JPH10252051A - 地山の地質判別方法 - Google Patents

地山の地質判別方法

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JPH10252051A
JPH10252051A JP7895497A JP7895497A JPH10252051A JP H10252051 A JPH10252051 A JP H10252051A JP 7895497 A JP7895497 A JP 7895497A JP 7895497 A JP7895497 A JP 7895497A JP H10252051 A JPH10252051 A JP H10252051A
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JP
Japan
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drilling
time
rock
turbidity
determined
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JP7895497A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Hirohata
義和 広畑
Yutaka Inomata
豊 猪股
Masato Shiotsuki
正人 塩月
Akira Adachi
明 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AISAWA KOGYO KK
Dainippon Doboku Kk
Fujita Corp
Fudo Tetra Corp
Original Assignee
AISAWA KOGYO KK
Dainippon Doboku Kk
Fujita Corp
Fudo Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の穿孔作業時におけるビット回転数と穿
孔水の濁りの経時変化情報を基に切羽前方の地山の地質
を正確に予測する。 【解決手段】 削岩機10による地山2への穿孔作業時
に、穿孔ビット108の回転数を連続して計測し、この
ビット回転数の経時計測信号を、該信号レベルが所定レ
ベル以下に低下するごとに区分し、この経時計測信号の
サンプリング値の平均化により求められるビット回転数
の平均値を地山強度判定図上にプロットすることによ
り、区分された区間の地質の硬軟を判別し、区分された
区間の地質が軟らかい軟岩である場合は、経時計測信号
に含まれるビット回転数の小刻みな変動により生じる周
波数成分を分析し、この分析結果から軟岩中の礫分の多
寡を判別する。更に、礫分の少ない軟岩であると判別さ
れた場合は、該軟岩の穿孔時に排出される穿孔水の濁り
度合から穿孔区域の地質が泥岩質か砂質かを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、トンネル掘削工事
において、切羽前方の地山の地質を削岩機による穿孔作
業時に容易に判別することができるようにした地山の地
質判別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネル掘削工事において、切羽
前方の地山の地質を予測する1つの方法としては、トン
ネルの切羽(掘削表面壁面)で爆薬などにより人工的に
微小な地震を発生させ、切羽前方の地山からの反射波を
切羽の異なる複数の測定点で測定し、この各測定点にお
ける反射波の到達時間の差異から反射面の位置を推定
し、断層や地層の分布を予測する弾性波探査法がある。
また、他の方法としては、削岩機の穿孔用ロッドの推
力、穿孔するビット先端からの穿孔水の水圧、回転トル
ク、打撃圧と穿孔深度・速度から、削岩機の単位時間当
たりの総仕事量を算出し、この総仕事量を単位時間当た
りに穿孔される岩盤の体積で除算した値を尺度として地
山の地質を判別する方式が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の弾性波探査法では、狭いトンネル坑内の切
羽に弾性波探査用の計測センサを設置する孔を穿孔しな
ければならず、しかも、測定時のノイズを排除するとと
もに測定精度を上げるために、掘削作業は勿論のこと、
重機作業も中断しなけらばならない。また、人工的に微
小な地震を発生させるために爆薬を使用する場合は、火
薬の使用許可が必要となるため、掘削現場で急に弾性波
探査法を実施しようとしても対応できない。更に、この
弾性波探査法は原理的に地震波の反射を利用する関係
上、計測地点の掘削表面壁面付近の地質が均質または自
明であることを前提しているため、掘削表面壁面付近の
地質が複雑な場合には計測誤差が大きくなり、正確な地
山の地質予測ができないという問題がある。しかも、幅
1m以下の弱面の地質を判別することが困難な場合が多
い。
【0004】また、上記の他の方法では、穿孔用ロッド
の推力、穿孔水の水圧、回転トルク、打撃圧などの各測
定項目に対応する多くの計測機器を必要とするほか、こ
れらの計測機器は粉塵や湿気の多い環境及び穿孔時の振
動が激しい環境にさらされるため、これらの悪環境にも
耐え得る構造及び計測精度の計測機器が必要になり、こ
れら計測機器が高価になってしまうほか、ロッドの推
力、穿孔水の水圧、打撃圧などは削岩機のオペレータが
操作するため、通常の穿孔作業の計測では人為的なデー
タとなってしまい、誤差が多くなって正確な地質判別が
できなくなるという問題がある。
【0005】本発明は、上記のような事情に鑑みなされ
たもので、通常の穿孔作業時におけるビット回転数と穿
孔水の濁りの経時変化情報を基に切羽前方の地山の地質
を正確に予測できるようにした地山の地質判別方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、穿孔される岩質により決定される穿孔速度
に応じて穿孔ビットの回転数、打撃数、打撃力を適性値
に制御する最適制御システムを有する削岩機により切羽
から該切羽前方の地山に向けて穿孔推進しながら切羽前
方の地山の地質を予測するための地質判別方法であっ
て、前記削岩機により切羽から該切羽前方の地山に向け
て穿孔推進する時の穿孔ビットの回転数を連続して計測
し経時計測信号として出力する計測工程と、前記ビット
回転数の経時計測信号を、該信号レベルが所定レベル以
下に低下するごとに区分する信号区分工程と、前記区分
された区間の経時計測信号をサンプリングし、該サンプ
リング信号を平均化してビット回転数の平均値を算出す
る平均化工程と、前記算出された平均値を地山強度判定
図上にプロットして前記区分された区間の岩盤の硬軟度
合を判別する硬軟判別工程と、前記硬軟判別工程での判
別結果が軟岩である時に前記区分された区間の経時計測
信号に含まれるビット回転数の小刻みな変動により生じ
る周波数成分を分析し、該分析結果から求められる所定
周波数以上の周波数分布割合の多少により前記区分され
た区間における軟岩の礫分の多寡を判別する礫分多寡判
別工程とを備えることを特徴とする。
【0007】本発明はまた、前記礫分多寡判別工程での
判別結果が礫分の少ない軟岩である場合、該軟岩の穿孔
時に排出される穿孔水の濁り度合を検知し、この濁り度
合から穿孔区域の地質が泥岩質か砂質かを判別する工程
を更に備えることを特徴とする。本発明はまた、前記硬
軟判別工程において、地山強度判別図を表示手段に表示
し、この地山強度判別図のグラフ上に平均化工程で算出
された平均値をプロット表示することにより、区分され
た区間の岩盤の硬さの程度を判別することを特徴とす
る。本発明はまた、前記泥岩質か砂質かを判別する工程
において、地山穿孔時に排出される穿孔水の濁り度合を
検知する光学的濁り度合検知手段と、この検知信号を基
に礫分の少ない軟岩であると判別された区間が泥岩質か
砂質かを判別する濁り度合判別手段を有し、地山穿孔時
に穿孔ビットの削孔位置から切羽外に排出される穿孔水
の流出時刻を計数し、この流出時刻に前記礫分の少ない
軟岩であると判別された区間の経時時刻を加算した時点
で前記濁り度合検知手段で検知した検知信号を基に該区
分に対応する地質が泥岩質か砂質かを前記濁り度合判別
手段で判別することを特徴とする。
【0008】本発明においては、区分された区間の経時
計測信号をサンプリングし、このサンプリング値を平均
化することで求められるビット回転数の平均値を地山強
度判定図上にプロットし、平均回転数が低い場合は、区
分された区間の地質が硬いと判別し、平均回転数が高い
場合は、区分された区間の地質が軟らかいと判別するこ
とができる。そして、区分された区間の地質が軟らかい
軟岩である場合は、区分された区間の経時計測信号に含
まれるビット回転数の小刻みな変動により生じる周波数
成分を分析し、この分析結果から求められる所定周波数
以上の周波数分布の割合が多い場合は、礫分の多い軟岩
の地質と判別し、所定周波数以上の周波数分布の割合が
少ない場合は、礫分の少ない軟岩の地質と判別する。更
に、礫分の少ない軟岩であると判別された場合は、該軟
岩の穿孔時に排出される穿孔水の濁り度合を検知し、こ
の濁り度合から穿孔区域の地質が泥岩質か砂質かを判別
する。よって、トンネル掘削工事の通常の穿孔作業にお
いて、切羽前方の地山地質の硬軟を判別できるととも
に、軟岩と判別された地質に含まれる礫分の多寡を判別
でき、しかも穿孔水の濁りの経時変化を測定することに
より、穿孔区域の地質が泥岩質か砂質かを判別すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法の実施の形態に
ついて、図面を参照して説明する。図1は、本発明方法
を適用した穿孔用の削岩機及びその最適制御部と地質判
別部を示す構成図、図2は地質判別部の機能ブロック図
である。図1において、削岩機10は、図示省略した装
置のブーム101の先端に設けた基台102と、この基
台102上に進退方向に移動可能に支持された架台10
3を備え、この架台103は油圧シリンダ104により
基台102上を進退方向(切羽1に接近及び離間する方
向)に移動できる構成になっている。
【0010】架台103上には穿孔ビット駆動用の油圧
モータ(ドリフター)105が架台103の長手方向に
移動可能に設置されている。この油圧モータ105の回
転軸には架台103の長手方向に延在する穿孔ロッド1
06一端が結合され、この穿孔ロッド106の他端側
は、架台103の先端に設けたガイド部材107により
スライド可能に支持されている。さらに、穿孔ロッド1
06の先端には、切羽1から切羽前方の地山2に穿孔す
るための穿孔ビット108が取り付けられている。ま
た、上記架台103には、油圧モータ105を含めた穿
孔ビット108を地山2の掘進方向にフィードしたり、
後退動作させる油圧シリンダ等からなるフィード機構1
09が設置されている。なお、穿孔ビット108の先端
からは、穿孔ロッド106の内部を通して供給される穿
孔水が噴出される構成になっている。
【0011】図1において、20は油圧モータ105及
びフィード機構109を駆動するための圧油を供給する
油圧回路であり、この油圧回路20には、該油圧回路2
0を制御して油圧モータ105の回転速度及びフィード
機構109のフィード速度を地山の地質に合わせて最適
に制御する最適制御部30が接続されている。この最適
制御部30は、フィード機構109に供給される油圧を
媒体として穿孔速度を検出し、この穿孔速度に基づき油
圧モータ105で駆動される穿孔ビット108の回転
数、打撃数、打撃力を制御して地山を最適速度で穿孔す
るものであり、穿孔ビット108の回転数は穿孔速度と
比例するように、かつ穿孔ビット108の回転数はその
打撃力と反比例するように制御される。即ち、軟岩での
高回転・低打撃力〜硬岩での低回転・高打撃力穿孔を地
山の変化に合わせて、穿孔ビット108の回転数及び打
撃力を最適条件に設定しながら穿孔させるものである。
図3は、縦軸に打撃力をとり、横軸に油圧モータへの油
量・ビット回転数・ビット打撃数をとって表わした、岩
の硬軟と回転数の関係を表わすグラフである。
【0012】また、図1において、40は最適制御部3
0により油圧回路20を通して油圧モータ105に供給
される油量から、これに比例した油圧モータ105(穿
孔ビット)の回転数を計測する計測器であり、この計測
器40は切羽1から該切羽前方の地山2に向けて穿孔推
進する時の油圧モータ105(穿孔ビット108)の回
転数を連続して計測し、この経時計測値を電気信号に変
換して地質判別部50に出力する。
【0013】地質判別部50は、パソコン等から構成さ
れるもので、図2に示すように、計測器40から出力さ
れるビット回転数の経時計測信号を、該信号レベルが穿
孔ビットの地山への穿孔推進に伴い所定レベル以下にな
るごとに区分する信号区分手段501と、区分された区
間の経時計測信号をサンプリングし、該サンプリング信
号を平均化して各区分ごとに回転数の平均値を算出する
平均化処理手段502と、算出された平均値を地山強度
判定図上にプロットして前記区分された区間の岩盤の硬
軟度合を判別する硬軟判別手段503と、硬軟判別手段
503での判別結果が軟岩である時に前記区分された区
間の経時計測信号に含まれるビット回転数の小刻みな変
動により生じる周波数成分を分析し、該分析結果から求
められる所定周波数以上の周波数分布割合の多少により
前記区分された区間における軟岩の礫分の多寡を判別す
る礫分多寡判別手段504と、礫分多寡判別手段504
での判別結果が礫分の少ない軟岩である場合、該軟岩の
穿孔時に排出される穿孔水の濁り度合から穿孔区域の地
質が泥岩質か砂質かを判別する濁り度合判別手段505
を備える。また、切羽1の前面には、地山2に形成され
た孔3から切羽1外に流出する穿孔水4の濁り度合を光
学的に検知する濁り度合検知手段60が配設されてお
り、濁り度合検知手段60から出力される検知信号が地
質判別部50に入力される。70は地質判別部50に接
続されたCRT等の表示部である。
【0014】次に、上記のように構成された本実施の形
態における地質判別動作について、図4に示すフローチ
ャートを参照して説明する。まず、削岩機10をトンネ
ル切羽1に向けてセットし、かかる状態で最適制御部3
0により、油圧回路20を介して油圧モータ105及び
フィード機構109に供給される油量を制御し、これに
より、軟岩での高回転・低打撃力〜硬岩での低回転・高
打撃力を地山の変化に合わせて最適条件に設定しながら
穿孔作業を実施する。この穿孔作業に伴い、計測器40
は、油圧モータ105に供給される油量から、これに比
例した油圧モータ105(穿孔ビット)の回転数を連続
して計測し、この経時計測値を電気信号に変換し経時計
測信号として地質判別部50に出力する。この時の経時
計測信号の出力波形を図5に示す。また、穿孔ビット1
08による地山2への削孔に伴い孔3から切羽1外に流
出する穿孔水4の濁り度合は濁り度合検知手段60によ
り検知され、その検知信号は地質判別部50に出力され
る。このようにして、穿孔ビットの回転数及び穿孔水の
濁り度合データを収集する(ステップS1)。
【0015】地質判別部50の信号区分手段501で
は、ステップS2において計測器40から出力されるビ
ット回転数の経時計測信号から該信号レベルが所定レベ
ル以下になる点を検出し、これにより、経時計測信号を
所定レベル以下になるごとに区分する。例えば、図5に
示すように、区間Aと区間Bに区分する。また、この区
分は図1における地山2の層A、Bに対応する。次のス
テップS3では、平均化処理手段502において、区分
された区間A、Bの経時計測信号をサンプリングし、該
サンプリング信号を平均化して各区分ごとに回転数の平
均値を算出する。そして、次のステップS4において、
平均化処理手段502で算出された平均値を、図6に示
すように、表示部70に表示された地山強度判定図上に
プロットし、この地山強度判定図上から、区分された区
間の岩盤の硬軟度合を硬軟判別手段503で判別する。
例えば、図6に示す場合、区間Aの回転数の平均値は地
山強度判定図上の下側にプロットされているため、区間
Aにおける地質は硬い岩盤であると判別できる(ステッ
プS5)。また、区間Bの回転数の平均値は地山強度判
定図上の上側にプロットされているため、区間Bにおけ
る地質は軟らかい岩盤であると判別するできる。
【0016】上記硬軟判別手段503では、区分された
区間の地質が硬いか軟らかいかを判別できるが、軟らか
いと判別された地質は礫分の多い軟岩の地質なのか、あ
るいは礫分の少ない軟岩の地質なのかは判別できない。
そこで、本実施の形態では、ステップS4において軟ら
かい地質であると判別された場合は、礫分多寡判別手段
504において、軟岩である区間の経時計測信号に含ま
れる周波数をフーリェ変換により分析して所定周波数
(1Hz)以上の周波数分布の割合をスペクトル分析し
(ステップS6)、この分析結果から礫分の多寡を判別
する(ステップS7)。即ち、1Hz以上の高い周波数
成分を含む周波数分布の割合が多い場合は、礫分の多い
軟岩であると判別する(ステップS8)。
【0017】図7(A)は礫分の少ない軟岩を穿孔する
時の周波数スペクトルを表わすグラフであり、図7
(B)は礫分の多い軟岩を穿孔する時の周波数スペクト
ルを表わすグラフである。この図7(B)において、1
Hz以上の高い周波数成分を含む周波数分布の割合が大
きくなる理由は、穿孔される地質中に礫分が多く含まれ
ると、この礫に穿孔ビット108が接触打撃することに
より、穿孔ビット108の回転数が小刻みに変動するか
らである。従って、穿孔ビット108の回転数に含まれ
る回転変動分の周波数を分析することにより、穿孔され
る地質が礫分の多い軟岩か少ない軟岩かを確実に判別す
ることが可能になる。
【0018】従って、ステップS7において、周波数の
分析結果から礫分の少ない軟岩であると判別された場合
は、次のステップS9において、礫分の少ない軟岩が透
水性の高い砂質の地質なのか、あるいは礫分の少ない不
透水性の泥岩質の地質なのかを判別する。即ち、地山2
に形成された孔3から切羽1外に流出する穿孔水4の濁
り度合を濁り度合検知手段60により検知し、この検知
信号を地質判別部50の濁り度合判別手段505に入力
することにより、穿孔水4の濁り度合から穿孔区間の地
質が泥岩質か砂質かを判別する。
【0019】ここで、泥岩質の軟岩は粒径は5μ以下の
粘土粒子が長い堆積過程で固結したものであり、この軟
岩が穿孔ビットの回転と打撃力で破砕されると粘土分が
解きほぐされ、この粒子が穿孔水と共に多く排出される
ため、穿孔水4の濁り度合が大きくなる。また、砂質の
軟岩を形成する砂粒子は比較的硬い石英結晶や長石の結
晶で構成されているため、この砂粒子は穿孔ビットの回
転と打撃力で破砕されにくく、かつ粘土粒子よりも大き
な粒径に保持される。その結果、穿孔水を濁す度合が粘
土粒子に比べて少ない。従って、穿孔水4の濁り度合が
大きく、ほとんど不透明な状態にある場合は、泥岩質の
軟岩と判別し(ステップS10)、また、穿孔水4の濁
り度合が小さく半透明な状態にある場合は、砂質の軟岩
と判別する(ステップS11)。
【0020】なお、この場合、穿孔中に該孔の穿孔ビッ
トによる削孔位置から切羽外に排出される穿孔水の濁り
の流出時刻を係数し、この時刻と前記前記礫分多寡判別
工程で礫分の少ない軟岩である判別された区間の経時時
刻に基づいて泥岩質か砂質かの判別を行う。即ち、この
経時時刻に上記流出時刻を加算した時点で検知される濁
り度合検知手段60からの検知信号を基に濁り度合判別
手段505で判別することにより、各区間に対応する地
質が泥岩質か砂質かを判別することができる。
【0021】以上述べたように、本実施の形態における
地質判別方法によれば、削岩機10による地山2への穿
孔作業時に、穿孔ビット108の回転数を連続して計測
し、このビット回転数の経時計測信号を、該信号レベル
が所定レベル以下に低下するごとに区分し、この区分さ
れた区間の経時計測信号をサンプリングし、このサンプ
リング値を平均化することで求められるビット回転数の
平均値を地山強度判定図上にプロットし、平均回転数が
低い場合は、区分された区間の地質が硬いと判別し、平
均回転数が高い場合は、区分された区間の地質が軟らか
いと判別するとともに、区分された区間の地質が軟らか
い軟岩である場合は、区分された区間の経時計測信号に
含まれるビット回転数の小刻みな変動により生じる周波
数成分を分析し、この分析結果から求められる所定周波
数以上の周波数分布の割合が多い場合は、礫分の多い軟
岩の地質と判別し、所定周波数以上の周波数分布の割合
が少ない場合は、礫分の少ない軟岩の地質と判別する。
そして、礫分の少ない軟岩であると判別された場合は、
該軟岩の穿孔時に排出される穿孔水の濁り度合を検知
し、この濁り度合から穿孔区域の地質が泥岩質か砂質か
を判別する構成にしたので、トンネル掘削工事の通常の
穿孔作業において、切羽前方の地山地質の硬軟を判別で
きるとともに、軟岩と判別された地質に含まれる礫分の
多寡を判別でき、しかも穿孔水の濁り度合から穿孔区域
の地質が泥岩質か砂質かを判別することができる。
【0022】また、穿孔ビットの回転数から穿孔速度を
逆算により求めることが可能であるから、穿孔開始から
の穿孔速度を積分することにより、穿孔開始位置から任
意の時刻における穿孔ビットの削孔深度を割り出すこと
ができ、区分された経時計測信号波形が検出された地質
が存在する位置も特定できる。また、本実施の形態によ
れば、トンネル掘削工事の通常の穿孔作業中に切羽前方
の地山地質の硬軟を判別し、更にトンネル掘削工事で特
に問題となる比較的軟質な泥岩を穿孔水の濁り度合から
判別する構成にしたから、切羽を安全に掘削するための
支保工や補助工などの対策を事前に策定することがで
き、トンネル工事を安全に進めることができる。
【0023】なお、上記の実施の形態では、地山強度判
別図を表示部70に表示し、この地山強度判別図のグラ
フ上に平均回転値をプロット表示する場合について説明
したが、本発明はこれに限らず、求められた平均回転値
を図6に示す地山強度判別図上に鉛筆なとを用いて手動
によりプロットしてもよい。また、穿孔水の濁り度合
は、作業員等の目視により判断して穿孔区域の地質が泥
岩質か砂質かを判別することも可能である。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、区分され
た区間の経時計測信号をサンプリングし、このサンプリ
ング値を平均化することで求められるビット回転数の平
均値を地山強度判定図上にプロットすることにより、地
山強度判定図から区分された区間の地質の硬軟を判別す
ることができ、そして、区分された区間の地質が軟らか
い軟岩である場合は、区分された区間の経時計測信号に
含まれるビット回転数の小刻みな変動により生じる周波
数成分を分析し、この分析結果から求められる所定周波
数以上の周波数分布の割合の多少から軟岩中の礫分の多
寡を判別することができる。更に、礫分の少ない軟岩で
あると判別された場合は、該軟岩の穿孔時に排出される
穿孔水の濁り度合を検知し、この濁り度合から穿孔区域
の地質が泥岩質か砂質かを判別することができる。従っ
て、トンネル掘削工事の通常の穿孔作業において、ビッ
ト回転数と穿孔水の濁りの経時変化情報を基に切羽前方
の地山地質の硬軟を判別できるとともに、軟岩と判別さ
れた地質に含まれる礫分の多寡を判別でき、しかも穿孔
水の濁り度合から穿孔区域の地質が泥岩質か砂質かを判
別することができ、切羽前方の地山の地質を正確に予測
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用した穿孔用の削岩機及びその
最適制御部と地質判別部を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における地質判別部の機能
ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態における岩の硬軟と回転数
の関係を表わすグラフである。
【図4】本発明の実施の形態における地質判別の処理手
順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における穿孔ビット回転数
の経時計測信号の一例を示す波形図出ある。
【図6】本発明の実施の形態における地山強度判定図で
ある。
【図7】(A)、(B)は本発明の実施の形態における
周波数分析の結果の一例を示すスペクトル図である。
【符号の説明】
1 切羽 2 地山 3 孔 4 穿孔水 10 削岩機 105 油圧モータ 106 ロッド 108 穿孔ビット 20 油圧回路 30 最適制御部 40 計測器 50 地質判別部 501 信号区分手段 502 平均化処理手段 503 硬軟判別手段 504 礫分多寡判別手段 505 濁り度合判別手段 60 濁り度合検知手段 70 表示部(表示手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広畑 義和 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株 式会社フジタ内 (72)発明者 猪股 豊 東京都台東区台東1丁目2番1号 不動建 設株式会社内 (72)発明者 塩月 正人 岐阜県岐阜市宇佐南1丁目6番8号 大日 本土木株式会社内 (72)発明者 安達 明 岡山県岡山市表町1丁目5番1号 アイサ ワ工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穿孔される岩質により決定される穿孔速
    度に応じて穿孔ビットの回転数、打撃数、打撃力を適性
    値に制御する最適制御システムを有する削岩機により切
    羽から該切羽前方の地山に向けて穿孔推進しながら切羽
    前方の地山の地質を予測するための地質判別方法であっ
    て、 前記削岩機により切羽から該切羽前方の地山に向けて穿
    孔推進する時の穿孔ビットの回転数を連続して計測し経
    時計測信号として出力する計測工程と、 前記ビット回転数の経時計測信号を、該信号レベルが所
    定レベル以下に低下するごとに区分する信号区分工程
    と、 前記区分された区間の経時計測信号をサンプリングし、
    該サンプリング信号を平均化してビット回転数の平均値
    を算出する平均化工程と、 前記算出された平均値を地山強度判定図上にプロットし
    て前記区分された区間の岩盤の硬軟度合を判別する硬軟
    判別工程と、 前記硬軟判別工程での判別結果が軟岩である時に前記区
    分された区間の経時計測信号に含まれるビット回転数の
    小刻みな変動により生じる周波数成分を分析し、該分析
    結果から求められる所定周波数以上の周波数分布の割合
    の多少により前記区分された区間における軟岩の礫分の
    多寡を判別する礫分多寡判別工程と、 を備えることを特徴とする地山の地質判別方法。
  2. 【請求項2】 前記礫分多寡判別工程での判別結果が礫
    分の少ない軟岩である場合、該軟岩の穿孔時に排出され
    る穿孔水の濁り度合を検知し、この濁り度合から穿孔区
    域の地質が泥岩質か砂質かを判別する工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項1記載の地山の地質判別方法。
  3. 【請求項3】 前記硬軟判別工程において、地山強度判
    別図を表示手段に表示し、この地山強度判別図のグラフ
    上に平均化工程で算出された平均値をプロット表示する
    ことにより、区分された区間の岩盤の硬さの程度を判別
    することを特徴とする請求項1記載の地山の地質判別方
    法。
  4. 【請求項4】 前記泥岩質か砂質かを判別する工程にお
    いて、地山穿孔時に排出される穿孔水の濁り度合を検知
    する光学的濁り度合検知手段と、この検知信号を基に礫
    分の少ない軟岩であると判別された区間が泥岩質か砂質
    かを判別する濁り度合判別手段を有し、地山穿孔時に穿
    孔ビットの削孔位置から切羽外に排出される穿孔水の流
    出時刻を計数し、この流出時刻に前記礫分の少ない軟岩
    であると判別された区間の経時時刻を加算した時点で前
    記濁り度合検知手段で検知した検知信号を基に該区分に
    対応する地質が泥岩質か砂質かを前記濁り度合判別手段
    で判別することを特徴とする請求項2記載の地山の地質
    判別方法。
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