JPH10253574A - 陰イオン測定装置 - Google Patents

陰イオン測定装置

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JPH10253574A
JPH10253574A JP9055875A JP5587597A JPH10253574A JP H10253574 A JPH10253574 A JP H10253574A JP 9055875 A JP9055875 A JP 9055875A JP 5587597 A JP5587597 A JP 5587597A JP H10253574 A JPH10253574 A JP H10253574A
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JP
Japan
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anion
ion
solution
additive
electrode
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JP9055875A
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English (en)
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Osamu Ozawa
理 小澤
Kotaro Yamashita
浩太郎 山下
Yuji Miyahara
裕二 宮原
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン選択性電極のスロープ感度のみならず、
選択性に関しても安定性を高め、信頼性の高い測定を長
期間に渡って行うことができる測定装置を提供する。 【解決手段】イオン感応膜の主成分として陰イオン交換
樹脂膜を用い、電極使用中に添加剤を陰イオン交換樹脂
膜に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰イオン測定装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体液中の塩素イオン等の分析に
使用される陰イオン選択性電極は、ポリ塩化ビニルのよ
うな高分子支持膜中に感応物質として第4級アンモニウ
ム塩等を担持させた高分子支持膜形電極や、第4級アン
モニウム塩を高分子に共有結合した陰イオン交換樹脂膜
などをイオン感応膜として用いるものが報告されてい
る。前者の電極は高い選択性を比較的容易に実現できる
が、スロープ感度の安定性に関して課題が残されてい
る。一方、後者の電極は、例えば、特公平2−13262号公
報に記載されているものがある。ここでは感応物質とし
て作用する第4級アンモニウム塩がスチレン−ジビニル
ベンゼン高分子に共有結合したイオン交換樹脂膜を用い
ているため、少なくとも感応物質の溶出は少なくスロー
プ感度の安定性が高い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公知例において、
イオン交換樹脂膜だけでは選択性が低く共存する妨害イ
オンによる影響を受けやすいため、選択性を改善する目
的でアルキルベンゼンスルホン酸塩などの低分子量の親
油性アニオンにより、イオン交換樹脂膜を修飾してい
る。その際、低分子量の親油性アニオンの塩をイオン交
換樹脂膜に含浸することにより修飾している。この方法
を追試したところ、血清試料と接触させると短期間で選
択性が低下する、すなわち選択性の安定性が低いという
課題があることが判明した。この原因は、親油性アニオ
ンをイオン交換樹脂膜にただ単に含浸するだけでは強固
に結合できないこと、このため特に血清などの親油性の
高い試料と接触すると容易に溶出してしまうことが原因
と推定された。
【0004】本発明の目的は、イオン交換樹脂膜に基づ
くイオン選択性電極を用いる陰イオン濃度の測定装置に
おいて、イオン選択性電極のスロープ感度のみならず、
選択性に関しても安定性を高め、信頼性の高い測定を長
期間に渡って行うことができる測定装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、イオン交換
樹脂膜を感応膜としたイオン選択性電極を用いる陰イオ
ン濃度の測定装置において、使用中のイオン交換樹脂膜
に、選択性を改善するための親油性イオンなどの添加剤
を供給することにより達成される。好ましくは電極使用
中に感応膜に接触する試料溶液や標準溶液などの溶液に
添加剤を含有させておき、電極使用中にこの添加剤をイ
オン交換樹脂膜に補給する。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明が適用される陰イオ
ン選択性電極の断面図の一例である。電極筒1には10
mmol/L の塩化ナトリウムを含む内部液2が収納され
ており、この内部液2内にAg/AgClから成る内部
電極3が浸漬されている。電極筒1の端部にはイオン感
応膜4が形成されている。なお、イオン感応膜4につい
ては後述する。このイオン感応膜4を図1の電極筒1の
大きさに応じて適当な大きさに打ち抜いて電極筒1の端
部に接着した。
【0007】図2は本発明が適用される生化学成分分析
装置の説明図の一例である。この生化学成分分析装置
は、上述のように製作した陰イオン選択性電極5、そし
て参照電極6がフローセル7内に保持され、送液装置8
および切り替え弁9,電磁弁10,サンプリング機構1
1,計測制御装置12,参照電極液13,内部標準溶液
14,外部標準溶液15,測定試料溶液16、および他
の電極17などから構成される。なお、この内部標準溶
液14の組成については、本実施例の特徴事項が含まれ
るが、別途詳述する。
【0008】次に、この装置の動作の概略を説明する。
送液装置8,切り替え弁9,電磁弁10の働きにより、
参照電極液13がフローセル7内の参照電極6へ、また
試料溶液として内部標準溶液14が陰イオン選択性電極
5へと送られ、フローセル内で合流し、液絡が形成され
る。すると参照電極6と陰イオン選択性電極5との間に
内部標準溶液14中の目的イオンの活量の対数に比例し
た起電力が発生するので、それを計測する。次にサンプ
リング機構を動作させて試料溶液として外部標準溶液1
5もしくは測定試料溶液16を同様の手順で測定する。
外部標準溶液15の測定値を用いて作成した検量線に基
づき、内部標準溶液14や測定試料溶液16に含まれる
目的イオンの活量を算出し、表示および印字などの出力
を行う。
【0009】内部標準溶液14は、外部標準溶液15や
測定試料溶液16などの試料溶液と交互に測定する。い
ったん内部標準溶液14の濃度が求まれば、以降、電極
性能が変わらない限りは内部標準溶液14の濃度を基準
にして測定試料溶液16の濃度を求めることができるた
め、外部標準溶液15の測定頻度を低減できる。以上の
計測及び制御は測定者の指示に基づき、計測制御装置1
2によって自動的に遂行される。
【0010】本発明におけるイオン感応膜は主としてイ
オン交換膜からなり、本実施例におけるイオン交換膜
は、主として陰イオン交換基を高分子に共有結合した陰
イオン交換樹脂からなる。またこのイオン交換膜は他
に、可塑剤や各種添加剤、そして機械的強度を保つため
のメッシュ状の高分子などからなる不活性な基材を含む
ことができる。
【0011】本実施例の陰イオン交換樹脂はスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体に基づき、それを少なくとも
部分的に第4級アンモニウム化したもの等が好適に使用
できる。これに属する化合物は一般にポリ(塩化ビニル
ベンジルトリアルキルアンモニウム)と総称される化合
物があり、その典型的な合成方法は、前記公知例記載の
方法がある。即ちスチレン−ジビニルベンゼン共重合体
をクロロメチルメチルエーテル等によりハロメチル化
し、それに第3級アミンを反応させて第4級アンモニウ
ム基とする。第3級アミンとしてトリメチルアミンを用
い、スチレンにおいてこの反応が起きた場合、この部分
は塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウムとなり、
連続するスチレン鎖で同様の反応が生じた場合はその区
間は同様にポリ(塩化ビニルベンジルトリメチルアンモ
ニウム)となる。ジビニルベンゼンはこのスチレン鎖の
架橋を行うために導入することができる。
【0012】このようにして正電荷を有する陰イオン交
換基を高分子に共有結合することにより陰イオン交換樹
脂とすることができる。また上記の系統の化合物は、ク
ロロメチルスチレン単量体等とジビニルベンゼン単量体
を原料として重合反応を行い、ハロメチル化スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体を得て、それを4級化する方
法によっても合成可能である。勿論、この主成分たる陰
イオン交換樹脂は必ずしもスチレン−ジビニルベンゼン
共重合体に基づくものでなくともよく、一般に第4級ア
ンモニウム基等の陰イオン交換基を共有結合により高分
子に結合した化合物が好適に使用できる。
【0013】本発明に好適に使用できるその他の陰イオ
ン交換樹脂は、例えばポリ(エチレンイミン塩酸塩),
ポリ(塩化−ビニルピリジニウム),ポリ(塩化ビニル
トリメチルアンモニウム),ポリ(塩化アリルトリメチ
ルアンモニウム),ポリ(塩化オキシエチル−1−メチ
レントリメチルアンモニウム),ポリ(塩化−N−メチ
ルビニルピリジニウム),ポリ(塩化オキシエチル−1
−メチレンピリジニウム),ポリ(塩化−2−ヒドロキ
シ−3−メタクロイロキシプロピルトリメチルアンモニ
ウム),ポリ(塩化−N−アクリルアミドプロピル−3
−トリメチルアンモニウム),各種脂肪族アイオネン、
例えば3,4−アイオネンや8,8−アイオネン,ポリ
(塩化−N,N−ジメチル−3,5−メチレンピペリジ
ニウム),ポリ(塩化−2−アクリロキシエチルジメチ
ルスルホニウム),ポリ(塩化グリシジルジメチルスル
ホニウム),ポリ(塩化グリシジルトリブチルホスホニ
ウム)などを構成要素として含む各種の陰イオン交換樹
脂がある。
【0014】本実施例では、この主成分陰イオン交換樹
脂を含む材料として、市販の陰イオン交換膜、即ち旭硝
子(株)製のASV型強塩基性1価イオン選択透過性の
陰イオン交換膜を使用した。この膜は海水濃縮用に特別
に1価イオン選択透過性を付与された膜であるが、その
まま陰イオン選択性電極の感応膜として使用すると、血
清中の重炭酸イオンや硫酸イオンの妨害を受けやすく、
測定値の精度が不十分である。従って、後述する添加剤
を用いて、選択性をさらに高める必要がある。
【0015】次に、本実施例の特徴的事項である内部標
準溶液14の組成について詳述する。この内部標準溶液
14は上述の通り外部標準溶液15や測定試料溶液16
などの試料溶液と交互に測定するため、基本的には測定
試料溶液の組成と類似した電解質組成を有し、またpH
調整のためにトリスなどの緩衝剤を含む。また本実施例
の特有の成分として、親油性陰イオンなどの添加剤を含
有する。すると電極使用時にこの添加剤を含む内部標準
溶液14がイオン感応膜に到達するため、添加剤がイオ
ン感応膜に供給される。従来は添加剤を含侵させたイオ
ン感応膜から添加剤が短期間で溶出して、選択性が使用
とともに低下するという問題があったが、上記のように
本実施例では添加剤を使用中にイオン交換樹脂膜に内部
標準溶液から供給するため、イオン感応膜中の添加剤の
濃度を十分高く保つことができ、選択性を高く保つこと
ができる。
【0016】なお、新品の電極を使用開始する場合はイ
オン交換膜に添加剤が含まれていないため最初は選択性
が低いが、使用開始時に「プライム」と称する電極およ
びシステムの初期化動作を行って、このプライム動作の
なかで内部標準溶液14をイオン交換膜に対して十分な
量,時間だけ接触させることにより、添加剤をイオン感
応膜に供給することができる。
【0017】本実施例では、添加剤として親油性のアニ
オン、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸を用い、
その濃度は1ミリモル/リットルとした。この濃度を高
くしすぎると内部標準溶液が起泡しやすくなり、特にフ
ローセル型の電極を用いる際にイオン選択性電極と参照
電極との間に気泡が入って起電力が不安定となる可能性
が高くなり、好ましくない。また、添加剤に対する陰イ
オン選択性電極の応答選択性が不十分な場合は、その濃
度が高すぎると、電極の応答に妨害が生じてベースライ
ンが上昇し、目的とする陰イオンの定量が困難となる、
という問題も生じうる。従って、添加剤の好適な濃度に
は上限がある。また、この濃度が低すぎるとイオン交換
膜に対して添加剤を十分供給しにくくなり、選択性を維
持する効果が不十分となる。従って、この両方の因子の
兼ね合いにより、適宜最適な添加剤濃度を決定すること
が好ましい。
【0018】本発明の第2の実施例は、第1の実施例と
同様であるが、内部標準溶液中に含ませる添加剤とし
て、水溶性高分子アニオンを使用した点が異なる。水溶
性高分子アニオンとして具体的には、ポリスチレンスル
ホン酸を使用し、そのナトリウム塩を内部標準溶液に添
加して使用した。ポリスチレンスルホン酸には分子量に
よって各種のものが存在する。ここでは分子量約3万ダ
ルトンのものを使用し、その濃度は0.1 ミリモル/リ
ットルとしたが、勿論他の分子量のポリスチレンスルホ
ン酸を別の濃度で使用することもできる。
【0019】本実施例では水溶性高分子アニオンとして
ポリスチレンスルホン酸を用いたが、当然他の構造の水
溶性高分子アニオンを用いることもできる。陽イオン交
換基としてスルホン酸基を含む化合物の例は、ポリエチ
レンスルホン酸,ポリ−α−メチルスチレンスルホン酸
などがある。またリン酸基を含む化合物の例は、ポリビ
ニルリン酸,ポリフォスフェイトエステルなどがある。
また、カルボン酸基を含む化合物の例は、ポリアクリル
酸,ポリメタクリル酸,スチレン−マレイン酸共重合
体,不飽和脂肪酸に基づいて合成した高分子カルボン酸
などがある。
【0020】本実施例のように内部標準溶液中に含ませ
る添加剤として、水溶性高分子アニオンを使用すると、
イオン交換膜の選択性改善の効果を維持できるという本
発明に共通の効果がある。また、水溶性高分子アニオン
を用いることによる特有の効果は、低起泡性であるた
め、気泡による起電力の不安定性などの問題が起きる可
能性を低分子のアニオンを用いる場合よりも低減でき
る。また、一般に高分子イオンはイオン感応膜を透過し
にくく、一般にイオン選択性電極に対する妨害を生じに
くいため、たとえ高濃度で使用して選択性の安定性改善
の効果を高めても、ベースラインが上昇して電極の測定
値に悪影響を及ぼす可能性が少ない。
【0021】本発明の第3の実施例は、第1の実施例と
同様であるが、添加剤を内部標準溶液に含ませる代わり
に、添加剤を含む溶液、即ち電極性能復活液を適宜試料
カップに設置して、測定試料溶液と同様に陰イオン選択
性電極10へと送液することにより、添加剤をイオン感
応膜に供給する点が異なる。本実施例は、送液シーケン
スの調節により、必要に応じて必要な量の電極性能復活
液を必要な時間だけイオン感応膜に供給できるため、選
択性の改善を容易に制御できるという特長がある。さら
に、試料溶液として妨害イオンを含む溶液を別途用意し
て、それを測定することによる選択性評価を電極性能復
活液による処理と並行して行うこともでき、こうするこ
とにより、選択性の改善の制御にフィードバックをかけ
ることが可能となり、さらに詳細な選択性改善の制御が
可能となるという特有の効果が発揮される。
【0022】本発明の第4の実施例は、第1の実施例と
同様であるが、添加剤を内部標準溶液に含ませる代わり
に、内部液2に含ませる点が異なる。本実施例は、イオ
ン感応膜に常時添加剤を供給できるため、選択性を常に
高く維持できる、また、一度電極内に添加剤を必要量入
れてしまえばあとは外部から特別な試薬による処理を行
わなくてすむため、操作が簡便で効果が長続きするとい
う特長がある。
【0023】次に、本発明の第5の実施例によるマルチ
イオンセンサを図3を用いて説明する。図3は、本発明
によるマルチイオンセンサの一例の断面模式図である。
フローセル型電極ボディ18内に流路が形成され、この
流路に対して曲面状に突出する開口部が設けられ、この
曲面に沿って1つ以上の感応膜21,21′等が接着さ
れる。個々の感応膜の流路と反対側の面には内部電解質
層19を介して内部電極20が形成される。
【0024】内部電解質層19は塩化ナトリウムなどの
電解質を含む高分子ゲルなどが用いられ、この高分子と
して好適に用いられるものの例は、ポリビニルアルコー
ル,ポリエチレングリコール,アガロース等が挙げられ
る。また、これらに多価アルコール類に代表される保湿
用材料、例えばグリセリンを添加して用いても良い。内
部電極20は銀/塩化銀等からなる湾曲させた板状電極
を用いることができるほか、湾曲や接着の容易な網目状
の電極も用いることができる。図示を省略したが、リー
ド線等をこの内部電極に結線して、マルチイオンセンサ
の外に信号を取り出す。個々の感応膜,内部電解質層,
内部電極はお互いに電気的に絶縁して形成されるため
に、互いに独立したイオン選択性電極、即ち図2におけ
るイオン選択性電極5や17に相当するものとして機能
する。
【0025】なお、内部電解質層19として水分含量の
少ない高分子ゲル、即ち固体状の内部電解質層を用いる
場合は、個々のイオン選択性電極は固体イオンセンサと
みなすことができる。この例では、1つの独立したイオ
ン選択性電極の感応膜として、実施例1における感応膜
と同じ組成の感応膜を用いたため、この電極は塩化物イ
オンなどの陰イオンに応答し、この電極自体の性能は実
施例1と同様である。もちろん、本発明による他の組成
による感応膜を用いてもよい。
【0026】この例では、他の独立したイオン選択性電
極として、ナトリウムイオン,カリウムイオン用の感応
膜を用いるイオン選択性電極を同一のフローセル型電極
ボディに形成し、これら以外に塩素イオン用もしくはカ
リウムイオン用の感応膜を用いる参照電極22も同一の
フローセル型電極ボディに形成し、総合的に陰イオン,
ナトリウムイオン,カリウムイオンの3項目を測定でき
るマルチイオンセンサを形成した。
【0027】この実施例に特有の効果は、測定試料が電
極ボディの内部に設けられた流路を流通するために、試
料量が少なくてすむこと、複数の独立したイオン選択性
電極と参照電極とを集積化して形成するために電極のサ
イズ、及び測定装置全体のサイズとコストを低減できる
こと、取扱いが容易になること等がある。また、従来の
選択性の安定性の低い陰イオン選択性電極を構成要素と
する場合は、たとえ他のイオン選択性電極がまだ使用可
能な状態であっても、陰イオン選択性電極の選択性が低
下して使用不可能となるとマルチイオンセンサ全体を新
品に交換しなければならないと言う不都合があったが、
本発明による選択性の安定性の高い陰イオン選択性電極
を構成要素とすることにより、マルチイオンセンサ全体
としての寿命を延ばすことができ、交換頻度を低減し、
手間とコストを低減できるという特有の効果がある。
【0028】次に、本発明に基づく実施例の効果につい
て説明する。
【0029】ここで、本発明との対比のために従来例を
示す。この従来例は、上記特公平2−13262 号におい
て、第1の実施例として記載されているものを引用し
た。これは感応膜として第4級アンモニウム塩がスチレ
ン−ジビニルベンゼン高分子に共有結合したイオン交換
樹脂膜を用い、それに対してドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを含浸することにより導入したものであ
る。すなわち、この従来例は選択性を改善するための親
油性アニオンが、最初に一度だけ導入されるだけであ
り、使用中にイオン交換膜に対して補給されない点が本
発明と異なる。
【0030】図4は、本発明の第2の実施例、ならびに
上述の従来例に基づく陰イオン選択性電極について、塩
素イオンを基準とした場合の他の陰イオンに対する選択
係数を、血清を試料として複数回測定して、随時選択性
を評価して、選択性の経時変化を追跡することにより、
その安定性を比較検討した結果の一例である。図におい
て、aは従来例、bは本発明に基づく第2の実施例によ
る結果である。図4から明らかなように、本発明に基づ
く塩素イオン選択性電極は、従来例と比較して硫酸イオ
ンや重炭酸イオン等の陰イオンに対する選択性が安定に
保たれ、多数回の血清測定を行っても高い選択性を維持
できることが分かる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、陰イオン交換樹脂膜を
感応膜として用いる陰イオン選択性電極を用いる陰イオ
ン濃度の測定装置において、選択性を改善するための親
油性イオンなどの添加剤を、使用中にイオン交換樹脂膜
に供給することにより、またより好ましくは電極使用中
に感応膜に接触する試料溶液や標準溶液などの溶液に添
加剤を含有させておき、電極使用中にこの添加剤をイオ
ン交換樹脂膜に補給することにより、陰イオン選択性電
極のスロープ感度のみならず、選択性に関しても安定性
を高め、信頼性の高い測定を長期間に渡って行うことが
できる測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく陰イオン選択性電極の断面図。
【図2】本発明に基づく陰イオン選択性電極を用いた生
化学成分分析装置の説明図。
【図3】本発明に基づくマルチイオンセンサの断面図。
【図4】本発明および従来例による重炭酸イオンおよび
硫酸イオンに対する選択性の経時変化を示す特性図。
【符号の説明】
1…電極筒、2…内部液、3…内部電極、4…イオン感
応膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰イオン交換性の重合体に基づく陰イオン
    選択性電極を用いる陰イオン測定装置において、上記陰
    イオン選択性電極に接触する溶液中に、親油性アニオン
    に代表される添加剤を含有することを特徴とする陰イオ
    ン測定装置。
  2. 【請求項2】陰イオン交換性の重合体に基づく陰イオン
    選択性電極を用いる陰イオン測定装置において、上記陰
    イオン選択性電極を校正するために用いられる標準溶液
    中に、親油性アニオンに代表される添加剤を含有するこ
    とを特徴とする陰イオン測定装置。
  3. 【請求項3】陰イオン交換性の重合体に基づく陰イオン
    選択性電極を用いる陰イオン測定装置において、上記陰
    イオン選択性電極の内部液中に、親油性アニオンに代表
    される添加剤を含有することを特徴とする陰イオン測定
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、上記親油性アニオンに
    代表される添加剤を含有する溶液を、試料と同一の流路
    を用いて陰イオン選択性電極へ送液して接触させる陰イ
    オン測定装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、上記
    親油性アニオンが、水溶性の高分子アニオンである陰イ
    オン測定装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3または4において、上記
    陰イオン選択性電極が他のイオン選択性電極と一体に形
    成されたマルチイオンセンサである陰イオン測定装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、生体液中の陰イオン濃度を測定する生体液中の陰イ
    オン濃度の測定方法。
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