JPH10256184A - p型窒化物半導体の電極および前記電極を有する半導体素子およびその製造方法 - Google Patents
p型窒化物半導体の電極および前記電極を有する半導体素子およびその製造方法Info
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- JPH10256184A JPH10256184A JP5347797A JP5347797A JPH10256184A JP H10256184 A JPH10256184 A JP H10256184A JP 5347797 A JP5347797 A JP 5347797A JP 5347797 A JP5347797 A JP 5347797A JP H10256184 A JPH10256184 A JP H10256184A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オーミック特性および半導体膜との付着性に
優れ、また、透光性電極として用いる場合にも付着性お
よび導通性に優れたp型窒化物半導体の電極を提供す
る。 【解決手段】 この発明のp型窒化物半導体の電極は、
例えば、青色LEDのp−GaN層3上の透光性電極4
として形成されるものであり、オーミック接触を得るよ
うに形成されたパラジウム(Pd)と、その上面に形成
された金(Au)とから成っている。
優れ、また、透光性電極として用いる場合にも付着性お
よび導通性に優れたp型窒化物半導体の電極を提供す
る。 【解決手段】 この発明のp型窒化物半導体の電極は、
例えば、青色LEDのp−GaN層3上の透光性電極4
として形成されるものであり、オーミック接触を得るよ
うに形成されたパラジウム(Pd)と、その上面に形成
された金(Au)とから成っている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、p型窒化物半導体
の電極および前記電極を有する半導体素子およびその製
造方法に関する。
の電極および前記電極を有する半導体素子およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム系化合物半導体(例えば、
GaN)は、p型の不純物(Mg,Zn,Cd,Be,
Li等)を添加すればp型半導体として機能し、n型の
不純物(Si,Sn,Ge等)を添加すればn型半導体
として機能するものであり、青色発光ダイオード、レー
ザーダイオード、或いは受光素子などの光デバイスの半
導体層として用いられている。
GaN)は、p型の不純物(Mg,Zn,Cd,Be,
Li等)を添加すればp型半導体として機能し、n型の
不純物(Si,Sn,Ge等)を添加すればn型半導体
として機能するものであり、青色発光ダイオード、レー
ザーダイオード、或いは受光素子などの光デバイスの半
導体層として用いられている。
【0003】これらの光デバイスでは、低電圧駆動化や
高輝度化といった点での性能向上が求められているが、
この要求を実現するには、半導体膜と金属膜との接触
(オーミック接触)の良好化が必要となる。従来は、p
型窒化ガリウム系化合物半導体の電極として、ニッケル
(Ni)を用いるのが通例であった(例えば、特開平5
−291621号公報参照)。
高輝度化といった点での性能向上が求められているが、
この要求を実現するには、半導体膜と金属膜との接触
(オーミック接触)の良好化が必要となる。従来は、p
型窒化ガリウム系化合物半導体の電極として、ニッケル
(Ni)を用いるのが通例であった(例えば、特開平5
−291621号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ニ
ッケル(Ni)を用いても理想的なオーミック特性は得
られないというのが実情である。図1(e)乃至(h)
は、サファイア基板上にp型GaN膜(正孔キャリア濃
度 4×1017cm-3)を形成し、このp型GaN膜上
にオーミック接触を得るためのNi(膜厚0.1μm)
と、導電層としてのAu(0.5μm)の積層膜を電極
として用いたときのI(電流)−V(電圧)特性を示し
たグラフである。これらのグラフにおいて、同図(e)
は熱処理を行わない場合を示しており、同図(f)は窒
素ガス雰囲気中で、400℃および3分という条件で熱
処理を行った場合を、同図(g)は窒素ガス雰囲気中
で、500℃および3分という条件で熱処理を行った場
合を、同図(h)は窒素ガス雰囲気中で、600℃およ
び3分という条件で熱処理を行った場合をそれぞれ示し
ている。
ッケル(Ni)を用いても理想的なオーミック特性は得
られないというのが実情である。図1(e)乃至(h)
は、サファイア基板上にp型GaN膜(正孔キャリア濃
度 4×1017cm-3)を形成し、このp型GaN膜上
にオーミック接触を得るためのNi(膜厚0.1μm)
と、導電層としてのAu(0.5μm)の積層膜を電極
として用いたときのI(電流)−V(電圧)特性を示し
たグラフである。これらのグラフにおいて、同図(e)
は熱処理を行わない場合を示しており、同図(f)は窒
素ガス雰囲気中で、400℃および3分という条件で熱
処理を行った場合を、同図(g)は窒素ガス雰囲気中
で、500℃および3分という条件で熱処理を行った場
合を、同図(h)は窒素ガス雰囲気中で、600℃およ
び3分という条件で熱処理を行った場合をそれぞれ示し
ている。
【0005】これらI−V特性のグラフから分かるよう
に、低電流域では直線性に不良が生じており、400℃
或いは500℃の条件のときに、幾分、低電流域での直
線性に改善が見られる程度である。また、電極に求めら
れる特性として、半導体膜との付着性があるが、ニッケ
ル(Ni)単独構造の電極(膜厚0.1μm)では、付
着不良が生じることが知られている。
に、低電流域では直線性に不良が生じており、400℃
或いは500℃の条件のときに、幾分、低電流域での直
線性に改善が見られる程度である。また、電極に求めら
れる特性として、半導体膜との付着性があるが、ニッケ
ル(Ni)単独構造の電極(膜厚0.1μm)では、付
着不良が生じることが知られている。
【0006】また、上述したAuとNiから成る電極
を、透光性電極(薄膜電極)として用いる場合もある。
p型GaN膜上にNi(膜厚20Å)とAu(40Å)
の積層膜(Niがオーミック層として形成されている)
を電極として用いたときの、導通性および付着力につい
て実験を行った。この結果を下記の表1に示す。
を、透光性電極(薄膜電極)として用いる場合もある。
p型GaN膜上にNi(膜厚20Å)とAu(40Å)
の積層膜(Niがオーミック層として形成されている)
を電極として用いたときの、導通性および付着力につい
て実験を行った。この結果を下記の表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】なお、付着力は、粘着性シートを電極に張
りつけてその剥がれをチェックした結果であり、少しで
も剥がれが生じたときには△を付し、全く剥がれが生じ
なかった場合に○を付している。また、導通性は、4端
子法で2点間のI−V特性を調べた結果であり、電極面
内で数箇所を測定し、全てが良好であったものに○を付
し、ばらつきがあったものには△を付している。
りつけてその剥がれをチェックした結果であり、少しで
も剥がれが生じたときには△を付し、全く剥がれが生じ
なかった場合に○を付している。また、導通性は、4端
子法で2点間のI−V特性を調べた結果であり、電極面
内で数箇所を測定し、全てが良好であったものに○を付
し、ばらつきがあったものには△を付している。
【0009】上記の表1から分かるように、NiとAu
の積層膜を電極とするのでは、付着力と導通性を共に満
足することが困難である。なお、この電極において50
0℃以上の熱処理を行った場合に導通性に不具合が生じ
るのは、Auがボールアップするためである。
の積層膜を電極とするのでは、付着力と導通性を共に満
足することが困難である。なお、この電極において50
0℃以上の熱処理を行った場合に導通性に不具合が生じ
るのは、Auがボールアップするためである。
【0010】この発明は、上記の事情に鑑み、オーミッ
ク特性および半導体膜との付着性に優れ、また、透光性
電極として用いる場合にも付着性および導通性に優れた
p型窒化物半導体の電極およびこの電極を有する半導体
素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
ク特性および半導体膜との付着性に優れ、また、透光性
電極として用いる場合にも付着性および導通性に優れた
p型窒化物半導体の電極およびこの電極を有する半導体
素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明のp型窒化物半
導体の電極は、パラジウム(Pd)から成ることを特徴
とする。また、オーミック層を成すパラジウム(Pd)
層と、その上面に形成されたパラジウム以外の金属層と
から成ることを特徴とする。
導体の電極は、パラジウム(Pd)から成ることを特徴
とする。また、オーミック層を成すパラジウム(Pd)
層と、その上面に形成されたパラジウム以外の金属層と
から成ることを特徴とする。
【0012】また、この発明の半導体素子は、上述した
p型窒化物半導体の電極を有することを特徴とする。
p型窒化物半導体の電極を有することを特徴とする。
【0013】また、この発明の半導体素子の製造方法
は、p型窒化物半導体上にパラジウム(Pd)を成膜
し、熱処理を行わずに次工程に進むことを特徴とする。
かかる方法であれば、熱処理が不要であるために当該半
導体素子の製造の容易化を図ることができる。なお、p
型窒化物半導体上にパラジウム(Pd)を成膜し、窒素
ガス又は不活性ガス中で熱処理を行った後に次工程に進
むようにしてもよい。
は、p型窒化物半導体上にパラジウム(Pd)を成膜
し、熱処理を行わずに次工程に進むことを特徴とする。
かかる方法であれば、熱処理が不要であるために当該半
導体素子の製造の容易化を図ることができる。なお、p
型窒化物半導体上にパラジウム(Pd)を成膜し、窒素
ガス又は不活性ガス中で熱処理を行った後に次工程に進
むようにしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0015】図1(a)乃至(d)は、サファイア基板
上に成長させたp型GaN(正孔キャリア濃度=4×1
017cm-3)膜上に、オーミック接触をとるためのパラ
ジウム(Pd)を膜厚0.3μmで形成し、このパラジ
ウム層上に金(Au)を膜厚0.3μmで形成した積層
型の電極についてI−V特性を調べた結果を示したグラ
フであり、熱処理をしない場合を同図(a)に、熱処理
をした場合を同図(b)乃至同図(d)にそれぞれ示し
ている。熱処理は、窒素(N2 )雰囲気中で3分間行う
こととし、同図(b)は400℃の条件下で、同図
(c)は500℃の条件下で、同図(d)は600℃の
条件下で行った場合をそれぞれ示している。なお、これ
らのグラフにおいて、X=2V/DIV、Y=0.5m
A/DIVとしている。
上に成長させたp型GaN(正孔キャリア濃度=4×1
017cm-3)膜上に、オーミック接触をとるためのパラ
ジウム(Pd)を膜厚0.3μmで形成し、このパラジ
ウム層上に金(Au)を膜厚0.3μmで形成した積層
型の電極についてI−V特性を調べた結果を示したグラ
フであり、熱処理をしない場合を同図(a)に、熱処理
をした場合を同図(b)乃至同図(d)にそれぞれ示し
ている。熱処理は、窒素(N2 )雰囲気中で3分間行う
こととし、同図(b)は400℃の条件下で、同図
(c)は500℃の条件下で、同図(d)は600℃の
条件下で行った場合をそれぞれ示している。なお、これ
らのグラフにおいて、X=2V/DIV、Y=0.5m
A/DIVとしている。
【0016】これらのグラフから分かるように、この発
明にかかる電極は、図1(e)乃至(h)で挙げた従来
のAu/Ni/(p−GaN)の電極構造に比べ、全て
の条件下において、I−V特性がその直線性に優れてい
ることが分かる。なお、図には示していないが、600
℃で10分を越える熱処理を行うと、I−V特性の直線
性が劣化する傾向が見られた。従って、当該熱処理条件
は、600℃を上回る場合には10分以内とするのが望
ましい。
明にかかる電極は、図1(e)乃至(h)で挙げた従来
のAu/Ni/(p−GaN)の電極構造に比べ、全て
の条件下において、I−V特性がその直線性に優れてい
ることが分かる。なお、図には示していないが、600
℃で10分を越える熱処理を行うと、I−V特性の直線
性が劣化する傾向が見られた。従って、当該熱処理条件
は、600℃を上回る場合には10分以内とするのが望
ましい。
【0017】次に、窒化ガリウム系化合物半導体の電極
を、透光性電極(薄膜電極)として用いる場合について
説明する。p型GaN膜上にPd(膜厚20Å)とAu
(40Å)の積層膜(Pdがオーミック層として形成さ
れている)を電極として用いたときの、導通性および付
着力について実験を行った。この結果を下記の表2に示
す。
を、透光性電極(薄膜電極)として用いる場合について
説明する。p型GaN膜上にPd(膜厚20Å)とAu
(40Å)の積層膜(Pdがオーミック層として形成さ
れている)を電極として用いたときの、導通性および付
着力について実験を行った。この結果を下記の表2に示
す。
【0018】
【表2】
【0019】なお、付着力は、粘着性シートを電極に張
りつけてその剥がれをチェックした結果であり、少しで
も剥がれが生じたときには△を付し、全く剥がれが生じ
なかった場合に○を付している。また、導通性は、4端
子法で2点間のI−V特性を調べた結果であり、電極面
内で数箇所を測定し、全てが良好であったものに○を付
し、ばらつきがあったものには△を付している。
りつけてその剥がれをチェックした結果であり、少しで
も剥がれが生じたときには△を付し、全く剥がれが生じ
なかった場合に○を付している。また、導通性は、4端
子法で2点間のI−V特性を調べた結果であり、電極面
内で数箇所を測定し、全てが良好であったものに○を付
し、ばらつきがあったものには△を付している。
【0020】上記の表2から分かるように、この発明に
かかる電極の方が、表1に示した従来のAu/Ni/
(p型GaN)から成る電極構造よりも、全ての条件下
において、付着力および導通性の両面で優れている。な
お、この電極において500℃以上の熱処理を行った場
合でも導通性に不具合が生じないのは、AuとPdとの
濡れ性が良好であり、Auがボールアップしないためと
考えられる。
かかる電極の方が、表1に示した従来のAu/Ni/
(p型GaN)から成る電極構造よりも、全ての条件下
において、付着力および導通性の両面で優れている。な
お、この電極において500℃以上の熱処理を行った場
合でも導通性に不具合が生じないのは、AuとPdとの
濡れ性が良好であり、Auがボールアップしないためと
考えられる。
【0021】前述した図1の結果、及び、上記表2の結
果から、この発明にかかる電極にあっては、温度の影響
を受けにくいものであるということが分かる。このこと
は、当該電極の形成後に熱処理が必要となる工程、例え
ば、p電極となるこの発明の電極の形成後にn電極を形
成してその熱処理を行う場合や、保護膜のベーキング処
理等が必要となる工程などを問題なく採用できることを
意味し、当該電極を用いる半導体素子の製造工程に大き
な融通性をもたらすことになる。また、当該電極を用い
る半導体素子が、例えば自動車のエンジン回りなどの高
温部分に用いられる場合でも、この高温によっては電極
特性を劣化させることがないという優れた利点がある。
果から、この発明にかかる電極にあっては、温度の影響
を受けにくいものであるということが分かる。このこと
は、当該電極の形成後に熱処理が必要となる工程、例え
ば、p電極となるこの発明の電極の形成後にn電極を形
成してその熱処理を行う場合や、保護膜のベーキング処
理等が必要となる工程などを問題なく採用できることを
意味し、当該電極を用いる半導体素子の製造工程に大き
な融通性をもたらすことになる。また、当該電極を用い
る半導体素子が、例えば自動車のエンジン回りなどの高
温部分に用いられる場合でも、この高温によっては電極
特性を劣化させることがないという優れた利点がある。
【0022】図2は、上述したAu/Pd/(p型Ga
N)の電極構造を薄膜電極として採用した青色LEDチ
ップの製造の各工程における縦断側面図である。以下、
図2を用いてこのチップの製造方法を説明する。
N)の電極構造を薄膜電極として採用した青色LEDチ
ップの製造の各工程における縦断側面図である。以下、
図2を用いてこのチップの製造方法を説明する。
【0023】同図(a)に示すように、サファイア基板
1上にn型GaN層2、p型GaN層3をMOCVD法
により形成する。そして、メサエッチングによりp型G
aN層3等の一部を除去し、n−GaN層2の一部を露
出する。なお、n型GaN層2とp型GaN層3との間
には、発光層10が形成されている。
1上にn型GaN層2、p型GaN層3をMOCVD法
により形成する。そして、メサエッチングによりp型G
aN層3等の一部を除去し、n−GaN層2の一部を露
出する。なお、n型GaN層2とp型GaN層3との間
には、発光層10が形成されている。
【0024】次に、同図(b)に示すように、発光観測
面側となるp型GaN層3のほぼ全面に、Pd(膜厚2
0Å)とAu(40Å)の積層膜から成る透光性電極4
を電子ビーム蒸着などの方法により形成する。Pdの成
膜においては、成膜温度を室温、真空度を2〜5×10
-6Torr、成膜速度を10Å/秒以下とした条件で行
った。そして、この透光性電極4の形成においては、熱
処理は行わずに、次の同図(c)に示す工程に進む。
面側となるp型GaN層3のほぼ全面に、Pd(膜厚2
0Å)とAu(40Å)の積層膜から成る透光性電極4
を電子ビーム蒸着などの方法により形成する。Pdの成
膜においては、成膜温度を室温、真空度を2〜5×10
-6Torr、成膜速度を10Å/秒以下とした条件で行
った。そして、この透光性電極4の形成においては、熱
処理は行わずに、次の同図(c)に示す工程に進む。
【0025】同図(c)に示すように、n型GaN層2
の表面に膜厚約30nmのチタン(Ti)と膜厚500
nmのアルミニウム(Al)を積層したn電極5を電子
ビーム蒸着などにより形成する。そして、約600℃の
温度で3分の熱処理(アロイ)を行い、n電極5のオー
ミック接触をとる。この熱処理では、既に形成した透光
性電極4の導通性や付着力が損なわれることはない(表
2参照)。なお、熱処理においては、窒素ガスの流量を
1.0リットル/分とした。
の表面に膜厚約30nmのチタン(Ti)と膜厚500
nmのアルミニウム(Al)を積層したn電極5を電子
ビーム蒸着などにより形成する。そして、約600℃の
温度で3分の熱処理(アロイ)を行い、n電極5のオー
ミック接触をとる。この熱処理では、既に形成した透光
性電極4の導通性や付着力が損なわれることはない(表
2参照)。なお、熱処理においては、窒素ガスの流量を
1.0リットル/分とした。
【0026】その後、同図(d)に示すように、SiO
2 、Si3 O4 、SiN等からなる保護膜6を、流動性
塗布膜をスピンコートした後にベーキングすることで形
成し、同図(e)に示すように、保護膜6の両電極部分
を開口した後、膜厚約30nmのニッケル(Ni)と膜
厚約500nmの金(Au)からなるパッド電極7.8
を設ける。これにより、青色LEDチップが得られるこ
とになる。
2 、Si3 O4 、SiN等からなる保護膜6を、流動性
塗布膜をスピンコートした後にベーキングすることで形
成し、同図(e)に示すように、保護膜6の両電極部分
を開口した後、膜厚約30nmのニッケル(Ni)と膜
厚約500nmの金(Au)からなるパッド電極7.8
を設ける。これにより、青色LEDチップが得られるこ
とになる。
【0027】なお、以上の説明では、窒化ガリウム系化
合物半導体として、GaNを示したが、これに限らず、
例えば、GaX Al1-X N(ただし、0≦X≦1)、或
いはInX AlY Ga1-X-Y N(ただし、0≦X≦1、
0≦Y≦1)なども含まれるものである。勿論、かかる
式から分かるようにGaが無い場合の窒化物でもよいも
のである。また、AuとPdから成る積層タイプの電極
を示したが、当該Au以外の金属を用いることも可能で
ある。更に、これら積層膜から成る電極に限らず、Pd
のみからなる電極でもよいものである。なお、p型Ga
N層上に膜厚0.3μmのPdからなる単独膜を形成し
てそのI−V特性を調べたところ、図1(a)乃至
(d)と同様の良好な結果が得られた。
合物半導体として、GaNを示したが、これに限らず、
例えば、GaX Al1-X N(ただし、0≦X≦1)、或
いはInX AlY Ga1-X-Y N(ただし、0≦X≦1、
0≦Y≦1)なども含まれるものである。勿論、かかる
式から分かるようにGaが無い場合の窒化物でもよいも
のである。また、AuとPdから成る積層タイプの電極
を示したが、当該Au以外の金属を用いることも可能で
ある。更に、これら積層膜から成る電極に限らず、Pd
のみからなる電極でもよいものである。なお、p型Ga
N層上に膜厚0.3μmのPdからなる単独膜を形成し
てそのI−V特性を調べたところ、図1(a)乃至
(d)と同様の良好な結果が得られた。
【0028】また、当該電極が用いられる半導体素子と
して青色LEDチップを示したが、これに限らず、フォ
トトランジスタ(特に、短波長用)や半導体レーザなど
の光デバイスにも用いることができるものであり、更
に、これらの光デバイスの他、FET、パイホーラトラ
ンジスタ、ダイオードなどのデバイス(特に、高温環境
下用)にも適用することが可能である。
して青色LEDチップを示したが、これに限らず、フォ
トトランジスタ(特に、短波長用)や半導体レーザなど
の光デバイスにも用いることができるものであり、更
に、これらの光デバイスの他、FET、パイホーラトラ
ンジスタ、ダイオードなどのデバイス(特に、高温環境
下用)にも適用することが可能である。
【0029】また、上述した製造例では、Pdから成る
p電極の形成において熱処理を行わないことにして半導
体素子の製造の容易化を図ったが、熱処理を行うように
してもかまわないものである。この場合、Pdの腐食や
酸化防止のため、窒素ガス又は不活性ガス中で熱処理を
行うのが望ましい。また、Pdから成る透光性電極を例
示したが、Pdから成る厚膜電極としてもよいことは勿
論であり、この厚膜電極を得るには、例えば、電子ビー
ム蒸着法を用い、成膜温度を室温、真空度を2〜5×1
0-6Torr、成膜速度を10〜20Å/秒の条件とす
る製造例が挙げられる。
p電極の形成において熱処理を行わないことにして半導
体素子の製造の容易化を図ったが、熱処理を行うように
してもかまわないものである。この場合、Pdの腐食や
酸化防止のため、窒素ガス又は不活性ガス中で熱処理を
行うのが望ましい。また、Pdから成る透光性電極を例
示したが、Pdから成る厚膜電極としてもよいことは勿
論であり、この厚膜電極を得るには、例えば、電子ビー
ム蒸着法を用い、成膜温度を室温、真空度を2〜5×1
0-6Torr、成膜速度を10〜20Å/秒の条件とす
る製造例が挙げられる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、オーミック特性および半導体膜との付着性に優れ、
また、透光性電極として用いる場合にも付着性および導
通性に優れた電極を提供できる。また、温度の影響を受
けにくいため、当該電極を用いるデバイスの製造工程の
融通性に優れており、更に、高温の環境下で用いられる
デバイスの電極としても有用であるという効果も併せて
奏する。
ば、オーミック特性および半導体膜との付着性に優れ、
また、透光性電極として用いる場合にも付着性および導
通性に優れた電極を提供できる。また、温度の影響を受
けにくいため、当該電極を用いるデバイスの製造工程の
融通性に優れており、更に、高温の環境下で用いられる
デバイスの電極としても有用であるという効果も併せて
奏する。
【図1】同図(a)乃至同図(d)は、この発明のAu
/Pd/(p型GaN)構造の電極のI−V特性を示す
グラフであり、同図(e)乃至同図(h)は、従来のA
u/Ni/(p型GaN)構造の電極のI−V特性を示
すグラフである。
/Pd/(p型GaN)構造の電極のI−V特性を示す
グラフであり、同図(e)乃至同図(h)は、従来のA
u/Ni/(p型GaN)構造の電極のI−V特性を示
すグラフである。
【図2】この発明のAu/Pd/(p型GaN)構造の
電極を有する青色LEDの製造の各工程を示す縦断側面
図である。
電極を有する青色LEDの製造の各工程を示す縦断側面
図である。
1 サファイア基板 2 n−GaN層 3 p−GaN層 4 Au/Pd/(p型GaN)構造の透光性電極 5 n電極 6 保護膜 7,8パッド電極 10 発光層
Claims (5)
- 【請求項1】 パラジウム(Pd)から成るp型窒化物
半導体の電極。 - 【請求項2】 オーミック層を成すパラジウム(Pd)
層と、その上面に形成されたパラジウム以外の金属層と
から成るp型窒化物半導体の電極。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載
のp型窒化物半導体の電極を有する半導体素子。 - 【請求項4】 p型窒化物半導体上に請求項1又は請求
項2の電極を形成し、熱処理を行わずに次工程に進むこ
とを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 【請求項5】 p型窒化物半導体上に請求項1又は請求
項2の電極を形成し、窒素ガス又は不活性ガス中で熱処
理を行った後に次工程に進むことを特徴とする半導体素
子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5347797A JPH10256184A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | p型窒化物半導体の電極および前記電極を有する半導体素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5347797A JPH10256184A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | p型窒化物半導体の電極および前記電極を有する半導体素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10256184A true JPH10256184A (ja) | 1998-09-25 |
Family
ID=12943942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5347797A Pending JPH10256184A (ja) | 1997-03-07 | 1997-03-07 | p型窒化物半導体の電極および前記電極を有する半導体素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10256184A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005340797A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-12-08 | Showa Denko Kk | 透光性正極 |
JP2006013474A (ja) * | 2004-05-26 | 2006-01-12 | Showa Denko Kk | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 |
JP2006013475A (ja) * | 2004-05-26 | 2006-01-12 | Showa Denko Kk | 正極構造及び窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 |
US7875896B2 (en) | 2004-04-28 | 2011-01-25 | Showa Denko K.K. | Transparent positive electrode |
US8049243B2 (en) | 2004-05-26 | 2011-11-01 | Showa Denko K.K. | Gallium nitride-based compound semiconductor light emitting device |
-
1997
- 1997-03-07 JP JP5347797A patent/JPH10256184A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005340797A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-12-08 | Showa Denko Kk | 透光性正極 |
US7875896B2 (en) | 2004-04-28 | 2011-01-25 | Showa Denko K.K. | Transparent positive electrode |
JP2006013474A (ja) * | 2004-05-26 | 2006-01-12 | Showa Denko Kk | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 |
JP2006013475A (ja) * | 2004-05-26 | 2006-01-12 | Showa Denko Kk | 正極構造及び窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 |
US8049243B2 (en) | 2004-05-26 | 2011-11-01 | Showa Denko K.K. | Gallium nitride-based compound semiconductor light emitting device |
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