JPH10259779A - 水力機械部品およびその製造方法 - Google Patents

水力機械部品およびその製造方法

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JPH10259779A
JPH10259779A JP9066774A JP6677497A JPH10259779A JP H10259779 A JPH10259779 A JP H10259779A JP 9066774 A JP9066774 A JP 9066774A JP 6677497 A JP6677497 A JP 6677497A JP H10259779 A JPH10259779 A JP H10259779A
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JP
Japan
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hydraulic machine
film
wear
machine part
resistant
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JP9066774A
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English (en)
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Masahiro Saito
藤 正 弘 齋
Masashi Takahashi
橋 雅 士 高
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水力機械部品の高速土砂噴流による腐食や土
砂摩耗を防止できるようにする。 【解決手段】 水力機械部品としてのガイドベーン14
を、金属材料製の部品基材15と、部品基材15の表面
を被覆する皮膜16とで構成する。皮膜16を、結晶粒
を微細化して析出する炭化物を均一に分散させた耐蝕・
耐摩耗性合金で形成することにより、表面16の破壊靭
性値を低下させることなく硬さを上げることができ、ガ
イドベーン14の土砂摩耗特性を向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速水と土砂とが
混合された高速土砂噴流により腐蝕や土砂摩耗を受ける
水力機械部品およびその製造方法に係り、特にガイドベ
ーン等の水車部品に適用するのに好適な水力機械部品お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】浮遊土砂の多い河川に建設された水力発
電所の水車部品の流路面は、一般に高流速の土砂噴流に
よる土砂摩耗損傷を受ける。これらは水車機器の効率低
下を招くだけでなく、補修のための長期的運転停止をし
いられ、著しい稼働率低下が生じている。また、周期的
に繰返される設備のメンテナンスは、費用の面でも無視
できない。このような高流速の土砂噴流による水力機器
の損傷は、清流河川の多い日本ではあまり深刻な例はみ
られないが、インド、中国、東南アジア、南米諸国では
数か月に一度の、損傷部の補修あるいは保守困難による
廃棄に苦慮している。現在、この分野における既設水力
発電所の補修技術については、それぞれ試行錯誤で試み
られているが、未だ確立された技術ではないのが現状で
ある。
【0003】従来のフランシス水車を図6に示す構造図
を例にして説明する。河川から取入れられた高速の土砂
噴流10は渦巻きケーシング1の導入管を通過し、ステ
ーリング2に固定されたステーベーン3へと導かれる。
ステーベーン3へ導かれた高速の土砂噴流10は、上ス
ピンドル4aおよび下スピンドル4bを有するガイドベ
ーン4にて流れを絞られてランナベーン5に衝突する。
その後、高速の土砂噴流10はランナベーン5の出口よ
り排出され、吸出管6内より外部へ排出される。
【0004】水車出力は上カバー11a、下カバー11
bに配置された調速機サーボモータ7、ガイドリング8
から構成されるガイドベーン操作機構9により制御され
る。すなわち、サーボモータ7によりガイドベーン4を
回転させ、ステーベーン3との間隙を調節する。この流
量、角度調節により、高速の土砂噴流10は流量が変化
し、水車出力が決定される。また、ランナベーン5に高
速の土砂噴流10が衝突することで、そのエネルギーが
ランナベーン5を回転させる回転エネルギーに変わり、
主軸受け12aに配置された主軸12bを伝わって、図
示しない水車上部に配置した発電機へ伝達される。これ
らの一連の出力調整時、定格運転時において、高速の土
砂噴流10は、水車主要部品である渦巻きケーシング
1、ステーリング2、ステーベーン3、ガイドベーン
4、ランナベーン5、吸出管6、上カバー11a、下カ
バー11bなどの基材表面に損傷を与える。
【0005】図7は、水車主要部品の健全なガイドベー
ン4の状態を示す図である。ガイドベーン4は翼型の断
面をしており、高速の土砂噴流10はガイドベーン4の
表面を擦るように流れて行く。土砂が多い河川の水車部
品の流路面は一か月あるいは一週間の極めて短時間に損
傷する。その損傷形態を図示すれば、例えばガイドベー
ン4は図八に示すように損傷する。ガイドベーン4の損
傷部位は主に高速の土砂噴流10が流入する先端部、ガ
イドベーンの動作時にガイドベーンとステーベーンとが
接触するシャッター面である。したがって、一般に水車
部品の損傷部位は主に高速の土砂噴流10と衝突する部
位であり、その損傷形態は高速の土砂噴流10による土
砂摩耗である。そして、水車主要部品が損傷することに
より、水車効率の低下および機器の信頼性を著しく低下
させる。このため、従来より種々の方法にて耐土砂摩耗
特性の向上を図る研究が行なわれている。
【0006】このような損傷を解決する従来技術の方法
としては、損傷部表面を何等かの方法により改質する、
いわゆる表面改質法が試みられている。例えば、レーザ
による表面改質(松縄朗、レーザによる表面改質、レー
ザ研究第16巻第8号、466〜475頁、1988
年)があり、表面の材料を焼入れ硬化することで損傷を
低減しようとするものである。しかしながら、焼入れ深
さを深くすることが困難であり、靭性の低い材料に対し
ては亀裂が発生する問題がある。さらに、大型の部品や
広範囲な部位へのレーザ照射は難しく、レーザ装置の面
で限界がある。また、ガス溶射、アーク溶射、大気プラ
ズマ溶射によって材料表面を改質し、耐蝕・耐摩耗性の
向上を図ろうとする応用(山田他、金属溶射の水力機械
への応用、日立評論、VOL.64、No.2、45〜
50頁、1982年)があるが、ガス溶射、アーク溶
射、大気プラズマ溶射などの皮膜は気孔率が高く、運転
時には水がこの気孔を通り内部に侵入し、腐蝕が進行し
て基材と皮膜との界面の密着強度が低下することによる
皮膜の剥離が生ずる。さらに、高流速の土砂摩耗に対し
てはガス溶射やアーク溶射、大気プラズマ溶射皮膜の粒
子間結合力が弱いために、土砂粒子による衝突では多量
な損傷を受ける。溶射施工による膜厚は、アーク溶射で
は数mm、大気プラズマ溶射ではたかだか数0.3mm位で
あり、短時間にして損傷が基材に達してしまう。したが
って、高流速の土砂摩耗に対する効果的な改善策が無い
のが現状であり、これらの解決の技術開発が急務となっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】水車主要部品の高速土
砂噴流による土砂摩耗損傷は、水車効率の低下や設備稼
働率低下を招き、機器としての機能、信頼性を著しく阻
害するため、耐蝕、耐土砂摩耗性水車部品の開発、水車
部品の製造プロセス等の早急な開発が望まれている。し
たがって、解決する水車主要部品の課題としては、 (1)高流速土砂摩耗に対し、長時間の寿命を有するこ
と。 (2)たとえ高流速土砂摩耗損傷を受けても、ダメージ
は僅かであり、機器の効率低下に影響を及ぼさないこ
と。 (3)溶射皮膜により厚膜のコーティングが可能なこ
と。 (4)水車部品の高流速土砂摩耗は低角度から高角度ま
で広範囲な粒子衝突損傷が主であるため、広範囲な粒子
衝突角度に対し高抵抗性を有した材料を用いること。 (5)台風等の洪水時を考慮し、大口径の土砂が衝突し
ても損傷を最小限に押えるため破壊靭性値が高い材料で
あること。 (6)水車主要部品の材料として硬さが高い材料である
こと。 (7)水車主要部品の必要特性として耐土砂摩耗特性だ
けでなく、キャビテーション特性も良好であること。 である。しかしながら、金属材料は硬さが高くなれば破
壊靭性値が低下し、破壊靭性値を高くすれば硬さが低下
する相反した特性を有している。また、セラミックス等
の材料は硬さが高いが破壊靭性値は金属より低く、衝撃
に対し弱い点が指摘される。また、セラミックスの適用
に当たっては、セラミックスの加工が困難であり、金属
との接合技術も確立されていない問題点を有している。
【0008】そこで、本発明の目的は、破壊靭性値を低
下させることなく硬さを上げ、土砂摩耗特性を向上させ
ることができる水力機械部品およびその製造方法を提供
することにある。
【0009】本発明の他の目的は、皮膜材料の選択の幅
を拡大することができ、しかも低コスト化を図ることが
できるようにすることにある。
【0010】本発明の他の目的は、皮膜の緻密化、粒子
間結合力の強化、密着力の強化および靭性の強化を図る
ことができるようにすることにある。
【0011】本発明の他の目的は、皮膜に圧縮の残留応
力を負荷させて皮膜に発生する亀裂を防止することがで
き、また皮膜の密着性を高くして剥離を防止することが
できるようにすることにある。
【0012】本発明の他の目的は、皮膜にき裂が生じて
も部品基材にき裂が進展しないようにすることができる
ようにすることにある。
【0013】本発明の他の目的は、土砂摩耗寿命の延命
を図って皮膜の補修期間を延長することができるように
することにある。
【0014】本発明の他の目的は、耐蝕・耐摩耗性合金
の結晶粒を微細に均一に分散させることができるように
することにある。
【0015】本発明の他の目的は、結晶粒を微細化して
析出する炭化物を均一に分散させた合金皮膜を、部品基
材に厚く被覆することができるようにすることにある。
【0016】本発明のさらに他の目的は、ガイドベーン
と上下のスピンドルとを短時間で高強度に接合すること
ができ、またニアネットシェイプによる加工を可能とし
て製造コストの低減を図ることができるようにすること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明は、高速水と土砂とが混合された高速土砂噴流に
より腐蝕や土砂摩耗を受ける水力機械部品において、金
属材料製の部品基材と、部品基材表面の少なくとも一部
に形成され結晶粒を微細化して析出する炭化物を均一に
分散させた耐蝕・耐摩耗性合金からなる皮膜とで水力機
械部品を構成するようにしたことを特徴とする。そし
て、結晶粒を微細化して析出する炭化物を均一に分散さ
せた耐蝕・耐摩耗性合金の皮膜を形成することで、硬さ
と靭性とを両立させた合金材料の皮膜とすることが可能
となる。
【0018】本発明はまた、高速水と土砂とが混合され
た高速土砂噴流により腐蝕や土砂摩耗を受ける水力機械
部品において、金属材料製の部品基材と、部品基材の少
なくとも一部に接着剤により機械的に接合されたセラミ
ックス製の耐蝕・耐摩耗性部材とで水力機械部品を構成
するようにしたことを特徴とする。そして、セラミック
スの場合は加工が困難であるが、セラミックス製の耐蝕
・耐摩耗性部材を、部品基材に接着剤を用いて機械的に
接合することにより、安定した接合力を得ることが可能
となる。
【0019】本発明はまた、部品基材を、炭素鋼等の低
級鋼で形成するようにしたことを特徴とする。そしてこ
れにより、皮膜材料の選択の幅を拡大することが可能と
なり、しかも低コスト化を図ることが可能となる。
【0020】本発明はまた、皮膜を、WC系合金、Co
基合金、Ni基合金、Fe基合金、自溶性合金等の金
属、セラミックス、サーメットおよびこれらの複合材の
いずれかからなる耐蝕・耐摩耗性合金粉末を用いて形成
するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、
皮膜の緻密化、粒子間結合力の強化、密着力の強化およ
び靭性の強化を図ることが可能となる。
【0021】本発明はまた、耐蝕・耐摩耗性合金粉末の
粒径を、10〜70μmとするようにしたことを特徴と
する。そしてこれによっても、皮膜の緻密化、粒子間結
合力の強化、密着力の強化および靭性の強化を図ること
が可能となる。
【0022】本発明はまた、皮膜が、部品基材と同等か
それ以下の線膨張係数を有するようにしたことを特徴と
する。そしてこれにより、線膨張係数の差の分だけ皮膜
に圧縮の残留応力を負荷することができ、これにより皮
膜に発生するき裂を防止することが可能となるととも
に、密着性を高くして皮膜の剥離を防止することが可能
となる。
【0023】本発明はまた、皮膜が、部品基材と同等か
それ以下の弾性係数を有するようにしたことを特徴とす
る。そしてこれにより、部品基材よりも弾性係数が低い
皮膜にき裂が生じても、部品基材にき裂が進展しないよ
うにすることが可能となる。
【0024】本発明はまた、皮膜の組成を、その厚さ方
向に傾斜させるようにしたことを特徴とする。そしてこ
れにより、皮膜表面を硬さが高く耐土砂摩耗性に優れた
金属、セラミックス、あるいはその複合材料等の材料で
被覆することが可能となるとともに、線膨張係数や熱伝
導率等の材料物性特性が異なった材料を傾斜させること
が可能であるため、皮膜の剥離、割れを防止することが
可能となる。本発明はまた、皮膜の厚さを1mm以上とす
るようにしたことを特徴する。そしてこれにより、土砂
摩耗寿命が延び、皮膜の補修間隔を延長することが可能
となる。
【0025】本発明はまた、高速水と土砂とが混合され
た高速土砂噴流により腐蝕や土砂摩耗を受ける水力機械
部品の製造方法において、金属材料の機械加工により製
品形状・寸法以下の部品基材を製作し、次いでこの部品
基材の表面に、結晶粒を微細化して析出する炭化物を均
一に分散させた耐蝕・耐摩耗性合金からなる皮膜を、そ
の外形が製品形状・寸法以上となるように形成し、次い
で皮膜の表面を機械加工して製品形状・寸法とするよう
にしたことを特徴とする。そして、部品基材表面を皮膜
で被覆することで、硬さと靭性とを両立させた水力機械
部品を得ることが可能となる。
【0026】本発明はまた、部品基材を、製品形状・寸
法以上の同形拡大容器の中心に配置し、次いで耐蝕・耐
摩耗性合金粉末を、同形拡大容器と部品基材との間に均
等に充填し、次いで同形拡大容器を減圧および脱気して
熱間静水圧プレス処理により、部品基材表面に皮膜を形
成するようにしたことを特徴とする。そしてこれによ
り、耐蝕・耐摩耗性合金の結晶粒を微細に均一に分散さ
せることが可能となる。
【0027】本発明はまた、処理条件として、処理温度
を使用する金属粉末の融点以下の温度とし、圧力を10
00〜2000atm、昇温先行により熱間静水圧プレ
ス処理を施すようにしたことを特徴とする。そしてこれ
により、結晶粒を微細化して析出する炭化物を均一に分
散させた合金皮膜を、厚く部品基材に被覆することが可
能となる。
【0028】本発明はまた、大気プラズマ溶射法、減圧
プラズマ溶射法、高速ガス炎溶射法、超高速ガス炎溶射
法、プラズマ粉体肉盛溶接法、およびその熱処理あるい
は熱間静水圧プレス処理等と組合わせた複合プロセスの
いずれかを用いて皮膜を形成するようにしたことを特徴
とする。そしてこれにより、皮膜の緻密化、粒子間結合
力の強化が可能となるとともに、結晶粒を微細化して析
出する炭化物を均一に分散させることが可能となる。
【0029】本発明はさらに、水力機械部品を、上下に
スピンドルを有する水車ガイドベーンとし、かつ水車ガ
イドベーンと各スピンドルとを、摩擦圧接法または通電
加熱圧接法により接合するようにしたことを特徴とす
る。そしてこれにより、ガイドベーンと上下のスピンド
ルとを短時間で高強度に接合することが可能となり、ま
たニアネットシェイプによる加工を可能として製造コス
トの低減を図ることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る水力
機械部品としての水車主要部品である耐土砂摩耗ガイド
ベーンを示すもので、このガイドベーン14は、金属材
料の機械加工により製品形状・寸法以下に製作された部
品基材15と、この部品基材15の表面を被覆し結晶粒
を微細化して析出する炭化物を均一に分散させた耐蝕・
耐摩耗性合金からなる皮膜16とで形成されており、前
記皮膜16は、その外形が製品形状・寸法以上となるよ
うに形成された後、皮膜16表面を機械加工して製品形
状・寸法とされるようになっている。
【0031】図1(a)〜(c)は、このガイドベーン
14の製造方法を示すもので、以下これについて説明す
る。ガイドベーン14の製造に際しては、まず部品基材
15を、ガイドベーン14の最終製品の外形寸法より小
さな外形寸法で機械加工により製作し、この部品基材1
5を、製品形状・寸法以上の同形拡大容器17の中心に
配置し、この部品基材15と同形拡大容器17とを溶接
18により接合する。
【0032】次いで、部品基材15と同形拡大容器17
との間に形成される隙間G内に、耐蝕・耐摩耗性合金粉
末19を均一に充填し、その後同形拡大容器17および
耐蝕・耐摩耗性合金粉末19等に含まれるガス成分や水
分の除去を目的としたベーキング処理および加熱脱気に
よる真空封入を行なう。そして、熱間静水圧プレス加工
(HIP)装置として最適条件でHIP処理を施す。製
造工程は、図2に示すように、大別してキャン加工工程
a、原料粉末準備工程b、粉末充填工程c、蓋溶接工程
d、ベーキング工程e、真空封入工程f、熱間静水圧プ
レス工程g、および機械加工工程hからなる。
【0033】キャン加工工程aでは、図1(a)〜
(c)に示すように、予め機械加工により同形拡大容器
17を筒状容器として製作するとともに、部品基材15
をガイドベーンの最終製品の外形寸法より小さい外形寸
法に機械加工により製作しておき、これら同形拡大容器
17と部品基材15とを溶接18によって接合する。原
料粉末準備工程bでは、耐蝕・耐摩耗性合金粉末19を
準備する。この耐蝕・耐摩耗性合金粉末19は、HIP
処理後の冷却過程において、部品基材15との界面剥離
を防止するために、部品基材15として用いる金属材料
より低い線膨脹係数を有する皮膜16の組合わせとなる
材料を準備する。
【0034】粉末充填工程cでは、同形拡大容器17と
部品基材15との間の隙間G内に耐蝕・耐摩耗性合金粉
末19を充填する。また、蓋溶接工程dでは、耐蝕・耐
摩耗性合金粉末19を充填した後の同形拡大容器17の
頂部に、図示しない蓋を溶接固着して粉末充填を完了さ
せる。
【0035】ベーキング工程eでは、同形拡大容器17
および耐蝕・耐摩耗性合金粉末19等に含まれているガ
ス成分や水分の除去を行ない、その後真空封入工程fで
加熱脱気による真空封入を行なう。
【0036】HIP処理工程gでは、図示しないHIP
装置により加熱および静水圧プレスを行ない、耐蝕・耐
摩耗性合金粉末19の溶融により、部品基材15表面を
最適条件下で皮膜16で被覆し、その後冷却する。HI
P処理条件としては、使用する金属粉末の融点以下の温
度、圧力が1000〜2000atm、昇温先行型のプ
ロセスを用いることで、結晶粒が微細で、析出する炭化
物が均一に分散した皮膜16を得ることができる。
【0037】最終段階の機械加工工程hでは、同形拡大
容器17の切断除去および成形された皮膜16表面の研
削等を行ない、図3に示すようにガイドベーン14を形
成する。なお、このガイドベーン14はその後、図示し
ない上下のスピンドルを、摩擦圧接法や通電加熱圧接法
等によりベーンに接合し、所定の寸法に機械加工して完
成させる。
【0038】ここで、摩擦圧接法とは、ベーンあるいは
スピンドルのいずれかを高速で回転させ、ベーンあるい
はスピンドルのいずれかを高圧力で押付け、摩擦エネル
ギにより接合させるものであり、また通電加熱圧接法と
は、ベーンおよびスピンドルの両者に電流を流し、ベー
ンあるいはスピンドルのいずれかを高圧力で押付け、接
触部での発熱により両者を接合させるものである。
【0039】本発明において、部品基材15として用い
る金属材料および皮膜16の合金材料は、HIP処理後
の冷却過程において、皮膜16に圧縮の残留応力を負荷
させ、部品基材15と皮膜16との界面での剥離、割れ
を防止するため、両者の線膨脹係数は、部品基材15よ
りも皮膜16の方が低い線膨脹係数となる材料の組合わ
せとすることが重要である。これは、皮膜16の線膨脹
係数を部品基材15の線膨脹係数よりも低くすること
で、皮膜16の表面に圧縮の残留応力を負荷することが
でき、これにより高速土砂噴流との衝突時に発生する皮
膜16の割れや剥離を防止することができるからであ
る。
【0040】また、亀裂の発生や進展を防止するために
は、部品基材15および皮膜16の弾性係数を、部品基
材15に比較して皮膜16を低くすることが重要であ
る。また、皮膜16の組成を、その厚さ方向に傾斜させ
ることで、皮膜16の物性を変化させることができるた
め、HIP処理後の冷却過程において、部品基材15と
皮膜16との界面での剥離、割れを防止することができ
る。
【0041】また、部品基材15の材料として、炭素鋼
等の低級鋼を用いることで、いずれの耐蝕・耐摩耗性合
金粉末19も皮膜16の材料として用いることができ、
また材料費が安いことから低コスト化を図ることができ
る。
【0042】さらに、皮膜16の材料としての耐蝕・耐
摩耗性合金粉末19には、高流速土砂摩耗特性に優れる
ステライト系合金やトリバロイ系の合金等のCo基合
金、デロロ系合金やナイステル系合金等のNi基合金、
デルクロム系合金等のFe基合金、WC−NiCr、N
iCoのWC系合金等の硬さの高い粉末合金が挙げられ
る。従来からガイドベーン材料として使用されているS
US系材料の2倍以上の耐土砂摩耗特性を示す材料とし
て、かつ、HIPコーティングにより靭性を低下させず
に硬さを向上できる材料として、ステライト系合金のC
o基合金は優れている。
【0043】これらの従来材料および合金、さらにはセ
ラミックス材料についての高速流での土砂摩耗特性の実
験結果を図4に示す。なお図4において、横軸は高速土
砂噴流が材料に衝突するときの角度、すなわち入射角度
であり、縦軸は従来材料であるステンレス鋳鋼品の入射
角30°での体積損傷率を100%としたときの体積損
傷比である。
【0044】図4からも明らかなように、従来材料であ
るステンレス鋳鋼品およびステンレス鋼圧延材の土砂摩
耗特性は、セラミックスや超硬合金焼結材より劣ってい
る。また、体積損傷比は高速土砂噴流の入射角によって
異なり、入射角が低角度になるに従って(90°より3
0°へ)体積損傷比が最大となり、土砂摩耗特性が悪い
ことが分かる。すなわち、低角度で高速土砂噴流が衝突
する従来ガイドベーンにおいては、土砂摩耗による損傷
が激しいのは当然である。一方、Co基合金HIP処理
材は僅かに入射角度によって体積損傷比が異なり、低角
度にて増加する傾向にあるが、それでも従来材の1/2
の体積損傷比である。また、セラミックスや超硬合金焼
結材は体積損傷比が低く耐土砂摩耗性に優れ、高速土砂
噴流の入射角によっても変化がなく、角度依存性がな
い。すなわち、Co気合金HIP処理材、セラミック
ス、超硬合金焼結材等を水車主要部品に用いれば、土砂
摩耗による損傷は1/2以下に低減できる。これは、H
IP処理により結晶粒を微細化し、析出する炭化物を均
一に分散させることができるため、靭性と硬さが向上
し、土砂摩耗に対する抵抗力に優れた材料となったもの
である。しかしながら、セラミックスは金属材料である
部品基材15との接合が難しい点や加工性が悪い等の問
題があり、適用に当たっては種々の検討(組成、特性の
傾斜化、線膨脹係数、熱伝導率等の最適化)が必要であ
る。
【0045】なお、以上はガイドベーンについて説明し
たが、ステーベーン、ランナベーン、ケーシング、上カ
バー、下カバー、シートライナ、あるいは入口弁等の他
の水車部品についても同様に適用することができる。こ
れらの水車部品は、高速土砂噴流が衝突する角度が広範
囲(0〜90°)に渡っており、衝突する角度によって
土砂摩耗特性に優れた材料を使い分けることが最適であ
る。例えば、ランナベーンの入口、出口、ケーシング等
は平行流であり、低角度の摩耗に優れた材料を選択する
ことが良く、ガイドベーン等は高角度と低角度が混在す
るために、高角度から低角度までいずれにおいても優れ
た材料を選択することが望ましい。
【0046】そのためには、大気プラズマ溶射法、減圧
プラズマ溶射法、高速ガス炎溶射法、超高速ガス炎溶射
法、プラズマ粉体肉盛溶接法、およびその熱処理、熱間
静水圧プレス処理などと組合わせた複合プロセスのいず
れかを用いてそれぞれに優れたプロセス、材料を用い
て、耐蝕・耐摩耗性合金皮膜を形成することが最適であ
る。例えば、皮膜の粒子間結合力や密着力が耐土砂摩耗
性に及ぼす影響が大きいため、大気プラズマ溶射法より
は減圧プラズマ溶射法、さらに高速ガス炎溶射法や超高
速ガス炎溶射法、プラズマ粉体肉盛溶接法とそれぞれの
プロセスを使い分けることが重要である。これらの溶射
粉末の粒子形状は10〜70μmの最適値を用いること
で、緻密で、粒子間結合力が優れ、密着力が高い皮膜を
形成することができる。耐蝕・耐摩耗性合金皮膜の厚さ
は、厚くなればなるほど皮膜に生ずる残留応力は大きく
なり、皮膜の剥離、割れが生じ易い。しかし、溶射施工
時の入熱、皮膜の衝突速度によっては、残留応力が圧縮
に生ずるため、皮膜の剥離、割れを防止することができ
る。そのプロセスとしては、超高速ガス炎溶射法が適し
ている。このプロセスは、皮膜厚さを1mm以上とする
ことができるが、大気プラズマ溶射法や高速ガス炎溶射
法では皮膜の残留が引張側に生ずるため、精々0.5m
m以下である。図5は、本発明の第2の実施の形態を示
すもので、前記第1の実施の形態におけるガイドベーン
14に代え、ガイドベーン24を用いるようにしたもの
である。
【0047】すなわち、このガイドベーン24は、図5
に示すように、部品基材15とセラミックス製の耐蝕・
耐摩耗性部材25とで構成されており、耐蝕・耐摩耗性
部材25は、高強度の接着剤26により部品基材15の
先端部に機械的に接合され一体化されている。
【0048】しかして、このガイドベーン24を用いる
ことにより、ガイドベーン24の先端部がセラミックス
製となり、土砂摩耗損傷を低下させることができる。ま
た、耐蝕・耐摩耗性部材25は、金属製の部品基材15
に冶金的に結合されているわけではなく、接着剤26に
より機械的に接合されているので、充分な接合強度が得
られる。なお、前記両実施の形態においては、水車部品
を例に採って説明したが、水車以外の水力機械部品にも
同様に適用でき、同様の効果が期待できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、水力機械
部品を、金属製の部品基材と、部品基材の少なくとも一
部に形成され結晶粒を微細化して析出する炭化物を均一
に分散させた耐蝕・耐摩耗性合金からなる皮膜とで構成
するようにしているので、硬さと靭性とを両立させた合
金材料の皮膜とすることができ、水力機械部品の土砂摩
耗特性を向上させることができる。
【0050】本発明はまた、水力機械部品を、金属製の
部品基材と、部品基材の少なくとも一部に接着剤により
機械的に接合されたセラミックス製の耐蝕・耐摩耗性部
材とで構成するするようにしているので、水力機械部品
の土砂耐摩耗損傷を有効に防止することができる。
【0051】本発明はまた、部品基材を、炭素鋼等の低
級鋼で形成するようにしているので、皮膜材料の選択の
幅を拡大することができ、しかも材料費が安いので低コ
スト化を図ることができる。本発明はまた、皮膜を、W
C系合金、Co基合金、Ni基合金、Fe基合金、自溶
性合金等の金属、セラミックス、サーメットおよびこれ
らの複合材のいずれかからなる耐蝕・耐摩耗性合金粉末
を用いて形成するようにしているので、皮膜の緻密化、
粒子間結合力の強化、密着力の強化および靭性の強化を
図ることができる。
【0052】本発明はまた、耐蝕・耐摩耗性合金粉末の
粒径を、10〜70μmとするようにしているので、皮
膜の緻密化、粒子間結合力の強化、密着力の強化および
靭性の強化を図ることができる。
【0053】本発明はまた、皮膜の線膨脹係数を、部品
基材と同等かそれ以下となるようにしているので、皮膜
に発生する亀裂を防止することができるとともに、密着
性を高くして皮膜の剥離を防止することができる。本発
明はまた、皮膜の弾性係数を、部品基材と同等かそれ以
下となるようにしているので、皮膜に亀裂が生じても、
部品基材に亀裂が進展しないようにすることができる。
【0054】本発明はまた、皮膜の組成を、その厚さ方
向に傾斜させるようにしているので、皮膜表面を、硬さ
が高く耐土砂摩耗性に優れた金属、セラミックスあるい
はその複合材料の材料等で被覆することができるととも
に、線膨脹係数や熱伝導率等の材料物性特性が異なった
材料を傾斜させることができるので、皮膜の剥離、割れ
を防止することができる。
【0055】本発明はまた、皮膜の厚さを1mm以上と
するようにしているので、土砂摩耗寿命が延び、皮膜の
補修間隔を延長することができる。本発明はまた、高速
水と土砂とが混合された高速土砂噴流により腐食や土砂
摩耗を受ける水力機械部品の製造方法において、金属材
料の機械加工により製品形状・寸法以下の部品基材を製
作し、次いでこの部品基材の表面に、結晶粒を微細化し
て析出する炭化物を均一に分散させた耐蝕・耐摩耗性合
金からなる皮膜を、その外形が製品形状・寸法以上とな
るように形成し、次いで皮膜の表面を機械加工して製品
形状・寸法とするようにしているので、硬さと靭性とを
両立させた水力機械部品を得ることができ、土砂摩耗特
性を向上させることができる。
【0056】本発明はまた、部品基材を、製品形状・寸
法以上の同形拡大容器の中心に配置し、次いで耐蝕・耐
摩耗性合金粉末を、同形拡大容器と部品基材との間に均
等に充填し、次いで同形拡大容器を減圧および脱気して
熱間静水圧プレス処理により、部品基材表面に皮膜を形
成するようにしているので、耐蝕・耐摩耗性合金の結晶
粒を微細に均一に分散させることができる。
【0057】本発明はまた、処理条件として、処理温度
を使用する金属粉末の融点以下の温度とし、圧力を10
00〜2000atm、昇温先行により熱間静水圧プレ
ス処理を施すようにしているので、結晶粒を微細化して
析出する炭化物を均一に分散させた合金皮膜を、部品基
材表面に厚く形成することができる。
【0058】本発明はまた、大気プラズマ溶射法、減圧
プラズマ溶射法、高速ガス炎溶射法、超高速ガス炎溶射
法、プラズマ粉体肉盛溶接法、およびその熱処理あるい
は熱間静水圧プレス処理等と組合わせた複合プロセスの
いずれかを用いて皮膜を形成するようにしているので、
皮膜の緻密化、粒子間結合力の強化が可能となるととも
に、結晶粒を微細化して析出する炭化物を均一に分散さ
せることができる。
【0059】本発明はさらに、水力機械部品を、上下に
スピンドルを有する水車ガイドベーンとし、かつ水車ガ
イドベーンと各スピンドルとを、摩擦圧接法または通電
加熱圧接法により接合するようにしているので、ガイド
ベーンと各スピンドルとを短時間で高強度に接合するこ
とができ、またニアネットシェイプによる加工を可能と
して製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の第1の実施の形態に
係る水力機械部品の製造方法を示す説明図である。
【図2】図1の製造方法の製造手順を示す説明図であ
る。
【図3】図2の製造手順で製造された耐土砂摩耗性ガイ
ドベーンを示す断面図である。
【図4】ガイドベーン候補材料の高流速土砂摩耗実験の
実験結果を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図3相当図で
ある。
【図6】フランシス水車の構造およびそのガイドベーン
の構造を示す説明図である。
【図7】従来の機械加工により製造されたガイドベーン
の断面図である。
【図8】土砂摩耗損傷した従来のガイドベーンを示す断
面図である。
【符号の説明】
14,24 ガイドベーン 15 部品基材 16 皮膜 17 同形拡大容器 18 溶接 19 耐蝕・耐摩耗性合金粉末 25 耐蝕・耐摩耗性部材 26 接着剤 G 隙間

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高速水と土砂とが混合された高速土砂噴流
    により腐蝕や土砂摩耗を受ける水力機械部品において、
    金属材料製の部品基材と、部品基材表面の少なくとも一
    部に形成され結晶粒を微細化して析出する炭化物を均一
    に分散させた耐蝕・耐摩耗性合金からなる皮膜とを備え
    たことを特徴とする水力機械部品。
  2. 【請求項2】高速水と土砂とが混合された高速土砂噴流
    により腐蝕や土砂摩耗を受ける水力機械部品において、
    金属材料製の部品基材と、部品基材の少なくとも一部に
    接着剤により機械的に接合されたセラミックス製の耐蝕
    ・耐摩耗性部材とを備えていることを特徴とする水力機
    械部品。
  3. 【請求項3】部品基材は、炭素鋼等の低級鋼で形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の水力機械部品。
  4. 【請求項4】皮膜は、WC系合金、Co基合金、Ni基
    合金、Fe基合金、自溶性合金等の金属、セラミック
    ス、サーメットおよびこれらの複合材のいずれかからな
    る耐蝕・耐摩耗性合金粉末を用いて形成されていること
    を特徴とする請求項1または3記載の水力機械部品。
  5. 【請求項5】耐蝕・耐摩耗性合金粉末の粒径は、10〜
    70μmであることを特徴とする請求項4記載の水力機
    械部品。
  6. 【請求項6】皮膜は、部品基材と同等かそれ以下の線膨
    張係数を有していることを特徴とする請求項1,3,4
    または5記載の水力機械部品。
  7. 【請求項7】皮膜は、部品基材と同等かそれ以下の弾性
    係数を有していることを特徴とする請求項1,3,4,
    5または6記載の水力機械部品。
  8. 【請求項8】皮膜は、その厚さ方向に組成が傾斜してい
    ることを特徴とする請求項1,3,4,5,6または7
    記載の水力機械部品。
  9. 【請求項9】皮膜は、その厚さが1mm以上であることを
    特徴とする請求項1,3,4,5,6,7または8記載
    の水力機械部品。
  10. 【請求項10】高速水と土砂とが混合された高速土砂噴
    流により腐蝕や土砂摩耗を受ける水力機械部品の製造方
    法において、金属材料の機械加工により製品形状・寸法
    以下の部品基材を製作し、次いでこの部品基材の表面
    に、結晶粒を微細化して析出する炭化物を均一に分散さ
    せた耐蝕・耐摩耗性合金からなる皮膜を、その外形が製
    品形状・寸法以上となるように形成し、次いで皮膜の表
    面を機械加工して製品形状・寸法とすることを特徴とす
    る水力機械部品の製造方法。
  11. 【請求項11】部品基材を、製品形状・寸法以上の同形
    拡大容器の中心に配置し、次いで耐蝕・耐摩耗性合金粉
    末を、同形拡大容器と部品基材との間に均等に充填し、
    次いで同形拡大容器を減圧および脱気して熱間静水圧プ
    レス処理により、部品基材表面に皮膜を形成することを
    特徴とする請求項10記載の水力機械部品の製造方法。
  12. 【請求項12】処理条件として、処理温度を使用する金
    属粉末の融点以下の温度とし、圧力を1000〜200
    0atm、昇温先行により熱間静水圧プレス処理を施す
    ことを特徴とする請求項11記載の水力機械部品の製造
    方法。
  13. 【請求項13】大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射
    法、高速ガス炎溶射法、超高速ガス炎溶射法、プラズマ
    粉体肉盛溶接法、およびその熱処理あるいは熱間静水圧
    プレス処理等と組合わせた複合プロセスのいずれかを用
    いて皮膜を形成することを特徴とする請求項10記載の
    水力機械部品の製造方法。
  14. 【請求項14】部品基材は、炭素鋼等の低級鋼で形成さ
    れていることを特徴とする請求項10,11,12また
    は13記載の水力機械の製造方法。
  15. 【請求項15】皮膜は、WC系合金、Co基合金、Ni
    基合金、Fe基合金、自溶性合金等の金属、セラミック
    ス、サーメットおよびこれらの複合材のいずれかからな
    る耐蝕・耐摩耗性合金粉末を用いて形成されていること
    を特徴とする請求項10,11,12,13または14
    記載の水力機械部品の製造方法。
  16. 【請求項16】耐蝕・耐摩耗性合金粉末の粒径は、10
    〜70μmであることを特徴とする請求項15記載の水
    力機械部品の製造方法。
  17. 【請求項17】皮膜は、部品基材と同等かそれ以下の線
    膨張係数を有していることを特徴とする請求項10,1
    1,12,13,14,15または16記載の水力機械
    部品の製造方法。
  18. 【請求項18】皮膜は、部品基材と同等かそれ以下の弾
    性係数を有していることを特徴とする請求項10,1
    1,12,13,14,15,16または17記載の水
    力機械部品の製造方法。
  19. 【請求項19】皮膜は、その厚さ方向に組成が傾斜して
    いることを特徴とする請求項10,11,12,13,
    14,15,16,17または18記載の水力機械部品
    の製造方法。
  20. 【請求項20】皮膜は、その厚さが1mm以上であること
    を特徴とする請求項10,11,12,13,14,1
    5,16,17,18または19記載の水力機械部品の
    製造方法。
  21. 【請求項21】水力機械部品は、上下にスピンドルを有
    する水車ガイドベーンであり、かつ水車ガイドベーンと
    各スピンドルとは摩擦圧接法または通電加熱圧接法によ
    り接合されていることを特徴とする請求項10,11,
    12,1,3,14,15,16,17,18,19ま
    たは20記載の水力機械部品の製造方法。
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