JPH10260518A - 画像形成方法およびシステム - Google Patents

画像形成方法およびシステム

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JPH10260518A
JPH10260518A JP9056551A JP5655197A JPH10260518A JP H10260518 A JPH10260518 A JP H10260518A JP 9056551 A JP9056551 A JP 9056551A JP 5655197 A JP5655197 A JP 5655197A JP H10260518 A JPH10260518 A JP H10260518A
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JP
Japan
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image
image forming
processing
film
photosensitive member
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JP9056551A
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English (en)
Inventor
Shunichi Ishikawa
俊一 石川
Seiichi Kubodera
征一 久保寺
Akira Fukano
彰 深野
Keiji Kato
恵士 加藤
Isao Taniguchi
勇夫 谷口
Yoshiharu Okino
美晴 沖野
Nagao Ogiwara
永夫 荻原
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像が記録された感光部材の現像を、大量の
現像処理液を用いる煩雑な現像処理を行うことのない、
より簡便な方法で行って、現像工程の短縮化およびシス
テムの小型化を図る。 【解決手段】 所定の処理部材と重ね合わせて加熱され
ることによって露光により記録された画像を形成する感
光部材を写真フィルムなどの部材として使用し、この感
光部材に露光により画像を記録し、前記処理部材とを重
ね合わせて加熱することにより前記画像を感光部材上に
形成し、この画像が形成された感光部材を前記処理部材
から剥離することにより前記感光部材を現像し、現像さ
れた感光部材上の画像をスキャナにより読み取って該画
像を表す画像データを得、この画像データに所定の画像
処理を施すことにより再生可能なデジタル画像データを
作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法およ
び装置に関し、特に詳しくは、写真フィルムなどの部材
として所定の処理部材と重ね合わせて加熱することによ
って露光により記録された画像が形成される感光部材を
用いて画像を形成する方法およびシステムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】コンベンショナルカラー写真として知ら
れている方法において、撮影用の感光部材(いわゆるカ
ラーネガフィルム)は、通常青光を記録してイエロー色
素画像を形成する層、緑光を記録してマゼンダ色素画像
を形成する層、および赤光を記録してシアン色素画像を
形成する層を含み、現像処理の際に潜像を含有するハロ
ゲン化銀粒子を銀に還元する過程で現像剤が酸化され、
その酸化体とカプラーとの反応(カップリング)により
色素画像を形成する。未現像のハロゲン化銀および現像
銀はそれに引き続く漂白定着工程で除去され、色素画像
が形成され、かつ未現像のハロゲン化銀および現像銀が
除去されたカラーネガフィルムが得られる。
【0003】従来はこのカラーネガフィルムの色素画像
を透過した光をカラーペーパに照射することによって、
該色素画像をカラーペーパに焼付露光し、同様の現像、
漂白、定着工程を経てカラープリントを得ていた。
【0004】一方、上記カラーネガフィルムに形成され
た画像を光電的に読み取った後、画像処理を施して記録
用の画像データとし、この画像データによって他の画像
記録材料に画像を得る方法も知られている。特に上記の
画像データをデジタル信号とし、それに応じて変調した
レーザ光によってカラーペーパなどの感光部材を走査露
光して仕上がりプリントとするデジタルプリンタの開発
が進んでおり、その例は特開平7−15593号公報に
記載されている。
【0005】以上の方法は、撮影済のカラーネガフィル
ムに対し、通常の現像、漂白、定着処理(湿式処理)を
行って画像を形成することを前提とするものであり、こ
のような画像形成のプロセスは煩雑である。
【0006】また、処理液などの薬剤を含む液体を使用
するため、その管理が面倒であり、装置の汚れなどによ
って装置の劣化が早まる原因にもなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑
みてなされたものであり、画像が記録された感光部材を
現像し、現像により感光部材上に形成された画像を読み
取ってデジタル化して画像データとして活用するため
の、簡便かつ処理時間の短い画像形成方法を提供すると
ともに、この方法を実施するためのコンパクトで使い勝
手の良い画像形成システムを提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成方法お
よびシステムは、感光性ハロゲン化銀粒子を含有し、所
定の処理部材と重ね合わせて加熱されることによって露
光により記録された潜像に対応した画像を形成する感光
部材を使用するものであって、前記感光部材に露光によ
り潜像を記録し、前記感光部材と前記処理部材とを重ね
合わせ、前記重ね合わせた感光部材と処理部材とを加熱
することにより該感光部材に記録された前記潜像に対応
した画像を該感光部材上に形成し、前記画像が形成され
た感光部材を前記処理部材から剥離し、前記形成された
感光部材上の画像をスキャナにより読み取って該画像を
表す画像データを得、該画像データに所定の画像処理を
施すことにより再生可能なデジタル画像データを作成す
ることを特徴とするものである。
【0009】本発明をシステムとして実現する場合に
は、上記「重ね合わせ」から「読取り」までの全ての処
理手段を備えた1つの装置として実現してもよいし、
「現像」までの処理を行う現像装置と、読取りおよび画
像処理を行う処理装置という形態で実現してもよい。以
下に説明する各種手段についても同様に、1つの装置の
筐体内に全ての手段を内蔵する形で実施してもよいし、
別々の装置として実施し、互いに接続することによりシ
ステムを構成してもよい。
【0010】前記感光部材と前記処理部材との重ね合わ
せの前には、感光部材および処理部材の少なくとも一方
に、例えば水などの画像形成用溶媒を付与することが望
ましい。また、前記感光性ハロゲン化銀粒子は平板状の
感光性ハロゲン化銀粒子であることが望ましい。さら
に、前記加熱はセ氏60度から100度の温度で5秒か
ら60秒間行うことが望ましい。
【0011】前記感光部材は、支持体上に、少なくとも
感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、および画像状に
拡散性色素を放出ないし拡散する機能を持つ色材を含
み、その感光波長領域が互いに異なり、前記色材の現像
処理後における色相も互いに異なる少なくとも3種類の
感光層を有する色材含有熱現像感光部材であり、前記処
理部材は、前記色材含有熱現像感光部材と重ね合わせて
加熱することにより前記色材含有熱現像感光部材上に画
像を形成するものであって、支持体上に少なくとも媒染
剤を含む層を有する媒染剤含有処理部材であり、前記加
熱により前記熱現像感光部材から放出される前記拡散性
色素の少なくとも一部を前記色材含有熱現像感光部材か
ら除去することにより、該色材含有熱現像感光部材上に
少なくとも3色の色画像を形成することが望ましい。
【0012】あるいは、前記感光部材が、支持体上に、
少なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、発色
現像主薬、および色素供与性カプラーを含み、その感光
波長領域が互いに異なり、前記発色現像主薬の酸化体お
よび前記色素供与性カプラーから形成される色素の色相
も互いに異なる少なくとも3種類の感光層を有する熱現
像感光部材であり、前記処理部材が、前記熱現像感光部
材と重ね合わせて加熱することにより前記熱現像感光部
材上に画像を形成する処理部材であり、前記加熱によ
り、前記熱現像感光部材上に少なくとも3色の色画像を
形成するようにしてもよい。
【0013】さらに、前記感光部材が、透明支持体上
に、少なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、発色現像主
薬、カプラーおよびバインダーを含み、その感光波長領
域が互いに異なり、前記発色現像主薬の酸化体および前
記カプラーから形成される色素の吸収波長領域も互いに
異なる少なくとも3種の感光層を有する感光部材であ
り、前記処理部材が、支持体上に少なくとも塩基および
/または塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理部
材であり、前記感光部材と前記処理部材を、前記感光部
材と処理部材双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤
させるに要する量の0.1から1倍に相当する水の存在
下で、前記感光部材の前記感光層と前記処理部材の処理
層が向かい合う形となるように重ね合わせて加熱して、
前記感光部材上に少なくとも3色の非拡散性色素に基づ
く画像を形成するようにしてもよい。
【0014】この際、前記発色現像主薬は下記一般式
(1)から(5)で表される化合物のうちの少なくとも
1つの化合物であることが望ましい。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】式中、R1〜R4は各々水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミ
ド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンア
ミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
ルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カル
バモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスル
ファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキル
スルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカル
ボニル基、アリールカルボニル基またはアシルオキシ基
を表し、R5は置換または無置換の、アルキル基、アリ
ール基または複素環基を表す。Zは芳香環(複素芳香環
も含む)を形成する原子群を表し、Zがベンゼン環であ
る場合、その置換基のハメット定数(σ)の合計値は1
以上である。R6は置換または無置換のアルキル基を表
す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキ
ル置換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表す。R
7、R8は水素原子または置換基を表し、R7、R8が互い
に結合して2重結合または環を形成してもよい。
【0021】なお、前記いずれの感光部材あるいは処理
部材を用いる場合でも、前記感光部材と処理部材を重ね
合わせる前に、前記感光部材に付着した塵埃を除去する
ことが望ましい。これは、本発明の方法では感光部材を
処理液に浸すことがないため、従来の方法のように付着
した塵埃が処理液中で除去されることがないからであ
る。
【0022】感光部材に露光により画像を記録する方法
としては、例えば前記感光部材を写真フィルムの形に裁
断し、これをフィルムカートリッジに収納し、該フィル
ムカートリッジをカメラに装填し、該カメラによって撮
影を行うことにより露光する方法がある。但し、本発明
における感光部材の露光は必ずしも撮影によるものに限
定されない。
【0023】あるいは、前記感光部材からなる写真フィ
ルムをフィルムカートリッジに収納し、該フィルムカー
トリッジをレンズ付きフィルムユニットに装填し、該レ
ンズ付きフィルムユニットによって撮影を行うことによ
り露光することもできる。
【0024】さらには、前記感光部材からなる写真フィ
ルムをレンズ付きフィルムユニットに直接収納し、該レ
ンズ付きフィルムユニットによって撮影を行うことによ
り前記感光部材を露光する方法でもよい。
【0025】なお、本明細書においては「フィルムカー
トリッジ」という言葉を、パトローネ、APSのカート
リッジなど、ロール状に巻いたフィルムを収納するあら
ゆる収納体の総称として用いるものとする。
【0026】ここで、本発明の画像形成方法およびシス
テムは、現像が簡単な感光部材をフィルム部材に採用す
ることにより、ユーザがセルフサービスで利用できる程
度に操作が簡単なシステムを提供することを目的とする
ものである。したがって、本発明をシステムとして実現
する場合には、現像処理の操作を簡単にするための各種
手段を備えることが望ましい。
【0027】具体的には、前記写真フィルムの現像を行
う際に該写真フィルムを前記画像形成システムにセット
するためのセット部であって、前記撮影の際に前記写真
フィルムが収納されていた収納体の形状に適合した構造
を有する少なくとも1つのセット部を備えることが望ま
しい。前記セット部の形状としては、フィルムカートリ
ッジの形状に適合したもの、あるいはレンズ付きフィル
ムユニットの形状に適合したものが考えられる。また、
前記セット部は前記収納体を保持する収納体保持手段
と、該収納体保持部により保持された収納体に当たる光
を遮る遮光手段とからなることが望ましい。これによ
り、ユーザは撮影済みのフィルムをカートリッジごと、
あるいはレンズ付きフィルムユニットごとセット部にセ
ットするだけで、現像サービスを享受することができ
る。
【0028】なお、上述のように、本発明の画像形成方
法およびシステムでは、現像する感光部材に塵埃が付着
しないようにしなければならないため、上記収納体ある
いはセット部に付着した塵埃を除去する除塵手段を備え
ることが望ましい。
【0029】また、本発明のシステムは、上記収納体の
各種類に応じて、収納体から前記写真フィルムを引き出
すフィルム引出部を備えることが望ましい。すなわち、
フィルムカートリッジから写真フィルムを取り出すフィ
ルム分離手段、あるいはレンズ付きフィルムユニットの
ケースを開放する開放手段と、開放されたレンズ付きフ
ィルムユニットから前記フィルムカートリッジを分離す
るユニット/カートリッジ分離手段と分離されたフィル
ムカートリッジから前記写真フィルムを引き出すカート
リッジ/フィルム分離手段、また、レンズ付きフィルム
ユニットのケースを開放する開放手段と、開放されたレ
ンズ付きフィルムユニットから前記写真フィルムを分離
するユニット/フィルム分離手段などを備えるのがよ
い。
【0030】この際、フィルム引出部についても、上記
セット部などと同様に、フィルム引出部に付着した塵埃
を除去するフィルム引出部用除塵手段を備えることが望
ましい。
【0031】また、上記のように本発明の画像形成シス
テムをユーザがセルフサービスで利用する場合、ユーザ
の操作誤りを考慮してシステムを設計することが望まし
い。
【0032】具体的には、例えば、前記セット部にセッ
トされた収納体に収納された写真フィルムが前記画像形
成システムにより現像可能なフィルムか否かを判定する
フィルム種別判定手段を備えることにより、異種の写真
フィルムをセットされた場合に、それを排除できるよう
にする。
【0033】フィルム種別を判定する方法としては、前
記収納体に付与された該収納体の識別情報を認識し、該
識別情報に基づいて前記判定を行う方法、前記セット部
にセットされた収納体から前記写真フィルムを引き出
し、該引き出された写真フィルムの光透過率を測定し、
該測定された光透過率に基づいて前記判定を行う方法、
あるいは、前記セット部にセットされた収納体から前記
写真フィルムを引き出し、該引き出された写真フィルム
の情報記録部に記録されたフィルム種別を表すデータに
基づいて前記判定を行う方法などがある。
【0034】この際、システムは、フィルム種別の判定
結果を表示するためのユーザインタフェース部を備え、
正しくセットが完了したこと、あるいはエラーであるこ
とをユーザに通知することが望ましい。
【0035】上記のようにセットされた写真フィルムは
システムの現像部へと搬送されるが、この際搬送経路の
少なくとも一部を防塵構造とすることにより写真フィル
ムへの塵埃の付着を防止することが望ましい。
【0036】また、現像あるいは読み取りの過程におい
て排出される使用済み部材は、システムに廃材処理部を
備えることにより、必要に応じてリユースできるように
することが望ましい。
【0037】具体的には、前記収納体を集積する手段、
あるいは前記収納体を分解する収納体分解手段と該分解
された収納体を所定の部材ごとに集積する部材別集積手
段などを設けるのがよい。この場合現像サービス提供者
は定期的に集積された部材を回収し、検査を行った上
で、リユースできるものはリユースする。または、シス
テム内部に前記収納体に収納された写真フィルムを取り
出し、未使用の写真フィルムを詰め替えるフィルム詰め
替え手段を設けてもよい。
【0038】なお、本発明の画像形成方法およびシステ
ムでは、現像過程においては漂白および定着処理を行わ
ないので、現像済みの写真フィルムにはハロゲン化銀や
現像銀などが残存したままとなる。したがって、現像済
み写真フィルムは、これを集積し、残存している銀を回
収することが望ましい。
【0039】なお、上記のように本発明の方法およびシ
ステムでは現像済み写真フィルムにはハロゲン化銀や現
像銀が残存したままとなるため、原則としてこれをユー
ザに返却することは行わない。しかしながら、ユーザか
らの返却の要望があった場合には、前記剥離によって処
理部材と分離された感光部材上に対して漂白処理や定着
処理を施すことにより該感光部材上に残存するハロゲン
化銀および現像銀を除去して返却する。この際この脱銀
手段は、システムに内蔵してもよいが、脱銀手段を内蔵
することにより処理液の管理が必要となるため、望まし
くは別途専用装置により脱銀を行うことが望ましい。
【0040】なお、本発明の方法およびシステムでは、
スキャナによる読取りを、前記剥離によって処理部材と
分離された感光部材上に残存するハロゲン化銀および現
像銀を除去することなく行うことができる。この場合、
画像処理において、前記ハロゲン化銀および現像銀の前
記画像データに対する寄与分を補正する処理を行う。
【0041】当然のことながら、感光部材に対して漂白
処理や定着処理を施すことにより該感光部材上に残存す
るハロゲン化銀および現像銀を除去した後に読取りを行
ってもよいことはいうまでもない。
【0042】ここで、本発明の方法およびシステムに使
用する感光部材上に形成される画像は温度の影響を受け
るため、前記デジタル画像データを作成する際に、前記
感光部材の温度特性に起因するデジタル画像データの誤
差を低減するための安定化処理を行うことが望ましい。
【0043】例えば、前記現像後の感光部材の温度を、
直接測定、あるいは感光部材のおかれる環境温度から推
定するなどして求め、求められた温度に応じて前記読取
りの読取条件を決定する。あるいは、感光部材の色濃度
対温度の対応関係を予め求め、前記読取りを行う際の前
記感光部材の温度を上記と同様の方法により求め、該読
取りにより得られたデータを、前記対応関係および前記
求められた温度に基づいて変換する。
【0044】または、前記現像後の感光部材を保温して
該感光部材の前記読取時の温度を一定に保つようにして
もよい。さらには、前記現像後の感光部材を前記読取り
を行う前に所定時間放置して温度が一定になるまで待っ
てもよい。
【0045】上記のようにして読み取った画像データ
は、必要に応じて画質を高めるための各種画像処理を施
すことが望ましい。この場合、画像処理の内容は、撮影
条件や、写真フィルムのフィルム固有情報、あるいは画
像データ絵柄や階調などに応じて異なるものとすること
が望ましい。
【0046】本発明の方法およびシステムにおいて行わ
れる画像処理としては、例えば、ノイズ低減処理、画像
データの拡大あるいは縮小処理、画像データのダイナミ
ックレンジの圧縮あるいは伸長処理、シャープネス強調
処理、色、階調、濃度の補正ファイル出力や転送のため
のデータ圧縮処理など、デジタル画像データに対して施
すことができるあらゆる処理が考えられる。
【0047】さらに、本発明の画像形成方法およびシス
テムでは、上記のようにして作成したデジタル画像デー
タを所定の記憶媒体にファイル出力できるようにしてい
る。具体的には、MO、ZIPなどのリムーバブルメデ
ィアにファイル出力して現像を依頼した顧客に受け渡し
たり、写真店などのサーバコンピュータのハードディス
クにデジタル画像データをファイルとして保管してお
き、現像を依頼した顧客からの注文に応じて出力するな
どのサービス形態に対応することができる。
【0048】また、前記デジタル画像データを未使用の
感光部材に記録することにより前記感光部材に記録され
た画像の複写を行えるようにしてもよい。
【0049】また、ファイル出力のみならず、デジタル
画像データをプリント出力する手段も備えることが望ま
しい。この際、プリントを作成するデジタルプリンタ
は、上記現像部と一体のシステムであってもよいし、上
記現像部とは別に存在し、ケーブルあるいは通信回線な
どにより接続されていてもよい。
【0050】デジタルプリンタは、望ましくは非湿式処
理機がよい。ここで「非湿式」とは、最終的に出力され
る受像体上に、その受像体を何らかの処理液中に浸積す
ることなく画像を形成する方式を意味する。なお、処理
液中に浸積するのではなく、少量の処理液を付与するも
のは非湿式に含まれるものとする。
【0051】非湿式処理機の例としては、ドライトナー
を用いた乾式の電子写真方式のデジタルプリンタが挙げ
られる。電子写真方式のデジタルプリンタを用いる場合
には、感光体ドラムに形成されたトナー像を一旦中間転
写体に転写し、該転写されたトナー像を所定の記録媒体
に再転写するものを用いることが望ましい。
【0052】また、インクジェットインクを記録シート
に付着させてプリントを作成するインクジェット方式の
デジタルプリンタも適用可能である。この際、インクジ
ェットの方式としては、発生した熱エネルギーによりイ
ンク滴を吐出するいわゆるバブルジェット方式のもの、
圧電素子に電圧を印加し、該圧電素子のたわみによって
圧力室の容積が縮小してインク滴が吐出するいわゆるピ
エゾ方式のもの、ノズルから連続的に吐出するインク滴
を前記デジタル画像データに応じて荷電偏向させて前記
記録シートに付着させる方式のもの、ヘッドの圧電ロッ
ドから発生する進行波液の圧力によってインク吐出オリ
フィスからインク滴が吐出する方式のものなどを使用す
ることができる。
【0053】この場合インクジェットインクとしては、
水溶性材料を水を含む溶媒に溶解してなるインク、顔料
を水を含む溶媒に分散してなるインク、マイクロカプセ
ル化した色素を含有するインク、常温で固体であり、高
温下で溶解して前記デジタルプリンタから吐出されるイ
ンクなどあらゆるインクを用いることができる。
【0054】さらに記録シートについても、支持体上に
多孔質粒子層を有するもの、支持体上に親水性樹脂を含
む層を有するものなどを使用できる。この際、記録シー
トの支持体は樹脂被覆紙(resin coated paper)からな
ることが望ましい。
【0055】さらに、非湿式処理機の他の例として昇華
型熱転写方式のデジタルプリンタがある。昇華型熱転写
方式のデジタルプリンタは、前記デジタル画像データに
応じて熱移行性色素を含むインクシートを加熱し、前記
色素を所定の受像シートに転写するものが望ましい。
【0056】この際、熱移行性色素としてジエン基を有
するもの、受像シートとしてジエノフィル化合物を含む
ものを使用することが望ましい。これは、反対に熱移行
性色素としてジエノフィル基を有するもの、受像シート
としてジエン化合物を含むものを使用するようにしても
よい。
【0057】あるいは、前記熱移行性色素がキレート化
可能な色素であり、前記受像シートを金属イオン供給化
合物を含むものとしてもよい。さらには、熱移行性色素
が反応性のアミノ基を含み、受像シートがアルキルアク
リルアミドグリコレートアルキルエーテル基を含むポリ
マーを含むようにしてもよい。
【0058】この場合、受像シートの支持体は、ポリエ
チレン被覆紙、あるいは微小ボイド化熱可塑性コア層お
よび実質的にボイド層を含まない熱可塑性表面層を積層
してなるものであることが望ましい。
【0059】なお、非湿式処理機としてはこの他、所定
の熱現像感光材料に画像を記録し、該熱現像感光材料を
受像材と重ねて熱現像転写することにより該受像材上に
画像形成する方式もある。
【0060】なお、上記のように本発明の画像形成方法
およびシステムは非湿式処理のデジタルプリンタを用い
ることによりシステムの扱いを特に容易にすることがで
きるが、必ずしも非湿式処理機に限定されるものではな
く、従来通り湿式現像処理を行ってプリントを作成する
各種プリンタを使用してもよい。
【0061】ここで、再び本発明の画像形成方法および
システムにより実際にサービスを提供する場合について
考えると、上記ファイル出力あるいはプリント出力を行
うためには、ユーザが所望の出力処理を注文することが
できる何らかの手段が必要である。このため、本発明の
方法およびシステムでは、上記出力を所定のユーザイン
タフェースを介して受け付けた注文情報にしたがって行
うようにするのがよい。
【0062】具体的には、前記写真フィルムから読み取
られた全てのデジタル画像データを並べて表示するモニ
タなどの表示手段と、表示されたデジタル画像データの
中から所望のデジタル画像データを選択することができ
るマウス、キーボードなどの選択入力手段、およびそれ
らを制御するソフトウェアをユーザインタフェースとし
て備えることが望ましい。また注文情報により注文され
た出力処理の代金決済を行えるように、コイン入力手
段、精算手段なども備えるのがよい。なお、注文情報に
基づいて出力を行う場合には、注文情報に応じて前記デ
ジタル画像データの出力先を切り替えるようにしておく
のがよい。
【0063】
【発明の効果】本発明の画像形成方法およびシステム
は、写真フィルムを現像して形成された写真画像をデジ
タル化して活用するためのものであり、写真フィルムな
どに用いられる感光部材として露光により記録された画
像が加熱によって形成される感光部材を使用し、その感
光部材と重ね合わせられ該感光部材とともに加熱される
ことにより前記感光部材上に画像を形成する処理部材
を、前記感光部材と重ね合わせて加熱することによって
その感光部材の現像を行うことを特徴としている。
【0064】このため本発明の方法およびシステムによ
れば、大量の処理液を用いて行う現像、漂白、定着処理
などが不要となり、したがって現像液の管理や装置の清
掃に煩わされることがないばかりか、画像形成に要する
時間は従来に比べて大幅に短縮される。
【0065】また、この形成された画像をスキャナによ
り読み取ってデジタル画像データとすれば、デジタルプ
リンタによりプリント出力したり、パソコンなどにデー
タとして取り込むなど、種々の形態での写真画像の活用
が可能となるが、この際、デジタルプリンタとしてイン
クジェット方式あるいはドライトナーを用いた乾式電子
写真方式など湿式処理を必要としない方式のプリンタを
使用すれば、現像処理液に関する専門知識を有しない者
でも簡単にシステムを管理することができる。
【0066】この場合、現像過程においても出力過程に
おいても湿式処理を行わないため、装置を小型化するこ
とができ、また装置の管理が簡単なため、このシステム
を写真店以外の例えばコンビニエンスストアなどにも設
置することができるようになる。さらには、現像液の漏
洩などの心配がないため、システムを防振構造にして、
航空機や船舶、車両などに積載するといった使用方法も
可能になる。これにより、サービス提供者はサービス拠
点の拡大を図ることができ、顧客側としても欲しい写真
を欲しい時に所望の形態で出力できるようになる。
【0067】また、画質の点においても、本発明の画像
形成方法により形成されるカラー画像は従来の銀塩写真
と比肩しうるものであることが確認されている。
【0068】以上のように、本発明の画像形成方法およ
びシステムは、簡単な方法および簡易なシステムにより
高品質・高画質フルカラー画像を広く提供することがで
きるものであり、実用上の効果は極めて大きい。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像形成方法およ
びシステムの好ましい実施の形態について、必要に応じ
て図面を参照して詳細に説明する。
【0070】図1は本発明の画像形成方法の処理の流れ
を示すフローチャートである。本発明の画像形成方法
は、感光性ハロゲン化銀粒子を含有する感光部材を撮影
手段などにより露光して潜像を記録し、この感光部材を
処理部材と重ね合わせて加熱した後に処理部材と剥離
し、この重ね合わせ、加熱、剥離のステップによりこの
感光部材を現像して、現像により感光部材上に形成され
た画像をスキャナにより読み取ってデジタル化し、その
画像データを画像処理してファイル出力やプリント出力
するものである。以下の説明は、大きくは上記方法によ
る処理の流れに沿って、感光部材、露光方法、現像処
理、デジタル画像データの作成、出力処理の順に行うも
のとする。
【0071】また、図2は上記画像形成方法にしたがっ
て処理を行うための画像形成システムの構成を示すブロ
ック図である。この図に示されるように、本発明をシス
テムとして実現する場合には、上記方法の各ステップの
処理を行う現像部、読取部、画像処理部、出力部に加
え、収納体などに収納されている写真フィルムを引き出
すなどして現像可能な状態にするセット部、ユーザに各
種情報を伝えたり、ユーザからの注文情報入力を受付す
るためのユーザインタフェース部、処理過程において排
出された処理済部材の集積などを行う廃材処理部などを
備えた形態とすることが望ましい。したがって、以下の
説明においてはそのような手段についても説明するもの
とする。
【0072】(1)感光部材 はじめに、本発明の方法およびシステムに使用する感光
部材として好ましい部材の例を3種類示す。但し、以下
に示す部材は単なる例に過ぎず、本発明はこれに制限さ
れるものではない。なお、これらの感光部材は漂白、定
着処理を行わずに現像できることを特徴とするものであ
るため、説明にあたっては感光部材自体の説明に加え、
その現像処理および現像処理に使用する処理部材につい
ても説明する。
【0073】(1−1)第1の感光部材 以下に説明する熱現像感光部材は、支持体上に、少なく
とも感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、および銀現
像に対応または逆対応して拡散性色素を放出する非拡散
性色材を含み、その感光波長領域が互いに異なり、前記
色材の現像処理後における色相も互いに異なる少なくと
も3種の感光層を有する感光部材である。
【0074】上記3種の感光層は好ましくは青色光、緑
色光、および赤色光のいずれかに感光する層である。こ
の配列順は、一般的には支持体側から順に赤色感光性
層、緑色感光性層、青色感光性層の順である。ただし、
目的に応じ、これとは別の配列をとってもよい。例えば
特開平7−152129号公報の162欄に記載されて
いるような配列でもよい。それぞれの感光層は、実質的
に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン
化銀乳剤層に分けられていてもよい。
【0075】各層の分光感度および色材から形成ないし
放出される拡散性色素の色相の関係は任意であるが、赤
色感光性層にシアン色材、緑色感光性層にマゼンタ色
材、青色感光性層にイエロー色材を用いると、従来のカ
ラーペーパーなどへの画像書き込みが容易である。
【0076】上記のハロゲン化銀乳剤層に加えて保護
層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレ
ーション層などの各種の非感光性層を設けても良く、支
持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設ける
ことができる。また、磁気記録層を付与してもよい。
【0077】熱現像感光部材に使用できるハロゲン化銀
乳剤には特別な制限はなく、塩化銀、沃塩化銀、塩臭化
銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀、臭化銀の何れでもよい。沃
化銀含有率は、10モル%以下が好ましいが、より好ま
しくは1モル%以下である。さらに好ましくは、0.5
モル%以下である。ハロゲン化銀乳剤は、表面潜像型で
あっても、内部潜像型であってもよい。内部潜像型乳剤
は、造核剤や光カブラセとを組み合わせて直接反転乳剤
として使用される。また、粒子内部と粒子表面で異なる
ハロゲン組成を持っている多重構造粒子であってもよ
い。また、エピタキシャル接合によって組成の異なるハ
ロゲン化銀乳剤が接合されていてもよい。ハロゲン化銀
粒子の形状は、双晶面を含まない正常晶、双晶面を1つ
含む一重双晶、平行な双晶面を2つ以上含む平行多重双
晶、非平行な双晶面を2つ以上含む非平行多重双晶、球
状、じゃがいも状、高アスペクト比の平板状およびそれ
らの複合系から目的に応じて使用できる。双晶粒子の形
状については、日本写真学会編、写真工業の基礎−銀塩
写真編(コロナ社)、第163頁に記載されている。ハ
ロゲン化銀粒子の平均粒径は0.05μm以下の微粒子
から、投影面積直径が10μmを越える大サイズ粒子ま
でどのようなサイズでもよい。好ましくは、0.1〜2
μmで、特に0.1〜0.9μmが好ましい。
【0078】狭い粒子サイズ分布を有する単分散乳剤を
用いてもよいし、多分散乳剤を用いてもよい。単分散乳
剤は、例えば、粒子数あるいは重量で平均粒子サイズの
±30%以内に全粒子の80%以上が入るような粒子サ
イズ分布を有するハロゲン化銀乳剤である。また、特開
平1−167743号公報、同4−223463号公報
のように、階調の調整を目的として、実質的に同一の感
色性を有し粒子サイズの異なる2種以上の単分散ハロゲ
ン化銀乳剤を併用してもよい。2種以上の乳剤は、同一
層に混合してもよいし、別々の層を構成してもよい。2
種類以上の多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤
と多分散乳剤との組み合わせを使用することもできる。
ハロゲン化銀乳剤の調製方法は、グラフキデ著「写真の
物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chi
mie et Physique PhotographiquePaul Montel, 196
7)ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社
刊(G. F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry.
Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤
の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikm
an et al. Making and Coating Photographic Emulsio
n. Focal Press,1964)に記載がある。
【0079】ハロゲン化銀の粒子形成または物理熟成の
過程において、金属塩(錯塩を含む)も共存させてもよ
い。金属塩の例としては、カドミウム、亜鉛、鉛、タリ
ウム、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム、ロ
ジウム、クロム、ルテニウム、レニウムなどの貴金属ま
たは重金属の塩あるいは錯塩を挙げることができる。こ
れらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上組
み合わせて用いてもよい。添加量はハロゲン化銀1モル
あたり、10-9〜10-3モル程度である。
【0080】ハロゲン化銀乳剤は、未化学増感のままで
使用できるが、通常、化学増感して使用される。この化
学増感法には、硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感
法などのカルコゲン増感法、金、白金、パラジウムなど
を用いる貴金属増感および還元増感法などを単独または
組み合わせて用いることができる(例えば、特開平3−
110555号公報、特開平5−241267号公報な
ど)。これらの化学増感を含窒素複素環化合物の存在下
で行うことができる(特開昭62−253159号公
報)。また、後述するカブリ防止剤を化学増感終了後に
添加することができる。具体的には、特開平5−458
33号公報、特開昭62−40446号公報記載の方法
を用いることができる。
【0081】また、銀現像に対応または逆対応して拡散
性色素を放出する非拡散性色材を使用する。この化合物
は次の一般式〔L1〕で表わすことができる。
【0082】 ((Dye)m −Y)n −Z 〔L1〕 Dyeは拡散性の色素基を表し、Yは単なる連結基を表
し、Zは画像状に潜像を有する感光性銀塩に対応または
逆対応して拡散性の(Dye)m −Yを放出し、かつL
1自体は非拡散性となるような性質を有する基を表し、
mは1〜5の整数を表し、nは1または2を表し、m、
nが共に1でない時、複数のDyeは同一でも異なって
いてもよい。
【0083】一般式〔L1〕で表される色材の具体例と
しては下記の(A)〜(D)の化合物を挙げることがで
きる。尚、下記の(A)〜(C)はハロゲン化銀の現像
に逆対応して拡散性色素を放出するものであり、(D)
はハロゲン化銀の現像に対応して拡散性色素を放出する
ものである。
【0084】(A)米国特許第3134764号、同3
362819号、同3597200号、同354454
5号、同3482972号、特公平3−68387号公
報などに記載されている、ハイドロキノン系現像薬と色
素成分を連結した色素現像薬が挙げられる。この色素現
像薬はアルカリ性の環境下で拡散性であるが、ハロゲン
化銀と反応すると非拡散性になるものである。
【0085】(B)米国特許第4503137号などに
記されている通り、アルカリ性の環境下で拡散性色素を
放出するがハロゲン化銀と反応するとその能力を失う非
拡散性の化合物も使用できる。その例としては、米国特
許第3980479号などに記載された分子内求核置換
反応により拡散性色素を放出する化合物、米国特許第4
199354号などに記載されたイソオキサゾロン環の
分子内巻き換え反応により拡散性色素を放出する化合物
が挙げられる。
【0086】(C)米国特許第4559290号、欧州
特許公開第220746号、米国特許第4783396
号、公開技報87−6199号、特開昭64−1354
6号公報などに記されている通り、現像によって酸化さ
れずに残った還元剤と反応して拡散性色素を放出する非
拡散性の化合物も使用できる。
【0087】その例としては、米国特許第413938
9号、同4139379号、特開昭59−185333
号公報、同57−84453号公報などに記載されてい
る還元された後に分子内の求核置換反応により拡散性の
色素を放出する化合物、米国特許第4232107号、
特開昭59−101649号公報、同61−88257
号公報、リサーチ・ディスクロージャー24025号
(1984年)などに記載された還元された後に分子内
の電子移動反応により拡散性の色素を放出する化合物、
西独特許第3008588号、特開昭56−14253
0号公報、米国特許第4343893号、同46198
84号などに記載されている還元後に一重結合が開裂し
て拡散性の色素を放出する化合物、米国特許第4450
223号などに記載されている電子受容後に拡散性色素
を放出するニトロ化合物、米国特許第4609610号
などに記載されている電子受容後に拡散性色素を放出す
る化合物などが挙げられる。
【0088】また、より好ましいものとして、欧州特許
公開第220746号、公開技報87−6199号、米
国特許第4783396号、特開昭63−201653
号公報、同63−201654号公報、同64−135
46号公報などに記載された一分子内にN−X結合(X
は酸素、硫黄または窒素原子を表す)と電子吸引性基を
有する化合物、特開平1−26842号公報に記載され
た一分子内にSO2−X(Xは上記と同義)と電子吸引
性基を有する化合物、特開昭63−271344号公報
に記載された一分子内にPO−X結合(Xは上記と同
義)と電子吸引性基を有する化合物、特開昭63−27
1341号公報に記載された一分子内にC−X′結合
(X′はXと同義か又は−SO2−を表す)と電子吸引
性基を有する化合物が挙げられる。また、特開平1−1
61237号公報、同1−161342号公報に記載さ
れている電子受容性基と共役するπ結合により還元後に
一重結合が開裂し拡散性色素を放出する化合物も利用で
きる。
【0089】この中でも特に一分子内にN−X結合(こ
こでXは酸素、硫黄又は窒素である)と電子吸引性基を
有する化合物が好ましい。その具体例は欧州特許公開第
220746号または米国特許第4783396号に記
載された化合物(1) 〜(3) 、(7) 〜(10)、(12)、(13)、
(15)、(23)〜(26)、(31)、(32)、(35)、(36)、(40)、(4
1)、(44)、(53)〜(59)、(64)、(70)、公開技報87−
6,199に記載された化合物(11)〜(23)、特開昭64
−13546号公報に記載された化合物(1) 〜(84)など
である。
【0090】(D)ハロゲン化銀または有機銀塩に対し
て還元性であり、相手を還元すると拡散性の色素を放出
する化合物(DRR化合物)も使用できる。この化合物
は他の還元剤を用いなくてもよいので、還元剤の酸化分
解物による画像の汚染という問題がなく好ましい。その
代表例は、米国特許第3928312号、同40533
12号、同4055428号、同4336322号、特
開昭59−65839号公報、同59−69839号公
報、同53−3819号公報、同51−104343号
公報、リサーチ・ディスクロージャー17465号、米
国特許第3725062号、同3728113号、同3
443939号、特開昭58−116537号公報、同
57−179840号公報、米国特許第4500626
号などに記載されている。DRR化合物の具体例として
は前述の米国特許第4500626号の第22欄〜第4
4欄に記載の化合物を挙げることができるが、なかでも
前記米国特許に記載の化合物(1) 〜(3) 、(10)〜(13)、
(16)〜(19)、(28)〜(30)、(33)〜(35)、(38)〜(40)、(4
2)〜(64)が好ましい。また米国特許第4639408号
第37〜39欄に記載の化合物も有用である。
【0091】熱現像感光部材には還元剤を内蔵させるこ
とが好ましい。その場合、用いられる還元剤としては熱
現像感光部材の分野で知られているものを用いることが
できる。また、色材が還元剤を兼ねてもよい。また、そ
れ自身は還元性を持たないが現像過程で求核試薬や熱の
作用により還元性を発現する還元剤プレカーサーも用い
ることができる。ここで用いられる還元剤の例として
は、米国特許第4500626号の第49〜50欄、同
4839272号、同4330617号、同45901
52号、同5017454号、同5139919号、特
開昭60−140335号公報の第(17)〜(18)頁、同5
7−40245号公報、同56−138736号公報、
同59−178458号公報、同59−53831号公
報、同59−182449号公報、同59−18245
0号公報、同60−119555号公報、同60−12
8436号公報、同60−128439号公報、同60
−198540号公報、同60−181742号公報、
同61−259253号公報、同62−244044号
公報、同62−131253号公報、同62−1312
56号公報、同64−13546号公報の第(40)〜(57)
頁、特開平1−120553号公報、欧州特許公開第2
20746号の第78〜96頁などに記載の還元剤や還
元剤プレカーサーがある。米国特許第3039869号
に開示されているもののような種々の還元剤の組合せも
用いることができる。
【0092】耐拡散性の還元剤を使用する場合には、耐
拡散性還元剤と現像可能なハロゲン化銀との間の電子移
動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤および/
または電子伝達剤プレカーサーを組合せて用いることが
できる。特に好ましくは、前記米国特許第513991
9号、欧州特許公開第418743号記載のものが用い
られる。また特開平2−230143号公報、同2−2
35044号公報記載のように安定に層中に導入する方
法が好ましく用いられる。
【0093】電子伝達剤またはそのプレカーサーは、前
記した還元剤またはそのプレカーサーの中から選ぶこと
ができる。電子伝達剤またはそのプレカーサーはその移
動性が耐拡散性の還元剤(電子供与体)より大きいこと
が望ましい。特に有用な電子伝達剤は1−フェニル−3
−ピラゾリドン類又はアミノフェノール類である。
【0094】電子伝達剤と組合せて用いる耐拡散性の還
元剤(電子供与体)としては、前記した還元剤の中で感
光部材の層中で実質的に移動しないものであればよく、
好ましくはハイドロキノン類、スルホンアミドフェノー
ル類、スルホンアミドナフトール類、特開昭53−11
0827号公報、米国特許第5032487号、同50
26634号、同4839272号に電子供与体として
記載されている化合物および後述する耐拡散性で還元性
を有する色素供与性化合物などが挙げられる。
【0095】また特開平3−160443号公報記載の
ような電子供与体プレカーサーも好ましく用いられる。
【0096】さらに中間層や保護層に混色防止、色再現
改善など種々の目的で上記還元剤を用いることができ
る。具体的には、欧州特許公開第524649号、同3
57040号、特開平4−249245号公報、同2−
46450号公報、特開昭63−186240号公報記
載の還元剤が好ましく用いられる。また特公平3−63
733号公報、特開平1−150135号公報、同2−
46450号公報、同2−64634号公報、同3−4
3735号公報、欧州特許公開第451833号記載の
ような現像抑制剤放出還元剤化合物も用いられる。
【0097】感光性ハロゲン化銀と共に、有機金属塩を
酸化剤として併用することもできる。このような有機金
属塩の中で、有機銀塩は、特に好ましく用いられる。上
記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有機化合
物としては、米国特許第4500626号第52〜53
欄などに記載のベンゾトリアゾール類、脂肪酸その他の
化合物がある。また米国特許第4775613号記載の
アセチレン銀も有用である。有機銀塩は、2種以上を併
用してもよい。以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀
1モルあたり0.01〜10モル、好ましくは0.01
〜1モルを併用することができる。感光性ハロゲン化銀
と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で0.05〜10g/
m2、好ましくは0.1〜4g/m2が適当である。
【0098】感光部材の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前記のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−135
46号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げら
れる。具体的には、透明か半透明の親水性バインダーが
好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体などの蛋白
質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキ
ストラン、プルランなどの多糖類のような天然化合物と
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリ
ルアミド重合体などの合成高分子化合物が挙げられる。
また、米国特許第4960681号、特開昭62−24
5260号公報などに記載の高吸水性ポリマー、すなわ
ち−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子またはア
ルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体また
はこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマー
との共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタク
リル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL
−5H)も使用される。これらのバインダーは2種以上
組み合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上記
バインダーの組み合わせが好ましい、またゼラチンは、
種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチ
ン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼ
ラチンから選択すれば良く、組み合わせて用いる事も好
ましい。
【0099】バインダーの塗布量は1m2あたり20g以
下が好ましく、特に10g以下にするのが適当である。
【0100】熱現像感光部材には銀現像および色素形成
反応を促進する目的で塩基又は塩基プレカーサーを用い
ることが好ましい。塩基プレカーサーとしては、熱によ
り脱炭酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、
ロッセン転移またはベックマン転移によりアミン類を放
出する化合物などがある。その具体例は、米国特許第4
514493号、同4657848号および公知技術第
5号(1991年3月22日、アズテック有限会社発
行)の55頁から86頁などに記載されている。また、
後述する欧州特許公開第210660号、米国特許第4
740445号に記載されているような、水に難溶な塩
基性金属化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する
金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物
(錯形成化合物という)の組合せで塩基を発生させる方
法でもよい。
【0101】熱現像感光部材には、熱現像を促進する目
的で熱溶剤を添加してもよい。その例としては、米国特
許第3347675号および同第3667959号に記
載されているような極性を有する有機化合物が挙げられ
る。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミドなど)、尿
素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素など)、スルホン
アミド誘導体(特公平1−40974号公報および特公
平4−13701号公報に記載されている化合物な
ど)、ポリオール化合物(ソルビトール等)、およびポ
リエチレングリコール類が挙げられる。熱溶剤が水不溶
性の場合は、固体分散物として用いることが好ましい。
添加する層は目的に応じ、感光層、非感光性層のいずれ
でもよい。
【0102】熱現像感光部材の支持体としては、処理温
度に耐えることのできるものが用いられる。一般的に
は、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編
−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223) 〜(240)
頁記載の紙、合成高分子(フィルム)などの写真用支持
体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
イミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロー
ス)などが挙げられる。これらは、単独で用いることも
できるし、ポリエチレンなどの合成高分子で片面または
両面をラミネートされた支持体として用いることもでき
る。この他に、特開昭62−253159号公報(29)〜
(31)頁、特開平1−161236号公報(14)〜(17)頁、
特開昭63−316848号公報、特開平2−2265
1号公報、同3−56955号公報、米国特許第500
1033号などに記載の支持体を用いることができる。
【0103】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光部材用の支持体として特開平6−41281号
公報、同6−43581号公報、同6−51426号公
報、同6−51437号公報、同6−51442号公
報、同6−82926号公報、同6−82960号公
報、同6−123937号公報、同6−266050号
公報、同6−82959号公報、同6−67346号公
報、同6−266050号公報、同6−202277号
公報、同6−175282号公報、同6−118561
号公報、同7−219129号公報、同7−21914
4号公報に記載の支持体が好ましく用いることができ
る。また、主としてシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体である支持体も好ましく用いることがで
きる。
【0104】熱現像感光部材に使用できる公知の写真用
添加剤は、リサーチ・ディスクロージャー誌(RD)N
o.17643、同No.18716および同No.30710
5に記載されており、その該当箇所を下記の表にまとめ
る。
【0105】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5.カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6.光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 12.スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 13.マット剤 878〜879頁 次に上記熱現像感光部材の現像処理に使用する処理部材
について説明する。処理部材は、熱現像時に熱現像感光
部材から拡散してくる色素を捕捉するための媒染剤を含
む層(処理層)を有するものである。処理層は、感光部
材とは別々の支持体上に別個に塗設される形態であって
も、感光部材と同一の支持体上に塗設される形態であっ
てもよいが、好ましくは別の支持体上に設けられる。媒
染剤は写真分野で公知のものを用いることができ、その
具体例としては米国特許第4500626号第58〜5
9欄や特開昭61−88256号公報32〜41頁に記
載の媒染剤、特開昭62−244043号公報、同62
−244036号公報などに記載のものを挙げることが
できる。また、米国特許第4463079号に記載され
ているような色素受容性の高分子化合物を用いてもよ
い。処理層のバインダーとしては、感光部材に用いられ
るものと同じものを用いることができる。また、処理層
の上には保護層を設けるのが有用である。
【0106】処理部材の処理層には、現像に必要な塩基
又は塩基プレカーサーを含有させることができる。例え
ば、前記した水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩
基性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成化合物の
組合せで塩基を発生させる方法を採用する場合には、水
に難溶な塩基性金属化合物を熱現像感光部材の構成層に
添加しておき、錯形成化合物を処理部材の処理層に添加
しておき、熱現像時に感光部材もしくは処理部材に少量
の水を供給して両者を重ね合わせることによって塩基を
発生させることができる。また、処理部材の処理層には
現像促進や不要物質の除去促進の目的で熱溶剤を含有さ
せることができる。
【0107】次に熱現像工程について説明する。この熱
現像感光部材では、露光された熱現像感光部材の感光層
面と処理部材を重ね合わせ加熱することによって露光さ
れたハロゲン化銀が現像され、この現像に対応又は逆対
応して拡散性の色素が放出され、この拡散性色素が処理
部材に移動し固定されることによって、熱現像感光部材
上に残存色材によるカラー画像が形成される。熱現像工
程の加熱温度は、約50℃から250℃であるが、特に
60℃から150℃が有用である。
【0108】熱現像工程においては、現像促進あるい
は、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促進の目的
で、少量の溶媒を用いてもよい。具体的には、米国特許
第4704245号、同4470445号、特開昭61
−238056号公報などに記載されている。溶媒の例
としは、水、無機のアルカリ金属塩や有機の塩基を含む
塩基性の水溶液、低沸点溶媒または低沸点溶媒と水もし
くは前記塩基性水溶液との混合溶液が挙げられる。また
界面活性剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形成化
合物、防黴剤、防菌剤を溶媒中に含ませてもよい。溶媒
の使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒の重
量以下でよい。この方式においては、加熱温度は、用い
る溶媒の沸点以下が好ましい。例えば溶媒が水の場合
は、50℃〜100℃が好ましい。
【0109】熱現像工程で用いられる溶媒としては、水
が好ましく用いられるが、水としては一般に用いられる
水であれば何を用いてもよい。具体的には蒸留水、水道
水、井戸水、ミネラルウォーターなどを用いることがで
きる。水は使い切りで使用してもよいし、循環し繰り返
し使用してもよい。水は熱現像感光部材、処理部材また
はその両者に付与する。水を付与する方法としては、例
えば特開昭62−253159号公報(5) 頁、特開昭6
3−85544号公報などに記載の方法が好ましく用い
られる。また、溶媒をマイクロカプセルに閉じ込めた
り、水和物の形で予め感光部材もしくは処理部材または
その両者に内蔵させて用いることもできる。付与する水
の温度は前記特開昭63−85544号公報などに記載
のように30℃〜60℃であればよい。
【0110】溶媒として水を使い熱現像を行う場合、欧
州特許公開第210660号、米国特許第474044
5号に記載されているように、水に難溶な塩基性金属化
合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イオン
と水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化合
物という)の組合せで塩基を発生させる方法を採用する
のが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金属化
合物は感光部材に、錯形成化合物は処理部材に添加する
のが、生保存性の点で望ましい。
【0111】(1−2)第2の感光部材 次に説明する熱現像感光部材は、支持体上に、少なくと
も感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、発色現像主
薬、および色素供与性カプラーを含み、その感光波長領
域が互いに異なり、前記発色現像主薬の酸化体および前
記色素供与性カプラーから形成される色素の色相も互い
に異なる少なくとも3種の感光層を有するものである。
また、前記色素供与性カプラーと反応して色素を形成し
うる現像主薬を感光部材に内蔵させることが好ましい。
【0112】上記3種の感光層は好ましくは青色光、緑
色光、および赤色光のいずれかに感光する層である。こ
の配列順は、一般的には支持体側から順に赤色感光性
層、緑色感光性層、青色感光性層の順である。ただし、
目的に応じ、これとは別の配列をとってもよい。例えば
特開平7−152129号公報の162欄に記載されて
いるような配列でもよい。それぞれの感光層は、実質的
に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン
化銀乳剤層に分けられていてもよい。
【0113】各層の分光感度およびカプラーの色相の関
係は任意であるが、赤色感光性層にシアンカプラー、緑
色感光性層にマゼンタカプラー、青色感光性層にイエロ
ーカプラーを用いると、従来のカラーペーパーなどへの
画像書き込みが容易である。
【0114】上記のハロゲン化銀乳剤層に加えて保護
層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレ
ーション層などの各種の非感光性層を設けても良く、支
持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設ける
ことができる。また、磁気記録層を付与してもよい。
【0115】ここで使用できるカプラーは4当量カプラ
ーでも、2当量カプラーでもよい。また、耐拡散性基が
ポリマー鎖をなしていてもよい。カプラーの具体例は、
T.H.James 「The Theory of the Photographic Proces
s」第4版291〜334頁、および354〜361
頁、特開昭58−123533号公報、同58−149
046号公報、同58−149047号公報、同59−
111148号公報、同59−124399号公報、同
59−174835号公報、同59−231539号公
報、同59−231540号公報、同60−2950号
公報、同60−2951号公報、同60−14242号
公報、同60−23474号公報、同60−66249
号公報、同8−110608号公報、同8−14655
2号公報、同8−146578号公報などに詳しく記載
されている。
【0116】この感光部材では、現像時間の短縮、感度
の向上、画像濃度の向上などの目的で、銀現像によって
生成した酸化体が前述のカプラーとカップリングして色
素を生成する事の出来る発色現像主薬を内蔵する態様が
好ましい。
【0117】例えば、米国特許第3531256号の、
p−フェニレンジアミン類現像主薬とフェノールまたは
活性メチレンカプラー、同第3761270号の、p−
アミノフェノール系現像主薬と活性メチレンカプラーの
組合せを使用することが出来る。米国特許第40212
40号、特開昭60−128438号公報などに記載さ
れているようなスルホンアミドフェノールと4当量カプ
ラーの組合せは、感光部材に内蔵する場合、生保存性に
優れており、好ましい組合せである。発色現像主薬を内
蔵する場合は、発色現像主薬のプレカーサーを用いても
よい。例えば、米国特許第3342597号記載のイン
ドアニリン系化合物、米国特許第3342599号、リ
サーチ・ディスクロージャーNo.14850および同No.
15159に記載のシッフ塩基型化合物、同No.139
24記載のアルドール化合物、米国特許第371949
2号記載の金属塩錯体、特開昭53−135628号公
報記載のウレタン系化合物を挙げることができる。ま
た、特願平7−180568号に記載のスルホンアミド
フェノール系主薬、特願平7−49287号、同7−6
3572号に記載のヒドラジン系主薬とカプラーの組合
せも、この感光部材に使用するのに好ましい。
【0118】ハロゲン化銀粒子と色素供与性カプラーお
よび現像主薬は同一層に含まれていてもよいが、反応可
能な状態であれば別層に分割して添加することもでき
る。例えば現像主薬を含む層とハロゲン化銀粒子を含む
層とを別層にすると感材の生保存性の向上がはかれる。
【0119】感光性ハロゲン化銀粒子と共に、有機金属
塩を酸化剤として併用することもできる。このような有
機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好ましく用いられ
る。上記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有
機化合物としては、米国特許第4500626号第52
〜53欄などに記載のベンゾトリアゾール類、脂肪酸そ
の他の化合物がある。また米国特許第4775613号
記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は、2種以
上を併用してもよい。以上の有機銀塩は、感光性ハロゲ
ン化銀1モルあたり0.01〜10モル、好ましくは
0.01〜1モルを併用することができる。感光性ハロ
ゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で0.05〜
20g/m2、好ましくは0.1〜10g/m2が適当であ
る。
【0120】感光部材の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前記のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−135
46号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げら
れる。具体的には、透明か半透明の親水性バインダーが
好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体などの蛋白
質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキ
ストラン、プルランなどの多糖類のような天然化合物と
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリ
ルアミド重合体などの合成高分子化合物が挙げられる。
また、米国特許第4960681号、特開昭62−24
5260号公報などに記載の高吸水性ポリマー、すなわ
ち−COOMまたは−SO3M(Mは水素原子またはア
ルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体また
はこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマー
との共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタク
リル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL
−5H)も使用される。これらのバインダーは2種以上
組み合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上記
バインダーの組み合わせが好ましい、またゼラチンは、
種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチ
ン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼ
ラチンから選択すれば良く、組み合わせて用いる事も好
ましい。
【0121】バインダーの塗布量は1m2あたり20g以
下が好ましく、特に10g以下にするのが適当である。
【0122】耐拡散性の現像主薬を使用する場合には、
耐拡散性現像主薬と現像可能なハロゲン化銀との間の電
子移動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤およ
び/または電子伝達剤プレカーサーを組合せて用いるこ
とができる。特に好ましくは、米国特許第513991
9号、欧州特許公開第418743号記載のものが用い
られる。また特開平2−230143号公報、同2−2
35044号公報記載のように安定に層中に導入する方
法が好ましく用いられる。電子伝達剤またはそのプレカ
ーサーは、前記した現像主薬またはそのプレカーサーの
中から選ぶことができる。電子伝達剤またはそのプレカ
ーサーはその移動性が耐拡散性の現像主薬(電子供与
体)より大きいことが望ましい。特に有用な電子伝達剤
は1−フェニル−3−ピラゾリドン類又はアミノフェノ
ール類である。また特開平3−160443号公報記載
のような電子供与体プレカーサーも好ましく用いられ
る。
【0123】さらに中間層や保護層に混色防止、色再現
改善など種々の目的で種々の還元剤を用いることができ
る。具体的には、欧州特許公開第524649号、同3
57040号、特開平4−249245号公報、同2−
46450号公報、特開昭63−186240号公報記
載の還元剤が好ましく用いられる。また特公平3−63
733号公報、特開平1−150135号公報、同2−
46450号公報、同2−64634号公報、同3−4
3735号公報、欧州特許公開第451833号記載の
ような現像抑制剤放出還元剤化合物も用いられる。
【0124】熱現像感光部材には銀現像および色素形成
反応を促進する目的で塩基又は塩基プレカーサーを用い
ることが好ましい。塩基プレカーサーとしては、熱によ
り脱炭酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、
ロッセン転移またはベックマン転移によりアミン類を放
出する化合物などがある。その具体例は、米国特許第4
514493号、同4657848号および公知技術第
5号(1991年3月22日、アズテック有限会社発
行)の55頁から86頁などに記載されている。また、
後述する欧州特許公開第210660号、米国特許第4
740445号に記載されているような、水に難溶な塩
基性金属化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する
金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物
(錯形成化合物という)の組合せで塩基を発生させる方
法でもよい。
【0125】熱現像感光部材には、熱現像を促進する目
的で熱溶剤を添加してもよい。その例としては、米国特
許第3347675号および同第3667959号に記
載されているような極性を有する有機化合物が挙げられ
る。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミドなど)、尿
素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素など)、スルホン
アミド誘導体(特公平1−40974号公報および特公
平4−13701号公報に記載されている化合物な
ど)、ポリオール化合物(ソルビトール等)、およびポ
リエチレングリコール類が挙げられる。熱溶剤が水不溶
性の場合は、固体分散物として用いることが好ましい。
添加する層は目的に応じ、感光層、非感光性層のいずれ
でもよい。
【0126】熱現像感光部材の支持体としては、処理温
度に耐えることのできるものが用いられる。一般的に
は、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編
−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223) 〜(240)
頁記載の紙、合成高分子(フィルム)などの写真用支持
体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
イミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロー
ス)などが挙げられる。これらは、単独で用いることも
できるし、ポリエチレンなどの合成高分子で片面または
両面をラミネートされた支持体として用いることもでき
る。この他に、特開昭62−253159号公報(29)〜
(31)頁、特開平1−161236号公報(14)〜(17)頁、
特開昭63−316848号公報、特開平2−2265
1号公報、同3−56955号公報、米国特許第500
1033号などに記載の支持体を用いることができる。
【0127】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光部材用の支持体として特開平6−41281号
公報、同6−43581号公報、同6−51426号公
報、同6−51437号公報、同6−51442号公
報、同6−82926号公報、同6−82960号公
報、同6−123937号公報、同6−266050号
公報、同6−82959号公報、同6−67346号公
報、同6−202277号公報、同6−175282号
公報、同6−118561号公報、同7−219129
号公報、同7−219144号公報に記載の支持体が好
ましく用いることができる。また、主としてシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体である支持体も
好ましく用いることができる。
【0128】熱現像感光部材に使用できる公知の写真用
添加剤は、リサーチ・ディスクロージャー誌(RD)N
o.17643、同No.18716および同No.30710
5に記載されており、その該当箇所を下記の表にまとめ
る。
【0129】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5.カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6.光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 12.スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 13.マット剤 878〜879頁 次に上述の感光部材の現像処理に使用する処理部材につ
いて説明する。処理部材は熱現像工程において、加熱現
像時に空気を遮断したり、感材からの素材の揮散を防止
したり、処理用の素材を感光部材に供給したり、現像後
に不要になる感光部材中の素材(イエローフィルター染
料、アンチハレーション染料など)あるいは現像時に生
成する不要成分を除去したりするために、感光部材とは
別の支持体上に処理層を設けたものであり、熱現像処理
時に感光部材の感光層面に重ねて加熱して用いられる。
処理部材の支持体とバインダーには、感光部材と同様の
ものを用いることが出来る。
【0130】処理部材の処理層には、前述の染料の除去
その他の目的で、媒染剤を添加してもよい。媒染剤は写
真分野で公知のものを用いることが出来、米国特許第4
500626号第58〜59欄や、特開昭61−882
56号公報32〜41頁、特開昭62−244043号
公報、特開昭62−244036号公報などに記載の媒
染剤を挙げることが出来る。また、米国特許第4463
079号記載の色素受容性の高分子化合物を用いてもよ
い。
【0131】処理部材の処理層には、現像に必要な塩基
又は塩基プレカーサーを含有させることができる。例え
ば、前記した水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩
基性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成化合物の
組合せで塩基を発生させる方法を採用する場合には、水
に難溶な塩基性金属化合物を熱現像感光部材の構成層に
添加しておき、錯形成化合物を処理部材の処理層に添加
しておき、熱現像時に感光部材もしくは処理部材に少量
の水を供給して両者を重ね合わせることによって塩基を
発生させることができる。また、処理部材の処理層には
現像促進や不要物質の除去促進の目的で熱溶剤を含有さ
せることができる。
【0132】次に熱現像工程について説明する。この感
光部材では、露光された熱現像感光部材の感光層面と処
理部材を重ね合わせ加熱することによって露光されたハ
ロゲン化銀が現像され、生成した現像主薬の酸化体と色
素供与性カプラーが発色反応を行い該感光部材上にカラ
ー画像が形成される。熱現像工程の加熱温度は、約50
℃から250℃であるが、特に60℃から150℃が有
用である。
【0133】熱現像工程においては、現像促進あるい
は、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促進の目的
で、少量の溶媒を用いてもよい。具体的には、米国特許
第4704245号、同4470445号、特開昭61
−238056号公報などに記載されている。溶媒の例
としは、水、無機のアルカリ金属塩や有機の塩基を含む
塩基性の水溶液、低沸点溶媒または低沸点溶媒と水もし
くは前記塩基性水溶液との混合溶液が挙げられる。また
界面活性剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形成化
合物、防黴剤、防菌剤を溶媒中に含ませてもよい。溶媒
の使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒の重
量以下でよい。この方式においては、加熱温度は、用い
る溶媒の沸点以下が好ましい。例えば溶媒が水の場合
は、50℃〜100℃が好ましい。
【0134】熱現像工程で用いられる溶媒としては、水
が好ましく用いられるが、水としては一般に用いられる
水であれば何を用いてもよい。具体的には蒸留水、水道
水、井戸水、ミネラルウォーターなどを用いることがで
きる。水は使い切りで使用してもよいし、循環し繰り返
し使用してもよい。水は熱現像感光部材、処理部材また
はその両者に付与する。水を付与する方法としては、例
えば特開昭62−253159号公報(5) 頁、特開昭6
3−85544号公報などに記載の方法が好ましく用い
られる。また、溶媒をマイクロカプセルに閉じ込めた
り、水和物の形で予め感光部材もしくは処理部材または
その両者に内蔵させて用いることもできる。付与する水
の温度は前記特開昭63−85544号公報などに記載
のように30℃〜60℃であればよい。
【0135】溶媒として水を使い熱現像を行う場合、欧
州特許公開第210660号、米国特許第474044
5号に記載されているように、水に難溶な塩基性金属化
合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イオン
と水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化合
物という)の組合せで塩基を発生させる方法を採用する
のが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金属化
合物は感光部材に、錯形成化合物は処理部材に添加する
のが、生保存性の点で望ましい。
【0136】(1−3)第3の感光部材 次に本発明の方法およびシステムに使用される感光部材
として望ましいさらに他の例を示すとともに、その現像
処理について説明する。以下に説明する例は、塩基が存
在しない場合に安定性が極めて高い発色現像主薬とカプ
ラーを含む感光部材であるが、これはそのような感光部
材と、塩基および/または塩基プレカーサーを含む処理
部材を用い、少量の水の存在下で加熱現像し、感光部材
上に非拡散性色素に基づく画像を形成した場合、粒状や
シャープネスに優れた画像が得られ、この画像情報に基
づいてカラーペーパーや熱現像カラープリント材料など
の別の記録材料上に出力した場合、非常に良好なカラー
画像が得られることの発見に基づくものである。現像ま
で感光部材と塩基が隔離されているので、撮影用材料に
要求される高い保存安定性を満たしつつ、迅速な現像処
理が可能である。
【0137】また、色素放出型化合物を用いる場合にく
らべ、無色の発色現像主薬とカプラーを用いた場合、撮
影用材料として極めて重要な感度の点で有利である。
【0138】この感光部材に使用し得るハロゲン化銀
は、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化銀、
沃塩臭化銀のいずれでもよい。ハロゲン化銀粒子の大き
さは、同体積の球の直径で換算して0.1〜2μm、特
に0.2〜1.5μmが好ましい。
【0139】ハロゲン化銀粒子の形状は立方体、八面体
あるいは14面体のような正常晶よりなる形状を有する
もの、六角や矩形の平板状の形状を有するものを使用で
きるが、この中でもアスペクト比2以上、好ましくは8
以上、更に好ましくは20以上の平板状粒子が好まし
く、このような平板状粒子で全粒子の投影面積の50%
以上、好ましくは80%以上、さらには90%以上を占
める乳剤を用いることが好ましい。
【0140】また、米国特許第5494789号、同5
503970号、同5503971号、同553663
2号などに記載されている粒子厚み0.07μより薄
い、さらに高アスペクト比の粒子も好ましく用いること
ができる。
【0141】また、米国特許第4400463号、同4
713323号、同5217858号などに記載されて
いる(111)面を主平面として有する高塩化銀平板粒
子、および米国特許第5264337号、同52926
32号、同5310635号などに記載されている(1
00)面を主平面とする高塩化銀平板粒子も好ましく用
いることができる。
【0142】これらのハロゲン化銀粒子を実際に使用し
た例は特願平8−46822号、同8−97344号、
同8−238672号などに記載されている。
【0143】また、乳剤は、通常化学増感および分光増
感が施されることが好ましい。
【0144】化学増感としては、硫黄、セレンあるいは
テルル化合物を用いるカルコゲン増感法、金、白金、イ
リジウムなどを用いる貴金属増感法、あるいは、粒子形
成中に適度な還元性を有する化合物を用いて、還元性の
銀核を導入することで高感度を得る、いわゆる還元増感
法を単独にあるいは種々組み合わせて用いることができ
る。
【0145】分光増感としては、ハロゲン化銀粒子に吸
着して、それ自身の吸収波長域に感度を持たせる、シア
ニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合
メロシアニン色素、ホロポーラー色素、ヘミシアニン色
素、スチリル色素あるいはヘミオキソノール色素などの
いわゆる分光増感色素が単独あるいは併用され、強色増
感剤と共に用いることも好ましい。
【0146】ハロゲン化銀乳剤には、カブリを防止した
り、保存時の安定性を高める目的でアザインデン類、ト
リアゾール類、テトラゾール類、プリン類などの含窒素
複素環化合物類、メルカプトテトラゾール類、メルカプ
トトリアゾール類、メルカプトイミダゾール類、メルカ
プトチアジアゾール類などのメルカプト化合物類などの
種々の安定剤を添加することが好ましい。
【0147】ハロゲン化銀乳剤用の写真用添加剤は、リ
サーチ・ディスクロージャー誌No.17643(197
8年12月)、同No.18716号(1979年11
月)、同No.307105号(1989年11月)、同N
o.38957号(1996年9月号)に記載されている
ものを好ましく用いることができる。
【0148】感光性ハロゲン化銀は、銀換算で0.05
〜20g/m2、好ましくは0.1〜10g/m2用い
る。
【0149】感光部材のバインダーには親水性のものが
好ましく、その例としては前項に記載のリサーチ・ディ
スクロージャーおよび特開昭64−13546号公報の
71〜75頁に記載されているものが挙げられる。その
中ではゼラチンおよびゼラチンと他の水溶性バインダ
ー、例えばポリビニルアルコール、変成ポリビニルアル
コール、セルロース誘導体、アクリルアミド重合体など
との組み合わせが好ましい。バインダーの塗布量は1〜
20g/m2、好ましくは2〜15g/m2、更に好まし
くは3〜12g/m2が適当である。この中でゼラチン
としては50%〜100%、好ましくは70%〜100
%の割合で用いる。
【0150】発色現像主薬の例としては、p−フェニレ
ンジアミン類またはp−アミノフェノール類などがあ
る。更に好ましい例としては特開平8−110608号
公報、同8−122994号公報、同8−146578
号公報、特願平7−180568号、同8−25189
4号などに記載されているスルホンアミドフェノール類
(上記一般式(1))、欧州特許公開第545491
号、特開平8−166664号公報、同8−22713
1号公報に記載されているスルホニルヒドラジン類(上
記一般式(2))、特願平7−334211号に記載さ
れているカルバモイルヒドラジン類(上記一般式
(4))、特開平8−202002号公報に記載されて
いるスルホニルヒドラゾン類(上記一般式(3))、お
よび特願平7−60110号に記載されているカルバモ
イルヒドラゾン類(上記一般式(5))が挙げられる。
【0151】発色現像主薬は、1種類、もしくは複数種
類を組み合わせて用いるが、その総使用量は0.05〜
20mmol/m2、好ましくは0.1〜10mmol
/m2が適当である。
【0152】感光部材には前記発色現像主薬の酸化体と
カップリング反応して色素を形成するカプラーを用い
る。その好ましい例としては、活性メチレン、5−ピラ
ゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、ナフトール、
ピロロトリアゾールと総称される化合物が挙げられる。
その具体例はリサーチ・ディスクロージャーNo.389
57号(1996年9月)616〜624頁に引用され
ているものを好ましく用いることができる。特に好まし
い例としては、特開平8−110608号公報に記載さ
れているようなピラゾロアゾールカプラー、特開平8−
122994号公報、特願平8−45564号などに記
載されているピロロトリアゾールカプラーが挙げられ
る。
【0153】これらのカプラーは、各色0.05〜10
mmol/m2、好ましくは0.1から5mmol/m2
用いる。
【0154】また、発色色素の不要な吸収を補正するた
めのカラードカプラー、現像主薬酸化体と反応して写真
的に有用な化合物残査、例えば現像抑制剤を放出する化
合物(カプラーを含む)なども用いることができる。
【0155】感光部材は、通常3種以上の感色性の異な
る感光性層から構成される。各感光性層は少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤層を含むが、典型的な例として
は、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数
のハロゲン化銀乳剤層からなる。該感光性層は青色光、
緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感
光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光部材に
おいては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から
順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置さ
れる。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また、同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれた
ような設置順をもとりうる。
【0156】感光層の膜厚の合計は1〜20μ、好まし
くは3〜15μである。
【0157】ハロゲン化銀および発色現像主薬、カプラ
ーは同一感光層に含まれていても別層でもよい。また、
感光層以外にも保護層、下塗り層、中間層、黄色フィル
ター層、アンチハレーション層など非感光性層を設けて
も良く、支持体の裏側にはバック層があってもよい。感
光層側の全塗布膜の膜厚は3〜25μ、好ましくは5〜
20μである。
【0158】感光部材には、種々の目的で硬膜剤、界面
活性剤、写真安定剤、帯電防止剤、滑り剤、マット剤、
ラッテクス、ホルマリンスカベンジャー、染料,UV吸
収剤などを用いることができる。これらの具体例は、前
記のリサーチ・ディスクロージャーおよび特願平8−3
0103号などに記載されている。なお、特に好ましい
帯電防止剤の例はZnO、TiO2、SnO2、Al
23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3
25などの金属酸化物微粒子である。
【0159】感光部材の支持体としては、日本写真学会
編「写真工学の基礎−銀塩写真編」(株)コロナ社刊
(昭和54年)223〜240頁記載の写真用支持体が
好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリカーボネート、シンジオ
タクティックポリスチレン、セルロース類(例えばトリ
アセチルセルロース)などが挙げられる。ナフタレンジ
カルボン酸ユニット、エチレングリコールユニット、お
よびテレフタル酸ユニットの共重合体、またはポリエチ
レンテレフタレートとポリエチレンナフタレートのポリ
マーブレンドも好ましい。
【0160】これらの支持体は光学的特性、物理的特性
を改良するために、熱処理(結晶化度や配向制御)、一
軸および二軸延伸(配向制御)、各種ポリマーのブレン
ド、表面処理などを行うことができる。
【0161】また、支持体として、例えば、特開平4−
124645号公報、同5−40321号公報、同6−
35092号公報、同6−31875号公報記載の磁気
記録層を有する支持体を用い、撮影情報などを記録する
ことが好ましい。
【0162】感光部材の支持体の裏面には、特開平8−
292514号公報に記載されているような耐水性のポ
リマーを塗布することも好ましい。
【0163】上記の磁気記録層を有する感材に特に好ま
しく用いられるポリエステル支持体については公開技報
94−6023号(発明協会;1994.3.15)に
詳細に記載されている。
【0164】支持体の厚みは5〜200μm、好ましく
は40〜120μmである。
【0165】撮影済み感光部材の現像には、感光部材と
は別の処理部材を用いる。処理部材は少なくとも塩基お
よび/または塩基プレカーサーを含む。そのもっとも好
ましいものは、欧州特許公開第210660号、米国特
許第4740445号に記載されている水に難溶な塩基
性金属化合物および、この塩基性金属化合物を構成する
金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物の
組み合わせで塩基を発生させる方式である。この場合、
水に難溶な塩基性化合物は感光部材に、錯形成化合物は
処理部材に添加することが好ましいが、逆も可能であ
る。好ましい化合物の組み合わせとしては、水酸化亜鉛
の微粒子を感光部材に、ピコリン酸の塩、例えばピコリ
ン酸グアニジンを処理部材に用いる系である。
【0166】処理部材には媒染剤を用いても良く、この
場合、ポリマー媒染剤が好ましい。
【0167】処理部材には、特願平7−322454号
に記載されているようにコロイド銀や硫化パラジウムの
ような物理現像核、およびヒダントインのようなハロゲ
ン化銀溶剤を含ませておき、現像と同時に感光部材のハ
ロゲン化銀を可溶化し、処理部材に固定化してもよい。
【0168】処理部材にはこの他に現像停止剤、プリン
トアウト防止剤などを含ませてもよい。
【0169】処理部材には処理層以外にも保護層、下塗
り層、バック層その他の補助層があってもよい。
【0170】処理部材は連続ウェブに処理層が設けら
れ、送り出しロールから供給され処理に使用された後も
裁断されることなく別のロールに巻き取られる形態が好
ましい。その例は特願平7−240445号に記載され
ている。
【0171】処理部材の支持体は限定がなく、感光部材
で述べたようなプラスチックフイルム、または紙が用い
られる。厚みは4〜120μm、好ましくは6〜70μ
mである。
【0172】特願平8−52586号に記載されている
ような、アルミニウムを蒸着したフイルムも好ましく用
いることができる。
【0173】この感光部材を現像する場合には、感光部
材および処理部材双方のバック層を除く全塗布膜を最大
膨潤させるに要する量の0.1から1倍に相当する水の
存在下で、感光部材と処理部材を感光層と処理層が向か
い合う形で重ね合わせ、60℃から100℃の温度で5
秒から60秒間加熱することが望ましい。
【0174】ここでいう水とは一般に用いられる水であ
れば何を用いてもよい。具体的には蒸留水、イオン交換
水、水道水、ミネラルウォーターなどを用いることがで
きる。これらの水には水垢発生防止、腐敗防止などの目
的で防腐剤を少量添加したり活性炭フィルターやイオン
交換樹脂フィルターなどにより水を循環濾過する方法も
好ましく用いられる。
【0175】また、最大膨潤に要する水の量は、用いる
水の中に測定するべき塗布膜を持つ感光部材また処理部
材を浸積させ、十分膨潤したところで膜厚を測定し、最
大膨潤量を計算してから塗布膜の重量を減じれば求める
ことができる。この膨潤度の測定法の例はホトグラフィ
ック・サイエンス・エンジニアリング、16巻、449
頁(1972年)にも記載されている。
【0176】(2)露光 次に上記感光部材を露光するための手段について説明す
る。
【0177】上記感光部材は従来の写真フィルムの場合
と同様、裁断、穿孔することにより写真フィルムの形態
に加工することができる。したがって、135フィルム
などと同様に、例えばニコンF4などの一眼レフカメ
ラ、あるいは特公平2−32615号公報、実公平3−
39784号公報に記載されているレンズ付きフィルム
ユニットを使用して撮影露光することができる。
【0178】この際、写真フィルムはフィルムパトロー
ネ(あるいはカートリッジ)に収納されてカメラやレン
ズ付きフィルムユニットに装填されてもよいし、レンズ
付きフィルムユニットの場合には、オランダ特許第67
08489号に記載のように直接収納されるようにして
もよい。
【0179】ここで、レンズ付きフィルムユニットと
は、撮影レンズおよびシャッタを例えば射出成型された
プラスチック筺体内に備えたユニット本体の製造工程に
おいて、予め未露光のカラーあるいはモノクロ写真感光
部材を、シート状又はロール状に、直接又は容器に入れ
て光密に装填したものである。このユニットは、ユーザ
が撮影した後、現像のためにユニットごと現像所に送ら
れる。現像所では当該ユニットから写真フイルムを取り
出して現像および写真プリントの作成が行われる。
【0180】このレンズ付きフイルムユニットの外装に
は、例えば実公平3−6910号公報、実公平5−31
647号公報、特開平7−225454号公報および実
公平6−43798号公報に記載されているように、さ
らに撮影レンズ部、ファインダ部などの撮影に必要な光
学部分およびシャッタ釦、巻き上げノブなどの撮影操作
部分が露出し、かつ使用方法を示す説明書きおよびデザ
インが印刷された紙箱、プラスチック包装体で被覆され
て使用に供される。
【0181】紙あるいはプラスチックで被覆されたレン
ズ付きフイルムユニットは、さらに実公平4−1546
号公報および特公平7−1380号公報に記載されてい
るように、不透湿材料または例えば、ASTM試験法D
−570で0.1%以下の非吸湿性材料からなる包装
体、例えば、アルミニウム箔ラミネート・シート、アル
ミニウム箔もしくは金属蒸着された透明・不透湿プラス
チック包装体で被覆されて販売される。レンズ付きフイ
ルムユニットに内蔵された写真フイルムの保存性から
は、上記防湿包装体内のレンズ付きフイルムユニットの
湿度は、25℃において相対湿度40〜70%になるよ
うに調湿し、好ましくは50〜65%であるのがよい。
さらに、実公平6−6346号公報、実公平6−858
9号公報および米国特許5239324号に記載のよう
に、紙あるいはプラスチックで被覆されたレンズ付きフ
イルムユニットをシャッタおよび巻上げ操作可能な透明
防水ケースに収納して水中あるは防水機能を付加したも
のもある。
【0182】用いられる撮影レンズは、特公平7−56
363号公報、特開平63−199351号公報、実公
平3−22746号公報、実公平3−39784号公
報、実公平5−38353号公報、実公平7−3323
7号公報および実公平7−50746号公報に記載のよ
うに、球面あるいは非球面からなる1枚もしくは2枚の
プラスチックレンズにより構成され、一方その球面収差
を補償するために裏蓋における露光部のフイルム受面は
フイルムの走行方向に撮影レンズに対して凹面となるよ
うに湾曲面を形成することが望ましい。またファインダ
は、実公平2−41621号公報、実公平3−6910
号公報および実公平3−39784号公報に記載のよう
に、筺体にファインダ開口を画定させるのみの素通しフ
ァインダでもよいし、例えば、実公平7−10345号
公報に記載のように、これに接眼および対物ファインダ
レンズを設けた逆ガリレオ式あるいはアルバダ式のファ
インダでもよい。さらに特開平7−64177号公報、
特開平6−250282号公報および特開平7−128
732号公報に記載のように、ファインダに画面切替機
能を付与し、これに連動して撮影開口を通常サイズおよ
びパノラマサイズの露光が行えるように切り替えたり、
あるいは上記ファインダの切替に連動してフイルム上に
標準、パノラマあるいはHサイズで撮影したことを光学
的あるいは磁気的に記録するようにしてもよい。その他
撮影レンズの焦点距離を変更するとともにファインダ視
野を特定するようにして接近、望遠撮影を行わせるよう
にしたものもある。
【0183】レンズ付きフイルムユニットに用いられる
写真フイルムは、シート状あるいはロール状のフイルム
を用いることができ、さらに当該写真フイルムは、前記
オランダ特許第6708489号に記載のように直接収
納されるか、あるいは特公平2−32615号公報に示
すように、容器に収納されてレンズ付きフイルムユニッ
ト内に装填される。
【0184】レンズ付きフイルムユニットにロール状の
写真フイルムを用いる場合には、このロール状写真フイ
ルムは容器に収納された状態で、レンズ付きフイルムユ
ニットに収納されることが望ましい。用いられる容器
は、例えば、特開昭54−111822号公報、同63
−194255号公報、米国特許4832275号、同
4834306号、同5226613号、特開平2−1
24564号公報、同3−155544号公報、特開平
2−264248号公報、さらに実公平5−40508
号公報、特公平2−32615号公報および特公平7−
117707号公報記載のISO規格で規定される13
5フイルム用パトローネ、あるいはISO規格の写真フ
イルムを装填可能であるが上記規格よりも径の細いパト
ローネ、あるいは特開平8−211509号公報、同8
−262645号公報および同8−262639号公報
記載のAPS(Advanced Photo System)用のカートリ
ッジなどのフイルムの一端が固定されたスプールを有す
る1軸のカートリッジあるいはパトローネが有利に用い
られる。さらに、実公平4−14748号公報および同
3−22746号公報記載の110サイズ規格フイルム
を用いた2軸カートリッジを用いることもできる。また
必要によっては、裏紙付きの写真フイルムを用いること
もできる。
【0185】フイルムの一端が固定されたスプールを有
する1軸のカートリッジあるいはパトローネを用いる場
合には、レンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に
カートリッジあるいはパトローネを収納すると共に、他
方の収納室に当該カートリッジあるいはパトローネから
写真フイルムの大部分を引き出されてロール状に巻かれ
たフイルムを収納するレンズ付きフイルムユニットの製
造段階における予備巻き装填(ファクトリー・プレワイ
ンド)を行い、撮影ごとに引き出された写真フイルムを
外部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるいはパ
トローネのスプールを回転させてカートリッジあるいは
パトローネに巻取るようにしてもよいし、あるいはこれ
とは逆にレンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に
写真フイルムの先端部を接続したカートリッジあるいは
パトローネとは別のスプールを装填し、他方の収納室に
写真フイルムの大部分が収納された状態のカートリッジ
あるいはパトローネを装填して、撮影ごとに写真フイル
ムを外部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるい
はパトローネから引き出してカートリッジあるいはパト
ローネとは別のスプールに巻取るようにしてもよい。
【0186】ファクトリー・プレワインド方式において
は、カートリッジあるいはパトローネから引き出された
写真フイルムは、カートリッジあるいはパトローネと別
のスプールに巻かれた状態で他方の収納室に収納されて
もよいし、あるいは特公平2−32615号公報記載の
ように中空状態で他方の収納室に収納されてもよい。ま
た、上記ファクトリー・プレワインドは、特公平7−5
6564号公報記載のように暗室内において予めカート
リッジあるいはパトローネから写真フイルムを引き出し
てロール状に巻いておき、このカートリッジあるいはパ
トローネおよびロール状の写真フイルムをレンズ付きフ
イルムユニットに装填した後、レンズ付きフイルムユニ
ットの裏蓋を閉じて遮光するようにしてもよく、あるい
は、上記特公平2−32615号公報記載のように、一
方の収納室に写真フイルムの大部分が収納された状態の
カートリッジあるいはパトローネを装填するとともに、
他方の収納室に写真フイルムの先端部を接続したカート
リッジあるいはパトローネとは別のスプールを装填し、
裏蓋を閉じて遮光した後、当該別のスプールをレンズ付
きフイルムユニット外部から回転して当該スプールに巻
き取るようにしてもよい。
【0187】レンズ付きフイルムユニットは、実公平4
−1546号公報、同7−20667号公報記載のよう
に、撮影ごとに写真フイルムを巻き上げる動作でフイル
ムのパーフォレーションに係合している従動スプロケッ
トの駆動により、シャッタ羽根を蹴飛ばすシャッタ機構
をチャージするとともにそれ以上の巻き上げを不能とす
るセルフコッキング機構が有利に用いられる。チャージ
されたシャッタ機構は、シャッタ釦の押圧操作によって
チャージ位置から開放され、シャッタ羽根を蹴飛ばして
写真撮影のための露光が行われるとともに、再度の巻き
上げを可能とする。
【0188】さらに、レンズ付きフイルムユニットに
は、実公平2−34688号公報、同6−41227号
公報、特開平7−122389号公報および特公平6−
12371号公報に記載のように、外部にストロボ充電
のためのスイッチが設けられたストロボ基板を内蔵して
もよく、この場合上記のシャッタ羽根による撮影露光動
作に連動してシンクロスイッチをオンすることによって
撮影動作に連動してストロボ発光を行うように構成すれ
ばよい。
【0189】一方、レンズ付きフイルムユニットには、
実公平4−1546号公報記載のように、撮影枚数ある
いは残数を表示するカウンタが設けられており、さらに
このカウンタには最終駒撮影後の巻き上げに対して、上
記シャッタチャージおよび1コマごとの巻き止めを禁止
する機構が設けられており、これによりその後の巻き上
げ操作により写真フイルムを最終巻き上げ位置まで連続
して巻き上げることができる。
【0190】以上、本発明における感光部材の露光手段
としてはカメラや上記のようなレンズ付きフィルムユニ
ットを使用することができるが、この際、本発明の感光
部材を従来の135フィルムのパトローネあるいはAP
Sのカートリッジと全く同じ収納体に収納してしまう
と、システムにおけるフィルム種別の判定が困難とな
り、また本発明のシステムに誤って他の感光部材を収納
したカートリッジを装填されてしまう恐れがある。した
がって、露光手段としては、機能的には従来と同じでよ
いが、望ましくは例えばレンズ付きフィルムユニットで
あれば、被覆する紙あるいはプラスチックの形状を従来
のものと異にしたり、その紙あるいはプラスチックにフ
ィルム種別を表す識別子を付しておくことが望ましい。
【0191】さらには、上記のようにレンズ付きフィル
ムユニットの本体に特徴を持たせても、ユーザがレンズ
付きフィルムユニット内のカートリッジを交換してしま
うと、フィルム種別の正しい判定ができなくなる可能性
がある。したがって、常に正しい判定を行えるようにす
るためには、上記オランダ特許第6708489号に記
載のようにレンズ付きフィルムユニット内に上記感光部
材からなる写真フィルムを直接装填して、ユーザがフィ
ルムを簡単に交換できないようにすることが望ましい。
【0192】なお、感光部材を露光する方法としては撮
影による方法の他、例えばレーザビームにより走査露光
する方法などが知られている。本発明は、現像方法を簡
単にすることによりコンビニエンスストアなどにも設置
できる現像システムを提供することを目的としているた
め、本明細書における説明はカメラなどにより露光され
た写真フィルムを対象として行うが、本発明の技術的思
想はこれに限定されるものではなく、したがって撮影以
外による露光も本発明に含まれるものとする。
【0193】(3)現像 次に上記感光部材の現像方法およびシステムについて説
明する。
【0194】(3−1)収納体からの写真フィルムの取
出し 上述のように、この写真フィルムは所定の処理部材と重
ね合わせられて加熱されることにより現像されるもので
あるが、上記各種撮影手段により撮影を行って露光され
た写真フィルムを現像する場合には、まず写真フィルム
の収納体から写真フィルムを取り出す作業が必要とな
る。
【0195】このためには、システムに使用済み(撮影
済み)のフィルムカートリッジやレンズ付きフィルムユ
ニットをセットするためのセット部を設けておくことが
望ましい。この際、上述のようにユーザが誤って他の種
類のフィルム収納体をセットしないよう、現像可能なフ
ィルムが収納されている収納体のみをセットできるよう
にしておくことが望ましい。
【0196】具体的には、上記感光部材からなる写真フ
ィルムを、専用の特殊形状のレンズ付きフィルムユニッ
トやカートリッジに収納して提供する。そして上記セッ
ト部の形状を、例えばそのレンズ付きフィルムユニット
のみを保持することができる凹型形状とする。
【0197】あるいはレンズ付きフィルムユニットやカ
ートリッジにフィルム種別を示す識別子を付与して提供
する。識別子としては文字、記号あるいはバーコードな
どを記しておく。これによりセット部にフィルム収納体
がセットされた時点で、この識別子を光学的に読みと
り、識別子が付与されていなかったり、異なる種類のフ
ィルムだった場合には、警告音を発したり、システムの
モニタ画面などにエラーメッセージを出力したりするよ
うにしておくのがよい。なお、識別子の読取方法として
は、POSシステムのバーコードリーダやOCRなど、
広く知られている方法を適用することができる。
【0198】また、セット部へのフィルム収納体のセッ
トが正しく完了した場合には、自動的にシステムの内部
にその収納体が取り込まれるようにする。ここで取り込
まれるようにするとは、収納体からフィルムを引き出す
ためには、その収納体に光が当たらない状態にしなけれ
ばならないため、システム外部からの光がその収納体に
当たらないように、例えばセットが完了すると閉じる遮
光シャッターのようなものを設けることを意味する。
【0199】システム内部に取り込まれた収納体から撮
影済み写真フィルムを取り出す方法としては、例えば、
特公平6−16158号公報、実公平7−15545号
公報に記載の、レンズ付きフィルムユニットからフィル
ムを取り出す方法として、レンズ付きフイルムユニット
筺体の底に写真フイルム取り出し用の蓋を設けて、この
蓋を開放することによって写真フイルムを取り出す方法
が開示されている。あるいは、オランダ特許第6708
489号に記載のように、裏蓋を開放もしくは破壊して
写真フイルムを取り出してもよい。また、米国特許52
02713号に記載のように、レンズ付きフイルムユニ
ット筺体の一部に通常は遮光状態にある開口を形成して
おき、そこからフイルムの一端を掴んで引き出すように
してもよい。この他、従来の135フィルムやAPSの
システムで採用されているあらゆる方法を適用すること
ができる。
【0200】なお、上述のように収納体セット部の形状
を特殊なものとしたり、収納体に付与される識別子を読
みとることにより他種類のフィルムを排除してもよい
が、フィルムを引き出した後にフィルム種別の判定を行
ってもよい。
【0201】例えば写真フィルムの光透過率は使用する
感光部材によって異なるため、フィルムを引き出してそ
の光透過率を測定すれば、そのフィルムの種別を判定す
ることができる。同様に他のフィルム物性、例えば光反
射率、分光特性、表面の粗さなどに基づいて判定しても
よい。
【0202】あるいは、例えばAPSの写真フィルムの
ように、写真フィルムの一部に各種情報を磁気記録する
ことができる場合には、その情報を読み取ることにより
判定を行ってもよい。この場合も、上記収納体の識別情
報により判定する場合と同様、セットが完了した場合、
あるいは現像できない種類のフィルムがセットされた場
合に所定のユーザインタフェースを介してそのことをユ
ーザに通知するようにすることが望ましい。
【0203】(3−2)現像処理 上記いずれかの方法により収納体から引き出された写真
フィルムは、次に現像処理される。これは、例えば所定
の搬送経路に沿って搬送ローラや搬送ドラムを設置し
て、上記収納体から引き出された写真フィルムをその経
路に沿って搬送し、その過程において写真フィルムに溶
媒を付与したり、処理部材と重ね合わせたりする。
【0204】より具体的には、例えば、処理部材がロー
ル状に巻かれた供給リールを設置し、処理部材がその供
給リールから上記写真フィルムの搬送経路に設置されて
いる搬送ローラに向けて搬送されるようにし、フィルム
搬送経路の所定の部分においてそのフィルムが処理部材
と重ね合わせられて搬送されるようにしてその状態で加
熱を行い、その後別のリールに処理部材を巻き取るなど
して、処理部材と写真フィルムが剥離されるようにして
現像を行う方法がある。
【0205】感光部材と処理部材を重ね合わせる方法の
例としては特開昭62−253159号公報、特開昭6
1−147244号公報記載の方法がある。
【0206】ここで、現像において水などの溶媒を付与
する方が望ましい場合、水の付与方法としては感光部材
(写真フィルム)または処理部材を水に浸積し、スクウ
ィーズローラーで余分な水を除去する方法がある。ただ
し、一定量の水を塗りきりで感光部材または処理部材に
付与する方が好ましい。また、特願平8−196945
号に記載されているような、水を噴射する複数のノズル
孔が一定の間隔で感光部材または処理部材の搬送方向と
交差する方向に沿って直線状に並べられたノズルと前記
ノズルを搬送経路上の感光部材または処理部材に向かっ
て変位させるアクチュエータとを有する水付与装置によ
り水を噴射する方法も好ましい。また、スポンジなどで
水を付与する方法も好ましい。
【0207】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
【0208】あるいは感光部材や処理部材を作製する際
に、加熱現像のための加熱手段として導電性の発熱体層
を積層しておいてもよい。この場合の発熱要素には、特
開昭61−145544号公報などに記載のものを適用
することができる。
【0209】なお、本発明の画像形成方法およびシステ
ムにおいて、感光部材と処理部材の重ね合わせや加熱の
処理には、従来からある種々の熱現像装置を流用あるい
は改良して用いることができる。例えば、特開昭59−
75247号公報、同59−177547号公報、同5
9−181353号公報、同60−18951号公報、
実開昭62−25944号公報、特開平6−13050
9号公報、同6−95338号公報、同6−95267
号公報、同8−29955号公報、同8−29954号
公報などに記載されている装置などが好ましく用いられ
る。
【0210】また市販の装置としては富士写真フイルム
(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロスタット
200、同ピクトロスタット300、同ピクトロスタッ
ト330、同ピクトロスタット50、同ピクトログラフ
ィー3000、同ピクトログラフィー2000などが使
用できる。
【0211】本発明においては、現像後に感光部材中に
残存するハロゲン化銀、および現像銀を、更に除去する
ための、別の漂白定着工程は必須ではない。しかし、画
像情報を読みとる負荷を軽減すること、および画像保存
性を高めるため、定着工程および/または漂白工程を設
けてもよい。その場合、通常の液体処理によってもよい
が、特願平8−89977号に記載されているような処
理剤を塗布した別シートと共に加熱処理する工程による
ことが好ましい。
【0212】なお、従来の液体処理機では、写真フィル
ムに付着した塵埃は処理液中で除去されたため、現像む
らが発生したり、1つの写真フィルムに付着した塵埃が
続いて処理される他の写真フィルムにまで影響を及ぼす
ことはあり得なかった。しかしながら、本発明の画像形
成方法およびシステムは、従来の方法およびシステムと
異なり、現像の過程において写真フィルムが処理液に浸
されることがないため、写真フィルムに付着した塵埃は
そのまま現像むらの原因になり、また写真フィルムに限
らず収納体など他の部材に付着した塵埃が写真フィルム
の処理に影響する可能性がある。また従来の感材と同
様、フィルム引出部などに付着した塵埃により写真フィ
ルムが傷つけられることも考えられる。
【0213】したがって、セット部、フィルム引出部、
写真フィルムの収納体などに付着した塵埃を除去する除
塵手段を設けたり、搬送経路を防塵構造とするなどし
て、写真フィルムに塵埃が付着しないようにすることが
望ましい。
【0214】除塵手段としてはエア吹き付け、吸引、粘
着ローラー、ブラシ、ワイパー、超音波などによる振動
印加などの機械的除去など公知の各種手段を適用するこ
とができる。
【0215】(3−3)現像後の廃材処理 また、上記現像過程において写真フイルムが取り除かれ
たカートリッジあるいはレンズ付きフィルムユニット本
体は回収し、検査を行った上で、リユース可能な部品は
リユースすることが望ましい。そのためにシステムとし
ては、フィルム引出部において写真フィルムが引き出さ
れた後、カートリッジあるいはレンズ付きフィルムユニ
ット本体などをそれぞれ集積したり、レンズ付きフィル
ムユニットの場合には、所定の手順にしたがってユニッ
トを分解して例えばレンズ部、本体部など部分に応じて
分類して集積する手段を設けることが望ましい。これに
より、集積されたプラスチック部品などを定期的に回収
し、リユース可能なものについてはリユースし、一部の
リユース不能なプラスチック部品は溶解して、再ペレッ
ト化してリサイクルすることができる。
【0216】あるいは、リユース可能な収納体について
はシステム内部において、写真フィルムを取り除いた後
に未使用の写真フィルムを詰め替えてもよい。
【0217】(4)デジタル画像データの作成 (4ー1)写真フィルムの読取り 次に上記現像後の写真フィルムを透過型読取装置(いわ
ゆるフィルムスキャナ)により読み取ってデジタル画像
データを作成する処理について説明する。
【0218】上記現像の過程において処理部材と剥離さ
れた写真フィルム上には、ハロゲン化銀や現像銀が残存
している。従来の画像形成方法では、このような写真フ
ィルム上のハロゲン化銀や現像銀は、脱銀処理により除
去されていた。本発明の画像形成方法およびシステムで
は、この脱銀処理は行っても行わなくてもよい。すなわ
ち、例えば現像済みの写真フィルムを使用して投影露光
によるプリント材料への焼き付けを行うような場合に
は、脱銀処理を行う必要があるが、特に顧客からの要望
がない場合には原則として脱銀処理は行わない。これは
現像処理の簡素化のためである。本発明の画像形成シス
テムをコンビニエンスストアなどに設置する場合で、脱
銀処理の要望があった場合には、別途写真フィルムを回
収してサービス提供者が行うことになる。
【0219】写真フィルムの読取りは、従来のフィルム
読取りと同様フィルムスキャナを使用して行う。但し、
現像後の写真フィルムに対し、脱銀処理を行わずに読取
りを行う場合には、銀像により読み取られた画像データ
の彩度は脱銀処理を行う場合に比べて劣化する。これに
ついては、例えば読取時の光源の強さを調整してもよい
が、望ましくは読取りにより得られた画像データに対し
て銀像分を考慮した画像処理、すなわち補正を施すのが
よい。なお、現像銀は各々の色材の発色に対応して発生
する量が異なるため、読取後にR、G、Bそれぞれの信
号に対して補正を行うのがよい。
【0220】なお、現像後の写真フィルムについては、
脱銀処理を行わないまま写真フィルムを顧客に返却する
ことは、銀の回収が不可能になるという点で好ましくな
い。したがって、原則的には上記読取処理後の写真フィ
ルムはシステム内部において集積するものとし、システ
ムはそのための搬送経路および集積手段などを備えてい
ることが望ましい。
【0221】また、写真フィルムの読取りについて、上
記現像処理が水などを付与して行うものである場合に、
塗れたままの状態で行う方法もある。これは、感光部材
によっては、塗れたままの写真フィルムに対してスキャ
ナの透明ガラス板を圧着して読取りを行うことにより、
写真フィルムの表面に傷が存在する場合でもその傷内に
水が封入された状態となって読み取った画像データに傷
の影響が現れることがなくなるからである。
【0222】(4ー2)画像データの画像処理 一般にデジタル画像データを作成して表示、プリントな
どに利用する場合には、画質を向上するために種々の処
理を行うことが普通であるが、本発明の画像形成方法お
よびシステムも例外ではない。本発明の画像形成方法お
よびシステムにおいて行われる画質向上のための処理に
は、大きく2つのものがある。1つは、本発明の画像形
成方法およびシステムに使用される感光部材の特性に起
因する画質劣化を防止あるいは補正するための処理であ
り、もう1つはノイズ低減処理などあらゆる分野におい
て行われている画像処理と同じ汎用的な画像処理であ
る。
【0223】はじめに感光部材の特性に起因する画質劣
化を防止あるいは補正するための処理について説明す
る。本発明の方法およびシステムにおいて写真フィルム
の部材として使用する感光部材は、上記のように加熱に
よって画像を形成するものであるが、この際、形成され
た画像は温度変化による影響を受けるため、熱現像を行
った後しばらくは不安定な状態にある。
【0224】つまり、熱現像終了後の写真フィルムに対
し、直ちに読取処理を施した場合に得られる画像データ
の画質は必ずしもよいとはいえず、したがって、読取誤
差の少ない高画質な画像データを得るためには、温度条
件を考慮する必要がある。具体的には、例えば加熱、現
像後の写真フィルムを一定の温度に保つための保温手段
を設け保温状態において読取りを行う方法がある。ある
いは、現像後の写真フィルムが室温になるまで(温度が
一定になるまで)搬送を停止してしばらく放置し、その
後に読取りを行ってもよい。あるいは読取直前に写真フ
ィルムの温度を測定し、その温度に適した読取条件で読
取りを行う方法もある。さらには、読取時の写真フィル
ムの温度を測定しておき、取得した画像データに対して
画像処理を行う段階で、予め求められた感光部材の色濃
度対温度の対応関係に基づいて変換処理を行ってもよ
い。なお、フィルムの温度は直接測定しなくても、その
フィルムがおかれる環境の温度から推定して求めてもよ
い。
【0225】次に画像データに対して施すことが望まし
い画像処理について説明する。この際、画像処理の内容
は必ずしも全ての写真フィルムに対して、あるいは全て
の画像データに対して同じである必要はなく、望ましく
は画像データに応じて異なるものとするのがよい。例え
ば、広く知られている例としては、スナップ写真などに
おいて画像認識処理を行って人間の顔の部分を特に抽出
し、その部分の画質が特に高画質となるように画像処理
を行う方法がある。
【0226】あるいはフィルムの磁気情報記録部に種々
の撮影条件を記録しておき、その撮影条件を読み取って
撮影条件に応じた画像処理を行う方法も知られている。
この画像処理の際に考慮すべき撮影条件としては、例え
ば撮影光源の種類があり、特に蛍光灯下で撮影された写
真はそのままでは高画質な画像が得られないことが多い
ため補正が必要となる。この他、撮影時の背景の色がほ
ぼ一色である場合(例えば金屏風、青空、草むらが背景
の場合)、通常の画像処理を行うと人物の色調補正に誤
差が生じることがあるため、いわゆるカラーフェリア補
正を行う必要がある。なお、撮影条件はフィルムに記録
されていてもよいし、ユーザにより別途入力されてもよ
い。
【0227】さらには、上記のように本発明の画像形成
方法およびシステムに使用することができる感光部材に
もいくつかの種類があるため、写真フィルムごとに異な
る画像処理を行ってもよい。
【0228】汎用的な画像処理としては、まず色・階調
・濃度の補正がある。色補正は、原則としては、被写体
の色をできる限り忠実に再現するように行うことが望ま
しい。しかし、忠実な色表現とユーザにとって好ましい
色表現は必ずしも同じであるとは限らず、例えば青白い
調子を避けたい、肌の色を明るめにしたいといったユー
ザからの要望があることもある。このため、本発明のシ
ステムは、画像処理を行った処理済画像データをモニタ
画面に表示し、ユーザが表示された画像を確認しなが
ら、色の設定を行えるようにし、その設定に基づいて再
度画像処理を行うようにするのがよい。
【0229】さらに画質を向上するためにシャープネス
強調処理やダイナミックレンジ圧縮あるいは伸長を行っ
てもよい。シャープネス強調処理は、原則としてスキャ
ナ走査時のシャープネス劣化を回復するように行うが、
上記色補正の場合と同様、ユーザからの要望がある場合
に備え、ユーザの要望を反映するためのシャープネス設
定用ユーザインタフェースを備えておくのがよい。
【0230】また、ノイズ低減処理も行う必要がある。
低減すべきノイズとしては、信号処理の過程において発
生する電気的ノイズはいうまでもないが、感光部材の粒
状ノイズも低減することが望ましい。粒状ノイズを除去
あるいは抑制する方法としては、例えば特願平7−33
7510号に、画像信号を低、中、高周波成分に分解
し、高周波成分を強調し、中間周波数成分を抑制した
後、各周波数成分を合成することにより粒状性を抑制し
てシャープネス強調を行う方法が記載されている。
【0231】また、作成したデジタル画像データをプリ
ント作成に使用する場合には、プリント材料に合わせて
拡大処理あるいは縮小処理を行う場合もある。さらにデ
ジタル画像データをファイル出力したり、ネットワーク
を介して転送したりする場合には、例えばJPEG形式
で圧縮するといった処理も行うことが望ましい。すなわ
ちデジタル画像データ作成の目的に応じて適意各画像デ
ータに対して必要な画像処理を行うことが望ましい。な
お、これらの汎用的な画像処理の方法については、各種
分野において用いられいるあらゆる方法を適用すること
ができる。
【0232】(5)デジタル画像データの出力 上記のように画像処理されたデジタル画像データの利用
形態としては2つの形態がある。1つはデジタル画像デ
ータをそのままデータとして利用する形態であり、もう
1つは所定の記録材料にプリントとして出力して利用す
る形態である。
【0233】(5−1)デジタル画像データのファイル
出力 近年パソコンなどの普及により撮影した写真を写真プリ
ントとしてではなくデジタル画像データの形式で保管
し、モニタに表示したり加工したりして利用する場合が
増えている。また写真サービスの形態として、現像およ
び読取処理により得られたデジタル画像データを蓄積保
管しておき、例えば焼き増しプリントを依頼された際に
フィルムの読取りを行わずにデジタル画像データから直
ちにプリントを作成するサービスが提案されている。
【0234】そこで、本発明の画像形成方法およびシス
テムにおいても、上記感光部材からなる写真フィルムを
読み取って画像処理して得られたデジタル画像データ
は、例えばMOなどのリムーバブルメディアにファイル
出力して顧客に提供したり、写真店のサーバコンピュー
タのハードディスクに蓄積保管して焼き増し注文に利用
するなど、デジタル画像データとして活用できることが
望ましい。
【0235】すなわち、システムとしては各種リムーバ
ブルメディアのメディアドライブを備え、上記画像処理
手段により処理されたデジタル画像データを顧客からの
注文に応じてファイル出力できるようにすることが望ま
しい。さらに、通信手段を設け、外部のコンピュータに
対してデジタル画像データを転送できるようにしてもよ
い。なお、メディアドライブは顧客からの多様なニーズ
に応えられるよう、多種多様なものを備えておくことが
望ましい。
【0236】(5−2)デジタル画像データのプリント
出力 デジタル画像データのプリント出力には、種々のデジタ
ルプリンタを用いることができるが、このデジタルプリ
ンタは上記現像、画像処理などを行うシステムの筐体内
に備えられていてもよいし、別の筐体として存在し、所
定の転送手段により接続されていてもよい。また1台の
現像機に対して複数種類のデジタルプリンタを接続し、
あるいは1つの筐体内に複数種類のデジタルプリンタを
内蔵し、必要に応じて切り替えられるようにしてもよ
い。特に、顧客から入力された注文情報によりプリント
手段が指定されている場合には、その情報に応じてプリ
ンタを選択的に切り替えることが望ましい。
【0237】本発明の画像形成方法およびシステムに使
用できるデジタルプリンタの1つとしては、デジタル画
像データに応じて変調されたレーザ光をカラーペーパー
などの感光部材上に走査することによって画像を記録
し、その感光部材に現像・定着などの湿式処理を施すこ
とにより写真プリントを得る方式のプリンタがある。
【0238】また、上記プリンタは画像が形成される媒
体を処理液中を通過させて化学反応を起こさせることに
より画像をプリントするものであるが、コンビニエンス
ストアなどに設置するシステムの場合には、化学反応の
ための処理液を扱わなければならない形態はあまり好ま
しくなく、受像体を処理液に浸す必要がない方式のプリ
ンタが望まれる。そのような形態のプリンタとしては、
電子写真方式、インクジェット方式、昇華型熱転写方式
などが知られている。また、熱現像感光部材にデジタル
画像データをレーザ露光し、その熱現像感光部材を受像
体と重ねてレーザ露光により記録された画像を熱現像転
写し、受像材上に画像を形成する方式のデジタルプリン
タも好ましい。以下その各方式のデジタルプリンタにつ
いて説明する。
【0239】電子写真方式でフルカラー画像を得る方法
については、従来より種々の提案がなされてきており、
それらの一部は既に実用になっている。一般に、電子写
真方式でのフルカラー画像形成法は、一様帯電を施した
電子写真感光体ドラム(光導電体)上に、色分解された
特定の色の画像信号に基づく画像露光を行って静電潜像
を形成し、該潜像を前記特定の色に対応する色トナーに
より現像を行い感光体ドラム上に特定色トナー像を形成
するという電子写真の基本的プロセスを色ごとに必要な
回数だけ繰り返すことによってフルカラー画像を形成す
るものであるが、一つの感光体ドラムだけを用いてフル
カラー画像を得る方法と、複数の感光体ドラムに対して
各々色の異なるトナー画像を形成することによってフル
カラー画像を得る方法との二つに大別される。
【0240】特開昭59−121348号公報において
は、感光体ドラムへの帯電、露光、現像を必要色だけ繰
り返すことにより、一つの感光体上に必要色の数だけカ
ラートナー画像を互いに積層させた状態で形成し、その
カラー画像を用紙に一括して転写するという方法が記載
されている。
【0241】また別の方法として、特開平4−3377
47号公報などに示される例においては、記録紙を静電
的に支持した転写ドラムに対応して一つの感光体ドラム
を配置し、前記感光体ドラムに対して複数の色の異なる
現像装置を配置して構成している。そして、原画像情報
を色分解して各色に対応する画像を感光体ドラムに形成
し、そのカラートナー画像を形成する都度、記録紙に転
写する動作を繰り返しながら記録紙に複数色のカラート
ナー画像を重ねて転写するという方法が記載されてい
る。
【0242】また別の方法として、特開平5−3336
62号公報などには、複数の感光体ドラムを記録用紙を
搬送するベルト装置に沿わせて配置し、前記複数の感光
体ドラムに対して各々色の異なるトナー画像を形成する
手段を配置しておき、搬送される記録用紙に対して、各
感光体ドラムからカラートナー画像を順次転写してフル
カラー画像を得るという方法が提示されている。
【0243】上述の方法はいずれも感光体ドラム上に形
成されたトナー像を紙などの最終支持体上に直接的に転
写するという工程を含んでいるものである。この転写の
一般的な方法としては、最終支持体の裏面よりトナーの
荷電とは逆極性になるようにコロトロン照射したり、裏
面より逆極性電圧を印加するなどを行って、トナーに静
電気的力を働かせることによって最終支持体にトナーを
転写するといういわゆる静電転写法が広く知られてい
る。しかしながら、この方法は次のような欠点があるこ
とから高画質、高階調性画像を得ることは非常に難しい
ことが知られている。
【0244】第1の欠点としては、トナー転写効率がト
ナー像濃度に依存し、感光体ドラム上のトナーを支持体
へ100%転写することが非常に難しいことが挙げられ
る。特に、高濃度部と低濃度部での転写効率が悪いた
め、この方法で連続調の画像を得ようとすると、ハイラ
イト部がとんでしまったり、また、高濃度部での階調性
が消えてしまうなどの問題がある。さらに、この方法で
は、感光体上のトナーが完全に転写されないため、感光
体上にトナーが残りその残存トナーを除去する必要が生
じブレードなどでかき落とす方法が採用されているが、
そのため感光体ドラムが傷がつきやすくその傷によりス
ジや濃度ムラが出やすく高品質画像を得ることができな
いという問題もある。
【0245】第2の欠点としては、トナー像を紙などの
最終支持体に転写する場合には、紙のミクロな電気的特
性の違いを反映してトナーに働く静電気力を一定にする
ことが難しくそのためトナー転写効率が不均一となって
転写ムラを起こしたり、最終支持体の電気的特性が環境
条件により変動するため安定な画像が得られにくいなど
の問題があげられる。
【0246】以上の問題を克服する方法として、感光体
上に形成されたトナー像を一旦中間転写体に転写した
後、そのトナー画像を紙などの最終支持体へ再転写する
という方法も知られている。特公昭49−209号公
報、特開昭62−206567号公報などにおいては、
ベルト状中間転写体に一次転写し、改めて未定着トナー
像を中間転写体から記録媒体へ二次転写するというもの
で、特にカラー画像形成の際には、感光体上に各色のト
ナー像を形成するごとにそのトナー像を中間転写体に転
写することによって中間転写体上で各色のトナー像を重
ね合わせたフルカラー画像を形成し、このフルカラー像
を紙などの記録媒体へ一括転写する方法が示されてい
る。また、特開平5−341666号公報には、中間転
写体としてベルトの代わりに中間転写ドラムを用いた方
法も開示されている。
【0247】上記の例はいずれもコロナイオンを照射す
るかまたはバイアスを印加するかの方法で感光体上に形
成されたトナー像を静電気力を利用して中間転写体に転
写するものであるが、それ以外の方法として、特公昭4
9−38172号公報などでは粘着力を利用する方法も
開示されている。そこでは、感光体上に形成された静電
潜像を液体トナーで現像した後、そのトナー像に粘着性
を有するテープを圧接してトナー像をはがしとり、次い
でこのテープを最終支持体に接着するようにした方法が
提示されている。また、特開平2−278276号公
報、特開平4−81786号公報などにおいては、粘着
性を持つ中間転写フィルムに感光体上のトナー像を10
0%転写し、さらにそのトナー像を支持体に100%再
転写するという工程を各色ごとに行いフルカラー画像を
得るという方法も示されている。
【0248】以上のように感光体ドラム上に形成された
トナー像を一旦中間転写体に転写する方法は、感光体の
トナー画像を直接最終支持体上に転写する方法に比べて
以下に述べる好ましい特徴を有している。
【0249】すなわち、従来の感光体のトナー画像を最
終支持体上に直接転写する方法においては、転写の際支
持体自体の厚みムラや電気的特性の不均一性などの要因
により転写効率を一定にすることが困難で、したがって
高画質、高品質画像は形成されにくいという問題があ
る。それに対し、中間転写体へトナー像を転写する方法
では、複数の転写工程が必要となるため装置が大型化す
るという欠点はあるが、中間転写体の種々の特性を均一
に最適化することが容易であるためトナー像の転写効率
を高めることができかつ均一性の高い安定な転写を可能
にできるという長所があり、より高画質、高品質画像形
成に適している。
【0250】この長所は、高品質のフルカラー画像形成
を行う場合には特に重要となる。その理由は、転写効率
が不均一であれば、多色画像を重ねた際に最終的に得ら
れる色が色の変化を生じてしまうことになるからであ
る。さらに、中間転写体を用いる方法においては、最終
支持体への転写を独立して行えるので、紙、プラスチッ
クなどのより広範囲の基体へ転写することが可能である
という特徴も有している。以上述べたように、中間転写
体を用いる方法は、より高画質、高品質なフルカラー画
像の形成により適した方法であり、本発明において好適
に用いることができる。
【0251】次に好ましいトナー、トナー像の最終支持
体への転写・定着方法また最終支持体の特性などについ
て説明する。一般に液体トナーにおいては平均トナー粒
径を1μm以下にすることは容易で、そのような液体現
像で得られるトナー画像の粒状性は、平均粒径5μm程
度のドライトナーで得られるトナー画像の粒状性よりも
格段に良く銀塩写真に近いことはよく知られている。一
般に電子写真方式で得られる画像がざらついて見えるの
は、基本的にはトナーサイズが大きく、したがって粒状
性が悪いためである。高階調画像において滑らかな階調
で表現するにはトナーサイズを小さくすることは非常に
効果的で、好適であるといえるが液体トナーだけに限定
されるものではない。また、一般に、電子写真法で得ら
れる画像の画質は、トナーの特性のみならず、最終支持
体の特性、また最終支持体への転写・定着方式に大きく
依存することはよく知られている。
【0252】特公平5−82939号公報、特公平5−
82940号公報には、色忠実再現・光沢を高めるため
の平滑化処理したコート紙について記載されている。ま
た、特開平8−194349号公報には光沢ムラのない
画像を得るためのカラートナー、加熱定着工程などが開
示されている。また、電子写真画像においては、高濃度
部と低濃度部では付着トナー量が異なることによりトナ
ー定着後もトナーによる凹凸像(レリーフ)が形成され
やすい。特開平8−194394号公報、特表平4−5
01925号、特表平5−500869号などにはこれ
を防ぐための方法が開示されている。また、特開平5−
281863号公報には、透明材料を用いることにより
中間転写部材から最終支持体へのカラートナーの転写効
率を上げることで色忠実再現を向上させると同時に光沢
のある仕上がりにする方法が開示されている。以上のべ
たように、画像光沢の向上、光沢ムラの低減、色忠実再
現性の向上、レリーフの低減、シャープネス向上などは
電子写真画像の高品質化・高画質化には不可欠であり、
本発明においても上記の開示例に限定されるものではな
いが、同様の対策がとられていることが望ましい。
【0253】次に望ましい像露光方式について説明す
る。本発明の方法およびシステムにおいては、画像デー
タはRGB3色に分解されてCCDスキャナーで読み取
られ、AD変換器を経てデジタル画像データに変換さ
れ、必要に応じてシェーディング補正、シャープネス強
調、ガンマ補正、色濃度階調変換などの好ましい画像処
理が行われる。上記で説明した画像形成法での像露光は
この画像処理後のデータに対応して行われ、通常レーザ
ビーム走査露光で行われる。画像記録方式としては、原
画濃度データに対応してレーザビーム強度を変調して露
光記録するといういわゆる濃度階調(連続階調)方式
と、画像データを基本的に2値のドットで表現し微小単
位面積当たりのドット数を変えることにより見かけ濃度
を変化させるという擬似中間調方式、また印刷技術で一
般に知られている万線スクリーンなどを用いて中間調画
像を再現する方法などが知られている。
【0254】前者については、例えば特開昭63−11
3576号公報などにも記載されているが、この方法で
原画に忠実な高階調性画像を得るには、感光体ドラム上
のトナー画像を100%転写することによって電子写真
でよく問題となるハイライト部の濃度再現性不良を解決
することが重要である。
【0255】また、後者の方法は、電子写真で通常よく
用いられている方法であり、非常に多くの方法が特許な
どで開示されている。この方法においては、一般に高階
調性と高解像性はトレードオフの関係にあることからそ
の両方を高めることが難しい、また、原画には無いテク
スチャーや擬似輪郭といったノイズが発生しやすい、さ
らにフルカラー画像においては多色画像の重ねあわせ精
度に依存してドットの重なり方が変わり特にハイライト
部で色の変化を生じ易いといった欠点を本質的に有して
おり、これらを解決するため多くの工夫が提案されてき
ている。本発明で好適に用いられる例として、例えば特
開平6−98184号公報、特開平8−163363号
公報などを挙げることができるが、これらに限定するも
のではない。
【0256】以上述べたように、電子写真方式レーザプ
リンタによれば、写真フィルムから読み取られたデジタ
ルフルカラー画像データをもとに銀塩写真や印刷画像に
比肩できるような高画質・高品質フルカラー画像が得ら
れるよう、好適な画像処理を施し、望ましくは中間転写
体を有する電子写真方式フルカラーレーザプリンタにお
いて、各色ごとの色画像信号に応じて強度変調、もしく
は擬似階調用にパルス幅変調されたレーザ光を感光体ド
ラム上に照射することによって潜像形成を行い、これを
液体カラートナーもしくはドライカラートナーで現像
し、得られたトナー像を画像形成ごとに順次中間転写体
に転写することによって中間転写体上にトナー像を重ね
あわせ、その結果得られるカラートナー合成像を好適な
最終支持体へ再転写、定着することによって銀塩写真や
印刷画像に比肩できるような高画質・高品質フルカラー
画像を得るための画像形成法を提供することができる。
【0257】次に、本発明に好適に用いられるインクジ
ェット方式のデジタルプリンタについて概要を述べる。
【0258】インクジェット方式にてフルカラー画像を
得る方法については、従来より種々の提案がなされてお
り、また種々の方式にて実用化されている。一般に、イ
ンクジェット方式でのフルカラー画像形成方法は、原画
像信号に従って特定色インクを記録ヘッドからインク滴
またはミスト形状にして吐出させ、記録紙上にドットま
たはドットの集合体として付着させ、これを複数特定色
についてそれぞれ実行し、かつこれを2次元方向に走査
記録することによってフルカラー画像とするものであ
る。
【0259】インクジェットの基本方式としては、以下
のような各種方式が知られている。
【0260】一つの方法は、サーマル(バブルジェッ
ト)方式である。これは特開平8−104837号公報
などに記載のように、画像信号に従って記録ヘッドに熱
エネルギーを与え、これによって記録ヘッド内のインク
の一部が気化してこの勢いでインク滴がノズルから吐出
され、記録紙に画像記録が可能な方式である。
【0261】また一つの方法は、ピエゾ方式である。こ
れは特開平6−256696号公報などに記載のよう
に、記録ヘッドの一部を圧電素子で構成し、画像信号に
従って圧電素子に電圧を印加し、圧電素子のたわみによ
ってインク室容積が縮小してインク滴がノズルから吐出
され、記録紙に画像記録が可能な方式である。
【0262】また一つの方法は、超音波方式である。こ
れは特開平5−238006号公報などに記載のよう
に、インク室のインク液表面に超音波を集束印加してイ
ンク表面からインク滴を吐出させ、記録紙に画像記録が
可能な方式である。
【0263】また一つの方法は、荷電制御方式である。
これは特開昭62−56149号公報などに記載のよう
に、ピエゾ素子などによりノズルから連続的に吐出され
る荷電されたインク滴を、画像信号に応じて静電偏向し
て、記録紙に画像記録が可能な方式である。
【0264】また一つの方法は、静電方式である。これ
は特開昭59−225984号公報などに記載のよう
に、油性インクを用い、記録ヘッドと記録紙間に高電圧
を印加してインクをノズルから引き出して記録紙に接触
させて、記録紙に画像記録が可能な方式である。
【0265】本発明においては、上記のいずれの方式も
引用例の記載に限定せず、採用できる。
【0266】上記のような各種インクジェット方式に用
いられるインクにも以下のような種類のものが知られて
いる。
【0267】そのひとつは、水溶性インクである。これ
は特開平3−258870号公報などに記載のように、
水溶性染料を水を含む溶媒に溶解してなるインクであ
る。
【0268】また他のひとつは、油性インクである。こ
れは特開平2−276871号公報、同4−24887
9号公報などに記載のように、染料を有機溶媒に溶解し
てなるインクである。
【0269】また他のひとつは、顔料インクである。こ
れは特開平4−214781号公報などに記載のよう
に、顔料を水を含む溶媒に分散してなるインクである。
【0270】また他のひとつは、マイクロカプセルイン
クである。これは特開平1−170672号公報などに
記載のように、マイクロカプセル化した色素を含有する
インクである。
【0271】また他のひとつは、ホットメルトインクで
ある。これは特開平4−117468号公報などに記載
のように、常温で固体であり、高温下で溶解してインク
ジェットプリンタで吐出されるインクである。
【0272】本発明においては、上記のいずれの種類の
インクも、引用例の記載に限定せず採用できる。
【0273】上記のような各種インクジェット方式を用
いて濃淡画像を記録するには、階調表現が必要である。
各種インクジェット方式に用いられる階調記録方式にも
以下のような各種のものが知られている。
【0274】そのひとつは、ドット径制御法式である。
これは特開昭63−134250号公報などに記載のよ
うに、記録紙に付着するインクドットの大きさを制御し
て階調を得る方式である。ドット径制御の方法として
は、記録ヘッドに印加するパルス信号幅を制御する方法
やノズル径の異なる複数種類の記録ヘッドを用いる方法
により吐出インク滴径を変える方法や、後に述べるイン
ク重ね打ち回数制御によるインクのにじみの変化により
ドット径を変化させる方法(特公昭54−21095号
公報、特公平7−29446号公報)などがある。
【0275】また他のひとつは、インク重ね打ち法であ
る。これは特開平3−231859号公報などに記載の
ように、記録紙の同一位置に比較的低濃度のインクドッ
トを吐出する回数を制御して階調を得る方法である。
【0276】また他のひとつは、多濃度インクの組合せ
法である。これは特公平2−14905号公報などに記
載のように、同一色で濃度の異なるインクを吐出する記
録ヘッドを複数持ち、記録ヘッドの選択により濃度制御
を行う方式である。
【0277】また他のひとつは、インクミスト法であ
る。これは特開平5−57893号公報などに記載のよ
うに、圧電素子による超音波振動などを利用して記録ヘ
ッドからインクをミスト状にして吐出するもので超音波
振動の印加時間の制御などにより記録紙上の微細ドット
集合体の濃度を変えるものである。
【0278】また他のひとつは、マトリックス法であ
る。これは特開昭64−47553号公報などに記載の
ように、記録紙上の1画素をm×n個のドットをマトリ
ックス状に配置して構成し、マトリックス内のドットの
埋め方によって平均濃度の制御を行う方法である。マト
リックス内のドットの埋め方にも、誤差拡散法、ベイヤ
ー型組織的ディザ法、濃度パターン法などの各種方式が
ある。
【0279】また、上記各種階調記録方式を適当に組み
合わせた特公平5−46744号公報などに記載の方式
などもある。本発明においては、上記のいずれの方式
も、引用例の記載に限定せず単独で、もしくは複数方式
を組み合わせて採用できる。
【0280】上記のような各種インクジェット方式で記
録紙に記録した画素を2次元に配置して画像とするに
は、記録ヘッドを記録紙に対して相対的に2次元走査し
なければならない。この走査方式にも以下のように各種
のものがある。
【0281】ひとつの方式は、特公平5−46744号
公報などに記載のように、主走査方向はキャリッジに乗
せた記録ヘッドを機械的に走査させ、副走査方向は記録
紙の給送によって行う方式である。
【0282】また別の方式は、特公平1−59111号
公報などに記載のように、上記方式の主走査方向と副走
査方向とを入れ換えた方式である。すなわち、回転ドラ
ムに張り付けた記録紙に対して記録ヘッドをネジ送りな
どで移動させるような形である。
【0283】また別の方式は、特開平5−57893号
公報などに記載のように、主走査方向はマルチノズルの
広幅記録ヘッドによって機械的走査なしに同時記録し、
副走査方向は記録紙の給送によって行う方式である。
【0284】本発明においては、上記のいずれの方式も
引用例の記載に限定せず採用できる。
【0285】上記のような各種インクジェット方式に用
いられる記録紙にも以下のように各種のものがある。
【0286】ある記録紙は、特開昭62−111782
号公報などに記載のような、ピクトリコシートである。
これは、支持体上に多孔質粒子層を有する記録シート
で、記録後のインクのにじみが少ないという特徴をもつ
ものである。
【0287】また別の記録紙は、特開平7−17903
2号公報などに記載のような、ポリマーコートシートで
ある。これは、支持体上に親水性樹脂を含む層を有する
記録シートである。
【0288】また別の記録紙は、特開平7−17903
2号公報などに記載のような、支持体が樹脂被覆紙(re
sin coated paper)からなる記録シートであり、上記公
報に記載されているもののほか、例えばポリオレフィン
をコーティングした支持体上に少なくとも2層、望まし
くは3層の被覆層を有するもので、それらの層のうちの
少なくとも1層に下記一般式(6)、(7)または
(8)で表される重合体を少なくとも1種含有するもの
などがある。
【0289】
【化19】
【0290】式中、R9は炭素数1〜4のアルキル基を
表し、Aは共重合可能なエチレン性不飽和モノマーの繰
返し単位を表す。i1、j1、k1は各成分のモル百分
率比を表し、i1+j1+k1=100として、i1は
50〜100、j1は0〜50、k1は0〜30とす
る。
【0291】
【化20】
【0292】式中、R10は炭素数8以上のアルキル基、
フェニル基を表す。また、R9は炭素数1〜4のアルキ
ル基を表し、Aは共重合可能なエチレン性不飽和モノマ
ーの繰返し単位を表す。i2、j2、k2は各成分のモ
ル百分率比を表し、i2+j2+k2=100として、
i2は50〜100、j2は0〜50、k2は0〜30
とする。
【0293】
【化21】
【0294】式中、R11は水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基を表し、Aは共重合可能なエチレン性不飽和モ
ノマーの繰返し単位を表す。Zはピロリドン環、オキサ
ゾリドン環、またはラクタム環を形成するのに必要な原
子群を表す。Lは単結合、−CO−、−COO(C
2n−(但し、nは1〜5の整数)、または−CON
12(CH2n−(但し、nは1〜5の整数、R12は水
素原子または炭素数1〜4のアルキル基)を表す。i
3、k3は各成分のモル百分率比を表し、i3+k3=
100として、i3は10〜100、k3は0〜90と
する。
【0295】但し、以上に示した一般式(6)、(7)
および(8)において、Aは3級および4級アミノ基を
含まないものとする。さらに、上記層のうちの少なくと
も1層は、ポリビニールアルコールユニットを60モル
%以上95モル%以下の比率で含む重合体を少なくとも
1種含有することが望ましい。また、上記層のうちの少
なくとも1層は、直径3μm以上30μm以下、望まし
くは10μm以上30μm以下のマット材を含有するこ
とが望ましい。
【0296】本発明においては、上記いずれの記録紙
も、引用例の記載に限定せず好適に使用できる。
【0297】また、上記のような記録シート以外に、現
在、一般に印刷やハードコピーなどに広く使用されてい
る印刷用紙、コピー用紙、OHPシート、はがきなどの
用紙類や、プラスチックシート、布類なども使用可能な
ことは言うまでもない。
【0298】以上に述べたように、インクジェット方式
プリンタにより、上記写真フィルムから読み込まれたデ
ジタルフルカラー画像データをもとに銀塩写真や印刷画
像に比肩できるような高画質・高品質フルカラー画像が
得られ、これに適合する種類のインクを用い、各種階調
記録方式を組み合わせて好適な2値化画像処理を施し、
これを好適な走査メカニズムによって各種用途に適合し
た記録シートに銀塩写真や印刷画像に比肩できるような
高画質・高品質フルカラー画像を得ることができる。
【0299】次に本発明に好適に用いられる昇華型熱転
写方式のデジタルプリンタについて概要を述べる。
【0300】昇華型熱転写方式にてフルカラー画像を得
る方法については、従来より種々の提案がなされてお
り、また種々の方式にて実用化されている。一般に、昇
華型熱転写方式でのフルカラー画像形成方法は、熱移行
性の色素を含むインクシートをデジタル画像データに応
じて加熱して色素を受像シートに転写することによって
フルカラー画像を得るものである。
【0301】熱移行性色素は、例えば特開平6−106
861号公報に開示されているように、ジエン基または
ジエノフィル基を有するものとし、受像シートはジエノ
フィル化合物またはジエン化合物を含むものとすること
が望ましい。
【0302】あるいは、前記熱移行性色素を、特開平8
−224966号公報に開示されているようなキレート
化可能な色素とし、受像シートとして金属イオン供給化
合物を含むものを使用してもよい。
【0303】さらには、前記熱移行性色素は特開平8−
276673号公報に開示されているような反応性のア
ミノ基を含むものでもよく、この場合受像シートはアル
キルアクリルアミドグリコレートアルキルエーテル基を
含むポリマーを含むものとすることが望ましい。
【0304】また、受像シートの支持体は特開平5−1
62473号公報に記載されているようにポリエチレン
被覆紙であることが望ましい。
【0305】あるいは、受像シートの支持体は、特開平
8−99472号公報に記載されているような微小ボイ
ド化熱可塑性コア層および実質的にボイド層を含まない
熱可塑性表面層を積層してなるものであってもよい。
【0306】なお、この他、上述のように、熱現像感光
材料にデジタル画像データをレーザ露光し、その熱現像
感光材料を受像体と重ねてレーザ露光により記録された
画像を熱現像転写し、受像材上に画像を形成する方式の
デジタルプリンタも本発明の方法およびシステムに好適
に適用することができるが、このような方式のプリンタ
としては、例えば富士写真フイルム(株)のピクトログ
ラフィー3000がある。
【0307】なお、上述のようにデジタルプリンタの中
には、最終支持体となる感光材料あるいはその他の感光
材料に露光により画像を記録するものが多くあるが、露
光のための手段は上記レーザ光による走査に限定される
ものではなく、画像データを画素単位で変調することが
できる手段であればどのような手段であってもよい。
【0308】例えば、LEDアレイを光源に用い、各L
EDの発光強度を制御することにより変調を行ってもよ
い。あるいは、2次元アレイ状に配置された複数の微小
ミラーの向きをミラーごとに制御することによって記録
光の反射方向を変え、その記録光の感光材料への入射を
制御する空間変調素子(ミラーアレイデバイス)を使用
してもよい。さらには、同様に2次元アレイ状に配置さ
れた液晶セルの透過率あるいは反射率をセルごとに制御
することによって記録光の透過方向または反射方向を変
え、記録光の感光材料への入射を制御する方法もある。
さらには、上記微小ミラーなどをアレイ状ではなく一列
に配置し、感光材料をライン状に露光するとともに、そ
の露光ラインとほぼ直角な方向に記録光と感光材料とを
相対移動させて2次元画像を記録することもできる。
【0309】その他デジタル露光光を発生させる方法の
例としては、発光形の画像表示装置を用いて露光光を直
接変調されたものとして発生させる方法と、感光材料に
照射される光を空間変調して露光光とする受光形の画像
表示装置を用いる方法がある。発光形の画像表示装置と
しては、例えばCRT、プラズマディスプレイ(PD
P)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL
D)、蛍光表示管(VFD)、発光ダイオード(LE
D)などがあげられる。また、受光形の画像表示装置と
しては、エレクトロケミカルディスプレイ(ECD)、
電気泳動ディスプレイ(EPID)、分散粒子配向形デ
ィスプレイ(SPD)、着色粒子回転形ディスプレイ
(TBD)、PLZTディスプレイなどがある。
【0310】なお、デジタル画像データをプリント材料
ではなく、未使用の写真フィルムに記録することにより
写真フィルムの複写を行うことも可能である。
【0311】この他、上記感光部材からなる写真フィル
ムから読み取られた画像データの出力には、種々のデジ
タルプリンタを適用することができる。
【0312】(6)注文処理 ここで、上記ファイル出力、プリント出力などを行う場
合には、顧客から出力処理の注文情報を受け付けるため
の注文受付用ユーザインタフェース部が必要となる。具
体的には、注文したい写真のコマを確認するためのモニ
タなどの表示手段と、注文情報を入力したり確認応答を
行うためのキーボードなどの入力手段を備えることが好
ましい。あるいは銀行のATMのようにタッチパネルを
採用してもよい。この他、スピーカやマイクなどを設置
して音声により注文情報の入力を促したり、音声入力を
受け付けるようにしてもよく、写真サービスに限らずあ
らゆる分野において使用されているユーザインタフェー
スを適用することができる。
【0313】実際の注文処理では、例えば、現像処理さ
れたフィルムから読取られたデジタル画像データがモニ
タなどの画面上に並べて表示し、顧客が表示されたデジ
タル画像データの中から所望のデジタル画像データを例
えばマウスでクリックするなどして、選択できるように
するのがよい。
【0314】すなわち、従来の写真サービスでは、現像
時に同時プリントあるいはインデックスプリントを作成
して全ての写真を一旦プリントし、そのプリントを参照
しながら所望のコマの焼き増しプリントを行ったり、ト
リミング処理を依頼したりすることが普通であったが、
本発明の画像形成方法およびシステムでは、上記のよう
に現像、読取、画像処理が完了した時点で、ユーザはモ
ニタ上で写真画像を確認しながら、注文を行うことがで
きる。
【0315】つまり、同時プリントやインデックスプリ
ントを作成することなく、所望のコマを所望の枚数だけ
注文することができるということであり、これにより、
無駄なプリントを作成しなくてよいこと、複数枚のプリ
ントが必要な場合に従来のように何度も写真店に行かな
くてもよいこと、さらには注文処理の際にプリントの裏
に印字された番号などを注文用紙に記入する際などに発
生する注文誤りを減少することなど、ユーザにとって
も、サービス提供者にとっても使い勝手の良いシステム
を実現することができる。
【0316】また、このシステムは、注文情報により注
文された出力処理の代金決済も行えるようにすることが
望ましい。例えば写真フィルムをセットし、現像し、上
記画面上で必要なコマのみのプリントを指示すると、モ
ニタ画面上に現像代およびプリント代の合計金額が表示
されるようにする。入金は、自動販売機と同様の構造に
より実現することができる。
【0317】
【実施例】次に、本発明の画像形成方法およびシステム
のより具体的な実施例を示す。
【0318】(1) 写真フィルムの作製および露光 はじめに、本発明の画像形成方法およびシステムに使用
する感光部材および処理部材の作製方法と、作製した感
光部材から写真フィルムを作成する方法の例を示す。
【0319】(1−1) 感光部材および処理部材の層
構成 表1から表5は感光部材の層構成の一例を示している。
【0320】
【表1】
【0321】
【表2】
【0322】
【表3】
【0323】
【表4】
【0324】
【表5】
【0325】また、表6および表7は処理部材の層構成
の一例を示している。
【0326】
【表6】
【0327】
【表7】
【0328】なお、上記表1から表7中に記載されてい
る添加素材、および上記添加素材の調製に使用される素
材は以下のようなものである。
【0329】
【化6】
【0330】
【化7】
【0331】
【化8】
【0332】
【化9】
【0333】
【化10】
【0334】
【化11】
【0335】
【化12】
【0336】
【化13】
【0337】
【化14】
【0338】
【化15】
【0339】(1−2) 主要な添加素材の調製方法 以下、上記表1から表5に示される主要な添加素材の調
製方法を示す。
【0340】感光性ハロゲン化銀乳剤(a) 青色感光性ハロゲン化銀乳剤(a)の調製法を以下に示
す。
【0341】平均分子量12000のゼラチン0.96
gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水1191m
lを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶液に
強く撹拌しながら硝酸銀0.5gを含む水溶液(A)1
0.5mlと臭化カリウム0.35gを含む水溶液
(B)10mlとを150秒間で添加した。添加終了後
30秒後に臭化カリウム10%水溶液12mlを添加
し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇させ
た。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250mlと
共に加えた後、硝酸銀10.0gを含む水溶液(C)3
9mlと臭化カリウム6.7gを含む水溶液(D)30
mlとを添加流量を加速しながら3分15秒間にわたっ
て添加した。次いで硝酸銀96.7gを含む水溶液
(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモ
ル比7:93で含む水溶液(F)(臭化カリウムの濃度
26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反応液の銀
電位が飽和カロメル電極に対して−20mVとなるよう
に20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1gを含む
水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9%水溶
液(H)と3分間にわたって、かつ反応液の銀電位が飽
和カロメル電極に対して25mVとなるように添加し
た。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温度
を55℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナトリ
ウム15mlを添加した。その後2分後、硝酸銀5gを
含む水溶液(I)100mlと沃化カリウム4.7gを
含む水溶液(J)200.5mlとを5分間にわたって
添加した。添加終了後臭化カリウム7.11gを加え、
55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀62gを含む水
溶液(K)248mlと臭化カリウム48.1gを含む
水溶液(L)231mlとを8分間にわたって添加し
た。その30秒後に、エチルチオスルホン酸ナトリウム
0.03gを含む水溶液を添加した。温度を下げ、花王
製デモールを用いて、乳剤粒子を凝集沈降せしめて脱塩
を行った。分散は、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム
と、フェノキシエタノールと水溶性ポリマー(a) と石灰
処理ゼラチンを添加して行った。
【0342】化学増感は、60℃にて行った。増感色素
(a) をゼラチン分散物として、化学増感前に添加した後
に、チオシアン酸カリウムと塩化金酸の混合液を添加
し、次いで、チオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤を添加
し、化学増感の停止は、メルカプト化合物で行った。増
感色素、化学増感剤、メルカプト化合物の量は、感度、
カブリで最適化した。
【0343】得られた粒子はアスペクト比2以上の平板
粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占
め、平均球相当直径は1.07μmで、平均厚み0.3
8μm、平均等価円直径1.47μm、平均アスペクト
比3.9であった。
【0344】感光性ハロゲン化銀乳剤(b) 次に、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(b)の調製法を以
下に示す。
【0345】平均分子量12000のゼラチン0.96
gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水1191m
lを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶液に
強く撹拌しながら硝酸銀1.5gを含む水溶液(A)3
7.5mlと臭化カリウム1.051gを含む水溶液
(B)37.5mlとを90秒間で添加した。添加終了
後30秒後に臭化カリウム10%水溶液12mlを添加
し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇させ
た。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250mlと
共に加えた後、硝酸銀29.0gを含む水溶液(C)1
16mlと臭化カリウム20gを含む水溶液(D)91
mlとを添加流量を加速しながら11分35秒間にわた
って添加した。次いで硝酸銀96.7gを含む水溶液
(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモ
ル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭化カリウ
ムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して2mVとなる
ように20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1gを
含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9%
水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反応液の銀電
位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように添加
した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温
度を55℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナト
リウム15mlを添加した。その後2分後、硝酸銀1
0.4gを含む水溶液(I)153mlと沃化カリウム
9.35gを含む水溶液(J)414.5mlとを5分
間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム7.1
1gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀5
7.1gを含む水溶液(K)228mlと臭化カリウム
43.9gを含む水溶液(L)201mlとを8分間に
わたって添加した。その30秒後に、エチルチオスルホ
ン酸ナトリウム0.04gを含む水溶液を添加した。温
度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(a)と同様に
して、脱塩分散を行った。化学増感は、青色感光性ハロ
ゲン化銀乳剤(a)とセレン増感剤を添加しない以外
は、同様に行った。増感色素、化学増感停止のメルカプ
ト化合物は、乳剤粒子の表面積に概ね比例した。
【0346】得られた粒子はアスペクト比2以上の平板
粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占
め、平均球相当直径は0.66μmで、平均厚み0.1
7μm、平均等価円直径1.05μm、平均アスペクト
比6.3であった。
【0347】感光性ハロゲン化銀乳剤(c) 次に青色感光性ハロゲン化銀乳剤(c)の調製法を以下
に示す。
【0348】石灰処理ゼラチン17.8g、臭化カリウ
ム6.2gと沃化カリウム0.46gを含む蒸留水13
45mlを反応容器中に入れ、45℃に昇温した。この
溶液に強く撹拌しながら硝酸銀11.8gを含む水溶液
70ml(A)と臭化カリウム3.8gを含む水溶液7
0ml(B)とを45秒間で添加した。4分間45℃に
保った後、反応溶液の温度を63℃に上昇させた。石灰
処理ゼラチン24gを蒸留水185mlと共に加えた
後、硝酸銀73gを含む水溶液208ml(C)と臭化
カリウムの24.8%水溶液(D)とを添加流量を加速
しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対
して0mVとなるように13分間にわたって添加した。
添加終了後2分間63℃に保った後、反応液の温度を4
5℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナトリウム
15mlを添加した。その後2分後、硝酸銀8.4gを
含む水溶液60ml(E)と沃化カリウム8.3gを含
む水溶液461ml(F)とを5分間にわたって添加し
た。さらに硝酸銀148.8gを含む水溶液496ml
(G)と臭化カリウムの25%水溶液(H)とを反応液
の銀電位が飽和カロメル電極に対して90mVとなるよ
うに47分間にわたって添加した。添加終了30秒後に
臭化カリウム2gおよびエチルチオスルホン酸ナトリウ
ム0.06gを含む水溶液を添加した。温度を下げ、青
色感光性ハロゲン化銀乳剤(b)と同様にして、脱塩お
よび分散、化学増感を行った。得られた乳剤は球相当の
直径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均厚み
0.2μm、平均等価円直径0.53μm、平均アスペ
クト比2.6の六角平板粒子であった。
【0349】感光性ハロゲン化銀乳剤(d) 次に、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(d)の調製法を以
下に示す。
【0350】平均分子量12000のゼラチン0.96
gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水1191m
lを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶液に
強く撹拌しながら硝酸銀0.7gを含む水溶液(A)1
7.5mlと臭化カリウム1.051gを含む水溶液
(B)17.5mlとを120秒間で添加した。添加終
了後30秒後に臭化カリウム10%水溶液12mlを添
加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇させ
た。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250mlと
共に加えた後、硝酸銀19.0gを含む水溶液(C)5
6mlと臭化カリウム10gを含む水溶液(D)461
mlとを添加流量を加速しながら7分35秒間にわたっ
て添加した。次いで硝酸銀96.7gを含む水溶液
(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモ
ル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭化カリウ
ムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなる
ように20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1gを
含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9%
水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反応液の銀電
位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように添加
した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温
度を55℃に下降させた。次いで、硝酸銀8.3gを含
む水溶液(I)122mlと沃化カリウム7.48gを
含む水溶液(J)332mlとを5分間にわたって添加
した。添加終了後臭化カリウム7.11gを加え、55
℃で1分間保った後、さらに硝酸銀62.8gを含む水
溶液(K)228mlと臭化カリウム48.3gを含む
水溶液(L)201mlとを8分間にわたって添加し
た。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(a)と
同様にして脱塩および分散を行った。化学増感も、増感
色素(a)の代わりに増感色素(b)、増感色素(c)、
増感色素(d)の混合物のゼラチン分散物を添加した以
外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(a)と同様にして
行った。
【0351】得られた粒子はアスペクト比2以上の平板
粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占
め、平均球相当直径は0.85μmで、平均厚み0.2
6μm、平均等価円直径1.25μm、平均アスペクト
比4.8であった。
【0352】感応性ハロゲン化銀乳剤(e) 次に、緑色感応性ハロゲン化銀乳剤(e)の調製法を以
下に示す。
【0353】粒子形成中の水酸化ナトリウムとエチルチ
オスルホン酸ナトリウムを添加しない以外は、青色感光
性ハロゲン化銀乳剤(b)と同様にして、脱塩および分
散を行い、化学増感は、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤
(d)と同様にした。
【0354】得られた粒子はアスペクト2以上の平板粒
子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、
平均球相当直径は0.66μmで、平均厚み0.17μ
m、平均等価円直径1.05μm、平均アスペクト比
6.3であった。
【0355】感光性ハロゲン化銀乳剤(f) 次に、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(f)の調製法を以
下に示す。
【0356】粒子形成中の水酸化ナトリウムを添加しな
いで、エチルチオスルホン酸ナトリウムを4mgに変更
する以外は、青色感応性ハロゲン化銀乳剤(c)と同様
にして、粒子形成、脱塩および分散を行い、化学増感に
おいてセレン増感剤を添加しない以外は、緑色感応性ハ
ロゲン化銀乳剤(d)と同様にして化学増感を行った。
【0357】得られた乳剤は球相当の直径で表した平均
粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平均等
価円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の六角
平板粒子であった。
【0358】感応性ハロゲン化銀乳剤(g) 次に赤色感応性ハロゲン化銀乳剤(g)の調製法を以下
に示す。
【0359】化学増感時の増感色素を増感色素(e)の
ゼラチン分散物、増感色素(f)、増感色素(g)の混合
物のゼラチン分散物にして添加した以外は、緑色感光性
ハロゲン化銀乳剤(d)と同様にして調製した。得られ
られた粒子はアスペクト比2以上の平板粒子が全粒子の
全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相当直
径は0.85μmで、平均厚み0.26μm、平均等価
円直径1.25μm、平均アスペクト比4.8であっ
た。
【0360】感光性ハロゲン化銀乳剤(h) 次に、赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(h)の調製法を以
下に示す。
【0361】化学増感時の増感色素を増感色素(e)の
ゼラチン分散物、増感色素(f)、増感色素(g)の混
合物のゼラチン分散物にして添加した以外は、緑色感応
性ハロゲン化銀乳剤(e)と同様にして調製した。
【0362】得られた粒子はアスペクト比2以上の平板
粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占
め、平均球相当直径は0.66μmで、平均厚み0.1
7μm、平均等価円直径1.05μm、平均アスペクト
比6.3であった。
【0363】感光性ハロゲン化銀乳剤(i) 次に、赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(i)の調製法を以
下に示す。
【0364】化学増感時の増感色素を増感色素(e)の
ゼラチン分散物、増感色素(f)、増感色素(g)の混
合物のゼラチン分散物にして添加した以外は、緑色感光
性ハロゲン化銀乳剤(f)と同様にして調製した。
【0365】得られた乳剤は球相当の直径で表した平均
粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平均等
価円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の六角
平板粒子であった。
【0366】水酸化亜鉛分散物 次に、水酸化亜鉛分散物の調製方法を以下に示す。
【0367】一次粒子の粒子サイズが0.2μmの水酸
化亜鉛の粉末31g、分散剤としてカルボキシメチルセ
ルロース1.6gおよびポリアクリル酸ソーダ0.4
g、石灰処理オセインゼラチン8.5g、水158.5
mlを混合し、この混合物をガラスビーズを用いたミル
で1時間分散した。分散後、ガラスビーズを濾別し、水
酸化亜鉛の分散物188gを得た。
【0368】発色現像主薬およびカプラーの乳化分散物 次に、発色現像主薬およびカプラーの乳化分散物の調製
方法を示す。
【0369】表8に示す組成の油相成分、水相成分をそ
れぞれ溶解し、60℃の均一な溶液とする。油相成分と
水相成分を合わせ、1リットルのステンレス容器中で、
直径5cmのディスパーサーのついたディゾルバーによ
り、10000rpmで20分間、分散した。これに、
後加水として、表8に示す量の温水を加え、2000r
pmで10分間混合した。このようにして、シアン、マ
ゼンタ、イエロー3色のカプラーの乳化分散物を調製し
た。
【0370】
【表8】
【0371】イエローフィルターおよびアンチハレーシ
ョン層用染料組成物 次に、イエローフィルターおよびアンチハレーション層
用染料組成物の調製方法を示す。
【0372】染料組成物は以下のように乳化分散物とし
て調製し添加した。
【0373】ロイコ染料と顕色剤および必要に応じて高
沸点有機溶媒を秤量し、酢酸エチルを加え、約60℃に
加熱溶解させ均一な溶液とし、この溶液100ccに対
し、界面活性剤(a)を1.0g、約60℃に加熱した石
灰処理ゼラチンの6.6%水溶液190ccを加え、ホ
モジナイザーで10分間10000rpmで分散した。
【0374】表9に示した、2種類の染料分散物を作成
した。
【0375】
【表9】
【0376】(1−3) 支持体の作成 次いで以下に示す方法にて上記感光部材の支持体を作成
した。
【0377】ポリエチレン−2,6−ナフタレート(P
EN)ポリマー100重量単位と紫外線吸収剤としてTi
nuvin P. 326(チバ.ガイギー社製)2重量部とを乾燥
した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、
140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で
3.3倍の横延伸を行い、更に250℃で6秒間熱固定
して厚さ90μmのPENフィルムを得た。
【0378】なおこのPENフィルムにはブルー染料、
マゼンタ染料、イエロー染料(公開技法:公技番号94
−6023号記載のI−1、I−4、I−6、I−24、
I−26、I−27、II−5)を適当量添加した。更に、直
径20cmのステンレス巻き芯に巻き付けて、110
℃、48時間の熱履歴を与え、巻きぐせのつきにくい支
持体とした。
【0379】下塗り層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV照射処
理、更にグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼラ
チン0.1g/m2、サルチル酸0.04g/m2、p−
クロロフェノール(CH2=CHSO2CH2CH2NHC
O)2CH20.012g/m2、ポリアミド−エピクロ
ルヒドリン重合物0.02g/m2の下塗液を塗布して
(10cc/m2、バーコーター使用)、下塗層を延伸
時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した。
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は全て115℃とし
た)。
【0380】バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、透明磁気記録層さらに滑り層を塗設し
た。
【0381】帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン
0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHC
O)2CH2 0.02g/m2、ポリ(重合度10)オキ
シエチレン-p-ノニルフェノール 0.005g/m2
よびレゾルシンを塗布した。
【0382】透明磁気記録層の塗設 3-ポリ(重合度15)オキシエチレン-プロピルオキシト
リメトキシシラン(15重量%)で被覆処理されたコバ
ルト-γ-酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.14μ
m、短軸0.03μm、飽和磁化89emu/g、Fe
+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸化
鉄の2重量%で処理されている)0.06g/m2をジ
アセチルセルロース1.2g/m2(酸化鉄の分散はオ
ープンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤とし
てC25C(CH2CONH-C63(CH3)NCO)3
0.3g/m2を溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、ジブチルフタレートを用いてバ
ーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気記録層を得
た。滑り剤としてC613CH(OH)C1020COOC
4081 50mg/m2、マット剤としてシリカ粒子
(1.0μm)と3-ポリ(重合度15)オキシエチレ
ンプロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で
処理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.20μmおよ
び1.0μm)をそれぞれ50mg/m2および10m
g/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分
実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は全て11
5℃)。X-ライト(ブルーフィルター)での磁気記録
層のDBの色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の
飽和磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力7.3
×104A/m、角形比は65%であった。
【0383】滑り層の調製 ヒドロキシエチルセルロース(25mg/m2)、C6
13CH(OH)C1020COOC4081(6mg/
2)、シリコーン油BYK-310(ビックケミージャ
パン(株)製)1.5mg/m2を塗布した。なお、こ
の混合物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプ
ロピレンモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散し
て作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01
μm)にしてから添加した。乾燥は115℃、6分行っ
た(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。滑り層は、動摩擦係数0.10(5mmφのステ
ンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静
摩擦係数0.08(クリップ法)、また乳剤面と滑り層
の動摩擦係数も0.15と優れた特性であった。
【0384】(1−4) 添加素材の他の例 なお、上記感光部材を例1とすると、例1において感光
部材に使用した発色現像主薬およびカプラーの組み合わ
せを下記の表10に示すように変更した以外は全く同様
にして例2から例5の感光部材を作製し、露光、現像し
たところ例1と同様に良好な画像が得られた。なお、各
素材の使用量は例1と等モル量である。
【0385】
【表10】
【0386】但し表10における現像主薬およびカプラ
ーは以下の化学式で示されるものである。
【0387】
【化16】
【0388】
【化17】
【0389】
【化18】
【0390】(1−5) 写真フィルムの作成と露光 作製した感光部材をAPSフォーマット、すなわち24
mm巾、160cmに裁断、穿孔し、APSカメラに装
填して人物とマクベスチャートを撮影した。但し、以下
の説明はAPSフォーマットの場合に限定されるもので
はなく、135フィルムフォーマットでもよいことはい
うまでもない。
【0391】この撮影済感光部材を、後述する画像形成
システムにより、40℃の水を15cc/m2 (最大膨
潤量の45%に相当)を付与して、上記のように作製し
た処理部材と重ね、83℃のヒートドラムで感光部材の
バック面から20秒間加熱した。処理部材を感光部材か
ら引き剥がすと感光部材上にネガ画像が得られた。
【0392】また、感光部材を45℃湿度80%の環境
下、3日放置後、同様の処理を行ったところ、いずれも
良好な画像を得ることができた。
【0393】また、同様に裁断した感光部材の、長さ方
向の片側幅方向から0.7mmのところに、2mm四方
のパーフォレーションを5.8mm間隔で2つ設け、こ
の2つのセットを32mm間隔で設けたものも作製し
た。この裁断試料を米国特許第5296887号記載の
図1〜図7に説明されているプラスチック製のフィルム
カートリッジに収納した。
【0394】このカートリッジ収納試料を欧州特許公開
第723180号記載の図−2に記載のレンズ付きフィ
ルムユニットに装填した。
【0395】こうして得られた中身のフィルムが異なる
ストロボ無しレンズ付きフィルムで、輝度の異なる種々
の被写体を同時に撮影して評価したところ、APSカメ
ラで撮影した場合と同様に粒状、シャープネスとも良好
な画像が得られた。
【0396】(2) 画像形成システム 次に、本発明の画像形成システムの実施例について詳細
に説明する。上述のように、本発明の画像形成システム
の構成は、図2のブロック図により示される。このブロ
ック図において各ブロックは全て1つの筐体内に収めら
れた形で実現されてもよいし、例えば現像機と、フィル
ムスキャナと、画像処理を行うパソコンと、デジタルプ
リンタというように、それぞれが独立した機器として存
在し、それらを組み合わせることにより1つのシステム
を構成してもよい。あるいは、各ブロックを専用の筐体
に組込可能なコンポーネントとして提供し、ニーズに応
じて必要なものを選択して1つの筐体に組み込んで提供
してもよい。
【0397】特に出力部については、多種多様なメディ
アドライブ、あるいはデジタルプリンタを適用すること
ができるため、必要に応じて複数種類のドライブあるい
はプリンタをシステムに組み込み、注文に応じて自動的
に切り替えられるようにするのがよい。
【0398】なお、上記全ての機能を含む一体型システ
ムの筐体は、従来のラボシステムを一回り小さくしたよ
うな略直方体状のものとなる。但し、筐体の形はこれに
限定されるものではなく、デジタルプリンタの種類やユ
ーザインタフェースによって、外観が変わる。
【0399】以下に示す実施例は、図2のブロック図に
おけるセット部5、現像部1、読取部2および画像処理
部3を含む1台の現像/読取機と、図2のブロック図の
出力部4に相当するものであって、この現像/読取機に
接続される3種類のデジタルプリンタ(電子写真方式の
デジタルプリンタ、インクジェット方式のデジタルプリ
ンタおよび感光材をレーザ露光した後に現像してプリン
トを作成するプリンタ)とからなる。現像/読取機およ
びデジタルプリンタは、それぞれモニタと、いくつかの
専用操作ボタンおよびキーボードを備え、さらに警告音
を鳴らすためのスピーカーを備えている。以下、撮影済
写真フィルムのシステムへのセットからプリント作成ま
でを順をおって説明する。
【0400】(2−1) 現像部 図3に示すように、現像部1には、撮影済のフィルムF
を収容したフィルム収納体を装填するセット部5が設け
られている。このセット部は、本発明の方法およびシス
テムに使用される写真フィルム専用の、すなわち特殊な
形状のカートリッジおよびレンズ付きフィルムユニット
が、密に装填されるような凹型のカートリッジ保持部18
とレンズ付きフィルムユニット保持部(図示せず)を有
する。
【0401】また、このセット部5は遮光シャッターを
備える。この遮光シャッターは、ユーザがカートリッジ
などをセットし、セットが完了したことをシステムに伝
えるセット完了ボタン(図示せず)を押すと、自動的に
閉まるようになっている。
【0402】ここで、本発明に使用するカートリッジあ
るいはレンズ付きフィルムユニットの本体には、フィル
ム種別を識別するためのバーコードが付与されており、
上記セット完了ボタンが押された時点で、システムに内
蔵されるバーコードリーダによりこのバーコードが読み
取られるようになっている。これにより、セットされた
フィルムがシステムで処理できない種類であることがわ
かると、上記スピーカーから警告音が発せられ、モニタ
上に、処理ができないことを知らせるエラーメッセージ
が表示される。この場合、上記遮光シャッターは閉まら
ず、フィルム収納体はユーザに返却される。
【0403】以下、ユーザが上記セット部にカートリッ
ジをセットし、セットが正しく完了したものとして説明
する。
【0404】遮光シャッターが閉まり、フィルム収納体
が遮光状態になると、次にセットされたカートリッジか
らフィルムFが引き出され、図示しない搬送ローラによ
り矢印A方向に搬送される。一方フィルムFが引き出さ
れた後のカートリッジは、別の搬送経路により所定の集
積部への集積される(図示せず)。
【0405】上記搬送方向下流側には、溶媒付与手段と
しての後述する溶媒付与装置290が設置されており、さ
らに下流側にはドラム291と搬送ローラ30とが設置され
ている。フィルムFは溶媒付与装置290を通過した後、
ドラム291の下面と搬送ローラ30の上面との間に導かれ
る。
【0406】一方、現像部1には、支持体上にフィルム
Fを現像するための媒染剤を含む層を有する処理部材K
がロール状に巻かれた供給リール28が設置されている。
処理部材Kは、供給リール28から搬送ローラ30へ向けて
搬送され、搬送ローラ30の外周面に巻きかけられた後、
ドラム291の外周面(図3において左側の外周面)に巻
きかけられる。さらに、処理部材Kは、ドラム291の上
端部近傍に設置された搬送ローラ32に巻きかけられた
後、巻取リール34にロール状に巻かれて収納される。
【0407】前述したフィルムFは、ドラム291の下面
と搬送ローラ30の上面との間に導かれた後、上記ドラム
291の外周面に巻きかけられて搬送される処理部材Kと
ドラム291の外周面とで挟まれた状態でドラム291の外周
面に沿って搬送される。これにより、フィルムFと処理
部材Kとを重ね合わせて搬送することができる。この
際、フィルムFには溶媒付与装置290により水が付与さ
れているため、フィルムFと処理部材Kとは隙間なく密
着した状態でドラム291の外周部を搬送される。
【0408】また、図3においてドラム291の左側の外
周面近傍には、重なり合った状態のフィルムFと処理部
材Kとを加熱するための加熱部292が設置されている。
フィルムFの先端がドラム291の外周部における加熱範
囲(即ち、加熱部292で加熱される範囲)の終端部(矢
印J部)に到達したか否かはセンサにより監視され、こ
れにより各搬送ローラは、フィルムFが加熱位置に到達
するまでは、フィルムFおよび処理部材Kの搬送を継続
するように制御される。フィルムFが加熱範囲に到達す
ると、フィルムFおよび処理部材Kの搬送は一時停止さ
れ、加熱部292においてフィルムFおよび処理部材Kが
所定時間加熱された後に再び搬送が再開される。
【0409】重なり合った状態のフィルムFと処理部材
Kとがドラム291の上端部に至ると、このうち処理部材
Kは搬送ローラ32に巻きかけられ、フィルムFから剥離
される。フィルムFは剥離された後、複数の搬送ローラ
36によって読取部2へ搬送される。
【0410】上記搬送ローラ32の径は、ドラム291の径
よりもかなり小さいため、ドラム291の上端部では処理
部材Kが搬送ローラ32に巻きかけられることで、該処理
部材Kの搬送路の曲率半径が小さくなる。これにより、
処理部材KはフィルムFから容易に剥離される。
【0411】ここで、図3、図4および図5を用いて溶
媒付与装置290の構成を説明する。なお、本実施例で
は、画像形成用溶媒として水を使用するものとする。
【0412】図4に示すように、溶媒付与装置290には
フィルムFに噴射する水を貯留し、後述する現像読取制
御部40による制御によってフィルムFに水を噴射する噴
射タンク112が設置されている。
【0413】この噴射タンク112の斜め下方には、この
噴射タンク112に供給する為の水を貯留する水ボトル132
が配置されており、この水ボトル132の上部には水を濾
過する為のフィルタ134が配置されている。そして、途
中にポンプ136が配置された送水パイプ142が、この水ボ
トル132とフィルタ134とを繋いでいる。
【0414】さらに、噴射タンク112の側方には、水ボ
トル132より送られた水を溜めるサブタンク138が配置さ
れており、このサブタンク138は送水パイプ144を介して
フィルタ134に繋がっている。
【0415】したがって、ポンプ136が作動すると、水
ボトル132からフィルタ134側に水が送られると共に、フ
ィルタ134を通過して濾過された水がサブタンク138に送
られて、このサブタンク138に水が一旦溜められる。
【0416】また、サブタンク138と噴射タンク112との
間を繋ぐ送水パイプ146が、これらの間に配置されてお
り、フィルタ134、サブタンク138、送水パイプ146など
を介して、水ボトル132よりポンプ136で送られた水がこ
の噴射タンク112内に満たされることになる。
【0417】この噴射タンク112の下部には、水ボトル1
32に循環パイプ148で繋がれたトレー140が配置されてお
り、噴射タンク112より溢れ出した水をトレー140が集
め、循環パイプ148を介して水ボトル132に戻すように構
成されている。また、この循環パイプ148は、サブタン
ク138内にまで突出して伸びた状態でサブタンク138に接
続されており、サブタンク138内に溜まった必要以上の
水を水ボトル132に戻すようになっている。さらに、噴
射タンク112の最下部(即ち、フィルムFの搬送経路に
対向した部分)には、弾性変形可能な長方形状の薄板を
屈曲して形成したノズル板122が設置されている。
【0418】このノズル板122には、噴射タンク112内に
満たされた水を噴射するための複数のノズル孔124(例
えば直径数十μm)が、一定の間隔でフィルムFの搬送
方向と交差する方向(図4において紙面垂直方向)に沿
って直線状に、フィルムFの幅方向全体にわたって配置
されている。
【0419】また、噴射タンク112の上部から排気管130
が伸びており、この排気管130が噴射タンク112の内外を
連通可能としている。また、この排気管130の途中にこ
の排気管130を開閉する図示しないバルブが設置されて
いて、このバルブの開閉動により、噴射タンク112内を
外気に対して連通および閉鎖し得るようになっている。
【0420】図5は噴射タンク112を示す図であるが、
この図に示すように、ノズル板122の両端部は、一対の
てこ板120にそれぞれ接着剤などで接着されて接続され
ており、これら一対のてこ板120は、噴射タンク112の一
対の側壁112Aの下部にそれぞれ形成された細幅の支持部
112Bを介して、これら一対の側壁112Aにそれぞれ固定さ
れている。
【0421】一方、相互に当接して噴射タンク112の頂
面を形成する一対の頂壁112Cの一部は、噴射タンク112
の外側にまで突出しており、この突出した頂壁112Cの下
側には、複数の圧電素子126(例えば、片側に3本づ
つ)が接着されて配置されている。この圧電素子126の
下面には、てこ板120の外端側が接着されて、圧電素子1
26とてこ板120とが連結されている。
【0422】したがって、これら圧電素子126、てこ板1
20および支持部112Bにより、てこ機構が構成されること
になり、図6に示すように、圧電素子126によっててこ
板120の外端側が下方へ動かされると、この動きと逆の
上方向にてこ板120の内端側が動くことになる。この変
位はノズル板122に伝達されて、ノズル板122も変位し、
噴射タンク112内の水を加圧する。これにより、噴射タ
ンク112内の水がノズル孔124からフィルムFへ向けて噴
出される。
【0423】なお、上記溶媒付与装置290、搬送ローラ
などの制御処理の流れをフローチャートとして表すと図
7のようなものとなる。
【0424】但し、上記のようにフィルムFおよび処理
部材Kの搬送を一時停止して、加熱部292によって該フ
ィルムFの全体を一度に熱現像する以外にも、例えば、
フィルムFおよび処理部材Kの搬送を開始すると同時
に、加熱部292による加熱を開始しておき、溶媒付与装
置290で水が付与されたフィルムFを、処理部材Kとド
ラム291とで等速度で挟持搬送する間に加熱することに
より熱現像してもよい。このようにフィルムFを等速度
で挟持搬送すれば、フィルムFの各コマ画像は同じ時間
ずつ加熱されることになり、現像むらを生じることなく
首尾良く熱現像することができる。また、上記のように
して熱現像すれば、加熱部292による加熱範囲をフィル
ムF全体をカバーする程度に大きく構成する必要はなく
なり、フィルムFおよび処理部材Kの搬送を一時停止し
たり、再開したりする必要はなく、フィルムFを搬送し
ながら熱現像することができる。
【0425】(2−2) 読取部および画像処理部 次に、読取部2および画像処理部3について説明する。
ここでは、読取部2の構成として2つの例、読取部2aお
よび2bを示す。
【0426】はじめに、図8(A)、(B)を用いて読
取部2aの構成を説明する。図8(A)は、矢印Bで示す
フィルムFの搬送方向に垂直な方向から読取部2aを見た
図を示す。現像部1で現像されたフィルムFは、図示し
ない搬送ローラで読取部2aへ搬送され、搬送ローラ52、
54で挟まれた所定の読取位置Eに到達する。上記加熱部
292へのフィルムFの搬送と同様、読取部においても、
読取位置EにフィルムFが到達したか否かがセンサによ
り監視され、読取位置Eに到達した場合には搬送が一時
停止する。
【0427】読取部2aには、上記読取位置Eへ向けて光
を射出する光源64が設置されており、光射出方向(矢印
L方向)の下流側には光量むらを防止するためのミラー
ボックス58、拡散板56が順に配置されている。
【0428】さらにフィルムFの搬送路を越えて下流側
には、レンズ50が配置されており、さらに下流側には、
フィルムFを透過した光による透過画像を読み取るため
のCCDセンサ48が配置されている。レンズ50は、フィ
ルムFを透過した光をCCDセンサ48上に結像させる機
能を有する。
【0429】CCDセンサ48は図8(B)に示すよう
に、画像のB色成分を読み取るラインセンサで構成され
たB色成分読取部48B、G色成分を読み取るラインセン
サで構成されたG色成分読取部48G、およびR色成分を
読み取るラインセンサで構成されたR色成分読取部48R
によって構成されており、読取位置Eを通過するフィル
ムFを透過した光による画像を各色成分ごとにライン単
位でデジタル的に読み取る。
【0430】このようなCCDセンサ48は図8(A)に
示すように、マイクロコンピュータを含んで構成され現
像/読取機10の各種処理を制御する現像読取制御部40に
接続されており、読み取った各色成分ごとの画像データ
を現像読取制御部40へ送信する。現像読取制御部40には
フロッピーディスクドライブ44が設けられており、さら
に磁気ディスク装置42に接続されている。この現像読取
制御部40では、受信した画像データに対し所定の画像処
理を行った後、フロッピーディスクドライブ44にセット
されたフロッピーディスク46や上記磁気ディスク装置42
に画像データを記憶することができる。また、一旦記憶
した画像データを読み出すこともできる。
【0431】なお、読取部は図9に示す読取部2bのよう
に、二次元的に画像を読み取るCCDエリアセンサ15を
用いたものであってもよい。
【0432】図9に示される読取部2bは、本発明に使用
される感光部材からなるネガフィルムのフィルムFに記
録されたカラー画像に、光を照射して、フィルムを透過
した光を検出することにより、カラー画像を光電的に読
取り可能に構成されており、光源11、光源11から発せら
れた光の光量を調整可能な光量調整ユニット12、光源11
から発せられた光を、R(赤)、G(緑)およびB
(青)の3色に分解するための、色分解ユニット13、光
源11から発せられた光がフィルムFに一様に照射される
ように、光を拡散させる拡散ユニット14、フィルムFを
透過した光を光電的に検出するCCDエリアセンサ15お
よびフィルムFを透過した光をCCDエリアセンサ15に
結像させる電動ズームレンズ16を備えている。この読取
部2bは、図示しないフィルムキャリアを交換することに
より、135ネガフィルム、135ポジフィルム、アド
バンストフォトシステム(APS)フィルムなど多種の
フィルムを読み取ることができる。
【0433】光源11としてはハロゲンランプを用い、光
量調整ユニット12は、2枚の絞り板の移動により、移動
距離に対して指数的に光量が変化するようになってい
る。色分解ユニット13はR、G、B3枚のフィルターを
有する円盤を回転させることにより、面順次に3色に色
分解する。また、CCDエリアセンサ15は、縦920画
素、横1380画素の受光素子を有しており、高分解能
でフィルム上の画像情報を読みとることができる。CC
Dエリアセンサ15は、カラー画像の読取りに際して、光
電的に読み取った画像の奇数行の画像データからなる奇
数フィールドの画像データと、偶数行の画像データから
なる偶数フィールドの画像データとを、順次、転送する
ように構成されている。
【0434】この読取部2bは、さらに、CCDエリアセ
ンサ15により光電的に検出され、生成されたR、G、B
の画像信号を増幅する増幅器17、画像信号をデジタル化
するA/D変換器280、A/D変換器280によりデジタル
化された画像信号に対して、画素ごとの感度のバラツキ
や暗電流の補正処理を施すCCD補正手段19およびR、
G、Bの画像データを濃度データに変換するログ変換器
20、および写真フィルム上に残存するハロゲン化銀およ
び現像銀の影響を打ち消すべく画像データの濃度値が全
体的に銀の寄与分だけ低くなるように補正する銀寄与分
補正手段233を備えている。銀寄与分補正手段233は、イ
ンタフェース21に接続されている。
【0435】フィルムFは、キャリア22により保持さ
れ、キャリア22に保持されたフィルムFは、モータ23に
より駆動される駆動ローラ24によって、所定の位置に送
られて、停止状態にプレス保持され、1コマのカラー画
像の読取りが完了すると、1コマ分、送られるように構
成されている。ネガフィルムを扱うためのオートキャリ
アとしては富士フィルム製NC135Sなどの従来のミ
ニラボで使用されているものを用いる。フルサイズ、パ
ノラマサイズ、Hサイズなど、プリント形態に対応した
範囲の画像を読みとることができる。またトリミングキ
ャリアとして従来のミニラボで使用されているものを用
いると、センターを軸に、約1.4倍の拡大が可能とな
る。またリバーサルキャリアとして、特願平7−271
048号、同7−275358号、同7−275359
号、同7−277455号、同7−285015号に開
示するものを用いる。
【0436】また画面検出センサ25は、フィルムFに記
録されたカラー画像の濃度分布を検出し、検出した濃度
信号を読取部2bを制御するCPU26に出力するものであ
り、この濃度信号に基づき、CPU26は、フィルムFに
記録されたカラー画像の画面位置を算出し、カラー画像
の画面位置が所定の位置に達したと判定すると、モータ
23の駆動を停止させるように構成されている。
【0437】なお、本実施例における画像形成システム
は、本発明に使用される感光部材からなる写真フィルム
の現像のみならず、カラープリントを読み取って他の媒
体に再生することも行うため、上記フィルムを読み取る
ための透過型の読取部とは別に、カラープリントに記録
されたカラー画像を光電的に読み取る反射型画像読取部
をも備え、選択的に切り替えるようになっている。
【0438】以上、図2に示される読取部2について詳
細に説明したが、次に図2に示される画像処理部3につ
いて説明する。
【0439】図10は、画像処理部3の構成を示すブロッ
クダイアグラムである。この図に示されるように、画像
処理部3は、読取部2のインタフェースと接続可能なイ
ンタフェースと、読取部2により生成され、ラインごと
に送られて来る画像データの隣接する2つの画素データ
の値を加算して、平均し、1つの画素データとする加算
平均演算手段207と、加算平均演算手段207から送られて
きた画像データの各ラインの中の画素データを、交互に
記憶する第1のラインバッファ208aおよび第2のライン
バッファ208bと、ラインバッファ208a、208bに記憶され
たラインデータが転送され、フィルムFに記録された1
コマのカラー画像あるいは1枚のカラープリントPに記
録されたカラー画像に対応する画像データを記憶する第
1のフレームメモリユニット209a、第2のフレームメモ
リユニット209bおよび第3のフレームメモリユニット20
9cを備えている。ここに第1のラインバッファ208aおよ
び第2のラインバッファ208bは、画像データの各ライン
の奇数番目の画素データを一方のラインバッファに、偶
数番目の画素データを他方のラインバッファに交互に記
憶するように構成されている。
【0440】本実施例においては、まず、フィルムFに
記録された1コマのカラー画像に対し、読取部2による
第1の読取り(以下、先読みという)、および読み取ら
れた画像のデジタル画像データへの変換が行われる。こ
の際、この先読みによって得られた画像データに基づい
て、画像処理部3により、次に行う第2の読取り(以
下、本読みという)のための画像読取条件が設定され
る。そして、その設定された読取条件に基づいて、再度
上記カラー画像に対する読取り、すなわち本読みが実行
され、これにより、再生のための画像処理を施すデジタ
ル画像データが生成される。画像処理部3は、このよう
な処理を行うために、先読みにより得られた画像データ
を第1のフレームメモリユニット209aに記憶し、本読み
によって得られた画像データを第2のフレームメモリユ
ニット209bおよび第3のフレームメモリユニット209c
に、それぞれ記憶するように構成されている。
【0441】ここで図10に示される他の構成要素を説明
する前に、これらのフレームメモリユニットについて詳
しく説明する。図11は、第1のフレームメモリユニット
209a、第2のフレームメモリユニット209bおよび第3の
フレームメモリユニット209cの詳細を示すブロックダイ
アグラムである。図11に示されるように、画像処理部3
は、カラー画像を読み取って生成された画像データを処
理するため、第1のフレームメモリユニット209a、第2
のフレームメモリユニット209bおよび第3のフレームメ
モリユニット209cは、それぞれ、R(赤)、G(緑)、
B(青)に対応する画像データを記憶するRデータメモ
リ220R、Gデータメモリ220GおよびBデータメモリ22
0B、Rデータメモリ221R、Gデータメモリ221Gおよ
びBデータメモリ221BならびにRデータメモリ222R、
Gデータメモリ222GおよびBデータメモリ222Bを備え
ている。なお、上述のように、第1のフレームメモリユ
ニット209aには、先読みによって得られた画像データが
記憶され、第2および第3のフレームメモリユニット20
9b、209cには本読み記憶された画像データが記憶される
が、図11は、入力バスから第1のフレームメモリユニッ
ト209aに先読みによって得られた画像データが入力さ
れ、第2のフレームメモリユニット209bに記憶された画
像データが出力バスに出力されている状態が示されてい
る。
【0442】再び図10に基づいて画像処理部3の構成に
ついて説明する。画像処理部3は、画像処理部3全体を
制御するCPU201を備えている。CPU201は、読取部
2bのCPU26と通信線(図示されない)を介して、通信
可能で、かつ、後述する出力部4を制御するCPUと通
信線(図示されない)を介して、通信可能に構成されて
いる。この構成により、CPU201は、第1のフレーム
メモリユニット209aに記憶された先読みにより得られた
画像データに基づいてカラー画像の本読みを行うための
画像読取条件を変更したり、さらに必要に応じて読取り
後の画像に施される画像処理の画像処理条件を変更した
りすることができる。
【0443】すなわち、CPU201は、先読みによって
得られた画像データに基づき、本読みの際、CCDエリ
アセンサ15あるいはCCDラインセンサ48のダイナミッ
クレンジを効率良く利用可能なように、本読みのための
画像読取条件を決定して、読取制御信号を、読取部2aの
現像読取制御部40あるいは読取部2bのCPU26に出力す
る。この際、読取部2aの現像読取制御部40あるいは読取
部2bのCPU26は、この読取制御信号が入力されると、
光量調整ユニット12により調整される光量およびCCD
エリアセンサ15あるいはCCDラインセンサ48の蓄積時
間を制御する。同時に、CPU201は、得られた画像デ
ータに基づいて、最適な濃度、階調および色調を有する
カラー画像をカラーペーパー上に再生可能なように、後
述する第1の画像処理手段および第2の画像処理手段に
よる画像処理のパラメータなどの画像処理条件を変更す
る制御信号を、必要に応じて、第1の画像処理手段およ
び第2の画像処理手段に出力する。この際、CPU201
により決定された画像読取条件あるいは画像処理条件は
メモリ202に記憶される。
【0444】CPU201が上記制御を行うにあたり、ユ
ーザの指示により画像読取条件あるいは画像処理条件が
保持されている場合は、CPU201は上記のような先読
みされた画像データに基づいた条件の決定は行わず、保
持された条件に基づいて、各種制御信号を出力する。キ
ーボード205などの入力装置によりユーザが各種条件を
設定し、さらにこれらの保持を指示した場合、これらの
条件はメモリ202に記憶され、その後ユーザがこれらの
条件の保持の解除を指示した場合、そのメモリ202に記
憶されている条件は無効となる。したがって、CPU20
1は上述のような制御を行うにあたり、まずメモリ202に
記憶されている条件を参照し、その条件が記憶されてい
る場合にはそれに従い、記憶されていない場合には先読
みされた画像データに基づいてこれらの条件を決定す
る。なお、このような条件の保持は、必ずしも画像読取
条件、あるいは画像処理条件といった大きな単位で行わ
れる必要ななく、メモリ202に上記条件を記憶する際の
記憶あるいはそれらの参照などをより詳細な条件ごとに
行えるようにすることにより、例えば彩度の設定は保持
し、シャープネスは自動的に決定された条件を用いると
いうようなことができるようにしてもよい。
【0445】次に、画像読取部2において生成された画
像データがインタフェースを通して画像処理部3に入力
されて、第1から第3のフレームメモリユニットに記憶
されるまでの間に、この画像データに対して施される処
理について、詳細に説明する。
【0446】上述したように、先読みによって得られる
画像データは、もっぱら、本読みのための画像読取条件
および読取後の画像処理における画像処理条件を決定す
るために使用されるものである。したがって、先読みに
よって得られる画像データは、再生のための画像処理を
施すことを目的として得られる画像データ、すなわち本
読みによって得られる画像データに比べて、少ないデー
タ量でよい。本実施の形態においては、後述のように、
先読みにより得られた画像データに基づき、カラー画像
をCRT204に再生して、再生されたカラー画像を観察
することにより、ユーザが画像処理条件を設定したり、
あるいはその条件を後続の再生にも適用すべく保持した
りすることができるように構成されている。したがっ
て、先読みにより得られる画像データのデータ量は、C
RT204にカラー画像を再生するのに十分なデータ量で
あればよく、本実施の形態では先読みにより得られるデ
ータ量は減少させられて、第1のフレームメモリユニッ
ト209aに記憶される。
【0447】例えば読取部2bにおいては、先読み時に、
CCDエリアセンサ15が奇数フィールドあるいは偶数フ
ィールドの画像データのみを転送することによって、本
読みの場合に比して、読み取る画像データのデータ量が
1/2になるように構成されている。
【0448】さらに、画像処理部3の加算平均演算手段
207が、ラインごとに送られて来た画像データの隣接す
る2つの画素データの値を加算して、平均し、1つの画
素データとすることにより、画像データの各ラインの画
素データ数を1/2に減らすように構成されている。ま
た、先読み時には、加算平均演算手段207により、画素
データ数が1/2に減少させられた画像データの奇数ラ
インおよび偶数ラインの画素データの一方のみを、第1
のラインバッファ208aおよび第2のラインバッファ208b
に交互に転送することにより、画像データのライン数を
1/2に減少するように構成されている。すなわち、奇
数ラインおよび偶数ラインの画素データの一方を、第1
のラインバッファ208aおよび第2のラインバッファ208b
に転送し、他方はラインバッファ208a、208bに転送しな
いことにより、画像データのライン数を1/2に減少さ
せる。このとき、ラインバッファ208a、208bに転送され
る各ラインの奇数番目の画素データは、第1のラインバ
ッファ208aおよび第2のラインバッファ208bの一方に、
各ラインの偶数番目の画素データは、第1のラインバッ
ファ208aおよび第2のラインバッファ208bの他方に記憶
させられる。したがって、各ラインバッファ208a、208b
のそれぞれには、奇数ラインまたは偶数ラインの1つお
きの画素データが記憶させられることになる。
【0449】さらに、第1のラインバッファ208aおよび
第2のラインバッファ208bの一方に記憶された画像デー
タのみ(即ち、1つおきの画素データのみ)を、第1の
フレームメモリユニット209aに記憶させることによっ
て、各ラインの中の画素データ数をさらに1/2に減少
させている。この結果、最終的に、先読みにより得られ
た画像データの画素データの数は1/16に減少させら
れて、第1のフレームメモリユニット209aに記憶され
る。
【0450】なお、先読み時には、以上のようにして、
画像データの中の画素データの数が減少させられるの
で、本読みによって得られる画像データを記憶する第2
のフレームメモリユニット209bおよび第3のフレームメ
モリユニット209cは、フィルムFに記録された1コマ分
のカラー画像あるいは1枚のカラープリントPに記録さ
れたカラー画像を読み取って得た画像データを記憶する
ことのできる容量を有しているが、先読みによって得ら
れた画像データを記憶する第1のフレームメモリユニッ
ト209aとしては、第2のフレームメモリユニット209bお
よび第3のフレームメモリユニット209cよりも、はるか
に容量の小さいものが用いられている。
【0451】次に、上述したように、本読みが行われた
結果第2のフレームメモリユニット209bおよび第3のフ
レームメモリユニット209cに記憶された画像データに対
して画像処理を施すための画像処理部3の構成要素につ
いて説明する。
【0452】画像処理部3は、第2のフレームメモリユ
ニット209bおよび第3のフレームメモリユニット209cに
記憶された画像データに、所望の濃度、階調および色調
で、最終支持体上にカラー画像が再生可能なように、ル
ックアップテーブルやマトリックス演算により、階調補
正、色変換、濃度変換などの画像処理を施す第1の画像
処理手段213a(図12)ならびに第1のフレームメモリユ
ニット209aに記憶された画像データに、所望の画質で、
後述するCRTの画面にカラー画像が再生可能なよう
に、ルックアップテーブルやマトリックス演算により、
階調補正、色変換、濃度変換などの画像処理を施す第2
の画像処理手段213bを備えている。第2のフレームメモ
リユニット209bおよび第3のフレームメモリユニット20
9cの出力は、セレクタ214に接続され、セレクタ214によ
り、第2のフレームメモリユニット209bおよび第3のフ
レームメモリユニット209cのいずれかに記憶された画像
データが選択的に第1の画像処理手段213aに入力される
ように構成されている。
【0453】図12は、この第1の画像処理手段213aの詳
細を示すブロックダイアグラムである。図12に示される
ように、第1の画像処理手段213aは、画像データの濃度
データ、色データおよび階調データを変換する色濃度階
調変換手段230、画像データの彩度データを変換する彩
度変換手段231、ガンマ補正手段232、画像データの画素
データ数を変換するデジタル倍率変換手段234、画像デ
ータに周波数処理を施す周波数処理手段235、画像デー
タのダイナミック・レンジを変換するダイナミック・レ
ンジ変換手段236およびD/A変換器237を備えている。
これらの各変換手段は、通常パイプライン処理と呼ばれ
るように、各処理手段が同時に動作し、動作終了後、次
の処理が施されるように構成されているため、高速処理
が可能となっている。
【0454】図12に示す画像処理手段213aにより、階調
補正、色変換、濃度変換などの処理ができるだけでな
く、さらには特願平7−337510号に示すような、
フィルムの粒状を抑制しつつ、同時にシャープネスを向
上させる処理をも施すことができる。またさらには特願
平7−165965号に示すような、明暗のコントラス
トの大きい画像に対し、良好な画像再生をもたらす、自
動覆い焼き処理をも施すことができる。
【0455】この第1の画像処理手段213aは、図10のデ
ータ合成手段216に接続され、データ合成手段216には、
合成データメモリ217が接続されている。合成データメ
モリ217は、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応する
図形、文字などの画像データを記憶するRデータメモ
リ、GデータメモリおよびBデータメモリを備えてお
り、フィルムFに記録されたカラー画像を読み取って得
た画像データと合成して、後述する出力部4によって、
最終支持体上に、カラー画像が再生されるときに、カラ
ー画像と合成されるべき図形、文字などの画像データを
記憶している。データ合成手段216は、出力部4とのイ
ンタフェースに接続されている。
【0456】この他、画像処理部3には、第1のフレー
ムメモリユニット209a、第2のフレームメモリユニット
209bおよび第3のフレームメモリユニット209cの入力バ
スおよび出力バスとは別に、データバスが設けられてお
り、データバスには、画像処理部全体を制御するCPU
201、CPU201の動作プログラムあるいは画像処理条件
に関するデータなどを格納したメモリ202、画像データ
を記憶して、保存可能なハードディスク203、CRT20
4、キーボード205、他のカラー画像再生システムと通信
回線を介して接続される通信ポート206、読取部2bのC
PU26などとの通信線などが接続されている。
【0457】ここで、読取りから画像処理にかけての処
理の流れをフローチャートとして表すと図13のようなも
のとなる。図13に示すように、画像処理部3は読取条件
の調整のみならず、読取後の画像データに対して種々の
画像処理を施す際に、ユーザからの各種入力を受け付け
る。このため、画像処理後の処理済画像は随時モニタな
どに表示され、ユーザがその仕上がりを確認できるよう
にしている。好ましいと考えられる色、階調はユーザご
とに異なるものであるため、ユーザはモニタにより画像
を確認しながら、キーボードなどを使用して、例えばも
う少し明るくするといった指定を行い、画像処理部3は
これに基づいて処理条件を変更した後、再度画像処理を
行い処理済画像をモニタに表示する。
【0458】また、ユーザは表示された処理済画像の中
から、出力したい画像のみを選択することもできる。さ
らにはトリミング指定などの入力も受付、画像処理部3
は随時処理済画像(トリミング処理を施した画像など)
をモニタ上に表示してユーザが確認できるようにし、ユ
ーザからの確認済みを示す入力(例えばOKボタン)に
応じて順次処理を進める。
【0459】なお、画像処理部3は出力先指定の入力も
受け付け、指定された出力先の装置に備えられるCPU
へと処理済画像データを転送する。以下、図13のフロー
チャートに示される4つの出力形態について詳細に説明
する。
【0460】(2−3) ファイル出力 画像処理部において作成されたデジタル画像データは、
ハードディスクに保管されたり、通信手段を介して転送
されたり、メディアドライブを介して所定のメディアに
書き込まれたりする。ファイル出力する画像データを圧
縮してもよい。
【0461】出力メディアの種類としては、例えばPh
otoCD、MO、ZIPなどがあり、1つのシステム
は複数種類のメディアドライブを備えている。また同種
のメディアドライブについてもそれぞれ複数備えてお
り、並列して処理を行えるようにしている。
【0462】(2−4) プリント出力 上述のように、ここに実施例として示す画像形成システ
ムはプリント出力のための手段として、電子写真方式レ
ーザプリンタ、インクジェットプリンタ、昇華型プリン
タ、および富士写真フィルム(株)製のピクトログラフ
ィ 3000のような、熱現像感光材料に画像を記録
し、これを受像体と重ねて熱現像転写することによりプ
リントを作成するデジタルプリンタの3種類を備えるシ
ステムの例である。このようなシステムでは、プリンタ
はユーザの指示に応じて選択的に使用できるようにする
のがよい。以下、それぞれのプリンタについて具体的に
説明する。
【0463】電子写真方式のプリンタ まず、電子写真方式によるカラー画像形成について説明
する。電子写真方式によって写真のようなフルカラー連
続調画像を形成する方法として、画像濃度に応じて感光
体に照射するレーザ光の強度を変調して潜像を形成しト
ナー現像するといういわゆる強度変調方式と、連続調画
像を2値化したドットで表現し画像濃度に応じてドット
密度を変えるといういわゆる面積変調方式が知られてい
る。
【0464】本実施例においては、この2種の方法を適
用した。図14に、強度変調方式、面積変調方式における
画像出力のための画像信号処理を示す。強度変調方式の
場合には、図14中の符号(b)で示すように画像処理さ
れD/A変換された画像信号はそのままAOM光変調器
244への入力信号として用いられ、レーザ光はそのAO
M光変調器244を通して画像濃度信号に応じて強度変調
される。強度変調されたレーザ光は、ポリゴンミラー24
5、fθレンズ246、反射ミラー器247を経て感光体に照
射され、感光体上には連続的表面電位を有する静電潜像
が形成される。
【0465】他方、本実施例で実施した万線スクリーン
による面積変調方式の場合には、図14(a)のスクリー
ンジェネレータの具体例で示すように、万線スクリーン
の基準クロックを生成する万線クロック発生器240から
の信号に同期して三角波発生器241から発生する三角波
信号と、画像処理されD/A変換された画像信号とが比
較器242で比較され、これによって画像信号の大きさに
応じたパルス幅の万線スクリーン画像信号が形成され
る。感光体にはこの信号でパルス幅変調されたレーザ光
が、ポリゴンミラー245、fθレンズ246、反射ミラー器
247を経て照射され、感光体上には離散的な表面電位を
有する静電潜像が形成される。なお、本実施例では、万
線スクリーンを形成する上で三角波を用いたが、これに
限られるものではなく、正弦波やこれに類する波形の信
号を生成するようにしても差し支えない。
【0466】特に、この実施例では、各色ごとのスクリ
ーンジェネレータは副走査方向のラスタピッチが400
線/インチ相当の万線スクリーンに基づく画像信号を出
力するものであるが、万線クロック発生器240からの万
線クロックの発生タイミングが各色成分のスクリーンジ
ェネレータごとに異なり、各色成分ごとの万線スクリー
ンのスクリーンピッチが略等しい状態で、スクリーン角
度が相互に異なるように設定されている。
【0467】すなわち、この実施例では、イエロー画像
(Y)を生成する単色画像形成ユニットに対するスクリ
ーンジェネレータでは、図15に示すように、スクリーン
角度が主走査方向を0°とした場合に45°で、スクリ
ーンピッチが188線/インチになる万線スクリーンが
設定されており、また、マゼンタ画像(M)を生成する
単色画像形成ユニットに対するスクリーンジェネレータ
では、図16に示すように、スクリーン角度が主走査方向
を0°とした場合に63.5°で、スクリーンピッチが
224線/インチになる万線スクリーンが設定されてお
り、シアン画像(C)を生成する単色画像形成ユニット
に対するスクリーンジェネレータでは、図17に示すよう
に、スクリーン角度が主走査方向を0°とした場合に−
63.5°で、スクリーンピッチが224線/インチに
なる万線スクリーンが設定されており、ブラック画像
(K)を生成する単色画像形成ユニットに対するスクリ
ーンジェネレータでは、図18に示すように、スクリーン
角度が主走査方向を0°とした場合に90°で、スクリ
ーンピッチが200線/インチになる万線スクリーンが
設定されている。
【0468】より具体的に述べると、上記ブラック画像
(K)用の万線スクリーンは通常使用される200線9
0°の基本構造を持つものである。
【0469】また、イエロー画像(Y)用の万線スクリ
ーンは、主走査方向の元になる万線スクリーンを133
線90°(200線万線スクリーンに比較してピッチ幅
を1.5 倍に拡大)とし、各ラインごとの万線スクリーン
を133線90°の万線スクリーンピッチの1/3(言
い換えれば、基本構造の200線万線スクリーンピッチ
の1/2に相当)ずつシフトさせ、ラスタスキャニング
するようにしたもので、結果として、188線45°の
万線スクリーンとして得られる。
【0470】更に、マゼンタ画像(M)用の万線スクリ
ーンは、主走査方向の元になる万線スクリーンを200
線90°の基本構造とし、各ラインごとの万線スクリー
ンを上記基本構造の万線スクリーンピッチの1/4ずつ
シフトさせ、ラスタスキャニングするようにしたもの
で、結果として、224線63.5°の線数およびスク
リーン角度を持った万線スクリーンとして得られる。
【0471】更にまた、シアン画像(C)の万線スクリ
ーンは、主走査方向の元になる万線スクリーンを200
線90°の基本構造とし、各ラインごとの万線スクリー
ンを上記基本構造の万線スクリーンピッチの3/4ずつ
シフトさせ、ラスタスキャニングするようにしたもの
で、結果として、224線、−63.5°の線数および
スクリーン角度を持った万線スクリーンとして得られ
る。
【0472】図19は、本実施例で実施した電子写真方式
カラープリンタの一例を示す概略図である。また、図20
は、図19で示すプリンタでの画像形成プロセスを模式的
に示したものである。
【0473】図示した電子写真方式カラープリンタにお
いて、周面に光導電体250が設けられてなる感光体ドラ
ム254は、矢印方向に回転されつつ周面に配置されたト
ナー像形成手段により、その周囲にトナー像が形成され
る。このトナー像形成手段は、感光体ドラム254の回転
方向に沿って、帯電器251、露光部252、現像器253、ド
ラム乾燥手段257、除電器298、クリーニング手段248、
消去ランプ27(イレーザー)などを備えている。
【0474】上記露光部252は、例えば半導体レーザ、
He-Neレーザなどからなるレーザ光源252aと、この
レーザ光源から射出された光ビーム(レーザビーム)を
強度変調する例えばAOM(音響光学光変調器)などの
光変調器252bと、変調された光ビームを反射偏向して、
感光体ドラム254上においてその回転方向(矢印方向)
と略直角な方向に配置させるポリゴンミラーなどの光偏
光器252cと、光ビームを感光体ドラム254上において均
一なビーム径に集束させるfθレンズからなる走査レン
ズ252dを備えている。
【0475】ここで、光変調器252bは、前述の強度変調
方式で画像を出力する時だけ使用されるようになってお
り、面積変調方式で画像を出力する時にはレーザビーム
はこの光変調器252bを通過しないよう図示されない方法
で切り換えできるようになっている。
【0476】現像器253は、光導電体250上の静電潜像を
トナー現像できる現像器であれば何でもよいが、例え
ば、本出願人の出願に係る特開平1−62014号公報
に開示された液体現像装置を用いることができる。
【0477】また本実施例では、上記トナーとして絶縁
性キャリア液体中に電荷を持った微細なトナー粒子を分
散させた液体現像剤(液体トナー)を用いているが、こ
れに限定するものではなくドライトナーを用いてもよ
い。
【0478】ここで、カラー画像の形成に際しては、Y
(イエロー)トナー用現像器253Y、M(マゼンタ)用
現像器253M、C(シアン)用現像器253Cの3色あるい
は、これにB(ブラック)用現像器253Bを加えた4色
の現像器を次々に交換できるように構成されている。
【0479】乾燥手段257は、感光体ドラム254の回転方
向に対向する方向に高速で非接触回転して、トナー粒子
とともに光導電体250に付着する絶縁性液体をかき取る
スクイズローラ257aと、スクイズローラにかき取られた
絶縁性液体をこすり落とすブレード257bとを有し、ほと
んど絶縁性液体を除くことが出来るが、さらにスクイズ
ローラ257aおよび光導電体250上のトナー像を乾燥する
ための熱風あるいは温風を供給するドライヤー257cを有
している。ドライヤー257cは複数設け、スクイズローラ
257aの乾燥用と光導電体250上のトナー像の乾燥用とを
別々に使い分けてもよい。
【0480】除電器298はACコロナ除電器であり、感
光体ドラムの除電を行うため感光体をACコロナ帯電す
ることで感光体ドラムの表面電位をゼロにするものであ
る。
【0481】クリーニング手段248は、転写後の感光体
ドラムの光導電体250を清浄化するもので、上記液体現
像剤に用いられる絶縁性キャリア液体などの洗浄液CL
を含浸する柔軟性基体248aと、柔軟性基体248aを感光体
ドラム254の光導電体250の表面に押し付け、かつ、柔軟
性基体248aに洗浄液CLを含浸させるための押圧ローラ
248bと、未使用の柔軟性基体248aを巻き出す第1ローラ
248cと、使用済みの柔軟性基体を巻回する第2ローラ24
8dと、テンションローラ(図示せず)と、清浄化された
光導電体250の表面を乾燥するドライヤー248eと、図示
しない公知の駆動手段とを有し、感光体ドラム254の光
導電体250の外表面を清浄化する。
【0482】消去ランプ27は感光体ドラムの除電を完璧
に行うために感光体ドラムを光照射するものである。
【0483】本実施例においては、感光体ドラム254の
光導電体250上のトナー像は100%完全に後述の中間
転写体上の粘着層に転写されるので、クリーニング手段
248は必ずしも設ける必要はないが、一様帯電させる前
に常に清浄な光導電体表面とするためには設けておく方
が好ましい。
【0484】粘着転写手段256は、公知の手段により矢
印B方向に移動されて、感光体ドラム254の周囲の光導
電体250に圧縮する位置と、B’方向に移動されてこの
光導電体250から離間した位置をとりうる中空の転写ロ
ーラ255と、帯状の離型紙または離型フィルム(以下、
離型シート296という)に貼着されており、その反対側
に前述の中間転写体となる粘着層を有する受像シート26
6を巻回して貯える受像シート供給ローラ263と、受像シ
ート供給ローラ263から送り出された離型シート296に粘
着されている受像シート266を挟持するニップローラ258
a 、258b により挟持された位置で受像シート266から剥
離された離型シート296を巻き取る離型シート巻取ロー
ラ264とからなる。
【0485】転写ローラ255の下流には支持体への再転
写手段として、トナー受容層を有する支持体をトナー受
容層を上側にして貯蔵しておく支持体ストッカ261と、
支持体ストッカ261の出口近傍に設けられた支持体送出
ローラ260と、送出された支持体を吸着し、タイミング
を合わせて支持体上のトナー受容層と受像シートの粘着
層のトナー像とが向き合うように重ね合わせるために支
持体を搬送する支持体保持ベルト295と受像シート上に
重ね合わされた支持体とを熱圧着転写する一対の熱圧着
転写ローラ259a、259bと、熱圧着転写した支持体と受像
シートとを挟持するニップローラと、このニップローラ
においてトナー像のみがトナー受容層に転写されている
支持体を挟持搬送するニップローラと、トナー像Tが形
成された支持体を取り出す取出ガイド299と、転写後、
再使用するために粘着層と基体からなる受像シート266
を巻き取る受像シート巻取ローラ262とを有する。
【0486】そして、上記の熱圧着転写ローラ259a、25
9bは、それぞれ内部に熱源を有して所定温度に加熱され
るようになっており、図示しない駆動手段により、それ
ぞれ矢印方向に回転駆動される。
【0487】図19に示す例では、受像シート266の粘着
層を保護する離型シート296を用いているが、例えば、
受像シート266の裏面に離型性をもたせるようにすれ
ば、離型シート296は必ずしも用いなくてもよい。供給
時に離型シート296を用いる場合、使用済受像シート266
を巻き取る際に間に離型シート296を挟むための離型シ
ート供給ローラを設けてもよい。
【0488】また、受像シート266の供給から巻取まで
のローラなどの構成は、受像シート266の再使用を考慮
して、例えば、エンドレス状にするとか、受像シート26
6の再使用を受像シート供給ローラ263と受像シート巻取
りローラ262を逆転して行うなど種々の構成を考えるこ
とができる。
【0489】ここで、本実施例に用いられる粘着層を有
する中間転写体は、基体上にトナー像を一時的に担持す
るための粘着層を設けたものであり、その形状はシー
ト、テープ、フィルムまたは円筒のドラム状など、いず
れであってもよい。ここで用いられる基体は、粘着剤層
の支持体としての機能を有するもの、すなわち粘着剤が
基体に強固に接着していれば、その材質は特に制限され
ず、例えば厚さ10〜300μm程度の紙シート、ポリ
エチレンチレフタレートフィルムなどを用いることがで
きる。
【0490】また、本実施例に用いられる中間転写体の
粘着層は、特に重要なものであって、(i)感光体ドラ
ムの光導電体上に形成されたトナー像を100%完全に
中間転写体の粘着層上へ粘着転写することができるこ
と、(ii)粘着層上に転写されたトナー像を100%完
全に最終支持体上に再転写することができること、(ii
i)(i),(ii)のプロセスを複数回行う際に、同一
の粘着層を繰り返し使用してその複数回のプロセスを行
えること、といった機能を持っているのが好ましい。
【0491】このような粘着層を形成する粘着剤として
は、ウレタン(メタ)アクリル樹脂を主成分として、非
粘着性のアクリル酸エステルの共重合体であるアクリル
ゴム、あるいは飽和ポリエステル樹脂を配合し、あるい
はフッ素系添加物を配合して得られる粘着剤組成物であ
る。
【0492】この粘着剤の主成分のウレタン(メタ)ア
クリル樹脂は、分子の末端または側鎖に(メタ)アクリ
ロイル基をもち、ポリウレタンの主鎖を有するアクリル
モノマー、アクリルオリゴマー、メタクリルモノマーあ
るいはメタクリルオリゴマーである。
【0493】上記粘着剤において使用される非粘着成分
であるアクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分と
するポリマーであり、特に耐熱、耐老化、耐候性に優れ
ており、有機溶剤への溶解性もよい。飽和ポリエステル
樹脂も耐候性、耐摩耗性、接着性などが優れている。さ
らに、この非粘着成分に対してイソシアネートなどの架
橋剤を加えることでこれらの性質を一層改善することも
できる。また、これらの非粘着成分には、必要に応じ
て、ロジン、テルペン樹脂、炭化水素樹脂などの粘着付
与剤を適宜含有してもよい。
【0494】上記粘着剤には、さらにフッ素系添加物を
含ましめてもよい。このフッ素添加物は、再転写の際の
最終支持体へ転写されたトナー像の粘着層からの剥離性
を向上させるもので、必ずしも含有させないでもよい
が、完全転写を容易にするためには含ましめるのが好ま
しい。このようなフッ素系添加物としては、例えば、3
フッ化エチレン重合体、4フッ化エチレン重合体、フッ
素系界面活性剤などを挙げることができる。
【0495】上記粘着剤においては、これらの各成分が
適宜の割合で使用されるが、その配合比率は通常、非粘
着成分10〜50重量部に対してウレタン(メタ)アク
リル樹脂50〜90重量部およびフッ素系樹脂0〜40
重量部とするのがよい。なお、フッ素系樹脂、フッ素系
高分子化合物の場合、0〜40重量部、また、フッ素系
界面活性剤、フッ素系低分子化合物の場合0〜5重量部
とするのがよい。
【0496】この粘着剤組成物は、前記の各成分を常法
によって均一に混合することで得られる。この際に、架
橋剤、可塑剤、充填剤などを適宜配合することもでき
る。
【0497】このようにして得られた粘着剤組成物をフ
ィルム基体に固形物として厚さが5〜20μmになるよう
に塗工して粘着フィルム、粘着テープあるいは粘着シー
トとすることにより本実施例の中間転写体とすることが
できる。
【0498】上述の粘着剤からなる粘着層を有する中間
転写体は、光導電体からトナー像を100%完全に粘着
転写後、最終支持体へ100%完全再転写することがで
き、さらに、再転写後、再び粘着転写、完全再転写に繰
り返し使用することができる。
【0499】このような粘着剤としては、例えば、特開
平4−81786号公報の実施例に開示された粘着剤を
挙げることができるが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0500】また、本実施例に用いられる最終支持体
は、前記粘着層に転写されたトナー像を最終支持体に熱
圧着し、その後適切な温度のもとで最終支持体と前記粘
着層とを剥離した時、前記トナー像が、完全に最終支持
体上に再転写できるものであれば何でもよい。これらの
支持体は、透明であっても不透明であってもよく、例え
ば透明フィルムであれば、透過光用ネガあるいはポジプ
リント画像を形成することができ、不透明な紙やフィル
ムの場合は、反射光用プリント画像を形成することがで
きる。本実施例に用いられる最終支持体としては、代表
的に、Xerox OHP用シート、ラックスコート紙(三菱製
紙(株))やエナメルコート紙(王子製紙(株))、ま
たXerox 用紙などのプレーンペーパーなどを挙げること
ができる。
【0501】このような支持体は、トナー像を強固に最
終支持体に固着させるための何らかのトナー受容層を有
している。トナー受容層としては、Xerox 用紙のプレー
ンペーパーのように単に支持体表面が、紙の繊維から形
成された凹凸のようなものであってもよく、また、コー
ト紙やコートフィルムのようにトナーとの付着力を向上
させる物質を塗布あるいは成層したものであってもよ
い。
【0502】本実施例においては、トナーと最終支持体
との付着力を高めることは再転写のための必須条件であ
り、したがって上記のように最終支持体は、その表面に
トナー像を強固に固着させるためのトナー像受容層をも
っている方がより好ましい。
【0503】本実施例に用いられる感光体ドラムの外周
面に配される光導電体は、コロナ放電などにより一様に
帯電させることができ、画像情報を担持する光ビームの
照射により正確に画像情報に応じた静電潜像を形成する
ことができ、液体現像剤により連続調画像であってもト
ナー像とすることができ、基体上の粘着層が押し当てら
れた時には、トナーを容易に剥離することのできる光導
電体である、その表面をSiC(炭化ケイ素)で被覆し
たa−Si(アモルファスシリコン)感光体がよい。こ
の他、上記条件を満たすものであれば、有機光導電体
(OPC)、セレン感光体、セレン合金感光体、硫化カ
ドミウム感光体およびこれらの複合系多層感光体などを
用いてもよい。
【0504】また、本実施例においてトナー像を形成す
るために、用いられる液体現像剤は、顔料、被覆剤、分
散剤、定着剤、荷電調節剤、絶縁性キャリア液体より構
成されるが、本発明の趣意を逸脱しなければ、これに限
定されるものではない。
【0505】ここで顔料としては、カーボンブラックを
はじめ多くの公知の無機顔料および有機顔料を用いるこ
とができる。
【0506】また、絶縁性キャリア液体としては、静電
潜像のリークを生じせしめないように、電気抵抗1010
Ωcm以上で誘電率は低く毒性がなく感光体を犯さない
ものであれば何でもよいが、例えばノルマルパラフィン
系、イソパラフィン系、オレフィン系およびナフサ系の
液状炭化水素あるいはこれらに芳香族系炭化水素の含ま
れたものなどのいずれもが使用できる。より好ましく
は、エッソスタンダード社から市販されているアイソバ
ーG、アイソバーH、アイソバーL、ソルベッソなどが
あり、これらはただ一種を用いてもよいし、あるいは二
種以上を混合して用いてもよい。
【0507】また、被覆剤は、顔料粒子を被覆するため
に用いるものであり、本実施例においては、前述の最終
支持体のトナー受容層と相溶性があり、光導電体上に形
成されたトナー像に基体上に設けられた粘着層を押し当
てて、トナー像を光導電体から剥離しながら粘着転写を
行うとき、光導電体上のトナー像を100%完全に粘着
フィルム上へ転写するための重要な因子である。
【0508】好ましい被覆ポリマーとしては、特開平4
−81786号公報に開示された、スチレン−プタジエ
ン共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸ステア
リル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体を挙げ
ることができるが、本発明は、これに限定されるもので
ない。
【0509】分散剤は、トナー粒子が絶縁性キャリア液
体中で、凝集し沈降するのを防止するものであればよ
く、公知の分散剤などを用いることができる。また、電
荷制御剤は、前記キャリア液体中で、トナー粒子に吸着
し、トナー粒子の電荷極性と電荷量を決めるもので、キ
ャリア液体に可溶の有機金属塩、電子供与性や電子受容
性の極性基をもったアマニ油や合成樹脂など公知の電荷
制御剤でよい。定着剤は、トナー画像の定着性を向上さ
せるためのもので、基本的に、現像液中で、トナー粒子
に付着している必要があり、したがって、本実施例にお
いては、被覆剤と同様、重要な因子となる。
【0510】なお、ここで被覆剤とは、トナー粒子に付
着する被覆剤および定着剤の両方を含んだものを意味す
る。
【0511】次にプリント画像を形成するプロセスにつ
いて、図20を参照しながら説明する。 図19に示すプリ
ンタにおいて、感光体ドラム254上に画像を記録する際
には、感光体ドラム254が上記のように図19に示される
矢印方向に回転することにより、光導電体250は帯電器2
51に対して相対移動し、帯電器251によって図20(a)
に示すように一様帯電される。一様帯電された光導電体
250には、画像信号に応じて変調されたレーザー光が、
光偏光器、fθレンズを通して照射される。
【0512】図20(b)においては、露光の状態を明確
にするため光ビームが照射される部分には、マスクがな
く、光ビームが照射されない部分にはマスクが存在する
ものとして模式的に示してある。
【0513】この光ビームは上記偏向により光導電体25
0上を1次元的に走査し(主走査)、また感光体ドラム2
54が回転されることにより光ビームの副走査がなされ、
結局光導電体250は光ビームによって2次元的に走査さ
れる。先に述べたようにこの光ビームは画像信号に基づ
いて変調されており、したがってこの光ビームの照射を
受けた光導電体250上には、画像信号が担う画像の静電
潜像が図20(b)に示すように形成される。
【0514】この静電潜像は、現像器253により図20
(c)に示すようにトナー像に現像される。この現像器
253は、絶縁性キャリア液体中に電荷を持った微細なト
ナー粒子265を分散させてなる液体現像剤を光導電体250
に接触させ、静電引力によってトナー粒子265を光導電
体250に付着させることにより、上記静電潜像をトナー
現像する。
【0515】こうして感光体ドラム254上に形成された
トナー像はさらに矢印方向に回転し、前記ドラム乾燥手
段257により乾燥される。
【0516】一方受像シート266は、シート供給ローラ2
63から帯状の離型シート296に粘着された状態で送り出
され、ニップローラ258a 、258b により挟持された位置
で離型シート296と剥離し、剥がされた離型シート296は
離型シート巻き取りローラ264により巻き取られる。そ
して離型シート296が剥離された受像シート266は粘着層
を外周にして前記転写ローラ255に懸架される。
【0517】前述の光導電体250上のトナー現像された
部分が、転写ローラ255に対向する位置の直前まで送ら
れて来たことが公知の手段によって検出あるいは判別さ
れると、それまで感光体ドラム254から離されていた転
写ローラ255は、感光体ドラム254に押圧するようにB方
向に移動する。このように転写ローラ255が移動するこ
とにより転写ローラ255は感光体ドラム254に従動回転
し、そこに懸架されていた受像シート266は、図20
(d)に示すようにその粘着層267側が光導電体250に押
し当てられる。
【0518】この時、トナー像を形成するトナー粒子26
5と光導電体250との付着力を、粘着層267とトナー粒子2
65との粘着力およびトナー粒子265同士の凝集力より小
さくしておけば、完全にすなわち、受像シート266の粘
着層267を軽く押し当てるだけで容易かつ完全に剥離
し、トナー粒子265は100%受像シート266の粘着層26
7に転写されてしまう。こうして、光導電体250上にあっ
たトナー像が図20(e)に示すように受像シート266の
粘着層267に100%粘着転写される。
【0519】その後、転写ローラ255はB’方向に移動
して感光体ドラム254と離れる。光導電体250上のトナー
像を粘着転写した受像シート266は、加熱されている熱
圧着ローラ259a 、259b の間に送られ、図20(f)に示
すようにこの受像シート266と支持体ベルトからタイミ
ングを合わせて送り出されたトナー受容層268を有する
支持体269とが粘着層267とトナー受容層268が対面する
ように貼り合わされる。互いに貼着された状態となった
受像シート266と支持体269は、熱圧着転写ローラ259aと
259bとの間で加熱圧着され、その後、冷却されながら搬
送される。
【0520】この間、トナー265は熱圧着により溶融し
てトナー粒子同士融着すると同時に、支持体269のトナ
ー受容層268に、例えば凹凸に入り込んで強固に定着さ
れるため、トナー同士の付着力すなわち凝集力が増加
し、定着されたトナー265と支持体269との間の付着力は
増大する。支持体269のトナー受容層268に熱圧着などに
よりトナー付着力が増大する物質を有する時は、この付
着力はさらに増大する。
【0521】ここで、加熱圧着温度および圧力は、トナ
ー、粘着層、最終支持体などに応じ適宜定めればよい
が、加熱温度は、少なくともトナーの被覆ポリマーの軟
化点以上にする必要があり、120〜150℃が好まし
く、圧力は、0.05Kg/cm2 〜0.8Kg/cm
2 が好ましい。
【0522】その後、互いに貼着された受像シート266
と最終支持体269は剥離される。この時、トナー265と粘
着層267との間の粘着力は、トナー同士の凝集力および
トナー265と最終支持体269との間の付着力よりも小さく
なるようにする必要があり、そのため加熱圧着後の冷却
あるいはニップローラでの冷却は、好適に定めることが
必要である。ニップローラで冷却する場合の温度は、ト
ナー、粘着層、最終支持体などに応じ適宜定めればよい
が、80℃〜120 ℃が好ましい。
【0523】加熱定着・冷却後、図20(g)に示すよう
に、受像シート266の粘着層267上のトナー像は、100
%完全に、支持体269のトナー受容層268に転写され、粘
着層267を有する受像シート266と、転写されたトナー像
がトナー受容層268に定着された最終支持体269とに剥離
される。受像シート266は再使用のため、巻き取りロー
ラ262に巻取られる。
【0524】一方、トナー像を有する支持体269は、支
持体担持ベルト上に保持されたまま所定の位置まで搬送
され、そこで2色目のトナー画像の転写まで待機する。
2色目のトナー画像は上述と同様に感光体上に形成され
た後、中間転写体である受像シート上に粘着転写され2
回目の支持体への転写のためヒートローラーに向かって
搬送される。支持体269は、受像シート266上の2色目の
トナー像が1色目のトナー像の上に重なるようにタイミ
ングをとって搬送、送出され、ヒートローラーで受像シ
ート266と重ね合わせてニップされ、ここで支持体269上
の1色目のトナー像の上に2色目のトナー像が重なって
転写される。2色目のトナー像を有する支持体は上述と
同様に支持体担持ベルト上に保持されたまま所定の位置
まで搬送され、そこで次のトナー像転写を待つ。3色ま
たは4色からなるカラー画像の場合には、以上の動作を
3回または4回繰り返すことによりフルカラー画像が形
成される。
【0525】なお、図19に示す例において、粘着層267
を有する受像シート266は、使用後巻き取って再使用に
供するように構成されているが、これに限定されず、受
像シート266を使用後、受像シート供給ローラ263を巻き
取って、受像シートを所定の位置まで戻し、すぐに再使
用するようにし、所要回数、例えば再使用できなくなる
まで使用した後、使用済受像シートを巻取ローラ262で
巻き取ってもよい。
【0526】なお、上記いずれの画像形成方法において
もトナー像の粘着転写後、光導電体250は除電器298によ
って除電され、必要であれば、クリーニング手段248に
よってクリーニングされ、次回のトナー像の形成に利用
されうる状態となる。
【0527】以上のようにして、支持体269上には画像
信号に応じたカラー画像が形成される。本実施例の方法
で作成された画像は、従来の銀塩写真に匹敵する高画質
であった。
【0528】なお、上記実施例では中間転写体として表
面に粘着層を有する受像シートを用いたが、図21に示す
(特開平5−341666号公報などに示される)例の
ように導電性フィルムを巻き付けた中間転写ドラム270
をトナー像を有する感光体ドラムに対向して配置し、上
記導電性フィルムにトナー荷電の逆極性の電位を与える
ことにより、感光体上のトナー像を導電性フィルム上に
静電的に転写し、それを再度支持体に転写するという方
法も本発明の好適例として挙げることができる。また、
図22に示す(特公昭49−209号公報、特開昭62−
206567号公報などに開示されている)ように、中
間転写ベルト271に感光体上のトナー像を一次転写し、
再度その未定着トナー像を支持体へ再転写するという方
法も本発明の好適例として挙げることができる。さら
に、図23に示す(特開平8−179545号公報に開示
されている)ように、3色または4色に色分解された各
色に対応するトナー画像を複数の感光体ドラムにそれぞ
れ形成し、そのトナー画像を上記中間転写ベルト271上
に各色ごとのトナー像がうまく重なるように静電的に転
写し、さらにそのフルカラートナー像を支持体上でうま
く重なるように再転写するという方法も本発明の好適例
として挙げることができる。
【0529】以上説明した実施例では、感光体上の潜像
を液体トナーを用いて顕像化したが、本発明は液体トナ
ーに限られるものではなく、好ましいトナーとしてドラ
イトナーを用いてもよい。
【0530】インクジェット方式のプリンタ 次に、同じくプリント出力のための手段として用いられ
るインクジェットプリンタについて図面を参照しながら
説明する。
【0531】インクジェットプリンタは、制御部(階調
記録制御部)と、記録ヘッドおよび駆動信号発生部を含
む記録部と、給紙搬送部とからなる。
【0532】図24に示すように、このインクジェットプ
リンタは、上記画像処理部3から送られてくる画像デー
タを制御部272にて受け入れ、画像データの中の濃度情
報を画像処理して階調記録のための2値化信号に変換
し、駆動信号発生部273にて記録ヘッド274駆動のための
信号を発生させる。
【0533】図25は複数の記録ヘッド274を有するイン
クジェットプリンターの記録部2の概略図である。例え
ば使用インク色をシアン、マゼンタ、イエロー、ブラッ
クの4色とし、各色濃度を濃淡2レベルとするとインク
タンクおよび記録ヘッドの数は8個になる。
【0534】各色各濃度インクが収容されたインクタン
ク275からインクパイプ276を経て、各色各濃度記録ヘッ
ド274へインクが供給される。記録紙に対して平行に固
定されたシャフト278上をスライドするキャリッジ277上
に各色各濃度記録ヘッド274は平行、等間隔、同じ高
さ、記録紙面に対して垂直、等距離に固定される。
【0535】記録ヘッド274を搭載したキャリッジ277が
シャフト278上をスライド(主走査)する際、各色各濃
度記録ヘッド274それぞれに記録情報に応じた駆動信号
が駆動信号ケーブルを経由して送られ、当該駆動信号に
より記録ヘッド274からインク滴を噴射し、給紙部から
プラテンローラ279上に搬送されてきた記録紙にドット
によるパターンを記録する。各色各濃度記録ヘッド274
間の間隔に対応して、駆動信号が遅延して送られるた
め、記録紙の同一位置に各色各濃度記録ヘッド274から
のインク滴を付着させることができる。
【0536】これらの各色各濃度記録ヘッド274により
濃度レベルとインクの吐出回数の組合せを変えて重ね合
わせ記録を行うことにより、記録紙の同一位置に記録さ
れるドットをフルカラーで多階調記録することができ、
記録ヘッド274をスライド(主走査)させることによっ
て1ライン分の記録ができ、更にプラテンローラ279に
よって記録紙を1ライン分ずつ搬送(副走査)すること
によって、記録紙にフルカラー多階調画像を記録するこ
とができる。
【0537】また、上記の場合において、各色インクの
濃度レベルを1種類とし、インクの重ね合わせ回数のみ
を変えて多階調を得ることもできる。
【0538】また、上記の場合1画素の大きさを略1ド
ットの大きさに想定しているが、インク滴吐出タイミン
グの制御により1画素の大きさをm×nドットのマトリ
ックスとし、マトリックス内のドット配置の仕方によっ
て階調を得ることもできる。更に、マトリックス内のド
ット配置の仕方とインク濃度の組合せによると更に多段
階の階調が得られる。但し、マトリックスを使うと、前
記の例の場合に比べて画像の解像度がマトリックスサイ
ズ分だけ低下するから、解像度低下を防ぐためにはドッ
トサイズを小さくし、かつドット密度を上げることが好
ましい。
【0539】以上のようにして得られた記録済みシート
は、搬送系を経て排出部に出力される。
【0540】熱現像転写によりプリントを作成するプリ
ンタ 次に、感光材料を、画像処理部3から送られた画像デー
タに基づいて変調されたレーザ光により走査、露光した
後に、その感光材料を最終支持体となる受像体に重ね合
わせることにより熱現像転写を行って、写真プリントを
作成するプリンタについて図26から図28を参照して説明
する。
【0541】図26に示すように、デジタルプリンタの機
台312内には、感光材料316を収納する感材マガジン314
が配置されており、感材マガジン314から引き出された
この感光材料316の感光(露光)面が左方へ向くように
感光材料316が感材マガジン314にロール状に巻き取られ
ている。
【0542】感材マガジン314の感光材料取出し口の近
傍には、ニップローラ318およびカッタ320が配置されて
おり、感材マガジン314から感光材料316を所定の長さ引
き出した後に切断することができる。カッタ320は、例
えば固定刃と移動刃から成るロータリータイプのカッタ
とされており、移動刃を回転カムなどによって上下に移
動させて固定刃と噛み合わせ感光材料316を切断するこ
とができる。
【0543】カッタ320の上方には、複数の搬送ローラ3
24、326、328、330、332、334が順に配置されており、
各搬送ローラの間には図示しないガイド板が配設されて
いる。なお、感光材料316を後述する熱現像転写部420へ
搬送するための上記ニップローラ318および搬送ローラ3
24、326、328、330、332、334を便宜上、搬送ローラR
と総称する。所定長さに切断された感光材料316は、ま
ず搬送ローラ324、326の間に設けられた露光部322へ搬
送される。
【0544】この露光部322の左側にはレーザ光照射部1
00が設けられている。ここで、図27、図28を用いてレー
ザ光照射部100の構成および機能を説明する。
【0545】図27にはレーザ光照射部100の機能ブロッ
ク図を示す。この図27に示すように、レーザ光照射部10
0では、入力された画像データ72を一旦フレームメモリ7
4に記憶する。ここで、画像データは、画像処理部3か
ら直接転送されたものでもよいし、画像データが記憶さ
れたフロッピーディスクなどから読み取ったものであっ
てもよい。
【0546】フレームメモリ74に記憶された画像データ
は画像処理手段78により読み出され、該画像処理手段78
において、記録紙の分光吸収特性に応じた補正などの画
像処理が行われる。なお、この画像処理手段78には、各
種記録紙の分光吸収特性データを予め記憶した記録紙分
光吸収特性データ記憶部79が接続されており、上記画像
処理に先立ち、分光吸収特性データが読み出される。
【0547】画像処理手段78は、画像処理が完了した画
像データに基づく画像を、モニタディスプレイなどで構
成された表示部204に表示させる機能を有する。これに
より、ユーザは画像処理の結果を視覚的に確認すること
が可能である。また、ユーザは必要な場合に、キーボー
ドや設定スイッチなどで構成された設定入力部205によ
って画像処理に係る所望の設定値を修正できるよう構成
されている。
【0548】また、画像処理手段78は、画像処理が完了
した画像データをフレームメモリ81に記憶する。
【0549】図28に示すように、レーザ光照射部100に
は赤色の半導体レーザ84A、84B、84Cが設置されてお
り、半導体レーザ84Bにより発せられたレーザ光は波長
変換手段85により緑色のレーザ光に変換され、半導体レ
ーザ84Cにより発せられたレーザ光は波長変換手段86に
より青色のレーザ光に変換される。
【0550】半導体レーザ84Aから発せられた赤色レー
ザ光、波長変換手段85により波長が変換された緑色レー
ザ光、および波長変換手段86により波長が変換された青
色レーザ光は、それぞれ音響光学変調器(AOM)など
の光変調器87R、87G、87Bに入射するように構成され
ており、光変調器87R、87G、87Bには、それぞれ変調
器駆動手段83から変調信号が入力され、該変調信号に応
じて各レーザ光の強度が変調されるように構成されてい
る。
【0551】光変調器87Rによって強度が変調された赤
色レーザ光は、反射ミラー88Rにより反射されて、ポリ
ゴンミラー89に入射する。また、光変調器87Gによって
強度が変調された緑色レーザ光は、反射ミラー88Gによ
り反射されて、ポリゴンミラー89に入射する。更に、光
変調器87Bによって強度が変調された青色レーザ光は、
反射ミラー88Bにより反射されて、ポリゴンミラー89に
入射する。
【0552】ポリゴンミラー89は矢印Q方向に所定の角
速度で回転しているため、ポリゴンミラー89に入射した
各レーザ光は、ポリゴンミラー89によって矢印Mで示す
主走査方向に走査され、fθレンズ93を介して、図26の
露光部322において感光材料316を露光する。 図27、図
28に示すように、デジタルプリンタ70には、マイクロコ
ンピュータを含んで構成されデジタルプリンタ70におけ
る露光・熱現像処理を制御する露光制御部82が設けられ
ている。この露光制御部82は、フレームメモリ81から
画像処理済の画像データを読み出し、該画像データに基
づく画像を感光材料316に露光するべく、前述した半導
体レーザ84A、84B、84C、走査露光における偏向器と
してのポリゴンミラー89を回転駆動するポリゴン駆動部
90、感光材料316を搬送駆動する記録紙搬送駆動部94、
および上記変調器駆動手段83の各々の動作を制御する。
【0553】図26に示すように、以上説明したレーザ光
照射部100から光線Cが露光部322に送られて、感光材料
316が露光されるようになっている。
【0554】さらに、露光部322の上方には、感光材料3
16をU字状に湾曲させて搬送するUターン部340および
画像形成用溶媒を塗布する為の水塗布部350が設けられ
ている。
【0555】感材マガジン314から上昇し露光部322にて
露光された感光材料316は、搬送ローラ328、330により
それぞれ挟持搬送されてUターン部340の上側寄りの搬
送経路Wを通過しつつ水塗布部350へ送り込まれる。
【0556】水塗布部350の構成は、前述した図4の溶
媒付与装置290の構成と同様であるので、説明を省略す
る。なお、水塗布部350における感光材料316の搬送経路
Wと対向する位置には、噴射タンク313が配置されてお
り、矢印Zで示す位置で噴射タンク313から水が感光材
料316へ向けて噴射される。
【0557】一方、機台312内の左上端部には受像材料4
08を収納する受材マガジン406が配置されている。この
受像材料408の画像形成面には媒染剤を有する色素固定
材料が塗布されており、受材マガジン406から引き出さ
れた受像材料408の画像形成面が下方へ向くように受像
材料408が受材マガジン406にロール状に巻き取られてい
る。
【0558】受材マガジン406の受像材料取出し口の近
傍には、ニップローラ410が配置されており、受材マガ
ジン406から受像材料408を引き出すと共にそのニップを
解除することができる。
【0559】ニップローラ410の側方にはカッタ412が配
置されている。カッタ412は前述の感光材料用のカッタ3
20と同様に、例えば固定刃と移動刃から成るロータリー
タイプのカッタとされており、移動刃を回転カムなどに
よって上下に移動させて固定刃と噛み合わせることによ
り、受材マガジン406から引き出された受像材料408を感
光材料316よりも短い長さに切断するようになってい
る。
【0560】カッタ412の側方には、搬送ローラ432、43
4、436、438および図示しないガイド板が配置されてお
り、所定長さに切断された受像材料408を熱現像転写部4
20側に搬送できるようになっている。
【0561】熱現像転写部420は、それぞれ複数の巻き
掛けローラ440に巻き掛けられて、それぞれ上下方向を
長手方向としたループ状にされた一対の無端ベルト42
2、424を有している。したがって、これらの巻き掛けロ
ーラ440のいずれかが駆動回転されると、これらの巻き
掛けローラ440に巻き掛けられた一対の無端ベルト422、
424がそれぞれ回転される。
【0562】無端ベルト422のループ内には、上下方向
を長手方向とした平板状に形成された加熱板426が、無
端ベルト422の左側の内周部分に対向しつつ配置されて
いる。この加熱板426の内部には、図示しない線状のヒ
ータが配置されており、このヒータによって加熱板426
の表面を昇温して所定の温度に加熱できるようになって
いる。
【0563】したがって、感光材料316は、搬送経路の
最後の搬送ローラ334により熱現像転写部420の一対の無
端ベルト422、424間に送り込まれる。また、受像材料40
8は感光材料316の搬送に同期して搬送され、感光材料31
6が所定長さ先行した状態で、搬送経路の最後の搬送ロ
ーラ438により熱現像転写部420の一対の無端ベルト42
2、424間に送り込まれて、感光材料316に重ね合わせら
れる。
【0564】この場合、受像材料408は感光材料316より
も幅方向寸法および長手方向寸法がいずれも小さい寸法
となっているため、感光材料316の周辺部は四辺とも受
像材料408の周辺部から突出した状態で重ね合わせられ
ることになる。
【0565】以上より、一対の無端ベルト422、424によ
って重ね合わされた感光材料316および受像材料408は、
重ね合わせられた状態のままで一対の無端ベルト422、4
24によって挟持搬送されるようになる。さらに、重ね合
わされた感光材料316と受像材料408が、一対の無端ベル
ト422、424間に完全に収まった時点で、一対の無端ベル
ト422、424は回転を一旦停止し、挟持した感光材料316
と受像材料408を加熱板426で加熱する。感光材料316
は、この挟持搬送時および停止時において無端ベルト42
2を介して加熱板426により加熱されることとなり、加熱
に伴って、可動性の色素を放出し、同時にこの色素が受
像材料408の色素固定層に転写されて、受像材料408に画
像が形成されることになる。
【0566】さらに、一対の無端ベルト422、424に対し
て材料供給方向下流側には、剥離爪428が配置されてお
り、この剥離爪428が一対の無端ベルト422、424間で挟
持搬送される感光材料316と受像材料408のうち、感光材
料316の先端部のみに係合し、一対の無端ベルト422、42
4間より突出したこの感光材料316の先端部を受像材料40
8から剥離させることができる。
【0567】剥離爪428の左方には感材排出ローラ448が
配置されており、剥離爪428に案内されながら左方へ移
動される感光材料316を、更に廃棄感光材料収容部450側
へ搬送し得るようになっている。
【0568】この廃棄感光材料収容部450は、感光材料3
16が巻き付けられるドラム452および、このドラム452に
一部が巻き掛けられているベルト454を有している。さ
らに、このベルト454は複数のローラ456に巻き掛けられ
ており、これらローラ456の回転によって、ベルト454が
廻され、これに伴ってドラム452が回転するようになっ
ている。
【0569】したがって、ローラ456の回転によりベル
ト454が廻された状態で、感光材料316が送り込まれる
と、感光材料316がドラム452の周りに集積できるように
なっている。
【0570】他方、図26において、一対の無端ベルト42
2、424の下方から左方に向かって受像材料408を搬送し
得るように受材排出ローラ462、464、466、468、470が
順に配置されており、一対の無端ベルト422、424から排
出された受像材料408は、これら受材排出ローラ462、46
4、466、468、470によって搬送されて、トレイ472へ排
出されることになる。
【0571】大量の処理液を使用するデジタルプリンタ なお、本発明の画像形成システムをプリンタも含む一体
型装置として実施する場合には、上述のように湿式処理
を必要としないプリンタを採用することが望ましいが、
現像読取機のみをコンビニエンスストアなど各所に配置
し、デジタル化された画像データを例えば電話回線を介
して転送により写真サービス店に送ってプリント処理を
行うような形態の場合には、図29に示すような大量の処
理液を使用するプリンタプロセッサ70Sを用いても、本
発明の効果を十分に享受することができる。以下、図29
を用いてプリンタプロセッサ70Sの概略構成および処理
概要を説明する。
【0572】図29に示すように、プリンタプロセッサ70
Sは、画像データに基づくレーザ光をカラーペーパPに
照射することにより画像を露光する露光部70Aと、露光
部70Aで露光したカラーペーパPに現像・定着などの処
理を施す現像処理部70Bと、から構成されている。
【0573】露光部70AにはカラーペーパPをロール状
に収納したマガジン101が設けられており、カラーペー
パPは複数の搬送ローラ96によって所定の搬送経路に沿
って搬送される。この露光部70Aには、前述した構成と
同様の構成のレーザ光照射部100が設けられており、レ
ーザ光照射部100から画像データに基づくレーザ光が搬
送中のカラーペーパPに照射される。
【0574】ここでは、カラーペーパPの搬送方向に垂
直な主走査方向にレーザ光が走査される。このレーザ光
の走査とカラーペーパPの搬送とは、レーザ光照射部10
0内の露光制御部82(図28参照)によって同期をとって
行われ、これにより、カラーペーパPに画像データに基
づく画像が露光される。
【0575】画像が露光されたカラーペーパPは、現像
処理部70Bへ送られ、発色現像処理液が貯留された発色
現像槽104、漂白定着処理液が貯留された漂白定着槽10
5、水洗処理液が貯留された水洗槽106を順に搬送され
る。この搬送中に、発色現像槽104において発色現像処
理が、漂白定着槽105において漂白定着処理が、水洗槽1
06において水洗処理が、それぞれ実行される。
【0576】上記発色現像処理、漂白定着処理および水
洗処理が行われたカラーペーパPは、乾燥部107へ搬送
されて乾燥された後、切断部108においてカラーペーパ
Pに記録された各コマ画像に対応する長さに切断され、
ソータ部109において1本のフィルムに対応する枚数あ
るいは顧客ごとに集積される。
【0577】(2−5) 注文処理 次に、注文処理の例を示す。上記画像処理部の説明にお
いても述べたように、ユーザは、セットした写真フィル
ムの現像、読取、画像処理が終了した時点で、モニタ上
で画像データを確認することができる。モニタ画面上に
は複数の画像データが並べられるが、ユーザがその中の
1つをマウスなどで指定すれば、指定された画像データ
が画面一杯に表示され、詳細が確認できるようになって
いる。本実施例では、ユーザは、確認した写真画像デー
タに対し以下のような指定を行うことができる。なお、
ここで「指定」あるいは「選択」などは、画面上に表示
される番号をキーボードから入力したり、画面を直接マ
ウスによりクリックするなど、公知の方法および手段に
より行うものとするまず、ファイル出力かプリント出力
か、あるいは通信手段を有するシステムの場合には転送
かといった出力形態を指定することができる、この際、
プリンタやメディアの種類なども指定する。これは、現
像の単位(例えば写真フィルム単位)で指定してもよい
し、コマ単位で指定してもよい。上記画像処理部3はこ
の指定入力に基づいて処理済画像データの転送先を決定
する。
【0578】さらに、プリント出力の場合には各コマご
とに枚数の指定を行う。不要と判断したコマについて
は、枚数を0と指定すればプリントは作成されない。こ
こで入力された情報は画像データとともに各プリンタへ
と入力される。
【0579】また、出力前に階調補正やトリミングなど
を行うことも可能である。システムが自動的に行う階調
補正などの画像処理は、標準的に好ましいとされる画質
を得るための画像処理であるので、ユーザが異なる画像
処理を所望することは十分に考えられる。したがって、
本実施例では、よりシャープに、より明るくといった指
定を行えるようになっており、この指定入力がされた場
合にはシステムはその指定に基づいて再度画像処理を行
って処理済画像データを再表示する。ユーザはこの処理
の繰り返しにより、納得のいく画質を得ることができ
る。
【0580】同様にトリミングについても、画面上でト
リミング範囲を指定すると、その範囲が枠線となって表
示されるため、繰り返し範囲を指定しなおすことができ
る。これにより、例えば現像した写真フィルムに記録さ
れていたコマのうち、気に入った1つのコマをユーザ自
身がトリミング処理し、処理済画像データを専用ラボに
転送してポストカードを作成してもらうといったことも
可能になる。このような場合には、ポストカードのデザ
イン選択なども上記画面上で行えるようにするのがよ
い。
【0581】なお、コンビニエンスストアなどに設置さ
れるシステムの場合には、ユーザが全ての注文処理の完
了を示すOKボタンなどを押した時点で、モニタ画面上
にサービス料金が表示され、表示された金額を所定の紙
幣あるいはコイン投入部から投入しない限り、出力処理
は行われない。あるいは、最初に現像料金に相当する額
のみを投入してからカートリッジなどをセットし、プリ
ント料金などを後から追加投入するようにしてもよい。
【0582】以上、本発明の画像形成方法およびシステ
ムについて実施例を示した。写真撮影の目的には、例え
ば記念撮影、ポストカード作成のための撮影、プレゼン
テーションに使用する画像を取得するための撮影など、
様々な目的があるが、いずれの場合でも、できるだけ早
く、簡単に、望ましくは何度も写真店に通ったりせず
に、目的を達成することが望まれることは言うまでもな
い。
【0583】本発明の画像形成方法およびシステムは、
このようなユーザのニーズに応え、受けたいサービスを
受けたいときに直ちに受けることができる、言うなれば
Ondemandの写真サービスを実現するものであ
り、技術的に優れているのみならず、商業上の大きな効
果を生み出すものでもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図2】本発明の画像形成システムの構成を示すブロッ
ク図
【図3】本発明の実施例における現像読取機を示す図
【図4】溶媒付与装置を示す図
【図5】図4の溶媒付与装置が備える噴射タンクの断面
【図6】図5の噴射タンクの溶媒噴射時の状態を示す断
面図
【図7】図3の現像読取機の制御部によって実行される
制御ルーチンを示すフローチャート
【図8】(A)は読取部の構成の一例を示す図、(B)
はCCDセンサの概略を示す図
【図9】読取部の構成の他の例を示す図
【図10】画像処理部の構成を示すブロック図
【図11】画像処理部が備えるフレームメモリユニット
の詳細を示す図
【図12】画像処理部が備える第1の画像処理手段の構
成を示すブロック図
【図13】読取から出力までの処理の流れを示すフロー
チャート
【図14】電子写真方式のデジタルプリンタの強度変調
方式、面積変調方式における画像出力のための画像信号
処理を示す図
【図15】イエロー画像用の万線スクリーンを示す図
【図16】マゼンダ画像用の万線スクリーンを示す図
【図17】シアン画像用の万線スクリーンを示す図
【図18】ブラック画像用の万線スクリーンを示す図
【図19】電子写真方式のデジタルプリンタの構成の一
例を示す図
【図20】電子写真方式のデジタルプリンタにおけるプ
リント作成プロセスを示す図
【図21】中間転写ドラムを備えた電子写真方式のデジ
タルプリンタの構成の一例を示す図
【図22】中間転写ベルトを備えた電子写真方式のデジ
タルプリンタの構成の一例を示す図
【図23】複数の感光体ドラムを備えた電子写真方式の
デジタルプリンタの構成の一例を示す図
【図24】インクジェットプリンタの構成を示すブロッ
ク図
【図25】インクジェットプリンタの構造の概要を示す
【図26】熱現像転写を行うデジタルプリンタの構成の
一例を示す図
【図27】図26のデジタルプリンタの制御部の構成を
示すブロック図
【図28】図26デジタルプリンタの露光制御部を示す
【図29】湿式現像処理を行うデジタルプリンタの構成
の一例を示す図
【符号の説明】
1 現像部 2 読取部 3 画像処理部 4 出力部 5 セット部 6 ユーザインタフェース部 7 廃材処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 5/00 G03C 5/00 A 5/08 5/08 7/00 510 7/00 510 7/392 7/392 Z 7/407 7/407 G03D 13/00 G03D 13/00 Z H04N 1/00 H04N 1/00 G // G06T 1/00 G06F 15/62 P 5/00 310K 15/64 Z 15/68 310A (72)発明者 加藤 恵士 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 谷口 勇夫 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 沖野 美晴 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 (72)発明者 荻原 永夫 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内

Claims (185)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ハロゲン化銀粒子を含有し、所定
    の処理部材と重ね合わせて加熱されることによって露光
    により記録された潜像に対応した画像を形成する感光部
    材を使用する画像形成方法であって、 前記感光部材に露光により潜像を記録し、 前記感光部材と前記処理部材とを重ね合わせ、 前記重ね合わせた感光部材と処理部材とを加熱すること
    により該感光部材に記録された前記潜像に対応した画像
    を該感光部材上に形成し、 前記画像が形成された感光部材を前記処理部材から剥離
    し、 前記形成された感光部材上の画像をスキャナにより読み
    取って該画像を表す画像データを得、 該画像データに所定の画像処理を施すことにより再生可
    能なデジタル画像データを作成することを特徴とする画
    像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記感光部材と前記処理部材とを重ね合
    わせる前に、該感光部材および処理部材の少なくとも一
    方に所定の画像形成用溶媒を付与することを特徴とする
    請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記感光性ハロゲン化銀粒子が平板状の
    感光性ハロゲン化銀粒子であることを特徴とする請求項
    1または2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱をセ氏60度から100度の温
    度で5秒から60秒間行うことを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記感光部材が、支持体上に、少なくと
    も感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、および画像状
    に拡散性色素を放出ないし拡散する機能を持つ色材を含
    み、その感光波長領域が互いに異なり、前記色材の現像
    処理後における色相も互いに異なる少なくとも3種類の
    感光層を有する色材含有熱現像感光部材であり、 前記処理部材が、前記色材含有熱現像感光部材と重ね合
    わせて加熱することにより前記色材含有熱現像感光部材
    上に画像を形成するものであって、支持体上に少なくと
    も媒染剤を含む層を有する媒染剤含有処理部材であり、 前記加熱により前記熱現像感光部材から放出される前記
    拡散性色素の少なくとも一部を前記色材含有熱現像感光
    部材から除去することにより、該色材含有熱現像感光部
    材上に少なくとも3色の色画像を形成することを特徴と
    する請求項1から4のいずれか1項記載の画像形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記感光部材が、支持体上に、少なくと
    も感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、発色現像主
    薬、および色素供与性カプラーを含み、その感光波長領
    域が互いに異なり、前記発色現像主薬の酸化体および前
    記色素供与性カプラーから形成される色素の色相も互い
    に異なる少なくとも3種類の感光層を有する熱現像感光
    部材であり、 前記処理部材が、前記熱現像感光部材と重ね合わせて加
    熱することにより前記熱現像感光部材上に画像を形成す
    る処理部材であり、 前記加熱により、前記熱現像感光部材上に少なくとも3
    色の色画像を形成することを特徴とする請求項1から4
    のいずれか1項記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記感光部材が、透明支持体上に、少な
    くとも感光性ハロゲン化銀粒子、発色現像主薬、カプラ
    ーおよびバインダーを含み、その感光波長領域が互いに
    異なり、前記発色現像主薬の酸化体および前記カプラー
    から形成される色素の吸収波長領域も互いに異なる少な
    くとも3種の感光層を有する感光部材であり、 前記処理部材が、支持体上に少なくとも塩基および/ま
    たは塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理部材で
    あり、 前記感光部材と前記処理部材を、前記感光部材と処理部
    材双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要
    する量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、前記
    感光部材の前記感光層と前記処理部材の処理層が向かい
    合う形となるように重ね合わせて加熱して、前記感光部
    材上に少なくとも3色の非拡散性色素に基づく画像を形
    成することを特徴とする請求項1、2、3、4または6
    のいずれか1項記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記発色現像主薬が下記一般式(1)か
    ら(5)で表される化合物のうちの少なくとも1つの化
    合物であることを特徴とする請求項6または7記載の画
    像形成方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 式中、R1〜R4は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリー
    ルカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリ
    ールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ
    基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバ
    モイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、
    アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル
    基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル
    基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、
    アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、
    アリールカルボニル基またはアシルオキシ基を表し、R
    5は置換または無置換の、アルキル基、アリール基また
    は複素環基を表す。Zは芳香環(複素芳香環も含む)を
    形成する原子群を表し、Zがベンゼン環である場合、そ
    の置換基のハメット定数(σ)の合計値は1以上であ
    る。R6は置換または無置換のアルキル基を表す。Xは
    酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換も
    しくはアリール置換の3級窒素原子を表す。R7、R8
    水素原子または置換基を表し、R7、R8が互いに結合し
    て2重結合または環を形成してもよい。
  9. 【請求項9】 前記感光部材と処理部材を重ね合わせる
    前に、前記感光部材に付着した塵埃を除去することを特
    徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の画像形成
    方法。
  10. 【請求項10】 前記感光部材からなる写真フィルムを
    フィルムカートリッジに収納し、該フィルムカートリッ
    ジをカメラに装填し、該カメラによって撮影を行うこと
    により前記感光部材を露光することを特徴とする請求項
    1から9のいずれか1項記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記感光部材からなる写真フィルムを
    フィルムカートリッジに収納し、該フィルムカートリッ
    ジをレンズ付きフィルムユニットに装填し、該レンズ付
    きフィルムユニットによって撮影を行うことにより前記
    感光部材を露光することを特徴とする請求項1から9の
    いずれか1項記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 前記感光部材からなる写真フィルムを
    レンズ付きフィルムユニットに直接収納し、該レンズ付
    きフィルムユニットによって撮影を行うことにより前記
    感光部材を露光することを特徴とする請求項1から9の
    いずれか1項記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 前記撮影の際に前記写真フィルムが収
    納されていた収納体の形状に適合した構造を有するセッ
    ト部に該収納体をセットし、 該セット部にセットされた収納体に収納された写真フィ
    ルムに対して前記重ね合わせ、前記加熱、前記剥離のス
    テップからなる現像処理を施すことを特徴とする請求項
    10から12のいずれか1項記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記収納体を所定の収納体保持部によ
    り保持するとともに、前記収納体に光が当たらないよう
    に遮光することにより前記収納体のセットを行うことを
    特徴とする請求項13記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 前記セット部にセットされた収納体か
    ら前記写真フィルムを引き出し、 該引き出した写真フィルムの現像を行うことを特徴とす
    る請求項13または14記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 前記収納体がフィルムカートリッジで
    あり、 前記写真フィルムの引き出しを、該フィルムカートリッ
    ジから前記写真フィルムを引き出すことにより行うこと
    を特徴とする請求項15記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 前記収納体が写真フィルムを収納した
    フィルムカートリッジを内包するレンズ付きフィルムユ
    ニットであり、 前記写真フィルムの引き出しを、該レンズ付きフィルム
    ユニットのケースを開放し、該開放されたレンズ付きフ
    ィルムユニットから前記フィルムカートリッジを分離
    し、該分離されたフィルムカートリッジから前記写真フ
    ィルムを引き出すことにより行うことを特徴とする請求
    項15記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 前記収納体が写真フィルムが直接収納
    されたレンズ付きフィルムユニットであり、 前記写真フィルムの引き出しを、該レンズ付きフィルム
    ユニットのケースを開放し、該開放されたレンズ付きフ
    ィルムユニットから前記写真フィルムを分離することに
    より行うことを特徴とする請求項15記載の画像形成方
    法。
  19. 【請求項19】 前記セット部にセットされた収納体に
    収納された写真フィルムの種類を判別し、該判別の結果
    に基づいて所定の種類の写真フィルムのみ現像すること
    を特徴とする請求項13から18のいずれか1項記載の
    画像形成方法。
  20. 【請求項20】 前記収納体に付与された該収納体の識
    別情報を認識し、該識別情報に基づいて前記フィルムの
    種類の判別を行うことを特徴とする請求項19記載の画
    像形成方法。
  21. 【請求項21】 前記セット部にセットされた収納体か
    ら前記写真フィルムを引き出し、 該引き出された写真フィルムの光透過率を測定し、 該測定された光透過率に基づいて前記フィルムの種類の
    判別を行うことを特徴とする請求項19記載の画像形成
    方法。
  22. 【請求項22】 前記セット部にセットされた収納体か
    ら前記写真フィルムを引き出し、 該引き出された写真フィルムの情報記録部に記録された
    フィルム種別を表すデータに基づいて前記フィルムの種
    類の判別を行うことを特徴とする請求項19記載の画像
    形成方法。
  23. 【請求項23】 前記フィルム種別の判別の結果を所定
    のユーザインタフェースを介して表示することを特徴と
    する請求項19から22のいずれか1項記載の画像形成
    方法。
  24. 【請求項24】 前記感光部材の現像後に排出される使
    用済み部材の廃材処理を行うことを特徴とする請求項1
    3から23のいずれか1項記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 前記廃材処理において、前記収納体を
    集積することを特徴とする請求項24記載の画像形成方
    法。
  26. 【請求項26】 前記廃材処理において、前記収納体を
    分解し、該分解された収納体を所定の部材ごとに集積す
    ることを特徴とする請求項24記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 前記廃材処理において、前記収納体に
    収納された写真フィルムを取り出した後、該収納体に未
    使用の写真フィルムを詰め替えることを特徴とする請求
    項24記載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 前記廃材処理において、前記現像済み
    の写真フィルムを集積し、該写真フィルム上に残存する
    銀を回収することを特徴とする請求項24から27のい
    ずれか1項記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 前記スキャナによる読取りを、前記剥
    離によって処理部材と分離された感光部材上に残存する
    ハロゲン化銀および/または現像銀を除去することなく
    行い、 前記画像処理において、前記ハロゲン化銀および/また
    は現像銀の前記画像データに対する寄与分を補正するこ
    とを特徴とする請求項1から28のいずれか1項記載の
    画像形成方法。
  30. 【請求項30】 前記スキャナによる読取りを、前記剥
    離によって処理部材と分離された感光部材に対して漂白
    処理および/または定着処理を施すことにより該感光部
    材上に残存するハロゲン化銀および/または現像銀の少
    なくとも一部を除去した後に行うことを特徴とする請求
    項1から28のいずれか1項記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 前記デジタル画像データを作成する際
    に、前記感光部材の温度特性に起因するデジタル画像デ
    ータの誤差を低減するための安定化処理を行うことを特
    徴とする請求項1から30のいずれか1項記載の画像形
    成方法。
  32. 【請求項32】 前記安定化処理が、前記読取時の感光
    部材の温度を求め、 該求められた温度に応じて前記読取りの読取条件を決定
    する処理であることを特徴とする請求項31記載の画像
    形成方法。
  33. 【請求項33】 前記安定化処理が、感光部材の色濃度
    対温度の対応関係を予め求め、 前記読取りを行う際の前記感光部材の温度を求め、 該読取りにより得られたデータを、前記対応関係および
    前記求められた温度に基づいて変換する処理であること
    を特徴とする請求項31記載の画像形成方法。
  34. 【請求項34】 前記安定化処理が、前記感光部材を保
    温して該感光部材の前記読取時の温度を一定に保つ処理
    であることを特徴とする請求項31記載の画像形成方
    法。
  35. 【請求項35】 前記安定化処理が、前記感光部材を前
    記読取りを行う前に所定時間放置することにより、前記
    読取時における前記感光部材の温度が一定になるように
    する処理であることを特徴とする請求項31記載の画像
    形成方法。
  36. 【請求項36】 前記所定の画像処理を、前記撮影の撮
    影条件に応じて異なるものとすることを特徴とする請求
    項10から35のいずれか1項記載の画像形成方法。
  37. 【請求項37】 前記所定の画像処理を、前記写真フィ
    ルムのフィルム固有情報に応じて異なるものとすること
    を特徴とする請求項10から36のいずれか1項記載の
    画像形成方法。
  38. 【請求項38】 前記所定の画像処理を、前記画像デー
    タに応じて異なるものとすることを特徴とする請求項1
    から37のいずれか1項記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 前記所定の画像処理において前記画像
    データに対するノイズ低減処理を行うことを特徴とする
    請求項1から38のいずれか1項記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 前記所定の画像処理において前記画像
    データの拡大あるいは縮小処理を行うことを特徴とする
    請求項1から39のいずれか1項記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 前記所定の画像処理において前記画像
    データのダイナミックレンジの圧縮あるいは伸長処理を
    行うことを特徴とする請求項1から40のいずれか1項
    記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 前記所定の画像処理において前記画像
    データのデータ量を低減するためのデータ圧縮処理を行
    うことを特徴とする請求項1から41のいずれか1項記
    載の画像形成方法。
  43. 【請求項43】 前記所定の画像処理において前記画像
    データに対してシャープネス強調処理を施すことを特徴
    とする請求項1から42のいずれか1項記載の画像形成
    方法。
  44. 【請求項44】 前記画像データが担持する画像がカラ
    ー画像であり、前記所定の画像処理において該カラー画
    像の色、階調、濃度のうちの少なくとも1つを補正する
    処理を行うことを特徴とする請求項1から43のいずれ
    か1項記載の画像形成方法。
  45. 【請求項45】 前記デジタル画像データの所定の記憶
    媒体へのファイル出力を行うことを特徴とする請求項1
    から44のいずれか1項記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 前記所定の記憶媒体が、前記デジタル
    画像データの作成を依頼した顧客への受渡しが可能なリ
    ムーバブルメディアであることを特徴とする請求項45
    記載の画像形成方法。
  47. 【請求項47】 前記所定の記憶媒体が、前記デジタル
    画像データの作成を依頼した顧客からの注文に応じて前
    記デジタル画像データを出力できるように現像処理受注
    者が前記デジタル画像データを保管するための記憶媒体
    であることを特徴とする請求項45または46記載の画
    像形成方法。
  48. 【請求項48】 前記デジタル画像データを未使用の感
    光部材に記録することにより前記感光部材に記録された
    画像の複写を行うことを特徴とする請求項1から47の
    いずれか1項記載の画像形成方法。
  49. 【請求項49】 前記デジタル画像データをプリント出
    力することを特徴とする請求項1から48記載の画像形
    成方法。
  50. 【請求項50】 前記デジタル画像データを所定の転送
    手段により所定のプリンタに転送してプリント出力する
    ことを特徴とする請求項49記載の画像形成方法。
  51. 【請求項51】 前記所定の転送手段が通信回線である
    ことを特徴とする請求項50記載の画像形成方法。
  52. 【請求項52】 前記プリント出力を非湿式処理機によ
    り行うことを特徴とする請求項49から51のいずれか
    1項記載の画像形成方法。
  53. 【請求項53】 前記非湿式処理機が乾式の電子写真方
    式のデジタルプリンタであることを特徴とする請求項5
    2記載の画像形成方法。
  54. 【請求項54】 前記電子写真方式のデジタルプリンタ
    が、感光体ドラムに形成されたトナー像を一旦中間転写
    体に転写し、該転写されたトナー像を所定の記録媒体に
    再転写するものであることを特徴とする請求項53記載
    の画像形成方法。
  55. 【請求項55】 前記非湿式処理機がインクジェットイ
    ンクを記録シートに付着させてプリントを作成するイン
    クジェット方式のデジタルプリンタであることを特徴と
    する請求項52記載の画像形成方法。
  56. 【請求項56】 前記インクジェット方式のデジタルプ
    リンタが、発生した熱エネルギーによりインク滴を吐出
    する方式のものであることを特徴とする請求項55記載
    の画像形成方法。
  57. 【請求項57】 前記インクジェット方式のデジタルプ
    リンタが、圧電素子に電圧を印加し、該圧電素子のたわ
    みによって圧力室の容積が縮小してインク滴が吐出する
    方式のものであることを特徴とする請求項55記載の画
    像形成方法。
  58. 【請求項58】 前記インクジェット方式のデジタルプ
    リンタが、ノズルから連続的に吐出するインク滴を前記
    デジタル画像データに応じて荷電偏向させて前記記録シ
    ートに付着させる方式のものであることを特徴とする請
    求項55記載の画像形成方法。
  59. 【請求項59】 前記インクジェット方式のデジタルプ
    リンタが、ヘッドの圧電ロッドから発生する進行波液の
    圧力によってインク吐出オリフィスからインク滴が吐出
    する方式のものであることを特徴とする請求項55記載
    の画像形成方法。
  60. 【請求項60】 前記インクジェットインクが、水溶性
    材料を水を含む溶媒に溶解してなるインクであることを
    特徴とする請求項55から59のいずれか1項記載の画
    像形成方法。
  61. 【請求項61】 前記インクジェットインクが、顔料を
    水を含む溶媒に分散してなるものであることを特徴とす
    る請求項55から59のいずれか1項記載の画像形成方
    法。
  62. 【請求項62】 前記インクジェットインクが、マイク
    ロカプセル化した色素を含有するものであることを特徴
    とする請求項55から59のいずれか1項記載の画像形
    成方法。
  63. 【請求項63】 前記インクジェットインクが、常温で
    固体であり、高温下で溶解して前記デジタルプリンタか
    ら吐出されるものであることを特徴とする請求項55か
    ら59のいずれか1項記載の画像形成方法。
  64. 【請求項64】 前記記録シートが、支持体上に多孔質
    粒子層を有するものであることを特徴とする請求項55
    から63のいずれか1項記載の画像形成方法。
  65. 【請求項65】 前記記録シートが、支持体上に親水性
    樹脂を含む層を有するものであることを特徴とする請求
    項55から63のいずれか1項記載の画像形成方法。
  66. 【請求項66】 前記記録シートの支持体が樹脂被覆紙
    からなることを特徴とする請求項64または65記載の
    画像形成方法。
  67. 【請求項67】 前記非湿式処理機が昇華型熱転写方式
    のデジタルプリンタであることを特徴とする請求項52
    記載の画像形成方法。
  68. 【請求項68】 前記昇華型熱転写方式のデジタルプリ
    ンタが、前記デジタル画像データに応じて熱移行性色素
    を含むインクシートを加熱し、前記色素を所定の受像シ
    ートに転写するものであることを特徴とする請求項67
    記載の画像形成方法。
  69. 【請求項69】 前記熱移行性色素がジエン基を有し、 前記受像シートがジエノフィル化合物を含むものである
    ことを特徴とする請求項68記載の画像形成方法。
  70. 【請求項70】 前記熱移行性色素がジエノフィル基を
    有し、 前記受像シートがジエン化合物を含むものであることを
    特徴とする請求項68記載の画像形成方法。
  71. 【請求項71】 前記熱移行性色素がキレート化可能な
    色素であり、 前記受像シートが金属イオン供給化合物を含むものであ
    ることを特徴とする請求項68記載の画像形成方法。
  72. 【請求項72】 前記熱移行性色素が反応性のアミノ基
    を含み、 前記受像シートがアルキルアクリルアミドグリコレート
    アルキルエーテル基を含むポリマーを含むものであるこ
    とを特徴とする請求項68記載の画像形成方法。
  73. 【請求項73】 前記受像シートの支持体がポリエチレ
    ン被覆紙であることを特徴とする請求項68から72の
    いずれか1項記載の画像形成方法。
  74. 【請求項74】 前記受像シートの支持体が微小ボイド
    化熱可塑性コア層および実質的にボイド層を含まない熱
    可塑性表面層を積層してなるものであることを特徴とす
    る請求項68から72のいずれか1項記載の画像形成方
    法。
  75. 【請求項75】 前記非湿式処理機が、所定の熱現像感
    光材料に画像を記録し、該熱現像感光材料を受像材と重
    ねて熱現像転写することにより該受像材上に画像形成す
    る方式のデジタルプリンタであることを特徴とする請求
    項52記載の画像形成方法。
  76. 【請求項76】 前記プリント出力を、デジタル画像デ
    ータに対応して画素単位で変調された露光光により写真
    感光材料に画像の記録を行い該写真感光材料に対して湿
    式の現像処理を施すことにより該写真感光材料上に前記
    画像を形成する方式のデジタルプリンタにより行うこと
    を特徴とする請求項49から51のいずれか1項記載の
    画像形成方法。
  77. 【請求項77】 前記露光光がレーザ光であることを特
    徴とする請求項76記載の画像形成方法。
  78. 【請求項78】 前記プリント出力を、湿式の電子写真
    方式のデジタルプリンタにより行うことを特徴とする請
    求項49から51のいずれか1項記載の画像形成方法。
  79. 【請求項79】 前記デジタル画像データのファイル出
    力および/またはプリント出力を所定のユーザインタフ
    ェースを介して受け付けた注文情報にしたがって行うこ
    とを特徴とする請求項45から78のいずれか1項記載
    の画像形成方法。
  80. 【請求項80】 前記所定のユーザインタフェースが、
    前記写真フィルムから読み取られた複数のデジタル画像
    データを並べて表示し、表示されたデジタル画像データ
    の中から所望のデジタル画像データを選択することがで
    きるインタフェースであることを特徴とする請求項79
    記載の画像形成方法。
  81. 【請求項81】 前記所定のユーザインタフェースが、
    前記注文情報により注文された出力処理の代金決済を行
    うことができるインタフェースであることを特徴とする
    請求項79または80記載の画像形成方法。
  82. 【請求項82】 前記注文情報に基づいて前記デジタル
    画像データの出力先を切り替えることを特徴とする請求
    項79から81のいずれか1項記載の画像形成方法。
  83. 【請求項83】 請求項1記載の画像形成方法に使用さ
    れる画像形成システムであって、感光性ハロゲン化銀粒
    子を含有し、所定の処理部材と重ね合わせて加熱される
    ことによって露光により記録された潜像に対応した画像
    を形成する感光部材を現像するための現像処理部を備え
    た画像形成システムにおいて、前記現像処理部が、 該感光部材と前記処理部材とを重ね合わせる重ね合わせ
    手段と、 前記重ね合わせた感光部材と処理部材とを加熱すること
    により該感光部材に記録された前記潜像に対応した画像
    を該感光部材上に形成する加熱手段と、 前記画像が形成された感光部材を前記処理部材から剥離
    する剥離手段とを有することを特徴とする画像形成シス
    テム。
  84. 【請求項84】 前記現像処理部が、前記感光部材と前
    記処理部材とを重ね合わせる前に、該感光部材および処
    理部材の少なくとも一方に所定の画像形成用溶媒を付与
    する溶媒付与手段をさらに備えたことを特徴とする請求
    項83記載の画像形成システム。
  85. 【請求項85】 前記感光性ハロゲン化銀粒子が平板状
    の感光性ハロゲン化銀粒子であることを特徴とする請求
    項83または84記載の画像形成システム。
  86. 【請求項86】 前記加熱手段が、前記加熱をセ氏60
    度から100度の温度で5秒から60秒間行うものであ
    ることを特徴とする請求項83から85のいずれか1項
    記載の画像形成システム。
  87. 【請求項87】 前記感光部材が、支持体上に、少なく
    とも感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、および画像
    状に拡散性色素を放出ないし拡散する機能を持つ色材を
    含み、その感光波長領域も互いに異なり、前記色材の現
    像処理後における色相も互いに異なる少なくとも3種類
    の感光層を有する色材含有熱現像感光部材であり、 前記処理部材が、前記色材含有熱現像感光部材と重ね合
    わせて加熱することにより前記色材含有熱現像感光部材
    上に画像を形成するものであって、支持体上に少なくと
    も媒染剤を含む層を有する媒染剤含有処理部材であるこ
    とを特徴とする請求項83から86のいずれか1項記載
    の画像形成システム。
  88. 【請求項88】 前記感光部材が、支持体上に、少なく
    とも感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、発色現像主
    薬、および色素供与性カプラーを含み、その感光波長領
    域が互いに異なり、前記発色現像主薬の酸化体および前
    記色素供与性カプラーから形成される色素の色相も互い
    に異なる少なくとも3種類の感光層を有する熱現像感光
    部材であり、 前記処理部材が、前記熱現像感光部材と重ね合わせて加
    熱することにより前記熱現像感光部材上に画像を形成す
    る処理部材であることを特徴とする請求項83から86
    のいずれか1項記載の画像形成システム。
  89. 【請求項89】 前記感光部材が、透明支持体上に、少
    なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、発色現像主薬、カプ
    ラーおよびバインダーを含み、その感光波長領域が互い
    に異なり、前記発色現像主薬の酸化体および前記カプラ
    ーから形成される色素の吸収波長領域が互いに異なる少
    なくとも3種の感光層を有する感光部材であり、 前記処理部材が、支持体上に少なくとも塩基および/ま
    たは塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理部材で
    あり、 前記重ね合わせ手段が、前記感光部材と前記処理部材双
    方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する
    量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、前記感光
    部材の前記感光層と前記処理部材の処理層が向かい合う
    形となるように重ね合わせるものであることを特徴とす
    る請求項83、84、85、86または88のいずれか
    1項記載の画像形成システム。
  90. 【請求項90】 前記発色現像主薬が下記一般式(1)
    から(5)で表される化合物のうちの少なくとも1つの
    化合物であることを特徴とする請求項88または89記
    載の画像形成システム。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 式中、R1〜R4は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリー
    ルカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリ
    ールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ
    基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバ
    モイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、
    アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル
    基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル
    基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、
    アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、
    アリールカルボニル基またはアシルオキシ基を表し、R
    5は置換または無置換の、アルキル基、アリール基また
    は複素環基を表す。Zは芳香環(複素芳香環も含む)を
    形成する原子群を表し、Zがベンゼン環である場合、そ
    の置換基のハメット定数(σ)の合計値は1以上であ
    る。R6は置換または無置換のアルキル基を表す。Xは
    酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換も
    しくはアリール置換の3級窒素原子を表す。R7、R8
    水素原子または置換基を表し、R7、R8が互いに結合し
    て2重結合または環を形成してもよい。
  91. 【請求項91】 前記重ね合わせ手段による前記感光部
    材と処理部材の重ね合わせの前に前記感光部材に付着し
    た塵埃を除去する感光部材用除塵手段をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項83から90のいずれか1項記載
    の画像形成システム。
  92. 【請求項92】 前記現像処理部が、所定の撮影手段に
    より撮影を行うことによって露光された、前記感光部材
    からなる写真フィルムの現像を行うことを特徴とする請
    求項83から91のいずれか1項記載の画像形成システ
    ム。
  93. 【請求項93】 前記現像処理部が、前記感光部材から
    なる写真フィルムを収納したフィルムカートリッジをカ
    メラに装填して撮影を行うことにより露光された写真フ
    ィルムの現像を行うことを特徴とする請求項92記載の
    画像形成システム。
  94. 【請求項94】 前記現像処理部が、前記感光部材から
    なる写真フィルムを収納したフィルムカートリッジをレ
    ンズ付きフィルムユニットに装填して撮影を行うことに
    より露光された写真フィルムの現像を行うことを特徴と
    する請求項92または93記載の画像形成システム。
  95. 【請求項95】 前記現像処理部が、前記感光部材から
    なる写真フィルムをレンズ付きフィルムユニットに直接
    収納して撮影を行うことにより露光された写真フィルム
    の現像を行うことを特徴とする請求項92から94のい
    ずれか1項記載の画像形成システム。
  96. 【請求項96】 前記写真フィルムの現像を行う際に該
    写真フィルムを前記画像形成システムにセットするため
    のセット部であって、前記撮影の際に前記写真フィルム
    が収納されていた収納体の形状に適合した構造を有する
    少なくとも1つのセット部を備えたことを特徴とする請
    求項92から95のいずれか1項記載の画像形成システ
    ム。
  97. 【請求項97】 前記セット部のうちの少なくとも1つ
    の形状がフィルムカートリッジの形状に適合したもので
    あることを特徴とする請求項96記載の画像形成システ
    ム。
  98. 【請求項98】 前記セット部のうちの少なくとも1つ
    の形状がレンズ付きフィルムユニットの形状に適合した
    ものであることを特徴とする請求項96または97記載
    の画像形成システム。
  99. 【請求項99】 前記セット部が前記収納体を保持する
    収納体保持手段と、 該収納体保持部により保持された収納体に当たる光を遮
    る遮光手段とからなることを特徴とする請求項96から
    98のいずれか1項記載の画像形成システム。
  100. 【請求項100】 前記収納体に付着した塵埃を除去す
    る収納体用除塵手段をさらに備えたことを特徴とする請
    求項96から99のいずれか1項記載の画像形成システ
    ム。
  101. 【請求項101】 前記セット部に付着した塵埃を除去
    するセット部用除塵手段をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項96から100のいずれか1項記載の画像形成
    システム。
  102. 【請求項102】 前記セット部にセットされた前記収
    納体から前記写真フィルムを引き出すフィルム引出部を
    備えたことを特徴とする請求項96から101記載の画
    像形成システム。
  103. 【請求項103】 前記フィルム引出部が、フィルムカ
    ートリッジから写真フィルムを取り出すフィルム分離手
    段を備えたものであることを特徴とする請求項102記
    載の画像形成システム。
  104. 【請求項104】 前記フィルム引出部が、レンズ付き
    フィルムユニットのケースを開放する開放手段と、 該開放されたレンズ付きフィルムユニットから前記フィ
    ルムカートリッジを分離するユニット/カートリッジ分
    離手段と、 該分離されたはフィルムカートリッジから前記写真フィ
    ルムを引き出すカートリッジ/フィルム分離手段とを備
    えたものであることを特徴とする請求項102または1
    03記載の画像形成システム。
  105. 【請求項105】 前記フィルム引出部が、レンズ付き
    フィルムユニットのケースを開放する開放手段と、 該開放されたレンズ付きフィルムユニットから前記写真
    フィルムを分離するユニット/フィルム分離手段とを備
    えたものであることを特徴とする請求項102から10
    4のいずれか1項記載の画像形成システム。
  106. 【請求項106】 前記フィルム引出部に付着した塵埃
    を除去するフィルム引出部用除塵手段をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項102から105のいずれか1項
    記載の画像形成システム。
  107. 【請求項107】 前記セット部にセットされた収納体
    に収納された写真フィルムが前記画像形成システムによ
    り現像可能なフィルムか否かを判定するフィルム種別判
    定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項96から
    106のいずれか1項記載の画像形成システム。
  108. 【請求項108】 前記フィルム種別判定手段が、前記
    収納体に付与された該収納体の識別情報を認識し、該識
    別情報に基づいて前記判定を行うものであることを特徴
    とする請求項107記載の画像形成システム。
  109. 【請求項109】 前記フィルム種別判定手段が、前記
    セット部にセットされた収納体から前記写真フィルムを
    引き出し、該引き出された写真フィルムの光透過率を測
    定し、該測定された光透過率に基づいて前記判定を行う
    ものであることを特徴とする請求項107記載の画像形
    成システム。
  110. 【請求項110】 前記フィルム種別判定手段が、前記
    セット部にセットされた収納体から前記写真フィルムを
    引き出し、該引き出された写真フィルムの情報記録部に
    記録されたフィルム種別を表すデータに基づいて前記判
    定を行うものであることを特徴とする請求項107記載
    の画像形成システム。
  111. 【請求項111】 前記フィルム種別判定手段による判
    定結果を表示するためのユーザインタフェース部を備え
    たことを特徴とする請求項107から110のいずれか
    1項記載の画像形成システム。
  112. 【請求項112】 前記セット部にセットされた写真フ
    ィルムを前記現像処理部に搬送する経路の少なくとも一
    部を防塵構造とすることを特徴とする請求項96から1
    11のいずれか1項記載の画像形成システム。
  113. 【請求項113】 前記感光部材の現像後に排出される
    使用済み部材を処理する廃材処理部をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項96から112のいずれか1項記載
    の画像形成システム。
  114. 【請求項114】 前記廃材処理部が、前記収納体を集
    積する手段を有することを特徴とする請求項113記載
    の画像形成システム。
  115. 【請求項115】 前記廃材処理部が、前記収納体を分
    解する収納体分解手段と、 該分解された収納体を所定の部材ごとに集積する部材別
    集積手段を有することを特徴とする請求項113記載の
    画像形成システム。
  116. 【請求項116】 前記廃材処理部が、前記収納体に収
    納された写真フィルムを取り出した後、該収納体に未使
    用の写真フィルムを詰め替えるフィルム詰め替え手段を
    有することを特徴とする請求項113記載の画像形成シ
    ステム。
  117. 【請求項117】 前記廃材処理部が、前記現像済みの
    写真フィルムを集積し、該写真フィルム上に残存する銀
    を回収するフィルム集積手段を有することを特徴とする
    請求項113から116のいずれか1項記載の画像形成
    システム。
  118. 【請求項118】 前記剥離によって処理部材と分離さ
    れた感光部材上に対して漂白処理および/または定着処
    理を施すことにより該感光部材上に残存するハロゲン化
    銀および/または現像銀の少なくとも一部を除去する脱
    銀手段をさらに有することを特徴とする請求項83から
    117のいずれか1項記載の画像形成システム。
  119. 【請求項119】 前記現像処理部において現像された
    感光部材上の画像を読み取って該画像を表す画像データ
    を得る画像読取手段と、 該画像データに所定の画像処理を施すことにより再生可
    能なデジタル画像データを作成する画像処理手段とをさ
    らに備えたことを特徴とする請求項83から118のい
    ずれか1項記載の画像形成システム。
  120. 【請求項120】 前記画像読取手段が、前記読取り
    を、前記剥離によって処理部材と分離された感光部材上
    に残存するハロゲン化銀および/または現像銀を除去す
    ることなく行うものであり、 前記画像処理手段が、前記ハロゲン化銀および/または
    現像銀の前記画像データに対する寄与分を補正する処理
    を行うことを特徴とする請求項119記載の画像形成シ
    ステム。
  121. 【請求項121】 前記デジタル画像データを作成する
    際に、前記感光部材の温度特性に起因するデジタル画像
    データの誤差を低減する安定化手段を備えたことを特徴
    とする請求項119または120記載の画像形成システ
    ム。
  122. 【請求項122】 前記画像読取手段が、前記現像後の
    感光部材の温度を求め、 該求められた温度に応じて前記読取りの読取条件を決定
    することにより前記誤差の低減を行うことを特徴とする
    請求項121記載の画像形成システム。
  123. 【請求項123】 前記画像処理手段が、前記読取りを
    行う際の前記感光部材の温度を求め、 該読取りにより得られたデータを、予め求められた感光
    部材の色濃度対温度の対応関係および前記求められた温
    度に基づいて変換することにより前記誤差の低減を行う
    を特徴とする請求項121記載の画像形成システム。
  124. 【請求項124】 前記安定化手段が、前記現像後の感
    光部材を保温して該感光部材の前記読取時の温度を一定
    に保つものであることを特徴とする請求項121記載の
    画像形成システム。
  125. 【請求項125】 前記安定化手段が、前記現像後の感
    光部材を前記読取りを行う前に所定時間放置することに
    より前記読取時における前記感光部材の温度が一定にな
    るようにするものであることを特徴とする請求項121
    記載の画像形成システム。
  126. 【請求項126】 前記画像処理手段が、前記画像デー
    タに応じて異なる画像処理を行うことを特徴とする請求
    項119から125のいずれか1項記載の画像形成シス
    テム。
  127. 【請求項127】 前記感光部材が撮影により露光され
    た感光部材であり、前記画像処理手段が、前記撮影の撮
    影条件に応じて異なる画像処理を行うことを特徴とする
    請求項119から126のいずれか1項記載の画像形成
    システム。
  128. 【請求項128】 前記感光部材が写真フィルムの形態
    であり、前記画像処理手段が、前記写真フィルムのフィ
    ルム固有情報に応じて異なる画像処理を行うことを特徴
    とする請求項119から127のいずれか1項記載の画
    像形成システム。
  129. 【請求項129】 前記画像処理手段が、前記画像デー
    タに対するノイズ低減処理を行うことを特徴とする請求
    項119から128のいずれか1項記載の画像形成シス
    テム。
  130. 【請求項130】 前記画像処理手段が、前記画像デー
    タの拡大あるいは縮小処理を行うことを特徴とする請求
    項119から129のいずれか1項記載の画像形成シス
    テム。
  131. 【請求項131】 前記画像処理手段が、前記画像デー
    タのダイナミックレンジの圧縮あるいは伸長処理を行う
    ことを特徴とする請求項119から130のいずれか1
    項記載の画像形成システム。
  132. 【請求項132】 前記画像処理手段が、前記画像デー
    タのデータ量を低減するためのデータ圧縮処理を行うこ
    とを特徴とする請求項119から131のいずれか1項
    記載の画像形成システム。
  133. 【請求項133】 前記画像処理手段が、前記画像デー
    タに対してシャープネス強調処理を施すことを特徴とす
    る請求項119から132のいずれか1項記載の画像形
    成システム。
  134. 【請求項134】 前記画像データが担持する画像がカ
    ラー画像であり、前記画像処理手段が該カラー画像の
    色、階調、濃度のうちの少なくとも1つを補正する処理
    を行うことを特徴とする請求項119から133のいず
    れか1項記載の画像形成システム。
  135. 【請求項135】 前記デジタル画像データの所定の記
    憶媒体へのファイル出力を行う少なくとも1つのファイ
    ル出力手段を備えたことを特徴とする請求項119から
    134のいずれか1項記載の画像形成システム。
  136. 【請求項136】 前記所定の記憶媒体が、前記現像を
    依頼した顧客への受渡しが可能なリムーバブルメディア
    であることを特徴とする請求項135記載の画像形成シ
    ステム。
  137. 【請求項137】 前記所定の記憶媒体が、前記現像を
    依頼した顧客からの注文に応じて前記デジタル画像デー
    タを出力できるように現像処理受注者が前記デジタル画
    像データを保管するための記憶媒体であることを特徴と
    する請求項135または136記載の画像形成システ
    ム。
  138. 【請求項138】 前記デジタル画像データを未使用の
    感光部材に記録することにより前記感光部材に記録され
    た画像の複写を行う複写手段をさらに備えたことを特徴
    とする請求項119から137のいずれか1項記載の画
    像形成システム。
  139. 【請求項139】 前記デジタル画像データをプリント
    出力する少なくとも1つのプリント手段を備えたことを
    特徴とする請求項119から138記載の画像形成シス
    テム。
  140. 【請求項140】 前記プリント出力手段のうちの少な
    くとも1つが、前記画像処理手段と所定の転送手段によ
    り接続され、前記画像処理手段から前記転送手段を介し
    て転送された前記デジタル画像データをプリント出力す
    るものであることを特徴とする請求項139記載の画像
    形成システム。
  141. 【請求項141】 前記所定の転送手段が通信回線であ
    ることを特徴とする請求項140記載の画像形成システ
    ム。
  142. 【請求項142】 前記プリント出力手段のうちの少な
    くとも1つが前記現像処理部と同じ筐体内に備えられて
    いることを特徴とする請求項139から141のいずれ
    か1項記載の画像形成システム。
  143. 【請求項143】 前記プリント出力手段のうちの少な
    くとも1つが非湿式処理機であることを特徴とする請求
    項139から142のいずれか1項記載の画像形成シス
    テム。
  144. 【請求項144】 前記少なくとも1つの非湿式処理機
    の中に乾式の電子写真方式のデジタルプリンタが含まれ
    ていることを特徴とする請求項143記載の画像形成シ
    ステム。
  145. 【請求項145】 前記電子写真方式のデジタルプリン
    タが、感光体ドラムに形成されたトナー像を一旦中間転
    写体に転写し、該転写されたトナー像を所定の記録媒体
    に再転写するものであることを特徴とする請求項144
    記載の画像形成システム。
  146. 【請求項146】 前記少なくとも1つの非湿式処理機
    の中にインクジェットインクを記録シートに付着させて
    プリントを作成するインクジェット方式のデジタルプリ
    ンタが含まれていることを特徴とする請求項143記載
    の画像形成システム。
  147. 【請求項147】 前記インクジェット方式のデジタル
    プリンタが、発生した熱エネルギーによりインク滴を吐
    出する方式のものであることを特徴とする請求項146
    記載の画像形成システム。
  148. 【請求項148】 前記インクジェット方式のデジタル
    プリンタが、圧電素子に電圧を印加し、該圧電素子のた
    わみによって圧力室の容積が縮小してインク滴が吐出す
    る方式のものであることを特徴とする請求項146記載
    の画像形成システム。
  149. 【請求項149】 前記インクジェット方式のデジタル
    プリンタが、ノズルから連続的に吐出するインク滴を前
    記デジタル画像データに応じて荷電偏向させて前記記録
    シートに付着させる方式のものであることを特徴とする
    請求項146記載の画像形成システム。
  150. 【請求項150】 前記インクジェット方式のデジタル
    プリンタが、ヘッドの圧電ロッドから発生する進行波液
    の圧力によってインク吐出オリフィスからインク滴が吐
    出する方式のものであることを特徴とする請求項146
    記載の画像形成システム。
  151. 【請求項151】 前記インクジェットインクが、水溶
    性材料を水を含む溶媒に溶解してなるインクであること
    を特徴とする請求項146から150のいずれか1項記
    載の画像形成システム。
  152. 【請求項152】 前記インクジェットインクが、顔料
    を水を含む溶媒に分散してなるものであることを特徴と
    する請求項146から150のいずれか1項記載の画像
    形成システム。
  153. 【請求項153】 前記インクジェットインクが、マイ
    クロカプセル化した色素を含有するものであることを特
    徴とする請求項146から150のいずれか1項記載の
    画像形成システム。
  154. 【請求項154】 前記インクジェットインクが、常温
    で固体であり、高温下で溶解して前記デジタルプリンタ
    から吐出されるものであることを特徴とする請求項14
    6から150のいずれか1項記載の画像形成システム。
  155. 【請求項155】 前記記録シートが、支持体上に多孔
    質粒子層を有するものであることを特徴とする請求項1
    46から154のいずれか1項記載の画像形成システ
    ム。
  156. 【請求項156】 前記記録シートが、支持体上に親水
    性樹脂を含む層を有するものであることを特徴とする請
    求項146から154のいずれか1項記載の画像形成シ
    ステム。
  157. 【請求項157】 前記記録シートの支持体が樹脂被覆
    紙からなることを特徴とする請求項155または156
    記載の画像形成システム。
  158. 【請求項158】 前記少なくとも1つの非湿式処理機
    の中に昇華型熱転写方式のデジタルプリンタが含まれて
    いることを特徴とする請求項143記載の画像形成シス
    テム。
  159. 【請求項159】 前記昇華型熱転写方式のデジタルプ
    リンタが、前記デジタル画像データに応じて熱移行性色
    素を含むインクシートを加熱し、前記色素を所定の受像
    シートに転写するものであることを特徴とする請求項1
    58記載の画像形成システム。
  160. 【請求項160】 前記熱移行性色素がジエン基を有
    し、 前記受像シートがジエノフィル化合物を含むものである
    ことを特徴とする請求項159記載の画像形成システ
    ム。
  161. 【請求項161】 前記熱移行性色素がジエノフィル基
    を有し、 前記受像シートがジエン化合物を含むものであることを
    特徴とする請求項159記載の画像形成システム。
  162. 【請求項162】 前記熱移行性色素がキレート化可能
    な色素であり、 前記受像シートが金属イオン供給化合物を含むものであ
    ることを特徴とする請求項159記載の画像形成システ
    ム。
  163. 【請求項163】 前記熱移行性色素が反応性のアミノ
    基を含み、 前記受像シートがアルキルアクリルアミドグリコレート
    アルキルエーテル基を含むポリマーを含むものであるこ
    とを特徴とする請求項159記載の画像形成システム。
  164. 【請求項164】 前記受像シートの支持体がポリエチ
    レン被覆紙であることを特徴とする請求項159から1
    63のいずれか1項記載の画像形成システム。
  165. 【請求項165】 前記受像シートの支持体が微小ボイ
    ド化熱可塑性コア層および実質的にボイド層を含まない
    熱可塑性表面層を積層してなるものであることを特徴と
    する請求項159から163のいずれか1項記載の画像
    形成システム。
  166. 【請求項166】 前記少なくとも1つの非湿式処理機
    の中に、所定の熱現像感光材料に画像を記録し、該熱現
    像感光材料を受像材と重ねて熱現像転写することにより
    該受像材上に画像形成する方式のデジタルプリンタが含
    まれていることを特徴とする請求項143記載の画像形
    成システム。
  167. 【請求項167】 前記プリント出力手段のうちの少な
    くとも1つが、デジタル画像データに対応して画素単位
    で変調された露光光により写真感光材料に画像の記録を
    行い該写真感光材料に対して湿式の現像処理を施すこと
    により該写真感光材料上に前記画像を形成する方式のデ
    ジタルプリンタであることを特徴とする請求項139か
    ら142のいずれか1項記載の画像形成システム。
  168. 【請求項168】 前記露光光がレーザ光であることを
    特徴とする請求項167記載の画像形成システム。
  169. 【請求項169】 前記プリント出力手段のうちの少な
    くとも1つが、湿式の電子写真方式のデジタルプリンタ
    であることを特徴とする請求項139から142のいず
    れか1項記載の画像形成システム。
  170. 【請求項170】 前記デジタル画像データのファイル
    出力および/またはプリント出力の注文するための注文
    情報を受け付ける注文受付用ユーザインタフェース部を
    備えたことを特徴とする請求項135から169のいず
    れか1項記載の画像形成システム。
  171. 【請求項171】 前記ユーザインタフェース部が、前
    記写真フィルムから読み取られた複数のデジタル画像デ
    ータを並べて表示する表示手段と、 表示されたデジタル画像データの中から所望のデジタル
    画像データを選択することができる選択入力手段とから
    なることを特徴とする請求項170記載の画像形成シス
    テム。
  172. 【請求項172】 前記ユーザインタフェース部が、前
    記注文情報により注文された出力処理の代金決済を行う
    ためのインタフェースを含むことを特徴とする請求項1
    70または171記載の画像形成システム。
  173. 【請求項173】 前記注文情報に基づいて前記デジタ
    ル画像データの出力先を切り替えることを特徴とする請
    求項170から172のいずれか1項記載の画像形成シ
    ステム。
  174. 【請求項174】 露光された画像が加熱によって形成
    される熱現像感光部材に画像を露光し、 露光された熱現像感光部材と、前記熱現像感光部材と重
    ね合わせて加熱することにより熱現像感光部材上に画像
    を形成するために使用される処理部材とを重ね合わせ、 重ね合わせた熱現像感光部材と処理部材とを加熱するこ
    とにより、該熱現像感光部材上に前記露光した画像を形
    成し、 該画像が形成された熱現像感光部材を処理部材から剥離
    し、 剥離によって処理部材と分離された熱現像感光部材上の
    画像をデジタル的に読み取る、 ことを特徴とする画像形成方法。
  175. 【請求項175】 支持体上に、少なくとも感光性ハロ
    ゲン化銀、バインダー、および画像状に拡散性色素を放
    出ないし拡散する機能を持つ色材を含み、感光波長領域
    および前記色材の現像処理後における色相が互いに異な
    る少なくとも3種類の感光層を有する色材含有熱現像感
    光部材と、前記色材含有熱現像感光部材と重ね合わせて
    加熱することにより前記色材含有熱現像感光部材上に画
    像を形成するために使用される、支持体上に少なくとも
    媒染剤を含む層を有する媒染剤含有処理部材と、を用い
    る画像形成方法であって、 前記色材含有熱現像感光部材に画像を露光し、 露光された色材含有熱現像感光部材と前記媒染剤含有処
    理部材とを重ね合わせ、 重ね合わせた色材含有熱現像感光部材と媒染剤含有処理
    部材とを加熱し、放出される前記拡散性色素の一部又は
    全部を色材含有熱現像感光部材から除去することによ
    り、該色材含有熱現像感光部材上に少なくとも3色の色
    画像を形成し、 該画像が形成された色材含有熱現像感光部材を媒染剤含
    有処理部材から剥離し、 剥離によって媒染剤含有処理部材と分離された色材含有
    熱現像感光部材上の画像をデジタル的に読み取る、 ことを特徴とする画像形成方法。
  176. 【請求項176】 支持体上に、少なくとも感光性ハロ
    ゲン化銀、バインダー、および色素供与性カプラーを含
    み、その感光波長領域および前記色素供与性カプラーか
    ら形成される色素の色相が互いに異なる少なくとも3種
    類の感光層を有するカプラー含有熱現像感光部材と、前
    記カプラー含有熱現像感光部材と重ね合わせて加熱する
    ことにより前記カプラー含有熱現像感光部材上に画像を
    形成するために使用される熱現像用処理部材と、を用い
    る画像形成方法であって、 前記カプラー含有熱現像感光部材に画像を露光し、 露光されたカプラー含有熱現像感光部材と前記熱現像用
    処理部材とを重ね合わせ、 重ね合わせたカプラー含有熱現像感光部材と熱現像用処
    理部材とを加熱することにより、前記色素供与性カプラ
    ーにより該カプラー含有熱現像感光部材上に少なくとも
    3色の色画像を形成し、 該画像が形成されたカプラー含有熱現像感光部材を熱現
    像用処理部材から剥離し、 剥離によって熱現像用処理部材と分離されたカプラー含
    有熱現像感光部材上の画像をデジタル的に読み取る、 ことを特徴とする画像形成方法。
  177. 【請求項177】 読み取った画像データを所定の情報
    記憶手段に書き込む、 ことを特徴とする請求項174から176のいずれか1
    項記載の画像形成方法。
  178. 【請求項178】 読み取った画像データに基づいて、
    他の画像記録材料に画像を形成する、 ことを特徴とする請求項174から177のいずれか1
    項記載の画像形成方法。
  179. 【請求項179】 前記露光された熱現像感光部材と処
    理部材とを重ね合わせる前に、該熱現像感光部材および
    処理部材の少なくとも一方に所定の画像形成用溶媒を塗
    布する、 ことを特徴とする請求項174から178のいずれか1
    項記載の画像形成方法。
  180. 【請求項180】 露光された画像が加熱によって形成
    される熱現像感光部材と、前記熱現像感光部材と重ね合
    わせて加熱することにより熱現像感光部材上に画像を形
    成するために使用される処理部材と、を用いて画像を形
    成する画像形成システムであって、 既に画像が露光された前記熱現像感光部材と前記処理部
    材とを重ね合わせる重ね合わせ手段と、 重ね合わせた熱現像感光部材と処理部材とを加熱する加
    熱手段と、 加熱された熱現像感光部材を処理部材から剥離する剥離
    手段と、 剥離によって処理部材と分離された熱現像感光部材上の
    画像をデジタル的に読み取る画像読取手段と、 を有する画像形成システム。
  181. 【請求項181】 前記熱現像感光部材は、 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダ
    ー、および画像状に拡散性色素を放出ないし拡散する機
    能を持つ色材を含み、感光波長領域および前記色材の現
    像処理後における色相が互いに異なる少なくとも3種類
    の感光層を有し、 前記処理部材は、 支持体上に少なくとも媒染剤を含む層を有する、 ことを特徴とする請求項180記載の画像形成システ
    ム。
  182. 【請求項182】 前記熱現像感光部材は、 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀、バインダ
    ー、および色素供与性カプラーを含み、その感光波長領
    域および前記色素供与性カプラーから形成される色素の
    色相が互いに異なる少なくとも3種類の感光層を有す
    る、 ことを特徴とする請求項180記載の画像形成システ
    ム。
  183. 【請求項183】 情報を記憶するための情報記憶手段
    と、 前記画像読取手段によって読み取った画像データを前記
    情報記憶手段に書き込む書込手段と、 を更に有する請求項180から182のいずれか1項記
    載の画像形成システム。
  184. 【請求項184】 前記画像読取手段によって読み取っ
    た画像データに基づいて、他の画像記録材料に画像を形
    成する、 ことを特徴とする請求項180から183のいずれか1
    項記載の画像形成システム。
  185. 【請求項185】 前記重ね合わせ手段により熱現像感
    光部材と処理部材とを重ね合わせる前に、該熱現像感光
    部材および処理部材の少なくとも一方に所定の画像形成
    用溶媒を塗布する塗布手段を更に有する請求項180か
    ら184のいずれか1項記載の画像形成システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5980127A (en) * 1997-04-07 1999-11-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image forming apparatus
US6532033B2 (en) 1998-08-25 2003-03-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat development recording apparatus and heat development recording method

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US5980127A (en) * 1997-04-07 1999-11-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image forming apparatus
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