JPH10251523A - 木質系成形品の製造方法 - Google Patents

木質系成形品の製造方法

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JPH10251523A
JPH10251523A JP9063086A JP6308697A JPH10251523A JP H10251523 A JPH10251523 A JP H10251523A JP 9063086 A JP9063086 A JP 9063086A JP 6308697 A JP6308697 A JP 6308697A JP H10251523 A JPH10251523 A JP H10251523A
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JP
Japan
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resin
wood
molding material
elastomer
molded product
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JP9063086A
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English (en)
Inventor
Masamitsu Muto
正光 武藤
Katsuhiro Edo
克洋 恵土
Tomoaki Adachi
智明 足立
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CCI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械強度を有すると共に、その表面が
滑らかであり、しかも、柔軟性に優れた木質系成形品に
簡単に成形できる成形材料を提供するとともに、該成形
材料を使用する木質系成形品の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 木質系成形品を製造すべく、熱可塑性樹
脂と木粉と熱可塑性エラストマーとを混合、均一化して
なることを特徴とする成形材料であり、該成形材料を、
押出成形、射出成形、プレス成形等公知の成形方法で成
形加工するところに特徴を有する木質系成形品の製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質系成形品の製造
方法及び該製造方法に使用可能な成形材料に関するもの
であり、特には、熱可塑性樹脂と木粉と熱可塑性エラス
トマーとを混合、均一化して成形材料となし、該成形材
料を成形するところに構成特徴を有する木質系成形品の
製造方法、及び前記成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、良好な木質感を付与するとい
う性能の向上という観点から、あるいは増量材として使
用することによってその製造コストの低減を図るという
観点から、熱可塑性樹脂の一部を木粉に置き換えて木質
系成形品が製造されている(例えば特公昭52−265
34号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の製造方法にあっては、前記熱可塑性樹脂に充填す
る木粉量は増量できるものの、木粉が高充填されると、
混合物の溶融粘度が増加するためにその流動性が悪くな
るとか、最終成形品の機械的強度に劣り、僅かな応力で
破損するとか、しなやかさの指標である靱性が悪くなる
という問題があった。また、木粉を高充填した混合物を
用いて押出成形すると、口金からその表面がぼさぼさの
状態で吐出されるため、成形不能であった。
【0004】この問題を解消するため、疎水性である熱
可塑性樹脂と親水性である木粉間の親和性の向上を図る
べく、パラフィンワックス、長鎖カルボン酸及びそのエ
ステル、ミネラルオイル、ポリエチレンワックスなどに
代表される分散剤を添加する試みや、当該熱可塑性樹脂
の末端基を改質して木粉との親和性を向上させるべく、
イソシアナート、シラン、トリアジン類、ジメチロール
メラミン、有機金属化合物、さらにはマレイン酸無水物
やマレイン化ポリプロピレン等に代表されるカップリン
グ剤で処理する試みがなされている。
【0005】しかし、前記分散剤を添加することによっ
て両者の分散を向上させても必ずしも機械的特性に反映
しないことが明らかとなり、また、熱可塑性樹脂の末端
基を改質すべく前記カップリング剤で当該末端基を処理
する方法には、熱可塑性樹脂の末端基をカップリング剤
で予め処理する工程が必須であるために工程数が増加す
る等の問題があった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑み鋭意研究さ
れた結果完成されたものであって、その解決すべき課題
は、従来の木質系成形品の製造方法の具有する上述した
不具合や問題を解消することであり、その目的とすると
ころは、優れた機械強度をもつ木質系成形品が簡単に製
造できる製造方法、及びこの製造方法に使用できる成形
材料を提供せんとするものであり、熱可塑性樹脂に木粉
を高充填した混合物にさらに熱可塑性エラストマーを混
合、均一化した主発原料を成形して成形材料となし、該
成形材料をさらに所望する寸法形状に成形するところに
その構成特徴がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の採った手段の要
旨とするところは、叙上の特許請求の範囲の欄に記載の
通りである。
【0008】すなわち、請求項1記載の発明の要旨とす
るところは、「熱可塑性樹脂と木粉との混合物を主発原
料として成形品を製造する木質系成形品の製造方法にお
いて、前記混合物に熱可塑性エラストマーを混合、均一
化して成形材料となし、該成形材料を成形することを特
徴とする木質系成形品の製造方法」にあり、請求項2記
載の発明の要旨とするところは、「前記木質系成形品の
製造方法において、前記熱可塑性エラストマーは、エチ
レン酢酸ビニル共重合体エラストマー、エチレン・エチ
レンアクリレート共重合体エラストマー、軟質ポリ塩化
ビニル樹脂(可塑剤を20〜60部の割合で添加したポ
リ塩化ビニル樹脂)、又はポリオレフィン系樹脂エラス
トマーのいずれかであることを特徴とする請求項1記載
の木質系成形品の製造方法」にある。
【0009】このように構成した請求項1乃至2記載の
発明に係る木質系成形品の製造方法によれば、熱可塑性
樹脂と木粉と熱可塑性エラストマーとを混合、均一化し
て成形材料となし、ついで、この成形材料を成形するか
ら、熱可塑性樹脂と木粉との間に熱可塑性エラストマー
を介在させて柔軟に結合させることができ、これによ
り、熱可塑性樹脂と木粉間に滑性を付与でき、熱可塑性
樹脂に充填する木粉量の増量ができる。すなわち、優れ
た機械強度を有すると共に、その表面が滑らかであり、
しかも、柔軟性に優れた木質系成形品が簡単に製造でき
る。
【0010】請求項3記載の発明の要旨とするところ
は、「前記木質系成形品の製造方法において、前記木粉
は、その粒径が50μm〜2mmであり、かつ、全体に
対する配合割合が10〜90重量%の範囲内であること
を特徴とする請求項1又は2記載の木質系成形品の製造
方法」にあり、請求項4記載の発明の要旨とするところ
は、「前記木質系成形品の製造方法において、前記熱可
塑性エラストマーの全体に対する配合割合が0.1〜2
0重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか記載の木質系成形品の製造方法」にある。
【0011】このように構成した請求項3乃至4記載の
発明に係る木質系成形品の製造方法によれば、請求項1
乃至2記載の発明に係る木質系成形品の製造方法の具有
する作用に加えて、前記木粉の粒径が50μm〜2mm
であるから、充填した木粉を熱可塑性樹脂中に均一に分
散させることができ、そして、当該熱可塑性樹脂に充填
する木粉量の増量ができる。
【0012】次に、請求項5記載の発明の要旨とすると
ころは、「木質系成形品を製造すべく使用する成形材料
であって、熱可塑性樹脂と木粉の混合物に、熱可塑性エ
ラストマーを混合、均一化してなることを特徴とする成
形材料」にあり、請求項6記載の発明の要旨とするとこ
ろは、「前記成形材料において、前記熱可塑性エラスト
マーは、エチレン酢酸ビニル共重合体エラストマー、エ
チレン・エチレンアクリレート共重合体エラストマー、
軟質ポリ塩化ビニル樹脂(可塑剤を20〜60部の割合
で添加したポリ塩化ビニル樹脂)、又はポリオレフィン
系樹脂エラストマーのいずれかであることを特徴とする
請求項5記載の成形材料」にある。
【0013】このように構成した請求項5乃至6記載の
発明に係る成形材料によれば、熱可塑性樹脂と木粉と熱
可塑性エラストマーとを混合、均一化して成形されてい
るから、熱可塑性樹脂と木粉との間に熱可塑性エラスト
マーを介在させて当該熱可塑性樹脂と木粉間に滑性を付
与することができる。すなわち、この成形材料を成形す
ることにより、優れた機械強度を有すると共に、その表
面が滑らかであり、しかも、柔軟性に優れた木質系成形
品が簡単に製造できる。
【0014】請求項7記載の発明の要旨とするところ
は、「前記成形材料において、前記木粉は、その粒径が
50μm〜2mmであり、かつ、全体に対する配合割合
が10〜90重量%の範囲内であることを特徴とする請
求項5又は6記載の木質系成形品の製造方法」にあり、
請求項8記載の発明の要旨とするところは、「前記成形
材料において、前記熱可塑性エラストマーの全体に対す
る配合割合が0.1〜20重量%の範囲内であることを
特徴とする請求項5〜7のいずれか記載の成形材料」に
ある。
【0015】このように構成した請求項7乃至8記載の
発明に係る成形材料によれば、請求項5乃至6記載の発
明に係る成形材料の具有する作用に加えて、前記木粉の
粒径が50μm〜2mmであるから、充填した木粉を熱
可塑性樹脂中に均一に分散させることができ、熱可塑性
樹脂に充填する木粉量の増量ができる。
【0016】また、熱可塑性樹脂と木粉との間に熱可塑
性エラストマーを介在させて柔軟に結合させることがで
き、これにより、熱可塑性樹脂と木粉間に滑性を付与で
きるから、この成形材料を成形加工することによって、
優れた機械強度を有すると共に、その表面が滑らかであ
り、しかも、柔軟性に優れた木質系成形品が簡単に製造
できる。
【0017】すなわち、請求項5乃至8記載の発明に係
る成形材料は、優れた機械強度を有すると共にしなやか
さに優れた木質系成形品を簡単に製造できる出発材料と
して使用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る木質系成形品の製造
方法の実施の形態を、実施例に基いてさらに詳細に説明
するが、これは代表的なものを示したものであり、その
要旨を越えない限り、以下の実施例により本発明が限定
されるものではない。
【0019】ところで、本発明に係る製造方法を実施す
るにあたり、ベースとして使用される熱可塑性合成樹脂
としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)、ポリエ
チレン樹脂(PE樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹
脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、アクリロニトリ
ル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリメ
タクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)、又は熱可塑性
ポリウレタン樹脂(TPU樹脂)等に代表される熱可塑
性樹脂の全てを含む概念を意味するものであり、これら
の単独であっても、2種以上の混合物であっても構わな
い。さらに、これら樹脂に、顔料や滑剤、発泡剤、難燃
剤等の添加物を適宜配合し混練したものでもよい。
【0020】前記木粉は、文字通りの木粉に限定するも
のではなく、例えばセルロースの粉末、木質繊維、或い
は、表面をアセチル化、グラフト共重合等の化学反応
や、プラズマ、コロナ放電、電子ビーム照射等の処理を
施したものを全て含む概念を意味するものであり、これ
らの単独であっても、2種以上の混合物であっても構わ
ない。前記木粉等の粒径は、前記熱可塑性樹脂に均一に
分散させることができれば特に限定するものではない
が、超微粉末化すると非極性の合成樹脂のマトリックス
と容易に混合せず毛玉状分散となり易く、また、粒径が
大きすぎても樹脂に均一に分散させ難い。そして、樹脂
中に木粉等が均一に分散していないと応力の分散が十に
行われず、最終成形品の機械的性能が劣る。よって、木
粉の好ましい粒径は50μ〜2mmであり、更に好適に
は100〜500μmである。
【0021】ところで、前記熱可塑性樹脂に混合する木
粉量を特に制限するものではないが、その混合割合が全
体当たり10重量%以下であると、最終成形品に良好な
木質感を付与するという性能向上の点と、増量材として
使用することによってその製造コストの低減を図るとい
う点の両目的を達成することができない。また、その混
合割合を全体当たり90重量%以上にすると、最終成形
品に良好な木質感を付与するという性能の向上の点と、
増量材として使用することによってその製造コストの低
減を図るという点の両目的を達成することができるもの
の、木粉は、吸湿による膨潤収縮があり寸法安定性に欠
けるとか、生分解性であるために耐久性に欠けるとか、
可燃性となるとか、機械強度が低下する等の欠点が顕在
化するようになる。よって、熱可塑性樹脂に混合する木
粉の割合は、全体当たり10〜90重量%であることが
好ましく、20〜70重量%であるとさらに好適であ
る。
【0022】前記熱可塑性エラストマーは、エチレン酢
酸ビニル共重合体エラストマー(EVA樹脂)、エチレ
ン・エチレンアクリレート共重合体エラストマー(EE
A樹脂)、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂:可塑
剤を20〜60部の割合で添加したポリ塩化ビニル樹
脂)、ポリエチレン系樹脂(PE樹脂)エラストマー、
又はポリアセチレン系樹脂(PA樹脂)エラストマー等
が例示できる。これらの単独、若しくは2種以上の混合
物であってもよい。
【0023】この熱可塑性エラストマーの混合量もまた
特に制限するものではないが、その混合割合が全体当た
り0.1重量%以下であると、前記樹脂と前記木粉の混
合物に添加して混合してもこの熱可塑性エラストマーを
全体にまんべんなく均一分散させることができず、均質
な組織を持った最終成形品を製造することができないか
ら十分な機械強度を得ることができない。また、その混
合割合を全体当たり20重量%以上にすると、熱可塑性
樹脂エラストマーの影響が大きくなり、素材が柔らか
く、そして脆くなってくるため、成形性が著しく損なわ
れる。よって、最終成形品に良好な木質感を付与すると
いう性能の向上の点と、増量材として使用することによ
ってその製造コストの低減を図るという点の両目的を達
成することができるものの、木粉は、吸湿による膨潤収
縮があり寸法安定性に欠けるとか、生分解性であるため
に耐久性に欠けるとか、可燃性となるとか、機械強度が
低下する等の欠点が顕在化するようになる。
【0024】前記熱可塑性樹脂と前記木粉の混合物に添
加する熱可塑性エラストマーは、全体当たり0.1〜2
0重量%であることが好ましく、3〜10重量%の範囲
であるとさらに好適である。
【0025】木質系成形品は、押出成形、射出成形、プ
レス成形等公知の成形方法で成形加工できるものを全て
含む広い概念を意味するものである、なお、前記公知の
成形方法の詳細は所謂等業者周知のことであるから、以
下の実施例においては、便宜上、押出成形による場合の
みを説明する。
【0026】
【実施例】本発明の木質系成形品の製造方法を具体化し
た実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0027】実施例1 熱可塑性樹脂たるアクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン樹脂(ABS樹脂)40重量%と、熱可塑性エラス
トマーたるエチレン酢酸ビニル共重合体エラストマー
(EVA樹脂)10重量%と、粉砕した後100メッシ
ュ篩を通過させた鋸屑木粉50重量%との混合を、双腕
加圧ニーダ(DSI−3GHH:森山製作所製)に投入
し、温度雰囲気が165℃の加圧槽内で加熱混練した後
冷却し、ついで粉砕してペレット化した。なお、得られ
たペレットは、本発明でいう成形材料の一実施態様に相
当するものである。
【0028】ついで、このペレットを材料にして、シリ
ンダー径が40mmの押出成形機(FS−40:池貝鉄
工所製)を使用して、シリンダー温度160℃、金型温
度140℃で、開口部のサイズが30x5mmの平板状
の成形品を製造した。
【0029】
【0030】その結果、口金形状の断面を有し、その表
面状の全面が良好な木質感をもった成型品が成形できた
(表1)。
【0031】実施例2 前記実施例1において使用したエチレン酢酸ビニル共重
合体エラストマー(EVA樹脂)を、可塑剤としてジ−
2−エチルヘキシルフタレート(DOP)を40部の割
合で添加したポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)、又は
エチレン酢酸ビニル共重合体エラストマー(EVA樹
脂)に代えて、他は実施例1と同様に操作して作製した
ペレット(成形材料)のそれぞれを、さらに実施例1と
同様に操作して平板状の成形品を製造した。なお、得ら
れたペレットは、本発明でいう成形材料の一実施態様に
相当するものである。
【0032】
【0033】その結果、熱可塑性エラストマーとして、
PVC樹脂を配合しても、EVA樹脂を配合しても、両
者はいずれも、口金形状の断面を有しその表面状の全面
が良好な木質感をもった成型品に成形できた(表2)。
なお、結果は示さないが、前記DOPに代えて、ジブチ
ルフタレート(DBP)或いはジイソニルフタレートを
可塑剤として使用し、上記と同様に成形した成形品であ
っても、同様の結果が得られた。
【0034】実施例3 前記実施例1において使用したABS樹脂を、ポリスチ
レン樹脂(PS樹脂)、ポリエチレン樹脂(PE樹
脂)、又は ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)に代え
て、他は実施例1と同様に操作して作製したペレット
(成形材料)のそれぞれを、さらに実施例1と同様に操
作して平板状の成形品を製造した。なお、得られたペレ
ットは、本発明でいう成形材料の一実施態様に相当する
ものである。
【0035】 表3 配合割合(重量%) PS樹脂 40 − − PE樹脂 − 40 − PP樹脂 − − 40 EVAエラストマー 10 10 10 木粉 50 50 50 結果 外観良い 外観良い 外観良い
【0036】その結果、熱可塑性樹脂たるポリスチレン
樹脂(PS樹脂)、ポリエチレン樹脂(PE樹脂)、又
はポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の40重量%と、熱
可塑性エラストマーたるエチレン酢酸ビニル共重合体エ
ラストマー(EVA樹脂)10重量%と、粉砕した後1
00メッシュ篩を通過させた鋸屑木粉50重量%との混
合を、実施例1と同様に操作してペレット化し、つい
で、それぞれのペレットをさらに実施例1と同様に操作
して平板状の成形品を製造しても、口金形状の断面を有
し、その表面の全面が良好な木質感をもった成型品を成
形できることが解った(表3)。
【0037】実施例4 ABS樹脂56重量%と、EVA樹脂14重量%と、鋸
屑木粉30重量%との混合物、及びABS樹脂24重量
%と、EVA樹脂6重量%と、鋸屑木粉70重量%との
混合物の夫々について、実施例1と同様に操作してペレ
ット化し、ついで、それぞれのペレットをさらに実施例
1と同様に操作して平板状の成形品を製造した。なお、
得られたペレットは、本発明でいう成形材料の一実施態
様に相当するものである。
【0038】その結果、ABS樹脂とEVA樹脂の混合
割合が4:1である時、木粉の混合割合をその全体当た
り70重量%に増量しても、口金形状の断面を有し、そ
の表面の全面が良好な木質感をもった成型品を成形でき
ることが解った(表4)。
【0039】
【0040】実施例5 つぎに、ABS樹脂とEVA樹脂のトータル配合割合が
50重量%であり、かつABS樹脂とEVA樹脂とを
9:1、3:2、2:3 及び1:4の割合に配合した
夫々について、実施例1と同様に操作してペレット化
し、ついで、それぞれのペレットをさらに実施例1と同
様に操作して平板状の成形品を製造した。なお、得られ
たペレットには、本発明でいう成形材料の一実施態様に
相当するものがある。
【0041】 表5 配合割合(重量%) ABS樹脂 45 30 20 10 EVAエラストマー 5 20 30 40 木粉 50 50 50 50 結果 外観良い 外観良い 艶がない 外観悪い
【0042】その結果、ABS樹脂とEVA樹脂のトー
タル配合割合が50重量%であり、かつABS樹脂とE
VA樹脂とを9:1、3:2の割合に配合し、実施例1
と同様に操作してペレット化し、ついで平板状に成形し
た成形品は、口金形状の断面を有し、その表面状の全面
が良好な木質感をもつ成型品が成形できた。一方、AB
S樹脂とEVA樹脂のトータル配合割合が50重量%で
あり、かつABS樹脂とEVA樹脂とを2:3、1:4
の割合に配合し、実施例1と同様に操作してペレット化
し、ついで平板状に成形した場合は、熱可塑性エラスト
マーの影響がより強く出現するためか、成型品の形状保
持が難しくなるとともに、成型品に艶がなく、しかも、
ひびが入るようになることが解った(表5)。
【0043】比較例1 実施例1において、熱可塑性エラストマーたるエチレン
酢酸ビニル共重合体エラストマー(EVA樹脂)を配合
せずに、熱可塑性樹脂たるアクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン樹脂(ABS樹脂)50重量%と、粉砕し
た後100メッシュ篩を通過させた鋸屑木粉50重量%
とを混合して、以下実施例1と同様に操作し、平板状の
成形品を製造し、これを比較例とした。
【0044】
【0045】その結果、口金から吐出されてくる成型品
は、ぼさぼさであり、所望する所定形状に成形できなか
った(表6)。
【0046】以上の結果より、熱可塑性樹脂と木粉と熱
可塑性エラストマーとを混合、均一化して成形材料とな
し、ついで、この成形材料を成形することにより所望す
る所定形状に成形する木質系成型品の成型方法は、熱可
塑性樹脂と木粉との間に熱可塑性エラストマーを介在さ
せて柔軟に結合させることができ、これにより、熱可塑
性樹脂と木粉間に滑性を付与でき、熱可塑性樹脂に充填
する木粉量の増量ができる。すなわち、優れた機械強度
を有すると共に、その表面が滑らかであり、しかも、柔
軟性に優れた木質系成形品が簡単に製造できることが解
った。
【0047】ところで、本発明を実施する場合におい
て、最終製品たる成形品は何であってもよく、その全体
の外観形状や寸法形状などを限定するものではなく、本
発明の要旨を変更しない範囲内で適宜設計変更可能であ
る。また、上述した中間体として得られる前記ペレット
を出発の成形材料として使用しても構わない。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1乃至4記載
の木質系成形品の製造方法によれば、熱可塑性樹脂と木
粉との間に熱可塑性エラストマーを介在させて柔軟に結
合させることができ、これにより、熱可塑性樹脂と木粉
間に滑性を付与でき、熱可塑性樹脂に充填する木粉量の
増量ができるから、優れた機械強度を有すると共に、そ
の表面が滑らかであり、しかも、柔軟性に優れた木質系
成形品が簡単に製造できる。
【0049】特に、請求項3乃至4記載の木質系成形品
の製造方法によれば、請求項1乃至2記載の木質系成形
品の製造方法で得られる作用効果に加えて、前記木粉の
粒径が50μm〜2mmであるから、充填した木粉を熱
可塑性樹脂中に均一に分散させることができ、当該熱可
塑性樹脂に充填する木粉量の増量ができるという優れた
作用効果が得られる。
【0050】つぎに、請求項5乃至6記載の成形材料
は、熱可塑性樹脂と木粉と熱可塑性エラストマーとを混
合、均一化して成形されているから、熱可塑性樹脂と木
粉との間に熱可塑性エラストマーを介在させて当該熱可
塑性樹脂と木粉間に滑性を付与することができる。すな
わち、この成形材料を成形することにより、優れた機械
強度を有すると共に、その表面が滑らかであり、しか
も、柔軟性に優れた木質系成形品が簡単に製造できると
いう優れた作用効果が得られる。
【0051】特に、請求項7乃至8記載の発明に係る成
形材料によれば、請求項5乃至6記載の成形材料で得ら
れる作用効果に加えて、充填した木粉を熱可塑性樹脂中
に均一に分散させることができ、熱可塑性樹脂に充填す
る木粉量の増量ができる。また、熱可塑性樹脂と木粉と
の間に熱可塑性エラストマーを介在させて当該熱可塑性
樹脂と木粉間の滑性が向上しているから、この成形材料
を成形することにより、優れた機械強度を有すると共
に、その表面が滑らかであり、しかも、柔軟性に優れた
木質系成形品が簡単に製造できるという優れた作用効果
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 97/02 27:06) (C08L 97/02 23:00)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と木粉との混合物を主発原
    料として成形品を製造する木質系成形品の製造方法にお
    いて、 前記混合物に熱可塑性エラストマーを混合、均一化して
    成形材料となし、該成形材料を成形することを特徴とす
    る木質系成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記木質系成形品の製造方法において、 前記熱可塑性エラストマーは、エチレン酢酸ビニル共重
    合体エラストマー、エチレン・エチレンアクリレート共
    重合体エラストマー、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(可塑剤
    を20〜60部の割合で添加したポリ塩化ビニル樹
    脂)、又はポリオレフィン系樹脂エラストマーのいずれ
    かであることを特徴とする請求項1記載の木質系成形品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記木質系成形品の製造方法において、 前記木粉は、その粒径が50μm〜2mmであり、か
    つ、全体に対する配合割合が10〜90重量%の範囲内
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の木質系成
    形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記木質系成形品の製造方法において、 前記熱可塑性エラストマーの全体に対する配合割合が
    0.1〜20重量%の範囲内であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか記載の木質系成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 木質系成形品を製造すべく使用する成形
    材料であって、 熱可塑性樹脂と木粉の混合物に、熱可塑性エラストマー
    を混合、均一化してなることを特徴とする成形材料。
  6. 【請求項6】 前記成形材料において、 前記熱可塑性エラストマーは、エチレン酢酸ビニル共重
    合体エラストマー、エチレン・エチレンアクリレート共
    重合体エラストマー、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(可塑剤
    を20〜60部の割合で添加したポリ塩化ビニル樹
    脂)、又はポリオレフィン系樹脂エラストマーのいずれ
    かであることを特徴とする請求項5記載の成形材料。
  7. 【請求項7】 前記成形材料において、 前記木粉は、その粒径が50μm〜2mmであり、か
    つ、全体に対する配合割合が10〜90重量%の範囲内
    であることを特徴とする請求項5又は6記載の木質系成
    形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記成形材料において、 前記熱可塑性エラストマーの全体に対する配合割合が
    0.1〜20重量%の範囲内であることを特徴とする請
    求項5〜7のいずれか記載の成形材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181511A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Toyo Science Co Ltd 成形加工用の紙含有樹脂組成物
KR101118890B1 (ko) * 2011-05-04 2012-03-20 김용조 조형물 제작용 조성물 및 이를 이용한 등 커버와 지지대의 제조방법 그리고 이들의 조합으로 된 조명 기구
KR101346022B1 (ko) * 2012-01-10 2013-12-31 김용조 다양한 형상을 갖는 장식 조형물의 제조방법 및 이 방법에 사용되는 장식 조형물 제작용 조성물 키트

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