JPH10249518A - ワイヤ供給機構 - Google Patents

ワイヤ供給機構

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JPH10249518A
JPH10249518A JP5345797A JP5345797A JPH10249518A JP H10249518 A JPH10249518 A JP H10249518A JP 5345797 A JP5345797 A JP 5345797A JP 5345797 A JP5345797 A JP 5345797A JP H10249518 A JPH10249518 A JP H10249518A
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wire
shape memory
memory alloy
coil
valve
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JP5345797A
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Yuichiro Takahashi
裕一郎 高橋
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】単純な構造で、簡単に操作ができ、しかも小型
化したワイヤ供給装置を提供する。 【解決手段】ワイヤ供給供給機構において、送り出され
るワイヤ1に沿って配されるとともにワイヤ1を送り出
す動力となる形状記憶合金製の駆動体3と、駆動体3の
一端に取着されワイヤ1を一方向のみに送り出し可能な
送り出し弁5と、駆動体3の他端とワイヤ1を内包する
ワイヤ誘導部材2とに取着されワイヤ1の送り出し方向
と逆方向へのワイヤ1の移動を阻止する逆止弁4とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、狭隙部に挿入し溶
接等の補修作業を行う小型補修機器などの先端にワイヤ
状の補修部材等を供給するワイヤ供給機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、細径ワイヤの供給装置には、糸は
んだ自動供給装置として、実公平3−7075号公報所
載の技術が開示されている。この糸はんだ自動供給装置
は、基板などの上に電子部品を半田付けする際に、半田
付け部にワイヤ状の糸半田を供給するものである。図1
8は、この糸はんだ自動供給装置の要部縦断面図であ
る。図18において、糸はんだ自動供給装置は、図示を
省略したモータで駆動される一対の送りローラ108、
109を有する糸半田挟み機構と、糸半田110の直径
に対して遊び量を最小にかつ自由に通過できるように通
路径が形成されかつその通路端が送りローラ108、1
09の直近位置まで延びている糸半田誘導路128、1
29と、糸半田110を半田付け点に送り出す糸半田ノ
ズル130と、糸半田ノズル130に設けた糸半田誘導
路131とにより構成されている。
【0003】上記構成の糸はんだ自動供給装置におい
て、図示を省略した半田付け対象ワークが、所定の位置
に位置決めされると、図示を省略したモータにより、送
りローラ108、109が回転し、糸半田誘導路128
を通過してきた糸半田110が糸半田誘導路129、1
31を通過して、半田付け点に向かって送り出される。
所定の位置まで送られた糸半田110は溶融され、半田
付けが行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、マイクロマシン
等の開発現場においては、補修機器の小型化が要請さ
れ、ワイヤ供給機構もその一端に位置付けられている。
こうした現状に鑑み、上記糸はんだ自動供給装置には、
つぎのような問題点があった。即ち、上記糸はんだ自動
供給装置では、モータで駆動された一対の送りローラに
よるワイヤ(糸半田)挟み機構により、所定の送り動作
を行っている。そのため、装置の大きさは一対のローラ
が占める体積以下にはならないこと、および、軸受けや
モータ等を用いた複雑な構造となることなどにより、上
記糸はんだ自動供給装置は、小型化には不向きであると
いう問題点を有していた。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1、2または3に係る発明の課題
は、単純な構造で、簡単に操作ができ、しかも小型化し
たワイヤ供給装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、ワイヤ供給供給機構におい
て、送り出されるワイヤに沿って配されるとともに前記
ワイヤを送り出す動力となる形状記憶合金製の駆動体
と、該駆動体の一端に取着され前記ワイヤを一方向のみ
に送り出し可能な送り出し弁と、前記駆動体の他端と前
記ワイヤを内包するワイヤ誘導部材とに取着され前記ワ
イヤの送り出し方向と逆方向への前記ワイヤの移動を阻
止する逆止弁とを備えたことを特徴とする。請求項2に
係る発明は、請求項1に係る発明において、前記形状記
憶合金は伸縮または湾曲するものからなり、前記駆動体
の動作範囲を規制するストッパーを設けたことを特徴と
する。請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る
発明において、前記駆動体を冷却する冷却機構を設けた
ことを特徴とする。
【0007】請求項1に係る発明によると、駆動体に対
する加熱と冷却を繰り返すことで、駆動体を形成する形
状記憶合金の記憶効果により、駆動体が送り出し弁を駆
動し、送り出し弁と逆止弁とが交互に働いてワイヤを送
り出す。請求項2に係る発明の作用では、上記請求項1
に係る発明の作用に加え、前記駆動体の一回あたりの動
作によるワイヤ送り量がストッパーにより定量に規制さ
れる。請求項3に係る発明の作用では、上記請求項1ま
たは2に係る発明の作用に加え、冷却機構により駆動体
を冷却することにより、駆動体の動作を速める。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、ワイヤを送り出す駆動
力を、従来技術がモータおよびローラで得ているのに対
し、駆動体として形状記憶合金を用い、形状記憶合金の
1方向形状記憶効果または2方向記憶効果を応用して、
ワイヤ送り出しのための駆動力を得るものである。上記
形状記憶合金は、変態開始温度以上に加熱され、その
後、室温まで冷却されることによって、伸縮または湾曲
し、駆動体のワイヤ送り出し方向の長さが、ワイヤの送
り出し量に相当する長さだけ変化するものを用いる。形
状記憶合金の加熱方法としては、形状記憶合金自体に電
流を流して、該形状記憶合金をヒータとして使用する
か、もしくは、加熱ガス等で形状記憶合金を加熱し、該
形状記憶合金に伸縮または湾曲運動を励起させる。ま
た、形状記憶合金にヒータ線または板を貼り、このヒー
タ線または板に通電することで加熱する方式でもよい。
【0009】駆動体は、ワイヤの長手方向に対応する寸
法が変化するのみなので、駆動体と送り出し弁および逆
止弁との協調により、ワイヤを一方向のみに送り出す構
造を採用した。送り出し弁は、駆動体の一端に取着され
ていることが必要であるが、送り出し弁が駆動体を形成
する形状記憶合金の伸縮または湾曲によりワイヤの送り
出し方向へ動くときに、例えば、ワイヤを把持して、ワ
イヤを一方向のみに送り出す構造とする。逆止弁は、ワ
イヤを内包するワイヤ誘導部材に取着されていることが
必要であるが、駆動体を形成する形状記憶合金の伸縮ま
たは湾曲するときに、ワイヤがその送り出し方向と逆の
方向へ移動することを阻止する構造であればよい。
【0010】駆動体は、それを形成している形状記憶合
金が、加熱冷却されることにより、ワイヤの長手方向に
対応する寸法が変化するが、ワイヤ供給機構の使用環境
により、加熱・冷却の最終温度が異なり、変化する寸法
も異なる場合がある。そこで、駆動体のワイヤ送り出し
方向の長さの変化量がワイヤの送り出し量より大きくな
るように形状記憶した形状記憶合金を用いるとともに、
駆動体の動作範囲を規制するストッパーを設けることに
より、駆動体の1回当たりの動作によるワイヤ送り量を
より正確に一定にする構造を採用した。本構造において
は、形状記憶合金がワイヤの送り出し量より大きく変化
するように形状記憶されている。従って、定常状態で
は、ストッパーによって動きが規制されている状態にあ
るので、形状記憶合金にバネ応力が残留している。その
ため形状記憶の時効(劣化)に影響を及ぼすが、形状記
憶合金の変化が規制範囲を大きく上回らないようにする
など、残留するバネ応力を極力小さくするように設計す
ることが可能である。ストッパーは、上記形状記憶合金
が伸縮するものにあっては、その伸縮量を規制するもの
であり、上記形状記憶合金が湾曲するものにあっては、
その湾曲量を規制するものであればよい。
【0011】また、形状記憶合金の冷却については、自
然冷却でもよいが、駆動体を冷却する冷却機構を設ける
ことにより、駆動体の動作を速める構造を採用した。
【0012】本発明の実施の形態によれば、ワイヤ送り
機構の小型化を達成し、単純な構造、簡単な操作で、ワ
イヤの送り出し量の制御を実現することができる。
【0013】以下、本発明の実施の形態をより具体化し
た実施の形態を説明する。
【0014】
【発明の実施の形態1】図1〜図4は発明の実施の形態
1を示し、図1はワイヤ供給機構の初期状態を示す縦断
面図、図2は逆止弁の左側面図、図3はワイヤ供給機構
の収縮状態を示す縦断面図、図4はワイヤ供給機構の送
出し状態を示す縦断面図である。
【0015】図1において、被供給物たるワイヤ1は、
ワイヤ誘導部材たるチューブ2の誘導路2aに挿通され
た状態で内包されている。チューブ2の端面2bには、
逆止弁4が固着されている。逆止弁4は、中心に向けて
4本の爪4a(図2参照)が形成され、この爪4aによ
りワイヤ1が把持され、ワイヤ1が送り出し方向(図1
矢印Aの方向)に移動するときは、爪4aとワイヤ1と
の間に接触抵抗がなく、ワイヤ1が逆方向に移動しよう
とするときは、爪4aとワイヤ1との間に接触抵抗が発
生して、ワイヤ1の移動を阻止する。なお、図2では、
爪4aは4本に形成されているが、3本以上あればよ
い。
【0016】逆止弁4の爪4a側の端面には、駆動体た
るコイル3が取着されている。コイル3はNiTi合金
からなる形状記憶合金で形成され、100℃以上に加熱
されると収縮し、室温まで冷却されると延伸するように
形状記憶処理されている。コイル3の両端面には、それ
ぞれ導線7が接続されており、加熱装置6に導通してい
る。加熱装置6はコイル3自体に電流を流して、コイル
3を形成する形状記憶合金を加熱する。コイル3の先端
面には、送り出し弁5が固着されている。送り出し弁5
は、逆止弁4と同様に、中心に向けて4本の爪5aが形
成され、この爪5aによりワイヤ1が把持され、コイル
3の伸縮に応じてワイヤ1の送り出し方向(矢印Aの方
向)およびその逆方向に動き、送り出し弁5が逆方向に
動くときには、爪5aとワイヤ1との間に接触抵抗がな
く、ワイヤ1の送り出し方向に動くときには、接触抵抗
が発生してワイヤ1を一方向のみに送り出す構造となっ
ている。なお、逆止弁4および送り出し弁5は、プラス
チックなどの絶縁性材料から形成されている。
【0017】つぎに、上記構成のワイヤ供給装置の作用
を説明する。図1において、加熱装置6により、コイル
3に通電して、形状記憶合金を100℃以上に加熱す
る。すると、図3に示すように、コイル3は送り出し弁
5とともに、距離α1 だけ収縮する。このとき、逆止弁
4とワイヤ1との接触抵抗により、ワイヤ1の動きが阻
止されて、送り出し弁5から距離α1 分のワイヤ1が繰
り出される。つぎに、加熱装置6による通電を停止する
と、図4に示すように、形状記憶合金が大気により室温
まで冷却され、コイル3は延伸して元の状態に戻る。こ
のとき、送り出し弁5とワイヤ1との接触抵抗により、
ワイヤ1はチューブ2より距離α1 だけ送り出される。
【0018】本発明の実施の形態1によれば、形状記憶
合金からなるコイルの伸縮と、送り出し弁および逆止弁
の爪の働きとにより、ワイヤ送り機構の小型化を達成
し、単純な構造、簡単な操作で、ワイヤの送り出し量の
制御を実現することができる。また、形状記憶合金の伸
縮方向と、ワイヤ送り出し方向とが一致しているので、
一度位置決めすれば、同一位置にワイヤを供給すること
ができ、また、非常に狭隙な場所でもワイヤを供給する
ことができる。
【0019】本発明の実施の形態1では、コイル3は、
加熱された時に収縮し、冷却された時に延伸するように
形状記憶されているが、加熱された時に延伸し、冷却さ
れたときに収縮するように形状記憶させてもよい。この
場合、定常状態すなわち形状記憶合金が室温であるとき
には、図3の状態にあり、形状記憶合金が加熱される
と、図4のようにワイヤを送り出すことになる。加熱さ
れて延伸する方が、形状記憶合金が形状回復状態に移行
するので、冷却されて延伸するより大きな力が得られ、
ワイヤの送り出しに都合がよい。
【0020】また、本発明の実施の形態1では、形状記
憶合金として、2方向形状記憶合金を用いたが、1方向
形状記憶合金を用いてもよい。例えば、加熱されて収縮
するように形状記憶された1方向形状記憶合金を用いる
場合には、バイアスバネを用いて伸張させればよいの
で、図1において、コイル1の内径より細い外径のバイ
アスバネを、コイル1の内側に配置し、そのバイアスバ
ネの両端をコイル1と同様に送り出し弁5と逆止弁4と
に連結固着すればよい。バイアスバネについては、形状
記憶合金が加熱されて収縮するときには送り出し弁がα
1 だけ移動し、形状記憶合金が冷却されるときには、送
り出し弁が元に戻るように、その弾性と長さを選択す
る。
【0021】
【発明の実施の形態2】図5〜図7は発明の実施の形態
2を示し、図5はワイヤ供給機構の初期状態を示す縦断
面図、図6はワイヤ供給機構の湾曲状態を示す縦断面
図、図7はワイヤ供給機構の送出し状態を示す縦断面図
である。本発明の実施の形態2は発明の実施の形態1と
同一部分が多いので、同一の部材には同一の符号を付
し、説明を省略する。
【0022】図5において、駆動体たるプレート11
は、逆止弁4と送り出し弁5との間のワイヤ1の片側
(図5では下側)に張架され、逆止弁4を介してチュー
ブ2に固着されている。プレート11はNiTi合金か
らなる形状記憶合金で形成され、100℃以上に加熱さ
れるとワイヤ1側に湾曲し、室温まで冷却されると直線
状になるように形状記憶処理されている。またプレート
11の両端部には、それぞれ導線7が接続されており、
加熱装置6に導通している。その他の構成は、発明の実
施の形態1と同様である。
【0023】つぎに、上記構成のワイヤ供給装置の作用
を説明する。図5において、加熱装置6により、プレー
ト11に通電して、形状記憶合金を100℃以上に加熱
する。すると、図6に示すように、プレート11は送り
出し弁5とともに、ワイヤ1側に湾曲し、同時にワイヤ
1も湾曲する。このとき、逆止弁4とワイヤ1との接触
抵抗により、ワイヤ1の動きが阻止されて、送り出し弁
5から、プレート11とワイヤ1との曲率半径の差によ
って生じる距離α2 分のワイヤ1が繰り出される。つぎ
に、加熱装置6による通電を停止すると、図7に示すよ
うに、形状記憶合金が大気により室温まで冷却され、プ
レート11は直線状に復元する。このとき、送り出し弁
5とワイヤ1との接触抵抗により、ワイヤ1はチューブ
2より距離α2 だけ送り出される。
【0024】本発明の実施の形態2によれば、形状記憶
合金からなるプレートの湾曲と、送り出し弁および逆止
弁の爪の働きとにより、ワイヤ送り機構の小型化を達成
し、単純な構造、簡単な操作で、ワイヤの送り出し量の
制御を実現することができる。また、プレートが加熱さ
れて、ワイヤを繰り出しているときには、送り出し弁す
なわちワイヤ供給機構の先端部がワイヤを供給すべき場
所から遠ざかっているので、その間にワイヤを供給すべ
き場所に加工を施すなどの作業を行うことが可能とな
る。具体的には、本実施の形態におけるワイヤ供給機構
を微小な肉盛り溶接を行う場合の肉盛り用ワイヤを供給
する手段として用いる場合や、半田付け機の半田供給手
段として用いる場合において、溶接機にあっては溶接場
所の清浄化等の前処理、半田付け機にあっては被半田付
け部品の供給、半田付け面の清浄化等の前処理などを施
す場合に有効である。
【0025】
【発明の実施の形態3】図8〜図12は発明の実施の形
態3を示し、図8はワイヤ供給機構の初期状態を示す縦
断面図、図9はワイヤ供給機構の収縮状態を示す縦断面
図、図10はワイヤ供給機構の送出し状態を示す縦断面
図、図11はストッパーの斜視図、図12はストッパー
の左側面図および正面断面図である。本発明の実施の形
態3は、発明の実施の形態1の構成にストッパーを付設
したものなので、同一の部材には同一の符号を付し説明
を省略する。
【0026】図8において、駆動体たるコイル21は形
状記憶合金からなり、合金の組成、並びにチューブ2、
逆止弁4および送り出し弁5との構造関係は、発明の実
施の形態1と同様であるが、コイル21の形状記憶合金
は、駆動体としてのワイヤ送り出し方向の長さの変化
が、ワイヤの送り出し量α3 に相当する長さより長くな
るように形状記憶されている。ストッパー22は、送り
出し弁5の移動量が最大でα3 になるように規制する突
起部22a、22bを設けている。また、ストッパー2
2は、チューブ2に固着され、コイル21と、チューブ
2とコイル21との間に固着された逆止弁4と、コイル
の先端に固着された送り出し弁5とを内包し、コイル2
1の伸縮時に送り出し弁5が突起部21a、21bに当
接するように構成されている。図11および図12に示
すように、ストッパー22は、ストッパー上部22Aと
ストッパー下部22Bとからなり、突起部22aと突起
部22bとの間に送り出し弁5を内包するように、スト
ッパー上部22Aとストッパー下部22Bとを合わせ、
それぞれ対向する面で接着剤にて貼り合わせている。そ
の他の構成は、発明の実施の形態1と同様である。
【0027】つぎに、上記構成のワイヤ供給装置の作用
を説明する。図8において、送り出し弁5は、ストッパ
ー22の突起部22aに当接した状態にある。加熱装置
6により、コイル21に通電して、形状記憶合金を10
0℃以上に加熱する。すると、図9に示すように、コイ
ル21は送り出し弁5を伴って収縮する。コイル21は
駆動体としてのワイヤ送り出し方向の長さの変化が、ワ
イヤ1の送り出し量α3 に相当する長さより長くなるよ
うに形状記憶されているので、送り出し弁5は距離α3
離れた突起部22bに当接するまで収縮する。このと
き、逆止弁4とワイヤ1との接触抵抗により、ワイヤ1
の動きが阻止されて、送り出し弁5から距離α3 分のワ
イヤ1が繰り出される。つぎに、加熱装置6による通電
を停止すると、図10に示すように、形状記憶合金が大
気により室温まで冷却され、コイル21の延伸と同時
に、送り出し弁5とワイヤ1との接触抵抗により、ワイ
ヤ1を把持したまま送り出し弁5が突起部22aに当接
して元の状態に戻る。この一連の動作により、ワイヤ1
はチューブ2より距離α3 だけ正確に送り出される。
【0028】本発明の実施の形態3によれば、発明の実
施の形態1の効果に加え、ワイヤ供給機構の使用環境に
よって加熱・冷却の最終温度が異なり、形状記憶合金の
ワイヤの長手方向の寸法変化量が変動しても、2ヶ所に
設けた突起部により送り出し弁の動作ストロークを規制
できるので、駆動体の一動作あたりのワイヤ送り量をよ
り正確に一定にすることができる。
【0029】本発明の実施の形態3において、突起部2
2bの位置をワイヤ送り出し方向またはその逆方向に移
動可能にして、ワイヤ送り出し量を可変とし、コイル2
1の形状記憶合金をワイヤ送り出し方向の長さ変化が可
変とされたワイヤ送り出し量の最大値に相当する長さよ
り長くなるように形状記憶させて用いれば、ワイヤ送り
出し量が可変のワイヤ供給機構とすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態4】図13〜図15は発明の実施の
形態4を示し、図13はワイヤ供給機構の初期状態を示
す縦断面図、図14はワイヤ供給機構の湾曲状態を示す
縦断面図、図15はワイヤ供給機構の送出し状態を示す
縦断面図である。本発明の実施の形態4は発明の実施の
形態2と同一部分が多いので、同一の部材には同一の符
号を付し、説明を省略する。
【0031】図13において、駆動体たるプレート31
は、形状記憶合金からなり、合金の組成、並びにチュー
ブ2、逆止弁4および送り出し弁5との構造関係は、発
明の実施の形態2と同様であるが、プレート31の形状
記憶合金は、プレート31が加熱されて湾曲したとき、
プレート31とワイヤ1との曲率半径の差によって生じ
るワイヤ繰り出し量が、ワイヤの送り出し規制量α4 に
相当する長さより長くなるように形状記憶されている。
32は複数の台形状のストッパーで、プレート31のワ
イヤ1側全面に固着され、互いに空隙32aを形成して
いる。プレート31が加熱されて湾曲したとき、空隙3
2aがなくなることによって、プレート31の湾曲量を
規制し、プレート31とワイヤ1との曲率半径の差によ
って生じるワイヤ繰り出し量がワイヤ送り出し規制量α
4 以上とならない構造となっている。また、プレート3
1への給電は、加熱装置6から導線7が、それぞれ逆止
弁4および送り出し弁5に接続され、逆止弁4および送
り出し弁5を経由してなされる構成となっている。この
場合、逆止弁4および送り出し弁5は導電性材料から形
成され、チューブ2は、絶縁性材料から形成されること
となる。その他の構成は、発明の実施の形態2と同様で
ある。
【0032】つぎに、上記構成のワイヤ供給装置の作用
を説明する。図13において、プレート31は冷却され
て直線状に延伸した状態にある。加熱装置6により、プ
レート31に通電して、形状記憶合金を100℃以上に
加熱する。すると、図14に示すように、プレート31
は送り出し弁5およびストッパー32とともに、ワイヤ
1側に湾曲し、ストッパー32の空隙32aがなくなる
まで湾曲する。このとき、逆止弁4とワイヤ1との接触
抵抗により、ワイヤ1のチューブ2側への移動が阻止さ
れ、またストッパー32がプレート31の湾曲量を規制
し、プレート31とワイヤ1との曲率半径の差によって
生じるワイヤ繰り出し量が、ワイヤ送り出し規制量α4
以上にならない構造となっているので、送り出し弁5か
らα4 分のワイヤ1が繰り出される。つぎに、加熱装置
6による通電を停止すると、図15に示すように、形状
記憶合金が大気により室温まで冷却され、プレート31
は直線状に復元する。このとき、送り出し弁5とワイヤ
1との接触抵抗により、送り出し弁5がワイヤ1を把持
した状態で元に戻る。この一連の動作により、ワイヤ1
はチューブ2より距離α4 だけ送り出される。
【0033】本発明の実施の形態4によれば、発明の実
施の形態2の効果に加え、ストッパーによりプレートの
湾曲量を規制できるので、駆動体の一動作あたりのワイ
ヤ送り量をより正確に一定にすることができる。
【0034】本発明の実施の形態4では、ストッパーを
プレートのワイヤ側のみに設けているが、ワイヤと反対
側にもストッパーを設けて、プレートの戻る位置を規制
すれば、より正確にワイヤ送り量を規制することができ
【0035】
【発明の実施の形態5】図16〜図17は発明の実施の
形態5を示し、図16はワイヤ供給機構の初期状態を示
す縦断面図、図17はワイヤ供給機構の収縮状態を示す
縦断面図である。本発明の実施の形態5は、発明の実施
の形態1の構成に冷却機構を付設したものなので、同一
の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0036】図16において、冷却ガイド41は、ワイ
ヤ1、コイル3、逆止弁43および送り出し弁44を内
包し、チューブ42に固着されている。チューブ42に
は、ワイヤ1を挿通している誘導路42aの他に、冷却
流体路42bが穿設されている。逆止弁43は、チュー
ブ42とコイル3との間に固着され、弁43aの他に、
チューブ42の冷却流体路42bに連通する流路43b
を有している。また、送り出し弁44は、コイル3の先
端に固着され、弁44aの他に、流路44bを有してい
る。これら冷却ガイド41、冷却流体路42b、流路4
3bおよび流路44bは、冷却機構を構成している。冷
却流体路42bより、冷却風が供給され、形状記憶合金
からなるコイル3を急速に冷却する。その他の構成は、
発明の実施の形態1と同様である。
【0037】つぎに、上記構成のワイヤ供給装置の作用
を説明する。図16において、加熱装置6により、コイ
ル3に通電して、形状記憶合金を100℃以上に加熱す
る。すると、図17に示すように、コイル3は送り出し
弁44とともに、距離α5 だけ収縮する。このとき、逆
止弁43とワイヤ1との接触抵抗により、ワイヤ1の動
きが阻止されて、送り出し弁44から距離α5 分のワイ
ヤ1が繰り出される。つぎに、加熱装置6による通電を
停止すると同時に、図示を省略した冷却流体発生装置よ
りチューブ42の冷却流体路42bへ冷却風を送る。冷
却流体路42b、流路43b、44bを通過する冷却風
は、冷却ガイド41があるので、高温のコイル3を効率
良く冷却する。コイル3が延伸し始めると同時に、送り
出し弁44とワイヤ1との接触抵抗により、送り出し弁
44がワイヤ1を把持した状態で、元の状態に速やかに
戻って、ワイヤ1をチューブ42より距離α5 だけ送り
出す。
【0038】本発明の実施の形態5によれば、発明の実
施の形態1の効果に加え、冷却風が冷却ガイドにより、
高温のプレートに沿って流れるので、冷却効率が上が
り、ワイヤ送り動作速度を速めることができる。
【0039】本発明の実施の形態5では、冷却ガイド4
1に、発明の実施の形態3で示した突起部22aおよび
突起部22bを設け、コイル3を発明の実施の形態3で
示したコイル21に替えれば、ワイヤ送り出しの迅速化
と送り出し量の正確さを兼ね備えたワイヤ供給機構を得
ることができる
【0040】また、本発明の実施の形態5では、駆動体
たるコイルの加熱に発明の実施の形態1〜4と同様に、
コイルに通電して加熱しているが、これに替えて、冷却
流体路より熱風と冷却風とを交互に送ってコイルを駆動
するように構成してもよい。このように構成すれば、ワ
イヤ供給機構の先端における加熱装置および導線が省
け、構造を簡易化することができる。
【発明の効果】請求項1、2または3に係る発明によれ
ば、駆動体を加熱冷却させると、駆動体を形成する形状
記憶合金の記憶効果により、駆動体が送り出し弁を駆動
し、送り出し弁と逆止弁とが交互に働いてワイヤを送り
出すので、単純な構造で簡単に操作ができ、しかも小型
化したワイヤ供給装置を提供することができる。請求項
2または3に係る発明によれば、上記効果に加え、駆動
体の一回あたりの動作によるワイヤ送り量がストッパー
により定量に規制されるので、ワイヤ送り量を正確にす
ることができる。請求項3に係る発明によれば、上記効
果に加え、駆動体の動作を速めるので、ワイヤ送り出し
の迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1のワイヤ供給機構の初期状
態を示す縦断面図である。
【図2】発明の実施の形態1の逆止弁の左側面図であ
る。
【図3】発明の実施の形態1のワイヤ供給機構の収縮状
態を示す縦断面図である。
【図4】発明の実施の形態1のワイヤ供給機構の送出し
状態を示す縦断面図である。
【図5】発明の実施の形態2のワイヤ供給機構の初期状
態を示す縦断面図である。
【図6】発明の実施の形態2のワイヤ供給機構の湾曲状
態を示す縦断面図である。
【図7】発明の実施の形態2のワイヤ供給機構の送出し
状態を示す縦断面図である。
【図8】発明の実施の形態3のワイヤ供給機構の初期状
態を示す縦断面図である。
【図9】発明の実施の形態3のワイヤ供給機構の収縮状
態を示す縦断面図である。
【図10】発明の実施の形態3のワイヤ供給機構の送出
し状態を示す縦断面図である。
【図11】発明の実施の形態3のストッパーの斜視図で
ある。
【図12】発明の実施の形態3のストッパーの左側面図
および正面断面図である。
【図13】発明の実施の形態4のワイヤ供給機構の初期
状態を示す縦断面図である。
【図14】発明の実施の形態4のワイヤ供給機構の湾曲
状態を示す縦断面図である。
【図15】発明の実施の形態4のワイヤ供給機構の送出
し状態を示す縦断面図である。
【図16】発明の実施の形態5のワイヤ供給機構の初期
状態を示す縦断面図である。
【図17】発明の実施の形態5のワイヤ供給機構の収縮
状態を示す縦断面図である。
【図18】従来技術の糸はんだ自動供給装置の一部を破
載した正面図である。
【符号の説明】 1 ワイヤ 2 チューブ 3 コイル 4 逆止弁 5 送り出し弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送り出されるワイヤに沿って配されると
    ともに前記ワイヤを送り出す動力となる形状記憶合金製
    の駆動体と、該駆動体の一端に取着され前記ワイヤを一
    方向のみに送り出し可能な送り出し弁と、前記駆動体の
    他端と前記ワイヤを内包するワイヤ誘導部材とに取着さ
    れ前記ワイヤの送り出し方向と逆方向への前記ワイヤの
    移動を阻止する逆止弁とを備えたことを特徴とするワイ
    ヤ供給機構。
  2. 【請求項2】 前記形状記憶合金は伸縮または湾曲する
    ものからなり、前記駆動体の動作範囲を規制するストッ
    パーを設けたことを特徴とする請求項1記載のワイヤ供
    給機構。
  3. 【請求項3】 前記駆動体を冷却する冷却機構を設けた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のワイヤ供給機
    構。
JP5345797A 1997-03-07 1997-03-07 ワイヤ供給機構 Withdrawn JPH10249518A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007045180A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Takata Corp プリテンショナ及びシートベルト装置
JP2009019517A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Olympus Corp 形状記憶合金アクチュエータ
JP2010265974A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Jatco Ltd パーキング機構

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