JPH10251951A - ポリビニルアルコール系フィブリル繊維を用いた吸音シート - Google Patents

ポリビニルアルコール系フィブリル繊維を用いた吸音シート

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JPH10251951A
JPH10251951A JP9057253A JP5725397A JPH10251951A JP H10251951 A JPH10251951 A JP H10251951A JP 9057253 A JP9057253 A JP 9057253A JP 5725397 A JP5725397 A JP 5725397A JP H10251951 A JPH10251951 A JP H10251951A
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sheet
fibers
fiber
sound
pva
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JP9057253A
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Akio Omori
昭夫 大森
Shigetoshi Amiya
繁俊 網屋
Eiichi Sasagawa
栄一 笹川
Tomohiro Hayakawa
友浩 早川
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波数領域の吸音性能に優れた軽量の吸音
シートを提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系ポリマーを50
%以上含有し、その平均径が0.05〜5μmであるポ
リビニルアルコール系フィブリル繊維からなる不織布シ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低周波数領域の吸
音性能に優れた吸音シートに関し、さらに詳しくは、ポ
リビニルアルコール系ポリマー(以下PVAと略記)の
フィブリル繊維よりなる成形シートを用いことにより、
軽量でありながら低周波数領域の吸音性能に優れた吸音
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】騒音公害は他の公害と違って直接人間が
感知することができ、その影響は日常生活に関係が深い
ため、苦情件数も多く、社会問題としてその解決が迫ら
れている。騒音対策は空気中の音波の減衰、又は伝搬に
関する性質などを防止技術として確立し、これらをうま
く組み合わせて騒音問題を解決することであるが、特に
日常生活に関連した騒音問題については建築材料の音響
性能のうちで吸音と遮音に関する性能が特に重要であ
る。吸音(音波の吸収)とは、音波が他の形のエネルギ
ーに変換されて吸収されることで、例えばグラスウール
や布のような多孔質材料の場合は、少孔の中で音波すな
わち空気の振動が粘性摩擦によって熱に変換されて吸収
される。また膜や板の場合は音波が当たると振動し(す
なわち音のエネルギーが振動エネルギーに変換され)、
この振動のエネルギーが支えの部分等で摩擦や材料の内
部摩擦によって熱に変換されて吸収される。遮音とは透
過音を少なくすることで、壁を用いて音を遮断するとい
うことは、音源側の音圧によって壁が揺すぶられその振
動によって反対側に音波を発生するのを防止することで
主として質量則に依存する。
【0003】一般に建築材料としては、ガラスウールや
ロックウールなどの無機繊維材料と空気層を組み合わせ
た多孔質材料やマイカなどの平板状フィラーを用いた複
合材料などの吸音材が使われているが、ガラスウールや
ロックウールなどを用いた吸音材は500Hz以上の中
〜高周波数領域の音に対しては優れた吸音性能を示す
が、125〜200Hzの低周波数領域の音に対して
は、吸音性能が急激に低下する。これら低周波数領域の
音をカットしようとすると遮音性能を改良することが重
要であるが、遮音性能は前述の如く質量則に依存する。
質量則はコンクリートや鉛など重量の大きい材料が優れ
ることを示し、軽量材料では十分な遮音性能を得ること
ができない。さらに質量則でも周波数の高い音に対して
は有効であるが、周波数の低い音に対しては効果的でな
いことが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上より、軽量で低周
波数領域の音に対し良好な吸音性能を示す材料は強く要
望されてきたにもかかわらず両条件を満足する材料はま
だ開発されていない。本発明の目的は、軽量で低周波数
領域の音に対し良好な吸音性能を示す材料を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、PV
Aを50重量%以上含有し、その平均径が0.05〜5
μmであるPVA系フィブリル繊維又は該繊維と有機繊
維からなるシート、または該シートを少なくとも1層含
む積層シートであって、125Hzでの吸音率が10%
以上であることを特徴とする低周波数領域の吸音性能が
優れた吸音シートである。
【0006】本発明吸音シートではPVA系フィブリル
繊維を用いる。吸音とは、材料が音波の空気振動エネル
ギーを受けて振動する際の材料の粘弾性挙動により熱に
エネルギー変換して、振動エネルギーが減少する現象と
理解されており、熱エネルギーに変換する割合が高い程
吸音性が良好である。熱エネルギーに変換する程度は粘
弾性理論で定義されているその材料の損失正接tonδ
と密接な関係があり、tonδが大きい程吸音性は大き
くなるといわれている。tonδは、金属、ガラス、コ
ンクリートなどの材料に比べ、有機高分子材料が一般的
に大きく、有機高分子材料の中でもPVAは室温〜80
℃付近のtonδが大きい。従って、本発明では有機高
分子材料の中でも吸音性能の優れた素材であるPVAを
用いる。さらに、PVAの形状として平均径(測定法は
後述する。)が0.05〜5μmのフィブリル繊維とす
ることが本発明の最も重要なポイントである。平均径
0.05〜5μmのPVA系フィブリル繊維から構成さ
れる成形シートは驚くべきことに低周波領域の音を効率
よく吸収する。平均径が5μmを越えると、吸音シート
の125Hzでの吸音率が10%未満となり不都合であ
る。一方平均径が0.05μ未満であると、均一な高強
度の吸音シートを得ることができず不都合である。平均
径が0.2〜2μmであるとさらに好ましい。平均径が
0.05〜5μmのフィブリルを用いると低周波数での
吸音性能がよくなる理由は現時点では不明であり、質量
則から逸脱した現象として今後の科学的解明が待たれ
る。フィブリルの場合には、太さ径が不均一でかつ表面
積が大きいことから、不均一な太さでかつ表面積が極め
て大きい集合体であることが優れた吸音性能をもたらし
ていることも考えられる。
【0007】本発明でいうPVAとは、ビニルアルコー
ルユニットを70モル%以上有するポリマーを意味して
おり、エチレン、酢酸ビニル、イタコン酸、ビニルアミ
ン、アクリルアミド、ピバリン酸ビニル、無水マレイン
酸、スルホン酸含有ビニル化合物などのモノマーが30
モル%未満の割合で共重合されていてもよい。配向結晶
化のためにはビニルアルコールユニットが95モル%以
上がより好ましく、さらに好ましくは99モル%以上で
ある。ホルムアルテヒドなどのモノアルデヒドやグルタ
ルアルデヒド、ノナンジアルデヒドなどのジアルデヒド
などにより1〜25モル%分子内あるいは分子間アセタ
ール化されたPVAやこれら以外の架橋性薬剤などによ
り架橋されたPVAも本発明PVAに包含される。
【0008】本発明吸音シートに用いるPVAフィブリ
ル繊維は上記tonδの大きいPVAを50重量%以上
含有した海島相分離構造繊維を割繊処理することにより
得る。PVAの含量が50重量%未満であると、フィブ
リルとする前の海島相分離構造繊維においてPVAが明
確な海相を形成することが困難となり、高度なフィブリ
ル化を安定に行うことができない。フィブリルはPVA
単独より構成されていてもよいが、フィブリル化助剤と
して他のポリマーが50重量%を越えない範囲で含有さ
れていてもよい。割繊処理はフィブリル化前原糸を機械
的応力および/または化学的膨潤・溶解力を作用させ
る。フィブリル化前原糸が、海成分がPVA、島成分が
PVAと非相溶のフィブリル化助剤ポリマーよりなる海
島相分離構造であるとフィブリル繊維を容易に得ること
ができる。フィブリル化助剤ポリマーとしては、セルロ
ース系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー(以
下PAN系ポリマーと略記する。)、ポリメチルメタク
リレート系ポリマー、およびでんぷんやポリエチレンオ
キサイドなどの水溶性ポリマーなどが例示され、海/島
の混合重量割合が50/50〜90/10、より好まし
くは55/45〜70/30の海島相分離繊維とした
後、この繊維を叩解、混練、高圧水流、ニードルパン
チ、膨潤、溶解などの各々単独あるいはこれらを組合わ
せて応力を加えてフィブリル繊維とする。フィブリル化
助剤にでんぷんやポリエチレンオキサイドなどの水溶性
ポリマーを用いると水中叩解や高圧水洗によりフィブリ
ル化と同時に溶解が起こり、PVAがほぼ100%のフ
ィブリル繊維を得ることができる。
【0009】このような海島構造繊維は、例えば海成分
となるPVAと島成分となる他のポリマーをジメチルス
ルホキシドで代表される共通溶媒に溶解し、得られた紡
糸原液をメタノールやエタノール等のアルコール類で代
表される固化浴中に吐出し、形成された糸条を湿延伸し
たのち、原液溶媒を抽出除去した後乾燥し、さらに乾熱
延伸を行うことにより形成される。
【0010】本発明吸音シートは上記PVAフィブリル
又はそれと他の有機繊維との混合物をシートとすること
により、あるいはフィブリル化前の海島構造繊維又はそ
れと他の繊維との混合物をシート化したのち該海島構造
繊維をフィブリル化することにより形成される。他の有
機繊維と混合して用いる場合の、シート中におけるPV
Aフィブリルの含有量が10重量%未満では125Hz
の吸音率が10%を越えないので不都合である。フィブ
リルの成形法にもよるが60重量%以上であるとさらに
好ましく、100%であると最も好ましい態様である。
ただし、得られるシートの強度の点からは有機繊維と混
合使用することが好ましい。なお有機繊維と混合使用す
る場合には、第3の繊維として更に無機繊維を有機繊維
に対して少量添加してもよい。
【0011】フィブリル化前の海島構造繊維を割繊処理
して得たフィブリル繊維を、必要に応じ他の有機繊維、
プラスチック、フィラー等とともに、湿式抄造成形ある
いは押出成形することも可能であるが、海島構造繊維を
含んだウェブを湿式法あるいは乾式法により形成し、こ
のウェブに30kg/cm2以上、好ましくは50kg
/cm2以上の高圧水流をあて、繊維を絡合すると同時
に海島構造繊維を割繊してフィブリル化させて得た水流
絡合不織布形状の比較的柔軟な成形シートが好ましい。
成形シートには、少なくとも20容量%の空孔率を有す
ることが好ましい。空孔率が50容量%以上あると吸音
性と軽量の点でもっとも好ましい。また吸音シートを構
成するフィブリルは、バイダー樹脂により完全に固定さ
れているよりは、バイダー樹脂により固定されておらず
に繊維間の交絡によるルーズな固定のみの場合の方が好
ましい。
【0012】本発明吸音シートは上記成形シートを単独
あるいは該成形シートを少なくとも1層含む積層複合体
である。積層する他のシートしては、PVAでは吸音で
きない周波数領域に優れた吸音性を示す材料、例えばマ
イカや無機繊維等の無機物質をバインダー樹脂により固
定してシート化したものが好ましい。本成形シートは、
他の材料では達成困難な軽量で低周波数領域に優れた吸
音性能に特長があり、中〜高周波数領域に優れた吸音性
能を有する材料、例えばマイカや無機粒子等の無機物質
を含むシートと積層複合して使用することにより、全周
波数領域にわたって優れた吸音性能を有する吸音材とす
ることができる。もちろん、本発明PVAフィブリル成
形シートを複数枚積層することにより低周波数領域の吸
音性能をさらにレベルアップすることができる。吸音シ
ートの目付としては、目的とする吸音レベルにより種々
のものが採用できるが、PVAフィブリルの量が20〜
500g/m2の範囲が好ましい。また吸音シートにお
けるPVAフィブリル層の厚さとしては0.1〜10m
mが、吸音効果の点でおよびフィブリル化のしやすさの
点で好ましい。なお厚さは、ピーコック厚み測定機を用
い、直径10mmの金属板で180g/cm2の加重を
かけた状態で測定した。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により具体
的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるもの
ではない。なお本発明における物性値は以下の方法によ
り測定した値である。また実施例中、特に断りがない限
り、比率や%は重量に基づく値を意味する。
【0014】1)フィブリルの平均径 走査型電子顕微鏡でフィブリルの断面を拡大し、その断
面積と同じ面積の円の直径に換算した値であり、n=5
0の平均値をフィブリルの平均径とした。
【0015】2)125Hzでの吸音率 JIS−A1405の管内法による建築材料の垂直入射
吸音率測定方法に準拠し、下記条件で周波数を変更して
垂直入射吸音率を測定し、125Hzでの吸音率を求め
た。
【0016】実施例1 重合度1750、ケン化度99.8モル%のPVAと酢
酸ビニルを5モル%共重合したPANを60:40でジ
メチルスルホキシドに溶解して得た海相がPVA、島相
がPANの海島相分離液を5℃のメタノール/ジメチル
スルホキシド混合液からなる浴中に湿式紡糸してジメチ
ルスルホキシドを抽出し、そして湿延伸をおこない、さ
らにメタノールにて繊維中に含まれているジメチルスル
ホキシドをメタノールで置換し、そして繊維を乾燥した
のち、乾熱延伸して、PVA/PANの混合割合が60
/40の海成分がPVA、島成分がPANなる繊度2d
r、繊維径15μmの海島構造繊維を得た。
【0017】この繊維を5mmにカットし、水中に分散
させ、繊維濃度1%のスラリー液とした。さらにチェス
トにて0.5%となるよう希釈し、抄紙機により抄き上
げ、抄き上げられた湿紙を真空脱水して余剰の水分を除
去しヤンキータイプのドライヤーにて90℃で乾燥し、
目付100g/m2のPVA/PAN系海島相分離繊維
よりなる湿式不織布を得た。この不織布に、ノズル径
0.15mm、ノズル間ピッチ1mm、列数2列のノズ
ルから20kg/cm2、40kg/cm2、60kg/
cm2、80kg/cm2の水圧の柱状液を順次噴射させ
て繊維を絡合させると同時に割繊させた。この際のノズ
ルと不織布シートの間隔は30mmで、シートの下には
ステンレス製の80メッシュの金網を支持部材とし、金
網を通して吸引脱水した。同様の絡合、割繊処理を反対
面にも施した後、乾燥して成形シートを得た。
【0018】得られたシートを電子顕微鏡で観察したと
ころ、平均径が1.2μmのフィブリル繊維より構成さ
れていることがわかった。またこの不織布シートの目付
は100g/m2、厚さ0.5mm、緊度0.2g/c
3、空孔率85%であった。さらに、この不織布シー
トの125Hzでの垂直入射吸音率は30%と優れてい
た。さらにこの不織布シートの裏面に、マイカを主成分
とし、それに繊維を5%含み、さらに酢酸ビニル系エマ
ルジョン樹脂により固定した目付400g/m2のシー
トに貼り合わせ積層シートを製造したところ、この積層
シートは500Hz以上の中〜高周波数領域の音に対し
ても優れた吸音性能を示すことが判明した。
【0019】実施例2 実施例1で得た繊維径15μmのPVA/PAN系海島
構造繊維の5mmショートカット繊維と2drのポリエ
ステルのショートカット繊維を65/35に混合し、実
施例1と同様にして湿式水絡不織布シートを得た。この
不織布シートを電子顕微鏡で観察し、PVA/PAN系
繊維は平均径1.4μmに割繊されていることがわかっ
た。またこの不織布シートの目付は100g/m2、厚
さ0.6mm、緊度0.17g/cm3、空孔率87%
であった。さらにこの不織布シートの125Hzでの垂
直入射吸音率は22%と優れていた。
【0020】比較例1 水流絡合時の水圧を20kg/cm2のみとする以外
は、実施例1と同様にして不織布シートを得た。得られ
たシートを電子顕微鏡で観察したところ、フィブリル化
は殆ど起こっておらず、繊維の平均径は15μmと水流
絡合処理をする前と同じであった。この不織布シートの
125Hzでの垂直入射吸音率は2%以下と不十分であ
った。
【0021】比較例2 平均径10μmのビニロン繊維(クラレ製VPB−10
3)とビニロンバインダー(クラレ製VPB−105)
を実施例1と同様にして湿式不織布を作製した。ただ
し、バインダーを用いているため水流絡合処理は行わ
ず、ヤンキードライヤーで乾燥のみ行った。得られた不
織布シートは平均径が10μmの繊維で構成され、交絡
点はバインダーによりしっかり固着された状態となって
いた。この不織布シートの125Hzでの垂直入射吸音
率を測定したところ5%と不十分であった。
【0022】実施例3 実施例1においてPANの代わりに酢酸セルロースを用
い、PVA/酢酸セルロースの混合割合を70/30と
する以外は実施例1と同様に湿式紡糸し、PVAが海成
分、酢酸セルロースが島成分の太さ径15μmの海島構
造繊維を得た。この繊維を押し込み捲縮機で10〜12
個/インチの捲縮をかけ、2dr×51mmのカットス
テープルとした。このステープルをカードにかけ、目付
80g/m2のウェブを得、その後実施例1と同じ条件
で水絡・割繊処理を行い、平均径が1.0μmのフィブ
リル繊維よりなる不織布シートを得た。このシートの1
25Hzでの吸音率は18%と良好であった。
【0023】
【発明の効果】本発明は、粘弾性理論における損失正接
が室温近辺で大きく、振動減衰性が大きいポリマーをサ
ブミクロンオーターの径で比表面積を極めて大きくした
PVAフィブリル繊維を用い、これを好ましくはバンイ
ダーを用いずに繊維相互の絡み合いのみで空孔率の大き
い柔軟な成形シート(主として不織布シート)とするこ
とにより、従来困難とされてきた低周波数領域の吸音性
能に優れた軽量吸音シートとしたものである。上記成形
シートが低周波数の吸音性能に優れることは従来の知見
では全く予想できなかったことである。今後吸音メカニ
ズムを解明する必要があるが、損失正接の大きいPVA
を比表面積が極端に大きい極細のフィブリル繊維形状と
し、しかも各フィブリルが振動し易い絡み合いのみの集
合体とし微細振動し易い空気層を有する柔軟な構造体と
することにより、音波の振動を大きく減衰できたと想像
される。本発明吸音シートは、インテリア、家具、楽器
などに用いられるとともに、不燃化することにより、住
宅、工場、公共施設、ホテルなどの壁、天井、床材にも
使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 友浩 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系ポリマーを50
    重量%以上含有し、その平均径が0.05〜5μmであ
    るPVA系フィブリル繊維又は該繊維と有機繊維からな
    るシートまたは該シートを少なくとも1層含む積層シー
    トからなる吸音シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の積層シートを構成する
    シートの少なくとも一層が無機物質をバイダーで固定し
    たシートである積層シート。
  3. 【請求項3】 繊維断面が海島構造を有しており、海成
    分がポリビニルアルコール系ポリマー、島成分がポリビ
    ニルアルコール系ポリマーに非相溶のポリマーからなる
    海島構造繊維又は該繊維と有機繊維からなり、湿式また
    は乾式法により成形したウェブに、30kg/cm2
    上の高圧水流をあてて繊維を絡合すると同時に該海島構
    造繊維を割繊しフィブリル化させて得たシートを用いる
    ことを特徴とする請求項1の吸音シート。
JP9057253A 1997-03-12 1997-03-12 ポリビニルアルコール系フィブリル繊維を用いた吸音シート Pending JPH10251951A (ja)

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