JPH1026699A - デブリシールド - Google Patents

デブリシールド

Info

Publication number
JPH1026699A
JPH1026699A JP18325596A JP18325596A JPH1026699A JP H1026699 A JPH1026699 A JP H1026699A JP 18325596 A JP18325596 A JP 18325596A JP 18325596 A JP18325596 A JP 18325596A JP H1026699 A JPH1026699 A JP H1026699A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
debris
laser
target
shield
laser light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18325596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirozumi Azuma
博純 東
Toshio Sada
登志夫 佐田
Tamio Hara
民夫 原
Naohiro Yamaguchi
山口  直洋
Yoshiyuki Hisada
祥之 久田
Atsushi Sakata
篤 坂田
Yasuhiko Nishimura
靖彦 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Denso Corp
Ricoh Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Toyota Macs Inc
Toyota Gauken
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Denso Corp
Ricoh Co Ltd
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Toyota Macs Inc
Toyota Gauken
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan, Denso Corp, Ricoh Co Ltd, Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc, Toyota Macs Inc, Toyota Gauken filed Critical Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Priority to JP18325596A priority Critical patent/JPH1026699A/ja
Publication of JPH1026699A publication Critical patent/JPH1026699A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高エネルギーのレーザー光を用いたX線レーザ
ー発生装置において、レーザー光の長時間の安定照射を
可能とするデブリシールドを提供する。 【解決手段】レーザー光を透過し10〜100μmの膜
厚の高分子膜からなるデブリシールドとする。高分子膜
はレーザー光をよく透過し、かつデブリによる損傷もほ
とんどない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギーのレ
ーザー光の照射によりX線レーザーを発生させるX線レ
ーザーの発生装置に用いられ、少なくともレーザー光入
射窓をデブリの付着から保護するデブリシールドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各種分野においてレーザー光が利
用されている。例えば特開昭61−262187号公報
には、レーザー光によるプラスチックのマーキング方法
が開示され、特開平4−224672号公報にはレーザ
ー光を利用した蒸着装置が開示されている。
【0003】ところで、レーザー光を用いて何らかの処
理を行う場合には、レーザー光を収束させる集光レンズ
が必要となり、蒸着などを行う場合にはレーザー光入射
窓をもつ真空槽が必要となる。そしてレーザー光を用い
た処理を行う場合には、被処理材の燃焼や分解が生じ、
それによる燃焼分解物や破砕物が飛散する(以下、これ
をデブリという)。
【0004】ところが、このデブリが集光レンズやレー
ザー光入射窓に付着して蓄積すると、レーザー光の透過
率が低下して処理効率が低下し、ついには処理が困難と
なる。したがって定期的に集光レンズやレーザー光入射
窓に付着したデブリを除去する必要が生じるが、蒸着な
どの場合には真空槽を一旦常圧に戻して除去しなければ
ならず、その間は生産できないため、工数が多大となる
とともに生産性が低いという不具合がある。
【0005】そこで特開昭61−262187号公報に
は、集光レンズと被処理材との間に透明なプラスチック
フィルムを配置し、そのプラスチックフィルムを連続的
に移動させながら低エネルギーのレーザー光を照射する
マーキング方法が開示されている。このようにすれば、
プラスチックフィルムにより集光レンズにデブリが付着
するのが阻止される。またプラスチックフィルムにはデ
ブリが付着するが、プラスチックフィルムは連続的に移
動しているため、付着したデブリによりレーザー光の透
過が妨げられることがない。
【0006】また特開平4−224672号公報には、
レーザー光入射窓とターゲットとの間に通過穴をもつ回
転板を配置し、回転板を回転させながら通過穴を通して
ターゲットにレーザー光を照射するレーザー蒸着装置が
開示されている。このようにすれば、通過穴はターゲッ
トからのデブリが回転板に届くまでに光路から外れるた
め、デブリが通過穴を通過してレーザー光入射窓に付着
することがなく、長時間連続的に照射することが可能と
なる。
【0007】ところで近年、100MW/cm2 以上の
強度をもつ高エネルギーのレーザー光が開発され、この
レーザー光を用いてX線レーザーを発生させる装置が提
案されている(特開平7−128500号公報など)。
このようなX線レーザー発生装置は大型となり、過熱に
よる不具合を回避するために数10分以上の間隔をあけ
てレーザー光の照射を行っているのが現状である。
【0008】これでは連続的な照射ができないが、近
年、特開平7−94296号公報に開示されているよう
に、波形制御されたパルス列の固体レーザーを用いるこ
とにより、1Hz又は10Hzの繰り返しでX線レーザ
ーを発生させることができるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが繰り返してX
線レーザーを発生させた場合には、前記したようにデブ
リによるレーザー光入射窓の汚染が生じるため、X線レ
ーザー発生装置においてもその対策が必要となってい
る。しかしながらX線レーザー発生装置においては、上
記したように100MW/cm2 以上の強度をもつ高エ
ネルギーのレーザー光を用いているために、特開昭61
−262187号公報に開示されたようなプラスチック
フィルムを配置しても、レーザー光によりプラスチック
フィルムに燃焼や分解が起こることが懸念される。
【0010】また、100MW/cm2 以上の強度をも
つ高エネルギーのレーザー光の照射によるターゲットか
らのデブリは飛散速度がきわめて大きい。したがって特
開平4−224672号公報に開示のように通過穴をも
つ回転板を配置しても、デブリが通過穴を通過してレー
ザー入射窓に付着することを防止することが困難であっ
た。
【0011】そのため従来のX線レーザー発生装置で
は、数百から数万回のレーザー照射毎に装置を常圧に戻
し、レーザー光入射窓や内部に配置した光学素子に付着
したデブリを除去している。そのため長時間の連続照射
が困難となっている。本発明はこのような事情に鑑みて
なされたものであり、高エネルギーのレーザー光を用い
たX線レーザー発生装置において、レーザー光の長時間
の安定照射を可能とするデブリシールドを提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載のデブリシールドの特徴は、真空槽と、真空
槽に設けられたレーザー光入射窓と、真空槽内に配置さ
れたターゲットと、真空槽外部に配置されレーザー光入
射窓を介してターゲットに高エネルギーのレーザー光を
照射することによりX線レーザーを発生させるレーザー
光源と、を備えてなるX線レーザーの発生装置のレーザ
ー光入射窓とターゲットの間にレーザー光の光軸に対し
て交差する方向へ移動可能に設けられ、ターゲットから
飛散するデブリが少なくともレーザー光入射窓へ付着す
るのを抑止するデブリシールドであって、レーザー光を
透過し10〜100μmの膜厚の高分子膜からなること
にある。
【0013】また請求項2に記載のデブリシールドの特
徴は、請求項1にいう高エネルギーのレーザー光強度は
100MW/cm2 以上であることにある。さらに請求
項3に記載のデブリシールドの特徴は、請求項1又は請
求項2において、高分子膜はポリエチレンであることに
ある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、デブリシールドと
して使用できそうな各種材質を選択して試験検討した結
果、意外にも高分子膜が最適であることを見出した。つ
まり従来は、X線レーザーを発生させるためには高エネ
ルギーのレーザー光の照射が必要であるから、ターゲッ
トから飛散するデブリも高温・高速となり、高分子膜で
は耐熱性や強度に不足するため使用は困難であろうと考
えられていた。しかしながら、その考えに反して、高分
子膜がきわめて良好な結果を示したのである。
【0015】高分子膜の種類としてはレーザー光を透過
するものが用いられ、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリイミド、ポリプロピレン、ナイロンなどが例示
される。なかでも特にレーザー光を吸収しにくく、透過
性に優れているポリエチレンを用いるのが特に好まし
い。高分子膜は、膜厚が10〜100μmのものを用い
ることが必要となる。高分子膜の膜厚が10μmより薄
いと、デブリによる損傷が大きく耐久性に劣り、100
μmを超えるとレーザー光の透過率が85%以下となっ
て照射効率が低下する。
【0016】デブリシールドとしての高分子膜の移動速
度は、レーザーの運転の繰り返し率が1Hzでレーザー
光を照射した場合、5mm/分以上とすることが望まし
い。移動速度が5mm/分より遅くなるとデブリの付着
量が多くなり、レーザー光の透過量が急激に低下するの
で好ましくない。また、レーザーの運転の繰り返し率が
1Hzより高くなるにつれ、該移動速度はさらに速くす
る必要がある。
【0017】すなわち本発明のデブリシールドをもつX
線レーザー発生装置では、レーザー光の照射によりター
ゲットから飛散したデブリは、デブリシールドに遮られ
るためレーザー光入射窓に付着するのが阻止される。ま
たデブリシールドにはデブリが付着するが、デブリシー
ルドはレーザー光の光軸に対して交差する方向へ移動可
能とされている。したがってデブリシールドを移動させ
ることにより、デブリが付着していない又は付着量の少
ない新しい表面を次々と光路に位置させることができる
ので、付着したデブリによりレーザー光入射窓から入射
されるレーザー光のターゲットへの照射が妨げられるの
が防止され、ターゲットへの長時間で連続的な照射が可
能となる。
【0018】そして、例えばデブリシールドの全面にデ
ブリが付着・蓄積した段階でデブリシールドを交換すれ
ば、改めて長時間の照射が可能となる。このデブリシー
ルドの交換は、真空槽内に多数枚のデブリシールドを設
置することにより、又は真空槽をもう一つ設置し次のデ
ブリシールドを外部からこの真空槽に入れ予備真空引き
を行った後で交換することにより、又はこの両方の手段
を用いることにより、真空槽の真空状態を維持しながら
行うことができる。それ故、レーザー光の照射をほとん
ど停止することなく交換することができ、きわめて長時
間の連続照射が可能となる。
【0019】レーザー光としては、例えば強度が100
MW/cm2 以上のものを利用することができ、YAG
レーザー、ガラスレーザー、エキシマレーザー、CO2
ガスレーザーなどのレーザー光を利用できる。また真空
槽の真空度は、10-10 〜103 Pa以下が一般的に用
いられる。さらにターゲットとしては、レーザープラズ
マ軟X線を発生させる場合には金属、半導体、高分子材
料、セラミックスなどが用いられ、X線レーザーを発生
させる場合にも金属、半導体、高分子材料、セラミック
スなどを用いることができる。
【0020】なおデブリシールドの移動は、連続的に行
ってもよいし間欠的に行うこともでき、デブリの発生程
度や照射条件によって種々選択して行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)図1に本実施例に用いたレーザーX線発生
装置を示す。このレーザーX線発生装置は、側壁にレー
ザー光入射窓10をもつ真空槽1と、真空槽1外部に配
置された集光レンズ2と、真空槽1内部に配置されたタ
ーゲット3、X線反射鏡4、遮蔽板5及びデブリシール
ド6から構成されている。
【0022】真空槽1には図示しない排気装置が接続さ
れ、真空槽1内を10-4Paまで減圧可能とされてい
る。またレーザー光入射窓10は石英ガラスから形成さ
れ、真空槽1の側壁に真円形状に形成されている。真空
槽1内には、ほぼ中央にターゲット3が配置され、ター
ゲット3とレーザー光入射窓10との間にはロール状に
巻回されたポリエチレンフィルムからなるデブリシール
ド6が、レーザー光路に対して垂直方向に移動自在に配
置されている。またデブリシールド6とターゲット3の
間には、楕円形状の貫通穴50をもつステンレス製の遮
蔽板5が配置されている。
【0023】デブリシールド6の一端にはモータ60に
より回転駆動される巻き取りロール61が配置され、デ
ブリシールド6は巻き取りロール60に巻き取られるこ
とで所定速度で移動可能とされている。集光レンズ2
は、真空槽1外部でレーザー光入射窓10と同軸的に配
置されている。そしてターゲット3の中心と、レーザー
光入射窓10の中心及び集光レンズ2の中心が同一直線
上に位置し、その延長線上に図示しないレーザー光源が
配置されている。またターゲット3近傍にはX線反射鏡
4が配置され、発生したX線の一部がX線反射鏡4で反
射してレーザープラズマを通過することにより、さらに
強度が強められるように構成されている。
【0024】このレーザーX線発生装置では、レーザー
光源から発せられ励起された励起レーザー光7が集光レ
ンズ2で線集光され、レーザー光入射窓10、デブリシ
ールド6及び貫通穴50を透過してターゲット3に照射
される。励起レーザー光7の照射により、ターゲット3
表面にレーザープラズマが生成し、このレーザープラズ
マからレーザープラズマ軟X線もしくはX線レーザー8
が発生する。このとき同時に発生したデブリが飛散する
が、遮蔽板5及びデブリシールド6の存在により遮蔽さ
れ、レーザー光入射窓10に付着するのが防止されてい
る。
【0025】デブリシールド6には、飛散したデブリの
一部が遮蔽板5の貫通穴50を通過して付着する。しか
しデブリシールド6の面積の大部分は遮蔽板5で遮蔽さ
れているため、デブリシールド6の面積の大部分ではデ
ブリの付着が防止されている。そして本実施例のデブリ
シールド6をもつレーザーX線発生装置では、照射時あ
るいは照射停止時に巻き取りロール61が駆動される。
これによりデブリシールド6が移動するため、光路に位
置しデブリが付着した表面が光路から外れるとともに、
デブリの付着しなかった新しい表面が光路に位置する。
そしてレーザー光源から次の励起レーザー光7が発せら
れると、励起レーザー光7はデブリシールド6のデブリ
が付着していない新しい部分を透過し、遮られることな
く円滑にターゲット3に照射される。またデブリシール
ド6にデブリが付着しても、デブリシールド6を移動さ
せることでデブリの付着密度が小さくなり、励起レーザ
ー光の透過に支障が生じない間は連続照射が可能となる
ので、連続的に安定してレーザープラズマ軟X線もしく
はX線レーザーを発生させることができる。
【0026】デブリシールド6のほとんど全表面に透過
に支障が生じる量のデブリが付着・蓄積した場合は、デ
ブリシールド6を交換する。このとき交換する新品のデ
ブリシールド6を真空槽1内に配置しておけば、真空状
態を維持したまま交換することができ、交換時のレーザ
ー照射の停止時間をきわめて短くすることができるの
で、生産性の低下を最小限に留めることが可能となる。
【0027】すなわち本実施例のデブリシールドをもつ
レーザーX線発生装置によれば、励起レーザー光は常に
デブリの付着がないレーザー光入射窓10と、デブリの
付着がない又は付着量が少ないデブリシールド6を通し
て照射されるため、長時間連続してレーザープラズマ軟
X線もしくはX線レーザーを安定して発生させることが
できる。 <試験例>さて、上記レーザーX線発生装置からデブリ
シールド6と遮蔽板5を除いた装置を用い、先ずデブリ
の発生状況を調査した。照射したレーザー光の強度は1
80MW/cm2 であり、ターゲット3上での照射強度
は2×105 MW/cm2である。ターゲット3として
はアルミニウムを用いた。
【0028】ターゲット3表面からの距離が65mmの
位置にシールド板を配置し、それに付着したデブリをS
EMで観察した図を図2に示す。図2からわかるよう
に、デブリは大きいものでは3μm程度のものが存在し
ている。また、このデブリは図3に示すような分布をも
って付着し、角度依存性があることも明らかとなった。
次にポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニリデン及びポリ
エチレンの3種類のフィルムをデブリシールド6として
用いた場合の、それぞれのデブリシールド6の透過率を
測定した。なお、レーザー光としては全エネルギー1.
6〜2ジュールのパルス列YAGレーザー光(波長λ=
1.064μm)を照射し、フィルム前後でのレーザー
光のエネルギーを測定することにより透過率を測定し
た。また膜厚と透過率との関係から吸収係数を求めた。
結果を表1に示す。
【0029】
【表1】 表1より、ポリエチレンフィルムが最もYAGレーザー
光を吸収しにくいことがわかる。
【0030】また上記3種類のフィルムをデブリシール
ドとして用い、強度130MW/cm2 のレーザー光を
10Hzで繰り返し照射したときと、強度180MW/
cm 2 のレーザー光を1Hzで繰り返し照射したときの
デブリシールドの損傷程度を調査し、結果を表2に示
す。
【0031】
【表2】 表2より、ポリエチレンが優れた特性を有していること
がわかる。
【0032】なお、ポリ塩化ビニリデンフィルムでは、
130MW/cm2 のレーザー光を10Hzで1分間繰
り返して照射すると、図4に示すように円形の蒸発跡も
しくは溶けた跡が観察される。しかしポリエチレンフィ
ルムでは、同じ条件で照射してもそのような損傷は観察
されなかった。さらに、ポリエチレンフィルムを透過し
たレーザー光をターゲットに照射した時のターゲット上
のバーンパターンと、ポリエチレンフィルムを通さずに
レーザー光を直接ターゲットに照射した時のターゲット
上のバーンパターンとの間には差がなく、ポリエチレン
フィルム透過によるレーザー光波面の変化はないと判断
される。
【0033】以上のようにポリエチレンが最適であるこ
とが明らかとなったので、図1の装置のデブリシールド
6として各種膜厚のポリエチレンフィルムを用い、透過
レーザー光の状況とデブリによる損傷程度を調査した。
結果を表3に示す。なおレーザー光としては、パルス幅
100ピコ秒のYAGレーザー装置からのレーザー光を
光路差をもたせることにより16個のパルス列とし、こ
れらのパルスを増幅することにより発生する全エネルギ
ー1.6〜2.0ジュールのパルス幅レーザー光を用い
た。またデブリシールド6は、移動させずに固定した状
態で実験を行った。
【0034】
【表3】 表3より、ターゲット上での集光状況が良好で透過率が
85%以上とするためには、膜厚が100μm以下が望
ましいことがわかる。しかし膜厚が10μm以下では、
デブリによる損傷が大きくなるため、耐久性に問題があ
る。また膜厚が10μm以下では、巻き取りロール61
への巻き取りが不均一となり、レーザー光が透過する部
分に皺が生じるという不具合が発生することもわかっ
た。したがってポリエチレンフィルムの膜厚は、10〜
100μmが最適である。
【0035】さらに、図3に示すデブリ飛散の角度分布
より、デブリシールド6の移動速度を検討した。その結
果、1Hzでレーザー照射した場合、60秒間の照射で
5mm幅の領域に極めて多量のデブリが付着し、レーザ
ー光の透過量が急激に低下することが明らかとなった。
したがってデブリシールド6の移動速度は5mm/分以
上とすることが望ましいことがわかった。
【0036】
【発明の効果】すなわち本発明のデブリシールドによれ
ば、高い透過率でターゲットへレーザー光を照射できる
とともに、レーザー光入射窓ガラスなどへデブリが付着
するのを長期間防止することができる。したがって長時
間の連続運転が可能となり、生産性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のデブリシールドをもつX線
レーザー発生装置の構成を示す説明図である。
【図2】ターゲット表面から65mm位置におけるデブ
リの粒子構造を示すSEM写真である。
【図3】デブリの飛散する角度分布を示す説明図であ
る。
【図4】ポリ塩化ビニリデンフィルムに高エネルギーレ
ーザーを照射した時の損傷部の粒子構造を示す50倍の
顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1:真空槽 2:集光レンズ
3:ターゲット 4:X線反射鏡 5:遮蔽板
6:デブリシールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 396020800 科学技術振興事業団 埼玉県川口市本町4丁目1番8号 (71)出願人 000003207 トヨタ自動車株式会社 愛知県豊田市トヨタ町1番地 (71)出願人 000004260 株式会社デンソー 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 (71)出願人 000006747 株式会社リコー 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 (72)発明者 東 博純 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐田 登志夫 愛知県名古屋市天白区久方二丁目12番地1 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学内 (72)発明者 原 民夫 愛知県名古屋市天白区久方二丁目12番地1 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学内 (72)発明者 山口 直洋 愛知県名古屋市天白区久方二丁目12番地1 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学内 (72)発明者 久田 祥之 愛知県名古屋市天白区久方二丁目12番地1 学校法人トヨタ学園 豊田工業大学内 (72)発明者 坂田 篤 愛知県豊田市トヨタ町2番地 株式会社ト ヨタマックス内 (72)発明者 西村 靖彦 愛知県豊田市トヨタ町2番地 株式会社ト ヨタマックス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽と、該真空槽に設けられたレーザ
    ー光入射窓と、該真空槽内に配置されたターゲットと、
    該真空槽外部に配置され該レーザー光入射窓を介して該
    ターゲットに高エネルギーのレーザー光を照射すること
    によりX線レーザーを発生させるレーザー光源と、を備
    えてなるX線レーザーの発生装置の該レーザー光入射窓
    と該ターゲットの間に該レーザー光の光軸に対して交差
    する方向へ移動可能に設けられ、該ターゲットから飛散
    するデブリが少なくとも該レーザー光入射窓へ付着する
    のを抑止するデブリシールドであって、 前記レーザー光を透過し10〜100μmの膜厚の高分
    子膜からなることを特徴とするデブリシールド。
  2. 【請求項2】 高エネルギーのレーザー光強度は100
    MW/cm2 以上であることを特徴とする請求高記載の
    デブリシールド。
  3. 【請求項3】 高分子膜はポリエチレンであることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のデブリシールド。
JP18325596A 1996-07-12 1996-07-12 デブリシールド Pending JPH1026699A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18325596A JPH1026699A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 デブリシールド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18325596A JPH1026699A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 デブリシールド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1026699A true JPH1026699A (ja) 1998-01-27

Family

ID=16132477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18325596A Pending JPH1026699A (ja) 1996-07-12 1996-07-12 デブリシールド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1026699A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4758370A (en) * 1987-04-30 1988-07-19 Neutrogena Corp. Compositions and processes for the continuous production of transparent soap
DE10233567A1 (de) * 2002-07-22 2004-02-12 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung zur Erzeugung eines gepulsten Plasmas innerhalb einer Vakuumkammer mittels eines Festkörpertargets, mit mindestens einer Debris-Blende
US8253059B2 (en) * 2008-05-06 2012-08-28 Semes Co., Ltd. Apparatus and method of cleaning substrate
JP2021072271A (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 長寿命イオン源

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4758370A (en) * 1987-04-30 1988-07-19 Neutrogena Corp. Compositions and processes for the continuous production of transparent soap
DE10233567A1 (de) * 2002-07-22 2004-02-12 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung zur Erzeugung eines gepulsten Plasmas innerhalb einer Vakuumkammer mittels eines Festkörpertargets, mit mindestens einer Debris-Blende
DE10233567B4 (de) * 2002-07-22 2004-10-28 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Vorrichtung zur Erzeugung eines gepulsten Plasmas innerhalb einer Vakuumkammer mit mindestens einer Debris-Blende
US8253059B2 (en) * 2008-05-06 2012-08-28 Semes Co., Ltd. Apparatus and method of cleaning substrate
JP2021072271A (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 長寿命イオン源

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Krüger et al. Ultrashort pulse laser interaction with dielectrics and polymers
JP3824522B2 (ja) レーザー誘起破壊及び切断形状を制御する方法
JP6309078B2 (ja) 低減されたデブリ生成を有するレーザ生成プラズマeuv源
US8872143B2 (en) Target for laser produced plasma extreme ultraviolet light source
US7931850B2 (en) Nanometer-scale ablation using focused, coherent extreme ultraviolet/soft x-ray light
US5211805A (en) Cutting of organic solids by continuous wave ultraviolet irradiation
US8378258B2 (en) System and method for laser machining
CN111065485A (zh) 使用无焦光束调整组件激光加工透明工件的设备和方法
JP2004509233A (ja) レーザー切除による薄膜の蒸着
JPH09506565A (ja) 近接石版印刷を利用した削摩による結像
JP2001057298A5 (ja)
JP2000098098A (ja) X線発生装置
EP0658437B1 (en) Ablative flashlamp imaging
JPS6021224B2 (ja) レーザー薄膜形成装置
JPH1026699A (ja) デブリシールド
JP4706010B2 (ja) ダイヤモンド様炭素薄膜の形成方法
JPH04182093A (ja) レーザ加工方法
JPH11123577A (ja) 脆性材のレーザー加工方法
EP4159357A1 (en) Method of and apparatus for cutting a substrate or preparing a substrate for cleaving
Haehnel et al. Production of microstructures in wide-band-gap and organic materials using pulsed laser ablation at 157 nm wavelength
JP2009045637A (ja) レーザ加工装置
JP2005066697A (ja) 単一ヘッド式レーザによる高スループットレーザショックピーニング
JP6787617B2 (ja) 管状脆性部材の分断方法並びに分断装置
Kuriyama et al. Microhole drilling on glass plates by femtosecond laser pulses
JPH11133195A (ja) X線光源装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Effective date: 20031215

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040423

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050906