JPH10259278A - キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体 - Google Patents

キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体

Info

Publication number
JPH10259278A
JPH10259278A JP6462497A JP6462497A JPH10259278A JP H10259278 A JPH10259278 A JP H10259278A JP 6462497 A JP6462497 A JP 6462497A JP 6462497 A JP6462497 A JP 6462497A JP H10259278 A JPH10259278 A JP H10259278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
olefin
rubber
composition
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6462497A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Watanabe
啓二 渡辺
Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP6462497A priority Critical patent/JPH10259278A/ja
Publication of JPH10259278A publication Critical patent/JPH10259278A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量の鉛丹等の活性剤またはテトラクロロベ
ンゾキノン等のハロゲン系活性剤を用いなくとも充分な
架橋速度での高効率キノンジオキシム加硫が可能で、且
つ、ゴム弾性、機械強度、耐候性、耐熱性、耐オゾン性
の諸物性に優れ、更に加工性にも優れた加硫ゴムを得る
ことの出来る加硫可能ゴム組成物を提供するにある。 【解決手段】 (A)エチレン、炭素数3乃至20のα
−オレフィン、及び下記一般式[1]、 式[1]中、nは1乃至5の整数でありR1 は炭素数1
乃至5のアルキル基であり、R2 およびR3 はそれぞれ
独立した水素原子または炭素数1乃至5のアルキル基で
ある。で表される非共役ポリエンとから成り、(a)エチ
レンとα−オレフィンとの比がモル比で95/5乃至4
0/60、(b)非共役ポリエン含量が0.1乃至10モ
ル%、且つ(c)135℃デカリン中で測定した極限粘度
〔η〕が0.1乃至10dl/gの範囲にあるエチレン
系共重合体、と(B)キノンジオキシム系化合物とから
成ることを特徴とする加硫可能なゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加硫可能なゴム組
成物及びその組成物から成る成形体に関する。より詳細
には、エチレン・α−オレフィン・特定非共役ポリエン
共重合体にキノンジオキシム系化合物を配合して成り、
加硫に際して加硫速度が速く、且つ加硫により該共重合
体がキノンジオキシム系化合により部分的、または完全
に架橋されているため、得られた加硫ゴム組成物が耐候
性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、然も加工性にも優れた
加硫可能なゴム組成物及びその組成物から成る成形体に
関する。
【0002】
【従来技術】エチレン、α−オレフィン、非共役ジエン
等より成る不飽和結合単位含有エチレン系共重合体は、
架橋可能な共重合体であって、耐候性、耐オゾン性、耐
熱老化性などに優れ、自動車部品、電気絶縁材料、建築
土木資材、工業用ゴム材料などのゴム製品として用いら
れており、また、ポリプロピレンなどの改質材としても
広く用いられている。
【0003】このような不飽和性エチレン系共重合体と
しては、従来、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタ
ジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1、4−ヘキ
サジエン乃至5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合
体などが広く知られている。これらの中でも、エチレン
・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重
合体は、他の不飽和性エチレン共重合体に比べて、加硫
速度が速く特に広く用いられている。
【0004】このような不飽和性エチレン共重合体を架
橋(加硫)する方法としては、従来、硫黄架橋、有機過
酸化物架橋、キノンジオキシム架橋、樹脂架橋等が広く
知られている。現在では、製造法の簡易さ、自由さ、コ
ストの安さ等の観点から、最も多く用いられているのは
硫黄架橋であるが、得られた加硫物の耐熱性が他の架橋
に比べて劣るという問題を有している。また有機過酸化
物架橋で製造したゴム製品は、耐熱性には優れている
が、反応時に架橋と分解が並行して進行するために、熱
風加硫により加硫すると製品表面がべたつく等の不都合
を生じ易く、また期待される製品物性が得られないなど
の問題があった。
【0005】樹脂架橋は、架橋に際して、ハロゲン化合
物を必要とし、残留ハロゲンが製品に悪影響を及ぼす場
合があることが知られている。また、キノンジオキシム
加硫の場合は架橋効率が低く、大量の活性剤(鉛丹)ま
たはハロゲン系活性剤(テトラクロロベンゾキノン)を
必要とする問題点があった。このため、耐熱老化性を向
上させたゴム組成物を得るため、有機過酸化物加硫を行
う場合、有機過酸化物の量を低減しても、可及的速やか
に架橋が進行するゴム組成物、また、キノンジオキシム
架橋の場合、活性剤の量を低減しても、速やかに架橋が
進行するゴム組成物の出現が待たれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、大量の鉛丹等の活性剤またはテトラクロロベンゾキ
ノン等のハロゲン系活性剤を用いなくとも充分な架橋速
度での高効率キノンジオキシム加硫が可能で、且つ、ゴ
ム弾性、機械強度、耐候性、耐熱性、耐オゾン性の諸物
性に優れ、更に加工性にも優れた加硫ゴムを得ることの
出来る加硫可能ゴム組成物を提供するにある。また、本
発明の他の目的は、上記加硫可能ゴム組成物から成る加
硫ゴム成形体を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
エチレン、炭素数3乃至20のα−オレフィン、及び下
記一般式[1]、 式[1]中、nは1乃至5の整数でありR1 は炭素数1
乃至5のアルキル基であり、R2 およびR3 はそれぞれ
独立した水素原子または炭素数1乃至5のアルキル基で
ある。で表される非共役ポリエンとから成り、(a)エチ
レンとα−オレフィンとの比がモル比で95/5乃至4
0/60、(b)非共役ポリエン含量が0.1乃至10モ
ル%、且つ(c)135℃デカリン中で測定した極限粘度
〔η〕が0.1乃至10dl/gの範囲にあるエチレン
系共重合体、と(B)キノンジオキシム系化合物とから
成ることを特徴とする加硫可能なゴム組成物が提供され
る。また本発明によれば上記組成物を加硫成形して得ら
れた成形体が提供される。
【0008】本発明の加硫可能ゴム組成物は、エチレ
ン、炭素数3乃至20のα−オレフィン、上記特定化学
構造の非共役ポリエンからなる共重合体にキノンジオキ
シム系化合物を配合して成るものであるが、上記エチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体として、 a)エチレンとα−オレフィンとのモル比が95/5乃
至40/60の範囲に有り、 b)上記一般式[1]で表される特定非共役ポリエン含
量が0.1乃至10モル%、且つ、 c)該共重合体の、135℃デカリン中で測定した極限
粘度[η]が0.1乃至10dl/g の範囲にあるものを選択使用することが特徴である。
【0009】本発明で用いるこの共重合体は未架橋の状
態に於いても、それ自体低温特性、引張強度、破断伸
度、ゴム的性質、及び耐熱性等の諸特性が良好であるだ
けでなく、キノンジオキシム系化合物を加硫剤として組
み合わせ配合し、加硫した場合において、他の共重合ゴ
ムに比較して加硫速度が速く、鉛丹、ハロゲン系活性剤
等の活性剤を多量に用いることなく効率よく加硫を達成
できる。又得られた加硫(架橋)ゴムは、従来の加硫ゴ
ムよりも格段に、耐候性、耐熱性、耐オゾン性及び低温
特性に優れ、又、引張強度、破断伸度、ゴム弾性等のゴ
ム的諸特性にも優れたものとなる。
【0010】
【発明の好適態様】
[エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体
ゴム]本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリ
エン共重合体ゴム(A)はエチレンと炭素数3乃至20
のα−オレフィン及び前記一般式[1]で表される特定
非共役ポリエンから成るランダム共重合体である。この
共重合体ゴムの共重合成分として用いる炭素数3乃至2
0α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル
−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル
−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、
4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘ
キセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げ
られる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オ
レフィンは、単独で或いは2種以上組み合わせで用いる
ことができる。又、前記共重合体ゴム(A)のもう一つ
の共重合体成分として用いる非共役ポリエンは、下記一
般式[1]で表される。 式(1)中、nは1乃至5の整数でありR1 は炭素数1
乃至5のアルキル基であり、R2 およびR3 はそれぞれ
独立した水素原子または炭素数1乃至5のアルキル基で
ある。上記式において、R1 ,R2 ,R3 等の炭素数1
乃至5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル基,i−ペンチル基等が挙げられる。
【0011】このような非共役ポリエンとして、具体的
には、下記(1)乃至(24)に例示するような化合物
が挙げられる。これらの中でも、(5)、(6)、
(9)、(11)、(14)、(19)、(20)の非
共役ポリエン化合物が好ましい。 (1)4−エチリデン−1,6−オクタジエン (2)7−メチル−4−エチリデン−1,6−オクタジ
エン (3)7−メチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエ
ン (4)7−エチル−4−エチリデン−1,6−ノナジエ
ン (5)6,7−ジメチル−4−エチリデン−1,6−オ
クタジエン (6)6,7−ジメチル−4−エチリデンー1,6−ノ
ナジエン (7)4−エチリデン−1,6−デカジエン (8)7−メチル−4−エチリデン−1,6−デカジエ
ン (9)7−メチル−6−プロピル−4−エチリデン−
1,6−オクタジエン (10)4−エチリデン−1,7−ノナジエン (11)8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジ
エン(EMN) (12)4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン (13)8−メチル−4−エチリデン−1,7−ウンデ
カジエン (14)7,8−ジメチル−4−エチリデン−1,7−
ノナジエン (15)7,8−ジメチル−4−エチリデン−1,7−
デカジエン (16)7,8−ジメチル−4−エチリデン−1,7−
ウンデカジエン (17)8−メチル−7−エチル−4−エチリデン−
1,7−ウンデカジエン (18)7,8−ジエチル−4−エチリデン−1,7−
デカジエン (19)9−メチル−4−エチリデン−1,8−デカジ
エン (20)8,9−ジメチル−4−エチリデン−1,8−
デカジエン (21)10−メチル−4−エチリデン−1,9−ウン
デカジエン (22)9,10−ジメチル−4−エチリデン−1,9
−ウンデカジエン (23)11−メチル−4−エチリデン−1,10−ド
デカジエン (24)10,11−ジメチル−4−エチリデン−1,
10−ドデカジエン これらは、単独で或いは2種以上組み合わせで用いるこ
とができる。
【0012】上記の非共役ポリエン化合物は、トランス
体及びシス体の混合物であってよく、トランス体単独又
はシス体単独であってもよい。このような非共役ポリエ
ン化合物は、本出願人の出願に係る特開平6−1549
52号明細書に記載の方法によって調製することができ
る。即ち、下記式[1−a]で示される共役ジエンを有
する化合物とエチレンとを、遷移金属化合物及び有機ア
ルミニウム化合物から成る触媒の存在下に反応させるこ
とにより製造することができる。 式中、n,R1 ,R2 及びR3 は、それぞれ上述した一
般式[1]におけるn、R1 ,R2 及びR3 と同じであ
る。
【0013】本発明で用いられるエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)は、エチレン、
α−オレフィン及び上記のような非共役ポリエン化合物
それぞれの単量体から誘導される構成単位が、ランダム
に配列して結合し、非共役ポリエンの分岐側鎖にもとず
く分岐構造を有すると共に、主鎖は、実質的に線状構造
となっている。この共重合体ゴムが実質的に線状構造を
有しており実質的ゲル状架橋構造を有しないことは、こ
の共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含ま
ないことにより確認することができる。例えば、極限粘
度〔η〕を測定する際に、この共重合ゴムが135℃中
のデカリンに完全に溶解することにより確認することが
できる。又、このようなエチレン・α−オレフィン・非
共役ポリエン共重合ゴム(A)において、非共役ポリエ
ン化合物から誘導される構成単位は、実質的に下記式
[1−b]で示される構造式を有している。 式(1−b)中、nは1乃至5の整数でありR1 は炭素
数1乃至5のアルキル基であり、R2 およびR3 はそれ
ぞれ独立した水素原子または炭素数1乃至5のアルキル
基である。尚、本発明のこの非共役ポリエンから誘導さ
れる構成単位が上記構造を有していることは、この共重
合体の13C−NMRスペクトルを測定することによって
確認することができる。
【0014】本発明で用いられるこのエチレン・α−オ
レフィン・非共役ポリエン共重合ゴム(A)は、以下の
ような組成及び特性を有する。 (i)このエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン
共重合ゴム(A)は、エチレンと炭素数3乃至20のα
−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)
が40/60乃至95/5、好ましくは50/50乃至
90/10、更に好ましくは55/45乃至85/15
の範囲にある。このようなエチレン成分/α−オレフィ
ン成分比のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン
共重合ゴムは、低温柔軟性、低温下での耐衝撃性及び耐
熱性のいずれにも優れている。尚、エチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエン共重合ゴムは、そのエチレン成
分/α−オレフィン成分比が95/5を越えると樹脂的
物性を示すようになって低温柔軟性が低下し、一方、4
0/60未満であると耐熱性が低下する傾向にある。 (ii)又、本発明のこのエチレン・α−オレフィン・非
共役ポリエン共重合ゴム(A)における前記一般式
[1]で表される非共役ポリエン単位の含量は、0.1
乃至10モル%の範囲、より好ましくは0.3乃至8モ
ル%、特に好ましくは0.5乃至5モル%の範囲であ
る。上記のような共重合体ゴムのヨウ素価は通常1乃至
40範囲にあり、非共役ポリエン含量、ヨウ素価が上記
のような範囲にあるエチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエン共重合ゴムは、加硫剤としてキノンジオキシム
系化合物を用いて加硫した場合、加硫速度が速く、高い
加硫効率で良好なオレフィン系エラストマー組成物を得
ることができる。 (iii) このエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ン共重合ゴム(A)は、135℃デカリン中で測定した
極限粘度〔η〕が0,1乃至10dl/g、好ましくは
0.5乃至8dl/g、特に好ましくは0.8<〔η〕
<5.0dl/gで表される範囲にある。極限粘度
〔η〕が上記のような範囲にあるエチレン・α−オレフ
ィン・非共役ポリエン共重合ゴムを用いると、加工性に
優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得ら
れる。
【0015】上記のようなエチレン・α−オレフィン・
非共役ポリエン共重合ゴム(A)は、エチレンと、炭素
数3乃至20のα−オレフィンと、上記一般式[1]で
表される非共役ポリエン化合物とを、触媒の存在下に共
重合させて得ることができる。上記共重合反応に使用す
る触媒としては、バナジュウム(V)、ジルコニウム
(Zr)、チタニウム(Ti)などの遷移金属化合物と
有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合
物)とから成るチーグラー型触媒が使用出来る。
【0016】本発明の共重合ゴム(A)の調製の場合に
は、可溶化バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物
とから成る触媒、或いは、周期律表第IVB族から選ばれ
る遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオ
キシ化合物又はイオン化イオン性化合物とから成る触媒
が特に好ましく用いられる。
【0017】本発明では、上記のような触媒の存在下
に、エチレンと、炭素数3乃至20のα−オレフィン
と、前記特定化学構造の非共役ポリエンとを、通常液相
で共重合させる。この際、溶媒として、プロピレン等の
低級α−オレフィン液化ガス、或いは、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロペンタン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の液状炭化水素系溶媒を用いてもよ
い。エチレンと炭素数3乃至20のα−オレフィンと非
共役ポリエン化合物との共重合は、バッチ法或いは連続
法いずれの方法で行ってもよい。
【0018】本発明の加硫可能ゴム組成物を得るには、
上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合
ゴム(A)に、キノンジオキシム系化合物(B)を加硫
剤(架橋剤)として配合する。
【0019】本発明で用いられるキノンジオキシム系化
合物としては、具体的にはp−ベンゾキノンジオキシ
ム、P、P’−ジベンゾイルベンゾキノンジオキシム、
テトラクロロベンゾキノンポリ(P−ジニトロベンゾキ
ノン)等が挙げられる。これらの内では、スコーチ性、
生産性(加硫速度)の点で、P−ベンゾキノンジオキシ
ム又はP、P’−ジベンゾイルベンゾキノンジオキシム
が好ましい。中でも特にP−ベンゾキノンジオキシムが
好ましい。このようなキノンジオキシム系化合物(B)
は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合
体ゴム(A)の100重量部に対して0.01乃至15
重量部の範囲、好ましくは0.02乃至10重量部の範
囲で用いられる。キノンジオキシムの配合量が上記範囲
より少ないと、架橋度が高くならず、耐熱性、引っ張り
強度特性、弾性回復、及び反発弾性が高くなりすぎて破
断点伸びの低下をもたらす場合がある。
【0020】本発明においては、上記キノンジオキシム
系化合物による部分架橋に際し、鉛丹(Pb3 4 )、
等の酸化能力のある酸化物、2−ベンゾチアゾールスル
ファイド、メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘ
キシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等の酸
化能力のを有するチアゾール化合物、ジクミルペルオキ
シド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペ
ルオキシ)−ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチル
ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t
−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペル
オキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、P−ク
ロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾ
イルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、 t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオ
キシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオ
キシド等の有機過酸化物、テトラクロロベンゾキノン等
の酸化能力のあるキノン系化合物を配合することができ
る。上記のような化合物を用いることにより、より均一
且つすみやかな架橋を達成できる。
【0021】上記のような架橋助剤等の化合物は、上記
被処理物全体100重量部に対して、通常0.01乃至
20重量部、特に、0.02乃至10重量部の範囲で用
いることが好ましい。又、チアゾール系の酸化剤を用い
る場合、これを活性化するために硫黄を添加してもよ
い。
【0022】本発明のゴム組成物には、上記エチレン・
α−オレフィン・非共役ポリエンからなる共重合体
(A)、キノンジオキシム系化合物(B)の他に、例え
ば軟化剤(C)、及び/又は無機充填剤(D)を含める
ことができる。このような、軟化剤(C)としては、そ
れ自体公知の通常ゴムに使用される軟化剤を用いること
ができる。
【0023】具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パ
ラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリ
ン等の石油系物質 コールタール、コールタールピッチ
等のコールタール類;ひまし油、アマニ油、菜種油、大
豆油、ヤシ油等の脂肪油類;トール油、密ロウ、カルナ
バロウ、ラノリン等のロウ類;リノール酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン
酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩;石油樹脂、ク
マロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の
合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルア
ジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑
剤;その他ミクロクリスタリンワックス、サブ(ファク
チス)、液状ポリブタジエン、液状チオコールなどが挙
げられる。
【0024】上記軟化剤(C)は、エチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエン重合体(A)100重量部に対
し、200重量部以下、好ましくは2乃至100重量
部、さらに好ましくは5乃至80重量部の割合で用いら
れる。軟化剤(C)を上記のような割合で用いると、得
られる組成物は成形時の流動性に優れ、然もその成形体
の機械的物性を低下させることがない。軟化剤(C)の
使用量が200重量部を越えると、得られる加硫組成物
の耐熱性、耐熱老化性が低下する傾向にある。
【0025】本発明のゴム組成物に配合することのでき
る無機充填剤(D)としては、具体的には、炭酸カルシ
ウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、
シリカ、珪藻土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸
バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、
ガラス繊維、ガラス球、シラスバーン、塩基性硫酸マグ
ネシウムウイスカー、チタン酸カルシウムウイスカー、
ホウ酸アルミニウムウイスカーなどが挙げられる。無機
充填剤(D)は、上記エチレン・α−オレフィン・非共
役ポリエン重合体(A)100重量部に対し、100重
量部以下、好ましくは2乃至50重量部の割合で用いら
れる 無機充填剤(D)の使用量が100重量部を越えると、
得られるゴム組成物のゴム弾性、成形加工性は低下する
傾向にある。又、本発明のゴム組成物には、更に、目的
とする特徴が損なわれない限度内において、他の樹脂や
他のエラストマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・プ
ロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合ゴ
ム等を配合することができる。
【0026】更に、このゴム組成物には、本発明の目的
を損なわない範囲で、耐熱安定剤;芳香族カルボン酸ア
ルミニウム塩、芳香族リン酸エステル塩、ジベンジリデ
ンソルビトール等の核剤;紫外線吸収剤;滑剤;帯電防
止剤;難燃剤;顔料;染料等を含有してもよい。
【0027】本発明の加硫可能ゴム組成物を調製するに
は、上記エチレン、炭素数3乃至20のαーオレフィン
及び非共役ポリエンから成る共重合ゴム(A)に前記キ
ノンジオキシム系化合物(B)を所定量配合し、必要に
応じて、更に軟化剤(C)、無機充填剤(D)等の任意
成分を添加し、前記有機過酸化物の存在下に動的に熱処
理し、部分乃至完全架橋する。ここで「動的に熱処理す
る」とは溶融状態で混練することをいう。この時、硫
黄、P−キノンジオキシムのようなペルオキシ架橋助
剤、或いはジビニルベンゼン、トリアリルメタクリレー
ト等の多官能ビニル系架橋助剤を用いてもよい。動的熱
処理には、例えば、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダ
ー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどの混
合装置に供給して混合した後、単軸押出機、多軸押出
機、ニーダー、バンバリ−ミキサーなどで溶融混練す
る。溶融混練には、多軸押出機、ニーダー、バンバリ−
ミキサーなどの混練性に優れた装置を使用することが得
られる加硫可能ゴム組成物の均質性の点から好ましい。
【0028】本発明の上記加硫可能ゴム組成物は、加硫
特性、成形加工性に優れているため、この組成物を用い
て、例えば、加硫ゴムの代替として、自動車部品、工業
機械部品電子、電気機械部品、建材等の種々の成型体を
製造することができる。本発明のこの加硫可能ゴム組成
物から、加硫ゴム成型品を得るための加硫方法として
は、例えば、本発明のゴム組成物をその目的とする成形
体の金型等に投入し、プレス成形等の方法で、通常、1
00乃至300℃、好ましくは、150乃至250℃の
温度で、1分乃至1時間程度加硫成形する。
【0029】
【実施例】
〔実施例1〕エチレン・プロピレン・8−メチル−4−
エチリデン−1,7−ノナジエン(EMN)共重合体
(エチレン/プロピレン(モル比)=70/30、EM
N含量=1.5モル%、〔η〕=2.1dl/g)10
0重量部、P−ベンゾキノンジオキシム(パルノックG
M、大内新興化学(株)製)3.0重量部、及び他の成
分を表1に示す配合量で用いた配合ゴム(組成物)の加
硫物を調製した。即ち、共重合体、亜鉛華2種、ステア
リン酸、カーボンブラック及びオイルを、1.7リット
ルバンバリミキサーを用いて混練し、更にロール温度5
0の6インチロールを用いて加硫促進剤を添加、混練
し、混練ゴム組成物を得た。これを、180℃で加硫
し、そのtc(90)と加硫トルク(J)を測定した。
なお加硫速度は、JSRキュラストメーター号(日本合
成ゴム(株)社製)を用いて測定し、加硫曲線から得ら
れるトルクの最低値と最高値の差をMEとし、MEの9
0%の値に達する時間をtc(90)として評価した。
又加硫トルクの最大値が観察されない場合は、加硫トル
クの上昇率が一定となる点を決め、その値をMHとし
た。又、表1の配合によって、得られた未架橋の配合ゴ
ムを180℃で30分間プレス成形し、100%モジュ
ラス(M100)、引張破断点応力(TB )、引張破断
点伸び(TE)、硬度(JIS−A)を測定した。又、
100℃、70時間後の条件で圧縮永久歪みを測定し
た。このときの試料は180℃,40min.で成形し
た。結果を表4に示した。
【0030】〔実施例2〕実施例1で合成したエチレン
・プロピレン・EMN共重合体及び、他の成分を表2に示
すような配合量で用いた配合コ゛ム(組成物)の加硫物を実
施例1と同様に調製した。 この加硫ゴムの170℃での加硫速度を測定した。 又、表2の配合によって得られた未加硫の配合ゴムの条
件でプレス成形し、100%モジュラス(M100)、
引張破断応力(TB)、引張破断伸び(EB )、硬度
(JIS−A)を測定した。 又、100℃、70時間後の条件で圧縮歪みを測定した。 このときの試料は、170℃、20minで成形したも
のを用いた。 結果を表5に示した。
【0031】〔比較例1〕公知の通常方法で合成した、
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボル
ネン共重合体(〔η〕=2.2,エチレン含量69mo
l%、ポリエン含量1.5mol%)を用いて、表1に
示した配合で180℃の加硫速度、及び加硫ゴム物性を
測定した。 このとき加硫速度はMHが上昇し続けたため、45分後の
加硫トルクをMHとしtc(90)を算出した。 又、100℃、70時間後の条件で圧縮歪みを測定した、
このときの試料は180℃、40minで成形した。結
果を表4に示した。
【0032】〔比較例2〕通常の方法で合成したエチレ
ン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体(〔η〕=2.2、エチレン含量69mol%、
ポリエン含量1.5mol%)を用いて、表2に示した
配合で170℃、20分間加硫したが、加硫成形体の物
性を評価できなかった。 〔比較例3〕通常の方法で合成したエチレン・プロピレ
ン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体
(〔η〕=2.2、エチレン含量69mol%、ポリエ
ン含量1.5mol%)を用いて、表2に示した配合で
170℃、40分間加硫した。得られた加硫ゴム物性、
及び、100℃、70時間後の圧縮永久歪みの測定結果
を表5に示す。
【0033】〔比較例4〕比較例1の方法で合成したエ
チレン・プロピレン5−エチリデン−2−ノルボルネン
共重合体を用いて、表3に示した配合で、170℃の加硫
速度、170℃、15分のプレス加硫で得た試料の加硫
ゴム物性を測定した。 結果を表4に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】エチレン・α−オレフィン・特定非共役
ポリエン共重合体にキノンジオキシム系化合物を配合し
た本発明の加硫可能ゴム組成物は、加硫に際し加硫速度
が速く、且つ得られた加硫ゴム組成物が耐候性、耐熱
性、耐オゾン性に優れ、しかも加工性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08F 210/16 236:22)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン、炭素数3乃至20のα
    −オレフィン、及び下記一般式[1]、 式[1]中、nは1乃至5の整数でありR1 は炭素数1
    乃至5のアルキル基であり、R2 およびR3 はそれぞれ
    独立した水素原子または炭素数1乃至5のアルキル基で
    ある。で表される非共役ポリエンとから成り、 (a)エチレンとα−オレフィンとの比がモル比で95/
    5乃至40/60、 (b)非共役ポリエン含量が0.1乃至10モル%、且つ (c)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が
    0.1乃至10dl/gの範囲にあるエチレン系共重合
    体、と(B)キノンジオキシム系化合物とから成ること
    を特徴とする加硫可能なゴム組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の加硫可能なゴム組成物を加硫
    して得られる成形体。
JP6462497A 1997-03-18 1997-03-18 キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体 Pending JPH10259278A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6462497A JPH10259278A (ja) 1997-03-18 1997-03-18 キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6462497A JPH10259278A (ja) 1997-03-18 1997-03-18 キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10259278A true JPH10259278A (ja) 1998-09-29

Family

ID=13263607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6462497A Pending JPH10259278A (ja) 1997-03-18 1997-03-18 キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10259278A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002036253A (ja) * 2000-07-24 2002-02-05 Shin Etsu Chem Co Ltd オイルブリード性シリコーンゴムの成型方法及びオイルブリード性シリコーンゴム組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002036253A (ja) * 2000-07-24 2002-02-05 Shin Etsu Chem Co Ltd オイルブリード性シリコーンゴムの成型方法及びオイルブリード性シリコーンゴム組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6147160A (en) Organosilane cured butyl rubber/polypropylene TPV
JP4972246B2 (ja) 熱可塑性加硫ゴム及びその製造方法
JP3464042B2 (ja) ゴム組成物
US8354468B2 (en) Thermoplastic elastomer composition
JPH04234448A (ja) ポリブテン−1を含む動的に部分架橋した熱可塑性エラストマー
JP3693017B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH0358381B2 (ja)
JP2005523947A (ja) 動的用途のためのepdm化合物
JP7374648B2 (ja) ゴム組成物および成形体
JP2570358B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4030664B2 (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物およびその製造方法
US20050256273A1 (en) Thermoplastic elastomer and molded article thereof
JP4929666B2 (ja) ゴム組成物及び加硫ゴム
JP3428092B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2010053212A (ja) 熱収縮ゴム組成物および成形品。
JP3603790B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
JP5385498B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体
JP2001181459A (ja) 耐熱性熱可塑性エラストマー組成物
JP5611849B2 (ja) エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびそれを含む熱可塑性エラストマー
JPH10259278A (ja) キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体
JP3735096B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JP5279223B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法、並びにそれを用いた成形体
JPH07103274B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
JP2001123024A (ja) キノンジオキシム系化合物とエチレン系共重合体から成る加硫可能な組成物及びその組成物から成る成形体
JP2691172B2 (ja) 耐侯性に優れた熱可塑性エラストマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051018