JPH10273543A - 撥水性表面を有する物品とその製造方法、及びフッ素系樹脂表面の撥水性改善方法 - Google Patents
撥水性表面を有する物品とその製造方法、及びフッ素系樹脂表面の撥水性改善方法Info
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- JPH10273543A JPH10273543A JP7696197A JP7696197A JPH10273543A JP H10273543 A JPH10273543 A JP H10273543A JP 7696197 A JP7696197 A JP 7696197A JP 7696197 A JP7696197 A JP 7696197A JP H10273543 A JPH10273543 A JP H10273543A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面粗面化以外に煩瑣な工程を経ずに、フッ
素系樹脂からなる表面であって、水の動的接触角が 160
°を超え、しかも経時劣化しにくい撥水性表面を形成す
る方法及びそのような撥水性表面を有する物品の提供。
の提供。 【解決手段】 フッ素系樹脂からなる表面であって、長
さが10〜30μmの範囲であり、太さが1〜10μmの範囲
であるフッ素系樹脂の微細繊維状の突起を(100μm)2 当
たり1本以上有する撥水性表面を有する物品。この物品
は、水面の水の動的接触角が 160°以上である。フッ素
系樹脂からなる表面を有する物品の表面を、研磨面に粒
度 100番〜 800番の研磨材を設けた研磨用工具の研磨面
で研磨する上記物品の製造方法。研磨材は、例えば多と
アルミナ質、炭化珪素質、エメリー、ガーネット、及び
けい石からなる群から選ばれる。
素系樹脂からなる表面であって、水の動的接触角が 160
°を超え、しかも経時劣化しにくい撥水性表面を形成す
る方法及びそのような撥水性表面を有する物品の提供。
の提供。 【解決手段】 フッ素系樹脂からなる表面であって、長
さが10〜30μmの範囲であり、太さが1〜10μmの範囲
であるフッ素系樹脂の微細繊維状の突起を(100μm)2 当
たり1本以上有する撥水性表面を有する物品。この物品
は、水面の水の動的接触角が 160°以上である。フッ素
系樹脂からなる表面を有する物品の表面を、研磨面に粒
度 100番〜 800番の研磨材を設けた研磨用工具の研磨面
で研磨する上記物品の製造方法。研磨材は、例えば多と
アルミナ質、炭化珪素質、エメリー、ガーネット、及び
けい石からなる群から選ばれる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来にない高い撥
水性を有するフッ素系樹脂からなる表面を有する物品及
びその製造方法に関する。さらに、本発明は、フッ素系
樹脂からなる表面をより高い撥水性表面にする方法に関
する。
水性を有するフッ素系樹脂からなる表面を有する物品及
びその製造方法に関する。さらに、本発明は、フッ素系
樹脂からなる表面をより高い撥水性表面にする方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】フッ素系樹脂は、耐薬品性、低摩擦性、
撥水性、汚染防止性等の特性を活かして広く産業上のあ
らゆる分野に利用されている。しかしながら、ポリマー
の中で撥水性が最も良好とされるポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の水との接触角は 115〜120 °で、
さらに撥水性を向上させたいという要望が産業界にあ
る。何故ならば、フッ素系樹脂を半導体製造工程で治
具、部品、装置類に使用するとき超純水洗浄工程後に水
切れが悪く乾燥工程が必要になったりするからである。
また、撥水・汚染防止などの目的で構造物表面をフッ素
系樹脂で被覆するとき付着した水が脱落しにくかった
り、拭き取りにくかったり、付着して残存した水滴が乾
燥して跡がしみになったりして、かえって表面汚れの原
因を生じたりするからである。
撥水性、汚染防止性等の特性を活かして広く産業上のあ
らゆる分野に利用されている。しかしながら、ポリマー
の中で撥水性が最も良好とされるポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の水との接触角は 115〜120 °で、
さらに撥水性を向上させたいという要望が産業界にあ
る。何故ならば、フッ素系樹脂を半導体製造工程で治
具、部品、装置類に使用するとき超純水洗浄工程後に水
切れが悪く乾燥工程が必要になったりするからである。
また、撥水・汚染防止などの目的で構造物表面をフッ素
系樹脂で被覆するとき付着した水が脱落しにくかった
り、拭き取りにくかったり、付着して残存した水滴が乾
燥して跡がしみになったりして、かえって表面汚れの原
因を生じたりするからである。
【0003】固体表面が液体で濡れる特性に関して、WE
NZELの式(Ind.Eng.Chem., 28, 988(1936).)が提唱さ
れている。この式は、同一物質の平滑固体表面と粗な固
体表面が濡れる特性の違いを表面の粗さで説明するもの
である。具体的には、平滑な表面に比べて粗な表面は凹
凸がある分実際の表面積が平滑な表面よりも大きいこと
を考慮して以下の式を導入している。 roughness factor(r)=(actual surface)/(geomet
ric surface ) ここで(actual surface)は粗な表面の実際の表面積を
表わす。(geometric surface)は平滑表面の見かけの表
面積を表わす。r≧1である。
NZELの式(Ind.Eng.Chem., 28, 988(1936).)が提唱さ
れている。この式は、同一物質の平滑固体表面と粗な固
体表面が濡れる特性の違いを表面の粗さで説明するもの
である。具体的には、平滑な表面に比べて粗な表面は凹
凸がある分実際の表面積が平滑な表面よりも大きいこと
を考慮して以下の式を導入している。 roughness factor(r)=(actual surface)/(geomet
ric surface ) ここで(actual surface)は粗な表面の実際の表面積を
表わす。(geometric surface)は平滑表面の見かけの表
面積を表わす。r≧1である。
【0004】固体の表面張力をS1 、液体の表面張力を
S2 、固体と液体の界面張力をS12、平滑な表面に液滴
が置かれたとき液体の接触角をθ、粗な固体表面に液滴
が置かれたとき液体の接触角をθ' とする(図1および
図2を参照)とWENZELの式は(1)式と(2)式で表わ
される。 S1 −S12=S2cosθ (1)式 r( S1 −S12) =S2cosθ' (2)式 (1)式と(2)式から(3)式が導かれる。 rcos θ=cos θ' (3)式
S2 、固体と液体の界面張力をS12、平滑な表面に液滴
が置かれたとき液体の接触角をθ、粗な固体表面に液滴
が置かれたとき液体の接触角をθ' とする(図1および
図2を参照)とWENZELの式は(1)式と(2)式で表わ
される。 S1 −S12=S2cosθ (1)式 r( S1 −S12) =S2cosθ' (2)式 (1)式と(2)式から(3)式が導かれる。 rcos θ=cos θ' (3)式
【0005】この式によると、表面の化学組成が同じ場
合、滑らかな表面の水の接触角が90°以下ならば粗い表
面の方が滑らかな表面よりも水に濡れ易く、滑らかな表
面の水の接触角が90°以上ならば粗い表面の方が滑らか
な表面よりも水に濡れにくい。別の表現で述べるなら
ば、表面の粗さが粗いほど、すなわちroughness factor
(r)が大きいほど、濡れ易い表面は濡れ易くなり、濡
れにくい表面は濡れにくくなるということである。すな
わち、表面に凹凸を付けて実際の表面積を増やすと、粗
な固体表面は、平滑固体表面の濡れ特性を強調する方向
に変化するというのである。しかし、WENZELの式の提唱
者は論文の中で、粗な表面の実際の表面積をどのように
測定するのか、粗な表面はどのような形態をとるのが良
いかなどについて述べていない。
合、滑らかな表面の水の接触角が90°以下ならば粗い表
面の方が滑らかな表面よりも水に濡れ易く、滑らかな表
面の水の接触角が90°以上ならば粗い表面の方が滑らか
な表面よりも水に濡れにくい。別の表現で述べるなら
ば、表面の粗さが粗いほど、すなわちroughness factor
(r)が大きいほど、濡れ易い表面は濡れ易くなり、濡
れにくい表面は濡れにくくなるということである。すな
わち、表面に凹凸を付けて実際の表面積を増やすと、粗
な固体表面は、平滑固体表面の濡れ特性を強調する方向
に変化するというのである。しかし、WENZELの式の提唱
者は論文の中で、粗な表面の実際の表面積をどのように
測定するのか、粗な表面はどのような形態をとるのが良
いかなどについて述べていない。
【0006】このような背景の中で、フッ素系樹脂表面
の撥水性向上法としていろいろな方法が提案されてい
る。例えば、(1) フッ素樹脂成形体表面を機械的処理で
粗面化した後、該成形体を気密容器に入れ、空気を除去
してフッ素ガス又はフッ素ガスと不活性ガスとの混合ガ
スを導入して 100〜300 ℃で処理する方法〔特開平6−
263897〕、(2) 基材表面を大きい周期の凹凸構造
およびその凹凸構造自体をさらに小さい周期の凹凸構造
で形成した多段凹凸構造とし、その表面積増倍因子を5
以上に形成した多段凹凸構造の周期が1mm以下10nm以上
になるようにする方法〔特開平7-197017〕、(3) 熱交換
器用フィン材の撥水性被膜層に微細突起を付与する方法
〔特開平3−45893〕等がある。
の撥水性向上法としていろいろな方法が提案されてい
る。例えば、(1) フッ素樹脂成形体表面を機械的処理で
粗面化した後、該成形体を気密容器に入れ、空気を除去
してフッ素ガス又はフッ素ガスと不活性ガスとの混合ガ
スを導入して 100〜300 ℃で処理する方法〔特開平6−
263897〕、(2) 基材表面を大きい周期の凹凸構造
およびその凹凸構造自体をさらに小さい周期の凹凸構造
で形成した多段凹凸構造とし、その表面積増倍因子を5
以上に形成した多段凹凸構造の周期が1mm以下10nm以上
になるようにする方法〔特開平7-197017〕、(3) 熱交換
器用フィン材の撥水性被膜層に微細突起を付与する方法
〔特開平3−45893〕等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)の方法は、
フッ素樹脂表面を加熱出来る真空設備が必要であり、し
かも表面を粗面化したうえにフッ素ガスで加熱処理する
工程が必要で煩瑣なことである。さらに、得られる接触
角は最高でも 155°である。上記(2) の方法では、「固
体表面が微細な多段凹凸構造をとり大きな実表面積をも
つようになると、界面エネルギーは表面積増倍因子の倍
数だけ大きくなる。」という発想に基づいて多段凹凸構
造を提唱している。しかし、テフロン板での実施例にお
ける接触角は 134〜156 °であり、撥水性表面としてさ
らに向上の余地がある。また、表面積増倍因子が5以下
でも前出のWENZELの式に従えば撥水性が改良されるので
あって、提唱された表面が特異的に撥水性を呈するとし
た根拠が明らかでない。上記(3) の方法では、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)樹脂被膜に機械的研磨
を施した実施例で水接触角が無処理の場合の 115°から
最高 150°まで改良されている。しかし、撥水性表面と
してさらに改善の余地がある。尚、突起の高さが 0.2μ
m以上で、かつ突起の高さ/径が 0.1以上であるように
微細突起を付与するのであるが、微細突起の表面密度に
ついて規定されていない。
フッ素樹脂表面を加熱出来る真空設備が必要であり、し
かも表面を粗面化したうえにフッ素ガスで加熱処理する
工程が必要で煩瑣なことである。さらに、得られる接触
角は最高でも 155°である。上記(2) の方法では、「固
体表面が微細な多段凹凸構造をとり大きな実表面積をも
つようになると、界面エネルギーは表面積増倍因子の倍
数だけ大きくなる。」という発想に基づいて多段凹凸構
造を提唱している。しかし、テフロン板での実施例にお
ける接触角は 134〜156 °であり、撥水性表面としてさ
らに向上の余地がある。また、表面積増倍因子が5以下
でも前出のWENZELの式に従えば撥水性が改良されるので
あって、提唱された表面が特異的に撥水性を呈するとし
た根拠が明らかでない。上記(3) の方法では、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)樹脂被膜に機械的研磨
を施した実施例で水接触角が無処理の場合の 115°から
最高 150°まで改良されている。しかし、撥水性表面と
してさらに改善の余地がある。尚、突起の高さが 0.2μ
m以上で、かつ突起の高さ/径が 0.1以上であるように
微細突起を付与するのであるが、微細突起の表面密度に
ついて規定されていない。
【0008】本発明は、上述の従来技術の問題点を克服
し、表面粗面化以外に煩瑣な工程を経ずに、フッ素系樹
脂からなる表面であって、水の動的接触角が 160°を超
え、しかも経時劣化しにくい撥水性表面を形成する方法
を提供すること及びそのような撥水性表面を有する物品
を提供することを目的とする。
し、表面粗面化以外に煩瑣な工程を経ずに、フッ素系樹
脂からなる表面であって、水の動的接触角が 160°を超
え、しかも経時劣化しにくい撥水性表面を形成する方法
を提供すること及びそのような撥水性表面を有する物品
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】化学組成の面から撥水性
表面を考えて見ると、フッ素系樹脂は現在知られている
樹脂の中では最も撥水性に優れているから、その表面に
何らかの被覆を施してもさらに撥水性が向上することは
一般に有り得ない。もしそのような表面が存在するなら
ば、フッ素系樹脂よりも撥水性が優れた表面化学組成と
してすでに利用されているはずである。したがって、化
学的組成を追いかけることによりフッ素系樹脂表面をさ
らに撥水性が優れた表面に改質する方法は、有り得ない
か、または見出すのは至難である。そこで、フッ素系樹
脂表面をさらに撥水性が優れた表面に改質する方法は、
前述のWENZELの式を前提にしする方法しか存在しないと
いう結論に到達する。WENZELの式では、表面が粗である
ことが roughness factor (r)=(actual surface)/
(geometric surface )として定義され、(actual sur
face)を増やすほど撥水性表面のroughness factor
(r)が大きくなって、撥水性が向上することになる。
表面を考えて見ると、フッ素系樹脂は現在知られている
樹脂の中では最も撥水性に優れているから、その表面に
何らかの被覆を施してもさらに撥水性が向上することは
一般に有り得ない。もしそのような表面が存在するなら
ば、フッ素系樹脂よりも撥水性が優れた表面化学組成と
してすでに利用されているはずである。したがって、化
学的組成を追いかけることによりフッ素系樹脂表面をさ
らに撥水性が優れた表面に改質する方法は、有り得ない
か、または見出すのは至難である。そこで、フッ素系樹
脂表面をさらに撥水性が優れた表面に改質する方法は、
前述のWENZELの式を前提にしする方法しか存在しないと
いう結論に到達する。WENZELの式では、表面が粗である
ことが roughness factor (r)=(actual surface)/
(geometric surface )として定義され、(actual sur
face)を増やすほど撥水性表面のroughness factor
(r)が大きくなって、撥水性が向上することになる。
【0010】そこで、本発明者はWENZELの式で提唱され
たroughness factor(r)を大きくして表面の撥水性を
向上させるため、フッ素系樹脂表面を機械的研磨、スパ
ッタエッチング、ショットブラスト等の種々の方法及び
種々の条件で粗面化し、その撥水性について鋭意検討し
た。その結果、フッ素系樹脂表面の粗な表面の実際の表
面積(actual surface)を一定以上に増加させることは
必ずしも容易ではなかった。そして、粗な表面の実際の
表面積(actual surface)とは独立に、表面が特定の形
態をとる時に特異的に優れた撥水性表面が得られること
を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、フ
ッ素系樹脂表面の粗な表面の実際の表面積(actual sur
face)を増加させることではなく、フッ素系樹脂表面に
ある形態(morphology)を形成させることで、動的接触
角が 160°以上という優れた撥水性表面が得られること
を見出した。さらに、このような特定の形態を形成する
には特定の研磨方法が適していることを見出して本発明
に到達した。
たroughness factor(r)を大きくして表面の撥水性を
向上させるため、フッ素系樹脂表面を機械的研磨、スパ
ッタエッチング、ショットブラスト等の種々の方法及び
種々の条件で粗面化し、その撥水性について鋭意検討し
た。その結果、フッ素系樹脂表面の粗な表面の実際の表
面積(actual surface)を一定以上に増加させることは
必ずしも容易ではなかった。そして、粗な表面の実際の
表面積(actual surface)とは独立に、表面が特定の形
態をとる時に特異的に優れた撥水性表面が得られること
を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、フ
ッ素系樹脂表面の粗な表面の実際の表面積(actual sur
face)を増加させることではなく、フッ素系樹脂表面に
ある形態(morphology)を形成させることで、動的接触
角が 160°以上という優れた撥水性表面が得られること
を見出した。さらに、このような特定の形態を形成する
には特定の研磨方法が適していることを見出して本発明
に到達した。
【0011】本発明は、以下に示すとおりである。 [請求項1]フッ素系樹脂からなる表面であって、長さ
が10〜30μmの範囲であり、太さが1〜10μmの範囲で
あるフッ素系樹脂の微細繊維状の突起を(100μm)2 当た
り1本以上有する撥水性表面を有することを特徴とする
物品。 [請求項2]表面の水の動的接触角が 160°以上である
請求項1記載の物品。 [請求項3]物品がフッ素系樹脂からなる物品またはフ
ッ素系樹脂の被覆層を有する物品である請求項1または
2に記載の物品。 [請求項4]微細繊維状の突起を(100μm)2 当たり2〜
100本有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の物
品。 [請求項5]微細繊維状の突起の太さに対する長さの比
が、0.03〜1 の範囲である請求項1記載の物品。 [請求項6]フッ素系樹脂からなる表面を有する物品の
表面を、研磨面に粒度100 番〜800 番の研磨材を設けた
研磨用工具の研磨面で研磨することを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1項に記載の物品の製造方法。 [請求項7]研磨材の粒度が 120番〜 600番の範囲であ
る請求項6記載の製造方法。 [請求項8]研磨材が、アルミナ質、炭化珪素質、エメ
リー、ガーネット、及びけい石からなる群から選ばれる
少なくとも一種の研磨粒子である請求項6または7に記
載の製造方法。 [請求項9]フッ素系樹脂からなる表面を、研磨面に粒
度 100番〜 800番の研磨材を設けた研磨用工具の研磨面
で研磨することを特徴とする、長さが10〜30μmの範囲
であり、太さが1〜10μmの範囲であるフッ素系樹脂の
微細繊維状の突起を(100μm)2 当たり1本以上有する撥
水性表面とすることを特徴とする撥水性の改善方法。 [請求項10]研磨材の粒度が 120番〜 600番の範囲で
ある請求項9記載の方法。 [請求項11]研磨材が、アルミナ質、炭化珪素質、エ
メリー、ガーネット、及びけい石からなる群から選ばれ
る少なくとも一種の研磨粒子である請求項9または10
に記載の方法。
が10〜30μmの範囲であり、太さが1〜10μmの範囲で
あるフッ素系樹脂の微細繊維状の突起を(100μm)2 当た
り1本以上有する撥水性表面を有することを特徴とする
物品。 [請求項2]表面の水の動的接触角が 160°以上である
請求項1記載の物品。 [請求項3]物品がフッ素系樹脂からなる物品またはフ
ッ素系樹脂の被覆層を有する物品である請求項1または
2に記載の物品。 [請求項4]微細繊維状の突起を(100μm)2 当たり2〜
100本有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の物
品。 [請求項5]微細繊維状の突起の太さに対する長さの比
が、0.03〜1 の範囲である請求項1記載の物品。 [請求項6]フッ素系樹脂からなる表面を有する物品の
表面を、研磨面に粒度100 番〜800 番の研磨材を設けた
研磨用工具の研磨面で研磨することを特徴とする請求項
1〜5のいずれか1項に記載の物品の製造方法。 [請求項7]研磨材の粒度が 120番〜 600番の範囲であ
る請求項6記載の製造方法。 [請求項8]研磨材が、アルミナ質、炭化珪素質、エメ
リー、ガーネット、及びけい石からなる群から選ばれる
少なくとも一種の研磨粒子である請求項6または7に記
載の製造方法。 [請求項9]フッ素系樹脂からなる表面を、研磨面に粒
度 100番〜 800番の研磨材を設けた研磨用工具の研磨面
で研磨することを特徴とする、長さが10〜30μmの範囲
であり、太さが1〜10μmの範囲であるフッ素系樹脂の
微細繊維状の突起を(100μm)2 当たり1本以上有する撥
水性表面とすることを特徴とする撥水性の改善方法。 [請求項10]研磨材の粒度が 120番〜 600番の範囲で
ある請求項9記載の方法。 [請求項11]研磨材が、アルミナ質、炭化珪素質、エ
メリー、ガーネット、及びけい石からなる群から選ばれ
る少なくとも一種の研磨粒子である請求項9または10
に記載の方法。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明の物品は、例えば、フッ素
系樹脂からなる物品やフッ素系樹脂の被覆層を有する物
品であることができる。尚、物品の種類や形状等には特
に制限はない。フッ素系樹脂からなる撥水性表面を有す
る物品であれば、全て含まれる。フッ素系樹脂からなる
物品としては、例えば、フッ素系樹脂の成形体を挙げる
ことができ、成形体としては、例えば、フィルム、シー
ト、その他の各種形状の成形品が挙げられる。これらの
成形体は、例えば、押出成形法、射出成形法、ブロー成
形法、トランスファー成形法、圧縮成形法等の従来公知
の成形方法により製造することが出来る。これらの成形
体は、各種配合剤、添加剤、加工助剤等を適宜配合した
ものであることもできる。
系樹脂からなる物品やフッ素系樹脂の被覆層を有する物
品であることができる。尚、物品の種類や形状等には特
に制限はない。フッ素系樹脂からなる撥水性表面を有す
る物品であれば、全て含まれる。フッ素系樹脂からなる
物品としては、例えば、フッ素系樹脂の成形体を挙げる
ことができ、成形体としては、例えば、フィルム、シー
ト、その他の各種形状の成形品が挙げられる。これらの
成形体は、例えば、押出成形法、射出成形法、ブロー成
形法、トランスファー成形法、圧縮成形法等の従来公知
の成形方法により製造することが出来る。これらの成形
体は、各種配合剤、添加剤、加工助剤等を適宜配合した
ものであることもできる。
【0013】また、これらのフッ素系樹脂の被覆層を有
する物品は、例えば、従来から知られているフィルムラ
ミネーション、コーティング(焼付塗装法、静電塗装
法、流動浸漬法など)、ライニング(回転塗装法など)
等の加工技術で作製されたものであることができる。後
述するように、本発明においてはフッ素系樹脂の表面を
特定の研磨方法に供するので、フッ素系樹脂の被覆層は
研磨出来るだけの厚みをもっていることが適当である。
具体的には研磨前の被覆層の厚みは0.5 mm以上、好ま
しくは1mm以上とすることが適当である。0.5 mm以
下の時には、研磨する間に基材が露出する様なことが起
こり、フッ素系樹脂で表面を被覆した意味が無くなる場
合がある。尚、被覆層の厚みには上限はなく、物品の種
類や用途に応じて適宜決定できる。
する物品は、例えば、従来から知られているフィルムラ
ミネーション、コーティング(焼付塗装法、静電塗装
法、流動浸漬法など)、ライニング(回転塗装法など)
等の加工技術で作製されたものであることができる。後
述するように、本発明においてはフッ素系樹脂の表面を
特定の研磨方法に供するので、フッ素系樹脂の被覆層は
研磨出来るだけの厚みをもっていることが適当である。
具体的には研磨前の被覆層の厚みは0.5 mm以上、好ま
しくは1mm以上とすることが適当である。0.5 mm以
下の時には、研磨する間に基材が露出する様なことが起
こり、フッ素系樹脂で表面を被覆した意味が無くなる場
合がある。尚、被覆層の厚みには上限はなく、物品の種
類や用途に応じて適宜決定できる。
【0014】本発明においてフッ素系樹脂は、フッ素を
含有する樹脂を全て包含する。そのような含フッ素樹脂
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(E
TFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体
(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、
ポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
含有する樹脂を全て包含する。そのような含フッ素樹脂
としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(E
TFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体
(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、
ポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
【0015】本発明の物品は、長さが10〜30μmの範囲
であり、太さが1〜10μmの範囲であるフッ素系樹脂の
微細繊維(フィブリル)状の突起を(100μm)2 当たり1
本以上有する撥水性表面を有する。これはあたかも蓮の
葉の上に認められるうぶ毛をフッ素系樹脂表面に形成さ
せるようなもので、表面は微細凹凸形成、すなわちフィ
ブリル化された状況である。撥水性が顕著に改質される
のは、上記微細繊維状の突起が、(100μm)2当たり1本
以上存在する場合であり、この場合、動的接触角は 160
°以上を示す。但し、微細繊維状の突起の数は多いほど
撥水性が優れた表面に改質され、微細繊維状の突起の数
は、好ましくは(100μm)2当たり2〜100本の範囲で
あることが適当であり、上記範囲の微細繊維状の突起を
有することで、フッ素系樹脂表面は 160°以上の動的接
触角を示す。尚、フッ素系樹脂の微細繊維状の突起の長
さは好ましくは10〜20μmの範囲であり、太さは好
ましくは3〜8μmの範囲である。さらに、微細繊維状
の突起の太さに対する長さの比は、0.15〜0.8 の範囲で
あることが水に対する動的接触力の向上という観点から
好ましい。
であり、太さが1〜10μmの範囲であるフッ素系樹脂の
微細繊維(フィブリル)状の突起を(100μm)2 当たり1
本以上有する撥水性表面を有する。これはあたかも蓮の
葉の上に認められるうぶ毛をフッ素系樹脂表面に形成さ
せるようなもので、表面は微細凹凸形成、すなわちフィ
ブリル化された状況である。撥水性が顕著に改質される
のは、上記微細繊維状の突起が、(100μm)2当たり1本
以上存在する場合であり、この場合、動的接触角は 160
°以上を示す。但し、微細繊維状の突起の数は多いほど
撥水性が優れた表面に改質され、微細繊維状の突起の数
は、好ましくは(100μm)2当たり2〜100本の範囲で
あることが適当であり、上記範囲の微細繊維状の突起を
有することで、フッ素系樹脂表面は 160°以上の動的接
触角を示す。尚、フッ素系樹脂の微細繊維状の突起の長
さは好ましくは10〜20μmの範囲であり、太さは好
ましくは3〜8μmの範囲である。さらに、微細繊維状
の突起の太さに対する長さの比は、0.15〜0.8 の範囲で
あることが水に対する動的接触力の向上という観点から
好ましい。
【0016】フッ素系樹脂表面に微細繊維状突起が形成
される、すなわちフィブリル化されることにより撥水性
が画期的に向上する理由は定かでないが、表面に形成さ
れた微細繊維(フィブリル)がフッ素系樹脂表面に空気
の存在を許容して、水に濡れることを妨げ易くなったか
らであると考えられる。
される、すなわちフィブリル化されることにより撥水性
が画期的に向上する理由は定かでないが、表面に形成さ
れた微細繊維(フィブリル)がフッ素系樹脂表面に空気
の存在を許容して、水に濡れることを妨げ易くなったか
らであると考えられる。
【0017】フッ素系樹脂からなる撥水性表面の形成方
法 上記帆のフッ素系樹脂からなる撥水性表面を有する物品
は、フッ素系樹脂の表面を、研磨面に粒度 100番〜 800
番の研磨材を設けた研磨用工具の研磨面で研磨すること
で形成することができる。さらに、本発明は、フッ素系
樹脂からなる表面を、研磨面に粒度 100番〜 800番の研
磨材を設けた研磨用工具の研磨面で研磨することによ
り、長さが10〜30μmの範囲であり、太さが1〜10μm
の範囲であるフッ素系樹脂の微細繊維状の突起を(100μ
m)2 当たり1本以上有する撥水性の改善された表面を形
成する方法をも包含する。フッ素系樹脂の表面に上記微
細繊維状突起を形成するには、フッ素系樹脂の表面の硬
さ、粘り強さ、塑性変形の容易さなどと、研磨用具の硬
さ、表面研磨材の形態および特性などが適合する必要が
あり、フッ素系樹脂表面を研磨用工具で研磨処理する方
法が最も適している。本発明の方法では研磨用工具とし
て、研磨面に粒度 100番〜 800番の研磨材を設けた研磨
用工具を用いる。研磨用工具としては、例えば、研磨
布、研磨紙、耐水研磨紙、エンドレス研磨ベルト、研磨
ジスク、研磨ベルト、円筒研磨スリーブなどを挙げるこ
とができ、特に研磨紙及び耐水研磨紙が好適である。こ
れらは、通常の紙ヤスリとして容易に入手出来でき、必
要とする形状に切断して簡便に使用出来るうえ、研磨速
度が速すぎず、微細繊維状突起の形成を確実に実施出来
るからである。
法 上記帆のフッ素系樹脂からなる撥水性表面を有する物品
は、フッ素系樹脂の表面を、研磨面に粒度 100番〜 800
番の研磨材を設けた研磨用工具の研磨面で研磨すること
で形成することができる。さらに、本発明は、フッ素系
樹脂からなる表面を、研磨面に粒度 100番〜 800番の研
磨材を設けた研磨用工具の研磨面で研磨することによ
り、長さが10〜30μmの範囲であり、太さが1〜10μm
の範囲であるフッ素系樹脂の微細繊維状の突起を(100μ
m)2 当たり1本以上有する撥水性の改善された表面を形
成する方法をも包含する。フッ素系樹脂の表面に上記微
細繊維状突起を形成するには、フッ素系樹脂の表面の硬
さ、粘り強さ、塑性変形の容易さなどと、研磨用具の硬
さ、表面研磨材の形態および特性などが適合する必要が
あり、フッ素系樹脂表面を研磨用工具で研磨処理する方
法が最も適している。本発明の方法では研磨用工具とし
て、研磨面に粒度 100番〜 800番の研磨材を設けた研磨
用工具を用いる。研磨用工具としては、例えば、研磨
布、研磨紙、耐水研磨紙、エンドレス研磨ベルト、研磨
ジスク、研磨ベルト、円筒研磨スリーブなどを挙げるこ
とができ、特に研磨紙及び耐水研磨紙が好適である。こ
れらは、通常の紙ヤスリとして容易に入手出来でき、必
要とする形状に切断して簡便に使用出来るうえ、研磨速
度が速すぎず、微細繊維状突起の形成を確実に実施出来
るからである。
【0018】研磨用工具の研磨面の研磨材は、粒度が1
00番から800番の範囲、好ましくは120番から6
00番の範囲であることが適当である。100番よりも
粗い研磨用工具を使用するとフッ素系樹脂の表面を粗す
ことは出来るが、単に表面を傷つけて微細繊維状突起を
形成できず、撥水性向上が芳しくない。また、800番
よりも細かい研磨用工具を使用するとフッ素系樹脂の表
面に細かい筋が付くだけで、微細繊維状突起は形成され
ず撥水性が向上しない。研磨材の材質は、例えば、JI
SR6252研磨紙に記載されたAA(アルミナ質)、CC
(炭化けい素質)、E(エメリ−)、G(ガーネッ
ト)、F(けい石)の5 種類のいずれも使用することが
出来る。
00番から800番の範囲、好ましくは120番から6
00番の範囲であることが適当である。100番よりも
粗い研磨用工具を使用するとフッ素系樹脂の表面を粗す
ことは出来るが、単に表面を傷つけて微細繊維状突起を
形成できず、撥水性向上が芳しくない。また、800番
よりも細かい研磨用工具を使用するとフッ素系樹脂の表
面に細かい筋が付くだけで、微細繊維状突起は形成され
ず撥水性が向上しない。研磨材の材質は、例えば、JI
SR6252研磨紙に記載されたAA(アルミナ質)、CC
(炭化けい素質)、E(エメリ−)、G(ガーネッ
ト)、F(けい石)の5 種類のいずれも使用することが
出来る。
【0019】上記の研磨面に粒度 100番〜 800番の研磨
材を設けた研磨用工具による研磨処理により、優れた撥
水性表面が形成されるのは、光学顕微鏡や電子顕微鏡観
察結果などから判断して、研磨用工具表面の研磨材によ
る引っ掻きでフッ素系樹脂の表面に撥水性発現に適した
形態である所定寸法の微細繊維状の突起が形成するから
であると考えられる。それに対して、他の研磨方法、す
なわち、スパッタエッチング、ショットブラスト、切削
加工等の各種の機械的研磨や、低温プラズマ法によるス
パッタリングのような電気的処理では、所定寸法の微細
繊維状の突起が形成されない。耐水研磨紙(150番)
を使用して研磨したPTFEの走査型電子顕微鏡写真を
図3に示す。対照として、図4に研磨をしないPTFE
の走査型電子顕微鏡写真を示す。研磨用工具による研磨
処理により、表面形態が著しく変化することが理解出来
る。
材を設けた研磨用工具による研磨処理により、優れた撥
水性表面が形成されるのは、光学顕微鏡や電子顕微鏡観
察結果などから判断して、研磨用工具表面の研磨材によ
る引っ掻きでフッ素系樹脂の表面に撥水性発現に適した
形態である所定寸法の微細繊維状の突起が形成するから
であると考えられる。それに対して、他の研磨方法、す
なわち、スパッタエッチング、ショットブラスト、切削
加工等の各種の機械的研磨や、低温プラズマ法によるス
パッタリングのような電気的処理では、所定寸法の微細
繊維状の突起が形成されない。耐水研磨紙(150番)
を使用して研磨したPTFEの走査型電子顕微鏡写真を
図3に示す。対照として、図4に研磨をしないPTFE
の走査型電子顕微鏡写真を示す。研磨用工具による研磨
処理により、表面形態が著しく変化することが理解出来
る。
【0020】本発明により得られるフッ素系樹脂の表面
は、例えば、1年後に測定しても高い撥水性を維持して
いる。したがって、本発明の撥水性の改善方法を、撥水
性・疎水性を改善したいフッ素系樹脂からなる物品やフ
ッ素系樹脂の被覆層を有する物品の表面に適用すること
により、防水用品、家庭用品、医療用品、建築外装部
品、精密機械部品等の広範な用途でさらに撥水性を向上
させることが出来る。
は、例えば、1年後に測定しても高い撥水性を維持して
いる。したがって、本発明の撥水性の改善方法を、撥水
性・疎水性を改善したいフッ素系樹脂からなる物品やフ
ッ素系樹脂の被覆層を有する物品の表面に適用すること
により、防水用品、家庭用品、医療用品、建築外装部
品、精密機械部品等の広範な用途でさらに撥水性を向上
させることが出来る。
【0021】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明を具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるもの
ではない。 (撥水性評価方法)フッ素系樹脂からなる物品、または
フッ素系樹脂の被覆層を有する物品の表面に接触する水
の接触角が大きくなることをもって、撥水性向上の目安
とした。ただし、通常用いられる静的接触角測定法で
は、水滴が表面にのらないとか、のっても停止しにくく
て接触角の測定が困難である。そこで、クリュス(独
国、Krss)製K−12C自動表面張力計を使用し、
K−121動的接触角、吸着特性測定ソフトウェアによ
り、前進接触角と後退接触角を室温で測定した。得られ
たデータの例を図5 に示す。前進接触角(θa)および
後退接触角(θr)は、測定点を回帰法で結んだ直線が
浸漬深さゼロの縦軸を切る値Fから、cosθ=F/L
・ σ(Wilhelmyの式、ここでθ:接触角、F:
固体に掛かる荷重(力)[ mN] 、L:濡れる部分の長
さ[ mm] 、σ:水の表面張力[ mN/mm] 、a:前
進、r:後退)により求めた。
に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるもの
ではない。 (撥水性評価方法)フッ素系樹脂からなる物品、または
フッ素系樹脂の被覆層を有する物品の表面に接触する水
の接触角が大きくなることをもって、撥水性向上の目安
とした。ただし、通常用いられる静的接触角測定法で
は、水滴が表面にのらないとか、のっても停止しにくく
て接触角の測定が困難である。そこで、クリュス(独
国、Krss)製K−12C自動表面張力計を使用し、
K−121動的接触角、吸着特性測定ソフトウェアによ
り、前進接触角と後退接触角を室温で測定した。得られ
たデータの例を図5 に示す。前進接触角(θa)および
後退接触角(θr)は、測定点を回帰法で結んだ直線が
浸漬深さゼロの縦軸を切る値Fから、cosθ=F/L
・ σ(Wilhelmyの式、ここでθ:接触角、F:
固体に掛かる荷重(力)[ mN] 、L:濡れる部分の長
さ[ mm] 、σ:水の表面張力[ mN/mm] 、a:前
進、r:後退)により求めた。
【0022】実施例1 厚さ1 mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
のシート(ニチアス株式会社製ナフロンシート)から縦
・横25mmのサンプルを切り出し、市販の耐水研磨紙1
50番(KOVAX製、SC#150、研磨材材質は炭化け
い素質)で両面と端面を研磨した。このサンプルを水洗
後、エチルアルコール中で30分超音波洗浄して汚れを落
とし、常温で1晩放置後、動的接触角を測定した。ま
た、動的接触角測定に供したサンプルをキムワイプ(十
条キンバリー株式会社製)に包んで1 年間保管し、再度
そのまま動的接触角測定に供した。また、150 番の耐水
研磨紙の代わりに、100番、150番、220番、2
40番、280番、500番及び800番の耐水研磨紙
をそれぞれ使用して各サンプルを研磨後、同様に処理し
てから動的接触角を測定した。動的接触角測定結果を表
1に示す。いずれも撥水性が著しく向上し、1 年間保管
後に測定しても撥水性の低下は極めてわずかであった。
のシート(ニチアス株式会社製ナフロンシート)から縦
・横25mmのサンプルを切り出し、市販の耐水研磨紙1
50番(KOVAX製、SC#150、研磨材材質は炭化け
い素質)で両面と端面を研磨した。このサンプルを水洗
後、エチルアルコール中で30分超音波洗浄して汚れを落
とし、常温で1晩放置後、動的接触角を測定した。ま
た、動的接触角測定に供したサンプルをキムワイプ(十
条キンバリー株式会社製)に包んで1 年間保管し、再度
そのまま動的接触角測定に供した。また、150 番の耐水
研磨紙の代わりに、100番、150番、220番、2
40番、280番、500番及び800番の耐水研磨紙
をそれぞれ使用して各サンプルを研磨後、同様に処理し
てから動的接触角を測定した。動的接触角測定結果を表
1に示す。いずれも撥水性が著しく向上し、1 年間保管
後に測定しても撥水性の低下は極めてわずかであった。
【0023】
【表1】
【0024】比較例1 耐水研磨紙で研磨する以外は実施例1 と同様に処理した
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)サンプルの動
的接触角を測定した。また、耐水研磨紙60番、100
0番のいずれかを使用して両面と端面を研磨し、同様に
動的接触角を測定した。動的接触角測定結果を表2に示
す。耐水研磨紙60番では接触角の向上があまり認めら
れず、1000番の耐水研磨紙による研磨では前進接触
角が向上したが後退接触角はほとんど向上しなかった。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)サンプルの動
的接触角を測定した。また、耐水研磨紙60番、100
0番のいずれかを使用して両面と端面を研磨し、同様に
動的接触角を測定した。動的接触角測定結果を表2に示
す。耐水研磨紙60番では接触角の向上があまり認めら
れず、1000番の耐水研磨紙による研磨では前進接触
角が向上したが後退接触角はほとんど向上しなかった。
【0025】
【表2】
【0026】比較例2 (1)厚さ1 mmのポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り
出し、水洗後エチルアルコール中で30分超音波洗浄して
汚れを落とし、次の条件によりテトラフルオロメタンガ
ス雰囲気で両面をプラズマ処理した。使用機器(株式会
社サムコインターナショナル研究所製、PLASMAC
VDSYSTEM MODEL:PD-10 )、高周波電力:200
W(13.56 MHz )、ベース真空度:3.7 ×10-5Torr、キ
ャリヤガス:CF4 100ml/min 、圧力:1Torr、基板温
度:25℃、プラズマ処理時間:10分 (2)同様に次の条件によりアルゴン雰囲気で両面をプ
ラズマ処理した。高周波電力:200 W(13.56 MHz )、
ベース真空度:3.0 ×10-5Torr、キャリヤガス:Ar
20ml/min、圧力:0.1 Torr、基板温度:24℃、プラズマ
処理時間:10分 これらのサンプルの動的接触角測定結果を表3に示す。
CF4 ガス雰囲気プラズマ処理ではわずかに接触角が向
上したが顕著では無く、アルゴン雰囲気プラズマ処理で
は接触角の低下が認められた。
FE)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り
出し、水洗後エチルアルコール中で30分超音波洗浄して
汚れを落とし、次の条件によりテトラフルオロメタンガ
ス雰囲気で両面をプラズマ処理した。使用機器(株式会
社サムコインターナショナル研究所製、PLASMAC
VDSYSTEM MODEL:PD-10 )、高周波電力:200
W(13.56 MHz )、ベース真空度:3.7 ×10-5Torr、キ
ャリヤガス:CF4 100ml/min 、圧力:1Torr、基板温
度:25℃、プラズマ処理時間:10分 (2)同様に次の条件によりアルゴン雰囲気で両面をプ
ラズマ処理した。高周波電力:200 W(13.56 MHz )、
ベース真空度:3.0 ×10-5Torr、キャリヤガス:Ar
20ml/min、圧力:0.1 Torr、基板温度:24℃、プラズマ
処理時間:10分 これらのサンプルの動的接触角測定結果を表3に示す。
CF4 ガス雰囲気プラズマ処理ではわずかに接触角が向
上したが顕著では無く、アルゴン雰囲気プラズマ処理で
は接触角の低下が認められた。
【0027】
【表3】
【0028】比較例3 (1)厚さ1 mmのポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り出
し、粉末に不二見研磨材工業株式会社のFused White Al
umina WAX#240 を用いて、空気圧力2.7 kg/ cm2 でサン
ドブラスター(積水化学株式会社製、JELENKOS
ahara、Model 330700)を使用して、両面を各1 分
間処理した。処理終了後サンプルを水洗してからエチル
アルコール中で30分で超音波洗浄した。そのサンプルの
動的接触角測定結果は表4 に示す通りで、接触角の向上
が不十分である上に、場所によりムラがあって、撥水性
向上効果は不十分であった。 (2)厚さ1 mmのポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り出
し、回転研磨機(今橋製作所製、回転速度200rp
m)に砥粒液#240(不二見研磨材工業株式会社、FU
JIMI OPTICAL EMERY、平均径40μ)を滴下しながら両
面を各2分間研磨した。処理終了後サンプルを水洗して
からエチルアルコール中で30分超音波洗浄して、動的接
触角を測定した。同様に、砥粒液#800(同上、平均
径は11.3μ)を用いて同様な研磨処理を行ない、動
的接触角を測定した。それらのサンプルの動的接触角測
定結果は表4 に示す通りで、接触角の向上が不十分であ
った。 (3)厚さ1 mmのポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り出
し、ラッピングフィルム#320(住友スリーエム株式
会社製、ポリエステルフィルムに超微細研磨粒子を、接
着剤を使ってコーティングしたもの、研磨粒子径は60
μ)を使用して両面と端面を研磨した。このサンプルを
水洗後、エチルアルコール中で30分超音波洗浄して汚れ
を落とし、常温で1晩放置後、動的接触角を測定した。
同様に、ラッピングフィルム#600(同上、研磨粒子
径は30μ)を用いて同様な研磨処理を行ない、動的接
触角を測定した。それらのサンプルの動的接触角測定結
果は表4 に示す通りで、接触角の向上が不十分であっ
た。
E)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り出
し、粉末に不二見研磨材工業株式会社のFused White Al
umina WAX#240 を用いて、空気圧力2.7 kg/ cm2 でサン
ドブラスター(積水化学株式会社製、JELENKOS
ahara、Model 330700)を使用して、両面を各1 分
間処理した。処理終了後サンプルを水洗してからエチル
アルコール中で30分で超音波洗浄した。そのサンプルの
動的接触角測定結果は表4 に示す通りで、接触角の向上
が不十分である上に、場所によりムラがあって、撥水性
向上効果は不十分であった。 (2)厚さ1 mmのポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り出
し、回転研磨機(今橋製作所製、回転速度200rp
m)に砥粒液#240(不二見研磨材工業株式会社、FU
JIMI OPTICAL EMERY、平均径40μ)を滴下しながら両
面を各2分間研磨した。処理終了後サンプルを水洗して
からエチルアルコール中で30分超音波洗浄して、動的接
触角を測定した。同様に、砥粒液#800(同上、平均
径は11.3μ)を用いて同様な研磨処理を行ない、動
的接触角を測定した。それらのサンプルの動的接触角測
定結果は表4 に示す通りで、接触角の向上が不十分であ
った。 (3)厚さ1 mmのポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の市販シートから縦・横25mmのサンプルを切り出
し、ラッピングフィルム#320(住友スリーエム株式
会社製、ポリエステルフィルムに超微細研磨粒子を、接
着剤を使ってコーティングしたもの、研磨粒子径は60
μ)を使用して両面と端面を研磨した。このサンプルを
水洗後、エチルアルコール中で30分超音波洗浄して汚れ
を落とし、常温で1晩放置後、動的接触角を測定した。
同様に、ラッピングフィルム#600(同上、研磨粒子
径は30μ)を用いて同様な研磨処理を行ない、動的接
触角を測定した。それらのサンプルの動的接触角測定結
果は表4 に示す通りで、接触角の向上が不十分であっ
た。
【0029】
【表4】
【0030】実施例2 厚さ0.5 mm、幅20mm、長さ50mmの鉄板に流動浸漬
法でテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA )を平均厚さ1.0mmに
コーティングし、実施例1と同様に耐水研磨紙220番
で両面と端面を研磨した。このサンプルを水洗後、エチ
ルアルコール中で30分超音波洗浄して汚れを落とし、常
温で1晩放置後、動的接触角を測定した。また、テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA )の代わりにおよびテトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプピレン共重合体(FEP )およ
びポリフッ化ビニリてから、 動的接触でコーティングし
たサンプルも同様に処理しデン(PVDF)粉末角を測定し
た。動的接触角測定結果を表5 に示す。いずれも撥水性
が著しく向上した。
法でテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA )を平均厚さ1.0mmに
コーティングし、実施例1と同様に耐水研磨紙220番
で両面と端面を研磨した。このサンプルを水洗後、エチ
ルアルコール中で30分超音波洗浄して汚れを落とし、常
温で1晩放置後、動的接触角を測定した。また、テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA )の代わりにおよびテトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプピレン共重合体(FEP )およ
びポリフッ化ビニリてから、 動的接触でコーティングし
たサンプルも同様に処理しデン(PVDF)粉末角を測定し
た。動的接触角測定結果を表5 に示す。いずれも撥水性
が著しく向上した。
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフッ素系
樹脂からなる物品またはフッ素系樹脂の被覆層を有する
物品の表面は、従来知られているポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の表面の接触角よりも著しく高い値
を示し、容易に動的接触角が160 °以上に達する、著し
く撥水性が向上したものである。また、この撥水性表面
は経時劣化しにくいという利点もある。さらに本発明の
フッ素系樹脂の表面の撥水性の改善方法は、各種のフッ
素系樹脂の表面に適用することができる。従って、防水
用品、家庭用品、医療用品、建築外装部品、精密機械部
品等の広範な用途で、各種のフッ素系樹脂の表面の撥水
性を向上させることが出来る。
樹脂からなる物品またはフッ素系樹脂の被覆層を有する
物品の表面は、従来知られているポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の表面の接触角よりも著しく高い値
を示し、容易に動的接触角が160 °以上に達する、著し
く撥水性が向上したものである。また、この撥水性表面
は経時劣化しにくいという利点もある。さらに本発明の
フッ素系樹脂の表面の撥水性の改善方法は、各種のフッ
素系樹脂の表面に適用することができる。従って、防水
用品、家庭用品、医療用品、建築外装部品、精密機械部
品等の広範な用途で、各種のフッ素系樹脂の表面の撥水
性を向上させることが出来る。
【図1】平滑平面に水滴が生成した時の接触角θを示
す。
す。
【図2】粗な表面に水滴が生成した時の接触角θ' を示
す。
す。
【図3】耐水研磨紙(150番)を使用して研磨したP
TFEの表面の図面に代わる走査型電子顕微鏡写真。
TFEの表面の図面に代わる走査型電子顕微鏡写真。
【図4】研磨をしないPTFEの表面の図面に代わる走
査型電子顕微鏡写真。
査型電子顕微鏡写真。
【図5】動的接触角測定で得られたデータの例。
Claims (11)
- 【請求項1】 フッ素系樹脂からなる表面であって、長
さが10〜30μmの範囲であり、太さが1〜10μmの範囲
であるフッ素系樹脂の微細繊維状の突起を(100μm)2 当
たり1本以上有する撥水性表面を有することを特徴とす
る物品。 - 【請求項2】 水面の水の動的接触角が 160°以上であ
る請求項1記載の物品。 - 【請求項3】 物品がフッ素系樹脂からなる物品または
フッ素系樹脂の被覆層を有する物品である請求項1また
は2に記載の物品。 - 【請求項4】 微細繊維状の突起を(100μm)2 当たり2
〜100本有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の
物品。 - 【請求項5】 微細繊維状の突起の太さに対する長さの
比が、0.03〜1の範囲である請求項1記載の物品。 - 【請求項6】 フッ素系樹脂からなる表面を有する物品
の表面を、研磨面に粒度100番〜 800番の研磨材を設け
た研磨用工具の研磨面で研磨することを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1項に記載の物品の製造方法。 - 【請求項7】 研磨材の粒度が 120番〜 600番の範囲で
ある請求項6記載の製造方法。 - 【請求項8】 研磨材が、アルミナ質、炭化珪素質、エ
メリー、ガーネット、及びけい石からなる群から選ばれ
る少なくとも一種の研磨粒子である請求項6または7に
記載の製造方法。 - 【請求項9】 フッ素系樹脂からなる表面を、研磨面に
粒度 100番〜 800番の研磨材を設けた研磨用工具の研磨
面で研磨することを特徴とする、長さが10〜30μmの範
囲であり、太さが1〜10μmの範囲であるフッ素系樹脂
の微細繊維状の突起を(100μm)2 当たり1本以上有する
撥水性表面とすることを特徴とする撥水性の改善方法。 - 【請求項10】 研磨材の粒度が 120番〜 600番の範囲
である請求項9記載の方法。 - 【請求項11】 研磨材が、アルミナ質、炭化珪素質、
エメリー、ガーネット、及びけい石からなる群から選ば
れる少なくとも一種の研磨粒子である請求項9または1
0に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7696197A JPH10273543A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 撥水性表面を有する物品とその製造方法、及びフッ素系樹脂表面の撥水性改善方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7696197A JPH10273543A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 撥水性表面を有する物品とその製造方法、及びフッ素系樹脂表面の撥水性改善方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10273543A true JPH10273543A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=13620394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7696197A Pending JPH10273543A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 撥水性表面を有する物品とその製造方法、及びフッ素系樹脂表面の撥水性改善方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10273543A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003013844A1 (fr) * | 2001-08-06 | 2003-02-20 | Daikin Industries, Ltd. | Resine moulee, objet en couches, et procedes de production associe |
JP2007523272A (ja) * | 2004-02-24 | 2007-08-16 | ミリケン・アンド・カンパニー | 処理した繊維製品基材および該繊維製品基材の製造方法 |
JP2008533317A (ja) * | 2005-03-10 | 2008-08-21 | マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー | 超疎水性ファイバー、並びにその作成及び使用方法 |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP7696197A patent/JPH10273543A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003013844A1 (fr) * | 2001-08-06 | 2003-02-20 | Daikin Industries, Ltd. | Resine moulee, objet en couches, et procedes de production associe |
JP2007523272A (ja) * | 2004-02-24 | 2007-08-16 | ミリケン・アンド・カンパニー | 処理した繊維製品基材および該繊維製品基材の製造方法 |
JP2008533317A (ja) * | 2005-03-10 | 2008-08-21 | マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー | 超疎水性ファイバー、並びにその作成及び使用方法 |
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A977 | Report on retrieval |
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