JPH10264290A - 医薬品用包装材 - Google Patents

医薬品用包装材

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JPH10264290A
JPH10264290A JP7683897A JP7683897A JPH10264290A JP H10264290 A JPH10264290 A JP H10264290A JP 7683897 A JP7683897 A JP 7683897A JP 7683897 A JP7683897 A JP 7683897A JP H10264290 A JPH10264290 A JP H10264290A
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JP
Japan
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ring
film
sheet
olefinic polymer
packaging material
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JP7683897A
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English (en)
Inventor
Osami Shinonome
修身 東雲
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】本発明は収容医薬品の変質防止用バリアー包装
材におけるガスバリアー性、透明性に優れた医療用包装
材を提供する。 【解決手段】環状オレフィンポリマーを層成分として含
むフィルムまたはシートであって、該層の片面または両
面が酸化アルミニウムでコートされている医薬品包装
材。また環状オレフィンポリマーがテトラシクロドデセ
ン環を含有するポリマーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、主にアミノ酸や抗生物
質などの、酸素ガス、炭酸ガスなどに不安定な医薬品を
収納するための医薬品用包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品の中には例えばアミノ酸や抗生物
質の如く、酸素ガス、炭酸ガスなどとの接触によって変
質するものがある。一方、これらを収容・保存する容器
の材質としては、軽量性、耐衝撃性、取扱いの容易さな
どの点から、一般には軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニルコポリマーおよびポリプロピ
レンをはじめとする、柔軟性や透明性にすぐれた軟質プ
ラスチックが望まれる場合が多いが、これらのポリマー
は酸素ガス、炭酸ガスなどに対するバリアー性が十分で
ないので、何らかの対策が必要である。従来から行われ
あるいは試みられている対策としては、医薬品収容容
器をさらにガスバリアー性を持つ外包材(フィルム、シ
ート、ブリスターなど)で包む、さらにの効果を上
げるために医薬品収容容器と外包材との間に還元性鉄化
合物のような脱酸素剤を存在させる、医薬品収容容器
自身にガスバリアー性を持たせる、などがある。と
は最も一般的に実用化されているが、製造工程の複雑
化、廃棄物量の増加などの問題は避けられず、のよう
な簡易タイプのものが要望されている。
【0003】また、〜で用いられるバリアー性素材
としては、(イ)塩化ビニリデン系ポリマー、(ロ)アクリロ
ニトリル系ポリマー、(ハ)エチレンビニルアルコールコポ
リマー、(ニ)ポリメタキシリレンアジパミドなどのいわゆ
るバリアー性ポリマーからなるフィルムまたはシートの
他、(ホ)ポリエチレンテレフタレートを基材とし、シリカ
(酸化ケイ素)や酸化アルミニウムの如きセラミックス
をコートしたフィルムが代表例である。(イ)は比較的良
好なバリアー性を示すが、塩素を含むので廃棄処理の問
題がある。(ロ)〜(ニ)は酸素ガスバリアー性を示すが、水
分吸収によるバリアー性の低下が致命的であり、輸液の
ような水系の医薬品には適さない。(ホ)はセラミックス
の特徴が生かされ、温度・湿度に影響されにくいバリア
ー性を示すので、近年、汎用されている素材である。
【0004】したがって、バリアー性素材としては(ホ)
がすぐれていることになるが、ポリエチレンテレフタレ
ートは主鎖にエステル基を有するので、耐薬品性の懸念
があること(特にのようなタイプでは安全性・衛生性
面からの注意が必要である)、シリカコート(通常、蒸
着法によってシリカコートされる)は黄色もしくは褐色
に着色しやすいので収容医薬の様子を観察し難いこと、
などが指摘される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は収容医薬品の
変質防止用バリアー包装材における上述の如き諸問題を
解決した医療用包装材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は環状オレフィン
ポリマーを層成分として含むフィルムまたはシートであ
って、該層の片面または両面が酸化アルミニウム(以下
アルミナと称す)でコートされていることを特徴とする
医薬品包装材により達成される。さらに、前記環状オレ
フィンポリマーがテトラシクロドデセン環を含有するポ
リマーである医薬品包装材により達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の包装材は環状オレフィン
ポリマーフィルムまたはシートのアルミナコート物の
(無色)透明性、化学的安定性、安全性・衛生性、ガス
バリアー性が、医薬品用包装材としての用途にきわめて
有効である。また、本発明の包装材は耐熱性の高い環状
オレフィンポリマーをベースとするので、高圧蒸気滅菌
に耐えられるのも特徴である。
【0008】本発明における環状オレフィンポリマーと
しては下記一般式(A)または(B)の環状成分を含む
ものが代表例である。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】(A)、(B)はそれぞれテトラシクロ
[4,4,0,12,5.17,10]−3−ドデセン(C)、
その誘導体(D)から開環重合を経て得られる((B)
は(D)のメタセシス開環重合体を水素化して製造され
る)。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】これらの製造方法については、特公昭46
−14910号、特開昭58−127728号、特公平
4−14685号公報などに開示されている。
【0015】環状オレフィンポリマーは上記(A)また
は(B)単独の成分からなるものの他、他の成分を共重
合成分として含むコポリマーであってもよい。特に
(A)成分とエチレン成分との共重合体(モル比で20
/80〜80/20)は耐熱性、耐熱老化性、耐薬品
性、力学的性質、透明性、成形性などにおいてバランス
がすぐれている点で薦められる。
【0016】環状オレフィンポリマーからフィルムまた
はシートへの成形は通常公知の溶融押出法でなされる。
溶融温度は240〜300℃が適当である。なお、フィ
ルムとシートの区別は厳密なものではなく、厚さ250
μm以下のものをフィルム、250μm超のものをシー
トと称して扱う。また、環状オレフィンポリマーは、フ
ィルムまたはシートの力学的性質、成形性などを考慮す
ると、温度260℃、荷重2,160gにおけるメルト
フローレイト(MFR)が3〜40g/10minさら
に好ましくは5〜35g/10minであるのがよい。
【0017】そしてフィルムまたはシートは医薬品の種
類・形態、フィルムまたはシートの使われ方(医薬品を
直接収容する容器であるか、外包材として使われる
か)、フィルムまたはシートの構成(これについては後
述する)などによって異なるが、0.01〜2mmさら
に好ましくは0.015〜1.5mm程度がよい。
【0018】次に本発明における包装材においては環状
オレフィンポリマーフィルムまたはシートの片面または
両面がアルミナでコートされている。コートの方法とし
ては真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、ゾル−ゲル法、化学蒸着法などの公知の技術が
可能である。ここでコートされるアルミナ層の厚さは要
求されるガスバリアー性によって異なるが(厚いほどバ
リアー性が向上するのはもちろんである)、片面あたり
0.005〜0.5μmより好ましくは0.01〜0.
3μmが適当である。かような構成とすることによって
透明でバリアー性のあるフィルムまたはシートとなる。
【0019】そして、このフィルムまたはシートの酸素
透過率は、好ましくは6cc/m2/day/atm以
下であり、より好ましくは4cc/m2/day/at
m以下である。また、炭酸ガス透過率は、好ましくは1
5cc/m2/day/atm以下であり、より好まし
くは10cc/m2/day/atm以下である。
【0020】冒頭に記した如く、本発明の医薬品用包装
材は「環状オレフィンポリマーを層成分として含むフィ
ルムまたはシート」であるが、これは包装材が該フィ
ルムまたはシート単独からなる場合と包装材が該フィ
ルムまたはシートからなる層と他のポリマーからなる層
との多層体である場合とがあるという意味である。の
場合は包装材の柔軟性、加工性などの改良のため(環状
オレフィンポリマー製のフィルムまたはシートは剛性が
高く、柔軟性が要求される用途では該フィルムまたはシ
ートを薄くする必要がある)の他、コートされたアルミ
ナ層の保護の目的でも適用される。すなわち、アルミナ
層は摩擦、屈曲、衝撃などに対して耐性が低いので、該
アルミナ層が包装材の外表面または内表面を形成しない
ようにするのが望ましいからであり、の形態よりも
のタイプの方が有用である。の場合、適用される「他
のポリマー」としては耐薬品性、透明性、安全性・衛生
性などを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン−1などの線状オレフィンポリマーが適当で
ある。また包装材の全体の厚さが0.03〜2mmさら
に好ましくは0.05〜1.5mmであって、かつ環状
ポリオレフィンポリマーの層が0.01〜0.5mmさ
らに好ましくは0.015〜0.3mm程度であるのが
よい。
【0021】本発明の目的は、前述の如く、包装材の軽
量化・簡易化を目的とするものであり、医薬品を直接収
容する容器の形態で使用するのがよいが、医薬品収容容
器を包む外包材の形で適用することを妨げるものではな
い。
【0022】本発明の包装材は、アミノ酸液、脂肪乳
剤、ビタミン類、抗生物質など、液状、固形状、ペース
ト状であって酸素ガス、炭酸ガスなどに不安定なものの
収容に好適である。
【0023】
【実施例】以下、アミノ酸輸液用の収容容器を例にと
り、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はアミノ
酸輸液用の包装材に限定されるものではない。
【0024】(1)実験方法 アルミナがコートされた環状オレフィンポリマーフィ
ルムの作製:本実験で用いたフィルムの組成・厚さ、ア
ルミナコートの厚さを表1に示す。但し、環状オレフィ
ンポリマーは本文中記載の式(A)成分とエチレン成分
とのコポリマーであり、表中には式(A)成分のモル%
を示した。なお、アルミナコートは電子ビーム加熱方式
による連続真空蒸着による。
【0025】酸素透過率の測定:酸素ガス透過率測定
装置(MOCON社製)を用いて、温度23℃、湿度9
0%RHの条件で測定した。その結果を表1に示す。
【0026】容器(医薬液用袋)の作製:線状低密度
ポリエチレン(コモノマーはヘキセン−1で、密度は
0.923g/cm3)製の厚さ150μフィルム2枚
で表1のフィルム1枚を挟み、加熱プレスで圧着した
(温度140℃、圧力1kg/cm2)後、水中で急冷
して250mm角の三層シートを作製した。(図1) 次いで、この三層シート2枚を裁断し、端部をシールし
て、内寸が130mm×180mmで、一方の端部には
ゴム栓が装着された高密度ポリエチレン製の硬質の筒状
排液ポートつきの袋を作製した。
【0027】なお、アルミナコート面が片面のものは、
袋の外表面側に該コート層が存在するように配置した。
【0028】医薬液入り容器(袋)の作製:の袋に
アミノ酸約8wt/V%の水溶液である輸液剤を500
ml内蔵させ、110℃で20分間の高圧蒸気滅菌処理
を施した。
【0029】医薬液容器の経時変化試験:の滅菌後
の医薬液入り容器を温度40℃、湿度60%RHで50
日間放置して、内容液の色変化を観察した(〜の実
験は各例各3個の容器について行った)。
【0030】(2)実験結果 (実施例1〜3)環状オレフィンポリマーフィルムにア
ルミナコートしたものを使用した容器については、いず
れも低い酸素透過率であり、温度40℃、湿度60%R
Hで50日間放置後も内容液は無色透明で黄変は観察さ
れなかった。また容器のシートは無色透明であり、内部
を容易に観察することができた。
【0031】(比較例1)環状オレフィンポリマーフィ
ルムにアルミナコートを施さないシートを使用した容器
は酸素ガスバリアー性に乏しく、50日間放置後のアミ
ノ酸液は著しく黄変していた。
【0032】なお、実施例1〜3、比較例1に用いたシ
ート(実験方法)について、日本薬局方(第13改
正)一般試験法「プラスチック製医薬品容器試験法」に
準じ、溶出物試験を行ったところ、いずれも適合するこ
とが確認された。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上記載した如く、環状ポリオレフィン
製フィルムまたはシートをアルミナコートすることでガ
スバリアー性が向上し、酸素ガス、炭酸ガスなどに対し
て不安定な医薬品を直接収容できる容器が得られ、長期
保存による黄変等の変質を防止することができる。ま
た、高い透明性により内容物の変化を容易かつ正確に観
察でき、高品質な製品の供給の維持が可能となる。さら
に上記フィルムまたはシートを容器材料とすることで安
全性、衛生性に優れた医薬品用包装材を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】容器(医薬液用袋)用シートの作製方法

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状オレフィンポリマーを層成分として含
    むフィルムまたはシートであって、該層の片面または両
    面が酸化アルミニウムでコートされていることを特徴と
    する医薬品用包装材。
  2. 【請求項2】環状オレフィンポリマーがテトラシクロド
    デセン環を含有するポリマーであることを特徴とする請
    求項1に記載の医薬品用包装材。
JP7683897A 1997-03-28 1997-03-28 医薬品用包装材 Pending JPH10264290A (ja)

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JP7683897A JPH10264290A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 医薬品用包装材

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