JPH10260300A - 光学装置及び光短波長化方法 - Google Patents

光学装置及び光短波長化方法

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JPH10260300A
JPH10260300A JP9063294A JP6329497A JPH10260300A JP H10260300 A JPH10260300 A JP H10260300A JP 9063294 A JP9063294 A JP 9063294A JP 6329497 A JP6329497 A JP 6329497A JP H10260300 A JPH10260300 A JP H10260300A
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electron
laser
electron beam
wavelength
laser beam
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JP9063294A
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Hideaki Ogaki
英明 大垣
Takayoshi Mamine
隆義 真峯
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Sony Corp
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Agency of Industrial Science and Technology
Sony Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電子ビームとレーザビームの衝突によって、1
13個オーダー以上の短波長化された光子を得ることが
でき、しかも、所望の波長を有する電磁波(紫外線)を
容易に得ることを可能にする光学装置を提供する。 【解決手段】光学装置は、線形加速器10から成る電子
線源とレーザ光源20とを備え、電子線源から射出され
た相対論的速度で運動する電子ビーム中の電子とレーザ
光源から射出されたレーザビーム中の光子とを衝突させ
て、電子の有するエネルギーをレーザビームの光子に与
え、散乱光を短波長化する光学装置であって、衝突する
電子ビームとレーザビームの断面積の内、大きな方の断
面積をA(単位:cm2)としたとき、1×10-6≦A
≦1×10-1を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所謂、逆コンプト
ン散乱を応用した光学装置及び光短波長化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置のデザインルールは微細化の
一途を辿り、256MビットのDRAMにおいては0.
25μmルール、1GビットのDRAMにおいては0.
18μmルール、4GビットのDRAMにおいては0.
13μmルールになると予想されている。このようにデ
ザインルールが微細化するに従い、所謂リソグラフィ技
術における光源が大きな問題の1つとなってきている。
【0003】即ち、半導体装置を製造するために用いら
れる半導体露光装置においては、レジスト材料の露光
(感光)に用いる光の波長をλ、レンズの開口数をNA
としたとき、解像度は、レイリーの式 kλ/NA で
表わされる。尚、kは定数である。このレイリーの式か
ら、デザインルールが小さくなるに従い、波長λの短い
露光光源を使用しないと、十分なる解像度を得ることが
できないことが明白である。従って、0.25μmルー
ルにおいてはKrFエキシマレーザ(λ=253n
m)、0.18μmルールにおいてはArFエキシマレ
ーザ(λ=193nm)を用いる必要があるとされてい
る。
【0004】このようなデザインルールの微細化に伴
い、短波長の露光光を得るために、電子ビームを使用し
たリソグラフィ技術や、シンクロトロン放射を応用した
X線ビームによるリソグラフィ技術が検討されている。
ところが、電子ビームを使用したリソグラフィ技術は、
少量多品種の半導体装置の製造に適するものの、スルー
プットが低く、半導体装置の大量生産には不向きであ
る。また、シンクロトロン放射を応用したX線ビームに
よるリソグラフィ技術においては、X線源として大規模
で複雑な装置が必要とされ、半導体装置の製造コストの
上昇が免れないといった問題がある。従って、従来の技
術の延長である光(レーザ)を用いた基本的にリソグラ
フィ技術によって、半導体装置のデザインルールの微細
化に対処できるならば、かかる技術が最も好ましい技術
であると云える。しかしながら、デザインルールの変更
に応じて、所望の波長を有する新規のレーザを開発する
ことは非常に困難であるばかりか、露光光の短波長化と
レーザ開発の歩みを共にする必要があり、極めて開発効
率が悪いといえる。
【0005】物質によって散乱されたX線のなかに、そ
の波長が入射X線の波長より長い方にずれたものが含ま
れるコンプトン散乱現象は古くから知られた現象であ
る。かかるコンプトン散乱においては、静止した電子に
X線が衝突して散乱し、X線の有するエネルギーを電子
が受け取ると共に、X線自体のエネルギーは減少する。
一方、相対論的速度で運動する電子による光の散乱によ
って電子の有するエネルギーを光子に与え、散乱された
光を短波長化する逆コンプトン効果も古くから知られて
いる。例えば、E. Feenberg and H. Primakoff, Phys.
Rev. 73, (1948)449 あるいは、R.H. Milburn, Phys. R
ev. Lett. 10 (1963) 75 や F.R. Arutyunian and V.A.
Tumanian, Phys. Lett. 4 (1963) 176、「エネルギー
可変偏極単色γ線の発生−逆コンプトン散乱の応用」、
大垣 英明及び野口 勉、日本物理学会誌、Vol.50, N
o.5 (1995) pp381-386 を参照のこと。
【0006】また、雑誌「パリティ」Vol.12, No.01, 1
997-01 の第47頁に掲載された「ニュースダイジェス
ト」によれば、ローレンス・バークレー国立研究所材料
科学部門のシェーンラインらのチームは、赤外レーザの
パルスを線型加速器から引き出した電子ビームに直角に
当て、電子ビームの方向に散乱してくるピコ秒以下の極
短X線パルスを観測したと報告されている。即ち、シェ
ーンラインらの実験では、テラワット級のレーザパルス
を曲率半径75cmの鏡で直径30μmのスポットに絞
り、線型加速器から取り出したエネルギー50MeV、
ビーム厚み約90μmの電子線に直角に当てる。その結
果、電子ビームの方向に、エネルギー30eV(波長
0.04nm)、パルス0.3p秒の指向性のよいX線
パルスが観測されたと報告されている。尚、X線の強さ
は、光子数にして1パルス当たり約5×104個であ
る。更には、1995年には、海軍研究所で0.6Me
Vの電子ビームと出力1TWのレーザ光とを正面衝突さ
せ、レーザ光の後方散乱としてエネルギー20eVの輻
射が得られたと報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの文献によれ
ば、電子線源として大掛かりな装置が必要とされる。し
かも、得られるX線の強さは、光子数に換算して1パル
ス当たり高々105〜106個程度である。リソグラフィ
技術においては、例えばKrFエキシマレーザを用いる
場合、1パルス当たりのレジスト材料への照射エネルギ
ーを例えば1mJ/cm2とし、20パルス程度のレー
ザ照射によってレジスト材料を感光させている。この照
射エネルギー量の総和を光子数に換算すると、以下のと
おりとなる。尚、KrFエキシマレーザにおける1個の
光子の有するエネルギーを4.9eVとする。
【0008】
【数1】 1mJ=1×10-3×107(erg) =1×104×0.62×1012(eV) =6.2×1015(eV) 光子数=6.2×1015×20/4.9 =2.5×1016(個) (1)
【0009】これらの文献に開示された技術は、専ら、
原子核の構造の研究や化学反応、相転移、表面過程の研
究に関するものであり、得られるX線の強さも上記の程
度で十分なる研究が可能である。然るに、リソグラフィ
技術においては、レジスト材料を感光させるために極め
て多量の光子数が要求される。また、X線リソグラフィ
技術においては、光子1個当たりのエネルギーが増加す
るので、必要とされる光子数は一層少なくともよい可能
性もあるが、それでも1013個オーダー以上の光子が必
要とされる。
【0010】従って、本発明の目的は、電子ビームとレ
ーザビームの衝突によって、1013個オーダー以上の短
波長化された光子を得ることができ、しかも、所望の波
長を有する電磁波(紫外線)を容易に得ることを可能に
する光学装置及び光短波長化方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の光学装置は、電子線形加速器とレーザ光源
とを備え、電子線形加速器から射出された相対論的速度
で運動する電子ビーム中の電子とレーザ光源から射出さ
れたレーザビーム中の光子とを衝突させて、電子の有す
るエネルギーをレーザビームの光子に与え、散乱光を短
波長化する光学装置であって、衝突する電子ビームとレ
ーザビームの断面積の内、大きな方の断面積をA(単
位:cm2)としたとき、1×10-6≦A≦1×10-1
を満足することを特徴とする。
【0012】上記の目的を達成するための本発明の光短
波長化方法は、電子線形加速器から射出された相対論的
速度で運動する電子ビーム中の電子とレーザ光源から射
出されたレーザビーム中の光子とを衝突させて、電子の
有するエネルギーをレーザビームの光子に与え、散乱光
を短波長化する方法であって、衝突する電子ビームとレ
ーザビームの断面積の内、大きな方の断面積をA(単
位:cm2)としたとき、1×10-6≦A≦1×10-1
を満足することを特徴とする。
【0013】尚、衝突する電子ビームの断面積とレーザ
ビームの断面積の内、どちらの断面積の方が大きな断面
積となるかは、光学装置の設計によって決定される。
【0014】本発明の光学装置あるいは光短波長化方法
においては、電子線形加速器から射出された電子ビーム
の有するエネルギーは1×105eV以上であることが
好ましい。電子線形加速器から射出された電子ビームの
有するエネルギーが1×105eV未満では、逆コンプ
トン散乱による光の短波長化の効果が小さく、しかも、
電子ビーム中の電子間の散乱によって電子ビームを所望
のサイズに絞り難い。電子ビームの電流値は1μA以上
であることが好ましい。また、衝突時の、電子線形加速
器から射出された電子ビームの進行方向と、レーザ光源
から射出されたレーザビームの進行方向とは、任意の角
度で交わっていてよいが、短波長化された光子の収率を
考慮すると、略逆方向であることが望ましい。即ち、入
射する電子ビームとレーザビームが正面から衝突する、
所謂ヘッドオン衝突となるようにシステムを構成するこ
とが好ましい。尚、入射する電子ビームとレーザビーム
が厳密に正面から衝突する必要はない。
【0015】本発明の光学装置における電子線形加速器
(リニアック)としては、進行波型線形加速器や定在波
型線形加速器、あるいは誘導型線形加速器、高電圧整流
型加速器(例えば、コッククロフト−ウォルトン型加速
器)、バンデグラフ型加速器、共振変圧器型加速器等を
用いることができる。進行波型線形加速器として円盤装
荷導波管形式を挙げることができ、定在波型線形加速器
としてアルバレ型、総合空洞型、高周波四重極型を挙げ
ることができる。また、電子線形加速器には、バンチャ
ーと称される電子のバンチ化を図る装置が備えられてい
てもよい。
【0016】また、レーザ光源としては、連続発振型の
レーザ光源とすることもできるが、高効率・高出力で短
いパルス幅でレーザを射出することができるQスイッチ
レーザを用いることが望ましく、具体的には、YAGレ
ーザやチタンサファイアレーザ等の固体レーザ、炭酸ガ
スレーザ、XeClエキシマレーザ、KrFエキシマレ
ーザ、ArFエキシマレーザ等の気体レーザを挙げるこ
とができる。レーザ光源としては、出力(P)が0.1
mJ/cm2以上であり、しかも、ビームの直径(d)
が1mm以下であって、繰り返し周波数(f)の高いも
の、即ち、Pf/dの値が大きいレーザ光源を用いるこ
とが好ましい。
【0017】図2に示すように、衝突時の、電子線形加
速器から射出された電子ビームの進行方向と、レーザ光
源から射出されたレーザビームの進行方向とは、逆方向
であると仮定する。即ち、振動数ν0(波長λ0)を有す
る光子と、速度v0を有する電子とが正面衝突し、光子
及び電子が角度θ及びψで散乱されたと仮定する。ま
た、散乱光の振動数(散乱後の光子の振動数)をν(波
長λ)、散乱後の電子の速度をvとする。このとき、エ
ネルギー保存則から以下の式(2)が導かれ、運動量保
存則から以下の式(3−1)及び(3−2)が導かれ
る。尚、hはプランク定数、m0は電子の静止質量であ
り、β0はv0/c、βはv/cを表す。cは光速であ
る。
【0018】
【数2】
【0019】
【数3】
【0020】式(2)、式(3−1)及び式(3−2)
からv及びψを消去すると、以下の式(4)が得られ
る。
【0021】
【数4】
【0022】ところで、式(4)中の(h/cm0)の
値は0.00243nmであるが故に、(h/cm0
を含む項は省略することができ、式(4)は以下の式
(5)のとおりに近似することができる。
【0023】
【数5】 λ=λ0{(1−β0・cosθ)/(1+β0)} (5)
【0024】電子の加速電圧をV(ボルト)とすると、
β0は以下の式(6)で表すことができる。尚、eは電
気素量である。
【0025】
【数6】
【0026】V=1MeVとしたとき、β0の値は0.
941となるので、式(5)を、以下の式(7)のよう
に変形することができる。
【0027】
【数7】 λ=λ0(0.515−0.485cosθ) (7)
【0028】従って、電子線形加速器から射出された電
子ビームの有するエネルギー(加速電圧)及びレーザ光
源から射出されたレーザビームの波長(λ0)を適切に
選択し、しかも、電子との衝突によって散乱された散乱
光の散乱角度θを適宜設定すれば、所望の波長λを有す
る散乱光を得ることができる。尚、λ0=1064n
m、248nm及び193nmにおける、加速電圧
(V)と散乱光の波長λの関係(但し、θ=0度)を、
それぞれ、図3、図4及び図5に示す。
【0029】電子線形加速器から射出された相対論的速
度で運動する電子ビーム中の電子とレーザ光源から射出
されたレーザビーム中の光子とを衝突させて、電子の有
するエネルギーをレーザビームの光子に与え、散乱光を
短波長化するとき、かかる短波長化された散乱光の光子
の収率Yは、電子ビーム及びレーザビームがパルス状で
ガウス分布を有すると仮定したとき、以下の式(8)で
表すことができる。
【0030】
【数8】 Y=2Ne・NL・σ・L/(A・τ・c) (8)
【0031】ここで、 Ne:1パルス当たりの電子の個数 NL:1パルス当たりの光子の個数 σ :基本的な散乱断面積であり、(8/3)π(e/
mc22(cm2) L :電子ビームとレーザビームの衝突領域の有効長
(cm) A :衝突する電子ビームとレーザビームの断面積の
内、大きな方の断面積(単位:cm2)。電子ビームと
レーザビームの衝突領域においてAの値が変化する場合
には、最大時の値をAの値とする。 τ :衝突する電子ビームとレーザビームのパルスの
内、長い方のビームパルス幅(秒) c :光速(3×1010cm/秒)
【0032】例えば、波長λ0が1.064μm、射出
エネルギーが10mJ/cm2、パルス幅τが1n秒、
繰り返し周波数が1kHzのYAGレーザを用いる場
合、光子の数は5.2×1016個/秒である。電子ビー
ムの電流値を30μA、電子ビームパルスのパルス幅を
1n秒とした場合、電子の数は1.8×1014個/秒で
ある。また、σ、L及びτの値をそれぞれ以下の値とす
る。 σ=1.5×10-26(cm2) L=3×1010cm×10-9=30(cm) τ=10-9(秒)
【0033】以上の値に基づき式(8)を変形すると、
以下の式(9)を得ることができる。
【0034】
【数9】Y=2.8×108/A (9)
【0035】従って、A(単位:cm2)が、1×10
-6≦A≦1×10-1を満足すれば、短波長化された光子
の収率Yは、2.8×109≦Y≦2.8×1014とな
り、電子ビームとレーザビームの衝突によって、所望の
1013個オーダー以上の短波長化された光子を得ること
ができ、例えば、リソグラフィ技術においてレジスト材
料を十分に感光させることが可能となる。しかも、従来
のシンクロトロン放射を応用する場合には、通常、電子
の蓄積リングを使用するが、本発明の電子線形加速器に
おいては次々と新たな電子ビームをレーザビームとの衝
突に用いることができるので、短波長化された光子の収
率Yの向上を図ることができる。尚、以上の議論は特定
の数値に基づく議論であるが、種々のパラメータの値
は、使用する光学装置に依存して適宜設定すればよい。
【0036】尚、逆コンプトン散乱による散乱光の光子
の収率Yを一層向上させるためには、一般的には、 (A)レーザビームの高出力化及び繰り返し周波数の増
加 (B)電子銃の大電流化及び電子ビームパルスの繰り返
し周波数の増加 (C)電子ビーム及びレーザビームの集束度の向上を図
ることが重要である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態に基づき本発明を説明する。
【0038】本発明の光学装置の概念図を図1の(A)
あるいは図1の(B)に示す。この光学装置は、電子線
源である電子線形加速器10と、レーザ光源20とを備
えている。尚、電子線形加速器10からはパルス状の電
子ビームが射出される。また、レーザ光源20はQスイ
ッチレーザであるYAGレーザから構成されている。レ
ーザ光源20から射出されたレーザビームは、周知のレ
ンズ系21を通過し、ハーフミラー22によって反射さ
れ、電子線形加速器10から射出された相対論的速度で
運動する電子ビームと衝突する空間(衝突領域)に集束
される。一方、電子線形加速器10から射出された電子
ビームは、図示しない電子レンズによって整形され、更
に、レーザ光源20から射出されたレーザビームと衝突
する空間(衝突領域)に集束される。これによって、電
子線形加速器10から射出された相対論的速度で運動す
る電子ビーム中の電子とレーザ光源20から射出された
レーザビーム中の光子とが、所定の空間(衝突領域)内
で衝突する。尚、衝突時の、電子線形加速器10から射
出された電子ビームの進行方向と、レーザ光源20から
射出されたレーザビームの進行方向とは、逆方向とし
た。ここで、図1の(A)と(B)とは、レーザ光源2
0から衝突領域までの光学系及びレーザ光源20を配設
する位置が異なるだけである。
【0039】光学装置全体は、X線遮蔽手段30で覆わ
れている。光学装置の内部は、空気による絶縁破壊を防
止するために、或る程度の真空度に保持することが好ま
しい。また、散乱光の所望の散乱角度θに対応するX線
遮蔽手段30の部分には可変スリット31が設けられて
いる。尚、可変スリット31は光学装置の内部に配置し
てもよい。これによって、電子と衝突し散乱され、短波
長化された散乱光を系外に取り出し、例えばフォトリソ
グラフィ技術における光源として用いることができる。
【0040】発明の実施の形態においては、電子ビーム
の電流値を30μAとし、電子線形加速器10から射出
された電子ビームの有するエネルギーを1MeVとし
た。また、YAGレーザの仕様を、波長λ0=1.06
4μm、射出エネルギー=10mJ/cm2、パルス幅
τ=1n秒、繰り返し周波数=1kHzとした。更に
は、衝突時の電子ビーム及びレーザビームの断面積を同
一(5×10-5cm2)とした。従って、断面積Aは5
×10-5cm2である。それ故、式(9)から求めた散
乱光の光子の収率Yは1013となる。かかる光子の収率
は、レジスト材料を露光(感光)するのに十分なる光子
の数である。
【0041】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。発明の実施の形態に基づき説明した光学装置及び光
短波長化方法における条件や数値は例示であり、適宜設
計変更することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明においては、高い自由度にて所望
の波長を有する電磁波(紫外線)を得ることが可能であ
り、しかも、電子ビームとレーザビームの衝突によっ
て、1013個オーダー以上の短波長化された光子を得る
ことができる。しかも、装置的には、基本的に左程複雑
な構造ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学装置の概念図である。
【図2】電子と光子が衝突する状態のモデル図である。
【図3】λ0=1064nmにおける、加速電圧(V)
と散乱光の波長λの関係を示すグラフである。
【図4】λ0=248nmにおける、加速電圧(V)と
散乱光の波長λの関係を示すグラフである。
【図5】λ0=193nmにおける、加速電圧(V)と
散乱光の波長λの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10・・・電子線形加速器、20・・・レーザ光源、2
1・・・レンズ系、22・・・ハーフミラー、30・・
・X線遮蔽手段、31・・・可変スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大垣 英明 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 真峯 隆義 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線形加速器とレーザ光源とを備え、電
    子線形加速器から射出された相対論的速度で運動する電
    子ビーム中の電子とレーザ光源から射出されたレーザビ
    ーム中の光子とを衝突させて、電子の有するエネルギー
    をレーザビームの光子に与え、散乱光を短波長化する光
    学装置であって、 衝突する電子ビームとレーザビームの断面積の内、大き
    な方の断面積をA(単位:cm2)としたとき、1×1
    -6≦A≦1×10-1を満足することを特徴とする光学
    装置。
  2. 【請求項2】電子線形加速器から射出された電子ビーム
    の有するエネルギーは1×105eV以上であることを
    特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 【請求項3】衝突時の、電子線形加速器から射出された
    電子ビームの進行方向と、レーザ光源から射出されたレ
    ーザビームの進行方向とは、略逆方向であることを特徴
    とする請求項1に記載の光学装置。
  4. 【請求項4】電子線形加速器から射出された相対論的速
    度で運動する電子ビーム中の電子とレーザ光源から射出
    されたレーザビーム中の光子とを衝突させて、電子の有
    するエネルギーをレーザビームの光子に与え、散乱光を
    短波長化する方法であって、 衝突する電子ビームとレーザビームの断面積の内、大き
    な方の断面積をA(単位:cm2)としたとき、1×1
    -6≦A≦1×10-1を満足することを特徴とする光短
    波長化方法。
  5. 【請求項5】電子線形加速器から射出された電子ビーム
    の有するエネルギーは1×105eV以上であることを
    特徴とする請求項4に記載の光短波長化方法。
  6. 【請求項6】衝突時の、電子線形加速器から射出された
    電子ビームの進行方向と、レーザ光源から射出されたレ
    ーザビームの進行方向とは、略逆方向であることを特徴
    とする請求項4に記載の光短波長化方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005285764A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 General Electric Co <Ge> X線を発生するためのシステム及び方法
JP2007248081A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Kyoto Univ 光子ビーム発生装置及び該方法
JP2008546152A (ja) * 2005-06-02 2008-12-18 マデイ,ジョン・エム・ジェイ 光アンジュレータを使用する高効率単色x線源
JP2010205594A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Ihi Corp X線射出装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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