JPH10259786A - ロータリ圧縮機 - Google Patents
ロータリ圧縮機Info
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- JPH10259786A JPH10259786A JP25113797A JP25113797A JPH10259786A JP H10259786 A JPH10259786 A JP H10259786A JP 25113797 A JP25113797 A JP 25113797A JP 25113797 A JP25113797 A JP 25113797A JP H10259786 A JPH10259786 A JP H10259786A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 冷凍冷蔵庫や空調機に使用されるローラ溝付
きロータリ圧縮機において、ベーンの先端R部が滑らか
にローラ溝の中で摺動でき、信頼性が高いロータリ圧縮
機を実現すること。 【解決手段】 ベーン32のエッジ35、36を常にロ
ーラ溝33の外に位置させること、あるいは、ローラ溝
33の肩部37,38にRを付けること、あるいは、ベ
ーン32の先端R部34の中心を吐出室側に近づけるこ
と、あるいは、ベーン32の先端R部34の肩部にR部
を設けてエッジ35,36を無くすことにより、ベーン
32の先端R部34の両端に形成されるエッジ35,3
6にうち、少なくとも吸入室側のエッジがローラ溝33
と接触摺動しないようにする。
きロータリ圧縮機において、ベーンの先端R部が滑らか
にローラ溝の中で摺動でき、信頼性が高いロータリ圧縮
機を実現すること。 【解決手段】 ベーン32のエッジ35、36を常にロ
ーラ溝33の外に位置させること、あるいは、ローラ溝
33の肩部37,38にRを付けること、あるいは、ベ
ーン32の先端R部34の中心を吐出室側に近づけるこ
と、あるいは、ベーン32の先端R部34の肩部にR部
を設けてエッジ35,36を無くすことにより、ベーン
32の先端R部34の両端に形成されるエッジ35,3
6にうち、少なくとも吸入室側のエッジがローラ溝33
と接触摺動しないようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍冷蔵庫や空調機
等に用いられるロータリ圧縮機に関する。
等に用いられるロータリ圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリ圧縮機はそのコンパクト性や構
造が簡単なことから、冷凍冷蔵庫や空調機などに多く使
用されている。圧縮機の主要構成部品であるベーンやロ
ーラなどの圧縮機構部は、例えば、川平著、密閉型冷凍
機(平成5年)第14貢、図6.1に記載されている。
造が簡単なことから、冷凍冷蔵庫や空調機などに多く使
用されている。圧縮機の主要構成部品であるベーンやロ
ーラなどの圧縮機構部は、例えば、川平著、密閉型冷凍
機(平成5年)第14貢、図6.1に記載されている。
【0003】以下に、従来のロータリ圧縮機の圧縮機構
部の構成を図9,図10を用いて説明する。密閉容器内
(図示せず)には、クランク軸1とシリンダ2と先端に
R部を有するベーン3とローラ4とからなる圧縮機構部
が構成されている。クランク軸1は、クランク軸1とシ
リンダ2の中心Qからeだけ偏心したPを中心とする偏
心部5を有しており、ローラ4は偏心部5に嵌合されて
いる。ベーン3はシリンダ2のベーン溝6に挿入されて
おり、かつその先端は、スプリング7によるばね力およ
びシリンダ2の内外の圧力差による力によってローラ4
の外周面に押し付けられており、シリンダ2とローラ4
により形成される空間を吸入室8と吐出室9に分割して
いる。
部の構成を図9,図10を用いて説明する。密閉容器内
(図示せず)には、クランク軸1とシリンダ2と先端に
R部を有するベーン3とローラ4とからなる圧縮機構部
が構成されている。クランク軸1は、クランク軸1とシ
リンダ2の中心Qからeだけ偏心したPを中心とする偏
心部5を有しており、ローラ4は偏心部5に嵌合されて
いる。ベーン3はシリンダ2のベーン溝6に挿入されて
おり、かつその先端は、スプリング7によるばね力およ
びシリンダ2の内外の圧力差による力によってローラ4
の外周面に押し付けられており、シリンダ2とローラ4
により形成される空間を吸入室8と吐出室9に分割して
いる。
【0004】このように構成された従来のロータリ圧縮
機は、電動機(図示せず)によりクランク軸1が回転す
ることにより、ローラ4の中心はクランク軸1の偏心部
5とともに偏心回転し、それと同時に、ローラ4は偏心
部5のまわりを不規則な向きと速度で自転回転運動す
る。また、ベーン3はベーン溝6に沿って往復運動し、
ベーン3の先端R部とローラ4の外周面は接触摺動をす
る。
機は、電動機(図示せず)によりクランク軸1が回転す
ることにより、ローラ4の中心はクランク軸1の偏心部
5とともに偏心回転し、それと同時に、ローラ4は偏心
部5のまわりを不規則な向きと速度で自転回転運動す
る。また、ベーン3はベーン溝6に沿って往復運動し、
ベーン3の先端R部とローラ4の外周面は接触摺動をす
る。
【0005】以上のような構成ではベーン3の先端R部
とローラ4の外周面の摺動条件は線接触であるため摺動
面圧が高く、また、摺動速度がゼロとなる瞬間があり油
膜が形成されにくいため、摩耗が問題となっていた。
とローラ4の外周面の摺動条件は線接触であるため摺動
面圧が高く、また、摺動速度がゼロとなる瞬間があり油
膜が形成されにくいため、摩耗が問題となっていた。
【0006】これを改善する目的で、例えば実開昭55
−180989号等に記載されているように、ローラ4
外周面に図10に示すようなR形状のローラ溝10を設
け、ベーン3の先端R部をローラ溝10に押圧すること
により、ベーン3の先端R部の摺動条件を面接触とし、
摺動条件を改善して摩耗を低減する構成が考案されてい
る。このような構成の場合、ベーン3の先端R部とロー
ラ溝10は揺動運動による接触摺動を行う。
−180989号等に記載されているように、ローラ4
外周面に図10に示すようなR形状のローラ溝10を設
け、ベーン3の先端R部をローラ溝10に押圧すること
により、ベーン3の先端R部の摺動条件を面接触とし、
摺動条件を改善して摩耗を低減する構成が考案されてい
る。このような構成の場合、ベーン3の先端R部とロー
ラ溝10は揺動運動による接触摺動を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、図10に
示したローラにローラ溝を設けた従来のロータリ圧縮機
において、ローラの偏心回転に伴いベーンの先端のR部
とローラ溝は揺動運動による接触摺動を行うが、ベーン
先端のエッジ部分がローラ溝と一時的にでも接触摺動す
る場合、ローラ溝を激しく摩耗させる可能性がある。ま
た、ベーンの吸入室側と吐出室側の側面の圧力差によ
り、ローラ溝では吐出室側よりも吸入室側の摺動面圧が
高くなる。従って、ローラ溝とベーンの先端R部の摺動
条件は、ローラ溝の吐出室側よりも吸入室側でより厳し
くなる傾向がある。
示したローラにローラ溝を設けた従来のロータリ圧縮機
において、ローラの偏心回転に伴いベーンの先端のR部
とローラ溝は揺動運動による接触摺動を行うが、ベーン
先端のエッジ部分がローラ溝と一時的にでも接触摺動す
る場合、ローラ溝を激しく摩耗させる可能性がある。ま
た、ベーンの吸入室側と吐出室側の側面の圧力差によ
り、ローラ溝では吐出室側よりも吸入室側の摺動面圧が
高くなる。従って、ローラ溝とベーンの先端R部の摺動
条件は、ローラ溝の吐出室側よりも吸入室側でより厳し
くなる傾向がある。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、少なくともベーンの吸入室側のエッジが、ローラ溝
と接触摺動するのを防止して信頼性の高いロータリー圧
縮機を提供することを目的とする。
で、少なくともベーンの吸入室側のエッジが、ローラ溝
と接触摺動するのを防止して信頼性の高いロータリー圧
縮機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、ローラの揺動角ξ、ベーンの先端R部
の先端とエッジがベーンの先端R部の中心のまわりに成
す角α、ローラ溝の底とローラ溝の肩部がベーンの先端
R部の中心のまわりに成す角βが、αーβ>ξを満たす
ような構成とすることにより、あるいは、ローラ溝の肩
部にR部を成形することにより、ベーンの先端R部とロ
ーラ溝が揺動運動する際、ベーンのエッジがローラ溝と
接触摺動しないようにする。
に、本発明では、ローラの揺動角ξ、ベーンの先端R部
の先端とエッジがベーンの先端R部の中心のまわりに成
す角α、ローラ溝の底とローラ溝の肩部がベーンの先端
R部の中心のまわりに成す角βが、αーβ>ξを満たす
ような構成とすることにより、あるいは、ローラ溝の肩
部にR部を成形することにより、ベーンの先端R部とロ
ーラ溝が揺動運動する際、ベーンのエッジがローラ溝と
接触摺動しないようにする。
【0010】あるいは、ベーンの先端R部の中心をベー
ンの吸入室側と吐出室側の両側面から等しい距離の位置
よりも吐出室側の側面に近づけた位置とすることによ
り、ベーンの先端R部とローラ溝が揺動運動する際、ベ
ーンの吸入室側のエッジがローラ溝と接触摺動しないよ
うにする。また、このとき、ローラ溝の吐出室側肩部に
R部を設けて、ベーンの吐出室側エッジがローラ溝に接
触摺動しないようにする。
ンの吸入室側と吐出室側の両側面から等しい距離の位置
よりも吐出室側の側面に近づけた位置とすることによ
り、ベーンの先端R部とローラ溝が揺動運動する際、ベ
ーンの吸入室側のエッジがローラ溝と接触摺動しないよ
うにする。また、このとき、ローラ溝の吐出室側肩部に
R部を設けて、ベーンの吐出室側エッジがローラ溝に接
触摺動しないようにする。
【0011】あるいは、ベーンのエッジのうち少なくと
も前記吸入室側のエッジにR部を設け、ベーンのエッジ
によりローラ溝が摩耗するのを防止する。
も前記吸入室側のエッジにR部を設け、ベーンのエッジ
によりローラ溝が摩耗するのを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1から図8を用いて説明する。
て図1から図8を用いて説明する。
【0013】本発明の実施の形態のロータリー圧縮機の
構成はローラとベーンなど一部を除いて図9、図10で
説明した従来例と概略同様な構成であり、本発明の実施
の形態において前述の従来例について説明した構成部分
と同様な部分については、同一符号を付し、その説明を
省略する。 (実施の形態1)図1にローラ21の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン22とローラ21の位置
関係を、図2に図1のAで示した範囲のローラ溝23付
近の拡大図を示す。ローラ溝23はベーン22の先端R
部24の半径Rvとほぼ同一の半径を有するR形状をし
ており、ベーン22の先端R部24が揺動可能にはめ込
まれている。24aはベーン22の先端R部24の先
端、25と26はそれぞれベーン22の吸入室8側と吐
出室9側のエッジ、23aはローラ溝23の底、27と
28はそれぞれローラ溝23の吸入室8側と吐出室9側
の肩部であり、ベーン22の先端R部24の先端24a
とエッジ25,26が先端R部24の中心Oのまわりに
成す角をα、ローラ溝23の底23aと肩部27,28
がOのまわりに成す角をβとする。
構成はローラとベーンなど一部を除いて図9、図10で
説明した従来例と概略同様な構成であり、本発明の実施
の形態において前述の従来例について説明した構成部分
と同様な部分については、同一符号を付し、その説明を
省略する。 (実施の形態1)図1にローラ21の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン22とローラ21の位置
関係を、図2に図1のAで示した範囲のローラ溝23付
近の拡大図を示す。ローラ溝23はベーン22の先端R
部24の半径Rvとほぼ同一の半径を有するR形状をし
ており、ベーン22の先端R部24が揺動可能にはめ込
まれている。24aはベーン22の先端R部24の先
端、25と26はそれぞれベーン22の吸入室8側と吐
出室9側のエッジ、23aはローラ溝23の底、27と
28はそれぞれローラ溝23の吸入室8側と吐出室9側
の肩部であり、ベーン22の先端R部24の先端24a
とエッジ25,26が先端R部24の中心Oのまわりに
成す角をα、ローラ溝23の底23aと肩部27,28
がOのまわりに成す角をβとする。
【0014】本実施の形態では、ローラ21の揺動角ξ
の最大値ξmaxに対してαーβ>ξmaxが成り立つ
構成にしている。なお、Rrをローラ21の半径、eを
偏心量、hをローラ溝23の底の深さとした場合に、ロ
ーラ21の揺動角ξmaxは次式で表される。
の最大値ξmaxに対してαーβ>ξmaxが成り立つ
構成にしている。なお、Rrをローラ21の半径、eを
偏心量、hをローラ溝23の底の深さとした場合に、ロ
ーラ21の揺動角ξmaxは次式で表される。
【0015】
【数1】
【0016】このような構成により、クランク軸1の回
転に伴い、ローラ21はクランク軸1および偏心部5の
動きにつれて偏心揺動運動を行い、ベーン22の先端R
部24とローラ溝23は揺動運動による接触摺動を行う
が、ローラ21の揺動角ξが吸入室8側へ最大となって
も、図2に示すように、ベーン22の吸入室8側のエッ
ジ25はベーン22の先端R部24とローラ溝23の接
触部であるローラ溝23の吸入室8側の肩部27と吐出
室側9側の肩部28の間にはない。同様に、ローラ21
の揺動角ξが吐出室9側へ最大となってもベーン22の
吐出室9側のエッジ26はローラ溝23の吸入室8側の
肩部27と吐出室側9側の肩部28の間にはない。従っ
て、ローラ21の揺動運動に際してベーン22のエッジ
25、26は常にローラ溝23の吸入室8側の肩部27
と吐出室側9側の肩部28の間にはないため、ローラ溝
23とベーン22のエッジ25,26の接触摺動による
摩耗を防止でき、信頼性の高いロータリ圧縮機を得るこ
とができる。
転に伴い、ローラ21はクランク軸1および偏心部5の
動きにつれて偏心揺動運動を行い、ベーン22の先端R
部24とローラ溝23は揺動運動による接触摺動を行う
が、ローラ21の揺動角ξが吸入室8側へ最大となって
も、図2に示すように、ベーン22の吸入室8側のエッ
ジ25はベーン22の先端R部24とローラ溝23の接
触部であるローラ溝23の吸入室8側の肩部27と吐出
室側9側の肩部28の間にはない。同様に、ローラ21
の揺動角ξが吐出室9側へ最大となってもベーン22の
吐出室9側のエッジ26はローラ溝23の吸入室8側の
肩部27と吐出室側9側の肩部28の間にはない。従っ
て、ローラ21の揺動運動に際してベーン22のエッジ
25、26は常にローラ溝23の吸入室8側の肩部27
と吐出室側9側の肩部28の間にはないため、ローラ溝
23とベーン22のエッジ25,26の接触摺動による
摩耗を防止でき、信頼性の高いロータリ圧縮機を得るこ
とができる。
【0017】なお、ローラ溝の形状は、ベーン22の先
端R部24と異なる半径を有するR形状や、長方形など
の多角形の断面を有するものでも、前述のローラ溝23
の場合とローラ溝の肩部の位置が同じであれば、同様の
効果を得ることができる。 (実施の形態2)図3にローラ31の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン32とローラ31の位置
関係を、図4に図3のBで示した範囲のローラ溝33付
近の拡大図を示す。ローラ溝33はベーン32の先端R
部34の半径Rvとほぼ同一の半径を有するR形状をし
ており、ローラ溝33の肩部には、K1,K2から始ま
りローラ33の外周面に終わるR部37,38を設けて
いる。また、ローラ溝33にはベーン32の先端R部3
4が揺動可能にはめ込まれている。34aはベーン32
の先端R部34の先端、35と36はそれぞれベーン3
2の吸入室8側と吐出室9側のエッジ、33aはローラ
溝33の底であり、ベーン32の先端R部34の先端3
4aとエッジ35,36が先端R部34の中心Oのまわ
りに成す角をα、ローラ溝33の底33aとK1,K2
がOのまわりに成す角をそれぞれβ,β’とする。
端R部24と異なる半径を有するR形状や、長方形など
の多角形の断面を有するものでも、前述のローラ溝23
の場合とローラ溝の肩部の位置が同じであれば、同様の
効果を得ることができる。 (実施の形態2)図3にローラ31の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン32とローラ31の位置
関係を、図4に図3のBで示した範囲のローラ溝33付
近の拡大図を示す。ローラ溝33はベーン32の先端R
部34の半径Rvとほぼ同一の半径を有するR形状をし
ており、ローラ溝33の肩部には、K1,K2から始ま
りローラ33の外周面に終わるR部37,38を設けて
いる。また、ローラ溝33にはベーン32の先端R部3
4が揺動可能にはめ込まれている。34aはベーン32
の先端R部34の先端、35と36はそれぞれベーン3
2の吸入室8側と吐出室9側のエッジ、33aはローラ
溝33の底であり、ベーン32の先端R部34の先端3
4aとエッジ35,36が先端R部34の中心Oのまわ
りに成す角をα、ローラ溝33の底33aとK1,K2
がOのまわりに成す角をそれぞれβ,β’とする。
【0018】本実施の形態では、ローラ31の揺動角ξ
の最大値ξmaxに対してαーβ>ξmaxおよびαー
β’>ξmaxが成り立つ構成にしている。なお、ξm
axは(数1)により表される。このような構成によ
り、クランク軸1の回転に伴い、ローラ31はクランク
軸1び偏心部5の動きにつれて偏心揺動運動を行い、ベ
ーン32の先端R部34とローラ溝33は揺動運動によ
る接触摺動を行うが、ローラ31の揺動角ξが吸入室8
側へ最大となるとき、図4に示すようにベーン32の吸
入室8側のエッジ35はベーン32の先端R部34とロ
ーラ溝33の接触部であるK1からK2の間にはない。
同様に、ローラ31の揺動角ξが吐出室9側へ最大とな
るとき、ベーン32の吐出室9側のエッジ36はK1か
らK2の間にはない。従って、ローラ31の揺動運動に
際してベーン32のエッジ35、36は常にK1からK
2の間にはないため、ローラ溝33とベーン32のエッ
ジ35,36の接触摺動による摩耗を防止でき、信頼性
の高いロータリ圧縮機を得ることができる。
の最大値ξmaxに対してαーβ>ξmaxおよびαー
β’>ξmaxが成り立つ構成にしている。なお、ξm
axは(数1)により表される。このような構成によ
り、クランク軸1の回転に伴い、ローラ31はクランク
軸1び偏心部5の動きにつれて偏心揺動運動を行い、ベ
ーン32の先端R部34とローラ溝33は揺動運動によ
る接触摺動を行うが、ローラ31の揺動角ξが吸入室8
側へ最大となるとき、図4に示すようにベーン32の吸
入室8側のエッジ35はベーン32の先端R部34とロ
ーラ溝33の接触部であるK1からK2の間にはない。
同様に、ローラ31の揺動角ξが吐出室9側へ最大とな
るとき、ベーン32の吐出室9側のエッジ36はK1か
らK2の間にはない。従って、ローラ31の揺動運動に
際してベーン32のエッジ35、36は常にK1からK
2の間にはないため、ローラ溝33とベーン32のエッ
ジ35,36の接触摺動による摩耗を防止でき、信頼性
の高いロータリ圧縮機を得ることができる。
【0019】また、上記効果に加えて、ローラ溝32の
肩部にR部37,38を設置することにより、運転中に
ベーン32とローラ溝33の隙間にオイルが供給されや
すくなり、ローラ溝33とベーン32の先端R部34の
摩耗を低減できるという効果もあり、さらなるロータリ
圧縮機の信頼性向上につながる。
肩部にR部37,38を設置することにより、運転中に
ベーン32とローラ溝33の隙間にオイルが供給されや
すくなり、ローラ溝33とベーン32の先端R部34の
摩耗を低減できるという効果もあり、さらなるロータリ
圧縮機の信頼性向上につながる。
【0020】なお、R部37,38の半径を同じにして
も良い。また、ローラ溝33のR部37,38を面取り
部としても同様の効果を得ることができる。 (実施の形態3)図5にローラ41の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン42とローラ41の位置
関係を、図6に図5のCで示した範囲のローラ溝43付
近の拡大図を示す。ベーン42の先端R部44の中心O
はベーンの吸入室8側と吐出室9側の両側面から等しい
距離の位置よりも吐出室9側にsだけ近づけた位置とす
る。ローラ溝43はベーン42の先端R部44の半径R
vとほぼ同一の半径を有するR形状をしており、ローラ
溝43の吐出室9側の肩部にはK3から始まりローラ4
3の外周面に終わるR部48を設けている。また、ロー
ラ溝43にはベーン42の先端R部44が揺動可能には
め込まれている。44aはベーン32の先端R部44の
先端、45と46はそれぞれベーン42の吸入室8側と
吐出室9側のエッジ、43aはローラ溝43の底、47
はローラ溝43の吸入室8側の肩部であり、ベーン42
の先端R部44の先端44aとエッジ45,46が先端
R部44の中心Oのまわりに成す角をそれぞれα,
α’、ローラ溝43の底43aと肩部47がOのまわり
に成す角をβ、ローラ溝43とK3がOのまわりに成す
角をβ’とする。
も良い。また、ローラ溝33のR部37,38を面取り
部としても同様の効果を得ることができる。 (実施の形態3)図5にローラ41の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン42とローラ41の位置
関係を、図6に図5のCで示した範囲のローラ溝43付
近の拡大図を示す。ベーン42の先端R部44の中心O
はベーンの吸入室8側と吐出室9側の両側面から等しい
距離の位置よりも吐出室9側にsだけ近づけた位置とす
る。ローラ溝43はベーン42の先端R部44の半径R
vとほぼ同一の半径を有するR形状をしており、ローラ
溝43の吐出室9側の肩部にはK3から始まりローラ4
3の外周面に終わるR部48を設けている。また、ロー
ラ溝43にはベーン42の先端R部44が揺動可能には
め込まれている。44aはベーン32の先端R部44の
先端、45と46はそれぞれベーン42の吸入室8側と
吐出室9側のエッジ、43aはローラ溝43の底、47
はローラ溝43の吸入室8側の肩部であり、ベーン42
の先端R部44の先端44aとエッジ45,46が先端
R部44の中心Oのまわりに成す角をそれぞれα,
α’、ローラ溝43の底43aと肩部47がOのまわり
に成す角をβ、ローラ溝43とK3がOのまわりに成す
角をβ’とする。
【0021】本実施の形態では、ローラ41の揺動角ξ
の最大値ξmaxに対してαーβ>ξmaxおよびα’
ーβ’>ξmaxが成り立つ構成にしている。なお、ξ
maxは(数1)により表される。このような構成によ
り、クランク軸1の回転に伴い、ローラ41はクランク
軸1び偏心部5の動きにつれて偏心揺動運動を行い、ベ
ーン42の先端R部44とローラ溝43は揺動運動によ
る接触摺動を行うが、ローラ41の揺動角ξが吸入室8
側へ最大となるとき、図6に示すようにベーン42の吸
入室8側のエッジ45はベーン42の先端R部44とロ
ーラ溝43の接触部であるローラ溝43の吸入室8側の
肩部47からK3の間にはない。同様に、ローラ41の
揺動角ξが吐出室9側へ最大となるとき、ベーン42の
吐出室9側のエッジ46はローラ溝43の吸入室8側の
肩部47からK3の間にはない。従って、ローラ41の
揺動運動に際してベーン42のエッジ45、46は常に
ローラ溝43の吸入室8側の肩部47からK3の間には
ないため、ローラ溝43とベーン42のエッジ45,4
6の接触摺動による摩耗を防止でき、信頼性の高いロー
タリ圧縮機を得ることができる。 (実施の形態4)図7にローラ51の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン52とローラ51の位置
関係を、図8に図7のDで示した範囲のローラ溝53付
近の拡大図を示す。ベーン52の先端R部54の吸入室
8側と吐出室9側の肩部にはK4,K5から始まりベー
ン52の側面に終わるR部55,56を設けている。ロ
ーラ溝53はベーン52の先端R部54の半径Rvとほ
ぼ同一の半径を有するR形状をしており、ローラ溝53
にはベーン52の先端R部54が揺動可能にはめ込まれ
ている。
の最大値ξmaxに対してαーβ>ξmaxおよびα’
ーβ’>ξmaxが成り立つ構成にしている。なお、ξ
maxは(数1)により表される。このような構成によ
り、クランク軸1の回転に伴い、ローラ41はクランク
軸1び偏心部5の動きにつれて偏心揺動運動を行い、ベ
ーン42の先端R部44とローラ溝43は揺動運動によ
る接触摺動を行うが、ローラ41の揺動角ξが吸入室8
側へ最大となるとき、図6に示すようにベーン42の吸
入室8側のエッジ45はベーン42の先端R部44とロ
ーラ溝43の接触部であるローラ溝43の吸入室8側の
肩部47からK3の間にはない。同様に、ローラ41の
揺動角ξが吐出室9側へ最大となるとき、ベーン42の
吐出室9側のエッジ46はローラ溝43の吸入室8側の
肩部47からK3の間にはない。従って、ローラ41の
揺動運動に際してベーン42のエッジ45、46は常に
ローラ溝43の吸入室8側の肩部47からK3の間には
ないため、ローラ溝43とベーン42のエッジ45,4
6の接触摺動による摩耗を防止でき、信頼性の高いロー
タリ圧縮機を得ることができる。 (実施の形態4)図7にローラ51の揺動角ξが吸入室
8側に最大となるときのベーン52とローラ51の位置
関係を、図8に図7のDで示した範囲のローラ溝53付
近の拡大図を示す。ベーン52の先端R部54の吸入室
8側と吐出室9側の肩部にはK4,K5から始まりベー
ン52の側面に終わるR部55,56を設けている。ロ
ーラ溝53はベーン52の先端R部54の半径Rvとほ
ぼ同一の半径を有するR形状をしており、ローラ溝53
にはベーン52の先端R部54が揺動可能にはめ込まれ
ている。
【0022】このような構成にすることにより、ベーン
52の先端R部54のエッジがなくなるため、ローラ溝
53がベーン52のエッジによって摩耗するのを防止で
き、信頼性の高いロータリ圧縮機を得ることができる。
52の先端R部54のエッジがなくなるため、ローラ溝
53がベーン52のエッジによって摩耗するのを防止で
き、信頼性の高いロータリ圧縮機を得ることができる。
【0023】なお、ベーン52の先端R部54の肩部の
R部55,56の半径を同じにしても同様の効果を得る
ことができることは言うまでもない。また、R部55,
56の代わりにR形状と組み合わせたなだらかな面取り
部を設けても同様の効果を得ることができる。
R部55,56の半径を同じにしても同様の効果を得る
ことができることは言うまでもない。また、R部55,
56の代わりにR形状と組み合わせたなだらかな面取り
部を設けても同様の効果を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、ローラの偏心揺動運動の際に、ベーンの先端R部と
側面の交点であるエッジのうち、少なくとも吸入室側エ
ッジがローラ溝と接触摺動しないように構成することに
より、ローラ溝の摩耗を低減することが可能であり、こ
れにより、信頼性の高いロータリ圧縮機を実現できるも
のである。
は、ローラの偏心揺動運動の際に、ベーンの先端R部と
側面の交点であるエッジのうち、少なくとも吸入室側エ
ッジがローラ溝と接触摺動しないように構成することに
より、ローラ溝の摩耗を低減することが可能であり、こ
れにより、信頼性の高いロータリ圧縮機を実現できるも
のである。
【図1】本発明の実施の形態1のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
【図2】本発明の実施の形態1のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
【図3】本発明の実施の形態2のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
【図4】本発明の実施の形態2のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
【図5】本発明の実施の形態3のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
【図6】本発明の実施の形態3のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
【図7】本発明の実施の形態4のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
室側に最大となるときのベーンとローラの位置関係を示
す図
【図8】本発明の実施の形態4のローラの揺動角が吸入
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
室側に最大となるときのローラ溝付近の拡大図
【図9】従来のロータリ圧縮機の圧縮機構部
【図10】従来のロータリ圧縮機のローラ溝付近の拡大
図
図
1 クランク軸 2 シリンダ 3,22,32,42,52 ベーン 4,21,31,41,51 ローラ 5 偏心部 6 ベーン溝 7 スプリング 8 吸入室 9 吐出室 10,23,33,43,53 ローラ溝 25,35,45 ベーンの吸入室側エッジ 26,36,46 ベーンの吐出室側エッジ 55 ベーンの吸入室側肩部のR部 56 ベーンの吐出室側肩部のR部 24,34,44,54 ベーンの先端R部 27,47 ローラの吸入室側肩部 28 ローラの吐出室側肩部 37 ローラの吸入室側肩部のR部 38,48 ローラの吐出室側肩部のR部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生駒 光博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西脇 文俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新宅 秀信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 悦郎 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 密閉容器と、前記密閉容器内に配置さ
れ、軸受及び偏心部を有するクランク軸とシリンダと先
端にR部を設けたベーンと前記シリンダ内で偏心回転す
るローラピストン(以降ローラと称す)とで構成され、
吸入室と吐出室を有する圧縮機構部と、前記圧縮機構部
を駆動する電動機部とを備え、前記ローラ外周の一部に
凹溝部(以降ローラ溝と称す)が設けられ、前記ベーン
の先端R部が前記ローラ溝に揺動可能に配置され、前記
クランク軸が回転する際に、前記ベーンの先端R部と前
記ベーンの吸入室側側面および吐出室側側面との交点
(以降エッジと称す)のうち少なくとも前記吸入室側の
エッジが前記ローラ溝と接触しないように構成されてい
ることを特徴とするロータリ圧縮機。 - 【請求項2】 前記ローラの揺動角ξ、前記ベーンの先
端R部の先端と前記エッジが前記ベーンの先端R部の中
心のまわりに成す角α、前記ローラ溝の底と前記ローラ
溝の肩部が前記ベーンの先端R部の中心のまわりに成す
角βが、αーβ>ξを満たすことを特徴とする請求項1
記載のロータリ圧縮機。 - 【請求項3】 前記クランク軸が回転する際に前記ベー
ンのエッジが前記ローラ溝と接触しないように、前記ロ
ーラ溝の肩部にR部が設けられていることを特徴とする
請求項1記載のロータリ圧縮機。 - 【請求項4】 前記ベーンの先端R部の中心が前記ベー
ンの前記吸入室側と前記吐出室側の両側面から等しい距
離の位置よりも前記吐出室側の側面に近いことをことを
特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。 - 【請求項5】 前記ローラ溝の前記吐出室側の肩部にR
部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のロ
ータリ圧縮機。 - 【請求項6】 前記ベーンのエッジにR部が設けられて
いることを特徴とする請求項1記載のロータリ圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25113797A JPH10259786A (ja) | 1996-09-18 | 1997-09-16 | ロータリ圧縮機 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-245856 | 1996-09-18 | ||
JP24585696 | 1996-09-18 | ||
JP25113797A JPH10259786A (ja) | 1996-09-18 | 1997-09-16 | ロータリ圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10259786A true JPH10259786A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=26537442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25113797A Pending JPH10259786A (ja) | 1996-09-18 | 1997-09-16 | ロータリ圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10259786A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014064974A1 (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-01 | 三菱電機株式会社 | ロータリ圧縮機 |
US11225970B2 (en) * | 2019-05-24 | 2022-01-18 | Lg Electronics Inc. | Rotary compressor with vane slot disposed at predetermined tilting angle |
-
1997
- 1997-09-16 JP JP25113797A patent/JPH10259786A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014064974A1 (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-01 | 三菱電機株式会社 | ロータリ圧縮機 |
US11225970B2 (en) * | 2019-05-24 | 2022-01-18 | Lg Electronics Inc. | Rotary compressor with vane slot disposed at predetermined tilting angle |
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