JPH10265595A - 表面改質ゴムの製造方法 - Google Patents

表面改質ゴムの製造方法

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JPH10265595A
JPH10265595A JP8749197A JP8749197A JPH10265595A JP H10265595 A JPH10265595 A JP H10265595A JP 8749197 A JP8749197 A JP 8749197A JP 8749197 A JP8749197 A JP 8749197A JP H10265595 A JPH10265595 A JP H10265595A
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JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
vinyl acetate
acetate copolymer
parts
methanol
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Pending
Application number
JP8749197A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Katayama
竜雄 片山
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Uchiyama Manufacturing Corp
Original Assignee
Uchiyama Manufacturing Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エラストマーの表面層のみを化学変換して耐
油性、ガスバリヤー性の有する膜を生成せしめることに
より、エラストマーと生成した膜が化学結合で強固に結
びついて一体化した耐油性に優れたゴム材料を安価にし
かも簡便な方法で提供できる。 【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体の加硫成型
物にけん化処理を施し、表面層にエチレン−ビニルアル
コール共重合体膜を生成せしめる。このように、ゴム弾
性体を表面改質することにより耐油性に優れたゴム製品
を、簡便な方法で安価に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面改質ゴムの製
造方法に関する。さらに詳しくは、耐油性を付与するこ
とを目的に表面改質したエチレン−酢酸ビニルエラスト
マーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム、アクリルゴムは代表的な耐油性エラストマ
ーであるが、例えばトルエンが含まれるような極性の大
きい燃料油などに対しては、膨潤度が大きく実用に耐え
ない場合が多い。一方、フッ素ゴム、フロロシリコーン
ゴムは前記のような燃料油に対しては膨潤度が小さく実
用に耐えうるが、材料が非常に高価である。弾性体に耐
油性を付与する方法として、耐油性またはガスバリヤー
性を有する樹脂、例えばテフロン、ナイロン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリビニルアルコールなどを積層、或いは
コーティングする方法が考えられる。しかし、弾性体と
樹脂との接着が弱い、また使用場面において弾性体の屈
曲に樹脂が追従できないなどの原因で界面が剥がれるな
どの不具合が生じる場合がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは鋭意検討
した結果、エラストマーの表面層のみを化学変換して耐
油性、ガスバリヤー性の有する膜を生成せしめることに
より、エラストマーと生成した膜が化学結合で強固に結
びついて一体化した耐油性に優れたゴム材料を安価にし
かも簡便な方法で提供できることを見いだした。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】かくして本発明によれ
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体加硫成型物にけん化
処理を施し、表面層にエチレン−ビニルアルコール共重
合体膜を生成せしめることを特徴とする表面改質ゴムの
製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】エチレン−酢酸ビニル共重合体の
加硫物は、ポリマーに架橋剤を加えて加熱することによ
り作製することができる。具体的には、例えば、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体と架橋剤をオープンロール、ニ
ーダ、バンバリーミキサーなどの通常の混練機によって
混合した後、プレス成型機、射出成型機などで加硫成型
する。
【0006】本発明において用いられるエチレン−酢酸
ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを共重合した
ポリマーである。エチレン−酢酸ビニル共重合体の耐油
性、けん化処理後表面層に生成するエチレン−ビニルア
ルコール共重合体のガスバリヤー性を考慮し、酢酸ビニ
ルのモノマー比は50%以上が望ましい。
【0007】エチレン−酢酸ビニル共重合体の架橋剤と
しては有機過酸化物が一般的であり、例えば、t−ブチ
ルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソピロピ
ル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが挙げられる。
良好なゴム弾性を得るために、これらの使用量は0.2
〜10重量部、好ましくは0.4〜6重量部である。
【0008】加硫物の常態物性、耐圧縮永久歪性などを
改善する目的で、上記架橋剤に加えて共架橋剤を配合す
ることが望ましい。例えば、トリメチロールプロパント
リアリルトリメリテート、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、N,
N’−m−フェニレンジマレイミド、液状ポリブタジエ
ンなどが挙げられる。これらの使用量は、0〜10重量
部、好ましくは0.2〜6重量部である。また、混合に
際しては、通常ゴムに用いられる配合剤を目的に応じて
任意に配合することができる。例えば、加工性、柔軟性
を改良する目的で、滑剤、加工助剤、可塑剤を配合する
ことができる。また、補強剤、充填剤としてカーボンブ
ラック、シリカ、クレー、タルク、珪藻土なども使用で
きる。これらは表面処理をしていてもよい。また、アミ
ン、フェノール化合物に代表される老化防止剤、顔料な
どの着色剤、シランカップリング剤も配合することがで
きる。
【0009】このようにして得られるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の組成物は、例えば、150℃〜200℃
の温度で2分〜30分の条件で加硫成型することができ
る。また、必要に応じて同様の温度で二次加硫を行って
もよい。このようにして作製したエチレン−酢酸ビニル
共重合体の加硫物は良好なゴム弾性を有するが、その化
学構造にエチレン鎖を有するため、耐油性ゴムであるウ
レタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどと
比較して耐油性は劣る。続いて、エチレン−酢酸ビニル
共重合体の加硫成型物に耐油性を付与するために表面改
質を施す。この工程は、あらかじめ調製した処理液に成
型物を浸漬するといった非常に簡単な方法によって達成
できる。
【0010】この表面改質はエチレン−酢酸ビニル共重
合体の加硫成型物の表面層にけん化処理を行うものであ
り、処理液として、通常エステル加水分解に用いられる
アルカリ性溶液、酸性溶液を用いる。例えば、ナトリウ
ムメトキシド/メタノール、水酸化ナトリウム/水/メ
タノール、水酸化カリウム/メタノール、炭酸カリウム
/水/エタノールなどのアルカリ性溶液、硫酸/メタノ
ール、パラトルエンスルホン酸/メタノールなどの酸性
溶液があげられる。具体的には、メタノール100重量
部に対して40%水酸化ナトリウム水溶液3部を加えた
溶液、メタノール100重量部に対して硫酸2部を加え
た溶液が挙げられる。
【0011】表面処理工程の温度及び時間は成型物表面
層のけん化の進行状態を確認しながら選定すればよい
が、例えば、10℃〜90℃の温度で10分〜6時間の
ような条件が挙げられる。けん化の進行状況は、例え
ば、ATR法による赤外分光スペクトルにおいて、その
カルボニル基と水酸基の吸収を追跡することにより把握
できる。これを図1及び図2にて示す。図1は実施例1
における未処理試験片の、図2は実施例1における表面
処理試験片のATR法により測定した赤外分光吸収スペ
クトルである。図1に比べて、図2は1735cm-1のカ
ルボニル基の吸収が相対的に小さくなっている。また、
図1にはみられないが図2には水酸基に由来する339
1cm-1の幅広い吸収がある。試験片の表面層がけん化さ
れているのは明らかである。
【0012】けん化反応後は、アルカリ溶液で処理した
場合は希酸で洗浄後水洗、酸性溶液で処理した場合は希
アルカリ溶液で洗浄後水洗して、乾燥する。また、水洗
を充分行った後乾燥してもよい。このようにして製造さ
れた材料は、内部はエチレン−酢酸ビニル共重合体の3
次元構造をとっているため良好なゴム弾性を有する。表
面改質層はエチレン−ビニルアルコール共重合体の3次
元構造ををとっていて、ガスバリヤー性と耐油性付与す
る。そして、内部のエチレン−酢酸ビニル共重合体と表
面層のエチレン−ビニルアルコール共重合体の界面は化
学結合で強固に結びついているので、その界面が乖離す
ることはない。
【0013】本発明の製造法は加硫成型物を処理液に浸
漬するという簡単な方法を採っているので、複雑な形状
をした製品に対してもこの方法により製造することがで
きる。このようにして製造された材料は、ガソリン、燃
料油などの揮発性、極性のある油剤が使用される箇所の
部品、例えばホースやシール材に有用である。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではない。な
お、部は特に断りのない限り重量基準である。 実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル70%含
有)100部、シリカ20重量部、ステアリン酸1部、
4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルア
ミン1部、トリアリルイソシアヌレート3部、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン1.5部をオープンロールにて混合した後、170℃
で10分間プレス加硫を行い、2mm×15mm×30mmの
試験片を成型した。その後、150℃4時間二次加硫を
行った。なお、JIS K−6301に準じてこの加硫
物の常態物性を測定したところ、硬さ64pts、引張
強度11.8MPa、伸び210%であった。次に、メ
タノール100重量部に対して40%の水酸化ナトリウ
ム水溶液3部を加えた処理液を調製した。この処理液
に、加硫成型した上記試験片を40℃で20分間浸せき
した後、水洗、乾燥して表面処理した試験片を作製し
た。未処理試験片、表面処理した試験片をそれぞれ40
℃に保った燃料油(イソオクタン/トルエン=50%/
50%)の蒸気、及び液中に24時間入れた後、取り出
して体積変化率を測定した。
【表1】
【0015】実施例2 エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル70%含
有)100部、SRFカーボン30部、ステアリン酸1
部、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニ
ルアミン1部、トリアリルイソシアヌレート3部、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キサン1.5部をオープンロールにて混合した後、17
0℃で10分間プレス加硫を行い、2mm ×15mm×3
0mmの試験片を成型した。その後、150℃4時間二次
加硫を行った。なお、JIS K−6301に準じてこ
の加硫物の常態物性を測定したところ、硬さ58pt
s、引張強度12.0MPa、伸び220%であった。
次に、メタノール100重量部に対して40%の水酸化
ナトリウム水溶液3部を加えた処理液を調製した。この
処理液に加硫成型した上記試験片を室温下90分浸せき
した後、水洗、乾燥して表面処理した試験片を作製し
た。未処理試験片、表面処理試験片をそれぞれ40℃に
保った燃料油(イソオクタン/トルエン=50%/50
%)の蒸気、及び液中に24時間入れた後、取り出して
体積変化率を測定した。
【表2】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム弾性体を表面改質
することにより耐油性に優れたゴム製品を、簡便な方法
で安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1における未処理試験片の、AT
R法により測定した赤外分光吸収スペクトルである。
【図2】図2は実施例1における表面処理試験片のAT
R法により測定した赤外分光吸収スペクトルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体の加硫成
    型物にけん化処理を施し、表面層にエチレン−ビニルア
    ルコール共重合体膜を生成せしめることを特徴とする表
    面改質ゴムの製造方法。
JP8749197A 1997-03-24 1997-03-24 表面改質ゴムの製造方法 Pending JPH10265595A (ja)

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JP8749197A JPH10265595A (ja) 1997-03-24 1997-03-24 表面改質ゴムの製造方法

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JPH10265595A true JPH10265595A (ja) 1998-10-06

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JP (1) JPH10265595A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195906A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Tokai Rubber Ind Ltd オイルホース

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