JPH10266879A - エンジン補助ブレーキ装置 - Google Patents

エンジン補助ブレーキ装置

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Publication number
JPH10266879A
JPH10266879A JP9071339A JP7133997A JPH10266879A JP H10266879 A JPH10266879 A JP H10266879A JP 9071339 A JP9071339 A JP 9071339A JP 7133997 A JP7133997 A JP 7133997A JP H10266879 A JPH10266879 A JP H10266879A
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JP
Japan
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engine
exhaust
valve
compression
intake
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Application number
JP9071339A
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English (en)
Inventor
Seiji Okada
誠二 岡田
Takashi Takahashi
孝 高橋
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Supercharger (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、小形・軽量化を損なわずに高出力エ
ンジンから同エンジン性能に応じた高い吸収馬力を発生
できるエンジン補助ブレーキ装置を提供する。 【解決手段】本発明のエンジン補助ブレーキ装置は、駆
動荷重が少なくてすむよう、圧縮上死点付近で複数ある
排気弁5の1つを開弁させる構造と、エンジン性能を高
めるために内燃エンジンに付けられる可変ノズル18付
きVGターボ10の開度を絞り方向に絞り調整する構造
とを組み合わせて、例えばエンジンブレーキを必要とす
る自動車の運転のとき、最小の通路面積19で有効なタ
ーボ過給効果を引き出しながら排気1弁による圧縮吸収
仕事を行い、ターボ過給による吸収馬力の補完で、排気
2弁を開弁させたときと同等以上の吸収馬力が得られる
ようにしたことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮上死点付近で
燃焼室から圧縮ガスを排出させてエンジンブレーキ性能
を増大させるエンジン補助ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多量の貨物を積載するトラック(車両)
などは、積載重量が加わるために、常用ブレーキ装置の
負担が大きい。特に坂道を降坂走行するときなど、ブレ
ーキを用いる頻度が高いときなどでは、常用ブレーキ装
置の負担は著しい。
【0003】このようなときは、エンジンブレーキを用
いるが、かなり車両重量が増加しているために十分なブ
レーキ力が得られないことがある。そこで、トラックに
搭載されるディーゼルエンジン(内燃エンジン)には、
圧縮仕事を吸収してエンジンブレーキを助けるエンジン
補助ブレーキ装置を組み付けることが行われている。
【0004】こうしたエンジン補助ブレーキ装置には、
燃焼室に、吸気弁および排気弁の他に、第3弁として補
助弁を設け、この補助弁を圧縮行程上死点付近(近傍)
で開動作させ、圧縮行程終了近くの高い圧力となった圧
縮空気(ガス)を燃焼室から排気マニホールド(排気
系)へ排出させる圧縮開放式の構造を用いて、図4に示
されるように筒内圧を圧縮行程終了近くの高い圧力P1
から圧力P2 へ急激に低下させて圧縮仕事を吸収させ、
エンジンブレーキの性能を高めるようにしたものがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、トラックに
搭載されるディーゼルエンジンは、小形軽量を保ちなが
ら高出力化が求められている。このため、ディーゼルエ
ンジンでは、シリンダの容量は変えずに、吸気の充填効
率を高めるというエンジン本体の大形化を抑えた手法で
高い出力を得ることが進められている。
【0006】具体的には、例えば吸気弁を2つ、排気弁
を2つにして吸気量を増加させるマルチバルブ化とター
ボチャージャとを組み合わせて、シリンダ容量だけでは
得られない高いエンジン性能を効率よく出力させること
が行われている。
【0007】ところが、こうした高出力なディーゼルエ
ンジンには、上記補助弁を用いた圧縮空気の排出構造は
適さない。その理由には、第1に、マルチバルブ化によ
って燃焼室の大部分が、吸気弁、排気弁で占められてし
まうので、補助弁を設けるスペースが確保できないこ
と、第2に、補助弁の外形を大きくできないので、高出
力化に応じて求められる多量な圧縮空気の排出できない
ことが挙げられる。
【0008】そこで、このような高出力エンジンにおい
て、高い吸収馬力を得ようとするためには、最も大きな
開口面積を確保すべく(多量圧縮空気の排出のため)、
2つの排気弁を圧縮行程上死点付近(近傍)で開弁させ
ることが考えられる。
【0009】ところが、2つの排気弁を開弁させるため
には、過給圧力により、高くなっている圧縮行程上死点
近傍の筒内圧、さらには各排気弁の弁ばねに抗して2つ
の排気弁を開弁しなければならない。
【0010】このため、非常に高い駆動荷重で、バルブ
ブリッジあるいはロッカアームなどを押し下げることが
求められるので、構造上、困難が伴う。またたとえ2つ
の排気弁を圧縮行程上死点付近で開弁させることができ
たとしても、高い駆動荷重にエンジン各部が耐えるよう
にするためには、動弁系の補強、さらにはエンジン全体
の補強が求められるので、エンジン全体の大形化、さら
にはエンジン全体の重量が増加し、小形・軽量化を進め
つつ高出力化したエンジンそのものの特長が損なわれて
しまう難点がある。
【0011】一方、特開平3−253729号公報に
は、排気弁の全て開弁させるのではなく、2つの排気弁
のうちの1弁を圧縮行程上死点付近で開弁させて、エン
ジンブレーキの性能を高める技術が開示されている。
【0012】これは、確かに排気1弁だけを開弁させる
ので、排気弁を圧縮上死点付近で開弁させるのに求めら
れる駆動荷重は少なくてすみ、エンジンが大形化したり
エンジンの重量が増大するのが抑制される。
【0013】しかしながら、圧縮空気が排気される開口
面積は、排気2弁を開弁するときのおよそ半分になるの
で、排気2弁で行われるような多量の圧縮空気を限られ
た行程時間で排気系へ排出させることは難く、排気2弁
を有した高出力エンジンに対応した十分な補助ブレーキ
性能を確保するのが難しい。
【0014】このため、高出力エンジンに適したエンジ
ンブレーキ性能を発揮するエンジン補助ブレーキが要望
されている。本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、小形・軽量化を損なわず
に高出力エンジンから同エンジン性能に応じた高い吸収
馬力を発生させることができるエンジン補助ブレーキ装
置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載したエンジン補助ブレーキ装置は、タ
ーボチャージャによる過給と、駆動荷重が小さくてすむ
排気弁の1つを開弁させる構成、さらにはターボチャー
ジャの制御から、所定の運転、例えばエンジンブレーキ
が必要される運転のときに、2つの排気弁が開弁するの
に匹敵する高い吸収馬力を得られるようにした。
【0016】すなわち、エンジンブレーキが必要とされ
る運転になると、高出力化内燃エンジンは、圧縮開放式
エンジン補助ブレーキによって、複数の排気弁のうちの
1つが圧縮上死点付近で開弁される。
【0017】すると、圧縮行程終了近くの高い圧力の圧
縮空気(ガス)が、排気1弁を通じ、燃焼室から内燃エ
ンジンの排気系へ排出され、ターボチャージャの排気ガ
ス導入口へ至る。
【0018】これにより、筒内圧が急激に低下し、この
ときの圧縮仕事の吸収がブレーキ力となる。一方、過給
動作している排気タービンの排気ガス導入口は、制御手
段からの指令により、可変ノズルの絞り動作により絞ら
れ、排気1弁から排気された小流量の圧縮空気を、絞り
効果で流速を増しながら、排気タービンの翼へ衝突さ
せ、少ない流量を有効活用しながら、排気タービンを高
速回転させる。
【0019】これにより、吸気タービンは、高速で回転
駆動され、内燃エンジンの吸気を過給して、吸気弁を通
じ、高圧の吸気を燃焼室内へ送り込む。すると、内燃エ
ンジンの圧縮行程時、この高圧吸気が抵抗となって、大
きなエンジンブレーキ力を発生させる。と同時に、筒内
圧の初期圧が増大により圧縮上死点付近の筒内圧が高圧
化されるので、圧縮上死点付近から圧縮空気を排気させ
ることによる吸収馬力が大きくなる。
【0020】こうした過給で行われる吸収馬力の補完に
より、排気弁の1つだけを開弁させるという駆動荷重が
少なくてすむ圧縮開放式エンジン補助ブレーキでありな
がら、例えば排気2弁から圧縮空気が排気されたときと
同等以上の吸収馬力が確保されるようになる。請求項2
に記載のエンジン補助ブレーキ装置では、吸気のしやす
さから、より高い吸収馬力が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1および図2に
示す一実施形態にもとづいて説明する。図1は、本発明
を適用した車両、例えばトラック等の自動車(車両)に
搭載された複数気筒(1つしか図示せず)の高出力ディ
ーゼルエンジン(内燃エンジンに相当)の一部分を示
し、図中1は内部にピストン2が嵌挿されたシリンダ、
3はシリンダ1の頭部に設けられたシリンダヘッド、4
は燃焼室である。
【0022】シリンダヘッド3には、各気筒毎に、複
数、例えば図1中に二点鎖線で示す2つの吸気弁3a
と、複数、例えば図1中に実線で示す2つの排気弁5
と、燃料噴射ノズル(図示しない)が設けられている。
つまり、マルチバルブ化してある。吸・排気弁3a,5
は、いずれも例えばバルブブリッジ6、ロッカアーム
7、プッシュロッド(図示しない)を介して、カムシャ
フト(図示しない)に接続されていて、カムシャフトの
吸・排気カム(いずれも図示しない)で設定された開閉
タイミング,リフト量にしたがって開閉動されるように
してある(動弁系で、排気側だけ図示)。
【0023】図中10は、ターボチャージャー、例えば
ハリアブルジオメトリックターボチャージャー(以下、
VGターボという)である。VGターボ10は、シャフ
ト11の両端部に固定されたコンプレッサホイール12
aおよび排気タービンホイール13aと、これらホイー
ル12a,13aを回転自在に収めるコンプレッサハウ
ジング12bおよびタービンハウジング13bとを有し
ている。そして、コンプレッサホイール12aとコンプ
レッサハウジング12bとの組み合わせから吸気コンプ
レッサ12を構成し、排気タービンホイール13aとタ
ービンハウジング13bとの組み合わせから排気タービ
ン13を構成している。
【0024】タービンハウジング13bの排気ガス導入
口13c、排気ガス導出口(図示しない)は、シリンダ
ヘッド3の排気出口14から延びている排気系、例えば
排気マニホールド、排気管などから構成された排気路1
5に介装されていて、排気ガス導入口13cからタービ
ンハウジング13b内へ導入されるガス、すなわち排気
ガスや圧縮空気のエネルギーにより、排気タービンホイ
ール13aを回転させるようにしてある。
【0025】コンプレッサハウジング12bの吸気導入
口(図示しない)、吸気導出口12dは、シリンダヘッ
ド3の吸気入口16から延びている吸気系、例えば吸気
マニホールド、吸気管などから構成された吸気路17に
介装されていて、排気タービンホイール13aによって
回転駆動されるコンプレッサホイール12aにより、エ
アークリーナー(図示しない)から導入される空気を過
給して、吸気弁3aを通じ、燃焼室4内へ押し込めるよ
うにしてある。
【0026】またタービンハウジング13bの排気ガス
導入口13cには、図1中に拡大しして示されるように
可変ノズル18が設けられている。可変ノズル18は、
例えばタービンホイール13aを環状に囲むように所定
の間隔で配設した角度変位可能な複数のノズルベーン1
8aと、これらノズルベーン18aを傾き角を操作する
ノズル駆動アクチュエータ18bとを有して構成され
る。そして、ノズル駆動アクチュエータ19にて、ノズ
ルベーン18をベーン間の間隔が狭くなる方向あるいは
間隔を拡げる方向に駆動することにより、ノズルベーン
18間で形成される可変ノズル18の通路面積19を可
変できるようにしてある。
【0027】一方、ロッカアーム7の上方には、エンジ
ン補助ブレーキ装置を構成する圧縮開放式エンジン補助
ブレーキ20が配設されている。同補助ブレーキ20に
は、例えばピストン2が圧縮上死点の達するとき排気行
程の動きをなす部品、具体的には別気筒の動弁系のロッ
カアーム7aの動きを利用した構造が採用されている。
【0028】ここで、同補助ブレーキ20の構造につい
て説明すれば、図中21は本体ボディである。この本体
ボディ21は、別気筒のロッカアーム7aの上方から、
馬力を吸収しようとする気筒の排気弁5の上方を経て、
ロッカアーム側とは反対に延びている。
【0029】この本体ボディ21には、ロッカアーム7
a側の端部、具体的にはロッカアーム7aを押し上げる
プッシュロッド8aの軸心を延長した線と交わる部分
と、片側の排気弁5の軸心を延長した線と交わる部分と
の2か所に、それぞれスレーブシリンダ22が形成して
ある。各スレーブシリンダ22には、ロッカアーム7a
の端部と当接するスレーブピストン23と、排気1弁
(排気弁5の片側1つ)からバルブブリッジ6を摺動自
在に貫通して上方へ突き出た作動杆5aと当接するスレ
ーブピストン24とが摺動自在に収容してある。
【0030】また本体ボディ20の内部には、ロッカア
ーム7a側のスレーブシリンダ22から、排気弁5側の
スレーブシリンダ22、有底筒形の制御弁25を経て、
ロッカアーム側とは反対のボディ部分に取り付けた電磁
駆動式のマスタピストン26に渡り、油路27が形成さ
れている。そして、マスタピストン26の切換(昇降)
動作によって、油路27をオイルポンプ(図示しない)
に至る油路系統Aと連通させたり、オイルパン(図示し
ない)に至る油路系統Bと連通させるようにしてある。
【0031】制御弁25は、マスタピストン26をオイ
ルパン連通側に切り換えると(、アスタピストン26が
上昇動作)、油路27内の油圧の抜けにより、弁全体が
下降して、スレーブシリンダ側の油路部分27aとオイ
ルパン(図示しない)に至る逃げ孔28との間を連通さ
せるようにしてある。この連通により、ロッカアーム7
aの揺動でスレーブピストン23が押し込まれることに
よる油圧がスレーブピストン24に伝わらず、逃げ孔2
8からオイルパンへ逃げるようにしてある。
【0032】また制御弁25は、マスタピストン26を
オイルポンプ連通側に切り換えると(マスタピストン2
6が下降動作)、加わる油圧により弁全体が押し上げら
れ、内部空間を通じて、油路部分27aとオイルポンプ
との間を連通させるようにしてある。なお、逃げ孔28
は遮断される。さらに制御弁25の内部空間には、マス
タピストン26から油路部分27aへの流通だけを許す
ボール逆止弁29が収容されている。このボール逆止弁
29は、ロッカアーム7aの揺動でスレーブピストン2
3が押し込まれると、加わる油圧で閉じるようになって
いて、スレーブピストン23の押し込み力を、油路部分
27a内の油を介し、スレーブピストン24へ伝えて、
排気弁5を強制的に下降させるようにしている。これに
より、他の気筒のロッカアーム7aの動きを利用して、
馬力を吸収しようとする気筒の排気1弁だけを圧縮上死
点付近で開弁させる構造にしてある。
【0033】他方、ノズル駆動アクチュエータ18bに
つながるECU30(例えばマイクロコンピュータより
構成されるもので、制御手段に相当)には、アクセル開
度信号、過給圧信号、エンジン回転数信号などから検出
される走行状態、エンジン状態から、予め設定されたブ
ースト圧マップにしたがい可変ノズル18の開度を制御
する機能がされていて、走行中、VGターボ10による
過給が適正に行われるようにしてある。
【0034】またECU30には、例えば手元スイッチ
で構成されるエンジンブレーキスイッチ31が接続され
ていて、エンジンブレーキスイッチ31のオンオフ操作
により、圧縮仕事の吸収で制動性能を高めたエンジンブ
レーキを用いるか否かを選択できるようにしてある。
【0035】さらにECU30には、エンジンブレーキ
オンが選択され、さらに例えばアクセル開度が全開(無
負荷状態)でエンジン回転数の上昇を検出したとき、す
なわち自動車がエンジンブレーキを必要とする運転(本
願の所定の運転に相当)が検出されたとき、マスタピス
トン26を下降動作させる機能と、これと共にノズル駆
動アクチュエータ18bを絞り方向に進める機能、具体
的には例えば可変ノズル18の通路面積19を最も最小
に定める機能が設定されていて、エンジンブレーキが必
要とするときには、補助ブレーキで制動力を高めたエン
ジンブレーキが働くようにしてある。
【0036】すなわち、エンジン補助ブレーキの作用に
ついて説明すれば、今、自動車が、ブレーキスイッチ3
1をオフにして走行しているとする。このときには、E
CU30による指令により、エンジン回転数に対応し
て、VGターボ10の可変ノズル18の開度が制御され
るという、VGターボ10を有効に用いてエンジン出力
を高めた運転が行われる。
【0037】ここで、ブレーキスイッチ31をオンにす
る。その後、自動車が例えば坂道の降坂走行に入り、続
いてエンジンブレーキを与えるべくアクセル(図示しな
い)から足を離したとする。
【0038】すると、自動車はアクセル開度が開放状態
のまま、エンジン回転数(あるいは車速)が上昇してい
く。ここで、ターボ過給によりエンジン性能を高めた自
動車は、シリンダ容量が小さいために車体の大きさに対
してエンジンブレーキが弱い。特に積載重量が付加され
るトラックでは著しい。
【0039】このようなとき、ECU30は、上記挙動
から大きなエンジンブレーキが必要である走行状態であ
ると判定して、吸収馬力を用いたブレーキ力が大きなエ
ンジンブレーキを働かせていく。
【0040】具体的には、図1に示されるようにマスタ
ピストン26を下降動作させて、圧縮開放式エンジン補
助ブレーキ20を作動させる。と共にノズル駆動アクチ
ュエータ18bを現在位置から絞り方向に作動させて、
例えば可変ノズル18の通路面積を最小限に調整する。
【0041】すると、圧縮開放式エンジン補助ブレーキ
20は、圧縮吸収仕事を行う気筒の排気1弁をピストン
2が圧縮上死点付近に達するときのタイミングで開弁さ
せていく。
【0042】具体的には、マスタピストン26の切換動
作により、制御弁25の下部にオイルポンプからの油圧
が加わると、図1に示されるように制御弁25の全体を
押し上げ、逃げ孔28を遮断していく。なお、油路部分
27a内は、ボール逆止弁29を通じて導入されるオイ
ルポンプからの油で満たされる。
【0043】マスタピストン26の切換動作後、他の気
筒のロッカアーム7aが、圧縮上死点付近にピストン2
が達するタイミングで上方向に揺動して、スレーブピス
トン23を押し込んだとする。
【0044】すると、ボール逆止弁29は閉動作され、
スレーブピストン23の押し込み力が、密閉化された油
路部分27a内の油を通じて、スレーブピストン24へ
伝達され、スレーブピストン25を下方へ突出させてい
く。
【0045】これにより、排気弁5,5のうちの1つ、
すなわち排気1弁は、作動杆5aと共に強制的に下降さ
れて開弁する。つまり、排気1弁だけが圧縮上死点付近
で開弁される。
【0046】この開弁により、圧縮行程終了近くの高い
圧力の圧縮空気(ガス)は、排気1弁を通じて、燃焼室
4から排気路15へ排出される。この圧縮空気の抜け、
続く膨脹行程なすピストン2の下降動作により、ディゼ
ンルエンジンの回転力に逆らう方向の力が発生し、エン
ジンブレーキを補助、すなわちエンジンブレーキを高め
ていく。
【0047】排気1弁から排気された小流量の圧縮空気
(ガス)は、VGターボ10の可変ノズル18に導かれ
る。このとき、可変ノズル18は、最も狭い通路面積1
9に絞られているから、小流量の圧縮空気を、絞り効果
で流速を増しながら、排気タービンホイール13aの翼
へ衝突させる。
【0048】これにより、排気タービン13は、少流量
の圧縮空気でも、高速に回転する。すると、排気タービ
ンホイール13aと同軸にあるコンプレッサホール12
aは高速で回転駆動され、ディーゼルエンジンの吸気を
過給して、吸気弁3aを通じて、高圧の吸気を燃焼室4
内へ送り込む。
【0049】これにより、高圧吸気が抵抗となって、デ
ィーゼルエンジンの圧縮行程時、大きなエンジンブレー
キ力を発生させる。と同時に、圧縮仕事を吸収しようす
る気筒における筒内圧の初期圧が増大するので、同気筒
の圧縮上死点付近の筒内圧はかなり高圧化され、先の排
気1弁で圧縮上死点付近から圧縮空気を排気させること
による吸収馬力が大きくなる。
【0050】こうした過給で行われる吸収馬力の補完に
より、排気弁5の1つだけを開弁させるという駆動荷重
が少なくてすむ圧縮開放式エンジン補助ブレーキであり
ながら、格段に高い吸収馬力を確保できる。
【0051】実験によれば、本発明の「排気1弁+VG
ターボ」と、例えば他の種類、具体的には従来の「排気
1弁」および「補助弁+VGターボ」と、実現化が困難
な「排気2弁」との計3種類の構造で、吸収馬力の性能
を比較した結果、図2のPV線図で示されるように本発
明の「排気1弁+VGターボ」だと、VGターボによる
過給域K分、圧縮上死点近傍で、他には見られない高い
圧力P1 と高い圧力差Lとが得られ、他の方法では実現
できないような斜線で示す大きな面積の吸収馬力ができ
ることが確認された。つまり、排気2弁から圧縮空気が
排気されたときと同等以上の高い吸収馬力を得ることが
できた。
【0052】またVGターボ10の可変ノズル18は、
エンジンブレーキが必要とされる運転のときには最小に
絞られるので、図3の線図に示されるように「排気1弁
+VGターボ」だと、エンジン回転数が低回転数域から
高回転数域の全体に渡り、他の方法には見られない高性
能エンジンに対応した高い吸収馬力が得ることができ
た。
【0053】しかも、「排気1弁+VGターボ」だと、
排気弁5を圧縮上死点付近で開弁させるのに求められる
駆動荷重が小さくてすむので、動弁系の補強、さらには
エンジン全体の補強が強いられることはない。
【0054】したがって、高出力のディーゼルエンジン
から、同エンジンの特長である小形・軽量化を損なわず
に、エンジン性能に応じた高い吸収馬力を発生させるこ
とができる。特に吸気弁3aが複数(例えば2つ)のエ
ンジンだと、吸気しやすいので、一層、高い吸収馬力が
得られる。
【0055】そのうえ、「排気1弁+VGターボ」は、
VGターボ10が吸収馬力を補完するので、たとえ排気
1弁を開弁するタイミングが組付誤差などにより目標と
する開弁時期からずれるようなばらつきがあったとして
も、同ばらつきにかかわらず高い吸収馬力が確保できる
ので、エンジンに組み付けやすい利点がある。
【0056】なお、一実施形態では、トラックに搭載さ
れるディーゼルエンジンに例に挙げたが、これに限ら
ず、他の車両に搭載されるディーゼルエンジンに本発明
を適用しても、ディーゼルエンジン以外の他の内燃エン
ジンに適用してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、ターボ過給で行われる吸収馬力の補完によ
り、排気弁の1つだけを開弁させるという駆動荷重が少
なくてすむ圧縮開放式エンジン補助ブレーキでありなが
ら、例えば排気2弁から圧縮空気が排気されたときと同
等以上の吸収馬力を確保できる。
【0058】したがって、小形・軽量化を損なわずに高
出力エンジンから同エンジン性能に応じた高い吸収馬力
を発生させることができる。請求項2に記載の発明によ
れば、請求項1に記載の発明の効果に加え、一層、高い
吸収馬力が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の−実施形態のエンジン補助ブレーキ装
置を説明するための図。
【図2】「排気1弁+VGターボ」が高い吸収馬力を発
生することを説明するためのPV線図。
【図3】「排気1弁+VGターボ」が低エンジン回転数
から高エンジン回転数の全域で高い吸収馬力をもたらす
ことを示す線図。
【図4】従来の圧縮上死点付近で補助弁を開弁させたと
きの吸収馬力を示す線図。
【符号の説明】
3a…吸気弁 5…排気弁 10…VGターボ(ターボチャージャー) 12…吸気コンプレッサ 12a…コンプレッサホイール 13…排気タービン 13a…排気タービンホイール 13c…排気ガス導入口 15…排気路(排気系) 18…可変ノズル 18b…ノズル駆動アクチュエータ 19…通路面積 20…圧縮開放式エンジン補助ブレーキ 30…ECU(制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 23/00 F02D 29/02 341 29/02 341 F02B 37/12 301Q

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃エンジンの排気系と燃焼室とを排気
    行程において連通する複数の排気弁のうち、いずれか一
    つの排気弁を前記内燃エンジンが所定運転のときに圧縮
    上死点付近で開弁させる圧縮開放式エンジン補助ブレー
    キと、 前記排気系からのガスが導入される排気ガス導入口を有
    するとともに同排気ガス導入口には通路面積が可変可能
    な可変ノズルを有し、前記可変ノズルを通じて導入され
    るガスにより駆動される排気タービンと、 前記排気タービンに連動して作動し前記内燃エンジンの
    吸気を過給する吸気コンプレッサと、 前記所定運転時に前記可変ノズルの開度を絞り方向に制
    御する制御手段と、 を具備したことを特徴とするエンジン補助ブレーキ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記内燃エンジンは、複数の吸気弁を有
    していることを特徴とする請求項1に記載のエンジン補
    助ブレーキ装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6779971B2 (en) 2000-10-12 2004-08-24 Holset Engineering Company, Limited Turbine
KR100861505B1 (ko) * 2001-08-28 2008-10-02 삼성테크윈 주식회사 터보 압축기
JP2012225237A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Isuzu Motors Ltd 車両のエンジンオイル供給装置
JP2013217231A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Isuzu Motors Ltd 自動変速機の制御システム
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