JPH1025543A - スポット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたpc鋼棒 - Google Patents
スポット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたpc鋼棒Info
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- JPH1025543A JPH1025543A JP18494096A JP18494096A JPH1025543A JP H1025543 A JPH1025543 A JP H1025543A JP 18494096 A JP18494096 A JP 18494096A JP 18494096 A JP18494096 A JP 18494096A JP H1025543 A JPH1025543 A JP H1025543A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【課題】歪み付与工程を必要とせず通常の工程で製造す
ることができる、スポット溶接ままで一様伸び及び高温
リラクセーション特性に優れた、引張強さ:1420N/mm2
以上のPC鋼棒を提供する。 【解決手段】本発明のスポット溶接ままで一様伸び及び
高温リラクセーション特性に優れたPC鋼棒は、重量%
でC:0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2〜3.0 %と、Nb:0.
01〜0.1 %と、(Si%+Al%):2.0 〜5.0 %とを
含有し、引張強さ:1420N/mm2 以上を有することを特徴
とする、スポット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセ
ーション特性に優れたものである。
ることができる、スポット溶接ままで一様伸び及び高温
リラクセーション特性に優れた、引張強さ:1420N/mm2
以上のPC鋼棒を提供する。 【解決手段】本発明のスポット溶接ままで一様伸び及び
高温リラクセーション特性に優れたPC鋼棒は、重量%
でC:0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2〜3.0 %と、Nb:0.
01〜0.1 %と、(Si%+Al%):2.0 〜5.0 %とを
含有し、引張強さ:1420N/mm2 以上を有することを特徴
とする、スポット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセ
ーション特性に優れたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特にPCパイル、P
Cポール等に用いられる、スポット溶接ままで一様伸び
特性に優れた、高強度・高延性PC鋼棒に関する。
Cポール等に用いられる、スポット溶接ままで一様伸び
特性に優れた、高強度・高延性PC鋼棒に関する。
【0002】
【従来の技術】PC鋼棒はプレストレストコンクリート
に用いられる高強度部材である。そしてこのようなPC
鋼棒は、JIS G 3137 「細径異形PC鋼棒」において、
引張強さ、耐力、伸び、リラクセーション値が規格化さ
れている。しかしながらそこには、一様伸びや高温リラ
クセーションは規格化されていない。ところで、プレス
トレストコンクリート構造物は地震時に曲げ破壊を生じ
ることがあり、その防止のため、曲げ靭性を高めること
が望まれている。そのためには高一様伸びPC鋼棒の使
用が効果的であることが知られている。また、コンクリ
ートの横拘束が併用される場合もある。コンクリートを
横拘束する場合、PC鋼棒に横拘束筋をスポット溶接す
る形で用いられるため、スポット溶接前の一様伸び特性
のみならず、溶接後の一様伸び特性にも優れたPC鋼棒
が必要とされている。
に用いられる高強度部材である。そしてこのようなPC
鋼棒は、JIS G 3137 「細径異形PC鋼棒」において、
引張強さ、耐力、伸び、リラクセーション値が規格化さ
れている。しかしながらそこには、一様伸びや高温リラ
クセーションは規格化されていない。ところで、プレス
トレストコンクリート構造物は地震時に曲げ破壊を生じ
ることがあり、その防止のため、曲げ靭性を高めること
が望まれている。そのためには高一様伸びPC鋼棒の使
用が効果的であることが知られている。また、コンクリ
ートの横拘束が併用される場合もある。コンクリートを
横拘束する場合、PC鋼棒に横拘束筋をスポット溶接す
る形で用いられるため、スポット溶接前の一様伸び特性
のみならず、溶接後の一様伸び特性にも優れたPC鋼棒
が必要とされている。
【0003】一方でプレストレストコンクリートパイル
あるいはポールの製造時のコンクリートの養生は養生期
間の短縮のため、180 〜200 ℃で10気圧程度の雰囲気で
行うオートクレーブ養生が多く用いられている。しか
し、オートクレーブ養生にはコンクリート中のPC鋼棒
のリラクセーションが増大するという欠点があり、この
ような高温でのリラクセーションの小さいPC鋼棒が要
望されている。
あるいはポールの製造時のコンクリートの養生は養生期
間の短縮のため、180 〜200 ℃で10気圧程度の雰囲気で
行うオートクレーブ養生が多く用いられている。しか
し、オートクレーブ養生にはコンクリート中のPC鋼棒
のリラクセーションが増大するという欠点があり、この
ような高温でのリラクセーションの小さいPC鋼棒が要
望されている。
【0004】これら一様伸び、高温リラクセーションの
個々の特性については改善技術が確立しているが、一様
伸び及び高温リラクセーション特性の両者に優れたPC
鋼棒においては未確立である。わずかに両者に優れたP
C鋼棒の製造方法が特公平 3-79410号公報、特開平 3-2
8351号公報、特開昭58-120738 号公報に開示されている
にすぎない。
個々の特性については改善技術が確立しているが、一様
伸び及び高温リラクセーション特性の両者に優れたPC
鋼棒においては未確立である。わずかに両者に優れたP
C鋼棒の製造方法が特公平 3-79410号公報、特開平 3-2
8351号公報、特開昭58-120738 号公報に開示されている
にすぎない。
【0005】これらのうち特公平 3-79410号公報は、焼
戻し時に2 %以下の微小な曲げ歪みを付与するもの、特
開平 3-28351号公報は 400〜900 ℃で加工するか、もし
くは塑性加工を加えながら温度を上げて逆変態させ超微
細組織とするもの、特開昭58-120738 号公報は湿式直線
機を用いて矯直時に冷却を施すものである。
戻し時に2 %以下の微小な曲げ歪みを付与するもの、特
開平 3-28351号公報は 400〜900 ℃で加工するか、もし
くは塑性加工を加えながら温度を上げて逆変態させ超微
細組織とするもの、特開昭58-120738 号公報は湿式直線
機を用いて矯直時に冷却を施すものである。
【0006】またスポット溶接後の機械的性質について
は、特開昭48-89816号公報、特公昭55-8577 号公報等に
おいてスポット溶接後の引張強さ及び全伸びに関する記
述がある。
は、特開昭48-89816号公報、特公昭55-8577 号公報等に
おいてスポット溶接後の引張強さ及び全伸びに関する記
述がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公平 3-79410号公報、特開平 3-28351号公報、特開昭58
-120738 号公報に開示された技術では、いずれも歪みを
付与する工程が必要となり生産性が悪いという欠点を有
している。
公平 3-79410号公報、特開平 3-28351号公報、特開昭58
-120738 号公報に開示された技術では、いずれも歪みを
付与する工程が必要となり生産性が悪いという欠点を有
している。
【0008】また上記特開昭48-89816号公報、特公昭55
-8577 号公報等に開示された技術では、実際にプレスト
レストコンクリート構造物の曲げ靭性を支配するスポッ
ト溶接後の一様伸び特性に注目していないことに加え、
伸び量も十分ではないという欠点がある。
-8577 号公報等に開示された技術では、実際にプレスト
レストコンクリート構造物の曲げ靭性を支配するスポッ
ト溶接後の一様伸び特性に注目していないことに加え、
伸び量も十分ではないという欠点がある。
【0009】本発明の目的は、歪み付与工程を必要とせ
ず通常の工程で製造することができる、スポット溶接ま
まで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れた、
引張強さ:1420N/mm2 以上のPC鋼棒を提供することを
目的とする。
ず通常の工程で製造することができる、スポット溶接ま
まで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れた、
引張強さ:1420N/mm2 以上のPC鋼棒を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明のスポット溶接ままで一様伸び及び高温リ
ラクセーション特性に優れたPC鋼棒は、重量%(以下
%は重量%を示す)でC:0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2
〜3.0 %と、Nb:0.01〜0.1 %と、(Si%+Al
%):2.0 〜5.0 %とを含有し、引張強さ:1420N/mm2
以上を有することを特徴とする、スポット溶接ままで一
様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたものであ
る。 (2)本発明のスポット溶接ままで一様伸び及び高温リ
ラクセーション特性に優れたPC鋼棒は、重量%でC:
0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2〜3.0 %と、Nb:0.01〜0.
1 %と、(Si%+Al%):2.0 〜5.0 %とを含有
し、さらにTi:0.01〜0.05%,B:0.0003〜0.005
%,Ni:0.2 〜1.0 %,Cr:0.1 〜1.0%,Mo:
0.05〜0.5 %,Cu:0.2 〜1.0 %の群から選択された
一種以上とを含有し、引張強さ:1420N/mm2 以上を有す
ることを特徴とする、スポット溶接ままで一様伸び及び
高温リラクセーション特性に優れたものである。
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明のスポット溶接ままで一様伸び及び高温リ
ラクセーション特性に優れたPC鋼棒は、重量%(以下
%は重量%を示す)でC:0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2
〜3.0 %と、Nb:0.01〜0.1 %と、(Si%+Al
%):2.0 〜5.0 %とを含有し、引張強さ:1420N/mm2
以上を有することを特徴とする、スポット溶接ままで一
様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたものであ
る。 (2)本発明のスポット溶接ままで一様伸び及び高温リ
ラクセーション特性に優れたPC鋼棒は、重量%でC:
0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2〜3.0 %と、Nb:0.01〜0.
1 %と、(Si%+Al%):2.0 〜5.0 %とを含有
し、さらにTi:0.01〜0.05%,B:0.0003〜0.005
%,Ni:0.2 〜1.0 %,Cr:0.1 〜1.0%,Mo:
0.05〜0.5 %,Cu:0.2 〜1.0 %の群から選択された
一種以上とを含有し、引張強さ:1420N/mm2 以上を有す
ることを特徴とする、スポット溶接ままで一様伸び及び
高温リラクセーション特性に優れたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者は、歪み付与工程を必要
とすることなく、通常の工程で製造可能な、スポット溶
接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れ
た、引張強さ:1420N/mm2 以上のPC鋼棒について研究
した。
とすることなく、通常の工程で製造可能な、スポット溶
接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れ
た、引張強さ:1420N/mm2 以上のPC鋼棒について研究
した。
【0012】その結果、スポット溶接後の一様伸び及び
高温リラクセーション特性を共に優れたものとするため
には、Si及びAlの多量添加に加え、Nbを添加する
ことが有効であるという知見が得られた。この知見に基
づき、本発明者は、Si及びAlの多量添加に加え、N
bを添加するようにして、歪み付与工程を必要とするこ
となく、通常の工程で製造可能な、スポット溶接後の一
様伸び及び高温リラクセーション特性に優れた、引張強
さ:1420N/mm2 以上の本発明PC鋼棒を見出だし、本発
明を完成した。
高温リラクセーション特性を共に優れたものとするため
には、Si及びAlの多量添加に加え、Nbを添加する
ことが有効であるという知見が得られた。この知見に基
づき、本発明者は、Si及びAlの多量添加に加え、N
bを添加するようにして、歪み付与工程を必要とするこ
となく、通常の工程で製造可能な、スポット溶接後の一
様伸び及び高温リラクセーション特性に優れた、引張強
さ:1420N/mm2 以上の本発明PC鋼棒を見出だし、本発
明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は鋼組成を下記範囲に限
定することにより、歪み付与工程を必要とすることな
く、通常の工程で製造可能で、かつ、スポット溶接後テ
ンパーを施さずに、スポット溶接ままで一様伸び及び高
温リラクセーション特性に優れた、引張強さ:1420N/mm
2 以上のPC鋼棒を得ることができる。
定することにより、歪み付与工程を必要とすることな
く、通常の工程で製造可能で、かつ、スポット溶接後テ
ンパーを施さずに、スポット溶接ままで一様伸び及び高
温リラクセーション特性に優れた、引張強さ:1420N/mm
2 以上のPC鋼棒を得ることができる。
【0014】以下、本発明の成分添加理由、成分限定理
由、及びPC鋼棒の製造工程について説明する。 (1)成分組成範囲 Cは、焼入性を高め、強度を上げるために必要な元素で
あり、0.2 %未満ではPC鋼棒としての強度レベルを確
保する事ができない。一方0.5 %を越えるとスポット溶
接性が劣化する。従ってC量を0.2 〜0.5 %とする。
由、及びPC鋼棒の製造工程について説明する。 (1)成分組成範囲 Cは、焼入性を高め、強度を上げるために必要な元素で
あり、0.2 %未満ではPC鋼棒としての強度レベルを確
保する事ができない。一方0.5 %を越えるとスポット溶
接性が劣化する。従ってC量を0.2 〜0.5 %とする。
【0015】Si及びAlは脱酸剤として使用され、リ
ラクセーション特性に有効であるばかりでなく、一様伸
びの向上に大きく寄与する。しかしSi+Alの値が2.
0 %未満ではその効果が小さく、一方5.0 %を越えると
スポット溶接性が劣化する。従ってSi+Alの値を2.
0 〜5.0 %とする。
ラクセーション特性に有効であるばかりでなく、一様伸
びの向上に大きく寄与する。しかしSi+Alの値が2.
0 %未満ではその効果が小さく、一方5.0 %を越えると
スポット溶接性が劣化する。従ってSi+Alの値を2.
0 〜5.0 %とする。
【0016】MnはSi及びAlと同様に脱酸剤である
と共に、Cと同様に焼入性を高め、強度向上に必要な元
素である。しかしその量が0.2 %未満ではその効果が小
さく、一方3.0 %を越えると延性が低下する。従って、
Mn量を0.2 〜3.0 %とする。 Nbは鋼中のC、Nと
結合して炭窒化物を生成し、結晶粒の粗大化を抑制する
元素であり、スポット溶接部の靭性を向上させ、スポッ
ト溶接後の一様伸び向上に寄与する。しかしその量が0.
01%未満ではその効果が小さく、0.1 %を越えるとその
効果が飽和する。従ってNb量を0.01〜0.1 %とする。
と共に、Cと同様に焼入性を高め、強度向上に必要な元
素である。しかしその量が0.2 %未満ではその効果が小
さく、一方3.0 %を越えると延性が低下する。従って、
Mn量を0.2 〜3.0 %とする。 Nbは鋼中のC、Nと
結合して炭窒化物を生成し、結晶粒の粗大化を抑制する
元素であり、スポット溶接部の靭性を向上させ、スポッ
ト溶接後の一様伸び向上に寄与する。しかしその量が0.
01%未満ではその効果が小さく、0.1 %を越えるとその
効果が飽和する。従ってNb量を0.01〜0.1 %とする。
【0017】Ti,B,Ni,Cr,Mo,Cuの各元
素は焼入性の向上に寄与する元素であり、必要に応じて
1種以上添加される。しかしこれらの量が少なすぎる場
合は効果が得られず、多すぎても効果が飽和する。従っ
て、Ti:0.01〜0.05%,B:0.0003〜0.005 %,N
i:0.2 〜1.0 %,Cr:0.1 〜1.0 %,Mo:0.05〜
0.5 %,Cu:0.2 〜1.0 %とする。
素は焼入性の向上に寄与する元素であり、必要に応じて
1種以上添加される。しかしこれらの量が少なすぎる場
合は効果が得られず、多すぎても効果が飽和する。従っ
て、Ti:0.01〜0.05%,B:0.0003〜0.005 %,N
i:0.2 〜1.0 %,Cr:0.1 〜1.0 %,Mo:0.05〜
0.5 %,Cu:0.2 〜1.0 %とする。
【0018】このような特性のPC鋼棒は、以下の方法
で製造することができる。 (2)PC鋼棒製造工程 本発明のPC鋼棒は、上述の組成を有する鋼を常法に従
って溶製し、丸棒に熱間圧延後またはこれに引き抜きな
どの冷間加工を施した鋼棒を材料として、一連の熱処理
(焼入・焼戻等)を行うものであり、歪み付与工程は不
要である。
で製造することができる。 (2)PC鋼棒製造工程 本発明のPC鋼棒は、上述の組成を有する鋼を常法に従
って溶製し、丸棒に熱間圧延後またはこれに引き抜きな
どの冷間加工を施した鋼棒を材料として、一連の熱処理
(焼入・焼戻等)を行うものであり、歪み付与工程は不
要である。
【0019】本製造工程により得られるPC鋼棒は、ス
ポット溶接後テンパーを施さずに、スポット溶接ままで
引張強さ:1420N/mm2 以上で一様伸び4 %以上、高温リ
ラクセーション8 %以下を達成することが可能である。
以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を立証す
る。
ポット溶接後テンパーを施さずに、スポット溶接ままで
引張強さ:1420N/mm2 以上で一様伸び4 %以上、高温リ
ラクセーション8 %以下を達成することが可能である。
以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を立証す
る。
【0020】
【実施例】表1に本発明鋼(No. 1〜18) 及び比較鋼(No.
19〜24) の成分組成を示す。これらを供試鋼として直径
8mm の丸棒に圧延し、直径7.1mm の異形丸棒に引抜き、
その後高周波加熱による焼入れ焼戻しを行った。なお熱
処理は高周波加熱に限るものでは無い。ここで焼入れ加
熱温度は820 〜1150℃、焼戻しは引張強さ:1420N/mm2
以上を目標として最適温度で行った。この後、次に示す
溶接条件下でスポット溶接を行い、溶接後テンパーを施
さずに引張試験に供した。
19〜24) の成分組成を示す。これらを供試鋼として直径
8mm の丸棒に圧延し、直径7.1mm の異形丸棒に引抜き、
その後高周波加熱による焼入れ焼戻しを行った。なお熱
処理は高周波加熱に限るものでは無い。ここで焼入れ加
熱温度は820 〜1150℃、焼戻しは引張強さ:1420N/mm2
以上を目標として最適温度で行った。この後、次に示す
溶接条件下でスポット溶接を行い、溶接後テンパーを施
さずに引張試験に供した。
【0021】 一様伸びは供試材に2d(dは直径)ずつマークをつけて
引張試験を行い、破断部から5d以上離れたところで10d
を標点距離として測定した。リラクセーション試験は、
室温ではJIS G 3137 の方法で、また高温では 180℃に
おいて規格引張強さの70%の応力を付加し、図1に示す
パターンで加熱冷却を行い、23時間後の荷重変化量を測
定し初期荷重との比で評価することで行った。引張試験
及びリラクセーション試験の結果を表2に示す。
引張試験を行い、破断部から5d以上離れたところで10d
を標点距離として測定した。リラクセーション試験は、
室温ではJIS G 3137 の方法で、また高温では 180℃に
おいて規格引張強さの70%の応力を付加し、図1に示す
パターンで加熱冷却を行い、23時間後の荷重変化量を測
定し初期荷重との比で評価することで行った。引張試験
及びリラクセーション試験の結果を表2に示す。
【0022】表2に示すようにNo.1〜18の本発明鋼はい
ずれも一様伸び4 %以上、高温リラクセーション8 %以
下を達成しており、両特性とも従来鋼特性より大幅に優
れていることが確認された。
ずれも一様伸び4 %以上、高温リラクセーション8 %以
下を達成しており、両特性とも従来鋼特性より大幅に優
れていることが確認された。
【0023】これに対して、比較鋼No.19 はSi+Al
量が2 %に満たないためにリラクセーションが大幅に悪
化しているうえ一様伸びも低下している。またNo.20 〜
22はNbが添加されていないため、スポット溶接ままの
一様伸びが悪化している。特にNo.21 ではほとんど伸び
を示さず脆性的に破断している。No.23 はNbを所定量
以上添加しており、その効果が飽和している。No.24 は
Nbを所定量添加しているにも関わらず、Si+Alが
5 %以上となっているため、かえって一様伸びが低下し
ている。No.25 はC量が0.5 %を越えており、スポット
溶接後の一様伸びは大幅に劣化している。
量が2 %に満たないためにリラクセーションが大幅に悪
化しているうえ一様伸びも低下している。またNo.20 〜
22はNbが添加されていないため、スポット溶接ままの
一様伸びが悪化している。特にNo.21 ではほとんど伸び
を示さず脆性的に破断している。No.23 はNbを所定量
以上添加しており、その効果が飽和している。No.24 は
Nbを所定量添加しているにも関わらず、Si+Alが
5 %以上となっているため、かえって一様伸びが低下し
ている。No.25 はC量が0.5 %を越えており、スポット
溶接後の一様伸びは大幅に劣化している。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、鋼組成を特定すること
により、歪付与等の工程を付加する必要がなく通常の工
程で製造でき、かつ引張強さ:1420N/mm2 以上の、スポ
ット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性
に優れたPC鋼棒が提供される。従って、生産性を大幅
に向上させると共に、プレストレストコンクリート構造
物の信頼性を飛躍的に高めるなど、産業上極めて有用で
ある。
により、歪付与等の工程を付加する必要がなく通常の工
程で製造でき、かつ引張強さ:1420N/mm2 以上の、スポ
ット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性
に優れたPC鋼棒が提供される。従って、生産性を大幅
に向上させると共に、プレストレストコンクリート構造
物の信頼性を飛躍的に高めるなど、産業上極めて有用で
ある。
【図1】本発明の実施形態に係る高温リラクセーション
試験における温度サイクルを示す図。
試験における温度サイクルを示す図。
フロントページの続き (72)発明者 溝口 茂 神奈川県平塚市田村5893 高周波熱錬株式 会社湘南事業所内 (72)発明者 山下 英治 神奈川県平塚市田村5893 高周波熱錬株式 会社湘南事業所内 (72)発明者 新田 一 神奈川県平塚市田村5893 高周波熱錬株式 会社湘南事業所内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%でC:0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2
〜3.0 %と、Nb:0.01〜0.1 %と、(Si%+Al
%):2.0 〜5.0 %とを含有し、引張強さ:1420N/mm2
以上を有することを特徴とする、スポット溶接ままで一
様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたPC鋼
棒。 - 【請求項2】 重量%でC:0.2 〜0.5 %と、Mn:0.2
〜3.0 %と、Nb:0.01〜0.1 %と、(Si%+Al
%):2.0 〜5.0 %とを含有し、さらにTi:0.01〜0.
05%,B:0.0003〜0.005 %,Ni:0.2 〜1.0 %,C
r:0.1 〜1.0%,Mo:0.05〜0.5 %,Cu:0.2 〜
1.0 %の群から選択された一種以上とを含有し、引張強
さ:1420N/mm2 以上を有することを特徴とする、スポッ
ト溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に
優れたPC鋼棒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18494096A JPH1025543A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | スポット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたpc鋼棒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18494096A JPH1025543A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | スポット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたpc鋼棒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025543A true JPH1025543A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16162023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18494096A Pending JPH1025543A (ja) | 1996-07-15 | 1996-07-15 | スポット溶接ままで一様伸び及び高温リラクセーション特性に優れたpc鋼棒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1025543A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003076673A3 (fr) * | 2002-03-11 | 2004-04-22 | Usinor | Tôle d'acier laminé à chaud à très haute résistance et de faible densité, et procédé de fabrication |
-
1996
- 1996-07-15 JP JP18494096A patent/JPH1025543A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003076673A3 (fr) * | 2002-03-11 | 2004-04-22 | Usinor | Tôle d'acier laminé à chaud à très haute résistance et de faible densité, et procédé de fabrication |
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