JPH10262948A - 磁気共鳴検査装置 - Google Patents

磁気共鳴検査装置

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JPH10262948A
JPH10262948A JP9073339A JP7333997A JPH10262948A JP H10262948 A JPH10262948 A JP H10262948A JP 9073339 A JP9073339 A JP 9073339A JP 7333997 A JP7333997 A JP 7333997A JP H10262948 A JPH10262948 A JP H10262948A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】渦電流を最少にして高い分解能の画像を撮影す
る検査法と、静磁場の均一度を高くして歪の少ない画像
の撮影や、スペクトルを計測する検査法を実現するMR
I装置を提供する。 【解決手段】静磁場不均一度を改善するためのシムコイ
ル31〜39は、検査モードに応じてオン/オフするスイッ
チ回路51〜59を備える。スイッチ回路51〜59はコンピュ
ータ14からの制御信号によって動作し、傾斜磁場コイル
61、62とシムコイル31〜39の電磁結合による干渉が傾斜
磁場精度を損いイメージングの結果に悪影響を及ぼす場
合は、スイッチ回路を遮断してシムコイルを開ループと
して干渉を防止する。一方、スペクトル計測など磁場均
一度を重視する検査モードでは、スイッチ回路を閉ルー
プにして、シム電源41〜49より補正電流をシムコイル31
〜39に流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静磁場の均一度を補
正するためのシムコイルを備えた磁気共鳴検査装置(以
下、MRI装置という)に関し、特に高精度の検査結果
が得られるように、検査手法に応じて装置状態を切り換
えて使い分けることができるMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、核磁気共鳴(以下、NM
Rという)現象を用いて、人体などの体内を無侵襲に測
定して医学的診断などに供する画像やスペクトルを得る
もので、X線や超音波を用いた検査装置では得られない
有用な医学診断情報が得られることから、広く医療施設
で普及している。
【0003】このようなMRI装置は、静磁場中に置か
れた被検体組織を構成する原子核スピンにNMR現象を
生じさせ、またNMR信号を計測するための高周波磁場
コイルを備えると共に、計測されたNMR信号が人体の
どの部位から得られたものであるかを識別するため、静
磁場磁石に傾斜磁場コイルを組み合わせてある。傾斜磁
場コイルは、x、y、z軸に沿って磁場強度が変化する
傾斜磁場を発生する3つの傾斜磁場コイルが用いられ、
これら傾斜磁場によって位置情報(位相エンコード或い
は周波数エンコード)を付与されたNMR信号を二次元
フーリエ変換法により画像再構成することにより被検体
断面の画像を得ることができる。
【0004】このように二次元フーリエ変換法では傾斜
磁場をパルス状に印加することになるが、この磁束の変
化が傾斜磁場コイルの周辺に存在する電気導体(磁気回
路やその容器)内に渦電流を誘起するという問題がある
(ジャーナル・オブ・マグネチック・レゾナンス誌66
巻、573〜576頁、「Active Magnetic Screeninng
of Gradient Coils in NMR Imaging」)。特に静磁場
磁石として超電導磁石を用いた場合には、その容器や容
器内に組み込まれている熱シールド円筒(銅やアルミニ
ウム)に無視できない渦電流が発生する。
【0005】このような渦電流が発生する磁場は、位相
エンコードや周波数エンコードの誤差となり、フーリエ
変換後の画像の分解能の低下となる。この問題を解決す
るために、傾斜磁場のコイルの外側に漏洩する磁束をキ
ャンセルするシールド型の傾斜磁場コイルが開発されて
いる(米国特許公報第4,737,716号)。
【0006】一方、MRI装置において1回の高周波磁
場照射で1枚の画像分のNMR信号を計測する高速撮像
法(エコープレナーイメージング:EPI)や、NMR
スペクトル計測、化学シフトを画像化するスペクトロス
コピックイメージングでは静磁場の高い均一度が要求さ
れるため、静磁場磁石に静磁場均一度を補正するための
シムコイルを組合せている。また被検者毎に磁化率の差
異を補正する手法も提案されている(特開昭60-161552
号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記傾斜磁場コイルと
磁石との干渉の問題については、従来の技術(米国特許
公報第4,737,716号)により防止することができ、画像
の分解能を向上することが可能となったが、傾斜磁場コ
イルの直近に配設されるシムコイルとの干渉については
考慮されていなかった。
【0008】そこで本発明は、検査法の目的に応じて傾
斜磁場コイルとシムコイルとの干渉を制御することが可
能なMRI装置を提供することを目的とする。また渦電
流を最少にして高い分解能の画像を撮影する検査法と、
静磁場の均一度を高くして歪の少ない画像を撮影した
り、スペクトルを計測する検査法をともに実現できるM
RI装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のMRI装置は、被検体を配置する空間に静
磁場を発生する手段と、静磁場の均一度を改善する磁場
均一度補正手段と、空間に位置に応じて磁場強度が異な
る傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、被検体に核
磁気共鳴現象を生じさせるために高周波磁界を発生する
手段と、核磁気共鳴現象を検出する手段と、検出した核
磁気共鳴信号を演算処理し、処理結果を表示する手段と
を備え、さらに磁場均一度補正手段と傾斜磁場発生手段
との干渉を制御する手段を有するものである。
【0010】干渉を制御する手段は、磁場均一度補正手
段とそれを駆動する電源とを接続或いは非接続にするス
イッチ手段及び検査モードに応じてスイッチ手段を動作
させる手段により構成される。
【0011】磁場均一度補正手段は、複数の補正コイル
から構成することができ、その場合スイッチ手段は複数
のコイルごとに設けてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
図面を参照して説明する。尚、以下の実施例で示す数値
は単なる例示であって、本発明はそれらの数値に限定さ
れるものではない。
【0013】図2は、本発明が適用されるMRI装置の
一実施例を示す概略構成図である。図2において、磁石
1はMRI装置の静磁場を発生するもので、永久磁石、
常電導磁石或いは超電導磁石が用いられるが、図示する
例では超電導線をソレノイド状に巻き、液体ヘリウムの
入った容器内に納めた超電導磁石が用いられている。こ
の磁石の容器の典型的な寸法は、人体が検査できるよう
にボア径は1メートル、長さは1.5メートルである。
そのボア中心で発生する磁場強度は例えば1.5テス
ラ、磁場均一度はボアの中心40センチメートルの球状
空間で5ppmの値が達成可能なように設計製造されて
いる。但し、磁場均一度は磁石の周囲の環境に左右され
るので、磁石の据え付け環境に応じて磁場均一度を調整
するために、磁石1のボア内壁には磁性体の小片2が貼
り付けられる。
【0014】更に磁石1の内側には、静磁場の均一度を
補正するためのシムコイル3が組み込まれている。シム
コイル3は、例えば9種類のパターンから構成された複
数のシムコイルから成り、被検者の検査部位毎にシムコ
イルに流す電流(シム電流)を調整することにより検査
に必要とする磁場均一度を達成する。シムコイル3には
シム電流を流すためのシム電源4がスイッチ回路(S
w)5を介して接続されている。スイッチ回路5は、後
述するコンピュータ14の指令によりシムコイル3のオ
ン/オフを切換える。
【0015】シムコイル3の内側にはx、y、zの傾斜
磁場コイル6が組み込まれている。これらの傾斜磁場コ
イル6には、それぞれx、y、zの傾斜磁場(GC)電
源7、8、9が接続されている。これにより、検査空間
の静磁場のx、y、zの項の磁場不均一成分の補正のた
めの定常電流と、検査部位の空間にx、y、zの軸に沿
って磁場強度を変化させてNMR信号に位置情報を付与
するためのパルス電流が流れるようになっている。
【0016】従って本実施例では、シムコイル3と傾斜
磁場コイル6とが静磁場均一度補正手段として機能して
いる。
【0017】傾斜磁場コイル6の内側には高周波コイル
10が組み込まれている。高周波コイル10は、検査部
位の核スピンを励起する周波数の高周波磁場を発生する
とともに、励起後の核スピンの歳差運動をNMR信号と
して検出する。この高周波コイル10には高周波回路1
1が接続され、励起のための高周波電力の供給とNMR
信号の増幅を行う。尚、高周波コイル10としては、高
周波磁場の励起用と検出用とで別個の高周波コイルを用
いてもよい。
【0018】被検者12は搬送用の患者テーブル13の
上に横たわり、検査部位が磁石1の中心に配置されるよ
うになっている。
【0019】コンピュータ14は上述の各構成要素の動
作状態を制御するとともに、検出されたNMR信号の演
算処理を行う。演算処理された結果はコンピュータ14
に接続されたモニター15に表示される。コンピュータ
14には入力装置のオペレーションコンソール16が接
続されており、このコンソールにより検査条件や画像処
理条件等を設定することができる。
【0020】図1は図2の傾斜磁場コイル6とシムコイ
ル3と傾斜磁場電源7〜9とシム電源4を詳細に説明し
た図である。図において、傾斜磁場コイル6は被検者1
2が配設されるその内部にx、y、zの方向に傾斜磁場
を発生するインナーコイル61とインナーコイル61が
その外側に発生する磁場をキャンセルするためのアウタ
ーコイル62とから構成されている。インナーコイル6
1とアウターコイル62の各々のx、y、zコイルは直
列に接続され、それぞれ独立の傾斜磁場電源7、8、9
に接続されている。インナーコイル61とアウターコイ
ル62の巻数と寸法は磁石1が存在する位置で磁場がゼ
ロとなるように設計されている。この傾斜磁場コイルの
構成により、超電導磁石1の容器や容器内に組み込まれ
ている熱シールド円筒(銅やアルミニウム)に誘起され
る渦電流を抑えることができる。
【0021】シムコイルは、磁石1とアウターコイル6
2との間に配置され、図示する実施れでは9種のシムコ
イル31〜39が巻かれている。9種のシムコイルは、
例えばX2、Y2、Z2、X3、Z3、Y3、XY、ZY、X
Zの各項の補正コイルから成る。各々のシムコイル31
〜39にはそれぞれスイッチ回路(Sw)51〜59の
出力側が接続されている。スイッチ回路51〜59の入
力側にはインダクタンスLを介してシム電源41〜49
が接続されている。インダクタンスLは、シムコイル−
シム電源−インダクタンスから成る閉ループのインピー
ダンスを高くしてシム回路に過渡的な電流を流れにくく
するもので、例えば1ヘンリーのものが用いられる。
【0022】スイッチ回路51〜59はコンピュータ1
4からの制御信号により、シム回路を閉或いは開にする
もので、ダイオードとトランジスタの組合せ等公知のス
イッチ回路を用いることができる。スイッチ回路のオン
時及びオフ時におけるシムコイルと傾斜磁場コイルとの
干渉を図3を参照して説明する。ここでは簡単のため
に、x2シムコイルについて説明するが、その他のシム
コイルでも同様である。
【0023】コンピュータ14よりスイッチ回路の接続
信号が出力された状態では、図3(a)に示すように、
シムコイル31はインダクタンスLとシム電源41と閉
ループを構成して電流が流れる。この電流値を適当な値
にすることにより静磁場のx2項が補正され均一な静磁
場を達成できる。一方、シムコイル31の直近には傾斜
磁場コイルのアウターコイル62のxチャンネルコイル
が配置されているので、xチャンネルの偶数の高次歪
(x2、x4、…)がx2シムコイル31と干渉する。こ
こで、傾斜磁場をパルス駆動すると誘導結合係数Mと互
いのコイルの巻数比による起電力がシムコイル31に発
生する。この起電力による電流が閉ループを流れ、傾斜
磁場の誤差磁場となるが、この誤差磁場の発生は、イン
ダクタンスLにより閉ループのインピーダンスを高くし
て過渡的な電流を流れにくくしたことにより、極力抑え
られる。
【0024】一方、コンピュータ14より遮断信号が出
力された状態では、図3(b)に示すように、シムコイ
ル31は開ループとなる。この場合には、傾斜磁場のパ
ルス駆動による起電力が発生しても誤差磁場となる電流
は流れないので、高精度の傾斜磁場を達成できる。
【0025】このようなスイッチ回路のオン/オフは、
コンソール16により検査法を選択すると、自動的にそ
の検査法に適した状態(オンまたはオフ)となるように
コンピュータ14が制御信号を送るか、またコンソール
16にシムコイルにオン/オフを選択する手段を設け、
これにより操作者が検査法に適した状態を選択し、この
選択操作に基づきコンピュータ14が制御信号を送るこ
とができる。また複数のシムコイルを個々にオン/オフ
制御することも可能である。
【0026】例えば静磁場の高い均一度が要求される検
査法、例えばEPI法による計測や、MRスペクトル計
測を実行する場合には、コンピュータ14よりスイッチ
回路の接続信号が出力される。また静磁場の均一度の影
響を受けにくい検査法や静磁場の均一度に比べて傾斜磁
場精度が要求される検査法、例えば高速スピンエコー法
や小視野で高空間分解能の画像を得る撮像法を実行する
場合には、コンピュータ14より遮断信号が出力され
る。
【0027】次に、上記構成によるMRI装置を用いて
一連の検査を実行する実施例を図4及び図5を参照して
説明する。この実施例では最初に、高速スピンエコー
(FSE)法で被検者12の横断面を撮影し、次いでF
SE法で撮影した画像を基に、局所領域のNMRスペク
トル計測の検査を施行する。
【0028】FSE法は、スピンエコー法と同様に、不
均一磁場により見かけ上の横緩和時間(T2*)で急速
に分散するスピンの位相を一定時間後に再び揃えてエコ
ー信号として計測するため、磁場の不均一の影響を受け
にくい撮影法であるが、1回の核スピンの励起でn個の
エコー信号を発生し、それぞれのエコー信号にn分割さ
れた異なる位相エンコードを付与するため、位相エンコ
ード傾斜磁場の精度が必要となる。
【0029】従ってFSE法のシーケンスを実行する際
には、図4に示すように起動前にコンピュータ14より
遮断信号71を発生させて全てのスイッチ回路51〜5
9を開いてシムコイルを開ループの状態にしておく。磁
場の均一度は傾斜磁場コイルによるx、y、zの一次の
シミングでFSE法に必要とする値を達成するようにす
る。
【0030】この状態で、通常のFSE法のシーケンス
を実行する。即ち、高周波パルス列73とz傾斜磁場パ
ルス74によりマルチエコー信号77を発生させる。エ
コー信号77は特に限定されないが図では4エコーの場
合を示している。このエコー信号計測の前後に位相エン
コード用のy傾斜磁場パルス75を印加して、それぞれ
のエコー信号が異なる位相エンコードになるようにす
る。すなわち、最初のエコー信号はy傾斜磁場のパルス
751と752の積分値が位相エンコード量に、第2のエコー
はy傾斜磁場のパルス751と752と753と754の積分値が位
相エンコード量になる。同様に第3以降のエコーについ
てもその発生までに印加された傾斜磁場パルスの積分値
の総和が位相エンコードとなる。このように異なる位相
エンコードが付与された各エコー信号をx傾斜磁場パル
ス76を印加しながら計測する。一枚の画像に必要な位
相エンコード(例えば、256)量になるまで、y傾斜
磁場パルス751(図では256/4=64ステップ)を変化
させながら図4のシーケンスを繰り返し、計測されたエ
コー信号を処理することにより画像を再構成する。
【0031】次に、上記で撮影した画像を基に、局所領
域のNMRスペクトル計測の検査を施行する。この場
合、領域を含む部位の磁場均一度はスペクトルを分離す
るために0.1ppm程度の高い均一度が必要である。
そこで、図5に示すようにコンピュータ14より接続信
号81を出力して、全てのスイッチ回路を閉じてシムコ
イルの回路を閉ループにする。
【0032】スペクトル計測に先立って、シムコイルに
流れる電流を決定するためのオートシミングシーケンス
82を起動させる。オートシミングシーケンスは、検査
部位の種々の組織の磁化率の差異による静磁場の乱れを
補正するためのシム電流を求める手法で、例えば特開昭
60-161552号に記載された手法を採用できる。
【0033】即ち、スライス選択のためのスライス選択
傾斜磁場と90゜パルスを印加して被検体組織を構成す
る核スピンを励起し、90゜パルス印加からτ時間後に
スライス選択傾斜磁場と180゜パルスを印加し、18
0゜パルス印加から(τ+Δτ)時間後にリードアウト
傾斜磁場を印加しながらエコー信号を計測する。180
゜パルス印加から時間τが経過すると、90゜パルス印
加直後からの静磁場不均一に起因するスピンの位相変化
は完全に相殺されるため、エコー信号にはその後Δτの
間に静磁場不均一により生じる位相情報だけが含まれる
ことになる。従ってこのようなシーケンスを位相エンコ
ード量を変化させながら繰り返し、計測されたエコー信
号の位相情報から静磁場不均一分布を求めることができ
る。
【0034】シムコイルに流れる電流値は、上記のよう
に求められた静磁場不均一分布及びシムコイルのシム特
性(単位電流当りの発生磁場強度)から計算によって求
めることができ、この電流値に基づきシム電源を駆動す
る。
【0035】このようなオートシミングシーケンス82
の実行により静磁場の均一度が目的値、例えば0.1p
pm以下になった状態で、スペクトル計測のシーケンス
83を起動する。スペクトル計測シーケンス83は、I
SIS(Image Selected Invivo Spectroscopy)法等3
次元空間から任意の領域(通常1cm3)のNMR信号を
計測するシーケンスを実行する。図5に例示するISI
S法では、まずx傾斜磁場パルス85を印加した状態で
選択励起高周波パルス841を印加する。次に、y傾斜磁
場パルス86を印加した状態で選択励起高周波パルス84
2を印加する。さらに、z傾斜磁場パルス87を印加し
た状態で選択励起高周波パルス843を印加する。それに
引き続き信号検出用の高周波パルス844を印加してNM
R信号88を検出する。
【0036】三次元の領域を選択するために、図5のシ
ーケンス83における3つの選択励起パルス841〜843の
位相を+/−に変えてx、y、zの傾斜磁場の組み合わ
せ、8通り(23)のシーケンスを繰り返す。これによ
り、各シーケンスごとに常に目的とする関心領域のNM
R信号は加算され、周辺領域からのNMR信号は相殺さ
れる。得られたNMR信号をフーリエ変換することで関
心領域のNMRスペクトルが得られる。
【0037】このように本発明のMRI装置によれば、
一連の計測を行う場合に、被検者を装置内に配設したま
まで、目的の複数検査を最適な条件で施行することがで
きる。
【0038】尚、上記実施例では検査法として高速スピ
ンエコー法及びNMRスペクトル計測を説明したが、本
発明はこれらの検査法に限定されない。また上記実施例
では、全てのシムコイルをオンまたはオフする場合につ
いて述べたが、検査の目的によって、一部のシムコイル
のみをオンすることとしてもよい。例えば、静磁場分布
に応じて均一度を得るために最も重要なシムコイルのみ
をオンとして、傾斜磁場コイルとシムコイルとの干渉を
極力少なくして傾斜磁場コイルの磁場誤差を最小にす
る、或いは高い傾斜磁場精度が必要である傾斜磁場コイ
ルの直近にあるシムコイルのみをオフとして、その傾斜
磁場コイルについての磁場誤差を最小にする等が可能で
ある。
【0039】また図示する実施例では、シムコイルの配
置として傾斜磁場コイルの外側に設けた場合を示した
が、シムコイルの配置はこれに限定にされず、例えば傾
斜磁場コイルの内側に局所的な静磁場補正をするために
設けられたシムコイルであってもすべて適用できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、静
磁場の均一度を補正する手段と傾斜磁場発生手段との干
渉を制御する手段を設けることにより、検査目的に応じ
て最適な条件を設定することができ、これにより渦電流
の発生を最少にして高精度の検査結果を得ることも、ま
た静磁場の均一度を最良にして高精度の検査結果を得る
ことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMRI装置の一実施例における傾斜磁
場コイルとシムコイルの詳細を示す図
【図2】本発明の一実施例を示すMRI装置のブロック
【図3】シムコイルと傾斜磁場コイルの干渉を説明する
図で、(a)はシムコイルのオン状態、(b)はシムコ
イルのオフ状態を示す。
【図4】本発明のMRI装置により実施される検査パル
スシーケンス(高速スピンエコー法)の一例を示す図
【図5】本発明のMRI装置により実施される検査パル
スシーケンス(スペクトル計測)の一例を示す図
【符号の説明】
1・・・・・・磁石(静磁場を発生する手段) 2・・・・・・磁性体の小片(静磁場均一度補正手段) 3、31〜39・・・・・・シムコイル(静磁場均一度補正手
段) 4、41〜49・・・・・・シム電源(静磁場均一度補正手
段) 5、51〜59・・・・・・スイッチ回路(干渉を制御する手
段) 6、61、62・・・・・・傾斜磁場コイル 7〜9・・・・・・傾斜磁場電源 10・・・・・・高周波コイル 11・・・・・・高周波回路 12・・・・・・被検者 13・・・・・・患者テーブル 14・・・・・・コンピュータ(干渉を制御する手段) 15・・・・・・モニター 16・・・・・・オペレーションコンソール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体を配置する空間に静磁場を発生する
    手段と、前記静磁場の均一度を改善する磁場均一度補正
    手段と、前記空間に位置に応じて磁場強度が異なる傾斜
    磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記被検体に核磁
    気共鳴現象を生じさせるために高周波磁界を発生する手
    段と、前記核磁気共鳴現象を検出する手段と、前記検出
    した核磁気共鳴信号を演算処理し、処理結果を表示する
    手段とを備えた磁気共鳴検査装置において、 前記磁場均一度補正手段と前記傾斜磁場発生手段との干
    渉を制御する手段を有することを特徴とする磁気共鳴検
    査装置。
  2. 【請求項2】前記干渉を制御する手段は、前記磁場均一
    度補正手段とそれを駆動する電源とを接続或いは非接続
    にするスイッチ手段及び検査モードに応じて前記スイッ
    チ手段を動作させる手段により構成されることを特徴と
    する請求項1記載の磁気共鳴検査装置。
  3. 【請求項3】前記磁場均一度補正手段は、複数の補正コ
    イルを有し、前記スイッチ手段は前記複数のコイルごと
    に設けられることを特徴とする請求項2記載の磁気共鳴
    検査装置。
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Cited By (2)

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