JPH10300712A - 陰イオン選択性電極 - Google Patents

陰イオン選択性電極

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JPH10300712A
JPH10300712A JP9106938A JP10693897A JPH10300712A JP H10300712 A JPH10300712 A JP H10300712A JP 9106938 A JP9106938 A JP 9106938A JP 10693897 A JP10693897 A JP 10693897A JP H10300712 A JPH10300712 A JP H10300712A
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JP9106938A
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Osamu Ozawa
理 小沢
Kotaro Yamashita
浩太郎 山下
Yuji Miyahara
裕二 宮原
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陰イオン交換膜に基づく陰イオン選択性電極
において、選択性の安定性を高める。 【構成】 第4級アンモニウム塩等を重合体に共有結合
した陰イオン交換膜4に基づく陰イオン選択性電極にお
いて、陰イオン交換基として炭素数が3〜5のアルキル
基を含む第4級アンモニウム基等のオニウム基を用い、
好ましくはさらに、予め陽イオン交換基を原料膜に結合
した後、上記陰イオン交換基を形成する。 【効果】 選択性の安定性が高まり、血液などの生体試
料の測定精度の信頼性が高い電極が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰イオン選択性電極
に係り、特に生体液中の塩素イオン等の陰イオンの測定
に使用するに好適な陰イオン選択性電極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体液中の塩素イオン等の分析に
使用される陰イオン選択性電極としては、イオン感応膜
として、ポリ塩化ビニルの如き高分子支持膜中に感応物
質として第4級アンモニウム塩等を担持させた感応膜を
用いる高分子支持膜形電極や、第4級アンモニウム塩を
重合体の膜に共有結合した陰イオン交換膜を感応膜とし
て用いるものなどが報告されている。前者の電極は高い
選択性を比較的容易に実現できるが、スロープ感度の安
定性に関して課題が残されている。一方、後者の電極と
しては例えば、今任稔彦他、アナリティカルケミスト
リ、1980年、52巻、1893−1896頁に記載
されているものがあり、この電極では感応物質として作
用する第4級アンモニウム塩がスチレン−ジビニルベン
ゼン重合体に共有結合したイオン交換膜を用いているた
め、少なくとも感応物質の溶出は少なくスロープ感度の
安定性が高い。
【0003】ただし、後者の陰イオン選択性電極はイオ
ン交換膜だけでは選択性がやや低く、共存する妨害イオ
ンによる影響を受けやすい。そこで特公平2−1326
2号公報では、選択性を改善するためにアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩などの低分子量のアニオンをイオン交換
膜の表面に含浸させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特公平2
−13262号公報に記載された電極を用いても、血清
試料を測定すると選択性が短期間に低下し、精度が安定
に維持できないという問題があることが判明した。本発
明の目的は、陰イオン交換基を重合体に共有結合した陰
イオン交換膜に基づく陰イオン選択性電極において、選
択性の安定性が高く、血液などの生体試料測定時の信頼
性が高い電極を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した従来
の陰イオン選択性電極の問題点を追求する過程でなされ
たもので、陰イオン交換基を重合体に共有結合した陰イ
オン交換膜に基づく陰イオン選択性電極において、主と
して上記陰イオン交換基として、炭素数nが3ないし5
のアルキル鎖を有する第4級アンモニウム基等のオニウ
ム基を用いることにより前記目的を達成するものであ
る。更に好ましくは、上記陰イオン交換基を重合体に共
有結合するに先立ち、陽イオン交換基を膜に結合する処
理を行い、その後、炭素数nが3ないし5のアルキル鎖
を有する第4級アンモニウム基等のオニウム基からなる
陰イオン交換基を重合体に共有結合することにより、前
記目的を達成するものである。
【0006】すなわち、本発明は、陰イオン交換性の重
合体を含む陰イオン選択性感応膜において、陰イオン交
換性の重合体に含まれる陰イオン交換基がオニウム基で
あり、このオニウム基に炭素数3ないし5のアルキル基
が3つ結合してなることを特徴とする。また、本発明
は、陰イオン交換性の重合体を含む陰イオン選択性感応
膜において、陰イオン交換性の重合体に含まれる陰イオ
ン交換基が第4級アンモニウム基または第4級フォスフ
ォニウム基であり、この第4級アンモニウム基または第
4級フォスフォニウム基に炭素数3ないし5のアルキル
基が3つ結合してなることを特徴とする。3つのアルキ
ル基の炭素数は、等しいものとすることができる。
【0007】前記重合体に、さらに芳香族スルホン酸基
等の陽イオン交換基を結合してもよいし、さらに水酸基
を有する重合体が絡んでいてもよい。図8は、本発明に
よる陰イオン感応膜の合成手順の例を模式的に示したも
のである。最初に、図8の(1)に示すように、クロロ
メチルスチレンとジビニルベンゼンなどの共重合によ
り、(2)に示すような重合体を含むベース膜を形成す
る。その後、本発明の第1の方法では、(3)に示すよ
うに、このベース膜に炭素数が3〜5のアルキル基Rが
3つ結合した第3級アミンまたは第3級フォスフィンを
反応させ(図8は、第3級アミンの場合を示す)、重合
体に陰イオン交換基としてオニウム基を導入して陰イオ
ン感応膜を得る。第2の方法では、ベース膜に対して硫
酸による処理を行って、図8の(4)に示すように芳香
族スルホン酸基を導入し、その後(5)に示すように、
炭素数が3〜5のアルキル基Rが3つ結合した第3級ア
ミンまたは第3級フォスフィンを反応させ(図8は、第
3級アミンの場合を示す)、重合体に陰イオン交換基と
してオニウム基を導入して陰イオン感応膜を得る。ま
た、第3の方法では、図8の(6)に示すように、
(5)の重合体に水酸基を含むモノマーを含浸、重合さ
せることで、水酸基を有する重合体を絡ませて陰イオン
感応膜を得る。
【0008】本発明による陰イオン選択性感応膜は、陰
イオン濃度を測定する陰イオン選択性電極、あるいは複
数のイオン選択性電極を備えるマルチイオンセンサ等に
組み込んで好適に利用される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 〔実施の形態1〕図1は、本発明による陰イオン選択性
電極の一例の構成断面図である。電極筒1には10mm
ol/Lの塩化ナトリウムを含む内部液2が収納されて
おり、この内部液2内に銀塩化銀から成る内部電極3が
浸漬されている。電極筒1の端部にはイオン感応膜4が
形成されている。このイオン感応膜4は下記のようにし
て製作した後,電極筒1の大きさに応じて適当な大きさ
に打ち抜いて、電極筒1の端部に接着した。
【0010】イオン感応膜4は、前述の様に陰イオン交
換基を重合体に共有結合した、いわゆる陰イオン交換膜
として理解されるものの一種であり、本発明においては
主としてこの陰イオン交換基として、炭素数nが3ない
し5のアルキル鎖を有する第4級アンモニウム基等のオ
ニウム基を用いることを主な特徴とする。以下、この実
施の形態におけるイオン感応膜4の製作法について詳述
する。
【0011】先ず最初に、膜の基本骨格をなす重合体、
いわゆるベース膜を下記の〔化1〕に示すように合成す
る。すなわち、クロロメチルスチレンとジビニルベンゼ
ンとを、補強材としてアクリロニトリル−ブタジエンゴ
ムと織物状の支持体(ポリマー繊維)の共存下、共重合
させた。
【0012】
【化1】 具体的には、82重量%のクロロメチルスチレンと、1
0重量%のジビニルベンゼンとを混合し、これに5重量
%のアクリロニトリル−ブタジエンゴムを溶解し、さら
に3重量%の過酸化ベンゾイルを加えてペースト状の混
合物を得た。これをテイジン(株)製のポリ塩化ビニル
からなる織物(テビロン布)に練り込み、表面をポリエ
ステルフィルムでカバーした後、窒素気流中で80℃、
16時間加熱した。この様にして、クロロメチルスチレ
ンとジビニルベンゼンとの共重合体を主骨格とするベー
ス膜を形成した。
【0013】次に、下記の〔化2〕に示すように、この
ベース膜に第3級アミンを反応させて、重合体に第4級
アンモニウム基を導入した。ここでは第3級アミンとし
てトリブチルアミンを用いたため、生成した第4級アン
モニウム基はベンジルトリブチルアンモニウムクロライ
ドである。
【0014】
【化2】 具体的には、トリブチルアミンの1モル/Lのメタノー
ル溶液20mLに上記ベース膜を浸し、50℃にて72
時間反応を行った。反応後、メタノールで洗浄し、さら
に1N塩酸と0.5Nアンモニアで交互に洗浄した。こ
の反応により、ベース膜中の共重合体に共有結合してい
るベンジルクロライド基はベンジルトリブチルアンモニ
ウムクロライド基に変換され、このオニウム基はベース
膜の共重合体に共有結合により固定化されているため、
陰イオン交換基として作用する。この様にして、炭素数
nが4のアルキル鎖を3つ含むオニウム基を陰イオン交
換基として重合体に共有結合した陰イオン交換膜に基づ
く陰イオン感応膜を形成した。
【0015】本実施の形態によるイオン感応膜は上述の
ように、主成分としてスチレン−ジビニルベンゼン共重
合体を骨格とし、このスチレンのベンゼン環の一部がベ
ンジルトリブチルアンモニウム基の形の陰イオン交換基
である重合体を含み、さらに膜に機械的強度を付与する
アクリロニトリル−ブタジエンゴム、並びに織物状の支
持体としてポリ塩化ビニル布を含む。しかしながら、本
発明の目的はこの構成に限定されること無く、他の類似
の構成によっても達成される。
【0016】例えば、主成分の重合体の基本骨格はスチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体の他、スチレン−ブタ
ジエン、スチレン−イソプレン、ポリスルホンなどが使
用できる。一般にベンゼン環を有する重合体であれば、
クロロメチル化反応及び3級化反応によってベンジルト
リアルキルアンモニウム基を導入できる。従って、本発
明の特徴であるアルキル基として炭素数nが3ないし5
のアンモニウム基を上記と同様に導入でき、何れも好適
に使用できる。
【0017】また、膜に柔軟性を付与する補強材として
はアクリロニトリル−ブタジエンゴム以外に、各種の高
分子弾性体が使用可能である。さらに、織物状の支持体
としては、メッシュ状のポリ塩化ビニル布以外に、テト
ロン、ビニロン、ガラス繊維等の各種の材料が使用可能
である。また、ここでは使用しなかったが、必要に応じ
て各種の可塑剤、添加剤等を含むことができる。
【0018】ここで、ベース膜に反応させる第3級アミ
ンとしてアルキル基の炭素数がそれぞれ1、2、3、
4、5、8、12のトリアルキルアミンを用いて反応を
行い、各種の長さのアルキル鎖を含むベンジルトリアル
キルアンモニウム基をイオン交換基として重合体に共有
結合した陰イオン交換膜を製作した。第3級アミンによ
っては溶媒に対する溶解度が異なるため、水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどを適宜選択して
使用した。また、反応性も異なるため、温度および反応
時間も適宜選択した(概ねイオン交換容量が一定になる
まで反応を行った)。
【0019】この様にして得られた陰イオン交換膜を陰
イオン感応膜として図1に示す陰イオン選択性電極に適
用し、その塩素を基準とする選択係数を各種の妨害イオ
ンについて測定した。結果を図4に示す。図4は、横軸
に電極の種類、縦軸に各電極の各種妨害イオンに対する
選択係数の対数値をプロットしたグラフである。電極の
種類は、ベンジルトリアルキルアンモニウム基のアルキ
ル基の炭素数1、2、3、4、5、8、12のものを、
それぞれ(a)〜(g)で表示した。なお、炭素数12
のトリドデシルアミンを用いて4級化を試みた(g)の
電極は、正常な陰イオン応答を示さなかったため、ベン
ジルトリドデシルアンモニウム基が十分に導入されなか
った可能性があり、以下の議論からは除外した。他の電
極は約−55mV/dec.のスロープ感度を示し、正
常な陰イオン応答が得られた。
【0020】図4から明らかなように、この炭素数が2
以下の電極は重炭酸イオンに対する選択係数が対数で−
0.5以上、硫酸イオンに対する選択係数が対数で−1
以上とやや大きい。この様な電極を用いて生体液試料を
測定すると、血清中に含まれる重炭酸イオンや、尿中に
含まれることがある硫酸イオン等の親水性イオンの妨害
を受けやすく、測定値の信頼性が低い。一方、この炭素
数が5より大きな電極は、臭素イオンに対する選択係数
が対数で1.2以上、チオシアン酸イオンに対する選択
係数が対数で3.8以上と、極めて大きな妨害を受ける
ことがわかる。血清中のこれらのイオンそのものの存在
量は少ないが、類似の性質を有するサリチル酸や安息香
酸イオンなどの親油性イオンは微量ながら多種類含有さ
れている場合があるため、この様に親油性イオンに対す
る選択性が低い電極を用いると、これらの妨害イオンの
影響を受けやすく、測定値の信頼性が低い。
【0021】従って、実施の形態1に基づく電極におい
ては、アンモニウム基のアルキル基の炭素数として3な
いし5を採用することにより、親水性イオンに対する選
択性と、親油性イオンに対する選択性のバランスがと
れ、好適な選択性を実現できることが判明した。この実
施の形態によると、膜の製造に要するステップが少ない
ため製造が容易であり、また副反応が起きにくいため特
性の良好な感応膜が再現性よく得られるという効果も得
られる。 〔実施の形態2〕次に、本発明による陰イオン選択性電
極の他の実施の形態について説明する。この実施の形態
は上記実施の形態1と類似しているが、イオン感応膜4
の製作法並びに構造がやや異なる。すなわち、陰イオン
交換基を重合体に共有結合するに先立ち、陽イオン交換
基をベース膜に結合する処理を行い、その後で、炭素数
nが3ないし5のアルキル鎖を含む第4級アンモニウム
基等のオニウム基からなる陰イオン交換基を重合体に共
有結合する点が異なる。以下、イオン感応膜4の製作法
について詳述する。
【0022】本実施の形態におけるベース膜の製法は、
上記実施の形態1と同様である。次に、下記の〔化3〕
に示すように、ベース膜に硫酸を作用させて、ベース膜
に陽イオン交換基を導入する。ここではベース膜の主成
分重合体としてクロロメチルスチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体を用いたため、クロロメチルスチレン部及び
ジビニルベンゼン部においてベンゼン環が存在する。硫
酸の作用によりこれらのうち少なくとも一部のベンゼン
環がスルホン化され、ベース膜にスルホン酸基すなわち
陽イオン交換基が導入される。
【0023】
【化3】 具体的には、上記ベース膜を90%硫酸水溶液に浸し、
40℃において1時間反応させた。反応後、水洗して余
分の硫酸を除去し、さらに0.5N水酸化ナトリウムで
中和後、よく水洗した。この様にしてベース膜に陽イオ
ン交換基として作用するスルホン酸基を導入した。
【0024】さらに、この様にして陽イオン交換基を導
入したベース膜に、上記実施の形態1と同様の処理を行
い、すなわち第3級アミンを反応させて第4級アンモニ
ウム基すなわち陰イオン交換基を導入した。この様にし
て、予め陽イオン交換基をベース膜に結合した後、炭素
数nが4のアルキル鎖を3つ含むオニウム基を陰イオン
交換基として重合体に共有結合した陰イオン交換膜に基
づく陰イオン感応膜が形成される。
【0025】本実施の形態によるイオン感応膜は上述の
ように、特定の濃度の硫酸水溶液を特定の条件下でベー
ス膜に作用させることによって、陽イオン交換基を結合
した。しかしながら、本発明の効果はこの製造条件に限
定されること無く、他の類似の製造条件によっても実現
される。例えば、硫酸の濃度に関しては、より希薄な硫
酸水溶液を用いることも可能であり、この場合は反応温
度や反応時間等の他の反応条件をより強めることによ
り、同様の効果を得ることが出来る。また反応温度、反
応時間についても同様で、温度を低めたり時間を短くす
る場合には他の反応条件を強めることにより、同様の効
果を得ることが出来る。また、陽イオン交換基の導入に
用いる反応試薬は硫酸に限定されず、例えば3酸化硫黄
と硫酸の混合物、発煙硫酸、クロロ硫酸なども同様に使
用可能である。
【0026】さらに、上記の実施の形態では予めクロロ
メチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を含むベー
ス膜を形成した後にそれをスルホン化したが、スルホン
酸基の共重合体への結合方法はこれに限定されない。例
えば、クロロメチルスチレン、スチレンスルホン酸
(塩)、ジビニルベンゼンを原料として共重合反応を行
ってベース膜を形成すれば1段階の反応によりスルホン
酸基の共重合体への結合が達成される。あるいは、スチ
レン、スチレンスルホン酸、ジビニルベンゼンを共重合
させた後、クロロメチルエーテル等によりクロロメチル
化することによってもスルホン酸基の共重合体への結合
が達成される。
【0027】しかしながら、現実的にはここで採用した
方法が、最も容易かつ再現性よく所望の材料を得ること
ができる。なぜなら、クロロメチルスチレン、スチレン
スルホン酸(塩)、ジビニルベンゼンを原料として共重
合反応を行う際は親水性のスチレンスルホン酸(塩)と
疎水性のクロロメチルスチレン、ジビニルベンゼンを均
一に反応させることが困難であり、またクロロメチルエ
ーテル等によりクロロメチル化する反応は一般に制御が
困難であるためである。
【0028】また、ここでは、スルホン酸基をベース膜
の主たる構成要素であるクロロメチルスチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体に直接共有結合により導入した。こ
の方法は、スルホン酸基が主成分重合体に直接共有結合
しているため、安定に保持され、効果の持続性が高いと
いう特有の効果がある。しかし、他の分子にスルホン酸
基を導入しても本発明の目的を達成することが出来る。
例えば、上記実施の形態1のごとく形成したベース膜
に、スルホン酸基を含む高分子を絡ませることもでき
る。具体例としては、スチレンスルホン酸ナトリウムと
スチレン、ジビニルベンゼンのメタノール溶液に上記ベ
ース膜を浸し、重合開始剤としてAIBNを加えて70
度で1.5時間加熱環流することにより、スチレン−ジ
ビニルベンゼンを主骨格とし、スチレンの一部にスチレ
ンスルホン酸基が導入された高分子が、上記クロロメチ
ルスチレン−ジビニルベンゼンからなる重合体に絡まっ
て形成される。この方法は、スルホン酸基の導入に硫酸
を使用しないため、操作が容易で簡便であるという特有
の効果がある。
【0029】このスルホン酸基を含む高分子としては、
上記の付加重合ばかりでなく、縮重合等他の重合メカニ
ズムによって形成されるものも使用可能であり、また予
めスルホン酸基を含む単量体を重合するのではなく、重
合を行った後にスルホン化することによってこのスルホ
ン酸基を含む高分子を形成することもできる。上記の説
明においては、重合体に結合する陽イオン交換基として
主にスルホン酸基を例示したが、陽イオン交換基として
はスルホン酸基に限らず、他の陰電荷を有する官能基も
使用することが出来る。例えば陽イオン交換基としてリ
ン酸基を含む化合物の例としては、ビニルリン酸、フォ
スフェイトエステルなどがある。またカルボン酸基を含
む化合物の例としては、親油性の高い長鎖アルキル基を
有する不飽和脂肪酸、例えばリノール酸、デセン酸、ス
テリング酸、ドデセン酸、パルミトオレイン酸、オレイ
ン酸等、あるいはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸などがあり、これらの共重合体を利用することができ
る。
【0030】なお、本発明による電極が陰イオン選択性
電極として作用するためには、イオン感応膜が陰イオン
に選択的に応答する必要がある。従って、膜全体として
陰イオン交換基の作用がスルホン酸基等の陽イオン交換
基と比較して優勢である必要がある。本発明において
は、重合体に含まれる炭素数nが3ないし5のアルキル
鎖を含む第4級アンモニウム基等のオニウム基からなる
陰イオン交換基の総数が、ベース膜に結合した陽イオン
交換基総数よりも十分多いことが特徴となっている。
【0031】なお、硫酸はフリーデルクラフツ反応の触
媒としても作用するため、ベース膜を硫酸で処理するこ
とによりクロロメチルスチレンの架橋反応が起きる場合
もある。しかし、実験的に検証したところ、最終的には
陰イオンに応答する感応膜が得られたため、この副反応
は上記反応条件下では定量的には進行せず、大部分のク
ロロメチルスチレンは硫酸処理によっても未反応のまま
残り、次の第3級アミンとの反応により陰イオン交換基
に変換されることが確認された。従って、この副反応は
起きたとしてもせいぜい一部のクロロメチルスチレンの
架橋に留まる。この程度であれば、架橋により膜の構造
が緻密になり、塩素イオンよりイオン半径の大きい妨害
イオンが排除されやすくなるため、選択性が向上すると
いう好ましい効果も得られる。
【0032】次に、ベース膜に陽イオン交換基を結合す
る際の処理条件を変えて検討を行った。具体的には、ベ
ース膜に作用させる硫酸の濃度を変えて様々な量の陽イ
オン交換基を導入し、さらにトリブチルアミンを反応さ
せて陰イオン交換基を導入して陰イオン交換膜を製作し
た。この様にして得られた陰イオン交換膜を陰イオン感
応膜として図1に示す陰イオン選択性電極に適用し、塩
素を基準とする選択係数を各種の妨害イオンについて測
定した。結果を図5に示す。
【0033】図5は、横軸に電極の種類、縦軸に各電極
の各種妨害イオンに対する選択係数の対数値をプロット
したグラフである。電極の種類は、作用させた硫酸濃度
をそれぞれ70%、75%、83%、90%、92%、
94%であったものを、それぞれ(h)〜(m)で表示
した。これら全ての電極は約−55mV/dec.のス
ロープ感度を示し、正常な陰イオン応答が得られた。
【0034】図5から明らかなように、70%や94%
の硫酸処理では、何も処理を行わない系(図4の
(d))とほぼ同等の結果となった。一方、83%ない
し92%の濃度の硫酸で処理を行うと、重炭酸イオンや
硫酸イオン等の親水性イオンの選択係数が極小となり、
これらのイオンによる妨害が極めて効果的に排除される
ことが判明した。臭素イオンやチオシアン酸イオンの選
択係数はこの硫酸濃度範囲においてやや上昇するもの
の、その上昇幅はわずかであり、親水性イオン選択性の
改善効果と比較するとこの親油性イオン選択性の低下は
取るに足らぬ程度である。従ってベース膜を硫酸によっ
て前処理することにより、選択性が総合的に改善される
ことが新たに見出され、最適な硫酸濃度はこの反応条件
下では約90%であることが判明した。
【0035】なお、実施の形態2とは異なる方式である
が、ベース膜に予め陽イオン交換基を結合せず、先に第
3級アミンを作用させて陰イオン交換基を導入して陰イ
オン交換膜とした後、後から硫酸を作用させて得られる
陰イオン交換膜を電極の感応膜に応用した場合の選択性
を参考までに図6に示した。具体的には、図4と同様に
してベース膜に各種第3級アミンを反応させ、炭素数が
それぞれ1、2、3、4のアルキル鎖を含むベンジルト
リアルキルアンモニウム基をイオン交換基として重合体
に共有結合した陰イオン交換膜を製作した後、図5にお
ける最適条件、すなわち90%硫酸による40℃、1時
間の処理を行った。この様にして得られた陰イオン交換
膜を陰イオン感応膜として図1に示す陰イオン選択性電
極に適用し、塩素を基準とする選択係数を各種の妨害イ
オンについて測定した結果が図6である。
【0036】図6は、横軸に電極の種類、縦軸に各電極
の各種妨害イオンに対する選択係数の対数値をプロット
したグラフである。電極の種類は、ベンジルトリアルキ
ルアンモニウム基の炭素数がそれぞれ1、2、3、4の
ものを、それぞれ(n)〜(q)で表示した。なお、炭
素数2のベンジルトリエチルアンモニウム基を含む
(o)の電極は、感応膜の平坦性が低下したため接着が
困難で膜と電極ボディとの間に隙間が生じ、正常な陰イ
オン応答を示さなかったため、図6にはデータは示さ
ず、以下の議論からも除外した。他の電極も幾つかは同
様に接着困難であったが、接着状態が良いものに関して
は約−55mV/dec.のスロープ感度を示し、正常
な陰イオン応答が得られた。
【0037】図6と図4とを比較すると明らかなよう
に、硫酸による後処理を行った図6の各電極は、硫酸に
よる後処理を行わない図4の対応するアルキル鎖長の電
極と比較して、ほとんど選択性が改善していない。この
様に、硫酸による後処理を行うと、膜の平坦性と接着性
が損なわれるばかりでなく、選択性改善効果も得られな
い。
【0038】すなわち、実施の形態2においては、硫酸
による処理は、第3級アミンの作用による陰イオン交換
基の導入の前に行う必要があること、陰イオン交換基を
導入した陰イオン交換膜に硫酸を作用させても、本実施
の形態特有の効果は得られないことが判明した。この点
は、上述した特公平2−13262号公報に記載された
方法と実施の形態2との間の多くの相違点の内でも、特
に顕著な相違点の一つである。特公平2−13262号
公報では、陰イオン交換基を導入して得られる陰イオン
交換膜に対し、アニオンを含浸する。一方、本実施の形
態の効果は上述のように、このような手順では得ること
ができず、逆に予め陽イオン交換基を膜に共有結合させ
た後、後で陰イオン交換基を導入して陰イオン交換膜を
形成することによって初めて達成される。
【0039】最後に、実施の形態2によって実現される
陰イオン選択性電極の安定性を、従来例と比較して評価
した。比較対象の従来例としては、上記特公平2−13
262号公報に記載されているイオン選択性電極を用い
た。この従来例は、市販の電気透析用陰イオン交換膜に
対してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含浸
し、それを陰イオン感応膜として使用するものである。
市販の陰イオン交換膜として何が使用されているかは明
示されていないが、市販の陰イオン交換膜において最も
一般的に使用されているイオン交換基はベンジルトリメ
チルアンモニウム基である。従って、この従来例は、陰
イオン交換基のベンジルトリアルキルアンモニウム基の
アルキル鎖長が1であるのに対し、本実施の形態では4
であることが第1の相違点であると考えられる。
【0040】第2に、従来例は膜に対してドデシルベン
ゼンスルホン酸に代表される低分子量のアニオンを含浸
することにより硫酸イオンに対する選択性を高めるとし
ているのに対し、本実施の形態では同様の効果を発揮す
るために、上記ベンジルトリアルキルアンモニウム基の
アルキル鎖長を最適化して4に伸ばすとともに、スルホ
ン酸基をイオン交換膜を構成する重合体に直接共有結合
し、この両者の組合せの効果により選択性を高めている
点が異なる。
【0041】第3に、上述のように従来例では市販のイ
オン交換膜に対してアニオンを含浸するという製造法に
限定しているが、本実施の形態ではベース膜に対して予
め硫酸を作用させて陽イオン交換基を結合した後、陰イ
オン交換基を形成するという、逆の手順によりイオン感
応膜を形成している点が異なる。図7は、本発明の実施
の形態2におけるイオン感応膜を用いたイオン選択性電
極、ならびに上述の従来例に基づく陰イオン選択性電極
について、塩素イオンを基準とした場合の重炭酸イオン
に対する選択係数を逐時測定して、選択性の安定性を比
較検討した実験結果の一例である。本実験においては、
イオン選択性電極を非希釈の管理血清に連続的に浸漬し
て、選択性の経時変化を加速して評価した。電極は、恒
温槽中において血清に浸漬撹拌し、槽内の温度は37℃
に保った。
【0042】図7において、(r)は従来例のイオン選
択性電極、(s)は本発明の実施の形態2の重炭酸イオ
ン選択性電極を表す。図から明らかなように、本発明に
基づく塩素イオン選択性電極は、重炭酸イオンに対する
選択性がほぼ一定であったのに対し、従来例はこれらの
イオンに対する選択性が短時間で低下した。これは、従
来例において選択性を高めるために使用しているドデシ
ルベンゼンスルホン酸塩が低分子量のイオン性化合物で
あり、それを単に膜に含浸しているだけであるため、水
や血清に対する溶解度が高く、容易に溶出してしまうの
に対し、本発明では選択性を高めるための構成要件は全
て膜を構成する重合体に共有結合により強固に結合させ
ているため、安定に保持されるためであると考えられ
る。 〔実施の形態3〕実施の形態3は上記実施の形態2と類
似であるが、イオン感応膜4の組成、構造がやや異な
る。すなわち、上記実施の形態2と類似の構成に加え、
さらにアルコール性の官能基を含む重合体を膜に結合し
た点が異なる。以下、本実施の形態におけるイオン感応
膜4の製作法について詳述する。
【0043】上記実施の形態2と同様の手順によりベー
ス膜を形成し、これに硫酸を作用させて陽イオン交換基
を導入し、さらにトリペンチルアミンを作用させて陰イ
オン交換基を導入した。この様にして得た陰イオン交換
膜に対し、アルコール性の官能基を含む重合性単量体を
含浸し、そのまま重合するか、あるいは必要に応じて他
の単量体と共に共重合した。この様にすることにより、
アルコール性の官能基を含む重合体を膜に結合したイオ
ン感応膜が得られる。
【0044】具体的には、東京化成社製5−ヘキセン−
1−オール480mg(4.8mmol)、関東化学社
製一級イソプレン480mg(7.0mmol)を10
mLのメタノールに溶解し、この溶液に上記陰イオン交
換膜の断片44mg(面積約400平方ミリメートル)
を浸漬した。これに関東化学社製特級AIBN1.9m
gのメタノール溶液10mLを加えて混合した後、70
度にて1.5時間加熱した。冷却した反応液から膜を取
り出し、メタノールと水で洗浄してイオン感応膜を得
た。もちろん、本実施の形態の精神は上記の材料、方法
に限定されることなく、一般にアルコール性の官能基を
含む重合体をイオン交換膜に結合するおよそ全ての方法
によって実現される。
【0045】この様にして得られるイオン感応膜の表面
には、アルコール性官能基が配向しており、またこのア
ルコール基はヘキセン−イソプレン重合体骨格に共有結
合し、この重合体はイオン交換膜に絡み付いているた
め、安定に保持される。この実施の形態によると、膜表
面に配向したアルコール性官能基の作用により、第1
に、親水性イオン選択性を保ちつつ親油性イオンによる
妨害を低減できる効果があり、また第2に、タンパクや
脂質などが膜に吸着しにくくなるため、血清試料の測定
においてこれらの物質による影響が低減し、高精度の測
定が行える陰イオン選択性電極を提供できる効果が得ら
れる。 〔実施の形態4〕次に、本発明の実施の形態4によるマ
ルチイオンセンサを、図2を用いて説明する。図2は、
本発明によるマルチイオンセンサの一例の断面模式図で
ある。フローセル型電極ボディ5内に流路が形成され、
この流路に対して曲面状に突出する開口部が設けられ、
この曲面に沿って1つ以上の感応膜8、8’等が接着さ
れる。個々の感応膜の流路と反対側の面には内部電解質
層6を介して内部電極7が形成される。
【0046】内部電解質層6としては塩化ナトリウムな
どの電解質を含む高分子ゲルなどが用いられ、この高分
子として好適に用いられるものの例としては、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレングリコール、アガロース等
が挙げられる。また、これらに多価アルコール類に代表
される保湿用材料を添加して用いても良い。内部電極7
としては銀塩化銀等からなる湾曲させた板状電極を用い
ることができるほか、湾曲や接着の容易な網目状の電極
も用いることができる。図示を省略したが、リード線等
をこの内部電極に結線して、マルチイオンセンサの外に
信号を取り出す。個々の感応膜、内部電解質層、内部電
極はお互いに電気的に絶縁して形成されるために、互い
に独立したイオン選択性電極として機能する。
【0047】なお、内部電解質層6として水分含量の少
ない高分子ゲル、すなわち固体状の内部電解質層を用い
る場合は、個々のイオン選択性電極は固体イオンセンサ
とみなすことができる。この例では、1つの独立したイ
オン選択性電極の感応膜として、実施の形態2における
感応膜と同じ組成の感応膜を用いたため、この電極は塩
化物イオンなどの陰イオンに応答し、この電極自体の性
能は実施の形態2と同様である。もちろん、本発明によ
る他の組成による感応膜を用いてもよい。
【0048】この例では、他の独立したイオン選択性電
極として、ナトリウムイオン、カリウムイオン用の感応
膜を用いるイオン選択性電極を同一のフローセル型電極
ボディに形成し、これら以外に塩素イオン用もしくはカ
リウムイオン用の感応膜を用いる参照電極9も同一のフ
ローセル型電極ボディに形成し、総合的に陰イオン、ナ
トリウムイオン、カリウムイオンの3項目を測定できる
マルチイオンセンサを形成した。
【0049】ここで説明したマルチイオンセンサによる
と、測定試料が電極ボディの内部に設けられた流路を流
通するために、試料量が少なくてすむ、複数の独立した
イオン選択性電極と参照電極とを集積化して形成するた
めに電極のサイズ、及び測定装置全体のサイズとコスト
を低減できる、取扱が容易になる等の効果が得られる。 〔実施の形態5〕次に、本発明による生化学成分分析装
置を、図3を用いて説明する。図3は、本発明による生
化学成分分析装置の一例の構成概略図である。この生化
学成分分析装置は、前記実施の形態2に示された陰イオ
ン選択性電極10、参照電極11がフローセル12内に
保持され、送液装置13及び弁14,15、サンプリン
グ機構16、計測制御装置17、参照電極液18、内部
標準溶液19、外部標準溶液20、測定試料溶液21、
及び他種の電極22などから構成される。
【0050】次に、この装置の動作の概略を説明する。
送液装置13、弁14,15の働きにより、参照電極液
18がフローセル12内の参照電極11へ、また試料溶
液として内部標準溶液19が陰イオン選択性電極10へ
と送られ、フローセル12内で合流し、液絡が形成され
る。すると、参照電極11と陰イオン選択性電極10と
の間に内部標準溶液19中の目的イオンの活量に応じた
起電力が発生するので、それを計測する。
【0051】次に、サンプリング機構16を動作させ
て、試料溶液として外部標準溶液20もしくは測定試料
溶液21を同様の手順で測定する。外部標準溶液20の
測定値を用いて作成した検量線に基づき、測定試料溶液
21に含まれる目的イオンの活量を算出し、表示及び印
字などの出力を行う。以上の計測及び制御は測定者の指
示に基づき、計測制御装置17によって自動的に遂行さ
れる。
【0052】ここでは陰イオン選択性電極10として実
施の形態2による陰イオン選択性電極を用いたが、もち
ろん本発明による他の陰イオン選択性電極を用いること
もできる。また、陰イオン選択性電極10、参照電極1
1、他種の電極22、フローセル12等の代わりに、実
施の形態4によるマルチイオンセンサを用いても同様の
生化学成分分析装置を構成することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、選択性及びその安定性
が飛躍的に改善され、高い選択性を長期間に渡って維持
することができ、従って血液などの生体試料の測定値の
信頼性を長期間安定に維持することのできるイオン選択
性電極を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰イオン選択性電極の一例の構成
断面図。
【図2】本発明によるマルチイオンセンサの一例の構成
断面図。
【図3】本発明による生化学成分分析装置の一例の構成
概略図。
【図4】本発明の実施の形態1による陰イオン選択性電
極の各種妨害イオンに対する選択性を示す図。
【図5】本発明の実施の形態2による陰イオン選択性電
極の各種妨害イオンに対する選択性を示す図。
【図6】本発明の実施の形態2と逆の手順により陰イオ
ン交換基並びに陽イオン交換基を導入した陰イオン選択
性電極の各種妨害イオンに対する選択性を示す図。
【図7】本発明の実施の形態2による陰イオン選択性電
極の重炭酸イオン選択性の安定性を、従来例と比較した
一例を示す図。
【図8】本発明による陰イオン感応膜の合成手順の例を
模式的に示した図。
【符号の説明】
1…電極筒、2…内部液、3…内部電極、4…イオン感
応膜、5…フローセル型電極ボディ、6…内部電解質
層、7…内部電極、8、8’…感応膜、9…参照電極、
10…陰イオン選択性電極、11…参照電極、12…フ
ローセル、13…送液装置、14…弁、15…弁、16
…サンプリング機構、17…計測制御装置、18…参照
電極液、19…内部標準溶液、20…外部標準溶液、2
1…測定試料溶液、22…他種の電極 (a),(b),(c),(d),(e),(f),
(g)…それぞれ、アルキル鎖長1、2、3、4、5、
8、12のトリアルキルアミンを反応させて形成した本
発明の実施の形態1の電極 (h),(i),(j),(k),(l),(m)…そ
れぞれ、70%、75%、83%、90%、92%、9
4%の硫酸を作用させた後、トリブチルアミンを反応さ
せて形成した本発明の実施の形態2の電極 (n),(o),(p),(q)…それぞれ、アルキル
鎖長1、2、3、4のトリアルキルアミンを反応させた
後、90%の硫酸を作用させて形成した本発明の実施の
形態2と逆の手順により形成した電極 (r)…従来例 (s)…本発明の実施の形態2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09K 3/00 G01N 27/46 351J (C08F 212/14 212:36)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰イオン交換性の重合体を含む陰イオン
    選択性感応膜において、前記陰イオン交換性の重合体に
    含まれる陰イオン交換基がオニウム基であり、このオニ
    ウム基に炭素数3ないし5のアルキル基が3つ結合して
    なることを特徴とする陰イオン選択性感応膜。
  2. 【請求項2】 陰イオン交換性の重合体を含む陰イオン
    選択性感応膜において、前記陰イオン交換性の重合体に
    含まれる陰イオン交換基が第4級アンモニウム基または
    第4級フォスフォニウム基であり、この第4級アンモニ
    ウム基または第4級フォスフォニウム基に炭素数3ない
    し5のアルキル基が3つ結合してなることを特徴とする
    陰イオン選択性感応膜。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の陰イオン選択性感応膜
    において、前記第4級アンモニウム基または第4級フォ
    スフォニウム基に結合している3つのアルキル基の炭素
    数が等しいことを特徴とする陰イオン選択性感応膜。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の陰
    イオン選択性感応膜において、前記重合体に、さらに陽
    イオン交換基が結合してなることを特徴とする陰イオン
    選択性感応膜。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の陰イオン選択性感応膜
    において、前記陽イオン交換基が芳香族スルホン酸基で
    あることを特徴とする陰イオン選択性感応膜。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の陰イオン選択性
    感応膜において、前記重合体にさらに水酸基を有する重
    合体が絡んで形成されていることを特徴とする陰イオン
    選択性感応膜。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の陰イオン選択性感応膜
    の製造方法において、 前記陰イオン交換基を導入する前の原料膜に対して、硫
    酸による処理を行って前記スルホン酸基を導入した後、
    前記陰イオン交換基を導入することを特徴とする陰イオ
    ン選択性感応膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 陰イオン濃度を測定する陰イオン選択性
    電極において、請求項1〜7のいずれか1項に記載の陰
    イオン選択性感応膜を備えたことを特徴とする陰イオン
    選択性電極。
  9. 【請求項9】 複数のイオン選択性電極を備えるマルチ
    イオンセンサにおいて、請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の陰イオン選択性感応膜を備えた陰イオン選択性電
    極を含むことを特徴とするマルチイオンセンサ。
  10. 【請求項10】 陰イオン濃度を測定する生化学成分分
    析装置において、請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    陰イオン選択性感応膜を備えた陰イオン選択性電極又は
    請求項8に記載のマルチイオンセンサを含むことを特徴
    とする生化学成分分析装置。
  11. 【請求項11】 陰イオン濃度の測定方法において、請
    求項1〜7のいずれか1項に記載の陰イオン選択性感応
    膜を備えた陰イオン選択性電極又は請求項8に記載のマ
    ルチイオンセンサを用いて陰イオン濃度を測定すること
    を特徴とする陰イオン濃度の測定方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1462460A4 (en) * 2001-12-27 2005-05-04 Sanyo Chemical Ind Ltd NON-AQUEOUS ABSORBENT AND USE THEREOF

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1462460A4 (en) * 2001-12-27 2005-05-04 Sanyo Chemical Ind Ltd NON-AQUEOUS ABSORBENT AND USE THEREOF

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