JPH10258262A - 焼却灰処理装置 - Google Patents

焼却灰処理装置

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JPH10258262A
JPH10258262A JP6706497A JP6706497A JPH10258262A JP H10258262 A JPH10258262 A JP H10258262A JP 6706497 A JP6706497 A JP 6706497A JP 6706497 A JP6706497 A JP 6706497A JP H10258262 A JPH10258262 A JP H10258262A
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JP
Japan
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incineration ash
plasma
metal
plasma torch
reactor
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Application number
JP6706497A
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English (en)
Inventor
Mina Sakano
美菜 坂野
Motofumi Tanaka
元史 田中
Hideya Takita
秀也 滝田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Filing date
Publication date
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマの熱流を利用した焼却灰の還元反応が
効率よく行えるとともに、反応炉での焼却灰の供給や精
製した金属の選択回収が効率よく行え、しかも設備構成
が簡単で運用が容易に行えかつ運転コストの低廉化等も
図れる。 【解決手段】金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される反
応炉20と、反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラズ
マトーチ21と、プラズマトーチに還元ガスを供給する
還元ガス供給手段22と、反応炉で生成した金属を選択
回収する金属トラップ部23とを備えた焼却灰処理装置
であって、プラズマトーチの内壁に沿って水その他の液
体を流すプラズマトーチ内壁浄化手段46を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ等のごみ
焼却プラント、下水処理焼却プラント、石炭または石油
などの化石燃料を燃焼させる火力発電プラント等から排
出される焼却灰を処理する焼却灰処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、火力発電システムでは、化石燃
料である石炭や石油を燃料とし、ごみ焼却プラントでは
ごみを燃料とし、これらをボイラで燃焼させている。図
27は、このような火力発電プラントのシステム構成図
を例示したものである。
【0003】燃料貯蔵庫1は例えば石炭を貯蔵する貯炭
場等であり、この燃料貯蔵庫1から石炭等がボイラ2へ
送られ燃焼される。ボイラ2で燃焼された燃料は、燃焼
ガスとなって蒸発管3を加熱し、蒸発管3内の水を蒸気
とする。蒸気はさらに過熱器4を通って蒸気タービン5
に送られてこれを回転させ、回転軸上にある発電機6を
回転させて発電に至る。
【0004】一方、ボイラ2より排出された燃焼ガス
は、集塵器7を介して煙突8により大気に放出される。
集塵器7により集められた飛灰には、燃料中に含まれる
有害物質(鉛、カドミウム等)を含んでいるため、産業
廃棄物としての処理が必要となり、管理また処分場とし
ての灰捨場へ廃棄処分される。また、石炭を燃料とする
システムにおいては、ボイラ2に残留するボトムアッシ
ュについても同様の廃棄処分が必要となる。
【0005】ところで、このような従来の発電プラント
システムにおいては、燃料中に含まれる有害物質を産業
廃棄物として処理する必要が生じる。例えば、石炭火力
発電プラントシステムの場合には、年間、数万トンに及
ぶ石炭灰を排出し、その廃棄処理のため広大な埋め立て
処理場をプラント敷地内に確保しなければならない。ま
た、灰の飛散防止等の環境対策を施す必要があり、さら
には、産業廃棄業者への廃棄委託を行う必要も生じる。
【0006】したがって、火力発電プラントの所要敷地
および灰処理コストにより経済性を損うことになり、環
境規制の面からも廃棄物の無害化や減量化、さらには再
利用が望まれている。
【0007】一方、上述した焼却灰の中には、鉛やカド
ミウムといった有害金属だけではなく、アルミニウム、
バナジウム、ニッケルあるいはクロム等の利用価値の高
い有価金属も存在する。
【0008】このような有価金属を焼却灰から効率よく
回収することができれば、優れた資源リサイクルを行う
ことができる。
【0009】但し、これらの有価金属は、具体的には、
アルミナ、酸化バナジウム、酸化ニッケルあるいは酸化
クロム等の酸化物の状態で存在する。そこで、発明者等
においては、焼却灰の酸化反応を行なわせることによっ
て、焼却灰から有価金属を効率よく回収する技術を開発
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】焼却灰の還元処理を行
う方法としては種々の方法が考えられるが、高活性状態
となるプラズマの熱流を利用した還元反応を行う手段が
最も効率の良い方法として着目されている。
【0011】そこで、発明者においては、金属酸化物を
含んだ焼却灰が投される反応炉と、この反応炉内にプラ
ズマ熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマト
ーチに還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、反応炉
で精製した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置を既に提案している。このような焼却
灰処理装置の実用化に際しては、プラズマの熱流をより
有効に利用すること、焼却灰の供給や還元反応によって
精製した金属の選択回収等を効率よく行えること、比較
的簡単な設備構成によって円滑かつ低コストの運用が行
えること等の課題がある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、プラズマの熱流を利用した焼却灰の還元反応
が効率よく行えるとともに、反応炉での焼却灰の供給や
精製した金属の選択回収が効率よく行え、しかも設備構
成が簡単で運用が容易に行えかつ運転コストの低廉化等
も図れる焼却灰処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに請求項1の発明は、金属酸化物を含んだ焼却灰が導
入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成
するプラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガス
を供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した
金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処
理装置であって、前記プラズマトーチの内壁に沿って水
その他の液体を流すプラズマトーチ内壁浄化手段を設け
たことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、前記焼却灰を水その他の液体
との懸濁液の形で前記反応炉に供給する懸濁化手段を設
けたことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、請求項1記載のプラズマ内壁
浄化手段と、請求項2記載の懸濁化手段とを設けたこと
を特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、前記反応炉内にプラズマの点
弧開始時に予備電離を行わせる電離用の放射線照射手段
を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項5の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、前記プラズマトーチを高周波
誘導コイルによる誘導放電タイプとし、その高周波誘導
コイルを前記プラズマトーチの中心に対して異なる偏心
配置で巻回される複数の偏心巻回部を有することを特徴
する。
【0018】請求項6の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、前記プラズマトーチおよび金
属トラップ部内を低圧力化する手段を設けたことを特徴
とする。
【0019】請求項7の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、前記反応炉に焼却灰を導入す
る手段として、複数本の中空パイプにより構成された焼
却灰導入ノズルを設けたことを特徴とする。
【0020】請求項8の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、前記反応炉に焼却灰を導入す
る手段として、複数の細孔を有するブロックにより構成
された焼却灰導入ノズルを設けたことを特徴とする。
【0021】請求項9の発明は、金属酸化物を含んだ焼
却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱
流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチに
還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉で
生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備えた
焼却灰処理装置であって、前記反応炉に焼却灰を導入す
る手段として、焼却灰吹き出し口が環状となった焼却灰
導入ノズルを設けたことを特徴とする。
【0022】請求項10の発明は、請求項7から9まで
のいずれかに記載の焼却灰処理装置において、焼却灰導
入ノズルの上流側にキャリアガスとともに焼却灰を導入
するための焼却灰導入管を配設し、この焼却灰導入管に
焼却灰の流量を調整するための流量調整バルブを設けた
ことを特徴とする。
【0023】請求項11の発明は、請求項7から10ま
でのいずれかに記載の焼却灰処理装置において、焼却灰
導入ノズル上流側に焼却灰吹き出し口に対応して焼却灰
導入管を複数本配設するとともに、この各焼却灰搬送パ
イプ毎に焼却灰フィーダを設けたことを特徴とする。
【0024】請求項12の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、プラズマ熱流の下流側に、
焼却灰を導入するための焼却灰導入ノズルを配設したこ
とを特徴とする。
【0025】請求項13の発明は、請求項1から11ま
でのいずれかに記載の焼却灰処理装置において、プラズ
マ熱流の下流側に、還元ガスを供給する還元ガス導入口
を配設したことを特徴とする。
【0026】請求項14の発明は、請求項1から11ま
でのいずれかに記載の焼却灰処理装置において、プラズ
マ熱流の下流側に、霧状もしくは粒状の水を供給するた
めの水供給口を配設したことを特徴とする。
【0027】請求項15の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記反応炉の下流側に、高
融点物質からなるペブルを充填したペブル充填層を配置
したことを特徴とする。
【0028】請求項16の発明は、請求項15記載の焼
却灰処理装置において、ペブル充填層を複数段備え、こ
れらペブル充填層を直列に配置したことを特徴とする。
【0029】請求項17の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記プラズマトーチ内に発
生するプラズマの安定性を常時モニターするための計器
を設置し、そのモニター値の変化に応じて、電源出力、
焼却灰供給量、プラズマガス流量または還元ガス流量そ
の他の条件を制御するプラズマ制御手段を設けたことを
特徴とする。
【0030】請求項18の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記プラズマトーチの熱流
の発生源は、直流アークプラズマであることを特徴とす
る。
【0031】請求項19の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記ブラズマトーチの熱流
の発生源は、マイクロ波プラズマであることを特徴とす
る。
【0032】請求項20の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、プラズマトーチのプラズマ
熱流の発生源は、高周波誘導プラズマであることを特徴
とする。
【0033】請求項21の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記金属トラップ部は、固
化した金属粒子を比重差または粒径差を利用して捕集す
るものであることを特徴とする。
【0034】請求項22の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記金属トラップ部の下流
側に、前記プラズマ熱流を維持するために必要なプラズ
マガスを回収および精製するためのガス精製装置と、こ
のガス精製装置で精製したガスをプラズマガスとして前
記反応炉に供給する再循環手段とを設けたことを特徴と
する。
【0035】請求項23の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記金属回収トラップ部に
て回収された各種金属の純度を向上させるための金属精
製装置を併設したことを特徴とする。
【0036】請求項24の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記焼却灰を微粉化するた
めの粉砕装置を設け、この粉砕装置により微粒子化した
焼却灰を前記反応炉に導入するようにしたことを特徴と
する。
【0037】請求項25の発明は、金属酸化物を含んだ
焼却灰が導入される反応炉と、この反応炉内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチと、このプラズマトーチ
に還元ガスを供給する還元ガス供給手段と、前記反応炉
で生成した金属を選択回収する金属トラップ部とを備え
た焼却灰処理装置であって、前記焼却灰中の水分を除去
するための乾燥装置を設け、この乾燥装置により乾燥し
た焼却灰を前記反応炉に導入するようにしたことを特徴
とする。
【0038】請求項26の発明は、請求項1から25ま
でのいずれかに記載の焼却灰処理装置において、焼却灰
溶融設備から排出された溶融飛灰であることを特徴とす
る。
【0039】請求項27の発明は、請求項1から25ま
でのいずれかに記載の焼却灰処理装置において、焼却灰
は、都市ごみその他の各種廃棄物の焼却施設における電
子集塵器あるいはバグフィルター等の集塵設備から集塵
された塵埃であることを特徴とする。
【0040】請求項28の発明は、請求項1から25ま
でのいずれかに記載の焼却灰処理装置において、焼却灰
に代えて、製鋼工程で発生する製鋼ダストを処理するこ
とを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る焼却灰処理装
置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0042】第1実施形態(図1,2) 本実施形態は化石燃料や都市ごみ等を燃料とする火力発
電プラントに適用したもので、図1は火力発電プラント
の全体構成図であり、図2は同プラントに適用される焼
却灰処理装置を拡大して示す要部構成図である。
【0043】図1に示すように、本実施形態では、燃料
貯蔵庫11から燃料がボイラ12へ送られて燃焼し、そ
の燃焼ガスによって蒸発管13が加熱される。蒸発管1
3内の水は加熱されて蒸気となり、この蒸気はさらに過
熱器14を通って蒸気タービン15に送られて回転軸の
回転に供され、回転軸に連結された発電機16が駆動し
て発電作用が行われる。
【0044】ボイラ12から排出された燃焼ガスは、集
塵器17で清浄化された後、煙突18から大気に放出さ
れる。
【0045】集塵器17で集められた飛灰およびボイラ
12に残留したボトムアッシュ等の焼却灰は焼却灰処理
装置19に送られ、ここで減量化および有価金属の回収
等が行われる。
【0046】焼却灰処理装置19は基本的に、焼却灰が
導入される反応炉20と、この反応炉20内にプラズマ
熱流を形成するプラズマトーチ21と、このプラズマト
ーチ21に還元ガスを供給する還元ガス供給手段22
と、反応炉20で還元反応により生成した金属を種類毎
に選択回収する金属トラップ部23とを備えた構成とさ
れている。
【0047】金属トラップ部23は、設定温度が異なる
複数の熱交換器24と、これらの各熱交換器24に対応
して設けられた金属回収部25とによって構成されてお
り、各熱交換器24で設定された溶融温度に対応した融
点を持つ金属がそれぞれ捉えられ、各金属回収部25に
回収される。
【0048】各金属回収部25で回収された金属成分以
外の要素は、排気ガスとなってガス排気管26から外部
に排出される。
【0049】次に、図2によって焼却灰処理装置19を
詳細に説明する。
【0050】図2に示すように、本実施形態の焼却灰処
理装置19では、焼却灰をプラズマトーチ21に供給す
るための焼却灰導入手段27として、焼却灰を収容する
ための焼却灰ホッパ28と、この焼却灰ホッパ28から
焼却灰を配送するための焼却灰フィーダ29と、焼却灰
をプラズマトーチ21に導入する焼却灰導入管30とを
有している。焼却灰導入管30の先端には焼却灰導入ノ
ズル31が設けられている。
【0051】また、本実施形態では、反応炉20に供給
される還元ガスとして水素ガス(H2 )が適用されてお
り、還元ガス供給手段22は、水素ガスを供給する水素
ガス供給装置32によって構成されている。水素ガス供
給装置32には流量計33を有するガス導入管34が接
続され、このガス導入管34を介してプラズマガス導入
口35に水素ガスが供給されるようになっている。
【0052】なお、本実施形態では、プラズマを維持す
るためのプラズマガスとして、不活性ガスであるアルゴ
ンガス(Ar)を水素ガスと共に反応炉20に供給する
ようになっている。そのために、ガス導入管34にアル
ゴンガス供給装置36が流量計37を介して接続されて
いる。
【0053】また、アルゴンガス供給装置36から供給
されるアルゴンガスは、焼却灰導入手段27における焼
却灰搬送用のキャリアガスとしても適用され、流量計3
8を有するキャリアガス導入管39によってアルゴンガ
ス供給装置36から焼却灰導入管30に供給されるよう
になっている。
【0054】反応炉20のプラズマトーチ21は、高周
波誘導によってプラズマ熱流を発生する方式のもので、
高周波電源40と、この高周波電源40に接続されてプ
ラズマトーチ21の外周側を取り巻く誘導コイル41と
によって構成されている。プラズマトーチ21は放電管
42と外部筒43とによって二重筒状をなしており、放
電管42の上端部に設けた支持体44に前述した焼却灰
導入ノズル31が支持されている。また、プラズマガス
導入口35は支持体44の周囲部から放電管42の内部
に臨んでいる。このような構成により、プラズマトーチ
21内では高周波電流の誘導起電力によって放電が行わ
れると共に、放電管42内に導入されるプラズマガスに
よってプラズマ45が発生する。このプラズマ45は、
アルゴンガスの供給による電離作用で点弧後のプラズマ
状態が継続的に維持されると共に、そのプラズマ45に
導入される焼却灰は、還元ガスである水素ガスによって
還元作用を受ける。これにより、焼却灰中に含まれる各
種の有価金属は、酸化物の状態から純金属の状態とな
り、反応炉20の下流側に流動する。
【0055】そして、各金属要素は前述した金属トラッ
プ部23に送られ、複数の熱交換器24で異なる温度に
冷却され、凝固温度に応じて、それぞれ金属回収部25
に回収されるものである。
【0056】本実施形態では、このような構成におい
て、図2に示すように、プラズマトーチ21の放電管4
2の内壁を液体によって浄化するプラズマトーチ内壁浄
化手段46が設けられている。このプラズマトーチ内壁
浄化手段46では、浄化用の液体として例えば水が適用
されている。
【0057】即ち、プラズマトーチ内壁浄化手段46
は、プラズマトーチ21の上方に設けられた水供給装置
47と、この水供給装置47に接続された水流量計48
を有する水供給管49と、この水供給管49の先端に設
けられ、プラズマトーチ21の放電管42の上端部周壁
に沿って水を導入する筒状の水導入部50とによって構
成されている。水導入部50には放電管42の内壁に沿
う水流を適正に行うためのOリング51が設けられてい
る。
【0058】次に本実施形態による作用を説明する。
【0059】前述したように、本実施形態の焼却灰処理
装置19では、反応炉20の放電管42内で発生するプ
ラズマ45の熱流中で、その高温場によって焼却灰が還
元処理されて気体となるが、その際に焼却灰(未処理
灰)が放電管42の内面に付着し、付着量が多くなる
と、誘導コイル41のインピーダンスに影響を与え、そ
れによりプラズマが消弧して作用が不連続となったり、
それに基づく能率低下を招く等の可能性がある。
【0060】このような事情に対し、本実施形態ではプ
ラズマ発生状況下において、プラズマトーチ内壁浄化手
段46を稼動させ、水供給装置47から清浄用の水を水
導入部50を介して放電管42の内壁に沿って流下させ
る。この水52は、放電管42の内面に沿って層流とな
って流下するので、未燃灰等の付着を良好に防止するこ
とができる。
【0061】したがって、生成されるプラズマ45の状
態が安定し、還元作用が円滑に行われ、焼却灰のプラズ
マ処理作用が能率よく行われる。
【0062】なお、流下する水52は放電管42の下流
側においてプラズマ45の熱によって蒸発するため、後
処理等は不要であり、余分な装置の複雑化等を招くこと
はない。
【0063】また、流下する水52は同時に放電管42
の内面の冷却に供されるため、放電管42の損傷も防止
でき、それによって耐用寿命の長期化等も図れるものと
なる。
【0064】なお、本実施形態ではプラズマトーチ内壁
浄化手段46で用いる浄化用の液体を水としたが、本発
明はこれに限らず、水以外の各種液体を浄化用として用
いることが可能である。
【0065】第2実施形態(図3) 図3は本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【0066】本実施形態は焼却灰を水その他の液体との
懸濁液の形で反応炉20に供給する懸濁化手段53を設
けたものである。即ち、図3に示すように、懸濁化手段
53は例えば焼却灰に水を混合して水溶液の形で反応炉
20に供給するもので、ポンプ等の水供給装置54を備
え、この水供給装置54は水流量計55を有する給水管
56によって焼却灰導入管30に接続されている。
【0067】そして、焼却灰導入管30の先端に設けら
れた焼却灰導入ノズル31は、プラズマトーチ21の放
電管42内でラッパ状に拡開した形状となっている。
【0068】なお、その他の構成については、プラズマ
トーチ内壁浄化手段等を設けない点を除き、前記第1実
施形態と略同様であるから、図3に図2と同様の符号を
付してその説明を省略する。
【0069】次に本実施形態の作用を説明する。
【0070】焼却灰を乾燥した状態で反応炉20に供給
する場合には、第1実施形態でも説明したように、プラ
ズマトーチ21の放電管42の内壁に未燃灰が付着する
可能性があった。
【0071】これに対し、本実施形態では懸濁化手段5
3の水供給装置54によって焼却灰に水を混入し、水溶
液の形で焼却灰導入ノズル31から放電管42内への焼
却灰の供給を行うことにより、供給した焼却灰の放電管
42内における飛散を防止することができる。したがっ
て、本実施形態によれば、焼却灰が放電管42の内壁に
付着することを防止し、または付着量を極めて低い状態
にして、プラズマ45による反応を効率よく行うことが
できる。また、液体中に焼却灰を均一に分散さることが
できるため、従来焼却灰のみを供給する際に生じていた
脈動を減少させることができ、プラズマを安定化するこ
とができる。
【0072】なお、本実施形態では、懸濁化手段53を
焼却灰導入管30に接続したが、これに限らず焼却灰ホ
ッパ28等において溶液とする等の変更が可能である。
【0073】また、本実施形態では、焼却灰を湿潤する
ための液体を水としたが、水以外の液体を用いることも
できる。
【0074】第3実施形態(図4) 図4は、本実施形態による焼却灰処理装置を示す構成図
である。
【0075】本実施形態は、第1実施形態で説明したプ
ラズマトーチ内壁浄化手段46と、第2実施形態で説明
した懸濁化手段53とを共に備えた構成としたものであ
る。
【0076】即ち、水供給装置47、水流量計48、水
供給管49、水導入管50およびOリング51を設け、
放電管42の内壁水52を流下させる構成とすると共
に、水供給装置47に、水流量計55を有する給水管5
6を接続して焼却灰導入管30へ水を供給するようにし
てある。
【0077】なお、本実施形態では、放電管42内への
水の供給量が多くなることから、放電管42の下流側
に、灰付着防止水吐出口57を設け、この灰付着防止水
吐出口57を水封ポンプ58を有する還流配管59によ
って懸濁化手段53の給水管56に接続し、放電管42
内に残留する可能性のある水分を再度供給側に還流する
ようにしてある。
【0078】その他の構成については前述した第1実施
形態および第2実施形態と略同様であるから、図4に図
2および図3と同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】本実施形態によれば、プラズマトーチ内壁
浄化手段46と、懸濁化手段53の両方を備えた構成と
することにより、焼却灰が放電管42の内壁に付着する
ことをより確実に防止することができる。また、残留す
る可能性のある水分は、還流配管59を介して懸濁化手
段53側に還流させることにより、放電管42内への残
留水によるプラズマ45への影響を防止して、支障なく
焼却灰の処理作用を行うことができる。
【0080】なお、本実施形態では、プラズマトーチ内
壁浄化手段46と懸濁化手段53との水源を1つの水供
給装置47で兼用したが、容量の要請等に応じて個別の
水供給装置を設ける等の変更が可能なことは勿論であ
る。
【0081】第4実施形態(図5) 図5は本実施形態による焼却灰処理装置を示す構成図で
ある。
【0082】本実施形態は反応炉20内にプラズマの点
弧開始時に予備電離を行わせる電離用の放射線照射手段
60を設けたものである。この放射線照射手段60は、
放電管42の上部、例えば焼却灰導入ノズル31を支持
する支持体44に組み込んで設けてある。即ち、放射線
照射手段60は複数の放射線源61を備えている。これ
らの放射線源61が支持体44によって支持されてお
り、その放射線源61の放電管42外方に維持する側は
遮蔽部材62によって遮蔽される一方、放電管42の内
方に位置する側はロータリシャッタ等の開閉装置63に
よって開閉できる構造としてある。放射線源61として
は、例えば放射線同位体(ラジオアイソトープ)または
放射性廃棄物等の放射性物質が適用される。その他の構
成については、プラズマトーチ内壁浄化手段等を設けな
い点を除き、前記第1実施形態と略同様であるから、図
5に図2と同様の符号を付してその説明を省略する。
【0083】そして、プラズマ45の点弧に際しては、
放射線照射手段60の開閉装置63を開状態とすること
により、放射線源61から放電管42内に初期電子を供
給すると共に、高周波電源40から誘導コイル41に高
周波電流を供給して初期電子を加速することにより、プ
ラズマ45を点弧することができる。即ち、本実施形態
では放射線源61を予備電離手段として用いてプラズマ
45の点弧を行うことにより、放電管42内が非真空状
態であっても、プラズマ点弧が可能となる。したがっ
て、一般的な高周波誘導方式のプラズマ発生装置のよう
に真空状態として点弧を行う必要がある装置と異なり、
構成の簡単化が図れると共に操作の容易化が図れるもの
である。つまり、真空状態を必要とする点弧機構を有す
る装置の場合には、放電管内の空気を吸引して真空状態
を形成できるようにするため装置自体を真空引き可能な
構造とすると共に、空気吸引手段等を必要とし、装置が
複雑でかつコストの高いものとなり、しかも操作が面倒
で作業能率も低いものとなる。また、予備電離を行うた
めのその他の手段として、金属棒等の微小電極を用い、
電極のスパッタリングにより放電させるもの等がある
が、その場合には、不純物が混入して放電管内が汚れた
り、電極の交換あるいはメンテナンスが必要となる等の
不具合がある。
【0084】これに対し、本実施形態によれば不純物を
発生させることもなく、またメンテナンスフリーとなる
ため、作業能率を大幅に向上することができる。
【0085】さらに、本実施形態においてはプラズマ点
弧後においても開閉装置63を開状態とし続け、放射線
の供給を継続することによって放電管42内の電子密度
を常時高め、それにより後の運転中プラズマ45の安定
を図ることも可能である。このことは、従来のプラズマ
装置と比べた場合、運転中に電子密度が局所的に低下
し、プラズマが不安定になる等の不具合が生じることが
あったのに対して、運転状態の安定化が有効に図れると
いう点で非常に大きな利点を得ることができる。
【0086】以上の本実施形態においては、大気圧下で
のプラズマの電子密度が約1015/cm3 であることを考
慮した場合、アルゴン(Ar)ガスに対して、同程度の
電流を起こすために0.115Gy(グレイ)程度の放
射線を供給することで、前記の点弧運転が可能となるも
のである。
【0087】なお、本実施形態における点弧機構は、焼
却灰処理装置以外の装置、例えばプラズマ溶射等に適用
されるプラズマ装置についても適用することができるも
のである。
【0088】第5実施形態(図6〜図8) 図6は本実施形態による焼却灰処理装置を示す構成図で
あり、図7および図8は本実施形態の要部であるプラズ
マトーチの誘導コイルの概念を説明するための平面図お
よび側面図である。
【0089】本実施形態は、高周波誘導コイル41をプ
ラズマトーチ21の中心に対して異なる偏心配置で巻回
される複数の偏心巻回部を有する構成としたものであ
る。
【0090】即ち、図6〜図8に示すように、本実施形
態では、高周波誘導コイル41が例えば3種類の偏心し
たターンを要している。特に図7を参照すると、高周波
誘導コイル41の第1ターン41aはプラズマトーチ中
心Oに対して左方に偏心した位置O1 を中心とする円弧
とされており、また、第2ターン41bはプラズマトー
チ中心Oに対して右方に偏心した位置O2 を中心とする
円弧とされている。さらに、第3ターン41cはプラズ
マトーチ中心Oに対して下方に偏心した位置O3 を中心
とする円弧とされている。つまり、高周波誘導コイル4
1の第1ターン41aの作るプラズマ領域A1 は、第1
ターン41aの中心O1 の周囲に形成され、同様に第2
ターン41bの作るプラズマ領域A2 は第2ターン41
bの中心O2 の周囲に形成される。さらに、第3ターン
41cの作るプラズマ領域A3 は第3ターン41cの中
心O3 の周囲に形成される。その他の構成については、
前述した第1実施形態と略同様であるから、同一構成部
分について前記図2と同一符号を付して説明を省略す
る。
【0091】このようなコイル構成を有する本実施形態
の焼却灰処理装置によると、高周波誘導コイル41の偏
心した各ターン41a,41b,41cによってプラズ
マ領域A1 ,A2 ,A3 がプラズマトーチ中心Oからそ
れぞれ偏心した中心O1 ,O2 ,O3 の周囲に形成され
ることによって同一芯上に全てのターンが形成される場
合に比較して、プラズマ45が径方向に膨張した状態と
して得られるものである。したがって、本実施形態によ
れば同一径の放電管42を用いてプラズマトーチ21を
形成する場合においても、その放電管42の内部に径の
大きいプラズマ45を形成することができ、プラズマ領
域の拡大によって高温場中における焼却灰の気化還元処
理能力を向上することができる。
【0092】即ち、従来の構造では一定径の放電管42
に対して形成されるプラズマ領域が狭いことから大量処
理が困難であるという問題があったのに対し、本実施形
態によればプラズマ領域の拡大によって焼却灰の気化還
元処理能力の大幅な向上が図れるようになる。
【0093】なお、本実施形態を説明するための図6〜
図8においては、高周波誘導コイル41を単純な3つの
ターンに分け、かつそれを1ピッチで現したが、本発明
はこのようなものに限られないことは勿論である。例え
ば、高周波誘導コイル41のターンを4以上とし、また
は各ターンを複数ピッチとする等、種々変形した状態で
の実施が可能である。なお、本実施形態の構成を有する
プラズマトーチ21は焼却灰処理装置に限らず、他のプ
ラズマ応用機器に種々応用することができるものであ
る。
【0094】また、本実施形態によれば、従来プラズマ
径が約40mmであった場合、同等の半径の放電管におい
て、プラズマ径を例えば60mmに拡大することができ
る。また、このことは、例えばプラズマ中心を10%偏
心させることによってプラズマ直径を20%拡大するこ
とができることを意味する。
【0095】第6実施形態(図9) 図9は本実施形態による焼却灰処理装置を示す要部構成
図である。
【0096】本実施形態は、反応炉20で還元反応によ
って生成した金属元素を回収する金属トラップ部23の
構成を改良したものであり、プラズマトーチ21および
金属トラップ部23内を低圧力化する手段を設けること
により、それによって金属ガスの通過領域を低圧に制御
することで、その金属の融点を下げ、より低温で回収で
きるようにしたものである。
【0097】即ち、金属トラップ部23は前述したよう
に、複数の熱交換器24と金属回収部25とによって構
成されており、各熱交換器24の設定温度を異ならせる
ことにより、各種金属要素をそれらの融点に応じて凝固
させ、異なる金属を各金属回収部25にそれぞれ回収す
るようにしたものである。このような構成の下で、本実
施形態では例えば直列に連結された複数の熱交換器24
の最下流側位置に、フィルタ64を介して真空ポンプ6
5が設けられている。この真空ポンプ65の吐出側に、
排ガス処理装置66を有する排気管67が接続されてい
る。
【0098】このような構成において、真空ポンプ65
では約10-1Torrの減圧作用が行われ、それに対応して
熱交換器24内が減圧されるものである。このような構
成において、真空ポンプ65では約10-1Torrの減圧作
用が行われ、それに対応して熱交換器24内で減圧され
るものである。第1実施形態で記載したように、熱交換
器は、回収しようとする金属の溶融温度(融点)付近に
温度設定する必要がある。一般に、金属は圧力が下がる
と融点が下がる性質をもっている。
【0099】したがって、熱交換器24内を低圧とする
ことによって金属の融点を下げることができるため、熱
交換器24を構成する材料の選択について極端に高い耐
熱材料を必要とすることがなくなり、構成の簡素化、材
料コストの低下および温度制御の容易化等が図れるよう
になる。
【0100】なお、真空ポンプ65の上流側にはフィル
タ64を設けたことにより、真空ポンプ65への粉体の
吸入等は確実に防止することができる。また、上述した
減圧作用に基づく冷却温度の低下によって気化した金属
は熱交換器24によって充分に冷却されているので、仮
に金属回収部25に回収されずに熱交換器24の下流側
に飛来したとしても、金属が充分に固体状態となってい
るため、フィルタ64で捕獲され、真空ポンプ65に吸
引されるような不都合は生じない。
【0101】第7実施形態(図10) 図10は、本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示
す要部拡大図である。
【0102】本実施形態は、焼却灰導入手段27の構成
についてのものであり、焼却灰導入管30の先端に設け
られる焼却灰導入ノズル31を複数の中空パイプ68に
よって構成したものである。
【0103】即ち、焼却灰導入管30の先端は、複数、
例えば3つの分岐管30aに分れており、この各分岐管
30aの先端に中空パイプ68がそれぞれ接続されてい
る。各中空パイプ68はプラズマトーチ21の上端部に
互いに平行に配置されている。
【0104】このような構成において、焼却灰フィーダ
29から供給される焼却灰は、焼却灰導入管30から分
岐管30aを介して焼却灰導入ノズル31としての各中
空パイプ68からプラズマトーチ21内にそれぞれ導入
される。そして、高周波誘導コイル41の誘導作用によ
って発生したプラズマ45の上流側部分に、各中空パイ
プ68からの焼却灰の導入が分散状態で行われる。本実
施形態では、プラズマトーチ21の中心位置に対して各
中空パイプ68が例えば一定の半径位置に均等に分散配
置されており、焼却灰はプラズマ45に均等に分散供給
されるものである。
【0105】このような構成の本実施形態によれば、焼
却灰がプラズマ45の熱流中に均一にムラなく導入され
るため、プラズマ45の安定性を高めることができる。
即ち、焼却灰導入ノズルが単一のパイプ構成である場合
には、焼却灰が1箇所から供給されるため局所的な極低
温部が発生する場合があり、それによりプラズマが不安
定になることがあった。
【0106】これに対し、本実施形態によれば、プラズ
マ45の高温域における広い範囲に亘って焼却灰が均等
に分散して導入されることから、焼却灰の分布領域が拡
がると共に均一化し、局所的な極低温部等の発生を防止
して熱プラズマの安定性を高めることができるものであ
る。
【0107】このような熱プラズマの安定化によって、
プラズマエネルギを無駄なく有効に活用できるようにな
るため、焼却灰の処理量も増大することができ、大量の
焼却灰を連続的に処理する実用的なプラントに有効なも
のとなる。
【0108】第8実施形態(図11) 図11は本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示す
要部拡大図である。
【0109】本実施形態は図10に示した第7実施形態
の変形例に相当するものであり、図11に示すように、
第7実施形態と異なる点は、焼却灰導入ノズル31を複
数の細孔69を有する円柱状のブロック70によって構
成した点である。
【0110】即ち、焼却灰導入ノズル31の先端は、例
えば3つの分岐管30aに分かれており、その各分岐管
30aがブロック70の細孔69にそれぞれ連結されて
いる。このブロック70の細孔69の配置は、第7実施
形態と同様に、プラズマトーチ21の中心に対して均等
な半径で分散配置されている。
【0111】このような本実施形態の構成によっても、
第7実施形態と同様に、焼却灰がプラズマ45に対して
均等な分散状態で供給されるため、プラズマ45の安定
性を高めることができ、プラズマエネルギを無駄なく有
効に活用できると共に、処理量が増大できる等の効果が
奏される。
【0112】第9実施形態(図12) 図12は本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示す
要部拡大図である。
【0113】本実施形態も第7実施形態の変形例に相当
するものであり、焼却灰をプラズマトーチ21内に分散
供給するものである。
【0114】本実施形態では、焼却灰導入手段27の焼
却灰導入ノズル31先端に設けられた分岐管30aに、
焼却灰吹き出し口が環状となった焼却灰導入ノズル31
が設けられている。この焼却灰導入ノズル31は、筒状
の通路71を周壁部分に有する円筒体72によって構成
されており、この円筒体72の先端に位置する通路71
の開口部分が焼却灰吹き出し口とされている。
【0115】このような本実施形態の構成によると、環
状の吹き出し口を有する焼却灰導入ノズル31によっ
て、プラズマトーチ21内のプラズマ45に対して焼却
灰が前記第7、第8実施形態と同様に均等に分散して供
給される。したがって、本実施形態においても第7、第
8実施形態と同様にプラズマ45の安定性を高めること
ができると同時に、プラズマエネルギを無駄なく有効に
活用することができ、焼却灰の処理量を増大することが
できる。
【0116】第10実施形態(図13) 図13は、本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示
す要部拡大図である。
【0117】本実施形態は図10に示した第7実施形態
に対し、焼却灰導入管30の部分において焼却灰の流量
を調整できるようにした変形例についてのものである。
【0118】即ち、本実施形態では図13に示すよう
に、焼却灰導入管30のうち、ある一定長さ以上の分岐
管30bを設け、これらの分岐管30bに中空パイプ6
8を設けて焼却灰導入ノズル31を構成すると共に、そ
れらの各分岐管30bに焼却灰の流量を調整するための
流量調整バルブ73をそれぞれ設けたものである。
【0119】このような本実施形態の構成によると、焼
却灰導入ノズル31の各中空パイプ68に対する焼却灰
の供給量を、各分岐管30bに設けた流量調整バルブ7
3によって個々に調整することができるので、焼却灰導
入管30内の焼却灰流動状態や、各中空パイプ68内の
流動状態に対応して、それぞれ流量調整バルブ73を調
整することで、プラズマトーチ21内への焼却灰の供給
量を、各中空パイプ68毎に調整することができ、焼却
灰の分散供給状態をより一層均一に行うことができるよ
うになる。
【0120】なお、本実施形態による流量調整バルブ7
3を設ける構成は、中空パイプ68を設けた場合に限ら
ず、例えば図11に示した第8実施形態のように、円柱
状のブロック70内に設けた細孔69を介して焼却灰を
導入するようにしたもの、あるいは図12に示した第9
実施形態のように、円筒体72の通路71によって焼却
灰導入ノズル31を構成した場合等についても、それぞ
れ適用することができるものである。
【0121】第11実施形態(図14) 図14は本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示す
要部拡大図である。
【0122】本実施形態は図13に示した第10実施形
態の変形例に相当するもので、焼却灰に導入管30を分
岐させるものではなく、その焼却灰導入管30自体を、
中空パイプ68に対応して設けられた複数の独立した配
管としたものである。そして、この複数の焼却灰導入管
30のそれぞれに焼却灰フィーダ29を連結し、各焼却
灰フィーダ29から複数の焼却灰導入管30を介して焼
却灰導入ノズル31を構成する複数の中空パイプ68に
それぞれ所定量ずつ焼却灰を供給するようになってい
る。
【0123】即ち、本実施形態では焼却灰の供給源とな
る焼却灰フィーダ29自体をそれぞれ中空パイプ68に
対応させて供給量調整できるようにし、それにより複数
の中空パイプ68からの焼却灰導入量を均一に分散して
行えるようにしたものである。
【0124】このような本実施形態の構成によっても第
10実施形態と同様に、より均一な焼却灰供給調整を行
うことができる。
【0125】なお、本実施形態の構成についても、中空
パイプ68を設けた場合に限らず、図11に示した第8
実施形態または図12に示した第9実施形態のように、
円柱状のブロック70に設けた細孔69を有するもの、
または円筒体72に設けた通路71を有するもの等につ
いても適宜実施することができるものである。
【0126】第12実施形態(図15) 図15は本実施形態による焼却灰処理装置を示す構成図
である。
【0127】本実施形態では反応炉20のプラズマ45
熱流下流側に、焼却灰を導入するための焼却灰導入ノズ
ル31が配設されている。即ち、本実施形態ではプラズ
マ45の尾の部分に焼却灰が供給されるようになってい
る。なお、プラズマガスはプラズマガス導入孔35を介
して、プラズマ45の上流側に供給される。
【0128】その他の構成については、前述した各実施
形態と略同様である。このような構成の本実施形態の焼
却灰処理装置によると、処理量の増大が図れる。即ち、
従来ではプラズマ上流側から焼却灰を導入した場合、プ
ラズマ中に局所的な低温部が発生する場合があり、それ
によりプラズマが不安定になることがあった。
【0129】これに対し、本実施形態ではプラズマの安
定性に影響を及ぼさない下流側部分に灰を供給すること
により、安定なプラズマを維持することができ、処理量
の増大を図ることができる。
【0130】第13実施形態(図16) 図16は本実施形態による焼却灰処理装置を示す構成図
である。
【0131】本実施形態では、前述した第11実施形態
と異なり、プラズマ45の下流側に還元ガス導入口35
bが配設されている。この還元ガス導入口35bには還
元ガスとしての水素ガス等が供給されるようになってお
り、例えば、水素ガス供給装置32が接続されている。
なお、アルゴンガス等のプラズマ45を維持するための
電離用不活性ガスとしてのプラズマガスは、プラズマガ
ス導入口35aを介してプラズマ45の上流側に供給さ
れるようになっている。
【0132】このような構成の第13実施形態による
と、還元ガスをプラズマガスから分離してプラズマ45
の下流側に供給することにより、前記の第12実施形態
と同様に、プラズマ45の安定した部分に還元ガスを供
給するので、プラズマ45の上方から焼却灰を供給した
場合においても、充分な還元反応が行え、還元処理量を
増大することができる。
【0133】また、プラズマ45の下流側に還元ガスを
供給することにより、供給される還元ガスが冷却効果を
奏し、それにより還元生成された金属成分が急速に冷却
されるため、金属トラップ部23において回収される金
属の回収率を向上させることができる。したがって、焼
却灰の有効利用が可能となり、かつ冷却効果による高信
頼性が得られ、焼却灰処理装置の実用上で大きい利点を
得ることができる。
【0134】なお、焼却灰中に重金属が含まれている場
合、焼却灰を埋め立て処理する等の際にはその有害性が
問題となり得るが、本実施形態によれば、金属回収率の
向上により、重金属も充分に回収されるため、重金属回
収後の埋め立て処理される焼却灰についての前述した有
害性の問題も解消できる。
【0135】第14実施形態(図17) 図17は本実施形態による焼却灰処理装置を示す構成図
である。
【0136】本実施形態では、図17に示すように、焼
却灰導入ノズル31や還元ガス導入口35等をプラズマ
45の上流側に配設されているが、水を供給するための
水供給口74がプラズマ45の下流側に配設されてい
る。この水供給口74には、例えば水噴霧装置73が接
続され、水供給口74に霧状または粒状の水を供給する
ようになっている。他の構成は、前述した各実施形態と
略同様である。
【0137】このような本実施形態によれば、プラズマ
45の下流側に供給した水の気化熱によって、プラズマ
45で発生した高温反応炉のエネルギが奪われ、反応炉
20の下側部分において急冷作用が行われる。それによ
り、前記第13実施形態と同様に金属粒子が急冷によっ
て効率よく生成され、金属回収率の向上が図られる。即
ち、本実施形態によっても還元効率の向上が図られ、焼
却灰処理装置の実用上の大きい利点が得られるようにな
る。
【0138】第15実施形態(図18) 本実施形態による焼却灰処理装置は、金属トラップ部2
3の構成を改良したものであり、図18はその要部を拡
大して示す構成図である。
【0139】即ち、本実施形態は、反応炉20の下流側
に設けられる金属トラップ部23に、ペブル充填層75
を設けた構成とされている。このペブル充填層75は、
容器内に高融点物質から成るペブル75aを充填したも
のであり、これによりフィルタを構成している。高融点
物質としては、例えばZrO2 ,MgO,Al2 3
の物質が適用される。このペブル充填層75の後方に
は、金属回収部25が設けられている。
【0140】本実施形態においては、このようなペブル
充填層75および金属回収部25が2組直列に接続され
ているが、3組以上の複数組設けてもよい。
【0141】次に、本実施形態の作用を説明する。
【0142】反応炉20内においては、プラズマ45に
よる高温度の還元性雰囲気によって焼却灰から金属原子
が生成されるが、焼却灰にはAl2 3 ,SiO2 等の
酸化物質が含有されている。これらの物質は安定性が高
く、また分解しにくく再結合し易いという特性を有して
いる。これらのAl2 3 ,SiO2 等はいわゆるスラ
グ成分であり、ペブル充填層75に蒸気または液滴の状
態で流入する。この場合、これらの液滴を含むガス流が
ペブル75aを通過するとき、ペブル充填層75が液滴
の融点より少し高い温度条件であると、液滴はペブル7
5aによって捕獲され、それ以外の物質は蒸気としてペ
ブル充填層75を通過する。
【0143】例えばプラズマ45の下流側で反応ガスの
温度が1800〜2000℃程度の領域に、ZrO2
MgO,Al2 3 等の高融点物質から成るペブル75
aを配置した場合、ペブル75aによってスラグの液滴
が捕獲、凝集されるため、金属回収部25には、まずA
2 3 ,SiO2 等のスラグ成分が液滴の状態で回収
される。
【0144】また、図18に示したように、1つのペブ
ル充填層75の下流側に第2のペブル充填層75および
金属回収部25を配置した場合には、この下流側のペブ
ル充填層75を、還元金属の融点を少し上回る温度に設
定しておくことにより、この下流側のペブル充填層75
内のペブル75aによって金属が捕獲されるようにな
る。捕獲された金属は液滴として、金属回収部25内に
回収される。さらに、複数のペブル充填層75を配置す
れば、異なる種類の金属はを分離回収することができ
る。
【0145】したがって、本実施形態によれば、フィル
タとして用いられるペブル充填層75を直列に複数設置
することで、プラズマ45によって還元生成された金属
蒸気等を、スラグ成分から分離して有効に回収すること
ができる。よって、本実施形態によれば、有価金属ある
いは有害金属をそれぞれ効率よく回収して、焼却灰の減
容化、無害化、および有効利用が図れるようになるもの
である。
【0146】第16実施形態(図19) 本実施形態は、焼却灰処理装置における制御システムに
ついてのものであり、図19はそのシステム構成を示す
図である。
【0147】即ち、図19に示すように、本実施形態で
は、反応炉20のプラズマトーチ内に発生するプラズマ
の安定性を常時監視するためのモニタ77が設置されて
いる。このモニタ77は、高周波誘導コイル41に接続
され、高周波電源40からの供給電流、電圧、電力等を
監視するようになっている。これらの電流、電圧、電力
は、プラズマ45の発生に係る負荷変動等によってそれ
ぞれ変動する要素であり、これらを監視することにより
還元反応の状態が監視されるものである。モニタ77で
は、検出値の変化に応じて電源出力、焼却灰供給量、プ
ラズマガス流量、または還元ガス流量その他の条件を制
御する制御手段が組み込まれている。この制御手段は、
高周波電源40の出力を制御するための出力制御信号S
1 、焼却灰の供給量を制御するための焼却灰供給量制御
信号S2 、プラズマガス流量または還元ガス流量を制御
するためのガス流量制御信号S3 等を発生するようにな
っている。
【0148】出力制御信号S1 は高周波電源40を制御
するように出力され、また焼却灰供給量制御信号S
2 は、焼却灰導入管30に設けられた流量調整バルブ7
8を制御するように出力される。さらに、ガス流量制御
信号S3 は、プラズマガスまたは還元ガスを供給するた
めのガス導入管34に設けた流量調整バルブ79を制御
するように出力される。
【0149】このような本実施形態の構成においては、
モニタ77によってある一定レベル以上の変化が検出さ
れた場合に、設定された処理状態に戻るように各制御信
号S1 ,S2 ,S3 が出力されて、電源出力、焼却灰供
給量、ガス流量等が調整されるものである。したがっ
て、本実施形態によれば、反応炉20内の処理状態が常
時監視され、プラズマ45が常時安定に維持できるよう
に運転条件を制御することができるため、焼却灰処理運
転の安定性が確保され、信頼性を向上することができ
る。
【0150】第17実施形態(図20) 本実施形態は、特に産業廃棄物その他のごみを焼却する
ごみ焼却炉において発生する焼却灰を処理する場合に好
適な焼却灰処理装置についてのものであり、図20はそ
の構成を示す系統図である。
【0151】本実施形態では通常の処理システムとし
て、産業廃棄物その他のごみが投入されるごみピット8
0と、産業廃棄物その他のごみを焼却するための焼却炉
81と、電気集塵器やバグフィルター等の集塵装置82
と、煙突83および、集塵装置82で集塵された焼却灰
が供給される溶融炉85と、この溶融炉85からの排ガ
スを除塵する別の集塵装置86が設けられている。産業
廃棄物その他のごみが投入されるごみピット80から、
産業廃棄物その他のごみが焼却炉81へ送られ焼却され
る。焼却炉81で発生した高温の燃焼ガスは集塵装置8
2により除塵され、煙突83から大気放出される。集塵
装置82で回収された焼却灰は、別途、溶融炉85に供
給され、高温溶融により大部分がスラグとなって排出さ
れるが、低融点金属等を含む排ガスは集塵装置86によ
り溶融飛灰として捕集される。
【0152】本実施形態では、この溶融飛灰を処理する
ための焼却灰処理装置87を備えている。そして、この
焼却灰処理装置87として、前述した各実施形態に適用
した反応炉を使用するようにしている。
【0153】本実施形態では、この溶融飛灰を処理する
ための重金属分離装置87を備えている。そして、この
重金属分離装置87として前述した各実施形態に適用し
た反応炉を使用するようにしている。
【0154】即ち、本実施形態では、焼却灰溶融設備か
ら排出される溶融飛灰を焼却灰として処理するシステム
を構築している。これにより、排ガス中の飛灰や溶融飛
灰中に含有される濃縮有害重金属を確実に分離および回
収することができ、そのリサイクルや公害、環境破壊、
人体への影響被害等を最小限にすることが可能となり、
プラズマ式反応炉20が有効に利用できるようになるも
のである。
【0155】第18実施形態(図21) 本実施形態は、反応炉20のプラズマトーチ21とし
て、直流アークプラズマトーチを用いたものであり、図
21はこのプラズマトーチ21の構成を示す拡大図であ
る。
【0156】図21に示すように、本実施形態では、焼
却灰が供給用の焼却灰導入ノズル31が電極88,89
を有する構成とされており、これらの電極88,89が
直流電源90に接続されている。また、プラズマガスを
供給するためのガス供給装置91が設けられ、このガス
供給装置91からガス導入管92を介して焼却灰導入ノ
ズル31にガスが供給されるようになっている。そし
て、直流アークによって発生するプラズマ45に、焼却
灰供給装置から焼却灰を供給することにより、プラズマ
45内で還元反応を行わせるようになっている。
【0157】このような構成の本実施形態によると、直
流アークプラズマ45を熱プラズマ源として用いること
により、プラズマの大容量化が図れ、大電力が導入可能
となるとともに、プラズマの安定化が図れるようにな
る。したがって、大量の焼却灰の処理が可能となり、ま
た操作も容易に行えるようになる。
【0158】よって、本実施形態によれば、高効率およ
び高信頼性の焼却灰処理装置が提供できるようになるも
のである。
【0159】第19実施形態(図22) 本実施形態は、金属トラップ部23についてのもので、
図22はその構成を示す図である。
【0160】図22に示すように、本実施形態では、金
属トラップ部23として、反応炉20から排出される金
属成分を比重または粒径あるいはその両方の差を利用し
て分級を行う分級装置93が設けられている。この分級
装置93は比較的大きい容積を有する容器状を成してお
り、その底部に、高さあるいは距離を異ならせて複数の
金属回収部94a〜94dが設けられている。
【0161】このような本実施形態の構成によれば、プ
ラズマ45によって還元処理された焼却灰は金属成分毎
に特有の比重および粒径を以て存在するため、分級装置
93内に送られた場合、その分級装置93の底部に設け
られた高さおよび距離の異なる複数の金属回収部94a
〜94dによって各金属成分特有の比重、粒径等に基づ
いて回収されるものである。つまり、各金属成分は、個
別に沸点、融点等を有し、成分毎に凝縮して、金属回収
部94a〜94dの温度との関係で決定されるある粒度
分布を持った液体あるいは固体の粒子となって浮遊す
る。そこで、この浮遊粒子を、比重または粒径またはそ
の両者の差を利用した分級装置93によって分級するこ
とで、特別の装置を必要としないで金属成分等の回収が
可能となるものである。
【0162】なお、分級装置93としては、乾式、例え
ば重力沈降式、慣性力式、遠心力式等を用いることがで
き、また、湿式、例えば沈降式、圧力水式、遠心力式等
を用いることができる。
【0163】なお、図22に示すように、プラズマ45
の下流側に還元ガス導入口35bを設け、この部分に還
元ガスを供給するようにすれば、冷却効果と相俟って前
記の分級作用が、より有効に行えるようになる。
【0164】第20実施形態(図23) 図23は本実施形態による焼却媒体処理装置の構成を示
す図である。
【0165】本実施形態では、金属トラップ部23の下
流側にガス精製装置95を設けると共に、このガス精製
装置95の下流側にコンプレッサ96を有するガス還流
配管97を設けてある。そして、このガス還流配管97
をガス導入管34に接続して、金属トラップ部23から
の排ガスをガス精製装置95で精製した後に、ガス導入
管34に還流させ、プラズマガスを再利用できるように
なっている。
【0166】即ち、熱プラズマを維持するためには、常
時プラズマガスを供給する必要があり、焼却灰を還元す
るための還元ガスの他に、アルゴンガス等の不活性ガス
を使用する場合が多い。このような不活性ガスは、反応
炉20内での反応には直接関与しないので、電離作用に
供された後は、ガス精製装置95によって不純物や水分
等を除去された後、再利用できる状態となる。したがっ
て、精製された不活性ガスはコンプレッサ96によって
圧縮ガスとして再び反応炉20に送ることにより再利用
することができるものである。
【0167】本実施形態によれば、プラズマガスの一部
を循環させて再利用することにより、ランニングコスト
を低減することができ、ガス供給装置の小型化を図るこ
とが可能となる。
【0168】第21実施形態(図24) 図24は本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示す
図である。
【0169】本実施形態では、金属トラップ部23の金
属回収部25に各種回収金属の純度を向上させるための
金属精製装置98が設けられている。この金属精製装置
98としては、例えば高周波炉、その他の加熱装置等が
適用できる。
【0170】他の構成は前記各実施例と略同様である。
【0171】このような本実施形態の構成によれば、金
属精製装置98を金属回収部25に接続した構成とする
ことによって、直接的に高純度金属99を得ることが可
能となる。したがって、焼却灰処理現場において同時的
に高純度金属99を得ることができるので、金属資源の
利用価値の高い資源利用が、焼却灰処理と共に行える等
の実用的な利点が得られるものとなる。
【0172】第22実施形態(図25) 図25は本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示す
図である。
【0173】本実施形態では、焼却灰供給手段27の上
流側に、焼却灰を粉砕処理するための粉砕装置100が
設けられている。その他の構成は前記各実施形態と略同
様である。
【0174】このような構成の本実施形態によれば、焼
却灰を粉砕装置100によって微粒化した状態で反応炉
に供給し、プラズマ45による熱流の下で還元反応を行
わせるようにすることができるので、還元反応が容易に
進行するようになり、還元反応処理が効率よく行えるよ
うになる。
【0175】一般に、廃棄物焼却施設から排出される焼
却灰は、廃棄物の種類によっても異なるが、例えば集塵
装置等から発生する飛灰の場合、1〜200μmの粒度
分布を有している。このような粒度分布の焼却灰を、粉
砕装置100によって例えば数十μm以下、望ましくは
20〜30μmの流動分布にすることができる。
【0176】このような粒度分布の小さい焼却灰とする
ことにより、プラズマトーチ21内での焼却灰粒子の気
化、分解、還元反応の効率が向上でき、処理量を増大で
きると共に、金属回収率も向上することができるように
なる。
【0177】また、粉砕装置100としては、例えばス
クリーンミル、遠心分離型ミル、遠心分級ミル、ボール
ミル、ジェットミル等を適用することができる。これら
の粉砕装置100を適用した場合、凝集した微粒子を分
散させる機能があるため、反応炉20に供給した場合プ
ラズマ45への円滑かつ連続的な導入が可能となり、従
来粒径が大きい焼却灰を反応させる場合に発生していた
ような脈動が減少し、プラズマ45の安定化および処理
量の増大が図れるようになる。
【0178】前記の作用は、粉砕装置100から金属ト
ラップ部23までの工程が外気に触れない状態で行われ
るようにすることが望ましい。
【0179】以上のように、実施形態によると、焼却灰
の処理量の増大が図れると共に、高効率の燃焼灰処理が
実現できるという効果が奏される。
【0180】第23実施形態(図26) 図26は本実施形態による焼却灰処理装置の構成を示す
図である。
【0181】本実施形態は前記第22実施形態の粉砕装
置100に代え、または粉砕装置100と共に焼却灰導
入手段27の上流側に乾燥装置101を設けたものであ
る。他の構成は前記各実施形態と略同様である。
【0182】このような構成の本実施形態によれば、処
理すべき焼却灰を乾燥装置101によって乾燥させた
後、反応炉20に供給するようにするので、さらに焼却
灰粒子の流動性を向上させることができ、焼却灰の供給
量を増大させることができる。
【0183】即ち、焼却灰は長時間放置すると、大気中
の水分を凝着して凝集し易い状態となる。凝集した粒子
は流動性が悪化し、反応炉20への導入がスムーズに行
えなくなる可能性がある。
【0184】本実施形態はこのような自体に対処したも
のであり、乾燥装置101で乾燥作用を行わせることに
より、焼却灰の流動が円滑かつ連続的に行えるようにな
って、前記の如く供給量増大が可能となるものであり、
さらに加えてプラズマの安定化および処理量の増大も図
れるようになる。
【0185】他の実施形態(図示せず) 以上の第1実施形態〜第23実施形態の他に、本発明は
種々の実施の形態として利用することができる。
【0186】即ち、プラズマを利用した還元反応を適用
する本発明の焼却灰処理装置では、その焼却灰として、
都市ごみその他の各種廃棄物の焼却施設における電気集
塵器あるいはバグフィルタ等の集塵設備から集塵された
塵埃とすることが可能であり、また、焼却灰は、製鋼工
程で発生する製鋼ダストとすることも可能である。
【0187】さらに、プラズマトーチのプラズマ熱流の
発生源は高周波誘導プラズマとすることができ、またそ
の熱流の発生源はマイクロ波プラズマとすることも可能
である。
【0188】
【発明の効果】以上の実施形態で詳述したように、本発
明に係る焼却灰処理装置によれば、プラズマの熱流を利
用した焼却灰の還元反応が効率よく行えるとともに、反
応炉での焼却灰の供給や精製した金属の選択回収が効率
よく行え、かつ設備構成が簡単で運用が容易に行え、し
かも運転コストの低廉化等が図れる等の効果が奏され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼却灰処理装置の第1実施形態に
係る火力発電プラントの全体構成図。
【図2】本発明に係る焼却灰処理装置の第1実施形態に
係る火力発電プラントに適用される焼却灰処理装置を拡
大して示す要部構成図。
【図3】本発明の第2実施形態を示す構成図。
【図4】本発明の第3実施形態に係る焼却灰処理装置を
示す構成図。
【図5】本発明の第4実施形態に係る焼却灰処理装置を
示す構成図。
【図6】本発明の第5実施形態に係る焼却灰処理装置を
示す構成図。
【図7】本発明の第5実施形態に係る要部であるプラズ
マトーチの誘導コイルの概念を説明するための平面図。
【図8】本発明の第5実施形態に係る要部であるプラズ
マトーチの誘導コイルの概念を説明するための側面図。
【図9】本発明の第6実施形態に係る焼却灰処理装置を
示す要部構成図。
【図10】本発明の第7実施形態に係る焼却灰処理装置
の構成を示す要部拡大図。
【図11】本発明の第8実施形態に係る焼却灰処理装置
の構成を示す要部拡大図。
【図12】本発明の第9実施形態に係る焼却灰処理装置
の構成を示す要部拡大図。
【図13】本発明の第10実施形態に係る焼却灰処理装
置の構成を示す要部拡大図。
【図14】本発明の第11実施形態に係る焼却灰処理装
置の構成を示す要部拡大図。
【図15】本発明の第12実施形態に係る焼却灰処理装
置を示す構成図。
【図16】本発明の第13実施形態に係る焼却灰処理装
置を示す構成図。
【図17】本発明の第14実施形態に係る焼却灰処理装
置を示す構成図。
【図18】本発明の第15実施形態に係る金属トラップ
部の要部を拡大して示す構成図。
【図19】本発明の第16実施形態に係る焼却灰処理装
置における制御システムのシステム構成を示す図。
【図20】本発明の第17実施形態に係る焼却灰処理装
置の構成を示す系統図。
【図21】本発明の第18実施形態に係るプラズマトー
チの構成を拡大して示す拡大図。
【図22】本発明の第19実施形態に係る金属トラップ
部の構成を示す図。
【図23】本発明の第20実施形態に係る焼却媒体処理
装置の構成を示す図。
【図24】本発明の第21実施形態に係る焼却灰処理装
置の構成を示す図。
【図25】本発明の第22実施形態に係る焼却灰処理装
置の構成を示す図。
【図26】本発明の第23実施形態に係る焼却灰処理装
置を示す図。
【図27】従来例を示す構成図。
【符号の説明】
1 燃料貯蔵庫 2 ボイラ 3 蒸発管 4 過熱器 5 蒸気タービン 6 発電機 7 集塵器 8 煙突 11 燃料貯蔵庫 12 ボイラ 13 蒸発管 14 過熱器 15 蒸気タービン 16 発電機 17 集塵器 19 焼却灰処理装置 20 反応炉 21 プラズマトーチ 22 還元ガス供給手段 23 金属トラップ部 24 熱交換器 25 金属回収部 26 ガス排気管 27 焼却灰導入手段 28 焼却灰ホッパ 29 焼却灰フィーダ 30 焼却灰導入管 30a,30b 分岐管 31 焼却灰導入ノズル 32 水素ガス供給装置 33 流量計 34 ガス導入管 35,35a,35b プラズマガス導入口 36 アルゴンガス供給装置 37 流量計 38 流量計 39 キャリアガス導入管 40 高周波電源 41 誘導コイル 41a 第1ターン 41b 第2ターン 41c 第3ターン 42 放電管 43 外部筒 44 支持体 45 プラズマ 46 プラズマトーチ内壁浄化手段 47 水供給装置 48 水流量計 49 水供給管 50 水導入部 51 Oリング 52 水 53 懸濁化手段 54 水供給装置 55 水流量計 56 給水管 57 灰付着防止水吐出口 58 水封ポンプ 59 還流配管 60 放射線照射手段 61 放射線源 62 遮蔽部材 63 開閉装置 64 フィルタ 65 真空ポンプ 66 排ガス処理装置 67 排気管 68 中空パイプ 69 細孔 70 ブロック 71 通路 72 円筒体 73 流量調整バルブ 74 水供給口 75 ペブル充填層 75a ペブル 77 モニタ 80 ごみピット 81 焼却炉 82 集塵装置 83 煙突 85 溶融炉 86 集塵装置 87 焼却灰処理装置 88,89 電極 90 直流電源 91 ガス供給装置 92 ガス導入管 93 分級装置 94a〜94d 金属回収部 95 ガス精製装置 96 コンプレッサ 97 ガス還流配管 98 金属精製装置 99 高純度金属 100 粉砕装置 101 乾燥装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H05H 1/26 B09B 3/00 ZAB

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記プラズマトーチの内壁に沿って水その他の
    液体を流すプラズマトーチ内壁浄化手段を設けたことを
    特徴とする焼却灰処理装置。
  2. 【請求項2】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記焼却灰を水その他の液体との懸濁液の形で
    前記反応炉に供給する懸濁化手段を設けたことを特徴と
    する焼却灰処理装置。
  3. 【請求項3】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、請求項1記載のプラズマ内蔵浄化手段と、請求
    項2記載の懸濁化手段とを設けたことを特徴とする焼却
    灰処理装置。
  4. 【請求項4】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記反応炉内にプラズマの点弧開始時に予備電
    離を行わせる電離用の放射線照射手段を設けたことを特
    徴とする焼却灰処理装置。
  5. 【請求項5】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記プラズマトーチを高周波誘導コイルによる
    誘導放電タイプとし、その高周波誘導コイルを前記プラ
    ズマトーチの中心に対して異なる偏心配置で巻回される
    複数の偏心巻回部を有することを特徴する焼却灰処理装
    置。
  6. 【請求項6】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記プラズマトーチおよび金属トラップ部内を
    低圧力化する手段を設けたことを特徴とする焼却灰処理
    装置。
  7. 【請求項7】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記反応炉に焼却灰を導入する手段として、複
    数本の中空パイプにより構成された焼却灰導入ノズルを
    設けたことを特徴と焼却灰処理装置。
  8. 【請求項8】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記反応炉に焼却灰を導入する手段として、複
    数の細孔を有するブロックにより構成された焼却灰導入
    ノズルを設けたことを特徴とする焼却灰処理装置。
  9. 【請求項9】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入される
    反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプラ
    ズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給す
    る還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を選
    択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置で
    あって、前記反応炉に焼却灰を導入する手段として、焼
    却灰吹き出し口が環状となった焼却灰導入ノズルを設け
    たことを特徴とする焼却灰処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項7から9までのいずれかに記載
    の焼却灰処理装置において、焼却灰導入ノズルの上流側
    にキャリアガスとともに焼却灰を導入するための焼却灰
    導入管を配設し、この焼却灰導入管に焼却灰の流量を調
    整するための流量調整バルブを設けたことを特徴とする
    焼却灰処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項7から10までのいずれかに記
    載の焼却灰処理装置において、焼却灰導入ノズル上流側
    に焼却灰吹き出し口に対応して焼却灰導入管を複数本配
    設するとともに、この各焼却灰搬送パイプ毎に焼却灰フ
    ィーダを設けたことを特徴とする焼却灰処理装置。
  12. 【請求項12】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、プラズマ熱流の下流側に、焼却灰を導入する
    ための焼却灰導入ノズルを配設したことを特徴とする焼
    却灰処理装置。
  13. 【請求項13】 請求項1から11までのいずれかに記
    載の焼却灰処理装置において、プラズマ熱流の下流側
    に、還元ガスを供給する還元ガス導入口を配設したこと
    を特徴とする焼却灰処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から11までのいずれかに記
    載の焼却灰処理装置において、プラズマ熱流の下流側
    に、霧状もしくは粒状の水を供給するための水供給口を
    配設したことを特徴とする焼却灰処理装置。
  15. 【請求項15】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記反応炉の下流側に、高融点物質からなる
    ペブルを充填したペブル充填層を配置したことを特徴と
    する焼却灰処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の焼却灰処理装置にお
    いて、ペブル充填層を複数段備え、これらペブル充填層
    を直列に配置したことを特徴とする焼却灰処理装置。
  17. 【請求項17】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記プラズマトーチ内に発生するプラズマの
    安定性を常時モニターするための計器を設置し、そのモ
    ニター値の変化に応じて、電源出力、焼却灰供給量、プ
    ラズマガス流量または還元ガス流量その他の条件を制御
    するプラズマ制御手段を設けたことを特徴とする焼却灰
    処理装置。
  18. 【請求項18】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記プラズマトーチの熱流の発生源は、直流
    アークプラズマであることを特徴とする焼却灰処理装
    置。
  19. 【請求項19】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記ブラズマトーチの熱流の発生源は、マイ
    クロ波プラズマであることを特徴とする焼却灰処理装
    置。
  20. 【請求項20】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、プラズマトーチのプラズマ熱流の発生源は、
    高周波誘導プラズマであることを特徴とする焼却灰処理
    装置。
  21. 【請求項21】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記金属トラップ部は、固化した金属粒子を
    比重差または粒径差を利用して捕集するものであること
    を特徴とする焼却灰処理装置。
  22. 【請求項22】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記金属トラップ部の下流側に、前記プラズ
    マ熱流を維持するために必要なプラズマガスを回収およ
    び精製するためのガス精製装置と、このガス精製装置で
    精製したガスをプラズマガスとして前記反応炉に供給す
    る再循環手段とを設けたことを特徴とする焼却灰処理装
    置。
  23. 【請求項23】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記金属回収トラップ部にて回収された各種
    金属の純度を向上させるための金属精製装置を併設した
    ことを特徴とする焼却灰処理装置。
  24. 【請求項24】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記焼却灰を微粉化するための粉砕装置を設
    け、この粉砕装置により微粒子化した焼却灰を前記反応
    炉に導入するようにしたことを特徴とする焼却灰処理装
    置。
  25. 【請求項25】 金属酸化物を含んだ焼却灰が導入され
    る反応炉と、この反応炉内にプラズマ熱流を形成するプ
    ラズマトーチと、このプラズマトーチに還元ガスを供給
    する還元ガス供給手段と、前記反応炉で生成した金属を
    選択回収する金属トラップ部とを備えた焼却灰処理装置
    であって、前記焼却灰中の水分を除去するための乾燥装
    置を設け、この乾燥装置により乾燥した焼却灰を前記反
    応炉に導入するようにしたことを特徴とする焼却灰処理
    装置。
  26. 【請求項26】 請求項1から25までのいずれかに記
    載の焼却灰処理装置において、焼却灰溶融設備から排出
    された溶融飛灰であることを特徴とする焼却灰処理装
    置。
  27. 【請求項27】 請求項1から25までのいずれかに記
    載の焼却灰処理装置において、焼却灰は、都市ごみその
    他の各種廃棄物の焼却施設における電子集塵器あるいは
    バグフィルター等の集塵設備から集塵された塵埃である
    ことを特徴とする焼却灰処理装置。
  28. 【請求項28】 請求項1から25までのいずれかに記
    載の焼却灰処理装置において、焼却灰に代えて、製鋼工
    程で発生する製鋼ダストを処理することを特徴とする焼
    却灰処理装置。
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