JPH10264875A - 後二輪自転車 - Google Patents

後二輪自転車

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JPH10264875A
JPH10264875A JP9068740A JP6874097A JPH10264875A JP H10264875 A JPH10264875 A JP H10264875A JP 9068740 A JP9068740 A JP 9068740A JP 6874097 A JP6874097 A JP 6874097A JP H10264875 A JPH10264875 A JP H10264875A
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JP
Japan
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seat
wheel
wheels
bicycle
crank pedal
Prior art date
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Pending
Application number
JP9068740A
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English (en)
Inventor
Shinobu Tsutsumigoshi
忍 堤腰
Kohei Tomita
耕平 冨田
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
Hisao Nagai
久雄 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型軽量化を図ると共に、小回りの利く取り回
しのよい後二輪自転車を提供するにある。 【解決手段】駆動クランク20の端部に軸支されたクラ
ンクペダル18を人力で漕いで左右一対の後輪10を駆
動すると共に、後方に向かって傾斜した背凭れ13を備
えた座席14を有する後二輪自転車1において、上記ク
ランクペダル18がその公転軌跡Tの最大プロフィール
上で最も上記座席14に接近した位置で、上記クランク
ペダル18と上記座席14の最前端部との距離d2を1
00mm〜150mmに設定すると共に、上記座席14の座
面15を上記クランクペダル18の上死点Pとほぼ同一
の高さに設定したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は後二輪自転車に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自転車といえば車輪を前後に一
輪づつ配置したものが連想されるが、車体の前に車輪を
二輪配置したものや、車体の後ろに車輪を二輪配置した
三・四輪自転車もある。
【0003】車体の前に車輪を二輪配置した自転車の例
としては例えば実公昭57−58060号公報に示され
たものや、ベースボール・マガジン社発行「自転車の歴
史」の130、131頁に記載された『レイトラ』等が
あり、また、車体の後ろに車輪を二輪配置した自転車の
例としては例えば上記「自転車の歴史」の121頁に記
載された『イージー・マスカー』等がある。なお、前後
にそれぞれ二輪づつ配置した四輪自転車も実在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実公昭
57−58060号公報に示す前二輪自転車はそのクラ
ンクペダルの公転軌跡の最大プロフィールと座席先端と
の間隔が駆動クランクの半径以上あるため、ホイールベ
ースを短くするためには必然的にその座席高がクランク
ペダル軸より高くなってしまう。座席高が高くなってし
まった結果、運転者は停車時に立姿勢に近くなり、不安
定である。逆に、座席高を低くすれば停車時の姿勢が安
定するが、ホイールベースが長くなってしまい自転車の
小回りが利かなくなる。
【0005】また、この前二輪自転車は運転時に靴の踵
が座席の前端に当たらないよう、座席の形状を先細りに
しているため、座り心地がよくない。さらに、車体の前
に車輪を二輪配置すると道路の凹凸を左右の車輪が別々
に捕らえるため、ハンドルがとられやすく、また、高い
重心位置とあいまって安定した状態での高速走行が困難
である。
【0006】さらに、『レイトラ』は座席位置が低いも
のの、クランクペダルが前輪の前方に位置するので、停
車時の運転者の足付き性が悪い。また、車体の前に車輪
が二輪配置されているので上記自転車同様、ハンドルが
取られやすい。
【0007】一方、『イージー・マスカー』は座席に背
凭れが着いているが、その凭れ角度が大きいため、運転
者は半ば仰向け状態で運転しなければならない。その結
果、クランクペダルと座席の先端との距離が開き、ホイ
ールベースが長くなって自転車の小回りが利かなくなる
と共に、重量増を招く。また、仰向け状態で運転する場
合、運転者は顎を引いた姿勢になりやすく、首が疲れて
しまう。
【0008】また、背凭れの上端が完全に後輪軸中心よ
り後方にあるため、運転者乗車時の自転車の重心が後方
に偏り、急な上り坂では前輪が浮き上がるなど操縦が困
難になる。さらに、このように自転車の重心が後輪側に
あり、前輪の分担荷重が少ない自転車では後二輪の内の
片方のみを駆動輪とすると自転車の発進時に前輪が駆動
輪の反対側に振れやすく、操縦性が劣る。そして、座席
の後部に荷物を載せるとさらに重心が後方に偏り、好ま
しくない。
【0009】さらにまた、自転車の重心が後輪側にあ
り、運転者が仰向け状態で運転する場合、操舵ハンドル
の位置はあまり前側にできないため、フロントフォーク
のキャスター角が大きくなってトレールも拡大し、コー
ナリング性能の良くないハンドリングとなってしまう。
【0010】また、この後二輪自転車は左右の後輪の上
部がフェンダで覆われており、フェンダの高さは座席高
より高く設定されているが、座席の上面の各車輪の内側
はフェンダで覆われておらず、運転者の衣服に車輪が跳
ね上げる泥が着いたり、衣服が車輪に巻き込まれるとい
った不具合が生じる。
【0011】さらに、自転車のコーナリング時、運転者
の身体が遠心力で座席上を滑るときがあるが、上記自転
車のフェンダはその上面の高さが座席の上方に充分高く
なく、運転者の身体、例えば腰を支えきれない。
【0012】ところで、車椅子にはその両側の車輪の外
側に駆動輪を設けたものがある。このような車椅子は、
車輪の幅の感覚がつかみやすいので、狭い所を通っても
車軸端がものに当たることは少ないが、前輪をハンドル
で操舵する前一輪・後二輪車では、後ろ二輪の幅の感覚
がつかみにくいので、一般に後輪軸の幅とハンドル幅と
をほぼ等しくして感覚をつかみやすくしている。
【0013】しかしながら、後二輪が互いに平行に配置
された場合、車軸の幅より後二輪の車輪の接地幅の方が
狭いので、車輪が通過できても車軸端がものに当たって
しまうといった不具合が生じる。
【0014】また、我が国で自転車と認められる最大幅
は600mmであるため、この最大幅内に車軸の幅を収め
ると車輪の接地幅が例えば500mmぐらいになってしま
い、認められている最大幅を有効に使えず、コーナリン
グ時の安定性を低下させている。
【0015】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、小型軽量化を図ると共に、小回りの利く取り回
しのよい後二輪自転車を提供することを第一の目的とす
る。
【0016】この発明の第二の目的は、自転車停車時の
足付き性の向上を図った後二輪自転車を提供するにあ
る。
【0017】この発明の第三の目的は、走行安定性の向
上を図った後二輪自転車を提供するにある。
【0018】この発明の第四の目的は、衣服が汚れたり
後輪に巻き込まれるのを防止した後二輪自転車を提供す
るにある。
【0019】この発明の第五の目的は、車輪の幅の感覚
がつかみやすく、狭い所を通っても車軸端がものに当た
ることのない後二輪自転車を提供するにある。
【0020】この発明の第六の目的は、操縦安定性の向
上を図った後二輪自転車を提供するにある。
【0021】この発明の第七の目的は、座席の後方に荷
物を搭載可能な後二輪自転車を提供するにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係る後二輪自転
車は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載
したように、駆動クランクの端部に軸支されたクランク
ペダルを人力で漕いで左右一対の後輪を駆動すると共
に、後方に向かって傾斜した背凭れを備えた座席を有す
る後二輪自転車において、上記クランクペダルがその公
転軌跡の最大プロフィール上で最も上記座席に接近した
位置で、上記クランクペダルと上記座席の最前端部との
距離を100mm〜150mmに設定すると共に、上記座席
の座面を上記クランクペダルの上死点とほぼ同一の高さ
に設定したものである。
【0023】また、上述した課題を解決するために、請
求項2に記載したように、上記後輪はその上部がそれぞ
れリヤフェンダによって覆われると共に、上記座席の下
部には底板が配置され、この底板を上記リヤフェンダと
一体に形成する一方、上記座席を上記左右の後輪の間に
配置し、この座席の座面高さを上記リヤフェンダの上端
より低く設定すると共に、上記左右の後輪の内側を少な
くとも座面の高さまで上記リヤフェンダで覆ったもので
ある。
【0024】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項3に記載したように、上記左右の後輪をそれらの
接地幅が車軸の最大幅とほぼ同一になるようハの字状に
配置したものである。
【0025】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、請求項4に記載したように、上記座席の位置を運転
者が着座して背凭れに背中を付けた状態で運転者を含め
た自転車全体の重心と上記後輪の車軸中心とを結ぶ線が
上記後輪の車軸中心から上方に垂直に延びる線に対して
前側に20°〜30°の範囲にくるように設定したもの
である。
【0026】そして、上述した課題を解決するために、
請求項5に記載したように、上記座席の座面を略水平ま
たは若干の前下がりに設定したものである。
【0027】また、上述した課題を解決するために、請
求項6に記載したように、上記座席下部の底板を後方に
向かって延長し、この延長部分に荷台を形成すると共
に、この荷台に開閉自在のカバーを設け、その内部に物
品収納室を設けたものである。
【0028】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項7に記載したように、一輪の前輪と、クランクペ
ダルを人力で漕いで駆動される左右一対の後輪とを有
し、バー状の操舵ハンドルで上記前輪を操舵すると共
に、後方に向かって傾斜した背凭れを備えた座席を有す
る後二輪自転車において、上記座席を上記左右の後輪の
間に配置し、この座席の座面高さを上記後輪の高さより
低く設定する一方、上記後輪の直径を上記前輪の直径よ
り小さく設定すると共に、上記操舵ハンドルの左右のグ
リップ部間の距離を上記左右の後輪の接地幅とほぼ等し
いか若干広く設定し、上記操舵ハンドルのグリップ部が
上記前輪と後輪とのほぼ中間にくるように配置する一
方、上記クランクペダルをその公転軌跡が上記前輪と後
輪とのほぼ中間になるように配置したものである。
【0029】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、請求項8に記載したように、人力で漕ぐ上記クラン
クペダルにその人力をアシストする協力機構を設け、こ
の協力機構を車体の中央下部に搭載する一方、この協力
機構は制御用のコントローラと駆動用のバッテリを有
し、上記左右の後輪間に上記バッテリを配置し、このバ
ッテリと上記協力機構間に上記コントローラを配置する
と共に、これらの協力機構、コントローラ、そしてバッ
テリを前後方向に一列に、且つ、ほぼ同じ高さに配置し
たものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0031】図1は、本発明を適用した後二輪自転車の
側面図であり、図2はその平面図、そして、図3はその
後面図である。
【0032】図1〜図3に示すように、この自転車1は
例えば鋼管材を組み合わせて形成した車体フレーム2を
有する。車体フレーム2の前端にはヘッドパイプ3が設
けられ、このヘッドパイプ3にステアリング機構4が設
けられる。ステアリング機構4は、一輪の前輪5を回動
自在に支持するフロントフォーク6や、バー状の操舵ハ
ンドル7等から構成され、操舵ハンドル7により前輪5
が左右に回動自在に操舵される。
【0033】一方、車体フレーム2の後端には車軸保持
部8が配置され、この車軸保持部8から左右に延びる車
軸9の外端部に左右一対の後輪10が軸支される。後輪
10の直径D1は、図1に示すように、前輪5の直径D
2より小さく設定される。また、左右の後輪10は、例
えばその上半分がそれぞれリヤフェンダ11によって覆
われる。
【0034】また、図3に示すように、左右の後輪10
はそれらの接地幅W1が車軸9の最大幅W2とほぼ同一
になるよう、ハの字状に配置される。さらに、前記操舵
ハンドル7のグリップ部12間の距離d1も、図2に示
すように、左右の後輪10の接地幅W1とほぼ等しいか
若干広く設定される。
【0035】車軸保持部8の上面で、左右の後輪10の
間には後方に向かって傾斜した背凭れ13を備えた座席
14が設けられる。この座席14の座面15は略水平ま
たは若干の前下がりに設定される。そして、座席14の
位置は、図1に示すように、運転者16が着座して背凭
れ13に背中を付けた状態で運転者16を含めた自転車
1全体の重心Gと後輪10の車軸9中心とを結ぶ線L1
が後輪10の車軸9中心から上方に垂直に延びる線L2
に対して前側に20°〜30°の範囲にくるように設定
される。
【0036】図4は、図1のIV−IV線に沿う断面図
である。また、図5は座席14を斜め後方から眺めた斜
視図である。図4および図5に示すように、座席14の
下部には底板17が配置され、この底板17は左右のリ
ヤフェンダ11と一体に形成される。また、座席14の
座面高さHはリヤフェンダ11の上端より低く設定され
ると共に、左右の後輪10の内側は少なくとも座面高さ
Hまでリヤフェンダ11で覆われる。
【0037】ところで、自転車1は通常運転者16の踏
力(人力)でクランクペダル18を漕いで(ペダリン
グ)後輪10を駆動するものであるが、本実施形態に示
す後二輪自転車1は車体フレーム2の中央下部にこの運
転者16の踏力をアシストする協力機構19が設けられ
る。そして、この協力機構19の左右に一対の駆動クラ
ンク20が設けられ、これらの駆動クランク20の自由
端部にクランクペダル18が回動自在に軸支される。
【0038】駆動クランク20は、図2に示すように、
車軸保持部8に設けられたアイドルシャフト21に例え
ばチェーン22で作動連結される。アイドルシャフト2
1は車軸保持部8内を貫通して左右に突出し、両端部に
ドライブギヤ23を備える。一方、後輪10の各車軸9
にはドリブンギヤ24が設けられ、これらのドリブンギ
ヤ24とアイドルシャフト21のドライブギヤ23とが
チェーン25で作動連結される。
【0039】座席14は、図1に示すように、座席14
の座面高さHがクランクペダル18の上死点Pとほぼ同
一の高さになるように配置される。また、座席14はク
ランクペダル18がその公転軌跡Tの最大プロフィール
上で最も座席14に接近した位置で、クランクペダル1
8と座席14の最前端部との距離d2が100mm〜15
0mmになるように配置される。
【0040】そして、協力機構19はクランクペダル1
8の公転軌跡Tが前輪5と後輪10とのほぼ中間Cにな
るように配置されると共に、前記操舵ハンドル7もその
グリップ部12が前輪5と後輪10とのほぼ中間Cにく
るように配置される。
【0041】協力機構19後方の車体フレーム2中央部
にはこの協力機構19制御用のコントローラ26が配置
される。また、左右の後輪10間の座席14下部にはこ
の協力機構19駆動用のバッテリ27が配置される。こ
れらの協力機構19、コントローラ26、そしてバッテ
リ27は前後方向に一列に、且つ、ほぼ同じ高さに配置
される。
【0042】図6は、本発明の第二実施形態を示す車体
後部の左側面図であり、図7は、それを斜め後方から眺
めた斜視図である。
【0043】第二実施形態に示す後二輪自転車1′は、
図6および図7に示すように、座席14′下部の左右の
リヤフェンダ11′と一体化された底板17′が後方に
向かって延長され、この延長部分に荷台28が形成され
る。
【0044】図8は、本発明の第三実施形態を示す車体
後部の左側面図であり、図9は、それを斜め後方から眺
めた斜視図である。
【0045】第三実施形態に示す後二輪自転車1″は、
図8および図9に示すように、第二実施形態に示す荷台
28に開閉自在のカバー29を設け、その内部に物品収
納室30を設けたものである。この実施形態においては
このカバー29はその上端部が背凭れ13″の上端にヒ
ンジ31で軸支され、上方に向かって開かれるように構
成される。また、カバー29にはロック機構32も設け
られる。
【0046】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
【0047】運転者16がクランクペダル18に足を載
せた時のクランクペダル18の公転軌跡Tの最大プロフ
ィールから靴の後端までの距離は通常60mm〜90mmの
範囲に収まるので、クランクペダル18と座席14の最
前端部との距離d2を100mm〜150mmに設定すれば
ペダリング中の運転者16の靴が座席14に当たらな
い。その結果、クランクペダル18と座席14との間隔
を最短にでき、ホイールベースを短くできる。そして、
ホイールベースが短くできることにより自転車1が小型
軽量化できると共に、小回りの利く取り回しのよい自転
車1となる。また、座席14の形状を先細りにしなくて
もよいので、座り心地がよい。
【0048】ところで、クランクペダル18の下死点と
地面とのクリアランスは最低90mm〜100mm位が必要
とされている。また、駆動クランク20は一般にそのク
ランク半径が152mmまたは165mmのものが用いられ
ている。さらに、クランクペダル18の厚みは30mm位
が一般的である。ここで、クランクペダル18の上死点
Pと地面との距離を求めると、その値は424mm〜46
0mmとなる。
【0049】一方、運転者16が普通に着座した状態で
の膝下寸法は400mm〜450mmである。そこで、座席
14の座面15をクランクペダル18の上死点とほぼ同
一の高さになるように配置すれば自転車1停車時の足付
き性が向上する。
【0050】また、座席14の座面15を略水平または
若干の前下がりに設定することにより運転者16の大腿
部裏側が座面15に強く当たらないので、自転車1停車
時の足付き性がさらに向上すると共に、ペダリングも容
易になる。
【0051】他方、座席14を左右の後輪10の間に設
け、座席14の座面高さHをリヤフェンダ11の上端よ
り低くすることにより、自転車1のコーナリング時に遠
心力で座席14上を滑る運転者16の身体をリヤフェン
ダ11の内側が支えるので、コーナリング時の走行安定
性が向上する。
【0052】また、左右の後輪10の内側を少なくとも
座面15の高さまでリヤフェンダ11で覆うことによ
り、運転者16の衣服に車輪が跳ね上げる泥が着いた
り、衣服が車輪に巻き込まれるといった不具合が生じな
い。
【0053】さらに、左右の後輪10をそれらの接地幅
W1が車軸9の最大幅W2とほぼ同一になるよう、ハの
字状に配置することにより、車輪が通過できる狭い所で
は車軸9端も通過できる。また、自転車1と認められる
最大幅内に後輪10の接地部分を配置できるので、直進
時およびコーナリング時における安定性が向上する。さ
らに、後輪10の接地部分が磨耗しても、左右の後輪1
0をそれぞれ反対側に付け替えれば接地部分も逆になる
ので、後輪10の寿命が延びる。さらにまた、操舵ハン
ドル7の左右間の距離d1も左右の後輪10の接地幅W
1とほぼ等しいか若干広く設定すれば、狭い所を通ると
きに後輪10の幅の感覚がつかみやすい。
【0054】ところで、一般公道の坂道は8°以下の勾
配に設定され、私道においてもその勾配はせいぜい15
°程度である。このような上り坂で重心が後方に偏った
自転車1を運転すると前輪5の分担荷重が少ないため、
自転車1の前部が浮き上がるなど、操縦性に困難をもた
らすが、本発明においては運転者16が着座して背凭れ
13に背中を付けた状態で運転者16を含めた自転車1
全体の重心Gと後輪10の車軸9中心とを結ぶ線L1が
後輪10の車軸9中心から上方に垂直に延びる線L2に
対して前側にくるように設定することにより上述した問
題点が解決する。また、上り坂の勾配は大きくても15
°程度であり、また坂の途中で発進加速することを考え
たうえで、多少の余裕を考慮しても上記重心Gの位置を
後輪10の車軸9中心から上方に垂直に延びる線L2に
対して前側に20°〜30°の範囲に収まるようにすれ
ば上記効果を充分に発揮できる。
【0055】さらに、重心Gを前寄りにすることにより
ホイールベースが短くでき、自転車1が小型軽量化でき
ると共に、小回りの利く取り回しのよい自転車1とな
る。また、ホイールベースが短くできることにより前輪
5の分担荷重が増え、また、フロントフォーク6のトレ
ールも小さくできるので、コーナリング性能のよいハン
ドリングを得ることができる。
【0056】さらにまた、重心Gを前寄りにすることに
より、座席14の後方にある程度の重さまでの荷物を搭
載可能となる。このとき、左右のリヤフェンダ11と一
体化された座席14下部の底板17を後方に向かって延
長し、この延長部分に荷台28を形成すれば、コストや
重量の増加が少なくて済む。また、この荷台28に開閉
自在のカバー29を設け、その内部に物品収納室30を
設ければ荷台28の利用範囲がさらに広がる。
【0057】そして、重量のかさむ協力機構19、コン
トローラ26、そしてバッテリ27を前後方向に一列
に、且つ、ほぼ同じ高さに配置することによりマスが集
中して良好な走行安定性および操縦安定性が得られる。
【0058】そしてまた、協力機構19をクランクペダ
ル18の公転軌跡Tが前輪5と後輪10とのほぼ中間C
になるように、また操舵ハンドル7のグリップ部12も
前輪5と後輪10とのほぼ中間Cにくるように配置する
ことにより前輪5側にに適度な荷重がかかり、操縦安定
性が向上する。
【0059】なお、上述した実施形態においては前輪5
が一輪のものについて説明したが、前輪5も後輪10同
様二輪とした四輪自転車1でもよい。また、協力機構1
9は必ずしも具備していなくてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る後二
輪自転車によれば、駆動クランクの端部に軸支されたク
ランクペダルを人力で漕いで左右一対の後輪を駆動する
と共に、後方に向かって傾斜した背凭れを備えた座席を
有する後二輪自転車において、上記クランクペダルがそ
の公転軌跡の最大プロフィール上で最も上記座席に接近
した位置で、上記クランクペダルと上記座席の最前端部
との距離を100mm〜150mmに設定すると共に、上記
座席の座面を上記クランクペダルの上死点とほぼ同一の
高さに設定したため、ホイールベースが短くでき、自転
車が小型軽量化できると共に、小回りの利く取り回しの
よい自転車となる。
【0061】また、上記後輪はその上部がそれぞれリヤ
フェンダによって覆われると共に、上記座席の下部には
底板が配置され、この底板を上記リヤフェンダと一体に
形成する一方、上記座席を上記左右の後輪の間に配置
し、この座席の座面高さを上記リヤフェンダの上端より
低く設定すると共に、上記左右の後輪の内側を少なくと
も座面の高さまで上記リヤフェンダで覆ったため、自転
車停車時の足付き性が向上すると共に、衣服が汚れたり
後輪に巻き込まれるのが防止され、さらに、コーナリン
グ時の走行安定性も向上する。
【0062】さらに、上記左右の後輪をそれらの接地幅
が車軸の最大幅とほぼ同一になるようハの字状に配置し
たため、狭い所でも安心して走行できると共に、走行安
定性も向上する。
【0063】さらにまた、上記座席の位置を運転者が着
座して背凭れに背中を付けた状態で運転者を含めた自転
車全体の重心と上記後輪の車軸中心とを結ぶ線が上記後
輪の車軸中心から上方に垂直に延びる線に対して前側に
20°〜30°の範囲にくるように設定したため、上り
坂でも安定して走行できると共に、ホイールベースが短
くでき、自転車が小型軽量化できると共に、小回りの利
く取り回しのよい自転車となる。
【0064】そして、上記座席の座面を略水平または若
干の前下がりに設定したため、自転車停車時の足付き性
が向上すると共に、ペダリングも容易になる。
【0065】また、上記座席下部の底板を後方に向かっ
て延長し、この延長部分に荷台を形成すると共に、この
荷台に開閉自在のカバーを設け、その内部に物品収納室
を設けたため、コストや重量の少ない増加で座席の後方
に荷物の搭載場所が確保できる。
【0066】さらに、一輪の前輪と、クランクペダルを
人力で漕いで駆動される左右一対の後輪とを有し、バー
状の操舵ハンドルで上記前輪を操舵すると共に、後方に
向かって傾斜した背凭れを備えた座席を有する後二輪自
転車において、上記座席を上記左右の後輪の間に配置
し、この座席の座面高さを上記後輪の高さより低く設定
する一方、上記後輪の直径を上記前輪の直径より小さく
設定すると共に、上記操舵ハンドルの左右のグリップ部
間の距離を上記左右の後輪の接地幅とほぼ等しいか若干
広く設定し、上記操舵ハンドルのグリップ部が上記前輪
と後輪とのほぼ中間にくるように配置する一方、上記ク
ランクペダルをその公転軌跡が上記前輪と後輪とのほぼ
中間になるように配置したため、操縦安定性が向上す
る。
【0067】さらにまた、人力で漕ぐ上記クランクペダ
ルにその人力をアシストする協力機構を設け、この協力
機構を車体の中央下部に搭載する一方、この協力機構は
制御用のコントローラと駆動用のバッテリを有し、上記
左右の後輪間に上記バッテリを配置し、このバッテリと
上記協力機構間に上記コントローラを配置すると共に、
これらの協力機構、コントローラ、そしてバッテリを前
後方向に一列に、且つ、ほぼ同じ高さに配置したため、
マスが集中して良好な走行安定性および操縦安定性を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る後二輪自転車の一実施形態を示す
後二輪自転車の側面図。
【図2】後二輪自転車の平面図。
【図3】後二輪自転車の後面図。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】座席を斜め後方から眺めた斜視図。
【図6】本発明の第二実施形態を示す車体後部の左側面
図。
【図7】図6を斜め後方から眺めた斜視図。
【図8】本発明の第三実施形態を示す車体後部の左側面
図。
【図9】図8を斜め後方から眺めた斜視図図。
【符号の説明】
1 後二輪自転車 2 車体フレーム 5 前輪 7 操舵ハンドル 9 車軸 10 後輪 11 リヤフェンダ 12 グリップ部 13 背凭れ 14 座席 15 座面 16 運転者 17 底板 18 クランクペダル 19 協力機構 20 駆動クランク 26 コントローラ 27 バッテリ 28 荷台 29 カバー 30 物品収納室 C 前輪と後輪との中間 D1 後輪の直径 D2 前輪の直径 d1 グリップ部間の距離 d2 クランクペダルと座席の最前端部との距離 G 自転車全体の重心 H 座席の座面高さ L1 自転車全体の重心と後輪の車軸中心とを結ぶ線 L2 後輪の車軸中心から上方に垂直に延びる線 P クランクペダルの上死点 T クランクペダルの公転軌跡 W1 後輪の接地幅 W2 車軸の最大幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 久雄 静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式 会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動クランクの端部に軸支されたクラン
    クペダルを人力で漕いで左右一対の後輪を駆動すると共
    に、後方に向かって傾斜した背凭れを備えた座席を有す
    る後二輪自転車において、上記クランクペダル18がそ
    の公転軌跡Tの最大プロフィール上で最も上記座席14
    に接近した位置で、上記クランクペダル18と上記座席
    14の最前端部との距離d2を100mm〜150mmに設
    定すると共に、上記座席14の座面15を上記クランク
    ペダル18の上死点Pとほぼ同一の高さに設定したこと
    を特徴とする後二輪自転車。
  2. 【請求項2】 上記後輪10はその上部がそれぞれリヤ
    フェンダ11によって覆われると共に、上記座席14の
    下部には底板17が配置され、この底板17を上記リヤ
    フェンダ11と一体に形成する一方、上記座席14を上
    記左右の後輪10の間に配置し、この座席14の座面高
    さHを上記リヤフェンダ11の上端より低く設定すると
    共に、上記左右の後輪10の内側を少なくとも座面15
    の高さまで上記リヤフェンダ11で覆った請求項1記載
    の後二輪自転車。
  3. 【請求項3】 上記左右の後輪10をそれらの接地幅W
    1が車軸9の最大幅W2とほぼ同一になるようハの字状
    に配置した請求項1または2記載の後二輪自転車。
  4. 【請求項4】 上記座席14の位置を、運転者16が着
    座して背凭れ13に背中を付けた状態で運転者16を含
    めた自転車1全体の重心Gと上記後輪10の車軸9中心
    とを結ぶ線L1が上記後輪10の車軸9中心から上方に
    垂直に延びる線L2に対して前側に20°〜30°の範
    囲にくるように設定した請求項1、2、または3記載の
    後二輪自転車。
  5. 【請求項5】 上記座席14の座面15を略水平または
    若干の前下がりに設定した請求項1、2、3、または4
    記載の後二輪自転車。
  6. 【請求項6】 上記座席14下部の底板17を後方に向
    かって延長し、この延長部分に荷台28を形成すると共
    に、この荷台28に開閉自在のカバー29を設け、その
    内部に物品収納室30を設けた請求項1、2、3、4ま
    たは5記載の後二輪自転車。
  7. 【請求項7】 一輪の前輪と、クランクペダルを人力で
    漕いで駆動される左右一対の後輪とを有し、バー状の操
    舵ハンドルで上記前輪を操舵すると共に、後方に向かっ
    て傾斜した背凭れを備えた座席を有する後二輪自転車に
    おいて、上記座席14を上記左右の後輪10の間に配置
    し、この座席14の座面高さHを上記後輪10の高さよ
    り低く設定する一方、上記後輪10の直径D1を上記前
    輪5の直径D2より小さく設定すると共に、上記操舵ハ
    ンドル7の左右のグリップ部12間の距離d1を上記左
    右の後輪10の接地幅W1とほぼ等しいか若干広く設定
    し、上記操舵ハンドル7のグリップ部12が上記前輪5
    と後輪10とのほぼ中間Cにくるように配置する一方、
    上記クランクペダル18をその公転軌跡Tが上記前輪5
    と後輪10とのほぼ中間Cになるように配置したことを
    特徴とする後二輪自転車。
  8. 【請求項8】 人力で漕ぐ上記クランクペダル18にそ
    の人力をアシストする協力機構19を設け、この協力機
    構19を車体の中央下部に搭載する一方、この協力機構
    19は制御用のコントローラ26と駆動用のバッテリ2
    7を有し、上記左右の後輪10間に上記バッテリ27を
    配置し、このバッテリ27と上記協力機構19間に上記
    コントローラ26を配置すると共に、これらの協力機構
    19、コントローラ26、そしてバッテリ27を前後方
    向に一列に、且つ、ほぼ同じ高さに配置した請求項7記
    載の後二輪自転車。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005297642A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Shirouma Science Co Ltd 体力増進機能を持つ電動アシスト自転車
JP2005297641A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Shirouma Science Co Ltd 三輪型電動アシスト自転車
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JP2019167099A (ja) * 2010-01-08 2019-10-03 アンドリュー ゲール、デイビッド 車両

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