JPH10273615A - 光学用ポリマーワニス及びこれを用いた光学素子 - Google Patents
光学用ポリマーワニス及びこれを用いた光学素子Info
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- JPH10273615A JPH10273615A JP9079413A JP7941397A JPH10273615A JP H10273615 A JPH10273615 A JP H10273615A JP 9079413 A JP9079413 A JP 9079413A JP 7941397 A JP7941397 A JP 7941397A JP H10273615 A JPH10273615 A JP H10273615A
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Abstract
つ成形性の良い特性を有する光学用ポリマーワニス及び
これを用いた光学用素子の提供。 【解決手段】 1個以上のフルオロアルキル基および/
または1個以上のフッ素を含むハロゲンを2個以上有す
る、沸点140℃以上、融点30℃以下である芳香族フ
ッ素系溶剤に、フッ素化ビニルポリマーを1〜50重量
%溶解してなる光学用ポリマーワニス及びこれを用いた
光学用素子。
Description
ネクタ、分波器、結合器等の光導波部品に使用可能な光
学用ポリマーワニス及びこれを用いた光学素子に関する
ものである。
小さくかつ伝送帯域が広いことから一般に石英ガラス及
び多成分ガラス等の無機系の物質が使われてきた。特に
石英は、現在の光通信に用いられている近赤外領域波長
(1300、1550nm)において、0.1dB/cm以下の低損失が達
成されている。しかしその反面、(1)光導波路の作成に
長時間を必要とする、(2)作成時に高温が必要である、
(3)大面積化が困難である、(4)高価であるなどの問題点
がある。そこで、加工性、経済性に優れる有機ポリマー
による光導波路材料、及びこれらを用いた導波路部品が
種々提案されている。
0号公報、特開平2−110498号公報、特開平2−
110500号公報、特開平3−12571号公報、特
開平3−12572号公報、特開平6−51146号公
報などでは、分子中の水素を部分的にフッ素化したポリ
イミド光導波路について提案されている。この材料は、
分子中の炭素−水素結合の割合がポリメチルメタクリレ
ートと比べ少ないため、近赤外領域の吸収損失(炭素−
水素結合の吸収によるもの)が少なく、耐熱性も非常に
高い(300℃以上)ために、高温工程を必要とする光電
子集積回路に適している。しかし反面、ポリイミド層の
製膜には高温処理が必要であるため、これに適用可能な
製膜基板類は高耐熱材料に限られる。また、石英(nd=1.
46)と屈折率(1.49〜1.65)が相当異なるため、石英ファ
イバや石英導波路との互換が困難である。更に、近赤外
領域波長(1300、1550nm)における伝送損失(0.5dB/cm)
においても、石英(0.1dB/cm以下)と比べると相当高く、
十分とはいえない。
6−109936号公報には、シロキサン系光導波路に
ついて提案されている。この材料は分子中にC−H結合
を含まないため近赤外波長領域の吸収がほとんどない。
しかし、ケイ素−酸素結合は、一般に光導波路の作成に
用いられるリアクティブイオンエッチング(RIE)耐
性が良いため、RIEの代わりに電子線照射により溶解
度を変化させてパターンをエッジングする必要があり、
加工性が相当劣る。
素またはハロゲン原子を含むポリマを用いた平板型プラ
スチック光導波路が提案されている。この材料には、炭
素−水素結合の水素を重水素やハロゲン原子に置き換え
ることにより、吸収波長を近赤外領域よりも長波長側へ
シフトする方法が採られている。しかし、重水素化合物
は極めて高価であり、かつ1550nm付近に炭素−重水素結
合による吸収が残るため、近赤外領域の吸収損失の低減
効果も十分でない。一方、水素をフッ素に置換する方法
は吸収損失の低減効果が大きいが、一般的な溶剤に対す
るポリマーの溶解性が著しく低下する。このため、フッ
素化ポリマーのワニス化は難しく、ワニス化しても製膜
性に劣るため多層化した導波路の作成が難しいという問
題がある。また、全ての水素をフッ素及び重水素に置換
することは、合成が難しく、かつ経済的にも極めて高価
となるため、実用的でない。上記のように、これまで
は、性能、加工性、経済性の全てを満足するポリマーワ
ニスはなかった。
〜近赤外波長域にわたり伝送損失の小さい光学用ポリマ
ーワニス及びこれを用いた光学素子を提供するものであ
り、第二に上記の特性に加え、石英ファイバ−や石英導
波路との整合が可能な屈折率を有するフッ素化ビニルポ
リマーを用いた光学用ポリマーワニス及びそれを用いた
光学素子を提供するものである。
ルオロアルキル基および/または1個以上のフッ素を含
むハロゲンを2個以上有する、沸点140℃以上、融点
30℃以下である芳香族フッ素系溶剤に、フッ素化ビニ
ルポリマーを1〜50重量%として溶解してなる光学用
ポリマーワニス及びこれを用いた光学素子に関する。
素化ビニルポリマーとして下記の一般式(I)で表され
る単量体0〜100重量部、一般式(II)で表される
(メタ)アクリル酸エステル単量体0〜100重量部を、
これらの合計が100重量部になるように配合した重合性
単量体の重合体であることが好ましく、さらに、この屈
折率が1.400以上1.500以下であるフッ素化ビニルポリマ
ーを用いることが好ましい
F3を表す。nは1〜5の整数である。
F3を表す。Rはフルオロアルキル基を表す。
剤としては、例えば、一般式(III)に示す構造のも
のがある。
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、アリル基、
ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ
基、ヒドロキシル基、チオシアノ基、イソチオシアノ
基、メトキシ基、スルフィン酸、これらの置換基のハロ
ゲン化物等を表す。m,nはX,Yの置換基の数を示す
1〜5の整数を表し、m+nは6以下の整数である。
のとしては、例えば、1−ブロモ−4−フルオロベンゼ
ン、4−フルオロベンジルクロリド、1−フルオロ−3
−ヨードベンゼン、1−フルオロ−4−ヨードベンゼ
ン、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノー
ル、 2−クロロ−4−フルオロフェノール、4−クロ
ロ−2−フルオロフェノール、2−クロロ−4−フルオ
ロトルエン、2−ブロモ−4−フルオロアニリン、2,
4−ジブロモ−1−フルオロベンゼン、1,4−ジブロ
モ−2−フルオロベンゼン、1,2−ジクロロ−4−フ
ルオロベンゼン、1,3−ジクロロ−4−フルオロベン
ゼン、 1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン、1
−ブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−
3,4−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−3,5−ジ
フルオロベンゼン、α−ブロモ−3,5−ジフルオロト
ルエン、2,4−ジフルオロアセトフェノン、2,6−
ジフルオロアセトフェノン、3,4−ジフルオロアセト
フェノン、2,4−ジフルオロアニソール、2,3−ジ
フルオロベンズアルデヒド、2,4−ジフルオロベンズ
アルデヒド、2,5−ジフルオロベンズアルデヒド、
2,6−ジフルオロベンズアルデヒド、2,4−ジフル
オロニトロベンゼン、2,5−ジフルオロニトロベンゼ
ン、3,4−ジフルオロニトロベンゼン、3,5−ジフ
ルオロニトロベンゼン、 2,3,4−トリフルオロベ
ンゾニトリル、1,2,4−トリフルオロ−5−ニトロ
ベンゼン、1−ブロモ−2,4,5−トリフルオロベン
ゼン、2,3,4−トリフルオロアニリン、1,2,3
−トリフルオロ−4−ニトロベンゼン、1,2,4−ト
リフルオロ−5−ニトロベンゼン、2,4,6−トリフ
ルオロ−1−ニトロベンゼン、 1,3−ジクロロ−
2,4,6−トリフルオロベンゼン、3,5−ジクロロ
−2,4,6−トリフルオロベンゼン、 1−ブロモ−
2,3,4,6−テトラフルオロベンゼン、1−ブロモ
−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、 1,2
−ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,3−ジクロロ
テトラフルオロベンゼン、2,3,5,6−テトラフル
オロベンズアルデヒド、2,3,4,5−テトラフルオ
ロベンゾニトリル、2,3,4,5−テトラフルオロニ
トロベンゼン、2,3,5,6−テトラフルオロチオフ
ェノール、〔α,α,α,2,3,5,6−ヘプタフル
オロ−p−キシレン〕 ペンタフルオロベンゾニトリ
ル、ペンタフルオロベンゾイルクロリド、ペンタフルオ
ロニトロベンゼン、ペンタフルオロチオフェノール等が
挙げられる。
2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、3−トリ
フルオロメチルフェニルイソチオシアネート、3−トリ
フルオロフェニルイソシアネート、4−トリフルオロフ
ェニルイソシアネート、3−トリフルオロメチルフェノ
ール、3’−(トリフルオロメチル)アセトフェノン、
2−(トリフルオロメチル)フェネチルアルコール、3
−(トリフルオロメチル)フェネチルアルコール、、3
−(トリフルオロメチル)ビニルアセトニトリル、3−
(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド、4−(トリ
フルオロメチル)ベンズアルデヒド、2−(トリフルオ
ロメチル)ベンゾニトリル、3−(トリフルオロメチ
ル)ベンゾニトリル、2−クロロ−5−ニトロベンゾト
リフルオリド、4−クロロ−3−ニトロベンゾトリフル
オリド、3−(トリフルオロメチル)ベンジルブロミ
ド、3,4−ジクロロベンゾトリフルオリド、4−ブロ
モ−α,α,α−トリフルオロ−o−トルイジン 2,
5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)ベンズアルデヒド、3,5−ビス
(トリフルオロメチル)ブロモベンゼン、3,5−ビス
(トリフルオロメチル)ニトロベンゼン、3,5−(ビ
ストリフルオロメチル)フェノール等が挙げられる。
1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、
4−(トリフルオロメトキシ)アニリン、3−(トリフ
ルオロメトキシ)アニリン、3−(トリフルオロメトキ
シ)ベンズアルデヒド、4−(トリフルオロメトキシ)
ベンゾニトリル、4−(トリフルオロメトキシ)フェノ
ール、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシア
ネート、 1,3−ジブロモ−5−(トリフルオロメト
キシ)ベンゼン等が挙げられる。
が、ベンゼンスルフォニルフロリド、2,2,2−トリ
フルオロアセトフェノン、α−(トリフルオロメチル)
ベンジルアルコール、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロ−2−フェニル−2−プロパノール等の芳香族
の置換基中にフッ素原子が含まれるものなども用いられ
る。
溶解能が若干異なるので、ポリマーごとに選択すること
が好ましい。
ティングの最中に溶媒が揮発してしまい、きれいな膜を
得ることが難しい。例えば、沸点が136℃付近の3−
クロロベンゾトリフルオリドを用いると、成膜はできる
が、条件によっては、溶媒の揮発後の膜表面に凸凹がで
きることがある。このように、コーティングの最中に溶
媒がほとんど揮発しないという点より溶媒の沸点は14
0℃以上であることが必要であり、沸点が150℃以上
の溶剤であることがより好ましい。
剤自体が室温で固化するため、コーティングをする際
に、ワニスや、基盤等をある程度加熱する必要が生じ
る。この点より溶剤の融点は30℃以下であることが必
要であり、融点が20℃以下の溶剤であることが好まし
い。
ペンタフルオロスチレン、フルオロスチレン、ジフルオ
ロスチレン、トリフルオロスチレン、フルオロα−メチ
ルスチレン等、これらのα位とβ位の水素の一部又は全
部がフッ素で置換されたものが挙げられる。この中で
も、近赤外領域の吸収をある程度抑えられ、価格も比較
的抑える点から、ペンタフルオロスチレンが好ましい。
ル酸エステルとしては、例えば、2,2,2,−トリフ
ルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,−テトラ
フルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3,
−ペンタフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,
5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1
H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1
H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリレー
ト、1H,1H,11H−イコサフルオロウンデシルア
クリレート、2−(ペルフルオロブチル)エチルアクリ
レート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリレ
ート、2−(ペルフルオロオクチル)エチルアクリレー
ト、2−(ペルフルオロドデシル)エチルアクリレー
ト、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチ
ルエチルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキ
サフルオロブチルアクリレート、2−(ペルフルオロ−
3−メチルブチル)エチルアクリレート、2−(ペルフ
ルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアクリレート、2
−(ペルフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアクリ
レート、2−(ペルフルオロ−9−メチルデシル)エチ
ルアクリレート、2,2,2,−トリフルオロエチルメ
タクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロ
ピルメタクリレート、2,2,3,3,3,−ペンタフ
ルオロプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オ
クタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,7
H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、1H,1
H,9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、
1H,1H,11H−イコサフルオロウンデシルメタク
リレート、2−(ペルフルオロブチル)エチルメタクリ
レート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルメタクリ
レート、2−(ペルフルオロオクチル)エチルメタクリ
レート、2−(ペルフルオロドデシル)エチルメタクリ
レート、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロ
メチルエチルメタクリレート、2,2,3,4,4,4
−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2−(ペルフ
ルオロ−3−メチルブチル)エチルメタクリレート、2
−(ペルフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルメタク
リレート、2−(ペルフルオロ−7−メチルオクチル)
エチルメタクリレート、2−(ペルフルオロ−9−メチ
ルデシル)エチルメタクリレート、ペンタフルオロシク
ロヘキシルメタクリレート、テトラフルオロシクロペン
チルメタクリレート、ジフルオロトリシクロデシルメタ
クリレート、ジフルオロイソボルニルメタクリレート等
及びこれらのα位とβ位の水素が一部又は全部フッ素で
置換されたものなどが挙げられる。
応じて、ホモポリマー又は2種以上のコポリマーとして
用いることができる。
を、プラスチック光導波路のコア材のような、実際に光
信号を通す用途に用いる場合は、式(III)で求めら
れる単位体積中に存在するC−H結合数が0.03以下にな
るように重合したものを用いる必要がある。単位体積中
に含まれるC−H結合数は近赤外領域に生じる吸収(11
80nm近傍及び1370nm近傍)と比例し、単位体積中に含ま
れるC−H結合数が0.03を越えると、これら2つの吸収
帯により、通信波長に用いられる1300nmと1550nmにも吸
収が生じ、結果として伝送損失が0.5db/cmを越え、導波
路等に用いることができなくなる。伝搬損失を押さえる
ために、好ましくは単位体積中に含まれるC−H結合数
を0.27以下、さらに好ましくは0.25以下にすることが好
ましい。 [式(III)]X=A/(M/d)ここでXは単位体
積中に存在するC−H結合数、dは密度、Mはモノマー
単位当りの分子量、Aはモノマー単位当りのCーH結合
数、を表す。
は特に制限しないが、ガラス転移温度が低すぎると多少
の熱でポリマーの形が崩れる可能性があり、環境試験に
耐えうる値として、好ましくは80℃以上、より好まし
くは100℃とされる。
限はしないが、目的に応じて所望の屈折率を示すポリマ
ー組成を選択する。特に、石英ファイバー用の光導波路
として用いる場合、石英ファイバーと光導波路のコアと
の屈折率の差が大きいと、ファイバーと導波路の間で散
乱損失が生じる。このため、コア材に使用するフッ素系
ビニルポリマーは、コアの屈折率をある程度石英の屈折
率に近づけることが好ましい。また、クラッド材用のポ
リマーは、低い屈折率を有し、好ましくは1〜5%程度
低い屈折率を示す組成を選択する。このことから、光導
波路用として用いる場合には、屈折率を1.400以上1.500
以下とすることが好ましく、1.450以上1.500以下がより
好ましい。
制限はないが、耐熱性、機械的物性の観点から、重量平
均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した場合)
が10,000〜1,000,000の範囲が好ましい。ポリマーの分
子量が1,000,000より高くなると、ポリマーの溶解性が
不十分となり、分子量が10,000を下回るとポリマーの機
械強度が低下する傾向がある。分子量は膜厚にも影響す
る。ワニスの濃度が同じ場合は、膜厚を厚くするのには
分子量を高めに、薄くするには、分子量を低めに調節す
ることが好ましい。
方法は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、
配位重合等の公知の方法が適用できる。例えば、重合開
始剤の存在下で塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重
合等の公知の方法で共重合できる。
例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−
ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブ
チルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ−
t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、
アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等の水溶性触媒、過酸化物或いは過硫
酸塩と還元剤の組み合わせによるレドックス触媒など、
通常のラジカル重合の使用できるものはいずれも使用で
きる。重合開始剤は、モノマの総量に対して0.01〜10重
量%の範囲で使用されることが好ましい。
メルカプタン系化合物、チオグリコール、四臭化炭素、
α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて分子量調
整のために添加することができる。
間で適宜選択することが望ましく、50〜130℃がより好
ましい。
ときの濃度は、重合体と溶剤の組み合わせによるが、1
〜50重量%とされる。膜厚を厚くするときには濃度を
濃く、薄くするときには濃度を薄く調節する必要があ
る。ワニスの濃度が1重量%よりも薄いと、コーティン
グ後の膜厚が薄くなりすぎ導波路用等の使用用途には使
えない。また、濃度が50重量%よりも濃いと、ワニス
の濃度が高すぎてうまく製膜ができない等のおそれがで
てくる。好ましくは5〜45重量%、より好ましくは1
0〜30重量%とされる。
宜選択することが望ましく、特に光導波路用では、5〜
15μmがより好ましい。
ィング法が用いられる。コーティング方法としては、ス
ピンコート法、ポッティング法、塗工法等一般公知の方
法が挙げられる。光学素子の中でも、特に光導波路用と
しては均一な薄膜を要求されることが多いためスピンコ
ート法を用いることが好ましい。
しては、光導波路のコアまたはクラッド、光ファイバー
のクラッド、光路封止された光素子などがある。その中
でも本ポリマーワニスは、主に光導波路のコア又はクラ
ッドの製造に好適に用いられる。
主に基盤上に、スピンコート法で下層クラッド層を形成
し、その上に同様にコア層を形成する。これを反応性イ
オンエッチング法で導波路のパターンを形成した後、再
びスピンコート法で上層クラッド層を形成するという方
法が一般的に用いられる。また、基盤のガラス材と同等
の屈折率を有するフッ素系ビニルポリマーを選択するこ
とにより、基盤の上に下層クラッド層を形成せずに、直
接コア層を形成できる方法も用いることができ、経済性
の点からも好ましい。
するが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。 実施例1〜4 ペンタフルオロスチレン100重量部及びt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.0重量部を溶解
してモノマー液とした。前記モノマー溶液を窒素でよく
バブリングしてからガラスセルに注入した。次いで80
℃±2℃に温度調節した恒温槽に6時間、その後100℃
±5℃に温度調節された乾燥器内に2時間、120℃±5
℃に上げて2時間保持した。これを室温で静置放冷して
ガラスセルを除去し、プラスチック板を得た。上記方法
で得たポリマーをテトラヒドロフランに溶解し、メタノ
ールでポリマーの再沈殿を行い濾過し、乾燥後、3,4
−ジクロロ−1−トリフルオロメチルベンゼンを表1に
示す割合に溶解し、光学用ポリマーワニスとした。この
ポリマーワニスをガラス基盤上にスピンコートで塗布し
た。基盤を150℃±5℃で30分、180℃±5℃に上げて
1時間加熱して、塗布層を乾燥後、膜について評価し
た。 その結果を表1に示す。平坦性、製膜性の評価は
ともに目視で行なった。
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5重量部を溶解
してモノマー液とした。その後は実施例1と同手順で光
学用ポリマーワニスを作製し、膜について実施例1と同
様に評価し、その結果を表1に示す。
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3重量部を溶解
してモノマー液とした。その後、実施例1と同手順でポ
リマーを作製して、テトラヒドロフランに溶解し、メタ
ノールで再沈殿を行い乾燥後、3−ブロモベンゾトリフ
ルオリドを表1に示す割合に溶解して光学用ポリマーワ
ニスとした。このポリマーワニスをガラス基盤上にスピ
ンコートで塗布した。基盤を120℃±5℃で30分、160
℃±5℃に上げて1時間加熱して、塗布層を乾燥後、膜
について評価し、その結果を表1に示す。
H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート2
0重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート0.4重量部及び連鎖移動剤としてt−ドデシルメ
ルカプタン0.4重量部を溶解してモノマー液とした。そ
の後、実施例1と同手順で、ポリマーを作製して1.3
−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン表1に示す割合
に溶解し、メタノールで再沈殿を行い乾燥後、3,4−
ジクロロ−1−トリフルオロベンゼンを表1に示す割合
に溶解して光学用ポリマーワニスとしたこのポリマーワ
ニスをガラス基盤上にスピンコートで塗布した。基盤を
150℃±5℃で30分、180℃±5℃に上げて1時間加熱
して、塗布層を乾燥後、膜について評価し、その結果を
表1に示す。
−オクタフルオロペンチルメタクリレート30重量部、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.4
重量部及び連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン
0.4重量部を溶解してモノマー液とした。その後は実施
例1と同手順で光学用ポリマーワニスを作製し、膜につ
いて評価し、その結果を表1に示す。
フルオロエチルメタクリレート40重量部、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.4重量部及び
連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.4重量部
を溶解してモノマー液とした。その後は実施例1と同手
順で光学用ポリマーワニスを作製し、膜について評価
し、その結果を表1に示す。
て、実施例15で得た光学用ポリマーワニスをクラッド
成分とする導波路を以下の方法で試作した。まず、シリ
コン基盤上にクラッド成分ポリマーワニスを、スピンコ
ートで塗布し、実施例1と同様に乾燥処理を行い約10μ
mの下部クラッド層を得た。次にクラッド成分ポリマ上
にコア成分ポリマワニスをスピンコートで塗布し、先と
同条件で乾燥処理をを行い約10μmの膜厚を得た。次に
シリコーン系フォトレジストを塗布し、露光現像をして
レジストパターンを形成した。さらに酸素ガスによる反
応性イオンエッチングを行い、パターン部位外のコア成
分、及びクラッド成分ポリマを除去し、コア成分のポリ
マを長さ50mm、幅7μm、高さ10μmの直線矩形パター
ンに加工した。基盤をアルカリ溶液に浸漬してレジスト
を剥離し、最後に下層と同じクラッド層を塗布した。上
層クラッドの厚さはコア上で10μmとした。この様にし
て作成された導波路の一端から光を照射し、他端から出
てくる光量を測定することにより光損失を計算したとこ
ろ、波長1300nmにおける光損失は0.4dB/cm、1550nmで0.
5dB/cmであった。
て、実施例15で得た光学用ポリマーワニスをクラッド
成分とする導波路を以下の方法で試作した。まず、石英
=(nD1.46)基盤上にコア成分ポリマーワニスをスピンコ
ートで塗布し、実施例1と同様に乾燥処理を行い約10μ
mの膜厚を得た。次にシリコーン系フォトレジストを塗
布し、露光現像をしてレジストパターンを形成した。さ
らに酸素ガスによる反応性イオンエッチングを行い、パ
ターン部位外のコア成分ポリマを除去し、コア成分のポ
リマを長さ50mm、幅7μm、高さ10μmの直線矩形パタ
ーンに加工した。基盤をアルカリ溶液に浸漬してレジス
トを剥離し、最後に石英基盤とほぼ同じ屈折率を持つ実
施例15で得られるポリマーワニスをクラッド層として
用い、塗布した。上層クラッドの厚さはコア上で10μm
とした。この様にして作成された導波路の一端から光を
照射し、他端からでてくる光量を測定することにより光
損失を計算したところ、波長1300nmにおける光損失は0.
4dB/cm、1550nmで0.5dB/cmであった。
し、メタノールで再沈殿を行い乾燥後、フルオロベンゼ
ンを表2に示す割合で溶解し、光学用ポリマーワニスと
した。このポリマーワニスをガラス基盤上にスピンコー
トで塗布した。基盤を80℃±5℃で30分、100℃±5
℃に上げて1時間加熱して、塗布層を乾燥後、膜につい
て評価し、その結果を表2に示す。
し、メタノールで再沈殿を行い乾燥後、トリフルオロメ
チルベンゼンを表2に示す割合で溶解し、光学用ポリマ
ーワニスとした。このポリマーワニスをガラス基盤上に
スピンコートで塗布した。基盤を80℃±5℃で30分、
120℃±5℃に上げて1時間加熱して、塗布層を乾燥
後、膜について評価し、その結果を表2に示す。
オキシ−2−エチルヘキサノエート0.4重量部、連鎖移
動剤としてα−メチルスチレンダイマー0.2重量部を溶
解してモノマー液とした。その後、実施例1と同手順で
ポリマーを得、テトラヒドロフランに溶解し、メタノー
ルで再沈殿を行い乾燥後、1,3−ビス(トリフルオロ
メチル)ベンゼンを表2に示す割合に溶解し、光学用ポ
リマーワニスとした。このポリマーワニスをガラス基盤
上にスピンコートで塗布した。基盤を100℃±5℃で3
0分、120℃±5℃に上げて1時間加熱して、塗布層を
乾燥後、膜について評価し、その結果を表2に示す。
し、メタノールで再沈殿を行い乾燥後、1,3−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼンを表1に示す割合に溶
解し、光学用ポリマーワニスとした。その後、比較例7
と同手順で、膜について評価し、その結果を表2に示
す。
オキシ−2−エチルヘキサノエート0.4重量部及び連鎖
移動剤としてα−メチルスチレンダイマー0.4重量部を
溶解してモノマー液とした。その後、実施例1と同手順
でポリマーを得て、テトラヒドロフランに溶解し、メタ
ノールで再沈殿を行い乾燥後、3−クロロベンゾトリフ
ルオリドを表2に示す割合で溶解し、光学用ポリマーワ
ニスとした。このポリマーワニスをガラス基盤上にスピ
ンコートで塗布した。基盤を100℃±5℃で30分、120
℃±5℃で30分、150℃±5℃に上げて1時間加熱し
て、塗布層を乾燥後、膜について評価し、その結果を表
2に示す。
し、メタノールで再沈殿を行い乾燥後、1,3−ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼンのNーメチルピロリド
ンを表2に示す割合に溶解し、光学用ポリマーワニスと
した。このポリマーワニスをガラス基盤上にスピンコー
トで塗布した。基盤を100℃±5℃で30分、120℃±5
℃で30分、200℃±5℃に上げて1時間加熱して、塗
布層を乾燥後、膜について評価し、その結果を表2に示
す。
した。まず、シリコン基盤上にコア成分であるOPI(O
ptical use polyimide)ワニス(日立化成工業製、商品
名:コア成分 OPI−N1005,クラッド成分 OP
I−N1305)をスピンコートで塗布し、100℃で30
分続けて200℃で30分さらに続けて350℃で1時間加熱
し、約5μmの膜厚を得た。次にシリコーン系フォトレ
ジストを塗布し、露光現像をしてレジストパターンを形
成した。さらに酸素ガスによる反応性イオンエッチング
を行い、パターン部位外のコア成分ポリマを除去し、コ
ア成分のポリマを長さ50mm、幅5μm、高さ5μmの直
線矩形パターンに加工した。基盤をアルカリ溶液に浸漬
してレジストを剥離し、コア層よりも屈折率の低いOP
Iでクラッド層を塗布した。クラッドの厚さはコア上で
10μmとした。この様にして作成された導波路の一端か
ら光を照射し、他端からでてくる光量を測定することに
より光損失を計算したところ、波長1300nmにおける光損
失は0.6dB/cm、1550nmで0.8dB/cmであった。
いた光学素子は可視光〜近赤外光域にわたり低損失であ
りかつ成形性の良い特性を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】 1個以上のフルオロアルキル基および/
または1個以上のフッ素を含むハロゲンを2個以上有す
る、沸点140℃以上、融点30℃以下である芳香族フ
ッ素系溶剤に、フッ素化ビニルポリマーを1〜50重量
%として溶解してなる光学用ポリマーワニス。 - 【請求項2】 フッ素化ビニルポリマーが、一般式
(I)で表される単量体0〜100重量部、一般式(I
I)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体0〜
100重量部を、これらの合計が100重量部になるように配
合した重合性単量体の重合体である請求項1記載の光学
用ポリマーワニス。 【化1】 一般式(I) ここで、XはHまたはF、YはH、F、CH3またはC
F3を表す。nは1〜5の整数である。 【化2】 一般式(II) ここで、XはHまたはF、YはH、F、CH3またはC
F3を表し、Rはフルオロアルキル基を表す。 - 【請求項3】 フッ素化ビニルポリマーの屈折率が1.40
0以上1.500以下である請求項第1項または請求項2記載
の光学用ポリマーワニス。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
の光学用ポリマーワニスをコーティングしてなる光学素
子。 - 【請求項5】 コア部と、該コア部を囲みコア部より低
い屈折率を有するクラッド部とを有する光導波路におい
て、クラッド部に請求項1から請求項3のいずれかに記
載の光学用ポリマーワニスを用いた光学素子。 - 【請求項6】 コア部が、請求項2記載のフッ素化ビニ
ルポリマーからなり、式(III)から求められるX
(単位体積中に存在するC−H結合数)が、0.03以下で
ある請求項第1項から第4項のいずれかに記載の光学用
ポリマーワニスを用いた光学素子。 [式(III)]X=A/(M/d)ここでXは単位体
積中に存在するC−H結合数、dは密度、Mはモノマー
単位当りの分子量、Aはモノマー単位当りのCーH結合
数、を表す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07941397A JP3534222B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 光学用ポリマーワニス及びこれを用いた光学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07941397A JP3534222B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 光学用ポリマーワニス及びこれを用いた光学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10273615A true JPH10273615A (ja) | 1998-10-13 |
JP3534222B2 JP3534222B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=13689189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07941397A Expired - Lifetime JP3534222B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 光学用ポリマーワニス及びこれを用いた光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3534222B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6519380B2 (en) | 2000-01-11 | 2003-02-11 | Corning Incorporated | Athermalized integrated optical waveguide devices |
US6574409B1 (en) | 1999-09-28 | 2003-06-03 | Corning Incorporated | Athermalized wavelength division multiplexer/demultiplexer with polymer compensation region and methods of manufacturing |
WO2007145288A1 (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-21 | Asahi Glass Company, Limited | 含フッ素重合体溶液組成物 |
-
1997
- 1997-03-31 JP JP07941397A patent/JP3534222B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6574409B1 (en) | 1999-09-28 | 2003-06-03 | Corning Incorporated | Athermalized wavelength division multiplexer/demultiplexer with polymer compensation region and methods of manufacturing |
US6519380B2 (en) | 2000-01-11 | 2003-02-11 | Corning Incorporated | Athermalized integrated optical waveguide devices |
US6577787B2 (en) | 2000-01-11 | 2003-06-10 | Corning Incorporated | Tuning of optical waveguide devices containing an organic material |
WO2007145288A1 (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-21 | Asahi Glass Company, Limited | 含フッ素重合体溶液組成物 |
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JP3534222B2 (ja) | 2004-06-07 |
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