JPH10259013A - 有機性廃棄物等の高温熱処理装置 - Google Patents

有機性廃棄物等の高温熱処理装置

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Publication number
JPH10259013A
JPH10259013A JP9068469A JP6846997A JPH10259013A JP H10259013 A JPH10259013 A JP H10259013A JP 9068469 A JP9068469 A JP 9068469A JP 6846997 A JP6846997 A JP 6846997A JP H10259013 A JPH10259013 A JP H10259013A
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JP
Japan
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heat treatment
treatment chamber
raw material
stirring
stirring shaft
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Pending
Application number
JP9068469A
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English (en)
Inventor
Shigeya Hayashi
茂也 林
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ビール粕等の有機性廃棄物やそれを乾留等して
既に得られた炭化物等を原料とし、該原料を高温熱処理
して活性炭等の製品を得る。 【解決手段】一端側から他端側に延びた熱処理室2の該
一端側に原料供給口3aを設け、熱処理室2の該他端側
に熱処理を終えた製品排出口4aと排ガス排出口5aを
設け、熱処理室2に熱風噴出口6を設け、熱処理室2内
に水蒸気噴出ノズル11を開口させて設け、熱処理室2
の内部で該一端側から他端側に延在させて回転可能に攪
拌軸8に軸方向に間隔をおいて原料攪拌用のパドル7を
多数設け、パドル7は攪拌軸8に原料を製品排出口側に
向かわせる方向に取付け、熱処理室2の内壁面2cのパ
ドル7を取り囲む部分の内容積、及び、攪拌軸に軸方向
に間隔をおいて取付けた多数のパドル7の大きさ(外
径)を、それぞれ互いに相応させて、原料供給口側を大
きくし製品排出口側を小さくするようにして漸次変化さ
せて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビール粕、コーヒ
ー粕等の食品性廃棄物、或いは廃プラスチック、廃タイ
ヤ等の高分子系廃棄物等の有機性廃棄物等を乾留及び賦
活処理でなる熱処理をして、又は、該有機性廃棄物等か
ら得られた炭化物等を賦活処理でなる熱処理をして、活
性炭等を得る有機性廃棄物等の高温熱処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からビール粕、コーヒー粕等の食品
性廃棄物、或いは廃プラスチック、廃タイヤ等の高分子
系廃棄物等の有機性廃棄物等を乾留及び賦活処理して、
又は、該有機性廃棄物等を乾留して既に得られた炭化物
を賦活処理して、活性炭を得る、所謂、有機性廃棄物等
の高温熱処理装置としては、一般的にロータリキルンが
用いられている。例えば、炭化物を賦活して活性炭を得
る場合では、軸線をやや傾斜されて軸線回りに回転自在
に設けられたロータリキルン本体である円筒回転体に該
炭化物がその一端側から内部に送入され、該円筒回転体
の該炭化物送入側に設置された燃焼バーナから高温の熱
風が発せられると共に、同様に該送入側の該円筒体内部
に斜め下方の排出側に向かって設置された水蒸気(賦活
反応用ガス)供給ノズルから水蒸気が噴射される。
【0003】送入された炭化物の原料固体は円筒回転体
の回転に伴って内面に沿って回転方向上方へ持ち上げら
れつつ排出側へと移動され、その間に該熱風による高温
(例えば800〜950℃)雰囲気下で賦活反応用ガス
としての水蒸気と反応されて〔次の反応式(式1)参
照〕微細な細孔が発達され、活性炭として排出側から取
り出されて回収される。
【0004】
【化1】 C(炭化物固体)+H2O (水蒸気)= CO (ガス)+ H2 (ガス)・・・式1
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の反応において
は、気固接触をできうる限り、良好に行う必要がある。
しかしながら、上記のような高温熱処理装置としてのロ
ータリキルンでは、投入された炭化物固体の表面が更新
され難く、そのため、気固接触性が不良となり、物質移
動、熱移動が不十分となり、焼きムラが起こっていた。
【0006】一方、上記のような炭化物固体や多種多様
な有機性廃棄物(以下、原料固体ということもある)を
取り扱う場合、上記のようなロータリキルンのように回
転円筒体の傾斜角が一定していては、滞留時間は回転数
のみで制御しなければならない。しかし、十分な滞留時
間を与えようとすると回転数を小さくする必要があり、
そうすれば上記したような焼きムラが起こりやすくなる
し、また、回転数を大きくすればロータリキルンの長さ
が長くなり装置が大きくなる。
【0007】このような問題に鑑みて、一端側に被熱処
理物供給口としての原料供給口を有し、他端側に製品排
出口を有し、該一端側から他端側に延ばされて形成され
た熱処理室の内部に、該一端側から他端側に延在して回
転自在に配した攪拌軸にパドル等の攪拌翼を軸方向に間
隔をおいて多数設け、該熱処理室内で該攪拌翼によって
原料固体を強制的に攪拌させて水蒸気等の賦活反応用ガ
スとの接触、及び、高温熱風との接触を向上させて該賦
活反応用ガス及び高温熱風と、原料固体との気固接触性
を向上させることが考えられる。
【0008】しかしながら、このように熱処理室内部に
攪拌翼を原料供給口側から製品排出口側にかけて多数、
配して設けた場合であっても、原料固体が製品排出口側
に進にむにしたがって減容するので、それらの攪拌翼の
大きさ(攪拌翼の直径)が原料供給口側から製品排出口
側にかけて全て等しいものとすれば原料固体の攪拌が熱
処理室の原料供給口側から製品排出口側にかけて(熱処
理室の長手方向にかけて)原料の攪拌が不均一となり、
効率の良い熱処理が行われず、結果として均質な活性炭
等の製品を得ることができないという問題が考えられ
る。
【0009】即ち、攪拌翼の大きさ(直径)を、製品排
出口付近の熱処理を終了して減容した固体に最適な大き
さにした場合は、反製品排出口(原料供給口)付近の未
だ減容していない原料固体の攪拌が不良になり、また、
反製品排出口(原料供給口)付近の熱処理前、即ち減容
前の原料固体に最適な大きさにした場合、製品排出口付
近の熱処理を終了して減容した固体の攪拌には非効率的
となるという問題が考えられる。このような問題は例え
ば原料容積100リットルを活性炭30リットルとする
場合など、特に原料固体の減容率が大きい場合は著しく
障害になると考えられる。
【0010】本発明は、上記のような点に鑑みなされた
ものであり、有機性廃棄物やそれを乾留等して既に得ら
れた炭化物等を高温熱処理して活性炭等の製品を得る場
合に、熱処理装置内で被熱処理物の表面の更新が良好に
行われ、水蒸気等の賦活反応用ガスや高温熱風との所
謂、気固接触が良好に行われると共に被熱処理物の熱処
理が原料供給口側で開始されてから製品排出口側で終わ
るまでに被熱処理物が均一に攪拌されて、物質移動、熱
移動が十分が行われ、均質な活性炭等の製品を得ること
のできる有機性廃棄物等の高温熱処理装置を得ることを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の有機性廃棄物等の高温熱処理装置は次のよ
うな構成にした。
【0012】請求項1として、有機性廃棄物を乾留及び
賦活処理し又は該有機性廃棄物等から得られた炭化物等
を賦活処理して活性炭等を得る有機性廃棄物等の高温熱
処理装置であって、一端側から他端側に延びた熱処理室
の該一端側に被熱処理物供給口を設け、該熱処理室の該
他端側に熱処理を終えた製品排出口と排ガス排出口を設
け、該熱処理室に熱風流入口を設け、該熱処理室内に賦
活反応用ガス供給口を開口させて設け、該熱処理室の内
部で熱処理室の該一端側から他端側に延在させて回転可
能に設けた攪拌軸に軸方向に間隔をおいて被熱処理物攪
拌用の攪拌翼を多数設け、該攪拌翼は該攪拌軸に被熱処
理物を製品排出口側へ向かわせる方向に向けて取付け、
該熱処理室の内壁面の該攪拌翼を取り囲む部分の内容
積、及び、該攪拌軸に軸方向に間隔をおいて取付けた多
数の攪拌翼の大きさを、それぞれ互いに相応させて、被
熱処理物供給口側を大きく製品排出口側を小さくするよ
うにして漸次変化させて形成した構成とした。
【0013】このような構成において、ビール粕等の有
機性廃棄物等(以下、原料という)は高温熱処理装置の
原料(被熱処理物)供給口から熱処理室内に供給され、
製品排出口に到達するまでの間において、熱処理室内で
回転している攪拌軸に取付けられた多数のパドル等の攪
拌翼の回転により原料が強制的に攪拌されて製品排出口
側へ送られつつ良好に掻き混ぜられ固体表面が随時更新
されて、熱処理室に設けた熱風流入口から熱処理室内に
流入する高温熱風との接触が均一に行われると共に、熱
処理室内に開口されて設けられた賦活反応用ガス供給口
から噴出される等して供給される水蒸気等の賦活反応用
ガスとの接触が均一に行われて気固接触性が向上され
る。
【0014】また、攪拌翼の大きさ、及び、熱処理室の
該攪拌翼を取り巻く内部の容積を、それぞれ互いに相応
させて反製品排出口(原料供給口)側を大きくし製品排
出口側を小さくして反製品排出口から製品排出口側にか
けて漸次小さくなるように変化させて形成したことによ
り、反製品排出口(原料供給口)側から製品排出口側に
かけて減容変化する原料固体の容積に応じた最適な攪拌
を実現でき原料固体の熱処理が原料供給口側で開始され
てから製品排出口側で終わるまでに均一に攪拌されて前
記気固接触が良好に行われ、物質移動及び熱移動が促進
されて固体の乾留(炭化)作用及び又は賦活反応等の熱
処理が全体的に均一に行われ、均質の活性炭等の製品が
生成される。生成された活性炭等の製品は熱処理室の他
端側の製品排出口から排出される。
【0015】なお、熱処理室に設ける熱風流入口を例え
ば断面積が比較的小さい断面円形状の噴出口を多数設け
て形成し、該噴出口を例えば熱処理室の下部位置に点在
させて設けるなどして、該円形状の熱風噴出口を少なく
とも原料が存在し原料と接触する位置の熱処理室に設け
るようにすれば、同様に、該熱風噴出口から熱処理室に
下方から上方に向けて噴出流入する熱風の噴出作用によ
っても該原料の攪拌を助長、促進させて固体表面の更新
を良好に行わせて該物質移動、及び、熱移動を効果的に
促進させることができる。
【0016】また、請求項1の装置では、攪拌翼により
原料の攪拌作用と製品排出口側への送り作用が行われる
ので、熱処理室は水平かほぼ水平状態になるように設置
させ、熱処理室の内壁底面を原料供給口側よりも製品排
出口側をやや高位になるように形成したり、或いは、水
平かほぼ水平になるように形成する。
【0017】ここで、該高温熱処理装置において、例え
ば原料をビール粕等の有機性廃棄物としてそれを熱処理
して活性炭を得る場合には、該ビール粕が高温熱処理装
置の原料供給口から熱処理室内部に供給され、まず熱処
理室の該原料供給口側寄りの前半部で主として高温熱風
の作用により乾留処理されて炭化物が生成され、該炭化
物は熱処理室の後半部で引き続いて高温熱風と賦活反応
用ガスとしての例えば水蒸気の作用により賦活処理さ
れ、活性炭が生成される。
【0018】また、原料を、例えば事前に該ビール粕等
の有機性廃棄物を乾留処理等して既に得られている炭化
物とする場合には、該炭化物が原料供給口から熱処理室
内に供給され熱処理室内で高温熱風と賦活反応用ガスと
しての例えば水蒸気の作用によって賦活処理され活性炭
が生成される。
【0019】請求項2として、上記請求項1の構成にお
いて、該攪拌軸の内部に賦活反応用ガス供給路を該攪拌
軸の軸方向に延在させて設け、該賦活反応用ガス供給口
として該攪拌軸に該賦活反応用ガス供給路と連通し端部
が該熱処理室内に開口した賦活反応用ガス噴出ノズルを
軸方向に沿って多数設けた構成とした。
【0020】このような構成にすると、攪拌軸に軸方向
に沿って間隔をおいて多数設けた噴出ノズルから水蒸気
等の賦活反応用ガスが熱処理室内で原料供給口側から製
品排出口側にかけて均等に原料に噴出供給されるので、
原料固体と該賦活反応用ガスとの接触が均一に行われ、
気固接触が良好に行われて一層均等な熱処理が行われ
る。
【0021】また、この構成では、原料がこのような熱
処理を受ける過程において、原料の攪拌は、前記攪拌翼
の回転による攪拌に加えて、賦活反応用ガス噴出口が攪
拌翼を取付けた攪拌軸に設けられていることにより該賦
活反応用ガス噴出口の周囲には被熱処理物(原料)が存
在するので該賦活反応用ガス噴出口から噴出される水蒸
気等の賦活反応用ガスの噴出作用によっても該攪拌が助
長、促進され、固体表面の更新が良好に行われて該物質
移動、熱移動、及び、それに伴う反応が効果的に促進さ
れる。
【0022】そして、本発明では有機性廃棄物原料を乾
留及び賦活処理して、又は、事前に該有機性廃棄物原料
等を乾留して既に得ている炭化物などを賦活処理して、
活性炭等が得られるが、このような活性炭を得るための
乾留処理及び又は賦活処理の過程において熱処理室内は
1000〜900℃程度の高温になり、攪拌軸の強度が
問題となるが、この請求項2の構成においては、攪拌軸
はその内部に賦活反応用ガスの供給路が該攪拌軸の軸方
向に延在させて設けられ、それに連通されて攪拌軸に設
けられた賦活反応用ガス噴出ノズルから賦活反応用ガス
が熱処理室内部に噴出されていることにより、該攪拌軸
内部には例えば賦活反応用ガスとして前記熱処理室内の
温度よりもかなり低温の180℃程度の水蒸気が絶えず
流通している。このことにより該攪拌軸、及び、該噴出
ノズルの付近の攪拌翼は、それぞれ賦活反応ガス供給路
を流通する当該低温の賦活反応ガス、及び、当該噴出ノ
ズルから噴出される賦活反応ガスによって冷却され、高
温反応に十分耐え得る構造に形成される。
【0023】そして、攪拌軸は、攪拌翼の回転駆動手
段、賦活反応用ガス供給手段、及び、攪拌軸自体と攪拌
翼の冷却手段とを兼ねるので、例えば熱処理室内に別途
に攪拌軸や攪拌翼の冷却手段や賦活反応用ガスの供給手
段を設ける必要がなく、構造を簡素化した装置が構成さ
れる。
【0024】また、請求項3として、上記請求項1又は
2の構成において、前記攪拌軸に取付けた攪拌翼はその
少なくとも一部をその取付方向を被熱処理物が反製品排
出口側へ向かう方向に向けて取付けた構成とした。
【0025】このように構成した場合は、前記した請求
項1又は請求項2の作用、効果に加えて、攪拌翼の本来
の強制攪拌作用に加えて製品排出口側へ送られる原料と
この反製品排出口側へ送られる原料を衝突させることに
より、原料同士の掻き混ぜ及び原料固体表面の更新をよ
り活発にし該原料と該熱風及び賦活反応用ガスとの気固
接触状態をより良好なものとすることができる。
【0026】また、請求項4の構成として、有機性廃棄
物を乾留及び賦活処理し又は該有機性廃棄物等から得ら
れた炭化物等を賦活処理して活性炭等を得る有機性廃棄
物等の高温熱処理装置であって、一端側から他端側に延
びた熱処理室の該一端側に被熱処理物供給口を設け、該
熱処理室の該他端側に熱処理を終えた製品排出口と排ガ
ス排出口を設け、該熱処理室に熱風流入口を設け、該熱
処理室内に賦活反応用ガス供給口を開口させて設け、該
熱処理室の内部で熱処理室の該一端側から他端側に延在
させて回転可能に設けた攪拌軸に軸方向に間隔をおいて
被熱処理物攪拌用の攪拌翼を多数設け、該攪拌翼は該攪
拌軸に被熱処理物を反製品排出口側へ向かわせる方向に
向けて取付け、該熱処理室の内壁面の該攪拌翼を取り囲
む部分の内容積、及び、該攪拌軸に軸方向に間隔をおい
て取付けた多数の攪拌翼の大きさを、それぞれ互いに相
応させて、被熱処理物供給口側を大きく製品排出口側を
小さくするようにして漸次変化させて形成すると共に、
該熱処理室はその一端側から他端側に延びる軸線が水平
線となす角度を可変となるように回動自在に支持して設
け、かつ、熱処理室の内壁底面が該製品排出口側が被熱
処理物供給口側よりも低位となるように傾斜させて設け
た構成とした。
【0027】この構成では、前記請求項1の構成に比
べ、攪拌軸に取付けた多数の攪拌翼は原料が反製品排出
口側へ向かうような方向に取付けられ、かつ、熱処理室
はその一端側から他端側に延びる方向の軸線が水平線と
なす角度を可変となるように回動自在に支持して設けら
れて熱処理室の内壁底面が製品排出口側が原料供給口側
よりも低位になるように傾けられて設けられることによ
り、原料の製品排出口側への送りは重力の作用のみによ
り行われる。
【0028】従って、このような構成にすると、前記請
求項1の構成による作用、効果に加えて、攪拌翼による
本来の原料の攪拌作用に加え原料の反製品排出口側への
移動と重力による製品排出口側への移動による原料同士
の接触、衝突によっても気固接触性が良好に保たれる一
方、熱処理室の傾斜角度を最適化することにより、多種
多様な原料に対して最適な滞留時間を制御でき、原料性
状に基づいた最適な気固接触性を確保して物質移動、熱
移動を促進するように制御することにより、原料を均一
に熱処理するようにすることができる。熱処理室の傾斜
角度を大きくすれば原料の滞留時間を短くすることがで
き、傾斜角度を小さくすれば原料の滞留時間を長くする
ことができる。
【0029】また、請求項5の構成として、攪拌軸の内
部に賦活反応用ガス供給路を該攪拌軸の軸方向に延在さ
せて設け、該賦活反応用ガス供給口として該攪拌軸に該
賦活反応用ガス供給路と連通し端部が該熱処理室内に開
口した賦活反応用ガス噴出ノズルを軸方向に沿って多数
設けた構成とした。
【0030】このような構成にすると、前記請求項4の
構成による作用、効果に加えて、攪拌軸に軸方向に沿っ
て間隔をおいて多数設けた噴出ノズルから水蒸気等の賦
活反応用ガスが熱処理室内で原料供給口側から製品排出
口側にかけて均等に原料に噴出供給されるので、原料固
体と該賦活反応用ガスとの接触が均一に行われ、気固接
触が良好に行われて一層均等な熱処理が行われる。
【0031】また、この構成では、原料がこのような熱
処理を受ける過程において、原料の攪拌は、前記攪拌翼
の回転による攪拌に加えて、賦活反応用ガス噴出口が攪
拌翼を取付けた攪拌軸に設けられていることにより該賦
活反応用ガス噴出口の周囲には被熱処理物(原料)が存
在するので該賦活反応用ガス噴出口から噴出される水蒸
気等の賦活反応用ガスの噴出作用によっても該攪拌が助
長、促進され、固体表面の更新が良好に行われて該物質
移動、熱移動、及び、それに伴う反応が効果的に促進さ
れる。
【0032】そして、本発明では有機性廃棄物原料を乾
留及び賦活処理して、又は、事前に該有機性廃棄物原料
等を乾留して既に得ている炭化物などを賦活処理して、
活性炭等が得られるが、このような活性炭を得るための
乾留処理及び又は賦活処理の過程において熱処理室内は
1000〜900℃程度の高温になり、攪拌軸の強度が
問題となるが、この請求項5の構成においては、攪拌軸
はその内部に賦活反応用ガスの供給路が該攪拌軸の軸方
向に延在させて設けられ、それに連通されて攪拌軸に設
けられた賦活反応用ガス噴出ノズルから賦活反応用ガス
が熱処理室内部に噴出されていることにより、該攪拌軸
内部には例えば賦活反応用ガスとして前記熱処理室内の
温度よりもかなり低温の180℃程度の水蒸気が絶えず
流通している。このことにより該攪拌軸、及び、該噴出
ノズルの付近の攪拌翼は、それぞれ賦活反応ガス供給路
を流通する当該低温の賦活反応ガス、及び、当該噴出ノ
ズルから噴出される賦活反応ガスによって冷却され、高
温反応に十分耐え得る構造に形成される。
【0033】そして、攪拌軸は、攪拌翼の回転駆動手
段、賦活反応用ガス供給手段、及び、攪拌軸自体と攪拌
翼の冷却手段とを兼ねるので、例えば熱処理室内に別途
に攪拌軸や攪拌翼の冷却手段や賦活反応用ガスの供給手
段を設ける必要がなく、構造を簡素化した装置が構成さ
れる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は本発明の有機性廃棄物の高
温熱処理装置としての活性炭製造装置の実施例に係る縦
断正面図、図2は図1のA〜A線矢視断側面図、図3は
図2の攪拌軸及び攪拌翼部分の拡大図である。
【0035】図1〜図3において、高温熱処理装置とし
ての活性炭製造装置1の熱処理室(乾留による炭化反応
用及び又は賦活反応用の反応室)2は一端側から他端側
に向けて延び側面視断面で内壁面2cの底面が半円形と
されてU字形の筒状に形成されており、該熱処理室2の
内壁面2cは熱処理室の外皮を構成するケーシング2a
の内面に内張りされた不定型耐火物等の耐火物2bによ
って形造られている。このように熱処理室2は内面が耐
火物2bが施されて形成されることにより高温から保護
される。熱処理室2の該一端側の上部に被熱処理物供給
口としての原料供給口3aが設けられ、該他端側の下部
に製品排出口4aが設けられている。
【0036】活性炭製造装置1のケーシング2a及び熱
処理室2は、図1の正面視で示すように熱処理室2の一
端側から他端側に延びる方向(長手方向)の軸線(図示
せず)を水平線と一致させた状態で水平状に、ケーシン
グ2aの長手方向の両側位置で、かつ、図2の側面視で
示すようにケーシング2aの両外面と支持脚20の間を
ブラケット21により連結されて設置されている。
【0037】そして、熱処理室2の内壁面2cの底面は
図1に示すように、原料供給口3a側から製品排出口4
a側にかけて上り坂になるように水平線と角度αを成し
て傾斜されて形成され、両側の内壁面は図2に示すよう
に互いに平行な状態で原料供給口3a側から製品排出口
4a側にかけて漸次、両内壁面間の距離を絞られて形成
されている。なお、本実施例では熱処理室2の内壁面2
cの底面の傾斜角度αは例えば5〜10°とされる。
【0038】該原料供給口3aには原料供給管3が下端
が製品排出口4a側に向かうように傾けられて接続され
て取付けられ、また、前記製品排出口4aには製品排出
管4が同様に傾斜されて接続されて取付けられている。
また、熱処理室2の他端側の上部には排ガス排出口5a
が設けられ、該排ガス排出口5aには排ガス排出管5が
接続されて取付けられている。熱処理室2の下部(真
下)の原料供給口3a寄りには耐火物2bを上下に貫通
して多数の熱風噴出口(熱風噴出ノズル)6が穿設され
ており、該熱風噴出口6は各々、断面が略円形状の噴出
口として形成されており、該各々の熱風噴出口6は熱風
流入口を構成している。
【0039】熱処理室2の下側には、外皮であるケーシ
ング12aの内面に不定型耐火物等の耐火物12bが内
張りされて内面を熱風空間として形成された熱風室12
が位置されて取付けられており、該熱風室12のケーシ
ング12aは前記熱処理室2のケーシング2aとフラン
ジ接合によって結合されている。前記熱風流入口として
の各々の熱風噴出口6は上端を熱処理室2に開口し、下
端を熱風室12に開口しており、熱風室12からこの各
々の熱風噴出口6を通して熱処理室2内部に熱風が噴出
供給される。熱風室12には製品排出口4a寄りの端部
に熱風供給口13aが設けられ該熱風供給口13aには
熱風供給管13が接続されている。熱風供給管13には
図示していない熱風送給ダクトが接続され、1000℃
程度の高温熱風が該熱風送給ダクトを通して熱風室12
に供給される。
【0040】該熱処理室2の内部には、耐熱鋼でなる攪
拌軸8が熱処理室2の該一端側から他端側にかけて水平
状に延在、横架されて両端をそれぞれケーシング2aの
両端にそれぞれ取付けられた軸受け9、9により回転可
能に軸承されて設けられている。該攪拌軸8には軸方向
にほぼ等間隔で攪拌翼としてのパドル7が多数設けら
れ、軸方向に沿った隣り合うパドル7の間には賦活反応
用ガスとしての水蒸気の噴出ノズル11が多数設けられ
ている。攪拌軸8は減速機付き電動機16取付け側と反
対側の軸受け9部で熱による軸の伸びを吸収できるよう
に取付けられる。
【0041】攪拌軸8の原料供給口3a側の軸端側には
回転継ぎ手14が介在されて取付けられ、その軸端は減
速機付き電動機16の出力軸と軸継ぎ手によって接続さ
れている。該減速機付き電動機16は熱処理室2の外皮
2aに固定された電動機支持台15に載置されて支持さ
れている。前記回転継ぎ手14には水蒸気(賦活反応用
ガス)供給管14aが電動機支持台15を上下方向に貫
通して取付けられている。
【0042】該攪拌軸8の内部には、該水蒸気の供給管
14a及び回転継ぎ手14の内部と連通させて賦活反応
用ガス供給路としての水蒸気供給路10が軸方向に延在
して形成されており、製品排出口4a側の端部を封止さ
れて設けられている。この攪拌軸8は耐熱鋼でなるパイ
プで形成してもよい。そして、攪拌軸8の軸方向に隣り
合うパドル7のほぼ中間位置において該攪拌軸8の周囲
の表面には該水蒸気供給路10と連通する水蒸気噴出ノ
ズル11が円周4等分位置に設けられて全体として多数
取付けられている。
【0043】しかして、該攪拌軸8に軸方向に間隔をお
いて多数取付けられた該パドル7は原料供給口側を直径
を大きく、製品排出口側を直径を小さくなるようにし
て、原料供給口側から製品排出口側へかけてその大きさ
(外径)が漸次小さくなるように設けられている。前
記、熱処理室2の原料供給口側から製品排出口側へかけ
て漸次傾斜角αをもって上り坂に形成される内壁面2c
の底面、及び、原料供給口側から製品排出口側へかけて
漸次互いに絞られて形成される内壁面2cの両側の壁面
によって形成される内壁面2cの占める内容積の変化の
割合と、前記原料供給口側から製品排出口側へかけてそ
の大きさ(外径)が漸次小さくなるように形成されるパ
ドル7の大きさの変化の割合は、互いに相応されて決定
される。
【0044】このパドル7の原料供給口側から製品排出
口側へかけての大きさの変化の割合、又は、熱処理室2
の内壁面2cの底面の傾斜角αの傾斜割合及び内壁面2
cの両側の壁面の互いの絞り度合い、即ちパドル7を取
り囲む部分の熱処理室2の内壁面2cが占める容積の変
化の割合は、原料(被熱処理物)の減容率に応じて決定
される。このように熱処理室2の内壁面2cの底面が傾
斜角αをもって形成されると共に、及び、内壁面2cの
両側の壁面が互いに距離を絞られて形成されることによ
り、熱処理室2の該パドル7を取り囲む部分の内壁面2
cの内容積は原料供給口側から製品排出口側へかけて漸
次小さくなるように変化されて形成される。
【0045】そして、この実施例の活性炭製造装置1で
は、攪拌軸8に軸方向にほぼ等間隔に多数取付けられた
攪拌翼としてのパドル7は、その全てが原料(被熱処理
物)を製品排出口4a側へ向かわせる方向に向けられて
いる。即ち、図示の場合のように攪拌軸8及びパドル7
の回転方向が製品排出口4a側から見て反時計方向(左
回転)である場合に、図1に示すように攪拌軸8の手前
に取付けられたパドル7は上端側を原料供給口3a側に
所定角度傾かせて、一方、攪拌軸8の後ろ側のパドル7
はその逆側方向の上端側が製品排出口4a側に所定角度
傾かせて、攪拌軸8に取付けられている。
【0046】各々のパドル7は攪拌軸8の軸方向の1ヶ
所に1個設けられ、隣り合うパドル7との位相を角度1
80°ずらして取付けられ、その各々の形状は平板状
で、かつ、図2又は図3に示すように軸方向視(側面
視)で略扇形に形成されている。
【0047】そして、図2に示すように該パドル7の円
弧状の外周縁と熱処理室2の耐火物2aの断面半円形状
の内壁面2aの底面とは形状をほぼ合致させて形成され
ており、原料固体の滞留、淀みが極力生じないようにし
て原料固体が均一に混合攪拌されるように構成されてい
る。
【0048】以上のような状態でパドル7及びそれを囲
む周囲の内壁面2cが形成されることにより、攪拌軸8
を回転させることによりパドル7は原料供給口3aから
ケーシング2内に送入された原料を製品排出口4a側へ
向かわせながら、かつ、原料の減容率に合わせて効率良
く攪拌、混合することができる。
【0049】このように構成された活性炭製造装置1の
作動を説明する。活性炭製造装置1の減速機付き電動機
16を駆動して攪拌軸8を図示回転方向に回転させる
と、攪拌翼としてのパドル7が所定回転数で回転する。
この状態で熱風供給管13を通して温度が約1000℃
の高温熱風が熱風室12に供給される。この熱風として
は例えば熱風炉で発生された熱ガスなど、酸素濃度の低
い燃焼ガスなどが使用される。
【0050】該熱風室12に供給された約1000℃の
高温熱風は熱処理室2の下部(底部)の原料供給口3a
寄りに耐火物2bを上下に貫通して多数設けた熱風流入
口としての熱風噴出口6から熱処理室2内に噴出流入さ
れる。熱処理室2の下部(底部)は熱風室12が面して
いるので均等に加熱され熱処理室2内部の水蒸気反応等
の高温吸熱反応に必要な高温が効果的に保持される。
【0051】一方、賦活反応用ガスとして例えば10Kg
/cm2、180℃のスチーム(水蒸気)が水蒸気供給管1
4aから回転継ぎ手14を通して攪拌軸8内部の水蒸気
供給路10に送られ、さらに軸方向に沿って多数設けら
れている各々の水蒸気噴出ノズル11から熱処理室2の
内部に噴出される。そして、原料が図示しない輸送装置
によって原料供給管3に送られて原料供給口3aから熱
処理室2内に連続して送給される。
【0052】熱処理室2内に送給された原料は所定の充
填率(フルネス)と所定の滞留時間を保った状態で回転
しているパドル7の作用で攪拌、混合されると共に製品
排出口4a側に向う送り作用が与えられつつ、原料は製
品排出口4a側に向かって流されて送られる。これによ
って原料には必要な滞留時間が付与される。
【0053】しかして、原料は、熱処理室2内において
製品排出口4aに到達するまでの間において、熱処理室
2内で回転している攪拌軸8に取付けられた多数のパド
ル7の回転により強制的に攪拌されることにより良好に
掻き混ぜられて固体表面が随時更新され、熱風室12か
ら熱処理室2底部に原料供給口3a寄りの位置に多数設
けた熱風噴出口6から熱処理室2内に噴出流入して熱処
理室2内で製品排出口側に位置する排ガス排出口5aへ
と流れる高温熱風との接触が均一に行われると共に、攪
拌軸8に軸方向に沿って多数設けた水蒸気噴出ノズル1
1から噴出される水蒸気との接触も均一に行われて気固
接触が良好に行われる。
【0054】そして、本発明では、パドル7の大きさ、
及び、熱処理室2の該パドル7を取り巻く内壁面が占め
る容積は、それぞれ互いに相応されて、反製品排出口
(原料供給口3a)側が大きくされ製品排出口4a側を
小さくされて反製品排出口から製品排出口側にかけて漸
次小さくなるように変化されて形成されているので、反
製品排出口(原料供給口)から製品排出口側にかけて減
容変化する原料固体の容積に応じて最適な攪拌が行わ
れ、原料固体の熱処理が原料供給口側で開始されてから
製品排出口側で終わるまでに均一に攪拌されて前記気固
接触が良好に行われ、物質移動及び熱移動が促進されて
固体の乾留(炭化)作用及び又は賦活反応の熱処理が全
体的に均一に行われ、均質の活性炭の製品が生成され
る。
【0055】そしてまた、本実施例では、熱処理室2の
内壁面2cの底面は、図1に示すように原料供給口3a
側から製品排出口4a側にかけて上り坂になるように水
平線と所定角度αを成して傾斜されて形成され、両側の
内壁面は図2に示すようにパドル7の原料供給口3a側
から製品排出口4a側にかけて変化する大きさに合わせ
て互いに平行な状態で原料供給口3a側から製品排出口
4a側にかけて漸次、両内壁面間の距離を絞られて形成
されており、かつ、図2に示すように該パドル7の円弧
状の外周縁と熱処理室2の耐火物2aの断面半円形状の
内壁面2aとは形状をほぼ合致させて形成されており、
原料固体の滞留、淀みが極力生じないようにして原料固
体が均一に混合攪拌されるように構成されていることに
より、上記のように原料が原料供給口3a側から製品排
出口4a側にかけて移動する過程において、パドル7を
取り囲む内壁面2cの底面と両側壁面の間に挟まれつ
つ、かつ、熱処理室2の内壁面2cの底面の上り坂を徐
々に重力に反して持ち上げられながら、送られるので、
原料がむやみにパドル7の攪拌によって製品排出口4a
側へ移動することが防がれ、滞留時間が所望の時間、確
保されて熱処理が効率良く行われる。
【0056】生成された活性炭は熱処理室2の他端側の
製品排出口4aを通って製品排出管4から排出される。
熱処理により発生される約900℃の排ガスは熱処理室
2の上部の空間部(空塔部)で、又は、平らな天井面と
の接触や衝突によって固体が分離された後、熱処理室2
の製品排出口側に設けられた排ガス排出管5から取り出
され、図示しない下流位置で集塵作用や熱回収作用等を
受け、或いは、適宜の他の設備の燃料用ガスとして再使
用される等して処理される。
【0057】また、原料がこのような熱処理を受ける過
程において、原料の攪拌は前記パドル7の回転による攪
拌に加えて、パドル7を取付けた攪拌軸8には水蒸気噴
出ノズル11が軸方向に沿う多数位置でそれぞれ軸周4
等分位置に設けられていることにより、また、熱処理室
2の原料供給口寄りの下部の真下に熱風噴出口6が設け
られていることにより、該噴出ノズル11及び熱風噴出
口6が位置する部分の熱処理室2の内面には原料が存在
していることにより、該軸方向に沿う多数位置でそれぞ
れ攪拌軸8の周囲4等分位置に存在した噴出ノズル11
から噴出される水蒸気の噴出作用によって、及び、原料
供給口寄り位置で多数設けられた該熱風噴出口6から熱
処理室2内部の上方に向けて噴出流入される高温熱風の
噴出作用によっても原料の攪拌が助長、促進され、固体
表面の更新がより促進されて良好に行われ該物質移動、
熱移動、及び、それに伴う反応が効果的に促進される。
【0058】なお、本実施例では、熱風噴出口(熱風噴
出ノズル)6から熱処理室2内に噴出流入する熱風の流
速を原料固体の流動化開始速度以上に保つことにより、
原料固体を流動化状態とし伝熱係数を高められるように
なされている。
【0059】ここで、この実施例の活性炭製造装置1を
用いて原料(活性体前駆体)として有機性廃棄物である
ビール粕から活性炭を製造する場合には、例えば水分が
10%、比表面積が約0m2/gのビール粕が原料供給管3
から熱処理室2内に供給されるとともに、賦活反応用ガ
スとして例えば10Kg/cm2、180℃の飽和蒸気が水蒸
気供給管14aに供給され、さらに約1000℃の高温
熱風が熱風供給管13から熱風室12に供給され、該熱
風室12から多数の熱風噴出口6を通して熱処理室2内
に噴出供給される。
【0060】しかして、熱処理室2内に供給された該ビ
ール粕は、前記パドル7による攪拌作用を被りつつ、ま
た、水蒸気噴出ノズル11から噴出される水蒸気及び熱
風噴出口6から噴出される熱風による攪拌作用も加えら
れて被りつつ、製品排出口側へ送られながら、熱処理室
2の該原料供給口側部分では主として該約1000℃の
高温熱風(酸素濃度の低い燃焼ガス)による高温度雰囲
気により、該ビール粕固体温度が例えば約600℃とさ
れて乾留されて炭化され炭化物が生成される。
【0061】該生成された炭化物は該乾留作用に引き続
いて熱処理室2のその後半(下流)部分において該10
00℃の高温熱風が温度降下した920〜950℃程度
の高温熱風により、及び、該10Kg/cm2、180℃の水
蒸気の供給を受けて炭化物は例えば約850℃とされ前
記式1で表されるように炭素分と水蒸気が反応(吸熱反
応)することにより賦活されて微細な細孔の発達した収
率20%(原料無水ベース)、比表面積400m2/gの活
性炭が製造される。該活性炭は製品排出口4aを通り製
品排出管4から取り出される。このように乾留及び賦活
の熱処理が行われた後の排ガスは温度約900℃で排ガ
ス排出管5から排出される。
【0062】なお、このように原料(活性体前駆体)を
ビール粕等の有機性廃棄物として活性炭を製造する場合
には、熱処理室2の該原料供給口側では水蒸気賦活反応
は殆ど行われることはないので、熱処理室2内の攪拌軸
8の原料供給口側における水蒸気噴出ノズル11は設け
なくてもよいか、或いは、その取付け個数を図1等に示
したものより少なくしてもよい。
【0063】一方、原料(活性体前駆体)として、例え
ばビール粕等の有機性廃棄物を既に乾留等して得た炭化
物など、既に得られている炭化物からこの実施例の活性
炭製造装置1を用いて活性炭を製造する場合には、例え
ば水分が約0%、比表面積が約8m2/gの炭化物が原料供
給管3から熱処理室2内に供給されるとともに、賦活反
応用ガスとして例えば10Kg/cm2、180℃の飽和蒸気
が水蒸気供給管14aに供給され、さらに約1000℃
の高温熱風が熱風供給管13から熱風室12に供給さ
れ、該熱風室12から多数の熱風噴出口6を通して熱処
理室2内に噴出供給される。
【0064】しかして、熱処理室2内に供給された該炭
化物は、前記パドル7による攪拌作用を被りつつ、ま
た、水蒸気噴出ノズル11から噴出される水蒸気及び熱
風噴出口6から噴出される熱風による攪拌作用も加えら
れて被りつつ、製品排出口側へ送られながら、熱処理室
2内において該約1000℃の高温熱風(酸素濃度の低
い燃焼ガス)及び該10Kg/cm2、180℃の水蒸気の供
給を受けて該炭化物温度は例えば約850℃とされ前記
式1で表されるように炭素分と水蒸気が反応(吸熱反
応)することにより賦活されて微細な細孔の発達した収
率80%(炭化物無水ベース)、比表面積400m2/gの
活性炭が製造される。該活性炭は製品排出口4aを通り
製品排出管4から取り出される。このように乾留及び賦
活の熱処理が行われた後の排ガスは温度約900℃で排
ガス排出管5から排出される。
【0065】以上のとおり、活性炭製造装置1の熱処理
室2の内部は1000〜900℃程度の高温になり、攪
拌軸8の強度が問題となるが、攪拌軸8はその内部に賦
活反応用ガス供給路としての水蒸気供給路10が軸方向
に延在させて設けられ、それに連通されて攪拌軸8に設
けられた水蒸気噴出ノズル11から該水蒸気が熱処理室
2内部に噴出されていることにより、該攪拌軸8内部に
は例えば温度が180℃程度の水蒸気が絶えず流通して
いる。このことにより該攪拌軸8は常に冷却され、高温
の熱処理室内の攪拌や高温反応に十分耐え得る構造とさ
れる。また、水蒸気噴出ノズル11から噴出される該水
蒸気によってパドル7にも冷却作用が及ぼされる。
【0066】以上の実施例では、活性炭製造装置1の多
数の攪拌翼としてのパドル7はその全てを原料を製品排
出口4a側に向かわせるような方向に向けて攪拌軸8に
取付けて、パドル7により原料の攪拌作用と製品排出口
側への移送作用を行う場合を示したが、活性炭製造装置
は攪拌軸8の回転方向は図1と同一とし攪拌翼としての
パドル7のうち少なくとも一部のパドルを、例えば軸方
向中間部分に隣接して位置する2枚のパドルを、その攪
拌軸8への取付方向を原料が反製品排出口4a側へ向か
う方向に向けて取付けて、即ち、当該2枚のパドルの攪
拌軸8に対する取付方向を逆向きにして、一部の原料を
反製品排出口4a側(原料供給口3a側)へ向かって送
らせるようにし、原料としては全体的に製品排出口4a
側に向かわせるようにしてもよい。
【0067】このようにした場合は、パドルの本来の強
制攪拌作用に加えて製品排出口4a側へ送られる原料と
この反製品排出口4a側へ送られる原料を衝突させるこ
とにより、前記の実施例のような全てのパドル7によっ
て原料供給口3a側から製品排出口4a側への送り作用
を行わせる場合に比べて、原料同士の掻き混ぜ及び原料
固体表面の更新をより活発にし該原料と該高温熱風及び
賦活反応用水蒸気との気固接触状態をより良好なものと
することができる。
【0068】また、以上の実施例装置においては、パド
ル7の回転数を固定した場合を示したが、減速機付き電
動機16の代わりに、可変速式の減速機付き電動機とし
て攪拌軸8の回転数を可変に設けてパドル7の回転数を
可変とすれば、原料の攪拌状態や送り状態、滞留時間等
を更に緻密に制御することもできる。回転数を大きくす
れば原料の攪拌状態はより活発になるが滞留時間は小さ
くなる。また、回転数を小さくすれば原料の攪拌状態は
弱くなるが滞留時間は大きくなる。
【0069】また、以上の実施例では、パドル7は攪拌
軸8の軸方向の1か所に1個設け、軸方向に隣り合うパ
ドルを位相を角度180°ずらして取付けた場合を示し
たが、図4に示すように攪拌軸8の軸方向の1か所に2
個以上設ける等してもよい。
【0070】また、パドル7は軸方向視の形状を扇形と
した場合を示したが、例えばその中間部をくり抜いてほ
ぼ円環状に形成したり、或いは、図5に示すようにパド
ル7Aを所要の幅を有した半円弧状(ブーメラン状又は
リボン状)に形成して攪拌軸8に支持棒7aで取付け固
定する等して、隣り合うパドル間の水蒸気や熱風、或い
は原料の軸方向の流通をより促進させて気固接触を促進
させるようにしてもよい。
【0071】そして、以上の実施例では、パドルは攪拌
軸8にその軸線に対する傾斜角度を固定して取付けた場
合を示したが、図6及び図7、図8及び図9のそれぞれ
の実施例のようにパドル7Bを攪拌軸8に該攪拌軸8の
軸線に対する傾斜角度θを可変(変更可能)に取付けて
もよい。
【0072】即ち、図6及び図7に示すように、パドル
7Bは、基部をパドル7Bの内側中央部に接続固設し外
周面に雄ネジを螺設して形成したパドル軸7aを攪拌軸
8に直交させて挿通し、該パドル軸7aの攪拌軸8を挟
む両側位置をナット7bで締め付けて攪拌軸8に取付け
ることにより、攪拌軸8にその軸線に対する傾斜角度θ
を変更可能に取付けてもよい。パドル7Bは平板状であ
り、かつ、図7に示すように側面視で直径方向に所要の
幅を有し略半円環状(ブーメラン状又はリボン状)に形
成されている。
【0073】このように、パドル7Bを攪拌軸8に該攪
拌軸8の軸線に対する傾斜角度θを変更可能に取付けた
場合には、上記のような熱処理は、図6においてパドル
7Bの傾斜角度θを0(零)°よりも大きく90°より
も小さい範囲で適当な角度に調整して最適な攪拌状態、
送り状態を調整して滞留時間を調整することができるた
め、原料の性状に応じて、又は、種類の異なる種々の原
料に対して最適な条件で行わせることができる。
【0074】図6において、攪拌軸8(パドル7B)の
回転方向を同一として、上記パドル7Bの傾斜角度θを
大きくすれば、即ち、パドル7Bをより立てれば、攪拌
力及び送り速度が小さくなるが、滞留時間を長くするこ
とができる。また、パドル7Bの傾斜角度θを小さくす
れば、即ち、パドル7Bをより寝せれば、攪拌力及び送
り速度は大きくなるが、滞留時間を短くすることができ
る。
【0075】そして、この実施例では、攪拌軸8の軸方
向の各位置に取付けたパドル7Bはその傾斜角度θを該
各位置によって変えることにより、熱処理室2内の原料
の挙動を調整して熱処理条件を調整するようにすること
ができる。例えば、原料供給口3a側に位置するパドル
7Bはその傾斜角度θを小さくして送り速度を早くして
供給された原料が確実に熱処理室2の長手方向に送られ
るように原料の送りを促進させるようにし、製品排出口
4a側に位置するパドル7Bはその傾斜角度θを大きく
して原料が徒に早く熱処理室2内を通過しないように原
料の送りに所要の抵抗を与えるようにして滞留時間を所
望のものに調整するようにすることもできる。また、逆
に、もし原料供給口3a側での滞留時間が不十分な場合
は原料供給口3a側のパドル7Bの傾斜角度θを大きく
して滞留時間を所望のものに調整することもできる。
【0076】なお、このようなパドル7Bの攪拌軸8に
対する取付傾斜角度θの調整は、攪拌軸8の軸方向の各
々の位置に取付けられるパドル7Bについて全て同一の
角度とするように調整することもできるし、該軸方向の
各々の位置のパドル7Bについて、或いは、軸方向に隣
合う所定位置の区間に位置する複数のパドル7B毎につ
いて、それぞれ角度を変えるようにして調整することに
より、原料に対して最適な熱処理条件となるように調整
することができる。
【0077】図8及び図9は、パドル7Bを攪拌軸8の
軸方向の1か所に2個設けた場合を示すものである。こ
の場合、パドル7Bは図9に示すように攪拌軸8に取付
けた取付ボス25にパドル軸26をねじ込んでロックナ
ット27により回り止め固定することにより攪拌軸8に
攪拌軸8の軸線に対する傾斜角度θを変更可能に取付け
る。
【0078】なお、本発明では、上記のようにパドル7
Bをその傾斜角度を固定して攪拌軸8に取付ける代わり
に該攪拌軸8の軸線に対する傾斜角度θを変更可能に取
付けてもよいし、また、この構成と組み合わせて、前記
したようなパドル7の回転数を可変に設けた構成を採用
してもよい。このようにした場合は、原料の攪拌状態や
送り状態、滞留時間等をさらに緻密に制御することがで
きる。
【0079】次に、図10〜図12に基づいて本発明の
活性炭製造装置の異なる実施例を説明する。この実施例
は、原料(被熱処理物)攪拌用の攪拌翼としてのパドル
を攪拌軸に反製品排出口側へ向かわせる方向に向けて取
付け、熱処理室はその一端側から他端側に延びる軸線が
水平線となす角度が可変となるように回動自在に支持し
て設け、かつ、熱処理室の内壁底面が製品排出口側が原
料供給口側よりも低位となるように傾斜させて設けた場
合を示すものである。
【0080】図10は前記の図1に対応して示す活性炭
製造装置の縦断正面図、図11は図10のC〜C線矢視
断側面図、図12は図10の攪拌軸及び攪拌翼部分の拡
大図である。なお、これらの図において、前記図1〜図
3に示す実施例の活性炭製造装置と同一又は相当する部
分には同一符号を付しその部分の説明は省略する。
【0081】この実施例では、活性炭製造装置1Aの熱
処理室2、熱処理室2の内壁面の形状、熱処理室内部に
設けた攪拌軸8、攪拌翼(パドル)7、及び熱風室12
の構造は前記の図1、図2の活性炭製造装置1と全く同
様に構成されているが、攪拌軸の回転方向は図1、図2
の実施例とは逆方向とされているものである。
【0082】図10〜図12において、正面視で熱処理
室2、即ち、ケーシング2aの一端側から他端側に延び
る方向の長手方向のほぼ中央位置において(図10参
照)、また、側面視でケーシング2aの両外側において
(図11参照)、ケーシング2aには水平状に伸びた回
動軸21Aが固着されて取付けられており、該回動軸2
1Aの軸端は支柱20Aに回動自在に軸承されている。
該回動軸21Aの一方側にはピニオン(小歯車)22が
軸21Aと一体に取付けられている。また、該ピニオン
22と噛み合わされてギヤ(大歯車)23がそれを一体
に取付けた軸を介して該支柱20Aに連結したブラケッ
トに回転自在に軸承されて(図示せず)取付けられてお
り、該ギヤ23の回動軸の端部にはケーシング2a、1
2a(熱処理室2、熱風室12)を傾斜させるための回
転ハンドル24が取付けられている。これら回動軸21
A、ピニオン22、ギヤ23及び回転ハンドル24等は
ケーシング傾斜装置を構成している。
【0083】ケーシング傾斜装置の回転ハンドル24を
所望方向に回転させることにより、活性炭装置1Aのケ
ーシング2a、即ち、熱処理室2を回動軸21Aを回動
中心として回動させて図10に示すようにその一端側か
ら他端側に延びる方向の軸線(長手方向の軸線)が水平
な状態(軸線HL)から0〜90°の範囲で熱処理室2
の内壁面2cの底面が製品排出口側が原料供給口側より
も低くなるように傾ける(軸線DL)ことができる。図
10においてHLは熱処理室2の長手方向の軸線が水平
状態(攪拌軸8の長手方向の軸線が水平状態にある状
態)にある場合を示し、DLは熱処理室の長手方向の軸
線が該水平状態にある軸線(水平線)に対して所定角度
(β)傾斜された状態を示す。
【0084】ケーシング傾斜装置には図示しないケーシ
ング傾斜固定保持手段が設けられており、熱処理室2の
傾斜を所定角度(β)に設定した後、該固定保持手段に
よって熱処理室2を一定の傾斜角度に固定保持可能とさ
れている。
【0085】しかして、この実施例の活性炭製造装置1
Aでは、攪拌軸8に軸方向にほぼ等間隔に多数取付けら
れた攪拌翼としてのパドル7は、攪拌軸8にその全てが
原料(被熱処理物)を反製品排出口4a側、即ち、原料
供給口3aへ向かわせる方向に向けられて取付けられて
いる。即ち図示の場合のように攪拌軸8及びパドル7の
回転方向が製品排出口4a側から見て時計方向(右回
転)である場合に、図10に示すように攪拌軸8の手前
に取付けられたパドル7は上端側を原料供給口3a側に
所定角度傾かせて、一方攪拌軸8の後ろ側のパドル7は
その逆側方向の上端側が製品排出口4a側に所定角度傾
かせて、攪拌軸8に取付けられている。
【0086】このような状態でパドル7が設けられるこ
とにより、攪拌軸8を回転させることによりパドル7は
原料供給口3aからケーシング2内に送入された原料を
反製品排出口4a側、即ち、原料供給口3a側へ向かわ
せながら混合して攪拌することができる。そして、その
ようにして攪拌される原料をケーシング傾斜装置で熱処
理室2の内壁2cの底面が製品排出口4a側が原料供給
口3a側よりも低位となるように熱処理室2を角度βだ
け傾斜させて設定することにより、重力によって製品排
出口4a側へ移動させることができる。
【0087】このように構成されたこの実施例の活性炭
製造装置1Aの作動を説明する。活性炭製造装置1Aの
ケーシング傾斜装置のハンドル24を所定方向に回転さ
せることによって、ケーシング2a、即ち、熱処理室2
を、図10の状態の熱処理室2の長手方向の軸線が水平
な状態(軸線HL)から所定角度β、例えば20°傾斜
させた状態(軸線DL)とし、熱処理室2の内壁面2c
の底面が製品排出口4a側を原料供給口3a側よりも低
位となるように設定する。
【0088】活性炭製造装置1Aの減速機付き電動機1
6を駆動して攪拌軸8を図示回転方向に回転させると、
攪拌翼としてのパドル7が所定回転数で回転する。この
状態で熱風供給管13を通して温度が約1000℃の高
温熱風が熱風室12に供給される。この熱風としては例
えば熱風炉で発生された熱ガスなど、酸素濃度の低い燃
焼ガスなどが使用される。
【0089】該熱風室12に供給された約1000℃の
高温熱風は熱処理室2の下部(底部)の原料供給口3a
寄りに耐火物2bを上下に貫通して多数設けた熱風流入
口としての熱風噴出口6から熱処理室2内に噴出流入さ
れる。熱処理室2の下部(底部)は熱風室12が面して
いるので均等に加熱され熱処理室2内部の水蒸気反応等
の高温吸熱反応に必要な高温が効果的に保持される。
【0090】一方、賦活反応用ガスとして例えば10Kg
/cm2、180℃のスチーム(水蒸気)が水蒸気供給管1
4aから回転継ぎ手14を通して攪拌軸8内部の水蒸気
供給路10に送られ、さらに軸方向に沿って多数設けら
れている各々の水蒸気噴出ノズル11から熱処理室2の
内部に噴出される。そして、原料が図示しない輸送装置
によって原料供給管3に送られて原料供給口3aから熱
処理室2内に連続して送給される。
【0091】原料は図示しない輸送装置によって原料供
給管3に送られて原料供給口3aから熱処理室2内に連
続して送給され、該原料は熱処理室2内で所定の充填率
(フルネス)と所定の滞留時間を保った状態で回転して
いるパドル7の作用で攪拌、混合されると共に反製品排
出口側、即ち原料供給口3a側に向う送り作用が与えら
れつつ、熱処理室2がその内壁面2cの底面が製品排出
口4a側を原料供給口3a側よりも低位になるように傾
斜されて設定されていることにより、重力の該傾斜方向
の分力により一部の原料は製品排出口4a側に向かって
流されて送られる。これによって原料には必要な滞留時
間が付与される。
【0092】しかして、原料は、熱処理室2内において
製品排出口4aに到達するまでの間において、熱処理室
2内で回転している攪拌軸8に取付けられた多数のパド
ル7の回転により強制的に攪拌されることにより良好に
掻き混ぜられて固体表面が随時更新され、熱風室12か
ら熱処理室2底部に原料供給口3a寄りの位置に多数設
けた熱風噴出口6から熱処理室2内に噴出流入して熱処
理室2内で製品排出口側に位置する排ガス排出口5aへ
と流れる高温熱風との接触が均一に行われると共に、攪
拌軸8に軸方向に沿って多数設けた水蒸気噴出ノズル1
1から噴出される水蒸気との接触も均一に行われて気固
接触が良好に行われることにより、物質移動及び熱移動
が促進されて固体の熱処理(乾留炭化作用及び又は賦活
作用)が全体的に均一に行われ、均質の活性炭(製品)
が生成される。
【0093】そして、この実施例でも、パドル7の大き
さ、及び、熱処理室2の該パドル7を取り巻く内壁面が
占める容積は、それぞれ互いに相応されて、反製品排出
口(原料供給口3a)側が大きくされ製品排出口4a側
を小さくされて反製品排出口から製品排出口側にかけて
漸次小さくなるように変化されて形成されているので、
反製品排出口(原料供給口)から製品排出口側にかけて
減容変化する原料固体の容積に応じて最適な攪拌が行わ
れ、原料固体の熱処理が原料供給口側で開始されてから
製品排出口側で終わるまでに均一に攪拌されて前記気固
接触が良好に行われ、物質移動及び熱移動が促進されて
固体の乾留(炭化)作用及び又は賦活反応の熱処理が全
体的に均一に行われ、均質の活性炭の製品が生成され
る。
【0094】そしてまた、本実施例では、上記のような
熱処理において、熱処理室2の傾斜角度をケーシング傾
斜装置の回転ハンドル24を回転させて最適化すること
により多種多様な原料に対して最適な滞留時間を制御で
きるので、原料性状に基づいた最適な気固接触性を確保
して物質移動、熱移動を促進するように制御することが
でき、原料を均一に熱処理することができる。熱処理室
2の傾斜角度を大きくすれば原料の滞留時間を短く、傾
斜角度を小さくすれば原料の滞留時間を長くすることが
できる。
【0095】生成された活性炭は熱処理室2の他端側の
製品排出口4aを通って製品排出管4から排出される。
熱処理により発生される約900℃の排ガスは熱処理室
2の上部の空間部(空塔部)で、又は、平らな天井面と
の接触や衝突によって固体が分離された後、熱処理室2
の製品排出口側に設けられた排ガス排出管5から取り出
され、図示しない下流位置で集塵作用や熱回収作用等を
受け、或いは、適宜の他の設備の燃料用ガスとして再使
用される等して処理される。
【0096】また、原料がこのような熱処理を受ける過
程において、原料の攪拌は前記パドル7の回転による攪
拌に加えて、パドル7を取付けた攪拌軸8には水蒸気噴
出ノズル11が軸方向に沿う多数位置でそれぞれ軸周4
等分位置に設けられていることにより、また、熱処理室
2の原料供給口寄りの下部の真下に熱風噴出口6が設け
られていることにより、該噴出ノズル11及び熱風噴出
口6が位置する部分の熱処理室2の内面には原料が存在
していることにより、該軸方向に沿う多数位置でそれぞ
れ攪拌軸8の周囲4等分位置に存在した噴出ノズル11
から噴出される水蒸気の噴出作用によって、及び、原料
供給口寄り位置で多数設けられた該熱風噴出口6から熱
処理室2内部の上方に向けて噴出流入される高温熱風の
噴出作用によっても原料の攪拌が助長、促進され、固体
表面の更新がより促進されて良好に行われ該物質移動、
熱移動、及び、それに伴う反応が効果的に促進される。
【0097】この実施例においても、熱風噴出口(熱風
噴出ノズル)6から熱処理室2内に噴出流入する熱風の
流速を原料固体の流動化開始速度以上に保つことによ
り、原料固体を流動化状態とし伝熱係数を高められるよ
うになされている。
【0098】また、この実施例では、多数のパドル7は
攪拌軸8に回転方向に対してその全てを原料が反製品排
出口4a側に向かわせるような方向に取付けられてお
り、かつ、熱処理室2がその内壁面2cの底面が製品排
出口4a側が原料供給口3a側よりも低位となるように
傾斜されて設けられて原料の製品排出口4a側への送り
は重力のみにより行われるようにしたので、前記パドル
による本来の原料の攪拌作用に加え、原料の反製品排出
口4a側への移動と原料の重力による製品排出口4a側
への移動による原料同士の接触によっても気固接触性が
良好に保たれる。
【0099】ここで、この実施例の活性炭製造装置1A
を用いて原料(活性炭前駆体)として有機性廃棄物であ
るビール粕から活性炭を製造する場合を説明すると、ケ
ーシング傾斜装置によって熱処理室2をその長手方向の
軸線と水平線とのなす角度βが熱処理室2の内壁面2c
の底面の傾斜角度α(5〜10°)よりも大きい角度の
例えば25〜30°になるように傾斜させ、かつ、その
熱処理室2の内壁面2cの底面が製品排出口4a側が原
料供給口3a側よりも低位となるように設定した場合に
おいて、例えば水分が10%、比表面積が約0m2/gのビ
ール粕が原料供給管3から熱処理室2内に供給されると
ともに、賦活反応用ガスとして例えば10Kg/cm2、18
0℃の飽和蒸気が水蒸気供給管14aに供給され、さら
に約1000℃の高温熱風が熱風供給管13から熱風室
12に供給され、該熱風室12から多数の熱風噴出口6
を通して熱処理室2内に噴出供給される。
【0100】しかして、熱処理室2内に供給された該ビ
ール粕は、前記パドル7による攪拌作用、反製品排出口
側へ向かう作用、及び、熱処理室2の傾斜による製品排
出口側への重力による移動作用を被りつつ、また、水蒸
気噴出ノズル11から噴出される水蒸気及び熱風噴出口
6から噴出される熱風による攪拌作用、さらには原料の
反製品排出口側への移動と原料の重力による製品排出口
側への移動による原料同士の衝突、接触による攪拌作用
も加えられて被りつつ、所定の滞留時間を保たれて製品
排出口側へ送られながら、熱処理室2の該原料供給口側
部分では主として該約1000℃の高温熱風(酸素濃度
の低い燃焼ガス)による高温度雰囲気により、該ビール
粕固体温度が例えば約600℃とされて乾留されて炭化
され炭化物が生成される。
【0101】該生成された炭化物は該乾留作用に引き続
いて熱処理室2のその後半(下流)部分において該10
00℃の高温熱風が温度降下した920〜950℃程度
の高温熱風により、及び、該10Kg/cm2、180℃の水
蒸気の供給を受けて炭化物は例えば約850℃とされ前
記式1で表されるように炭素分と水蒸気が反応(吸熱反
応)することにより賦活されて微細な細孔の発達した収
率20%(原料無水ベース)、比表面積400m2/gの活
性炭が製造される。該活性炭は製品排出口4aを通り製
品排出管4から取り出される。このように乾留及び賦活
の熱処理が行われた後の排ガスは温度約900℃で排ガ
ス排出管5から排出される。
【0102】なお、このように原料(活性体前駆体)を
ビール粕等の有機性廃棄物として活性炭を製造する場合
には、熱処理室2の該原料供給口側では水蒸気賦活反応
は殆ど行われることはないので、熱処理室2内の攪拌軸
8の原料供給口側における水蒸気噴出ノズル11は設け
なくてもよいか、或いは、その取付け個数を図10に示
したものより少なくしてもよい。
【0103】一方、原料(活性体前駆体)として、例え
ばビール粕等の有機性廃棄物を既に乾留等して得た炭化
物など、既に得られている炭化物からこの実施例の活性
炭製造装置1を用いて活性炭を製造する場合には、熱処
理室2の傾斜角度βを例えば前記と同様に30°とし
て、例えば水分が約0%、比表面積が約8m2/gの炭化物
が原料供給管3から熱処理室2内に供給されるととも
に、賦活反応用ガスとして例えば10Kg/cm2、180℃
の飽和蒸気が水蒸気供給管14aに供給され、さらに約
1000℃の高温熱風が熱風供給管13から熱風室12
に供給され、該熱風室12から多数の熱風噴出口6を通
して熱処理室2内に噴出供給される。
【0104】しかして、熱処理室2内に供給された該炭
化物は、前記パドル7による攪拌作用を被りつつ、ま
た、水蒸気噴出ノズル11から噴出される水蒸気及び熱
風噴出口6から噴出される熱風による攪拌作用も加えら
れて被りつつ、製品排出口側へ送られながら、熱処理室
2内において該約1000℃の高温熱風(酸素濃度の低
い燃焼ガス)及び該10Kg/cm2、180℃の水蒸気の供
給を受けて該炭化物温度は例えば約850℃とされ前記
式1で表されるように炭素分と水蒸気が反応(吸熱反
応)することにより賦活されて微細な細孔の発達した収
率80%(炭化物無水ベース)、比表面積400m2/gの
活性炭が製造される。該活性炭は製品排出口4aを通り
製品排出管4から取り出される。このように乾留及び賦
活の熱処理が行われた後の排ガスは温度約900℃で排
ガス排出管5から排出される。
【0105】以上のとおり、この実施例の活性炭製造装
置1においても、熱処理室2の内部は1000〜900
℃程度の高温になり、攪拌軸8の強度が問題となるが、
攪拌軸8はその内部に賦活反応用ガス供給路としての水
蒸気供給路10が軸方向に延在させて設けられ、それに
連通されて攪拌軸8に設けられた水蒸気噴出ノズル11
から該水蒸気が熱処理室2内部に噴出されていることに
より、該攪拌軸8内部には例えば温度が180℃程度の
水蒸気が絶えず流通している。このことにより該攪拌軸
8は常に冷却され、高温の熱処理室内の攪拌や高温反応
に十分耐え得る構造とされる。また、水蒸気噴出ノズル
11から噴出される該水蒸気によってパドル7にも冷却
作用が及ぼされる。
【0106】以上の図10〜図12に示す実施例装置に
おいては、攪拌翼7の回転数を固定した場合を示した
が、減速機付き電動機16の代わりに、可変速式の減速
機付き電動機として攪拌軸8の回転数を可変に設けてパ
ドル7の回転数を可変とすれば、原料の攪拌状態や反製
品排出口側への送り状態を調整して滞留時間等を更に緻
密に制御することもできる。回転数を大きくすれば原料
の攪拌状態はより活発になり、また、原料の反製品排出
口側への送り作用がより活発になり重力による原料の製
品排出口側への移動力が弱くなり、滞留時間は大きくな
る。逆に、回転数を小さくすれば、原料の攪拌状態は弱
くなると共に原料の反製品排出口側への送り作用が弱ま
り重力による原料の製品排出口側への移動力が強まり、
滞留時間は小さくなる。
【0107】また、以上の図10〜図12に示す実施例
では、パドル7は攪拌軸8の軸方向の1か所に1個設
け、軸方向に隣り合うパドルを位相を角度180°ずら
して取付けた場合を示したが、この実施例のパドル7に
代えて、図13に示すように攪拌軸8の軸方向の1か所
に2個以上設ける等してもよい。
【0108】また、以上の図10〜図12に示す実施例
では、パドル7は軸方向視の形状を扇形とした場合を示
したが、例えばその中間部をくり抜いてほぼ円環状に形
成したり、或いは、図14に示すようにパドル7Aを所
要の幅を有した半円弧状(ブーメラン状又はリボン状)
に形成して攪拌軸8に支持棒7aで取付け固定する等し
て、隣り合うパドル間の熱風、或いは原料の軸方向の流
通をより促進させて気固接触を促進させるようにしても
よい。
【0109】また、以上の図10〜図12に示す実施例
では、ケーシング傾斜装置をピニオン22、ギヤ23で
なる歯車装置で構成した場合を示したが、その他の傾斜
装置であってもよいことは勿論である。
【0110】そして、以上の図10〜図12に示す実施
例では、パドルは攪拌軸8にその軸線に対する傾斜角度
を固定して取付けた場合を示したが、図15及び図1
6、図17及び図18のそれぞれの実施例のようにパド
ル7Bを攪拌軸8に該攪拌軸8の軸線に対する傾斜角度
θを可変(変更可能)に取付けてもよい。
【0111】即ち、図15及び図16に示すように、パ
ドル7Bは、基部をパドル7Bの内側中央部に接続固設
し外周面に雄ネジを螺設して形成したパドル軸7aを攪
拌軸8に直交させて挿通し、該パドル軸7aの攪拌軸8
を挟む両側位置をナット7bで締め付けて攪拌軸8に取
付けることにより、攪拌軸8にその軸線に対する傾斜角
度θを変更可能に取付けてもよい。パドル7Bは平板状
であり、かつ、図16に示すように側面視で直径方向に
所要の幅を有し略半円環状(ブーメラン状又はリボン
状)に形成されている。
【0112】このように、パドル7Bを攪拌軸8に該攪
拌軸8の軸線に対する傾斜角度θを変更可能に取付けた
場合には、上記のような熱処理は、図15においてパド
ル7Bの傾斜角度θを0(零)°よりも大きく90°よ
りも小さい範囲で適当な角度に調整して最適な攪拌状
態、反製品排出口側への送り状態を調整して滞留時間を
調整することができるため、原料の性状に応じて、又
は、種類の異なる種々の原料に対して最適な条件で行わ
せることができる。
【0113】図15において、攪拌軸8(パドル7)の
回転方向を同一として、上記パドル7Bの傾斜角度θを
大きくすれば、即ち、パドル7Bをより立てれば、攪拌
力及び反製品排出口側への送り速度は小さくなり、熱処
理室2はその内壁面2cの底面が製品排出口側が原料供
給口側よりも低位となるように傾斜設定されパドル7B
は原料が反製品排出口側へ向けて移送されるように取付
けられて原料は重力の作用のみにより製品排出口側へ送
られるため、滞留時間は短くなる。また、逆に、パドル
7Bの傾斜角度θを小さくすれば、即ち、パドル7Bを
より寝せれば、攪拌力及び反製品排出口側への送り速度
は大きくなり、滞留時間は長くなる。
【0114】そして、この実施例では、攪拌軸8の軸方
向の各位置に取付けたパドル7Bはその傾斜角度θを該
各位置によって変えることにより、熱処理室2内の原料
の挙動を調整して熱処理条件を調整するようにすること
ができる。例えば、原料供給口3a側に位置するパドル
7Bはその傾斜角度θを大きくして反製品排出口側への
原料の送り速度を小さくして供給された原料が熱処理室
の傾斜による重力の作用で確実に熱処理室2内で製品排
出口4a側に送られるように原料の製品排出口4a側へ
の送りを促進させるようにし、製品排出口4a側に位置
するパドル7Bはその傾斜角度θを小さくして原料の反
製品排出口側への送り速度を大きくして熱処理室2の傾
斜による重力の作用によって原料が徒に早く熱処理室2
内を通過しないように原料の製品排出口4a側への送り
に所要の抵抗を与えるようにして滞留時間を所望のもの
に調整するようにすることもできる。また、逆に、もし
原料供給口3a側での滞留時間が不十分な場合は原料供
給口3a側のパドル7Bの傾斜角度θを小さくして反製
品排出口側への原料の送り速度を早くするようにして滞
留時間を所望のものに調整することもできる。
【0115】なお、このようなパドル7Bの攪拌軸8に
対する取付傾斜角度θの調整は、攪拌軸8の軸方向の各
々の位置に取付けられるパドル7Bについて全て同一の
角度とするように調整することもできるし、該軸方向の
各々の位置のパドル7Bについて、或いは、軸方向に隣
合う所定位置の区間に位置する複数のパドル7B毎につ
いて、それぞれ角度を変えるようにして調整することに
より、原料に対して最適な熱処理条件となるように調整
することができる。そして、このようなパドル7Bの傾
斜角度θの調整作業はパドル軸7aに螺合したナット7
bを緩めたり締めたりして容易に行うことができる。
【0116】図17及び図18は、パドル7Bを攪拌軸
8の軸方向の1か所に2個設けた場合を示すものであ
る。この場合、パドル7Bは図18に示すように攪拌軸
8に取付けた取付ボス25にパドル軸26をねじ込んで
ロックナット27により回り止め固定することにより攪
拌軸8に攪拌軸8の軸線に対する傾斜角度θを変更可能
に取付ける。
【0117】なお、図10〜図3の活性炭製造装置の実
施例においても、上記のようにパドル7Bをその傾斜角
度を固定して攪拌軸8に取付ける代わりに該攪拌軸8の
軸線に対する傾斜角度θを変更可能に取付けてもよい
し、また、この構成と組み合わせて、前記したようなパ
ドル7の回転数を可変に設けた構成を採用してもよい。
このようにした場合は、原料の攪拌状態や反製品排出口
側への送り状態、滞留時間等をさらに緻密に制御するこ
とができる。
【0118】一方、以上の図1及び図10で示した実施
例の活性炭製造装置は、熱処理室2内に攪拌軸8を水平
状に配し熱処理室2の内壁面2cの底面は原料供給口側
から製品排出口側にかけて上り坂として水平線に対して
角度αで傾斜させて形成した場合を示したが、図19及
び図20に示すように、熱処理室2内に攪拌軸8を水平
線(水平面)に対して傾斜させて配し、熱処理室2の内
壁面2cの底面は水平状として形成させ、該攪拌軸8に
軸方向に所定の間隔をおいてパドル7を原料供給口側を
直径を大きく製品排出口側を直径を小さくなるようにし
て原料供給口側から製品排出口側へかけてその大きさ
(外形)が漸次小さくなるように設け、かつ、熱処理室
2のパドル7を囲む内壁面2cの両側の壁面を熱処理室
2の原料供給口側から製品排出口側へかけて漸次互いに
絞られて形成させる(図20参照)ことにより、該攪拌
軸8に間隔をおいて取付けた多数のパドル7の大きさ
と、該熱処理室2の内壁面2cの該パドル7を取り囲む
部分の内容積を互いに相応させて形成させたものでもよ
い。
【0119】以上の活性炭製造装置の実施例では、賦活
反応用ガス供給口としての水蒸気噴出ノズル11は攪拌
軸8の軸方向に沿う多数個所の周面に多数取付け場合を
示したが、この代わりに、熱処理室2内に外部から賦活
反応用ガス供給管を別途に挿通、取付けして熱処理室2
内で該賦活反応用ガス供給管の途中及び又は端部に賦活
反応用ガス供給口を多数、位置開口させて設けるなどし
てもよいものである。
【0120】また、以上の実施例では、賦活反応用ガス
として水蒸気を用いた場合を示したが、賦活反応用ガス
としては炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスも用いるこ
ともできる。
【0121】以上の実施例では、被熱処理物としての原
料が有機性廃棄物であり、該有機性廃棄物がビール粕で
ある場合について説明したが、本発明では、有機性廃棄
物として、コーヒー粕等の食品性廃棄物、或いは廃プラ
スチック、廃タイヤ等の高分子系廃棄物等であってもよ
い。また、被熱処理物としての原料が炭化物であり、該
炭化物が該有機性廃棄物を乾留して得られたような炭化
物である場合を説明したが、木炭等、他の材料を乾留し
て得られた炭化物であってもよいものである。
【0122】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明は
次のような優れた効果を奏する。
【0123】請求項1の構成では、熱処理室内でパドル
等の攪拌翼により有機性廃棄物等の被熱処理物を強制攪
拌させて固体表面を随時更新させることができるため、
高温熱風及び水蒸気等の賦活反応用ガスとの接触を均一
に行わせることができる。即ち、熱処理において気固接
触を良好に行わせて物質移動及び熱移動を促進し、焼き
ムラのなくして熱処理を均一に行わせることができる。
従って、均質な活性炭等の熱処理製品を得ることができ
る。
【0124】そして、請求項1の構成では特に攪拌翼の
大きさ、及び、熱処理室の該攪拌翼を取り巻く内部の容
積を、それぞれ互いに相応させて、反製品排出口側を大
きくし製品排出口側を小さくして反製品排出口から製品
排出口側にかけて漸次小さくなるように変化させて形成
させたことにより、反製品排出口側から製品排出口側に
かけて減容変化する被熱処理物の容積に応じた最適な攪
拌を実現させることができ、即ち、被熱処理物の熱処理
が被熱処理物(原料)供給口側で開始されてから製品排
出口側で終わるまでに被熱処理物を均一に攪拌させて前
記気固接触を良好に行わせることができるので、物質移
動及び熱移動を促進させて固体の乾留作用及び又は賦活
反応等の熱処理を均一に行わせることができる。従っ
て、均質の活性炭等の製品を得ることができる。
【0125】請求項2の構成では、攪拌軸に軸方向に沿
って間隔をおいて多数設けた噴出ノズルから水蒸気等の
賦活反応用ガスが熱処理室内で被熱処理物供給口側から
製品排出口側にかけて均等に被熱処理物に噴出供給され
るので、被熱処理物固体と賦活反応用ガスとの接触を均
一に行わせることができ、気固接触を良好に行わせて一
層均等な熱処理を行わせることができる。
【0126】また、該多数の賦活反応用ガス供給口から
熱処理室内に噴出される賦活反応用ガスの噴出作用によ
っても該被熱処理物の攪拌が助長、促進され、固体表面
の更新を良好に行わせて該物質移動、熱移動、及び、そ
れに伴う反応を効果的に行わせることができる。
【0127】そして、熱処理室は高温になるが攪拌軸の
内部には軸方向に延在して該賦活反応用ガス供給口と連
通した賦活反応用ガス流通路が設けられていることによ
り、該賦活反応用ガス流通路の中を流れる熱処理室内の
高温度よりもかなり低温の賦活反応用ガスによって攪拌
軸を冷却させ、また、該賦活反応用ガス供給口から噴出
される該かなり低温の賦活反応用ガスによって該賦活反
応用ガス供給口付近の攪拌翼を冷却させることができ、
該攪拌軸及び攪拌翼を高温反応に十分耐え得るように構
成させることができる。
【0128】一方、該攪拌軸は、攪拌翼の回転駆動手
段、賦活反応ガス供給手段、及び、攪拌軸自体と攪拌翼
の冷却手段を兼ねるので、熱処理室内に別途、攪拌軸用
及び攪拌翼用の冷却手段、及び、賦活反応用ガスの供給
手段を設ける必要がなくなり、熱処理室内の構成を簡略
することができる。
【0129】請求項3の構成では、上記請求項1又は2
の効果に加えて、攪拌翼の本来の強制攪拌作用に加え製
品排出口側へ送られる被熱処理物と反製品排出口側へ送
られる被熱処理物を衝突させることにより、被熱処理物
同士の掻き混ぜ及び被熱処理物固体表面の更新をより活
発にし、該被熱処理物と熱風及び賦活反応用ガスとの気
固接触状態をより良好なものとすることができる。
【0130】請求項4の構成では、前記請求項1による
効果に加えて、攪拌翼による本来の被熱処理物の攪拌作
用に加え被熱処理物の反製品排出口側への移動と重力に
よる製品排出口側への移動による被熱処理物同士の接
触、衝突によっても気固接触性が良好に保たれる一方、
熱処理室の傾斜角度を最適化することにより、多種多様
な原料に対して最適な滞留時間を制御でき、原料性状に
基づいた最適な気固接触性を確保して物質移動、熱移動
を促進するように制御することにより、被熱処理物を均
一に熱処理するようにすることができる。
【0131】請求項5の構成では、前記請求項4による
効果に加えて、攪拌軸に軸方向に沿って間隔をおいて多
数設けた噴出ノズルから水蒸気等の賦活反応用ガスが熱
処理室内で被熱処理物供給口側から製品排出口側にかけ
て均等に被熱処理物に噴出供給されるので、被熱処理物
固体と賦活反応用ガスとの接触を均一に行わせることが
でき、気固接触を良好に行わせて一層均等な熱処理を行
わせることができる。
【0132】また、該多数の賦活反応用ガス供給口から
熱処理室内に噴出される賦活反応用ガスの噴出作用によ
っても該被熱処理物の攪拌が助長、促進され、固体表面
の更新を良好に行わせて該物質移動、熱移動、及び、そ
れに伴う反応を効果的に行わせることができる。
【0133】そして、熱処理室は高温になるが攪拌軸の
内部には軸方向に延在して該賦活反応用ガス供給口と連
通した賦活反応用ガス流通路が設けられていることによ
り、該賦活反応用ガス流通路の中を流れる熱処理室内の
高温度よりもかなり低温の賦活反応用ガスによって攪拌
軸を冷却させ、また、該賦活反応用ガス供給口から噴出
される該かなり低温の賦活反応用ガスによって該賦活反
応用ガス供給口付近の攪拌翼を冷却させることができ、
該攪拌軸及び攪拌翼を高温反応に十分耐え得るように構
成させることができる。
【0134】一方、該攪拌軸は、攪拌翼の回転駆動手
段、賦活反応ガス供給手段、及び、攪拌軸自体と攪拌翼
の冷却手段を兼ねるので、熱処理室内に別途、攪拌軸用
及び攪拌翼用の冷却手段、及び、賦活反応用ガスの供給
手段を設ける必要がなくなり、熱処理室内の構成を簡略
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性廃棄物の高温熱処理装置として
の活性炭製造装置の実施例に係る縦断正面図である。
【図2】図1のA〜A線矢視断側面図である。
【図3】図2の攪拌軸及び攪拌翼部分の拡大図である。
【図4】図1に示した実施例の活性炭製造装置に適用さ
れる攪拌軸へのパドルの他の取付要領を示す実施例であ
り、(A)は図1に対応して示す部分正面図、(B)は
(A)の右側面図である。
【図5】図1に示した実施例の活性炭製造装置に適用さ
れる攪拌軸へ取付けるパドルの他の形状の実施例を示す
ものであり、(A)は図1に対応して示す部分正面図、
(B)は(A)の右側面図である。
【図6】図1に示した実施例の活性炭製造装置に適用さ
れる攪拌軸へのパドルの他の取付要領を示す実施例であ
り、図1に対応して示す部分拡大正面図である。
【図7】図6のB〜B線矢視断側面図である。
【図8】図1に示した実施例の活性炭製造装置に適用さ
れる攪拌軸へのパドルの他の取付要領を示す実施例であ
り、(A)は図1に対応して示す部分正面図、(B)は
(A)の右側面図である。
【図9】図8(B)の拡大図である。
【図10】本発明の有機性廃棄物の高温熱処理装置とし
ての活性炭製造装置の異なる実施例を図1に対応して示
す縦断正面図である。
【図11】図10のC〜C線矢視断側面図である。
【図12】図12の攪拌軸及び攪拌翼部分の拡大図であ
る。
【図13】図10に示した実施例の活性炭製造装置に適
用される攪拌軸へのパドルの他の取付要領を示す実施例
であり、(A)は図1に対応して示す部分正面図、
(B)は(A)の右側面図である。
【図14】図10に示した実施例の活性炭製造装置に適
用される攪拌軸へ取付けるパドルの他の形状の実施例を
示すものであり、(A)は図1に対応して示す部分正面
図、(B)は(A)の右側面図である。
【図15】図10に示した実施例の活性炭製造装置に適
用される攪拌軸へのパドルの他の取付要領を示す実施例
であり、図1に対応して示す部分拡大正面図である。
【図16】図15のD〜D線矢視断側面図である。
【図17】図10に示した実施例の活性炭製造装置に適
用される攪拌軸へのパドルの他の取付要領を示す実施例
であり、(A)は図1に対応して示す部分正面図、
(B)は(A)の右側面図である。
【図18】図17(B)の拡大図である。
【図19】本発明の有機性廃棄物の高温熱処理装置とし
ての活性炭製造装置のさらに異なる実施例を図1に対応
して示す概略縦断正面図である。
【図20】図19のE〜E線矢視断側面図である。
【符号の説明】
1、1A 活性炭製造装置(高温熱処理装置) 2 熱処理室 2a ケーシング 2b 内張り耐火物 2c 内壁面 3 原料供給管 3a 原料供給口 4 製品排出管 4a 製品排出口 5 排ガス排出管 5a 排ガス排出口 6 熱風噴出口(熱風流入口) 7、7A、7B パドル(攪拌翼) 8 攪拌軸 10 水蒸気(賦活反応用ガス)供給路 11 水蒸気(賦活反応用ガス)噴出ノズ
ル 12 熱風室 12a ケーシング 12b 内張り耐火物 13 熱風供給管 16 減速機付き電動機 20、20A 支持脚(支柱) 21 ケーシング支持ブラケット 21A ケーシング支持回動軸 22 ピニオン 23 ギヤ 24 回転ハンドル HL 熱処理室の長手方向の軸線(水平状
態にある軸線) DL 熱処理室の長手方向の軸線(所定角
度傾斜されたときのの軸線) α 熱処理室の内壁面の底面の水平線に
対する傾斜角度 β 活性炭製造装置(熱処理室及び熱風
室)の水平線に対す る傾斜角度 θ パドルの攪拌軸の軸線い対する傾斜
角度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性廃棄物を乾留及び賦活処理し又は
    該有機性廃棄物等から得られた炭化物等を賦活処理して
    活性炭等を得る有機性廃棄物等の高温熱処理装置であっ
    て、一端側から他端側に延びた熱処理室の該一端側に被
    熱処理物供給口を設け、該熱処理室の該他端側に熱処理
    を終えた製品排出口と排ガス排出口を設け、該熱処理室
    に熱風流入口を設け、該熱処理室内に賦活反応用ガス供
    給口を開口させて設け、該熱処理室の内部で熱処理室の
    該一端側から他端側に延在させて回転可能に設けた攪拌
    軸に軸方向に間隔をおいて被熱処理物攪拌用の攪拌翼を
    多数設け、該攪拌翼は該攪拌軸に被熱処理物を製品排出
    口側へ向かわせる方向に向けて取付け、該熱処理室の内
    壁面の該攪拌翼を取り囲む部分の内容積、及び、該攪拌
    軸に軸方向に間隔をおいて取付けた多数の攪拌翼の大き
    さを、それぞれ互いに相応させて、被熱処理物供給口側
    を大きく製品排出口側を小さくするようにして漸次変化
    させて形成したことを特徴とする有機性廃棄物等の高温
    熱処理装置。
  2. 【請求項2】 該攪拌軸の内部に賦活反応用ガス供給路
    を該攪拌軸の軸方向に延在させて設け、該賦活反応用ガ
    ス供給口として該攪拌軸に該賦活反応用ガス供給路と連
    通し端部が該熱処理室内に開口した賦活反応用ガス噴出
    ノズルを軸方向に沿って多数設けたことを特徴とする請
    求項1の有機性廃棄物等の高温熱処理装置。
  3. 【請求項3】 前記攪拌軸に取付けた攪拌翼はその少な
    くとも一部をその取付方向を被熱処理物が反製品排出口
    側へ向かう方向に向けて取付けたことを特徴とする請求
    項1又は2の有機性廃棄物等の高温熱処理装置。
  4. 【請求項4】 有機性廃棄物を乾留及び賦活処理し又は
    該有機性廃棄物等から得られた炭化物等を賦活処理して
    活性炭等を得る有機性廃棄物等の高温熱処理装置であっ
    て、一端側から他端側に延びた熱処理室の該一端側に被
    熱処理物供給口を設け、該熱処理室の該他端側に熱処理
    を終えた製品排出口と排ガス排出口を設け、該熱処理室
    に熱風流入口を設け、該熱処理室内に賦活反応用ガス供
    給口を開口させて設け、該熱処理室の内部で熱処理室の
    該一端側から他端側に延在させて回転可能に設けた攪拌
    軸に軸方向に間隔をおいて被熱処理物攪拌用の攪拌翼を
    多数設け、該攪拌翼は該攪拌軸に被熱処理物を反製品排
    出口側へ向かわせる方向に向けて取付け、該熱処理室の
    内壁面の該攪拌翼を取り囲む部分の内容積、及び、該攪
    拌軸に軸方向に間隔をおいて取付けた多数の攪拌翼の大
    きさを、それぞれ互いに相応させて、被熱処理物供給口
    側を大きく製品排出口側を小さくするようにして漸次変
    化させて形成すると共に、該熱処理室はその一端側から
    他端側に延びる軸線が水平線となす角度を可変となるよ
    うに回動自在に支持して設け、かつ、熱処理室の内壁底
    面が該製品排出口側が被熱処理物供給口側よりも低位と
    なるように傾斜させて設けたことを特徴とする有機性廃
    棄物等の高温熱処理装置。
  5. 【請求項5】 該攪拌軸の内部に賦活反応用ガス供給路
    を該攪拌軸の軸方向に延在させて設け、該賦活反応用ガ
    ス供給口として該攪拌軸に該賦活反応用ガス供給路と連
    通し端部が該熱処理室内に開口した賦活反応用ガス噴出
    ノズルを軸方向に沿って多数設けたことを特徴とする請
    求項4の有機性廃棄物等の高温熱処理装置。
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Cited By (4)

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WO2001010978A1 (fr) * 1999-08-04 2001-02-15 Nkk Corporation Procede de traitement de dechets combustibles
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