…光源 80…入射光 9…検出器 90…反射光 10…測定チップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板、該透明基板上に配置される金
    属膜、該金属膜上に配置される有機ケイ素膜、該有機ケ
    イ素膜上に配置される多価性試薬層、及び該多価性試薬
    層上に配置されるアビジン層を備えていることを特徴と
    する表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ。
  2. 【請求項2】 前記有機ケイ素膜がシランカップリング
    剤により形成された膜であることを特徴とする、請求項
    1記載の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チッ
    プ。
  3. 【請求項3】 前記シランカップリング剤が3−アミノ
    プロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
    メトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチル
    シラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリ
    メトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピ
    ル)ジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピル
    トリメトキシシラン及びジメトキシ−3−メルカプトプ
    ロピルメチルシランからなる群から選ばれた少なくとも
    1種であることを特徴とする、請求項2記載の表面プラ
    ズモン共鳴バイオセンサー用測定チップ。
  4. 【請求項4】 透明基板上に、金属膜、有機ケイ素膜、
    多価性試薬層、及びアビジン層を、この順に配置してい
    くことを特徴とする、表面プラズモン共鳴バイオセンサ
    ー用測定チップの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記有機ケイ素膜をシランカップリング
    剤を用いて形成させることを特徴とする、請求項4記載
    の表面プラズモン共鳴バイオセンサー用測定チップの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 シランカップリング剤が、3−アミノプ
    ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメ
    トキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシ
    ラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメ
    トキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピ
    ル)ジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピル
    トリメトキシシラン及びジメトキシ−3−メルカプトプ
    ロピルメチルシランからなる群から選ばれた少なくとも
    1種であることを特徴とする、請求項5記載の表面プラ
    ズモン共鳴バイオセンサー用測定チップの製造方法。
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