JPH10256403A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH10256403A
JPH10256403A JP6130497A JP6130497A JPH10256403A JP H10256403 A JPH10256403 A JP H10256403A JP 6130497 A JP6130497 A JP 6130497A JP 6130497 A JP6130497 A JP 6130497A JP H10256403 A JPH10256403 A JP H10256403A
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forming
insulating film
electrode
silicon
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Ryuji Oba
竜二 大場
Riichi Kato
理一 加藤
Tetsushi Tanamoto
哲史 棚本
Naoharu Sugiyama
直治 杉山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、室温動作が可能な単一電子素子とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】半導体基板11上に形成された少なくとも
1対の電極13、14と、前記1対の電極間に形成され
た溝15と、前記溝の両側面に内接され、前記溝の両側
面との間に2つのトンネル接合を形成し、電子1個を保
持できる導電性微粒子16とを具備することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置に関し、
特に単一電子素子およびその応用回路素子とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】図23を参照して従来の室温で動作する
単一電子トランジスタの構造を説明する。シリコン基板
101上に酸化膜102を介して形成されたSOI(Si
liconOn Insulator)層に、微細エッチングとその後の
熱酸化によりシリコン量子細線103が形成され、その
各両端がソース・ドレインとなっている。量子細線10
3上にはゲート酸化膜104を介してゲート電極105
が形成されている。
【0003】図23に示した従来構造の単一電子トラン
ジスタでは、エッチングと熱酸化により細線103中に
形成されるシリコンアイランドは、10nmよりも粒径
が小さい非常に微少なものになるため、アイランドの全
容量を1aF程度にすることができる。従って室温にお
いてクーロンブロッケイド現象が可能となり、単一電子
トランジスタとしての室温素子動作が実現できる(例え
ば、H.Ishikuro et al., Proc. of SSDM p82(1995), Y.
Takahashi et al., Dig. of IEDM p938 (1994)を参
照)。
【0004】図23に示した従来構造の単一電子トラン
ジスタでは、シリコン量子細線中のシリコンアイランド
はエッチングとその後の酸化工程において自然形成され
るものであるため、熱的揺らぎにより細線中におけるア
イランド構成や各アイランドの容量といったデバイスの
基本要素が制御不能であった。そのため、均一性・再現
性がなく、デバイス構造の設計が不可能であるという問
題があった。
【0005】単一電子素子を不揮発性半導体記憶装置に
応用する試みも為されている。図24を参照して従来の
単一電子MOSFET型不揮発性半導体記憶装置の構造
を説明する(S.Tiwari and F.Rana et al., IEDM Dig.,
p521 (1955)参照)。
【0006】p型シリコン基板111中にソース・ドレ
イン領域112が形成されており、基板表面には厚さ
1.5nm程度のトンネル酸化膜113を介して粒径5
nmのシリコン微粒子114がチャネル全体に均一に形
成されている。さらにその上に厚さ7nm程度の制御酸
化膜115を介してゲート電極116が形成されてい
る。
【0007】情報の書き込みはゲート電圧を+4V程度
かけることにより、チャネルにできる反転層のキャリア
電子をトンネル酸化膜113を通してトンネルさせ、シ
リコン微粒子114に注入、捕捉させることで行う。
【0008】情報の読出しは、捕捉情報電荷によるゲー
ト電極から反転層への電界の遮蔽によるドレイン電流の
減少を観ることで行う。例えばシリコン微粒子の面密度
を1×1012cm-2であるとして、微粒子1個に1電子
づつ捕捉されていればMOSFETの閾値は0.36V
変化し、電流はサブスレショールド領域から5桁の違い
となって現れ、充分感知できるものである。
【0009】情報の消去は書き込みと逆にゲート電圧を
マイナスにかけることで、捕捉電子をトンネル酸化膜1
12を透してシリコン微粒子114からチャネルへトン
ネルさせることで行う。図25は従来の単一電子トラン
ジスタ型不揮発性半導体記憶装置の等価回路図を示す。
【0010】図24および図25に示した従来の単一電
子MOSFET型不揮発性記憶装置の書き込み消去動作
は、図26に示すようにトンネル接合と標準キャパシタ
ンスにより行われる。
【0011】図27にそのその書き込み消去動作を示
す。情報電荷蓄積部であるシリコン微粒子におけるクー
ロンブロッケイド効果により情報電荷は素電荷qを単位
に量子化されるため、図27のようにステップ状の特性
になる。
【0012】書き込み電圧をかけることで、トンネル接
合を介して情報電荷蓄積部であるシリコン微粒子に情報
電荷供給源であるチャネルから書き込まれた情報電荷
は、書き込み電圧をかけない状態に戻してもトンネル時
間の遅れによりすぐにはチャネルに戻らないためヒステ
リシスが生じる。
【0013】従ってシリコン微粒子に情報電荷が書き込
まれても、書き込み電圧をかけない状態に戻した時より
エネルギー的に安定な状態、即ち情報電荷が書き込まれ
ていない状態に戻ろうとするため、情報電荷がチャネル
に逃げて消失してしまい易く、よって記憶保持時間が短
いという問題があった。
【0014】さらに、記憶保持時間を長くするために
は、トンネル酸化膜厚をある程度厚くしてトンネル時間
を長くする必要があるので、その分書き込み消去時間が
長くなりメモリ動作が遅くなるという問題があった。
【0015】また、従来の単一電子不揮発性半導体記憶
装置では、情報電荷蓄積部である浮遊ゲートに電荷が蓄
積された状態を読み出すために、ソース・ドレイン間に
電圧を印加して電流を流そうとすると、チャネル中のピ
ンチオフ点よりもドレインよりの高電界領域で、浮遊ゲ
ートとチャネル間にも高電界がかかり、同様な読出し操
作を繰り返すうちに、シリコン微結晶のうちドレイン寄
りの電荷がドレイン側のチャネルに漏れてしまう。
【0016】特に微結晶を浮遊ゲートに用いた素子で
は、微結晶間での電荷の移動が殆どないような状況下
で、通常の浮遊ゲート素子では浮遊ゲート全体からの電
荷の漏れが起こらない場合でも、電荷が直接トンネリン
グするくらい薄いトンネル酸化膜を用いているため、ド
レイン寄りの微結晶からの電荷の漏れが問題になる。
【0017】結局、浮遊ゲートに貯えられている総電荷
量が変化するため、読出し時のドレイン電流の閾値がど
んどんずれてしまうといういわゆる reed disturbance
の問題が顕著になる。
【0018】また、同素子を多値メモリとして機能させ
ようとする場合は、ナノスケール微結晶への電荷の注入
がクーロンブロッケイド効果により抑制されることを利
用する方法をとることにより、多値メモリが実現可能で
ある。すなわち、1個目の電荷の蓄積から2個目の電荷
の蓄積をするのに要する電圧を、電荷をQ,微結晶の容
量をCとするとき、Q/Cで離散的に厳密に決めること
が可能である。
【0019】換言すれば、1個の微結晶の容量Cで閾電
圧が決定されるが、室温ではっきりした閾電圧を出すた
めにはシリコンのナノスケール微結晶の場合、サイズを
3nm程度以下に小さくする必要がある。自然形成法で
このような微小かつサイズの均一なナノスケール微結晶
を形成するのは非常に難しいため、結局この素子を多値
メモリとして活用するには他の何らかの方法を用いる必
要がある。
【0020】以上のように、従来のナノスケール微結晶
を用いた浮遊ゲート型メモリ素子では、 read disturba
nce の問題並びに多値メモリ化が難しいという問題があ
った。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、デバイス設計および回路設計が可能な室温動作単一
電子素子の構造とその製造方法を提供することにある。
【0022】本発明の第2の目的は、記憶保持時間が長
くかつ高速動作が可能な単一電子MOSFET型不揮発
性半導体記憶素子の構造を提供しようとするものであ
る。
【0023】本発明の第3の目的は、read disturbance
の問題が回避され、多値メモリ化が可能な単一電子M
OSFET型不揮発性半導体記憶素子を提供しようとす
るものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明の半導体装置は、半導体基板上に形成さ
れた少なくとも1対の電極と、前記1対の電極間に形成
された溝と、前記溝の両側面に内接され、前記溝の両側
面との間に2つのトンネル接合を形成し、電子1個を保
持できる導電性微粒子とを具備することを特徴とする。
【0025】また上記半導体装置の製造方法は、半導体
基板上に第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極
上に、これと絶縁膜を介して対向するように第2の電極
を形成する工程と、前記絶縁膜を前記第2の電極の端部
に露出された側面よりエッチングすることにより、前記
第1および第2の電極間に溝を形成する工程と、導電性
微粒子を前記半導体基板の表面全体に散布することによ
り、前記溝の中に前記導電性微粒子を内抱させ、前記第
1および第2の電極と前記導電性微粒子との界面に2つ
のトンネル接合を形成する工程とを具備することを特徴
とする。
【0026】この構造の二重トンネル接合では、微細溝
中の微粒子は粒径が溝幅以下のものに限られるため、微
粒子のnmオーダー(1乃至10nm)の微小化ができ
る。さらに、電流が流れるのは抵抗が最も小さい経路で
あるから、微細溝幅と粒径がぴったりと一致する微粒子
のところで流れることになる。従って導電性アイランド
は室温動作可能な数nmに微細化できるのは勿論、微細
溝の溝幅を制御することでその粒径を制御することがで
きる。
【0027】この場合、各トンネル接合は粒径の分かっ
た微粒子と電極の壁との接触で構成されているため、ア
イランドの容量、トンネル抵抗といった基本パラメータ
も微細溝幅によって決まることになる。よって、微細溝
の溝幅を制御することで、均一性と再現性のある微小二
重トンネル接合が可能となり、デバイス設計、さらには
回路設計が可能な室温動作単一電子素子が達成できる。
【0028】上記第2の目的を達成するために本発明の
半導体装置では、半導体基板の表面に対向するように形
成されたソースとドレイン拡散層と、前記ソースとドレ
イン拡散層に挟まれた前記半導体基板上にゲート絶縁膜
を介して形成された電荷蓄積部である浮遊電極と、前記
浮遊電極下の前記半導体基板表面に形成されるチャネル
領域と、前記ゲート絶縁膜中に含まれ、電子1個の充電
エネルギーが熱揺らぎより大きいというクーロンブロッ
ケイド条件を満たす導電性微粒子とを具備し、前記導電
性微粒子と、それを取り囲む前記ゲート絶縁膜との間に
前記電荷の移動方向に形成された2つのトンネル接合と
を介して、前記浮遊電極に前記チャネル領域より前記電
荷を出し入れすることを特徴とする。
【0029】上記半導体装置の製造方法は、半導体基板
上にゲート絶縁膜を介して電荷蓄積部である浮遊電極を
有する単一電子MOSFET型半導体装置の製造方法に
おいて、ソースまたはドレイン拡散層と前記浮遊電極と
の間にある前記ゲート酸化膜の端部を、外側よりエッチ
ングすることにより微細溝を形成する工程と、シリコン
微粒子を前記基板の表面全体に散布することにより、前
記シリコン微粒子を前記微細溝に内抱させ、前記シリコ
ン微粒子と前記微細溝の両側面との界面において、前記
浮遊電極に電荷を出し入れする方向に2つのトンネル接
合を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0030】上記製造方法において、前記ゲート絶縁膜
はシリコン酸化膜であり、前記エッチングは、弗化アン
モニウムを含むエッチング液を用いて行われることが望
ましい。
【0031】本発明の半導体装置の他の製造方法は、シ
リコン基板表面の第1の酸化膜上に、ポリシリコングレ
インフィルムを形成し、前記第1の酸化膜と前記ポリシ
リコングレインフィルムとの界面に第1のトンネル接合
を形成する工程と、前記ポリシリコングレインフィルム
の表面に第2の酸化膜を形成し、前記ポリシリコングレ
インフィルムと前記第2の酸化膜の界面に第2のトンネ
ル接合を形成する工程と、前記第2の酸化膜上に浮遊電
極を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0032】本発明の半導体装置のさらに他の製造方法
は、シリコン基板表面に形成された第1の酸化膜上に、
複数のシリコン微結晶を夫々が頂点を有する如く形成
し、前記第1の酸化膜と前記複数のシリコン微結晶の界
面に第1のトンネル接合を形成する工程と、前記複数の
シリコン微結晶の表面に、前記シリコン微結晶の頂点に
対応した複数の頂点を有するように第2の酸化膜を形成
し、前記複数のシリコン微結晶と前記第2の酸化膜との
界面に第2のトンネル接合を形成する工程と、前記第2
の酸化膜の複数の頂点に載設された浮遊電極を形成する
工程とを具備することを特徴とする。
【0033】この構造の記憶装置では、クーロンブロッ
ケイドにより終始エネルギー的に安定な形で情報電荷に
ヒステリシスがでることにより、書き込まれた情報電荷
が浮遊電極から逃げていくことがないため、記憶保持時
間が長くなる。さらに微小結晶を挟む二重トンネル接合
のトンネル酸化膜厚は記憶保持時間に関係なく薄くでき
るため、記憶保持時間を犠牲にすることなくトンネル時
間を短くできるので、書き込み・消去時間の速い高速動
作が可能になる。
【0034】上記第3の目的を達成するために本発明の
半導体装置は、半導体基板表面に対向するように形成さ
れた第1と第2の不純物拡散層と、前記第1と第2の不
純物拡散層に挟まれた前記半導体基板上に形成された第
1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成
された複数の微結晶より形成された浮遊ゲート電極と、
前記浮遊ゲート電極上に、第2のゲート絶縁膜を介して
形成された制御ゲート電極とを具備し、前記第1のゲー
ト絶縁膜は、膜厚の異なる少なくとも2つの領域を有
し、前記第1の不純物拡散層に近い前記第1のゲート絶
縁膜の領域の膜厚が、前記第2の不純物拡散層に近い前
記第1のゲート絶縁膜の領域の膜厚より小さく形成され
ていることを特徴とする。
【0035】さらに、前記第1の不純物拡散層に近い前
記第1のゲート絶縁膜の領域はトンネル障壁層として機
能し、前記第2の不純物拡散層に近い前記第1のゲート
絶縁膜の領域は絶縁膜として機能することを特徴とす
る。
【0036】加えて、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚
は、前記第1の不純物拡散層に近い前記第1のゲート絶
縁膜の領域から前記第2の不純物拡散層に近い前記第1
のゲート絶縁膜の領域に向かって階段状に厚くなり、前
記第1の拡散層に近い方の前記第1のゲート絶縁膜の少
なくとも2つの領域はトンネル障壁層として機能するこ
とを特徴とする。
【0037】本発明では、read disurbance の問題を、
浮遊ゲートであるナノスケール(1乃至10nm)の微
結晶領域とチャネル領域とをソース・ドレイン方向に2
分割し、ドレイン寄りのチャネル・浮遊ゲート間障壁層
の厚さをソース寄りの障壁層の厚さよりも厚くすること
により解決している。こうすることにより、ソース寄り
の微結晶浮遊ゲートには、ゲートバイアス印加時に電荷
がトンネル注入されるが、ドレイン寄りの微結晶浮遊ゲ
ートには最初から電荷が蓄積されず、読出し時にドレイ
ン寄り高電界領域から電荷が逃げるという問題、すなわ
ち read dis-turbance の問題も回避されることにな
る。
【0038】さらに、多値メモリの問題は、浮遊ゲート
である微結晶領域とチャネルとをソース・ドレイン方向
に複数領域に分割し、障壁層の厚さをソース領域からド
レイン領域に向けて段階的に厚くすることにより解決し
ている。こうした構成を採った上で、ゲートの印加電圧
を段階的に印加することにより、各領域に電荷が蓄積さ
れるため、多値メモリが容易に実現される。また、さら
にドレインよりのチャネル・浮遊ゲート間障壁層の厚さ
が厚いため、読出し時の電荷の漏れは生ぜず、read dis
turbance の問題も回避されることになる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
わる単一電子素子(二重トンネル接合)の製造方法を段
階的に示す断面図である。
【0040】p型シリコン基板11上に厚さ5nmの酸
化膜12と200nmのn+ ポリシリコン層を形成後、
ポリシリコン層の電極13のパターンを形成し、電極1
3をマスクとしてリン(P)をドーズ量1×1015cm
-2、入射エネルギー15KeVで注入し、1000℃、
20秒のアニールによりn+ 層14を形成する(図1
(a))。
【0041】その後、NH4 Fで4秒間の酸化膜エッチ
ングを行うことにより、酸化膜12は外側から削られ
て、電極13、14の間に幅5nm、深さ7nmの微細
溝15が形成される(図1(b))。
【0042】次に、平均粒径が5nm程度のシリコン微
粒子群をアルコール等で撹袢しながら基板表面全体に散
布し、アルコール等で基板表面を洗い流すことにより、
微細溝15の中にアイランドとなる微細シリコン粒子1
6が存在する二重トンネル接合が形成できる(図1
(c))。この二重トンネル接合は、図2に示すような
等価回路で表すことができる。
【0043】本発明では図1に示したように、微細溝1
5内のシリコン微粒子16は、粒径が微細溝の溝幅5n
mよりも小さいものに限られるため、アイランドのナノ
スケール(1〜10nm)の微細化ができる。さらに、
電極13と14の間を流れる電流は、抵抗が一番低くな
る経路を流れるので、粒径が溝幅5nmと丁度一致する
微粒子の箇所を電流が流れることになる。このため、溝
幅により電流を決定するアイランドの粒径が一意的に決
定できる。
【0044】従って、室温動作を可能とする微細なナノ
スケールであっても、酸化膜12の厚さを制御すること
で、アイランドの粒径、容量といった二重トンネル接合
の基本要素を制御、設計することができる。この場合酸
化膜12の厚さは、ゲート酸化の条件を適切に設定する
ことにより、正確に制御することができる。
【0045】(第2の実施形態)図3、図4は、本発明
の第2の実施形態に係わる単一電子素子(二重トンネル
接合型単一電子トランジスタ)の製造方法を段階的に示
す断面図である。
【0046】p型シリコン基板21表面に高低差500
nmの段差をを形成した後、厚さ5nmの酸化膜22と
300nmのn+ ポリシリコン層20を形成する(図3
(a))。
【0047】レジストパターン27をマスクとして反応
性イオンエッチング(RIE)を行うことにより、上段
部のポリシリコン20が除去され基板表面が露出される
と共に、側壁残しによりソースとなるn+ ポリシリコン
電極23が形成され、さらにこれと接続するソース電極
の引き出し線29が形成される。その後、リン(P)を
ドーズ量1×1015cm-2、入射エネルギー15KeV
で注入し、1000℃、20秒のアニールによりドレイ
ンとなるn+ 層24を形成する(図3(b))。
【0048】その後、NH4 Fで4秒間の酸化膜エッチ
ングを行うことにより、酸化膜22を外側(上側)から
削って、ソース電極23とドレイン電極24の間に幅5
nm、深さ7nmの微細溝25を形成する。その後、平
均粒径5nm程度のシリコン微粒子群をアルコール等で
撹袢しながら基板表面全体に散布し、さらにアルコール
等で基板表面を洗い流すことにより、微細溝25の中に
アイランドとなる微小シリコン粒子26が存在する二重
トンネル接合を形成する(図4(a))。
【0049】次に、CVDにより厚さ100nmのSi
2 層30と、その上に200nmのn+ ポリシリコン
層を形成後、ポリシリコン層をパターニングすることに
よりゲート電極28を形成する。これにより、二重接合
型単一電子トランジスタが完成する(図4(b))。二
重トンネル接合型単一電子トランジスタの等価回路図を
図5に示す。
【0050】(第3の実施形態)図6は、本発明の第3
の実施形態に係わる単一電子素子(単一電子メモリ)の
製造方法を段階的に示す断面図である。
【0051】p型シリコン基板31中の埋め込み酸化膜
38上に、厚さ100nmのSOI(Silicon On Insul
ator)層31’が形成された基板を用意する。SOI層
31’をRIEにより部分的に垂直エッチングして高低
差100nmの段差を形成する。次に基板全面に厚さ5
nmのゲート酸化膜32と50nmのポリシリコン層を
順次形成した後、レジストパターンをマスクとしてポリ
シリコン層をRIEにより垂直エッチングして、SOI
層の上面を露出すると共に、側壁残しによりポリシリコ
ン電極33を形成し、さらにポリシリコン電極37を形
成する。その後、リン(P)をドーズ量1×1015cm
-2、入射エネルギー15KeVで注入し、1000℃、
20秒のアニールによりn+ 層34を形成する(図6
(a))。
【0052】続いて、NH4 Fで4秒間の酸化膜エッチ
ングを行うことにより、酸化膜32を外側(上側)から
削って、電極33とn+ 層34の間に幅5nm、深さ7
nmの微細溝35を形成する。その後、平均粒径5nm
程度のシリコン微粒子群をアルコール等で撹袢しながら
基板表面全体に散布し、さらにアルコール等で基板表面
を洗い流すことにより、微細溝35の中にアイランドと
なる微小シリコン粒子36が存在する二重トンネル接合
を形成する(図6(b))。
【0053】この場合電極33と37の間にキャパシタ
ンスが形成され、電極37と電極(n+ 層)34の間に
単一電子メモリが形成される。このようにして形成され
た単一電子メモリの等価回路図を図7に示す。
【0054】(第4の実施形態)図8、図9は、本発明
の第4の実施形態に係わる単一電子素子(ターンスタイ
ル素子)の製造方法を段階的に示す断面図である。
【0055】p型シリコン基板41表面にEB露光装置
等により高低差100nm、幅300nmのトレンチパ
ターンを形成した後、厚さ5nmのゲート酸化膜42と
200nmのn+ 層43を順次形成する(図8
(a))。
【0056】ポリシリコン層の側壁残し条件でのRIE
によりn+ ポリシリコン電極43’を形成後、リン
(P)をドーズ量1×1015cm-2、入射エネルギー1
5KeVで注入し、1000℃、20秒のアニールによ
りn+ 層44を形成する(図8(b))。
【0057】その後、NH4 Fで4秒間の酸化膜エッチ
ングを行うことにより、酸化膜42を外側(上側)から
削って、電極43’とn+ 層44の間に幅5nm、深さ
7nmの微細溝45を形成する。その後、平均粒径5n
m程度のシリコン微粒子群をアルコール等で撹袢しなが
ら基板表面全体に散布し、さらにアルコール等で基板表
面を洗い流すことにより、微細溝45の中にアイランド
となる微小シリコン粒子46が存在する二重トンネル接
合を形成する(図8(c))。
【0058】次に、CVDにより厚さ100nmのSi
O2 層47と200nmのn+ ポリシリコン層を順次基
板上に形成後、電子露光装置等により長さ50nmのゲ
ート電極48のパターンを形成する(図9)。これによ
り、ゲート電極48と電極43の間にキャパシタンスが
形成され、電極43と電極(n+ 層)44の間、および
電極43と電極44’の間に二重トンネル接合が形成さ
れたターンスタイル素子が完成する。このターンスタイ
ル素子の等価回路図を図10に示す。
【0059】以上本発明の第1〜第4の実施形態に示し
たように、本発明の二重トンネル接合を用いることによ
り、様々な種類の室温動作単一電子素子および単一電子
回路素子を設計できる。
【0060】上記第1〜第4の実施形態は、n+ シリコ
ン電極間のSiO2 薄膜のNH4 Fエッチングによる微
細溝の形成について述べたが、他の材料の電極と絶縁薄
膜を用い、それらに対応した選択エッチング方法を用い
ることでも本発明の構成は可能である。また上記第1〜
第4の実施形態ではシリコン微粒子を用いているが、他
の導電性微粒子でも構わない。また、微粒子を基板表面
に散布するのに、アルコール等による微粒子の撹袢を用
いているが、CVD法で表面に微粒子を直接形成するよ
うにしてもよい。
【0061】(第5の実施形態)図11、図12は、本
発明の第5の実施形態に係る単一電子素子半導体記憶装
置の製造方法を段階的に示した断面図である。p型シリ
コン基板51上に厚さ5nmの酸化膜52と厚さ10n
mの浮遊電極となるn+ 型ポリシリコン層53を順次形
成し、その上にCVDによる厚さ10nmのSiN膜5
4とゲート電極55となる厚さ200nmのn+ ポリシ
リコン層を順次形成する。
【0062】その後、ゲート電極55のパターンを形成
し、電極55をマスクとしてAsをドーズ量1×1015
cm-2、入射エネルギー15KeVで注入し、1000
℃、20秒のアニールにより、n+ 層56を形成する
(図11(a))。
【0063】次に、NH4 Fで4秒間の酸化膜エッチン
グを行うことにより、酸化膜52は外側から削られて、
n+ 層53とn+ 層56の間に幅5nm、深さ7nmの
微細溝57が形成される(図11(b))。
【0064】次に、平均粒径が5nm程度のシリコン微
粒子群をメタノールで超音波撹袢しながら基板表面全体
に散布し、さらにメタノール・純水等で基板表面を洗い
流す. これにより、微細溝57の中に微小シリコン粒子
58を挟んだ二重トンネル接合を有する新しい単一電子
MOSFET型不揮発性半導体記憶装置が形成される
(図12)。
【0065】(第6の実施形態)図13、図14は、本
発明の第6の実施形態に係わる単一電子型半導体記憶装
置の製造方法を段階的に示す断面図である。p型シリコ
ン基板61上に厚さ1nmの酸化膜62を形成後、その
上にアモルファスシリコンの極薄膜を堆積し、750℃
のアニールを行う。これにより、厚さ5nmで、nmオ
ーダーのポリシリコングレインから成るシリコンフィル
ム63を形成する(図13)。
【0066】さらに厚さ1nmの酸化膜64を形成した
後、浮遊電極となる厚さ10nmのn+ ポリシリコン層
65を形成し、続いて厚さ10nmの酸化膜66とゲー
ト電極となる厚さ200nmのn+ ポリシリコン層67
をCVDで形成する(図14(a))。
【0067】その後、レジストパターン69をマスクと
して、基板上の積層層を垂直エッチングすることにより
基板表面を露出し、ゲート電極部を形成する。その後、
Asをドーズ量1×1015cm-2、入射エネルギー15
KeVで露出された基板面に注入し、1000℃、20
秒のアニールによりソース・ドレインとなるn+ 層68
を形成する。これにより、ゲート酸化膜中に微小結晶2
3を挟んだ二重トンネル接合を有する新しい単一電子M
OSFET型不揮発性半導体記憶装置が形成できる(図
14(b))。
【0068】(第7の実施形態)図15は、本発明の第
7の実施形態に係わる単一電子半導体記憶装置の製造方
法を段階的に示す断面図である。p型シリコン基板71
上に厚さ1nmの酸化膜72を形成後、極薄膜CVDと
その後のアニールにより粒径5nmのシリコン微結晶7
3を表面に一様に形成し、さらに、厚さ1nmの酸化膜
74を形成する(図15(a))。
【0069】その後、浮遊電極となる厚さ10nmのn
+ ポリシリコン層75を形成するが、その際、高アスペ
クト比のため微粒子73の間隔にポリシリコン75が入
り込めないように、微結晶73を形成する工程でその面
密度を調整しておく(図15(b))。
【0070】続いて厚さ10nmの酸化膜76とゲート
電極77となる厚さ200nmのn+ ポリシリコン層を
CVDで形成した後、図示しないレジストパターンをマ
スクとして異方性エッチングして基板表面を露出させる
ことによりゲート電極部が形成される。その後、Asを
ドーズ量1×1015cm-2、入射エネルギー15KeV
で基板表面に注入し、1000℃、20秒のアニールに
よりソース・ドレイン領域となるn+ 層78を形成す
る。これにより、ゲート酸化膜中に微小結晶73を挟ん
だ二重トンネル接合を有する新しい単一電子MOSFE
T型不揮発性半導体記憶装置が形成される(図15
(c))。
【0071】上記第5ないし第7の実施形態では、シリ
コン微粒子またはポリシリコングレインを用いている
が、他の導電性のナノスケール微粒子でも良い。第6、
第7の実施形態ではトンネル接合を熱酸化によるSiO
2 としているが、CVDによるSiO2 や他の絶縁膜で
も良い。
【0072】本発明の第5の実施形態の図11に示した
ように、電荷蓄積部である浮遊電極53と電荷供給部で
あるソース・ドレイン拡散層またはチャネルとの間の情
報電荷の書き込み・消去は、室温でのクーロンブロッケ
イド条件を満たすナノスケールシリコン微粒子58を挟
んだ2重トンネル接合を介して行われる。
【0073】同様に第6、第7の実施形態でも、それぞ
れ室温でクーロンブロッケイド条件を満たすナノスケー
ル微粒子63、73を挟んだ二重トンネル接合を介して
浮遊電極65、75への書き込み・消去が行われる。
【0074】本発明の第5〜第8の実施形態による単一
電子MOSFET型不揮発性半導体記憶装置の等価回路
図を図16に示す。本発明の半導体記憶装置の書き込み
・消去動作は、図17の等価回路によるモデルに示すよ
うに、室温でクーロンブロッケイド条件を満たす微小導
電性アイランドと、それを挟む二重トンネル接合(容量
1 ×2)と、標準キャパシタンス(容量C)により行
われる。
【0075】上記の書き込み消去動作を図18を用いて
説明する。情報電荷Q0 を書き込みたいときには、VG
を書き込み電圧VW =q/(2C1 )+Q0 /C(q:
素電荷)まで瞬間的に上げてすぐ0に戻せば良い。この
とき、クーロンブロッケイド効果により、VG =0から
G =q/(2C1 )迄書き込みが起こらない。同様
に、VG をVW 迄上げた後0迄下げてもQ0 は変化しな
い。これは、図19の回路におけるV−I特性が、図2
0のような特性を示すことから理解できる。
【0076】次に、情報電荷Q0 を消去したいときに
は、VG を消去電圧Ve =−q/(2C1 )迄瞬間的に
下げてすぐ0に戻せば最初の状態に戻り、情報電荷は消
去できる。図18に示したヒステリシスは、図20に示
したクーロンブロッケイド効果に依るが、常にエネルギ
ー的に安定な状態を辿るため、書き込まれて情報電荷が
消失することがない。従って記憶保持時間は非常に長く
なる。
【0077】さらに、トンネル酸化膜厚は1nm以下ま
で非常に薄くしても、記憶保持時間との間のトレードオ
フ無くトンネル時間、即ち書き込み・消去時間を非常に
短くでき、メモリ動作を高速にできる。 またこの時、
読出し時のドレイン電圧をVd<q/(2C1 )−Q0
/Cとしておけば、ドレイン端においても情報電荷Q0
がクーロンブロッケイドにより変化しない領域にあるた
め、いわゆる Read Disturbance による誤動作を未然に
防ぐことができる。
【0078】なお、上記の実施形態では二重トンネル接
合の容量は2つともC1 で等しいとしているが、相異な
るC1 とC2 の時でもブロッケイド領域の閾値q/(2
1)がq/(C1 +C2 )になるだけで、図18に示
した書き込み・消去動作は変わらない。
【0079】また、上記第5〜第7の実施形態では、情
報電荷を蓄積する浮遊電極53、65、75を大きな電
極板にしているが、それら電荷蓄積部もクーロンブロッ
ケイド条件を満たすシリコン微粒子、ポリシリコングレ
イン等の微小結晶にすれば、情報電荷が素電荷単位に量
子化されるため、記憶保持時間の長い高速な多値メモリ
も可能である。
【0080】(第8の実施形態)図21は、本発明の第
8の実施形態に係わる浮遊ゲート型半導体記憶装置の断
面図である。本実施例では通常のn型MOSFETを基
本とした浮遊ゲート型半導体記憶装置において、浮遊ゲ
ートとしてCVD法にて形成したナノスケールのシリコ
ン微結晶を用いており、2つの厚さのチャネル・浮遊ゲ
ート間障壁を有している。
【0081】まず、p型半導体基板81上のゲート領域
全体に厚いゲート酸化膜82を5nm以上形成する。そ
の後、ソース領域88’寄りのゲート酸化膜82をマス
クを用いて選択的に除去し、再度全面に熱酸化を施すこ
とにより、ソース領域88’寄りの領域にだけ、4nm
の以下の薄いゲート酸化膜82’を形成する。その際、
厚い酸化膜82は、酸化レートは薄い酸化膜82’より
も落ちるが、膜厚は増加することになる。
【0082】このトンネル酸化膜82、82’形成後、
例えば基板を加熱せずに室温に保ったまま、シリコンの
CVDを行い、継続してCVDチャンバー内で短時間高
温加熱することにより、ナノスケールのシリコン微結晶
の浮遊ゲート領域83を形成する。その後、全面にCV
D酸化膜86を堆積し、その上に制御ゲート87を形成
している。なお、84は電極間分離領域である。
【0083】その他のトランジスタ製造プロセスは、通
常のnチャネル型MOSFET型浮遊ゲート素子の製造
工程を用いることにより、容易に実施できる。このよう
にして作成した浮遊ゲート型半導体記憶装置では、ソー
ス領域88’寄りのシリコン微結晶83には薄い障壁領
域を介して直接トンネリングにより電子を低電圧で注入
可能であり、ドレイン領域88寄りのシリコン微結晶に
は、厚い障壁領域が介在するのでソース領域寄りと同一
バイアス条件では電子の注入は起こらない。
【0084】従って、読出し時にソース・ドレインにバ
イアスを加えても、ドレイン寄りの浮遊ゲート領域83
には、元々電子が存在しなかったため、浮遊ゲート全体
の電荷量に変化は起こらず、従って、read disturbance
の問題は起こらない。
【0085】(第9の実施形態)図22は、本発明の第
9の実施形態に係わる浮遊ゲート型メモリ素子の断面図
である。本実施形態では、トンネル酸化膜82は、膜厚
の異なる3つの領域に分かれており、ソース領域88’
の最も近くに最も薄いトンネル酸化膜82″を有する領
域から、ドレイン領域88に向かって、トンネル酸化膜
の膜厚が順次大きくなる他の2つの領域を有している。
【0086】ソース領域88’に近い方のトンネル酸化
膜の2つの領域82″、82’をトンネル障壁層として
使用すれば、閾電圧の差により3値メモリとして機能さ
せることができる。さらにドレイン領域88に近い領域
まで含めれば4値メモリが可能となる。
【0087】本実施形態では厚さの異なる複数の障壁領
域が存在するが、これは第8の実施形態に示した方法を
順次複数回繰り返すことにより容易に形成可能である。
また他のプロセスも通常のnチャネル型MOSFET型
メモリ素子の製造方法を用いて容易に実施できる。従っ
て第8の実施形態と同一箇所には同一番号を付して、重
複する説明は省略する。
【0088】このようにして作製した浮遊ゲート型メモ
リ素子は、微結晶サイズが5nm以上と比較的大きいに
も拘らず、閾電圧のはっきりした0〜3の4値の多値メ
モリを構成できる。またドレイン寄りのチャネル・浮遊
ゲート間障壁層が厚いため、読出し時に電荷が漏れる r
ead disturbance の問題は生じない。
【0089】第8および第9の実施形態では、nチャネ
ル型MOSFETを用いたが、本発明はp型MOSFE
Tに対しても同様に実施可能である。また、SiGeや
SiGeC等の混晶を用いたMOS型あるいはヘテロ接
合型トランジスタに対しても同様に実施可能である。さ
らに、GaAlAs系やGaAlN系、あるいはGaI
nAsP系といった化合物半導体により構成されたヘテ
ロ接合型トランジスタに対しても同様に実施することが
できる。
【0090】このように、本発明は read diaturbance
の影響を受けない高信頼な浮遊ゲート型メモリ素子を提
供できる。さらに、本発明は閾電圧のはっきりした多値
型の浮遊ゲート型メモリ素子を提供できる。
【0091】
【発明の効果】本発明(請求項1〜3)によれば、微細
溝中の微粒子は粒径が溝幅以下のものに限られるため、
微粒子のnmオーダーの微小化ができる。従って導電性
アイランドは室温動作可能な数nmに微細化できるのは
勿論、微細溝の溝幅を制御することでその粒径を制御す
ることができる。この場合、アイランドの容量、トンネ
ル抵抗といった基本パラメータも微細溝幅によって決ま
ることになる。よって、微細溝の溝幅を制御すること
で、均一性と再現性のある微小二重トンネル接合が可能
となり、デバイス設計、さらには回路設計が可能な室温
動作単一電子素子が達成できる。
【0092】また本発明(請求項4〜7)によれば、ク
ーロンブロッケイドにより終始エネルギー的に安定な形
で情報電荷にヒステリシスが出ることにより、書き込ま
れた情報電荷が浮遊電極から逃げていくことがないた
め、記憶保持時間が長くなる。さらに微小結晶を挟む二
重トンネル接合のトンネル酸化膜厚は記憶保持時間に関
係なく薄くできるため、記憶保持時間を犠牲にすること
なくトンネル時間を短くできるので、書き込み・消去時
間の速い高速動作が可能になる。
【0093】また、本発明(請求項8〜10)では、浮
遊ゲートであるナノスケールの微結晶領域とチャネル領
域とをソース・ドレイン方向に2分割し、ドレイン寄り
のチャネル・浮遊ゲート間障壁層の厚さをソース寄りの
障壁層の厚さよりも厚くすることにより、ソース寄りの
微結晶浮遊ゲートには、ゲートバイアス印加時に電荷が
トンネル注入されるが、ドレイン寄りの微結晶浮遊ゲー
トには最初から電荷が蓄積されず、 read disturbance
の問題を回避することができる。
【0094】さらに、浮遊ゲートである微結晶領域とチ
ャネルとをソース・ドレイン方向に複数領域に分割し、
障壁層の厚さをソース領域からドレイン領域に向けて段
階的に厚くし、ゲートの印加電圧を段階的に印加するこ
とにより、各領域に電荷が蓄積されるため、多値メモリ
が容易に実現される。また、さらにドレインよりのチャ
ネル・浮遊ゲート間障壁層の厚さが厚いため、読出し時
の電荷の漏れは生ぜず、 read disturbance の問題も
回避されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る単一電子素子の
製造工程を段階的に断面図
【図2】第1の実施形態の単一電子素子の等価回路図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る単一電子素子の
製造工程を段階的に示す断面図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る単一電子素子の
製造工程の図3に続く工程を段階的に示す断面図
【図5】第2の実施形態の単一電子素子の等価回路図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る単一電子素子の
製造工程を段階的に示す断面図
【図7】第3の実施形態の単一電子素子の等価回路図
【図8】本発明の第4の実施形態に係る単一電子素子の
製造工程を段階的に示す断面図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る単一電子素子の
製造工程の図8に続く工程を示す断面図
【図10】第4の実施形態の単一電子素子の等価回路図
【図11】本発明の第5の実施形態に係わる単一電子M
OSFET型不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す
断面図
【図12】本発明の第5の実施形態に係る単一電子MO
SFET型不揮発性半導体記憶装置の製造工程の図11
に続く工程を示す断面図
【図13】本発明の第6の実施形態に係わる単一電子M
OSFET型不揮発性半導体記憶装置の製造方法を説明
する断面図
【図14】本発明の第6の実施形態に係る単一電子MO
SFET型不揮発性半導体記憶装置の製造工程の図13
に続く工程を示す断面図
【図15】本発明の第7の実施形態に係わる単一電子M
OSFET型不揮発性半導体記憶装置の製造方法を段階
的に示す断面図
【図16】本発明の単一電子MOSFET型不揮発性半
導体記憶装置の等価回路図
【図17】本発明の単一電子MOSFET型不揮発性半
導体記憶装置の書き込み、消去を説明する等価回路図
【図18】本発明の単一電子MOSFET型不揮発性半
導体記憶装置の書き込み、消去を説明するVG −Q特性
【図19】二重トンネル接合のクーロンブロッケイド効
果を説明する等価回路図
【図20】二重トンネル接合のクーロンブロッケイド効
果を説明するV−I特性図
【図21】本発明の第8の実施形態に係る浮遊ゲート型
半導体記憶装置の断面図
【図22】本発明の第9の実施形態に係る浮遊ゲート型
半導体記憶装置の断面図
【図23】従来の単一電子MOSFETの断面図
【図24】従来の単一電子MOSFET型不揮発性半導
体記憶装置の断面図
【図25】従来の単一電子MOSFET型不揮発性半導
体記憶装置の等価回路図
【図26】従来の単一電子MOSFET型不揮発性半導
体記憶装置の書き込み、消去を説明する等価回路図
【図27】従来の単一電子MOSFET型不揮発性半導
体記憶装置の書き込み、消去を説明するVG −Q特性図
【符号の説明】
11 … シリコン基板 12 … 酸化膜 13 … ポリシリコン電極 14 … n+ 拡散層 15 … 溝 16 … 微小シリコン粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/78 (72)発明者 杉山 直治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された少なくとも1
    対の電極と、 前記1対の電極間に形成された溝と、 前記溝の両側面に内接され、前記溝の両側面との間に2
    つのトンネル接合を形成し、電子1個を保持できる導電
    性微粒子と、を具備することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に第1の電極を形成する工
    程と、 前記第1の電極上に、これと絶縁膜を介して対向するよ
    うに第2の電極を形成する工程と、 前記絶縁膜を前記第2の電極の端部に露出された側面よ
    りエッチングすることにより、前記第1および第2の電
    極間に溝を形成する工程と、 導電性微粒子を前記半導体基板の表面全体に散布するこ
    とにより、前記溝の中に前記導電性微粒子を内抱させ、
    前記第1および第2の電極と前記導電性微粒子との界面
    に2つのトンネル接合を形成する工程と、を具備するこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板の表面に対向するように形成
    されたソースとドレイン拡散層と、 前記ソースとドレイン拡散層に挟まれた前記半導体基板
    上にゲート絶縁膜を介して形成された電荷蓄積部である
    浮遊電極と、 前記浮遊電極下の前記半導体基板表面に形成されるチャ
    ネル領域と、 前記ゲート絶縁膜中に含まれ、電子1個の充電エネルギ
    ーが熱揺らぎより大きいというクーロンブロッケイド条
    件を満たす導電性微粒子と、を具備し、前記導電性微粒
    子と、それを取り囲む前記ゲート絶縁膜との間に前記電
    荷の移動方向に形成された2つのトンネル接合とを介し
    て、前記浮遊電極に前記チャネル領域より前記電荷を出
    し入れすることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して電
    荷蓄積部である浮遊電極を有する単一電子MOSFET
    型半導体装置の製造方法において、ソースまたはドレイ
    ン拡散層と前記浮遊電極との間にある前記ゲート酸化膜
    の端部を、外側よりエッチングすることにより微細溝を
    形成する工程と、シリコン微粒子を前記基板の表面全体
    に散布することにより、前記シリコン微粒子を前記微細
    溝に内抱させ、前記シリコン微粒子と前記微細溝の両側
    面との界面において、前記浮遊電極に電荷を出し入れす
    る方向に2つのトンネル接合を形成する工程とを具備す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ゲート絶縁膜はシリコン酸化膜であ
    り、前記エッチングは、弗化アンモニウムを含むエッチ
    ング液を用いて行われることを特徴とする請求項4に記
    載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 シリコン基板表面の第1の酸化膜上に、
    ポリシリコングレインフィルムを形成し、前記第1の酸
    化膜と前記ポリシリコングレインフィルムとの界面に第
    1のトンネル接合を形成する工程と、前記ポリシリコン
    グレインフィルムの表面に第2の酸化膜を形成し、前記
    ポリシリコングレインフィルムと前記第2の酸化膜の界
    面に第2のトンネル接合を形成する工程と、前記第2の
    酸化膜上に浮遊電極を形成する工程とを具備することを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコン基板表面に形成された第1の酸
    化膜上に、複数のシリコン微結晶を夫々が頂点を有する
    如く形成し、前記第1の酸化膜と前記複数のシリコン微
    結晶の界面に第1のトンネル接合を形成する工程と、 前記複数のシリコン微結晶の表面に、前記シリコン微結
    晶の頂点に対応した複数の頂点を有するように第2の酸
    化膜を形成し、前記複数のシリコン微結晶と前記第2の
    酸化膜との界面に第2のトンネル接合を形成する工程
    と、 前記第2の酸化膜の複数の頂点に載設された浮遊電極を
    形成する工程と、を具備することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板表面に対向するように形成さ
    れた第1と第2の不純物拡散層と、 前記第1と第2の不純物拡散層に挟まれた前記半導体基
    板上に形成された第1のゲート絶縁膜と、 前記第1のゲート絶縁膜上に形成された複数の微結晶よ
    り形成された浮遊ゲート電極と、 前記浮遊ゲート電極上に、第2のゲート絶縁膜を介して
    形成された制御ゲート電極と、を具備し、前記第1のゲ
    ート絶縁膜は、膜厚の異なる少なくとも2つの領域を有
    し、前記第1の不純物拡散層に近い前記第1のゲート絶
    縁膜の領域の膜厚が、前記第2の不純物拡散層に近い前
    記第1のゲート絶縁膜の領域の膜厚より小さく形成され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の不純物拡散層に近い前記第1
    のゲート絶縁膜の領域はトンネル障壁層として機能し、
    前記第2の不純物拡散層に近い前記第1のゲート絶縁膜
    の領域は絶縁膜として機能することを特徴とする請求項
    8に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は、前
    記第1の不純物拡散層に近い前記第1のゲート絶縁膜の
    領域から前記第2の不純物拡散層に近い前記第1のゲー
    ト絶縁膜の領域に向かって階段状に厚くなり、前記第1
    の拡散層に近い方の前記第1のゲート絶縁膜の少なくと
    も2つの領域はトンネル障壁層として機能することを特
    徴とする請求項8に記載の半導体装置。
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