JPH10249738A - ロール研磨用カップブラシ - Google Patents

ロール研磨用カップブラシ

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JPH10249738A
JPH10249738A JP6443297A JP6443297A JPH10249738A JP H10249738 A JPH10249738 A JP H10249738A JP 6443297 A JP6443297 A JP 6443297A JP 6443297 A JP6443297 A JP 6443297A JP H10249738 A JPH10249738 A JP H10249738A
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JP
Japan
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bristle
bristles
layer
cup brush
planted
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JP6443297A
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English (en)
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Susumu Norota
進 野呂田
Takamitsu Kondo
孝光 近藤
Toshiharu Takao
敏晴 高尾
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、精密仕上げを必要とするロールの
研磨工程に関して、工程短縮化と長期連続使用を可能に
し、また、乾式羽布による技術上のさまざまな問題点を
何等の技術的熟練を必要としない湿式方式によって解決
し、さらに精密仕上げを必要とするロールの琢磨工程に
関してヘドロ等の環境問題を解決するロール研磨用カッ
プブラシを提案することにある。 【解決手段】 本発明は、円盤状台座の表面に該円盤状
台座の円周方向に沿って一様に傾斜配列した剛毛がリン
グ状に植毛されて剛毛部を形成するカップブラシであっ
て、該剛毛の傾斜植毛角が7〜70°の範囲にあり、該
剛毛部が植毛樹脂層、独立剛毛層、及び接合剛毛層から
なり、該接合剛毛層は剛毛が相互にゴム弾性樹脂で部分
接合されてなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロール研磨用カッ
プブラシに関し、さらに詳しくはグラビヤ印刷版銅シリ
ンダーロールやフィルム製造工程のガイドロール等の精
密表面仕上を必要とするロール表面を研磨加工するため
のカップブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】グラビヤ印刷版銅シリンダーロールやフ
ィルム製造工程のガイドロール等の精密仕上げを必要と
するロールは、何段階もの研磨仕上げ工程を必要とする
ばかりでなく、それぞれの工程に全く異なる研磨機械と
研磨工具が使用されることが多い。そのために多くの時
間と熟練労力を必要とし、ロール製造費用に占める研磨
費用の割合が非常に高くなっている。例えば、グラビヤ
印刷版銅シリンダーロールの研磨工程では、樹脂砥石に
よる精度出し工程、弾性砥石を使う仕上げ工程、羽布に
よる琢磨工程の3工程が必要とされている。そのうち前
2工程は同一機械の使用も可能であるが、研磨条件が全
く異なるために多数のロールを連続的に研磨するには極
めて不便であり、結局別の機械を使用することが多い。
また琢磨工程は工具(羽布)の形が全く異なるために前
2工程の機械は使用できない。
【0003】従来から行われている精密仕上げを必要と
するロールの研磨仕上げ方式は費用上の問題点ばかりで
なく環境問題というもっと深刻な問題も抱えている。す
なわち、樹脂砥石や弾性砥石はその構造に起因する目詰
まりを防ぐために砥石自身を著しく減らして研磨能力を
発揮するものであるから、研磨時に発生するヘドロの量
が非常に多くなる。また、羽布工程では騒音の発生問題
や併用する鏡面処理剤の処理問題が深刻である。
【0004】このような問題を抱えながらも従来方式に
頼らざるを得ないのは、精密メッキ仕上げをするような
ロールでは表面状態への要求特性が極めて厳しいからで
ある。例えば、グラビヤ印刷の版銅シリンダーロールの
場合、羽布工程で琢磨仕上げを行い外見上はきれいな鏡
面を呈していても彫刻製版して印刷してみると砥石研磨
特有の砥石目が浮き出るといった問題がしばしば発生
し、これを防ぐために羽布加工を強化すると摩擦熱によ
り表面材質が変化して彫刻製版工程で問題が発生した
り、あるいは表面があまり平滑になりすぎてインクのの
りが悪くなる等のさまざまな問題が発生することが多
い。
【0005】剛毛を傾斜植毛させたカップブラシに関し
ては、実開平2−9125号公報や、実開平3−105
329号公報、実開平4−112630号公報に記載さ
れているがいずれも前記の問題点を解決できるものでは
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題の1つは前記のような精密仕上げを必要とする
ロールの研磨工程に関して、工程短縮化と長期連続使用
を可能にし、これにより大幅なコスト低減をはかること
である。
【0007】本発明が解決しようとする課題の他の1つ
は前記のような精密仕上げを必要とするロールの琢磨工
程に関して、従来の研磨工具によって発生するヘドロ等
の環境問題を解決することである。
【0008】本発明が解決しようとする課題のさらに他
の1つは前記のような精密仕上げを必要とするロールの
研磨工程に関して、乾式羽布による技術上のさまざまな
問題点を何等の技術的熟練を必要としない湿式方式によ
って解決することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するに
は従来使用されている研磨工具とは全く異なる工具を発
明する必要があるが、本発明者等は全く新しい構造のカ
ップブラシを提案することによりこの課題を解決したも
のである。すなわち本発明は、円盤状台座の表面に該円
盤状台座の円周方向に沿って一様に傾斜配列した剛毛が
リング状に植毛されて剛毛部を形成するカップブラシで
あって、該台座表面の垂直方向と該植毛された剛毛の長
さ方向の軸とのなす傾斜植毛角が7〜70°の範囲にあ
り、該剛毛部は植毛樹脂層、独立剛毛層、及び接合剛毛
層からなり、該接合剛毛層は剛毛が相互にゴム弾性樹脂
で部分接合されてなることを特徴とするロール研磨用カ
ップブラシにある。
【0010】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は、本発明のカップブラシの中心線を通る縦断
面を模式的に示した断面図である。図1に示すように本
発明のカップブラシは、剛毛1が円盤状台座2の円周方
向に沿って一様に傾斜植毛した状態でリング状に植毛さ
れた構造体である。即ち、それぞれの剛毛1は円盤状台
座2の円周方向に実質的に同じ角度で傾斜しながら同じ
密度状態で配列されている。図1では中心線を通る縦断
面の剛毛1は円盤状台座2の表面Dに対して垂直に見え
る位置に配置されているが、これは該剛毛1が円盤状台
座2の直径方向に対して垂直となる方向に植毛されてい
るためであって、本発明はこれに限定されるものではな
い。さらに、該剛毛1は該円盤状台座2の表面Dの垂直
線3に対してはαの角度(以下、傾斜植毛角αという)
を有して植毛されるが、本発明では該傾斜植毛角αが7
〜70°の範囲になるように植毛されていることが重要
であり、より好ましくは15〜45°の範囲に植毛され
る。
【0011】該傾斜植毛角αが、7度未満では垂直植毛
されたものと変りがなくなり適度な弾性が失われるばか
りか、剛毛1が強く被研磨体に接触するので打ち傷状の
研磨むらとなったり、剛毛の先端部が折れたりするので
好ましくない。一方、該傾斜植毛角αが、70度を超え
ると研磨性能が低下するとともに円盤状台座2の円周方
向にそって一様に傾斜配列させリング状に植毛させるこ
とが困難となってブラシ構造が不安定になるため使用中
に変形を起こし研磨性能が大きく変わりやすくなるので
好ましくない。
【0012】本発明のカップブラシに使用する剛毛1の
主成分である高分子材料としては、通常のブラシに一般
的に使用されているナイロンやポリプロピレンのような
熱可塑性高分子を採用してもよいが、メタ系芳香属ポリ
アミドが最適に使用できる。該メタ系芳香属ポリアミド
とは、全繰り返し単位の85モル%以上がメタフェニレ
ンイソフタルアミド単位であるホモポリアミドまたはコ
ポリアミドである。
【0013】メタ系芳香属ポリアミドが他のブラシ用高
分子材料に比べて好適な理由は下記のとおりである。 (a)融点が約400℃、ガラス転移温度が約270℃
と耐熱性が抜群に高いので被研磨ロールとの激しい摩擦
で発生する熱で溶融したり、又は軟化してダイヤモンド
砥粒の研磨効果を妨げることが少ない。 (b)弾性率が高いので下記に述べるダイヤモンド砥粒
の保持性と被研磨材への加圧性が高い。 (c)常温のみならず高温時の耐磨耗性に優れる。
【0014】さらに該剛毛1には特殊な場合を除いて平
均粒径が1〜100μmの研磨砥粒が0.5〜40重量
%混合されたものが有効である。該砥粒の種類は、アル
ミナや炭化けい素等の一般によく知られているものも使
用可能であるが、本発明の課題を解決するにはダイヤモ
ンド砥粒が最も好ましい。精密仕上げ領域では、剛毛1
の主成分である高分子材料に混合される砥粒は硬いほど
その研磨性能を効果的に発揮するからである。
【0015】該剛毛1の繊度は、100〜3000デニ
ールの範囲のものが好ましいが、さらに好ましい範囲は
300〜1000デニールである。本発明のような特殊
なカップブラシでは、該繊度があまり細すぎると研磨能
力が低下したり剛毛先端が振動しやすくなって打ち傷状
の研磨むらが発生する。また、あまり太すぎると剛毛1
本の押し付け圧が高くなり筋状の研磨むらとなって現れ
るので好ましくない。また、好ましい剛毛の形態は、直
線形状よりも1インチ間に3〜15コの山数を有し直線
に伸ばした時の長さが見掛けの長さの1.01〜1.1
倍程度のゆるやかな巻縮形状を有しているものが好まし
い。
【0016】本発明のカップブラシは、該剛毛1の植毛
状態により独立剛毛層6、接合剛毛層5、植毛樹脂層4
に区別される。該植毛樹脂層4は、剛毛1が円盤状台座
2の表面Dの円周方向に一様に傾斜配列して植毛樹脂で
リング状に接着植毛されている部分であり、図1で示せ
ばCからDまでの部分である。接着植毛に使用する該植
毛樹脂は、特に指定するものではないが、接着力が強く
耐熱性の優れた合成樹脂、例えば、エポキシ系樹脂等が
好ましく例示される。
【0017】また、独立剛毛層6は、カップブラシの表
面Aから深さ1〜10mmのBまでの実質的に剛毛のみ
で構成されている部分であって、外見的には単純な傾斜
植毛カップブラシと変わらない表面外観を示す部分であ
る。該カップブラシの表面AからBまでの深さは、より
好ましくは3〜7mmである。
【0018】さらに該接合剛毛層5とは、該植毛樹脂層
4と独立剛毛層6により挟まれた位置にあり、図1で示
せばBからCで示される部分にあり、ゴム弾性を有する
樹脂で部分接合されている層である。該接合剛毛層5の
厚さと前記独立剛毛層6の厚さの相互の関係でいえば該
接合剛毛層5の厚さが該独立剛毛層6の厚さの1.5倍
であるものが好ましい。該独立剛毛層6は、研磨の際に
自由に振動する剛毛を有し、しかも該独立剛毛層6の下
部には振動を吸収する柔らかな粘塑弾性的挙動をする接
合剛毛層5の存在が不可欠である。
【0019】該接合剛毛層5に使用するゴム弾性樹脂と
しては、アクリルゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタ
ジエンゴム、ウレタンゴム等一般によく知られている人
造または天然ゴムが使用できるが、できるだけ柔らかで
伸度が高く、且つ、耐熱性と耐水性に優れたものが好ま
しい。また発泡状態のゴム弾性樹脂を使用することも有
効である。
【0020】
【発明の作用】研磨工具としてのカップブラシの構造
は、従来から知られているが、従来のカップブラシでは
剛毛が被研磨体の表面に接触しながら回転する際により
激しく振動するから被研磨体の表面に打ち傷を形成す
る。該カップブラシにどんなに細かい砥粒を混合して用
いても、羽布仕上げのような鏡面仕上げが達成できな
い。このため工具の構造や外形に起因する研磨目が付き
にくいこと、及び、ロールの仕上げ程度が工具の銘柄選
定のみで単純に決められることの条件を満たすものでは
ない。さらにカップブラシの弾性が、磨耗による剛毛の
長さ変化や、剛毛自身の座屈へたりによって変わるので
研磨過程で研磨性能が変化しないことの条件も満たすこ
ともできない。
【0021】一方、本発明のカップブラシでは、自由振
動をする剛毛1の独立剛毛層6に適度な弾性と目詰まり
防止性を付与すべくできる範囲で極力短くして該自由振
動の振幅を少なくして固有振動数を高くすると共に傾斜
植毛角の効果によって剛毛1の先端が被研磨体の表面に
接触して該表面を損傷するのを防ぎ、さらに独立剛毛層
6に発生した振動を適度な粘塑弾性を示す接合剛毛層5
で吸収し、ブラシ回転による打ち傷の発生を減少させる
ことができる。なお、本発明のカップブラシを使用する
にあたっては、カップブラシの回転方向としては剛毛を
寝かす方向に回転させて前記の作用が得られる。
【0022】また、本発明のカップブラシを使用する過
程で前記の独立剛毛層6の厚さ(図1のAからB)が磨
耗によって短くなるとの懸念が生ずるが、接合剛毛層5
の形成に際して剛毛を相互に接合するゴム弾性樹脂とし
て前記の樹脂を選定すれば、独立剛毛層6が激しく振動
するにつれて隣接する接合剛毛層5の境界部では少しづ
つ弾性樹脂が破壊されて脱落し短くなる。該独立剛毛層
6の厚さが小さくなるほど該破壊が大きくなり、逆に独
立剛毛層6の厚さが大きくなるほど該破壊が小さくなる
から、一定の条件で使用する限り長時間の使用が可能に
なる。
【0023】
【発明の効果】本発明のカップブラシは精密仕上げを必
要とするロールの研磨工具として下記の優れた効果を発
揮する。 (1)ロール形状の被研磨体を均一に研磨する工具とし
て最適な工具形状であるカップ形状であり、弾性砥石等
を使用する既存の研磨機に取り付けても容易に使用でき
る。 (2)独立剛毛層6の先端が微小振動して研磨屑を排除
するので目詰りの心配がない。 (3)従来の樹脂砥石や弾性砥石のように砥石自身を著
しく減らして研磨能力を出す必要がない。特に、磨耗の
極めて少ないメタ系芳香属ポリアミドを主成分とする高
分子中に研磨性の大きなダイヤモンド砥粒を混合した剛
毛を採用した場合には、「減りにくくて切れの良い」と
いう効果を発揮する。 (4)従来の琢磨用工具である羽布のように研磨助材を
必要とせず、水のみによる湿式研磨ができるから、ヘド
ロの心配がなく簡単なフィルターで排水処理ができる。 (5)従来の樹脂砥石のように硬くなく、また従来の単
純なカップブラシのように柔らかすぎずロール表面への
馴染みもよいので、研磨作業に熟練を必要としない。 (6)適度な弾性と剛毛先端の微小振動によってカップ
形砥石特有の研磨模様が出ず、また従来カップブラシの
最大の欠点である打ち傷状の研磨目が出ない。 (7)研磨にかかわる基本構造の変化が少ないので長期
連続使用しても研磨性能が変化しない。 (8)従来は、精度出し工程はカップ式研磨機による樹
脂砥石研磨、琢磨工程はロール研磨機よる羽布研磨とい
うような仕上げ程度によって全く異なる機械で、しかも
全く異なる工具を使用すして行なっていたが、そのよう
な必要はなく、単一機械を使用して単純に剛毛に混合さ
れているダイヤモンドの粒度によるカップブラシの銘柄
を選定するだけで従来と同じ作業が可能になる。
【0024】
【実施例】
[実施例1]微粉末含有アラミド組成物を用いて、平均
粒径が9μmのダイヤモンド砥粒を10重量%含み繊度
が900デニールで捲縮数が7/インチのメタ系芳香属
ポリアミド剛毛を製造した。(原料組成の製造方法は、
特公平7ー91458号公報、剛毛の製造は、特公平4
ー37163号公報参照)
【0025】この剛毛を22mmの長さに切断し、外径
が203mmで内径が100mmのリング状アルミニウ
ム台座の上にセメダイン(株)社製のエポキシ樹脂系接
着剤EP−128を約2mmの厚さにコーティングした
植毛樹脂層の上に該台座の円周方向に沿って傾斜配列さ
せリング状に植毛させた。このとき該台座の表面と傾斜
植毛された剛毛の表面との間隔を20mmに規制したの
で該傾斜植毛角αが24.6°になり、見掛けの植毛密
度は1立方センチメートルあたり0.67grとなっ
た。次に、この配列状態を保持したままで、温度120
℃で3時間熱処理してエポキシ系樹脂を硬化させること
により剛毛が傾斜植毛されたカップブラシを成形した。
【0026】次にガンツ化成(株)製のアクリル酸エス
テルを主成分とするウルトラゾールN−34の発泡エマ
ルジョンを該植毛された剛毛重量に対して固形分換算で
20重量%含浸させ、温度50℃で5時間乾燥させてか
ら温度120℃で1時間処理を施してゴム弾性発現のた
めの架橋結合を行なった。なお、このウルトラゾールN
−34皮膜の100%伸長モジュラスは1平方センチメ
ートルあたり2.0kgである。
【0027】このような樹脂加工処理によってカップブ
ラシに植毛された剛毛は、アクリル酸エステルの発泡ゴ
ム弾性体で剛毛の先端から植毛樹脂層表面に至るまでが
一様に相互に部分接合される。本発明のカップブラシに
するために下記の表面加工を行なう。すなわち、前記の
樹脂加工処理を施したカップブラシをカップ型平面研磨
機に取付けて、長さ4mmの針を5mm間隔で植えた植
針板を下部の移動台に設置し、次いで該カップブラシを
回転させながら漸次下げて往復移動する該植針板の針を
4mmに食い込ませた。その結果、剛毛の先端から約4
mmまでの間の剛毛相互の部分接合は切断され、且つ、
発泡アクリル樹脂もかきおとされるのでその部分が独立
剛毛層を形成する。さらに、該カップブラシの表面を均
一にするために該植針板に代えてダイヤモンド平面砥石
を移動台に設置し、再度カップブラシを回転て該平面砥
石の表面に接触させて該独立剛毛層の先端を約1mm削
りとって該独立剛毛層の先端面を平滑にし本発明のカッ
プブラシを2個を作成した。
【0028】得られたカップブラシの1個を図1に示す
ような断面に切断し調べたところ、独立剛毛層の厚さは
平均4mm、接合剛毛層の厚さは平均12mmであっ
た。さらに得られたカップブラシの他の1個を弾性砥石
用の円筒研削仕上げ機に取り付け、#800の樹脂砥石
で研磨され砥石特有の研磨目がはっきり残っているグラ
ビヤ印刷版銅シリンダーロールを1往復湿式研磨したと
ころ下記の結果が得られた。
【0029】(1ー1)表面の平均粗さRaが0.25
μmであった砥石の研磨目が完全に消え、Raは目標通
り0.06となった。 (1ー2)耐久性と研磨性能の変化を調べるためにカッ
プブラシが12mm磨耗するまで同一条件の研磨テスト
を行ったところ、表面粗さは全くかわらず従来の弾性砥
石の約40倍すなわち合計1600本のロールを研磨す
ることができた。 (1ー3)排水に含まれる固体の量は従来の弾性砥石の
約1/100でありその成分は90%以上が銅粉であっ
た。
【0030】[実施例2]実施例1において、平均粒径
が9μmのダイヤモンド砥粒のかわりに3μmのダイヤ
モンド砥粒を採用する以外は実施例1と全く同じ条件で
カップブラシを作成した。このブラシを実施例1と同じ
円筒研磨機に取り付け、実施例1のブラシで精密研磨仕
上げしたロールの琢磨試験を行ったところ下記の結果が
得られた。
【0031】(2ー1)表面の平均粗さRaが0.06
μmであったロールの表面が最終琢磨目標通りの0.0
2となった。 (2ー2)このロールを通常のグラビヤ印刷用の彫刻製
版工程にかけたところ電子彫刻や硬質クロムメッキ等全
く問題がなかった。 (2ー3)前記の彫刻製版されたロールを用いて通常の
条件でグラビヤ印刷試験を行った。その結果、従来の羽
布で琢磨仕上げされたロールに比べて明らかに鮮明な印
刷が得られることがわかった。これはロール表面に従来
の乾式羽布のような表面材質の変化が全く無く、しかも
インクののりに不可欠なマイクロスクラッチが理想的に
施されているためと推察される。 (2ー3)従来の羽布による乾式琢磨仕上げ法に比べて
本発明のカップブラシによる湿式琢磨仕上げ法が騒音問
題やヘドロの発生等環境問題に画期的な改善をもたらす
ことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロール研磨用カップブラシの模式的断
面図である。
【符号の説明】
1 剛毛 2 円盤状台座 3 円盤状台座表面の垂直線 4 植毛樹脂層 5 接合剛毛層 6 独立剛毛層 α 傾斜植毛角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状台座の表面に該円盤状台座の円周
    方向に沿って一様に傾斜配列した剛毛がリング状に植毛
    されて剛毛部を形成するカップブラシであって、該台座
    表面の垂直方向と該植毛された剛毛の長さ方向の軸との
    なす傾斜植毛角が7〜70°の範囲にあり、該剛毛部は
    植毛樹脂層、独立剛毛層、及び接合剛毛層からなり、該
    接合剛毛層は剛毛が相互にゴム弾性樹脂で部分接合され
    てなることを特徴とするロール研磨用カップブラシ。
  2. 【請求項2】 剛毛がメタ系芳香族ポリアミドを主成分
    とし、且つ、平均粒径が1〜100μmのダイヤモンド
    砥粒を0.5〜40重量%の範囲で含有し、該剛毛の繊
    度が100〜3000デニールの範囲にある請求項1に
    記載のロール研磨用カップブラシ。
  3. 【請求項3】 独立剛毛層の厚さが、1〜10mmの範
    囲にある請求項1、又は請求項2に記載のロール研磨用
    カップブラシ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000152823A (ja) * 1998-11-24 2000-06-06 Yuichiro Niizaki ブラシ用毛材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000152823A (ja) * 1998-11-24 2000-06-06 Yuichiro Niizaki ブラシ用毛材

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