JPH10249357A - 防汚方法 - Google Patents

防汚方法

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JPH10249357A
JPH10249357A JP9064122A JP6412297A JPH10249357A JP H10249357 A JPH10249357 A JP H10249357A JP 9064122 A JP9064122 A JP 9064122A JP 6412297 A JP6412297 A JP 6412297A JP H10249357 A JPH10249357 A JP H10249357A
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cathode
antifouling
conductive
seawater
antifouling method
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JP9064122A
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English (en)
Inventor
Kenichi Morita
健一 森田
Atsushi Mori
敦史 森
Keiji Oki
恵史 大木
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Daiki Rubber Industry Co Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
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Tokyo Electric Power Co Inc
Daiki Rubber Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 海洋構造物、海水取水設備または船舶の表面
の海水と接する部分に、海洋生物が付着することを防止
する防汚方法において、環境を汚染するおそれがなく、
永続性がある経済的な防汚を可能にする。 【解決手段】 防汚を必要とする表面に、グラファイト
粉末、カーボンブラック、金属粉末および導電性繊維か
らえらんだ導電性物質の粉末または繊維、熱可塑性合成
樹脂、熱硬化性合成樹脂および天然または合成ゴムから
選んだバインダーおよびポリアニリンを、重量で、20
〜90:10〜70:1〜40の範囲にえらんだ組成を
もつ導電性被覆で被覆し、この被覆を陰極として、不溶
性陽極材料でつくった対極との間に、別に設けた直流電
源装置から、陰極の面積に対して10mA/m2以上の直流
電流を流す。陰極表面で活性酸素が発生し、微生物を殺
菌することにより、大型の海洋生物の付着を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋構造物、海水
取水設備または船舶の海水に接する部分の表面に海洋生
物が付着することを防止する、いわゆる防汚方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】海洋構造物などの海水と接する面に海洋
生物が付着することを防止する防汚の手段として、従
来、接水面に防汚塗料を塗装したり、海水中に塩素を注
入したりすることが行なわれて来た。 接水面に塗装す
る防汚塗料は、防汚成分を滲出させるタイプの塗料が主
体であり、一部には亜酸化銅などの防汚剤を溶出させる
タイプの塗料もある。
【0003】海洋生物が海洋構造物の表面に付着するメ
カニズムは、まず海水に接している海洋構造物の表面に
微生物が付着して微生物皮膜を形成し、その上にフジツ
ボ、ムラサキイガイ、カキ等の大型生物が付着するとい
う順に従うことが知られており、表面への微生物の付着
を防止することが効果的な解決策となる。
【0004】塩素や過酸化水素を注入する薬注法は、こ
のような原理に基づき海水中の微生物の活動を鈍化させ
るものであって、防汚法として広く採用されている。
【0005】薬注法は、発電所の循環水系配管の防汚の
ように一定の取水を対象にする場合は好都合であるが、
海洋構造物のように無限に存在する海水に対しては、事
実上実施することができない。 そこでこのような場合
には、防汚の対象となる表面においてのみ有効な、防汚
塗料などが利用されている。
【0006】別の方法として、微生物被膜の繁殖を防止
することを意図した、その場での塩素の発生を行なわせ
るシステムが提案されている。 この方法は、海水に接
している面を、グラファイト、カーボンブラック、二酸
化マンガンなどの不溶性粉末を混入した導電性塗膜で被
覆し、これを陽極として海水を電気分解することにより
塗膜表面から塩素を発生させ、海洋生物の付着を防止す
る、電解導電塗膜を使用する方法である(特開昭63−
101464号など)。
【0007】発明者らの一人は、ポリアニリンが、図1
に示すように電子の授受によって可逆的に酸化型と還元
型をとり、その結果、酸化還元反応を触媒するいわゆる
レドックス触媒としての能力をもつことを知り、これを
利用して用水を殺菌する方法を発明して、すでに開示し
た(特願平07−3383473号)。 ポリアニリン
の作用は、図2に示すように、水中で酸素を還元してス
ーパーオキシドイオンや過酸化水素などの活性酸素を生
成する反応を触媒するものと考えられる。
【0008】防汚塗料を用いる防汚方法には、次のよう
な不都合がある。 すなわち、溶出型にせよ滲出型にせ
よ、塗膜中に含まれている防汚成分が少なくなると、防
汚効果が失われてくる。 そのため2〜3年ごとに塗り
替えをする必要があり、そのたびに多額の費用がかか
る。
【0009】塩素を発生させる導電塗膜を用いる防汚方
法では、陽極として作用させることおよび塩素を発生さ
せることから、導電塗膜が非常に強い酸化環境にさらさ
れ、劣化するおそれがある。 また、鋼構造物に適用す
る場合には、導電塗膜の劣化を想定した電食対策が必要
であり、鋼構造物を重防食塗料で厳重に保護しなければ
ならない。 これは必要な塗装回数の増大を意味し、不
経済である。
【0010】発明者らは、酸素を還元してスーパーオキ
シドアニオンラジカルや過酸化水素などの活性種を生成
するポリアニリンの酸素還元能に着目して研究の結果、
これを利用して還元環境下に防汚が行なえることを確認
した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の問題点にかんがみ、上述した発明者らの新しい知
見を活用して、環境を汚染するおそれがなく、永続性が
あり、しかも電食対策が不要であって、経済的な海水取
水設備の防汚方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の防汚方法は、原
理的には、in-situ で酸素の活性種を発生させて微生物
被膜の形成を阻止し、大型の海洋生物の付着を防止する
ものであって、被覆の劣化を招く酸化環境にさらさない
防汚方法である。
【0013】本発明の防汚方法には、ふたつの態様があ
る。 そのひとつは鋼を代表とする金属で製造した、橋
脚や岸壁のような海洋構造物、海水取水設備の鋼製の部
分、各種の船舶などを対象とする防汚方法であって、た
とえば図3に示すように、金属製の配管(3)の内面
に、導電性物質の粉末または繊維、バインダーおよびポ
リアニリンからなる導電性組成物をもって被覆(1)を
施し、この被覆を陰極として対極(2A)との間に直流
電流を流し、陰極面から活性酸素を発生させることによ
って、陰極面への海洋生物の付着を防止することからな
る。
【0014】いまひとつは、非金属材料たとえばコンク
リートで製造した海洋構造物や海水取水設備の水路など
を対象とする防汚方法であって、たとえば図4に示すよ
うに、海水取水設備を形成するコンクリート製導水路
(4)の海水に接する部分に、導電性物質の粉末または
繊維、バインダーおよびポリアニリンからなる導電性組
成物の被覆(1)を施した金属板(5)を配置し、この
被覆を陰極とし、対極との間に直流電流を流し、陰極面
から活性酸素を発生させることによって、陰極面への海
洋生物の付着を防止することからなる。
【0015】
【発明の実施態様】導電性被覆に電気を流す方法として
は、電気防食法で行なわれている外部電源法と犠牲陽極
法のふたつの方法の、どちらも利用できる。
【0016】外部電源法は、図3ないし図6に示した方
法であって、図3を例にとって説明すれば、防汚の対象
物、ここでは導水路の海水に接する部分を覆う金属板
(5)を導電性被覆で被覆してこれを陰極とし、不溶性
の陽極材料でつくった対極(2A)との間に、別に設け
た直流電源装置(6)から直流電流を印加する方法であ
る。 不溶性の陽極材料としては、グラファイト、二酸
化マンガン、白金族金属など常用のものが使用できる。
【0017】図4は、後記する実施例において使用し
た、海水(7)を通す海水取水管を示す。 この場合
は、フランジ部分にドーナツ型のチタン板に白金メッキ
を施した対極(2A)を使用する。 符号(8)は、絶
縁塗装である。
【0018】図5は、船舶の防汚を行なう例を示す。
船腹に塗装した導電性被覆(1)と絶縁して設けた、海
水(7)中に浸漬されている対極(2)との間に、直流
電源装置(6)から直流電流を流す。 図6は岸壁の防
汚の例を示す。 ここでは、岸壁(9)の防汚を要する
部分に、図3と同様な、導電性被覆(1)で被覆した金
属板(5)を置いてこれを陰極とし、これと対極(2
A)との間に、直流電源装置(6)から直流電流を流
す。
【0019】犠牲陽極法は図7および図8に示した方法
であって、犠牲陽極を設け、陰極と犠牲陽極との間の電
池作用を利用して直流電流を流す。 陰極と犠牲陽極と
の間にある海水が電解質となって電池作用が起き、直流
電流が流れるわけである。
【0020】図7は、鋼製の海水取水管(3)の内面に
導電性被覆(1)を設け、管路の内部に犠牲陽極(2
B)を設けた例である。 一方、図8は、海上プラット
フォームの支持柱表面の防汚を要する部分に導電性被覆
(1)を設け、犠牲陽極(2B)を張り出した例であ
る。
【0021】導電性物質の粉末または繊維としては任意
のものが使用できる。 実用的なものは、グラファイト
粉末、カーボンブラック、金属粉末および導電性繊維か
らえらんだもの、またはそれらの混合物である。 直流
電流を犠牲陽極法によって流す場合は、導電性物質の粉
末または繊維として金属とくに鉄または鋼の粉末および
(または)繊維を使用することが好ましく、犠牲陽極と
しては、鉄より卑な金属、代表的にはアルミニウム、亜
鉛およびこれらの合金からえらんだものを材料として用
いるのがよい。
【0022】バインダーは、有機高分子化合物が好適で
ある。 被覆の形成方法は任意であるが、通常はコーテ
ィング塗膜として設けるか、またはライニング被覆とし
て設けることになり、それに応じて、バインダーを選択
する。 コーティング用には、塗料に一般的に用いられ
ている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂やゴム系の高分子化
合物が、またライニング用には、ゴムライニングや樹脂
ライニングに一般的に用いられているゴムまたはプラス
チックが、常法に従って使用される。
【0023】導電性被覆中の導電性物質、バインダーお
よびポリアニリンの配合割合は、重量%で、20〜9
0:20〜70:1〜40の範囲からえらぶとよい。
導電性物質としてグラファイトおよび(または)カーボ
ンブラックを使用した場合は、上記の比率を30〜5
0:30〜50:5〜20の範囲にするとよく、金属粉
末および(または)金属繊維を使用した場合は、15〜
40:50〜85:1〜20の範囲にするとよい。 導
電性物質は、高い割合で配合すれば導電性被覆の比抵抗
が低くなって好ましいが、被覆にはある程度の強さが要
求されることから、バインダーの配合割合も、ある程度
確保しなければならない。 ポリアニリンは、レドック
ス触媒としての働きを確実に得るためには、少なくとも
1%以上必要である。 好ましくは、3〜20%を配合
使用する。
【0024】通常の電気化学反応と同様に、本発明の防
汚方法においても、通電する直流電流の電流密度に比例
して、被覆の単位面積あたりの活性酸素発生量が増大す
る。有効に殺菌を行なって防汚効果をあげるには、ある
レベル以上の電流密度が必要であるが、発生量は表面を
殺菌できる程度で充分であり、必要以上の電流を流す意
味はない。 この観点からすれば10mA/m2以上の電流
密度が必要であり、好ましくは30〜200mA/m2の範
囲の電流を流すべきことがわかった。
【0025】
【作用】本発明の防汚機構は、前記した塩素発生導電塗
膜を陽極として微弱な電流を流して防汚する技術と、広
い意味では同様であって、海洋構造物、海水取水設備ま
たは船舶の海水に接する面において微生物を殺菌し、そ
れにより大型生物の付着を防止するものである。 差異
は、塩素発生導電塗膜を陽極として作用させるのが従来
の技術であったのに対し、本発明は導電性被覆を陰極と
して使用し、海水中の溶存酸素の還元によりスーパーオ
キシドイオンや過酸化水素などの活性酸素を生成させ、
この活性酸素による殺菌作用を利用することにある。
つまり、海水取水設備の表面を、その場で生成した活性
酸素で殺菌することによって常にクリーンな状態に保
ち、それによって大型生物の付着を防止するものであ
る。
【0026】本発明による防汚では、導電性被覆の表面
に接近した微生物を殺菌するだけであるから、防汚のた
めに生成させる活性酸素の量はきわめて少量で足りる。
活性酸素は寿命が短い活性種であり、残留毒性が問題
になることはなく、環境に全く影響を与えない。
【0027】
【実施例】導電性塗料の製造 下記2種の配合物をキシレン溶剤に溶解して、導電性塗
料を得た: 実施例 比較例 クロロプレンゴム 45部 50部 グラファイト粉末 45 50 ポリアニリン 10 0 「部」は重量部。
【0028】活性酸素の生成の確認 上記2種の導電性塗料を別々の鋼板に塗布して導電性被
覆を形成し、それらを陰極とし白金を対極として、生理
食塩水の中で直流電流を流した。 ポリアニリンを使用
した実施例においては、陰極表面で活性酸素が生成した
ことが確認されたが、ポリアニリンを使用しない比較例
の陰極表面では、活性酸素が生成しなかった。 活性酸
素の生成およびその定量は、電気化学法により行なっ
た。
【0029】実用試験 次いで、図4に示すように、実施例の導電性塗料を鋼管
(3)の内面に塗布して導電性被覆(1)を形成したも
のを多数接続して、管路を形成した。 チタン対極(2
A)と鋼管(3)とを、直流電源装置(6)と接続し
た。 管内に海水を0.5m/秒の流速で流しながら、
導電性被覆を陰極として40mA/m2の電流密度で直流電
流を流した。 比較のため、防食塗装に広く用いられて
いるタールエポキシ塗料を塗布した防食被覆鋼管に、同
じ条件で海水を流した。
【0030】2種類の被覆鋼管の内面に取り付けた試験
片を取り出し、時間の経過とともにその表面に付着した
細菌の数を観察して、次の結果を得た: 実施例 比較例 1日目 1×103以下 1×104(単位:cells/mm2) 2日目 1×103 7×104 7日目 1×103 3×105 海水を流した日数が増すにつれて、比較例の防食塗料被
覆鋼管の試験片表面の付着細菌数は増え続けたのに対し
て、本発明に従って防汚を行なった鋼管表面の試験片に
付着した細菌の数は増えず、クリーンな表面が維持され
ていた。 この試験をさらに長時間継続したところ、比
較例の防食塗装鋼板には次第に、フジツボ、ムラサキイ
ガイなどの大型生物が付着しはじめたのに対して、実施
例の導電性被覆鋼板には生物の付着がなく、防汚が実現
していた。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によって海洋構造物、海水
取水設備または船舶の防汚を行なえば、環境汚染の心配
がなく、永続的に海洋生物の付着を防止することができ
る。本発明の導電性被覆は陰極として作用するので、鋼
製の配管に適用する場合でも、従来の塩素発生導電塗膜
による防汚のように絶縁処理を施す必要がなく直接適用
することができ、しかも電食の懸念はない。 従って本
発明の防汚は、海水取水設備などに一般に採用されてい
る電気防食と併用できるので、防汚と防食とを同時に、
経済的に実施することができる。
【0032】導電性被覆が陰極であるということは、被
覆周辺の海水が弱アルカリ性となることを意味し、塩素
発生導電塗膜を使用するときに生じる酸性かつ酸化性の
雰囲気にはならないので、被覆の劣化は少なく、被覆の
耐久性には格段の差がでる。導電性被覆中のポリアニリ
ンは活性酸素生成反応の触媒として作用するものであっ
て、在来の防汚塗料の成分のように海水中に滲出したり
溶出したりするものではないから、その作用は永続的で
ある。 従って再塗装や再ライニングの間隔は長くで
き、この点からも経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリアニリンの酸化型と還元型の構造を示す
化学式。
【図2】 ポリアニリンによるレドックス触媒作用を示
す概念図。
【図3】 本発明による海水取水設備の防汚方法の一例
を示す、導水路の横断面図。
【図4】 本発明の実施例において使用した、海水の管
路を示す縦断面図。
【図5】 本発明による船舶の防汚方法の一例を示す船
体要部の横断面図。
【図6】 本発明による海洋構造物の防汚方法の他の例
を示す、岸壁の横断面図。
【図7】 本発明による海水取水設備の防汚方法の他の
例を示す、取水管管路の横断面図。
【図8】 本発明による海洋構造物の防汚方法の一例を
示す、支持柱部分の縦断面図。
【符号の説明】
1 導電性被覆 2A 対極 2B 犠牲陽極 3 金属製配管 4 コンクリート製導水路 5 金属板 6 直流電源装置 7 海水 8 絶縁塗料 9 岸壁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】導電性被覆中の導電性物質、バインダーお
よびポリアニリンの配合割合は、重量%で、20〜9
0:10〜70:1〜40の範囲からえらぶとよい。
導電性物質としてグラファイトおよび(または)カ−ボ
ンブラックを使用した場合は、上記の比率を20〜9
0:30〜70:1〜40の範囲にするとよく、金属粉
末および(または)金属繊維を使用した場合は、50〜
90:10〜40:1〜20の範囲にするとよい。 導
電性物質は、高い割合で配合すれば導電性被覆の比抵抗
が低くなって好ましいが、被覆にはある程度の強さが要
求されることから、バインダーの配合割合も、ある程度
確保しなければならない。 ポリアニリンは、レドック
ス触媒としての働きを確実に得るためには、少なくとも
1%以上必要である。 好ましくは、3〜20%を配合
使用する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】通常の電気化学反応と同様に、本発明の防
汚方法においても、通電する直流電流の電流密度に比例
して、被覆の単位面積あたりの活性酸素発生量が増大す
る。有効に殺菌を行なって防汚効果をあげるには、ある
レベル以上の電流密度が必要であるが、発生量は表面を
殺菌できる程度で充分であり、必要以上の電流を流す意
味はない。 この観点からすれば10mA/m2以上の電流
密度が必要であり、好ましくは100〜800mA/m2
範囲の電流を流すべきことがわかった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】実用試験 次いで、図4に示すように、実施例の導電性塗料を鋼管
(3)の内面に塗布して導電性被覆(1)を形成したも
のを多数接続して、管路を形成した。 チタン対極(2
A)と鋼管(3)とを、直流電源装置(6)と接続した。
管内に海水を0.5m/秒の流速で流しながら、導電
性被覆を陰極として200mA/m2の電流密度で直流電流
を流した。 比較のため、防食塗装に広く用いられてい
るタールエポキシ塗料を塗布した防食被覆鋼管に、同じ
条件で海水を流した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/50 560 C02F 1/50 560F B05D 7/14 B05D 7/14 N M 7/24 303 7/24 303B C01B 13/02 C01B 13/02 B C02F 1/00 C02F 1/00 U 1/46 1/46 Z C08G 73/02 C08G 73/02 (72)発明者 森 敦史 千葉県船橋市夏見台1−20−17−405 (72)発明者 大木 恵史 東京都千代田区内幸町1−1−3 東京電 力株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海洋構造物、海水取水設備または船舶の
    海水に接する金属部分の表面に、導電性物質の粉末およ
    び(または)繊維、バインダーおよびポリアニリンから
    なる導電性組成物の被覆を施し、この被覆を陰極として
    対極との間に直流電流を流し、陰極面から活性酸素を発
    生させることによって、陰極面への海洋生物の付着を防
    止することからなる防汚方法。
  2. 【請求項2】 海洋構造物、海水取水設備または船舶の
    海水に接する非金属部分の表面に、導電性物質の粉末お
    よび(または)繊維、バインダーおよびポリアニリンか
    らなる導電性組成物の被覆を施した金属板を配置し、こ
    の被覆を陰極とし、対極との間に直流電流を流し、陰極
    面から活性酸素を発生させることによって、陰極面への
    海洋生物の付着を防止することからなる防汚方法。
  3. 【請求項3】 導電性物質の粉末および(または)繊維
    として、グラファイト粉末、カーボンブラック、金属粉
    末、カーボン繊維および金属繊維からえらんだ少なくと
    も一種を使用して実施する請求項1または2の防汚方
    法。
  4. 【請求項4】 バインダーとして、熱可塑性合成樹脂、
    熱硬化性合成樹脂および天然または合成ゴムから選んだ
    ものを使用して実施する請求項1または2の防汚方法。
  5. 【請求項5】 導電性物質、バインダーおよびポリアニ
    リンの配合割合を、重量で、20〜90:10〜70:
    1〜40の範囲にえらんだ組成物を使用して実施する請
    求項1または2の防汚方法。
  6. 【請求項6】 陰極の面積に対して10mA/m2以上、好
    ましくは30〜200mA/m2の範囲の直流電流を流して
    実施する請求項1または2の防汚方法。
  7. 【請求項7】 対極と陰極との間に、別に設けた直流電
    源装置から直流電流を印加して実施する請求項1または
    2の防汚方法。
  8. 【請求項8】 対極として、グラファイト、二酸化マン
    ガンおよび白金族金属からえらんだ不溶性の陽極材料を
    使用して実施する請求項7の防汚方法。
  9. 【請求項9】 犠牲陽極を設け、陰極と犠牲陽極との間
    の電池作用により直流電流を流して実施する請求項1ま
    たは2の防汚方法。
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JPH11114036A (ja) * 1997-10-16 1999-04-27 Kenichi Morita 活性酸素を用いたコンタクトレンズの消毒方法及びその消毒器
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