JPH10253300A - 飛しょう体の操舵翼 - Google Patents

飛しょう体の操舵翼

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JPH10253300A
JPH10253300A JP5753397A JP5753397A JPH10253300A JP H10253300 A JPH10253300 A JP H10253300A JP 5753397 A JP5753397 A JP 5753397A JP 5753397 A JP5753397 A JP 5753397A JP H10253300 A JPH10253300 A JP H10253300A
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JP
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steering
paddle
wing
flying object
rear end
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JP5753397A
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Satoshi Shinohara
聡 篠原
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】飛しょう体が発射されるまでは、初期舵角に固
定されたロック状態にするとともに、発射後は自在に操
舵できる作動状態にできる操舵翼の提供。 【解決手段】操舵翼2の後縁部の固定部9を爪11によ
って機械的に固定し、操舵翼2の動きを拘束して、操舵
翼2をロック状態にするとともに、飛しょう体1の発射
時には、ノズル4後端から噴出される燃焼ガス8の噴流
力によって作動して、操舵翼2を固定している爪11を
固定部9から外し、操舵翼2の動きを自在にして作動状
態にするパドル10を胴体後端部7に設ける。これによ
り、複数枚の操舵翼2を同時に、しかも発射時に作動状
態にすることができ、信頼性を向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は飛しょう中における
機体の姿勢角を制御する飛しょう体の操舵翼に係り、特
にロケットモータが作動して発射されるまでは、作動が
拘束されてロック状態にされた操舵翼を、発射と同時に
ロック状態を解除して作動状態にできるようにした飛し
ょうの操舵翼に関する。
【0002】
【従来の技術】飛しょう中の飛しょうの姿勢角を地上か
ら送信した制御信号、若しくは機体内で検出された検出
信号にもとづき、飛しょう体自体から出力される制御信
号により操舵して、飛しょう体を目標へ誘導するため
に、飛しょう体には操舵翼が装備されている。図4、図
5は、このような従来の操舵翼およびその駆動機構を示
す図である。
【0003】図4に示すように、通常飛しょう体01の
後端部に十字形に配置されて4枚の操舵翼02が設置さ
れている。そして、飛しょう01の後部に配設されるロ
ケットモータ03の噴射ノズル04の外周側縮径部のス
ペースを利用して配置された駆動装置05により、出力
軸06を回動することにより操舵翼02を操舵するよう
にしている。
【0004】図5に示すように、この駆動装置05は、
地上、若しくは飛しょう体01自体から入力された制御
信号で指令された回転角010だけ回動する操舵翼駆動
モータ07、外周面に螺が刻設され、モータ出力軸に直
結された駆動軸08、駆動軸08の螺と螺合する螺溝が
内周面に刻設され、駆動軸08の回動によって軸心方向
に直動変位011する減速器09、減速器09の直動変
位011を前述した出力軸06の回動角、すなわち操舵
翼02の操舵角012に変換する作動軸013からな
る。
【0005】このように、飛しょう体01の後端に設置
される4枚の操舵翼02は、それぞれ独立に設けられた
4セットの駆動装置05によって、地上、若しくは飛し
ょう体01自体から送信された制御信号にもとづきそれ
ぞれ操舵され、飛しょう中の姿勢角を制御して、飛しょ
う体01を目標方向へ飛しょうさせるようにしている。
このような、操舵翼02は、地上等で行われる操舵試験
を行う場合を除いては、発射されて飛しょうする飛しょ
う体01の姿勢角制御が必要になるまでは、機械的に固
定してロック状態にしておく必要がある。すなわち、飛
しょう体01の発射前に、何等かの原因で操舵翼05が
回動して、操舵翼05の初期舵角設定にミスアライメン
トが生じると、発射後の制御信号による操舵時にオフセ
ット等が生じ、飛しょう体01を目標方向へ制御信号の
指令通りに正確に飛しょうさせることができなくなるこ
とがある。
【0006】このために、従来は前述した操舵翼駆動モ
ータ07のそれぞれに、ロック装置014を連結して設
け、ロック装置014に対応させて飛しょう体01内に
搭載した4個のコントローラ015からの動作指令によ
り、対応するロック装置014のそれぞれを作動させる
ことで、4セットの操舵翼駆動モータ07の回転拘束を
行い、又は回転拘束の解除を同時に行い、4枚の操舵翼
02を作動できないロック状態にし、又は4枚の操舵翼
02を自在に回動する作動状態に同時に行うようにして
いる。
【0007】このロック装置014の具体例としては、
操舵翼02をロック状態にするときには、図示しないモ
ータディスクと対向して同心状にして、ロック装置01
4に設けられた可動ディスクが、コントローラ015か
ら動作指令により操舵翼駆動モータ07の出力軸端部に
設けたモータディスク側に移動し、モータディスクと面
接触し、この面接触の摩擦力で操舵翼駆動モータ07を
回転できないように拘束して、駆動軸08、減速器0
9、作動軸013および出力軸06を介して操舵翼駆動
モータ07に連結された操舵翼05をロック状態にする
ようにしている。
【0008】また、ロック状態を解除して、操舵翼02
を作動状態にするときには、コントローラ015の動作
指令により、ロック装置014に設けられた可動ディス
クがモータディスクから離隔する方向に移動して、モー
タディスクとの面接触が解除され、操舵翼駆動モータ0
7の回転拘束を解除して、操舵翼05を作動状態にする
ようにしたディスクブレーキ方式のものが使用されてい
る。
【0009】また、上述したモータディスクと可動ディ
スクの面接触の摩擦力に代えて、平歯車の噛み合い力を
利用して、操舵翼駆動モータ07を回転拘束して、操舵
翼05を固定し、また噛み合いを解除することにより、
操舵翼05を作動状態にするようにしたギヤ方式のもの
もある。
【0010】このように、ロック装置およびコントロー
ラを使用して、操舵翼駆動モータ07の回転拘束を行
い、若しくは解除することによって、操舵翼05をロッ
ク状態にし、若しくはロック状態を解除して作動状態に
する、従来の飛しょう体の操舵翼05では、軸心方向に
移動する可動ディスク、又は平歯車を設け複雑な機構に
なる4個のロック装置014、および4個のロック装置
014を同時に作動させる4個のコントローラを設ける
必要があるとともに、4個の操舵翼駆動モータ07のそ
れぞれには、ロック装置014の可動ディスクと面接触
するモータディスク、又はロック装置014の平歯車と
噛み合う平歯車を設ける必要がある。
【0011】このため、部品点数が多く、複雑な構造の
ものとなり、製作、取付調整の工数が嵩むとともに、小
型化の妨げとなり、また重量が大きくなるという不具合
があった。さらには、ロック装置014は、コントロー
ラ015からの電気的な作動指令により作動させるよう
にしているため、誤動作のおそれがあるとともに、ロッ
ク状態にされている4枚の操舵翼05の作動状態への移
行は、飛しょう体01の発射時に、同時に行う必要があ
るが、その作動の信頼性が乏しく、発射初期の飛しょう
制御の精度が低減するという不具合もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の飛しょう体の操舵翼の不具合を解消するため、操舵
翼をロック状態から作動状態にするため、飛しょうの推
進を行うロケットモータから噴射される燃焼ガスの噴流
によって作動するパドルを採用し、飛しょう体の発射時
までは、パドルによって操舵翼を機械的に確実にロック
状態にするとともに、発射時には燃焼ガスの噴流力によ
って、パドルを作動させて、ロック状態にしているパド
ルによる拘束を解除して、複数枚の操舵翼を確実に、し
かも同時に作動状態にできる飛しょう体の操舵翼を提供
することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、第1番目の本
発明の飛しょうの操舵翼は、次の手段とした。
【0014】(1)入力された制御信号に対応して回動
する出力軸によって操舵されて、飛しょう中の飛しょう
体の機体姿勢制御を行うようにした操舵翼が、後縁部を
爪によって機械的に固定され、出力軸による操舵を拘束
して、ロック状態にされるとともに、飛しょう体の発射
時には、機体後方に設置されたロケットモータのノズル
後端から噴出される燃焼ガスの噴流力によって作動し
て、固定している爪が後縁部ら外されて、出力軸による
操舵を自在にして作動状態にされるパドルを、後縁部と
ノズル後端との間に設けるものとした。
【0015】本発明の飛しょう体の操舵翼は、上述
(1)の手段により、(a)操舵翼の操舵時に行われる
回転を、その回転方向には動かないパドルに設けた爪で
機械的に保持して固定することで、簡易な構造でロック
機能を持たせ、操舵翼を確実にロック状態にすることが
できる。また、操舵翼をロック状態から作動状態にする
パドルの作動が、飛しょう体発射時に、飛しょう体の機
能として必要な推進力を得るロケットモータのノズル後
端から噴出される燃焼ガスの噴流力により行われるの
で、コントローラ、操舵翼駆動モータの軸方向にディス
ク、若しくは平歯車を駆動させるようにした複雑な機構
のロック装置等が不要になり、これにより部品点数が少
くでき、低コストのものにすることができる。
【0016】また、部品点数の低減により、作動信頼性
が向上するとともに、飛しょう体においては重要な、小
型化、重量の軽減化が達成できる。さらに、パドルの作
動がコントローラ等から発信される電気的な作動指令で
はなく、ロケットモータの燃焼ガスの噴流力によってな
されるので、飛しょう体の発射時に行う必要のある、操
舵翼のロック状態から作動状態への解除操作に誤動作が
なくなり、状態の移行が飛しょう体の発射時に確実にな
されるとともに、通常4枚装備される操舵翼を、略タイ
ムラグなしに作動状態にすることができ、信頼性に富む
ものにすることができる。
【0017】また、第2番目の本発明の飛しょう体の操
舵翼は、上述(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0018】(2)一端部にロケットモータのノズル後
端から噴出される燃焼ガスの噴流中に浸漬するパドル板
を設け、他端部に操舵翼の後縁部を挟持して操舵翼を固
定してロック状態にする爪を設け、中央部に飛しょう体
の機体後端部に枢着する枢着軸が設けられ、枢着軸回り
に回動自在にされ、飛しょう体の発射時に、ノズル後端
から噴出される燃焼ガスの噴流力のパドル板への作用に
より枢着軸まわりに回動して、操舵翼の後縁部を挟持し
て操舵翼を固定してロック状態にしている爪を操舵翼後
縁部から外し、操舵翼のロック状態を解除し、作動状態
にする回動型パドルを、上述(1)の手段におけるパド
ルとして採用した。
【0019】本発明の飛しょう体の操舵翼は、上述
(2)の手段により、上述(a)に加えて、(b)操舵
翼がロック状態にされているときには、後縁部が二叉に
された回動型パドルの爪で両側面から挟持されているの
で、飛しょう体の搬送中、又はランチャに取り付けると
きに生じることのある衝撃力によっても、操舵翼が回動
するようなことがなく、発射前の設定値に確実にロック
することができる。従って、作動状態にされたときに
は、操舵翼は制御信号に対応する正確な操舵を行い、飛
しょう体を目標へ正確に到達させることができる。
【0020】(b′)また、回動型パドルは枢着軸によ
って飛しょう体の後端部に枢着され、飛しょう体が発射
され、操舵翼をロック状態から作動状態にした後も飛し
ょう体とともに移動し、飛しょう体の後方に放出される
ことがないので、特に地上から飛しょう体を発射する場
合等においても、後方にある装置、例えば、飛しょう体
を収容し、移送して、発射を行うキャニスタ等に、回転
パドルが衝突して損傷が生じるようなことを防止でき
る。また、回転パドルの飛来による、飛しょう体の発射
を行う操作員の安全上の問題も生じなくなる。
【0021】また、第3番目の本発明の飛しょう体の操
舵翼は、上述(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0022】(3)一端部にロケットモータのノズル後
端から噴出される燃焼ガスの燃焼噴流中に浸漬するパド
ル板を設け、他端部に操舵翼の後縁部を挟持して操舵翼
を固定してロック状態にする爪を設け、中央部に飛しょ
う体の機体後端部に設けられた穴に嵌入する突起部が設
けられ、飛しょう体の発射時に、ノズル後端から噴出さ
れる燃焼ガスの噴流力のパドル板への作用により、後方
へ押圧されて穴に嵌入していた突起部が穴から外れて、
機体後方へ飛散して分離し、操舵翼の後縁部を挟持し
て、操舵翼を固定してロック状態にしている爪を操舵翼
後縁部から外し、操舵翼のロック状態を解除し、作動状
態にする分離型パドルを上述(1)の手段におけるパド
ルとして採用した。
【0023】本発明の飛しょう体の操舵翼は、上述
(3)の手段により、上述(a)に加えて、(c)上述
(2)の手段により、得られる上述(b)と同様の作用
効果が得られる。また、操舵翼をロック状態から作動状
態にする分離型パドルは、操舵翼を作動状態にした直
後、飛しょう体から分離するので、慣性力によって操舵
翼がロック状態の位置に再び戻る恐れがなくなり、飛し
ょう体の発射後は、確実に操作翼を作動状態に保持でき
る。さらに、分離型パドルが飛しょう体から分離するの
で、飛しょう時の抵抗増加等の飛しょう体の空力性能を
損うようなこともなくなる。
【0024】(c′)また、機体後端部への分離型パド
ルの取付けが、機体後端部に設けた穴への突起部の嵌入
のみで済み、短時間で、しかも容易な操作でできる。
【0025】また、第4番目の本発明の飛しょう体の操
舵翼は、上述(1)の手段に加え、次の手段とした。
【0026】(4)中央部にロケットモータのノズルの
後端面全体に配置される受圧板を設け、周縁部に操舵翼
の後縁部を挟持して操舵翼を固定してロック状態にする
爪が設けられ、ノズル後端から噴出される燃焼ガスの燃
焼噴流力の受圧板への作用により後方へ押圧されて、前
記爪が前記操舵翼の後縁部から外れて、操舵翼の後縁部
を挟持し、操舵翼を固定してロック状態にしている爪を
操舵翼後縁部から外し、操舵翼のロック状態を解除し、
作動状態にする円板型パドルを上述(1)の手段におけ
るパドルとして採用した。
【0027】なお、円板型パドルは、ノズル後端面全体
を塞ぐような受圧板を設けるようにしたものでも、ノズ
ル後端から噴出される燃焼ガスの一部は通過させ、一部
分のみが作用するようにした形状の受圧板を設けるよう
にしたものでも良く、さらには、ロック状態の解除時に
は、1体となって飛しょう体の後方に飛散するようにし
ても、又は多数に分割されて飛散するようにしたもので
も良い。
【0028】本発明の飛しょう体の操舵翼は、上述
(4)の手段により、上述(a)に加えて、(d)上述
(2)の手段により得られる上述(b)、および上述
(3)の手段により得られる上述(c)と同様の作用効
果が得られる。また、操舵翼をロック状態から作動状態
にする円板型パドルは、ノズルの後端面全体に配置され
た受圧板と、受圧板の周縁部に設けられて爪とからなる
1体のもので形成されているので、通常飛しょう体には
複数枚設けられている操舵翼のそれぞれに個別に設ける
必要がなく、構造がより簡易なものになり、部品点数を
さらに低減でき、低コストのものにすることができる。
また、円板型パネルの機体後端部への取付けには、取付
けのための機体側の加工が不要であるため、ノズル後端
の径が同径のものであれば、操舵翼のコンフィギュレー
ションの異る飛しょう体にも、爪の加工を変えるだけで
転用することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の飛しょう体の操舵
翼の実施の一形態を図面にもとづき説明する。図1は、
本発明の飛しょう体の操舵翼の実施の第1形態を示す図
で、図1(a)は飛しょう体の後端部の部分断面図、図
1(b)は図1(a)の矢視A−Aにおける部分背面図
である。
【0030】図において、1は飛しょう体、2は飛しょ
う体1の後端部に、十字形にして4枚配置される操舵
翼、3は飛しょう体1を推進させるロケットモータ、4
はロケットモータ3の後端部に設けられたノズル、5は
ノズル4の縮径部外周側のスペースを利用して配置さ
れ、図示省略した駆動装置により軸心まわりに回動し
て、軸端に固定された操舵翼2の舵角2設定を行う出力
軸である。
【0031】このような飛しょう体1の胴体後端部7に
配置する操舵翼2を固定し、ロック状態にするととも
に、ロック状態を解除して操舵翼2を作動状態にする手
段として、ロケットモータ3の燃焼噴流8を大気開放
し、飛しょう体の推進力を得るためのノズル4の出口部
に回動型パドル10を設置した。この回動型パドル10
の操舵翼2側の一端部には、二股に割れた凹状の爪11
が設けられており、この爪11で操舵翼2の後縁翼根部
を薄肉化して形成された固定部9を挟み込むことによ
り、操舵翼2の操舵角6をパドル初期設定角14にして
固定し、ロック状態にすることができる。
【0032】また、回動型パドル10のノズル4側に
は、ノズル4出口面に平行な側面を設けたパドル板12
が設けられている。さらに、回動型パドル10の中央部
には、水平に配置されて、回動型パドル10を胴体後端
部7に枢着する枢着軸13が設けられている。
【0033】従って、前述したように固定部9が爪11
によって挟持され、略舵角0°の初期設定角に固定され
た操舵翼2を装備した飛しょう体1が発射されるときに
は、ロケットモータ3が点火され、燃焼噴流8が、ノズ
ル4から大気開放されると同時に、燃焼噴流8が燃焼噴
流中に浸漬されているパドル板12のノズル側側面に衝
突し、この噴流力によって、回動型パドル10は、枢着
軸13まわりにパドル回転動作14を行う。このパドル
回動動作14によって、それまで操舵翼2の固定部9を
挟持していた爪11が後上方にはね上り、固定部9から
外れ、これにより、操舵翼2のロック状態は解除され、
作動状態となる。
【0034】このように、本実施の形態の飛しょう体の
操舵翼によれば、操舵翼2をロック状態にしておく場合
は、操舵翼3の操舵時の回動方向に、回動型パドル10
に設けた爪11を配置して、機械的に保持することで固
定でき、簡易な構造でロック機能を持たせることができ
る。
【0035】また、操舵翼をロック状態から作動状態に
する場合は、飛しょう体1の推進力を得るロケットモー
タ3の燃焼噴流8により、回動型パドル10のパドル板
12を作動させて行うので、従来の操舵翼に必要とし
た、コントローラ、複雑な機構のロック装置等が不要に
なり、これにより部品点数が少くでき、低コストのもの
にすることができる。さらに、部品点数の低減により、
作動信頼性が向上するとともに、小型化重量の軽減化が
達成できる。
【0036】また、操舵翼2のロック状態から作動状態
への移行が、その移行を必要とする飛しょう体1の発射
時に、同時に4枚の操舵翼2に対して、確実になされる
とともに、誤動作等が少くなることと相俟って、信頼性
に富むものにできる。また、回動型パドル10は、枢着
軸13によって飛しょう体1の後端部に枢着され、飛し
ょう体1の発射後も飛しょう体とともに移動するので、
その放出による後方装置の損傷等の問題が生じることが
ない。
【0037】次に、図2は本発明の飛しょう体の操舵翼
の実施の第2形態を示す胴体後端部の部分断面図であ
る。
【0038】前述した実施の第1形態では、パドルとし
ての回動パドル10が枢着軸13によって胴体後端部7
に枢着されているのに対して、ノズル4の出口部に設置
される、本実施の形態におけるパドルとしての分離パド
ル15は、操舵翼2側に、舵角6を固定する爪11を設
け、またノズル4側には、燃焼噴流を受けるパドル板1
2を設ける点は、実施の第1形態と同様であるが、この
分離型パドル15では、前述した枢着軸13に代えて、
球状突起部16を中央部に設け、この球状突起部16
を、飛しょう体1の外筒と、ノズル4の間を胴体後端部
7の後端面から機体軸方向に設けられた穴18に嵌入す
ることによって、胴体後端部7に取付け、爪11で操舵
翼2の後縁を固定し、操舵翼2をロック状態にするよう
にしている。
【0039】従って、ロケットモータ3が点火され、燃
焼噴流8がノズル4から出る際にパドル板12に作用す
ることによって、球状突起部16が穴18から飛出し、
分離型パドル15が分離方向へ飛散することで、操舵翼
2のロック状態を解除することができる。
【0040】この実施の形態の飛しょう体の操舵翼2に
よれば、実施の第1形態と同様の作用、効果が得られる
ことに加えて、実施の第1形態のように、飛しょう体1
の発射後、飛しょう体1とともに移動することがないた
めに、これによる効果が得られない反面、操舵翼2が作
動状態にされた後に、慣性力によって操舵翼2がロック
状態になる位置に再び戻る恐れがなくなり、飛しょう体
の発射後は、確実に操舵翼を作動状態に保持できる、新
たな作用効果が得られるようになる。また、分離型パド
ル15が飛しょう体1から分離するので飛しょう時の抵
抗増加等起らず飛しょう体1の空力性能を向上させるこ
とができる。また、操舵翼2をロック状態にするときの
胴体後端部7への分離型パドル17の取付けが、穴18
への球状突起部16の嵌入のみで済み、短時間で、しか
も容易にできる。
【0041】次に、図3は本発明の飛しょう体の操舵翼
の実施の第3形態を示す胴体後端部の縦断面図である。
【0042】本実施の形態では、飛しょう体1のノズル
4出口部に、図に示すようなノズル4の開口全体を覆う
受圧板20が形成された円板型パドル19を設置するよ
うにした。また、この円板型パドル19の受圧板20の
周縁部には、胴体後端部7に配設される4枚の操舵翼2
と同一位相の位置に、操舵翼2の舵角を初期設定角に固
定して、ロック状態にする爪11が4カ所設けられてお
り、これにより、4枚の操舵翼2を同時にロック状態に
することができる。また、ロケットモータ3の点火と同
時に、ノズル4から、燃焼噴流8も放出され、この噴流
が、受圧板20を飛散させることで、操舵翼2の固定部
9を挟持して、操舵翼2をロック状態にしていた爪11
が外れることにより、操舵翼2はロック状態解除状態と
なる。
【0043】本実施の形態のパドルとしての円板型パド
ル19は、受圧板20と、受圧板の周縁部に設けられた
爪11とからなる1体のもので形成され、4枚の操舵翼
2のそれぞれに個別に設ける必要がなく、前述した実施
の形態のものに比較して、構造がより簡易なものにな
り、部品点数をさらに低減でき、低コストにできる。ま
た、円板型パネル19の胴体後端部7への取付けには、
取付けのための穴加工等の胴体後端部7への加工が不要
となり、ノズル4後端の径が同径のものであれば、操舵
翼2のコンフィギュレーションの異る飛しょう体1に
も、爪11の加工を変えるだけで容易に転用できる。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の飛しょう体
の操舵翼によれば、操舵翼の後縁部を爪によって機械的
に固定し、操舵翼の動きを拘束して、操舵翼をロック状
態にするとともに、飛しょう体の発射時に、ノズル後端
から噴出される燃焼ガスの噴流力によって作動して、操
舵翼を固定している爪を後縁部から外し、操舵翼の操舵
を自在にして作動状態にするパドルを、機体後端部に設
ける構成にしたことにより、操舵翼をロック状態にし、
また作動状態にするために必要としていたコントロー
ラ、ロック装置等が不要になり、部品点数を減らし、低
コストで、しかも小型化、重量低減が図れる。
【0045】また、複数の操舵翼に対して同時に作動さ
せることができ、誤作動が低減することと相俟って、作
動の信頼性を向上させることができる。また、一端部に
ノズル後端から噴出される燃焼ガスの噴流中に浸漬する
パドル板を設け、他端部に操舵翼の後縁部を挟持してロ
ック状態にする爪を設け、中央部に飛しょう体の機体後
端部に枢着する枢着軸が設けられる回動型パドルをパド
ルとして採用することにより、発射前の操舵翼を設定値
に確実にロックし、発射後に作動状態にされたときに
は、制御信号に対応する正確な操舵が行われ、飛しょう
体を目標へ正確に到達させることができる。パドルの後
方への飛来により生じることのある不具合を解消するこ
とができる。
【0046】また、一端部にノズル後端から噴出される
燃焼ガスの燃焼噴流中に浸漬するパドル板を設け、他端
部に操舵翼の後縁部を挟持してロック状態にする爪を設
け、中央部に飛しょう体の機体後端部に設けられた穴に
嵌入する突起部が設けられる分離型パドルをパドルとし
て採用することにより、一たん作動状態にされた操舵翼
が、ロック状態に再度移行するようなことがなくなると
ともに、飛しょう体の抵抗増等の原因となることがなく
飛行性能が損われることがない。また、操舵翼をロック
状態にする作業が容易に、しかも短時間でできる。
【0047】さらに、中央部にノズルの後端面全体に配
置される受圧板を設け、周縁部に操舵翼の後縁部を挟持
してロック状態にする爪が設けられる円板型パドルを、
パドルとして採用したので、1体に形成されたパドルで
複数の操舵翼をロック状態にできるとともに、操舵翼を
同時に作動状態にできる。また、部品点数をより低減で
きるとともに、コンフィギュレーションの異る操舵翼を
装備する飛しょう体への転用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の飛しょう体の操舵翼の実施の第1形態
を示す図で、図1(a)は飛しょう体の後端部の部分縦
断面図、図1(b)は図1(a)の矢視A−Aにおける
部分背面図、
【図2】本発明の飛しょう体の操舵翼の実施の第2形態
を示す胴体後端部の部分断面図、
【図3】本発明の飛しょう体の操舵翼の実施の第3形態
を示す胴体後端部の縦断面図、
【図4】従来の飛しょう体を示す縦断面図、
【図5】従来の飛しょう体の操舵翼のロック機構を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 飛しょう体 2 操舵翼 3 ロケットモータ 4 ノズル 5 出力軸 6 舵角 7 胴体後端部 8 燃焼噴流 9 (操舵翼)固定部 10 回動型パドル 11 爪 12 パドル板 13 枢着軸 14 パドル回転動作 15 分離型パドル 16 球状突起部 17 分離方向 18 穴 19 円板型パドル 20 受圧板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体後端部に設けられ、制御信号により
    回動する出力軸で操舵されて、飛しょう中の機体姿勢制
    御を行う飛しょう体の操舵翼において、前記操舵翼には
    後縁部を固定して操舵を拘束してロック状態にする爪を
    具えたパドルが装着され、前記パドルがノズルの後端か
    ら噴出する燃焼噴流力が作用すると、前記ロック状態が
    解除されて前記操舵翼を作動状態にするように構成され
    ていることを特徴とする飛しょう体の操舵翼。
  2. 【請求項2】 前記パドルが、一端部に前記燃焼噴流中
    に浸漬するパドル板を設け、他端部に前記操舵翼の後縁
    部を挟持して固定する前記爪を設け、中央部に前記機体
    後端部に枢着する枢着軸が設けられ、前記燃焼噴流力の
    前記パドル板への作用により枢着軸まわりに回動して、
    前記爪による前記後縁部の挟持を解き、前記操舵翼のロ
    ック状態を解除する回動型パドルであることを特徴とす
    る請求項1の飛しょう体の操舵翼。
  3. 【請求項3】 前記パドルが、一端部に前記燃焼噴流中
    に浸漬するパドル板を設け、他端部に前記操舵翼の後縁
    部を挟持する前記爪を設け、中央部に前記機体後端部に
    嵌入する突起部が設けられ、前記燃焼噴流力の前記パド
    ル板への作用により、前記突起部の嵌入が外れて前記機
    体後端部から分離し、前記爪による前記後縁部の挟持を
    解き、前記操舵翼のロック状態を解除する分離型パドル
    であることを特徴とする請求項1の飛しょう体の操舵
    翼。
  4. 【請求項4】 前記パドルが、中央部に前記ノズルの後
    端面全体に配置される受圧板を設け、周縁部に前記操舵
    翼の後縁部を挟持する前記爪が設けられ、前記燃焼噴流
    力の受圧板への作用により、前記爪が前記操舵翼の後縁
    部から外れて、前記機体後端部から分離して前記爪によ
    る前記後縁部の挟持を解き、前記操舵翼のロック状態を
    解除する円板型パドルであることを特徴とする請求項1
    の飛しょう体の操舵翼。
JP5753397A 1997-03-12 1997-03-12 飛しょう体の操舵翼 Withdrawn JPH10253300A (ja)

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