JPH0966574A - 導電性を有する基材 - Google Patents

導電性を有する基材

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JPH0966574A
JPH0966574A JP24554195A JP24554195A JPH0966574A JP H0966574 A JPH0966574 A JP H0966574A JP 24554195 A JP24554195 A JP 24554195A JP 24554195 A JP24554195 A JP 24554195A JP H0966574 A JPH0966574 A JP H0966574A
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resin
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resin layer
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JP24554195A
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Tsuruo Nakayama
鶴雄 中山
Hitoshi Wake
仁志 和気
Kinichi Ozawa
欣一 小澤
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性生物の電気化学的な制御において耐久性
が高い導電性を有する基材を提供すること。 【解決手段】 基材上に接着層と導電性繊維層を順次設
け、該導電性繊維層上に導電性樹脂層を形成した導電性
を有する基材。 【作用】 基材上に接着層を介して導電性繊維層と導電
性樹脂層を順次形成したことから、これらに電位を印加
して水性生物の付着を防止する上において、電位を印加
しても導電性樹脂層表面に均一に電位が印加でき、更
に、反応に伴って流れる電流を安定に、且つ、均一に導
電性樹脂表面に流すことが可能となり、また、海水など
の接触による導電性樹脂層が摩耗しても導電性繊維層が
設けれていることから摩耗が阻止でき、長期間導電性を
維持できることから、長期間に亘って防汚効果が保持さ
れるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば発電所、パ
イプライン、船舶、港湾設備、橋梁などの水中構造物の
表面に導電性樹脂層を形成し、該導電性樹脂層に正電位
もしくは負電位又は正電位と負電位を周期的に交互に印
加し、水性生物を殺菌もしくは脱離させることにより水
性生物の付着を防止するために好適な導電性を有する基
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、発電所で海水を冷却水と
して使用するために海水を導入する導水管や船舶、或い
は湾岸設備や橋梁などへの防汚手段は、海水中に次亜塩
素酸塩などの殺菌性を有する物質を添加し水性生物を殺
菌させる方法や、有機系錫化合物を塗料に含有させ、船
舶や港湾設備などに塗膜を形成し、有機錫系化合物を溶
出させることにより防汚する方法が一般に行われてい
た。しかし、次亜塩素酸塩などの殺菌性を有する物質を
添加すると、海水中の有機物などと反応しトリハロメタ
ン等の有害物質が発生し、海洋の汚染や有用な海洋生物
への影響が懸念される。又、有機錫系化合物は、海洋汚
染の問題から使用が制限されている。さらに、有機錫系
化合物の代替えとして非有機錫系化合物が用いられてい
るが、これらの代替え防汚剤は、付着防止効果の維持時
間が短いため、塗料の塗り替えが必要であり、この塗り
替え作業に要する労力が大幅に増大し、人件費など多額
の費用がかかる等の問題があった。
【0003】又、電解反応により海水を分解して塩素を
発生させ、これらの毒性物質で防汚する方法も提案され
ているが、船舶などの金属で形成された構造物では塩素
による腐食が発生する等の問題があり、実用性の点で改
善の余地が残されていた。
【0004】他方、塩素などの有害物質を発生させない
で電気化学的に船舶や橋梁などに付着する水性生物を制
御する方法が提案されている。この方法は、水性生物の
付着原理を利用した方法であり、具体的方法としては、
クロロプレンゴム、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂などをバインダ−とした塗料などにグラファイ
ト等の導電性材料を充填して導電性組成物となし、該導
電性組成物を水中構造物の表面に塗り、導電性樹脂層を
形成し、この導電性樹脂層に、海水の電解反応により塩
素の発生しない正電位や、正電位と負電位を交互に印加
し、導電性樹脂表面に付着した水性生物を殺菌もしくは
殺菌後脱離することにより水中構造物を防汚せんとする
ものである。この方法は、一般に、水中構造物に水性生
物が付着する機構が、付着性のグラム陰性菌が表面に付
着して脂質に由来するスライム状物質を分泌し、このス
ライム層に集まって増殖し、微生物皮膜を形成し、さら
に、この微生物層上に大型の水性生物である藻類、貝
類、フジツボ等が付着することが原因とされていること
に着目し、初期のグラム陰性菌などの水性生物の付着を
制御することにより大型の水生生物の付着を防止せんと
したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水性生物の付着原理を
利用した前記方法は、絶縁体であるクロロプレンゴムや
シリコン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などのバイ
ンダ−樹脂に導電性材料を充填して形成した導電性樹脂
層が用いられるが、水性生物の付着防止効果を高めるた
めには、導電性樹脂層の導電性を高める必要がある。導
電性を高めるためには、導電性材料を各種バインダ−樹
脂に多量に充填しなければならない。しかし導電性材料
をバインダ−樹脂に多量に充填すると、導電性樹脂層の
耐久性が低下する。特に発電所などの冷却水として使用
している海水を導入する導水管や船舶などでは海水の流
速が速いために、海水の接触により導電性樹脂層が経時
により摩耗する問題が発生し、水性生物の付着防止効果
を維持することが困難となる等の問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題に鑑み
なされたものであって、水性生物の電気化学的な制御に
おいて耐久性が高い導電性を有する基材を提供すること
を目的とするもので、基材上に接着層と導電性繊維層を
順次設け、該導電性繊維層上に導電性樹脂層を形成した
導電性を有する基材を第1の要旨とし、第1の要旨にお
いて接着層に導電性微粒子を含む導電性を有する基材を
第2の要旨とし、第1もしくは第2の要旨において接着
層がホットメルト型接着剤からなる導電性を有する基材
を第3の要旨とするものである。
【0007】以下、本発明についてさらに詳述する。図
1は導電性を有する基材の断面図であり、1は基材、2
は接着層、3は導電性繊維層、4は導電性樹脂層であ
る。基材1の材質は、水中構造物の種類により異なり、
例えば、鉄およびその合金、アルミニウムおよびその合
金、チタンおよびその合金、ステンレス等の金属材料、
FRP、塩化ビニル、ナイロン等の樹脂、コンクリ−
ト、陶磁器などの無機物から構成されている。これらの
表面には従来一般に使用されている防錆塗膜や耐水性を
高めるための樹脂層が形成されてあってもよい。
【0008】次に接着層2について説明する。接着層に
用いられる接着剤は、基材1と導電性繊維層3の双方に
接着するもので、また耐水性の高いものを用いればよ
い。接着剤の種類としては、ポリエステル樹脂、ユリア
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂などの熱硬化型接着剤、酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアミド、ニトロセルロ−ス等の熱可
塑性接着剤、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ス
チレン−ブタジエンゴム、ポリウレタンゴム、クロロプ
レンゴム、シリコンゴム等のエラストマ−接着剤、アス
ファルト等の天然接着剤などが用いられ、特に作業性を
考慮した場合、これらの接着剤の中でホットメルト型接
着剤が有効である。又、接着層に用いられる接着剤に
は、導電性微粒子が含まれていると好ましい。
【0009】このような導電性微粒子の具体例として
は、カ−ボンブラック、アセチレンブラック、グラファ
イ等の炭素材料、金、銀、パラジウム、ニッケル、ステ
ンレス、銅などの金属材料、酸化錫、酸化アンチモン、
酸化インジウム、酸化鉄、マンガン酸化物等の酸化物な
どが挙げられ、これらを一種もしくは二種以上混合して
用いる。又、これらの導電性微粒子はマイカ、アルミ
ナ、酸化チタンなどの無機物の粉体、ナイロン樹脂、ポ
リエチレン樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂などの樹
脂粉体の表面を被覆した複合粉体であってもよい。導電
性微粒子の形状は無定型、りん片状、球状、繊維状、中
空状など種々のものが使用可能であり、粒子径は0.0
1μmから200μm程度であればよく、充填量は接着
剤の樹脂固形分に対して5〜40重量%程度が好適であ
る。
【0010】次に導電性繊維層3について説明する。導
電繊維層は、その表面に形成した導電性樹脂層に電位が
印加され、反応に伴い流れる電流を均一にさせるために
設けるものであり、また導電性繊維層には導電性樹脂が
充填されていることから、海水などにより導電性樹脂層
が摩耗しても導電性繊維層が設けられているので摩耗し
難くなり、水性生物の付着防止を長時間維持させること
が可能となるものである。この導電性繊維層の材質とし
ては、カ−ボン繊維、ステンレス繊維、チタン繊維など
や、ナイロン、ポリエステルフィラメント等が挙げら
れ、これら繊維に黒鉛やカ−ボンブラック等の導電性微
粒子が充填されたものであってもよい。又、この繊維
は、電位印加による腐食を防止するために、酸化錫や酸
化インジウム等の導電性を有する酸化物で被覆されてあ
ればさらによい。尚、導電性繊維は布状、メッシュ状に
編まれたものであれば接着剤を介して基材に装着する場
合、作業性の点で好ましい。
【0011】次に導電性樹脂層4について説明する。導
電性樹脂層は、樹脂(バインダ−樹脂)に導電性微粒子
が充填され形成されている。この導電性樹脂層に用いら
れる樹脂は、熱可塑性樹脂或いは常温で反応硬化するも
の、加熱して硬化するものであって、有機溶剤型、水溶
性型、エマルジョン型樹脂であればよい。熱可塑性樹脂
或いは常温で乾燥もしくは反応する樹脂としては、天然
ゴム、NBR、SBR、クロロプレンゴム、アクリロニ
トリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリ
塩化ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル
シリコン樹脂、ポリエチレンおよびポリエチレンエラス
トマ−樹脂、ポリプロピレンおよびポリプロピレンエラ
ストマ−樹脂、ウレタンおよびウレタンエラストマ−樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、酢ビ−アクリル共重合体樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられ
る。加熱して硬化する樹脂としては、熱硬化性アクリル
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、タ−ル変性ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
エステル変性フッ素樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、
アルキッド樹脂などが挙げられる。又、水性生物の付着
を制御する上では疎水性の高い樹脂を用いることがより
好ましい。
【0012】樹脂(バインダ−樹脂)に充填される導電
性微粒子としては、前記接着層において述べたものと同
様の導電性微粒子を用いればよいが、その充填量として
は、バインダ−樹脂の樹脂固形分に対して20〜60重
量%程度が好適である。
【0013】又、これらの導電性樹脂層には抗菌性を有
する物質が含まれていてもよい。抗菌性を有する物質と
しては、無機物、有機物が挙げられ、無機物の例として
は、銀、銅、ニッケル、亜鉛、鉛、ゲルマニウム等の金
属、これらの酸化物、酸素酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸
塩、炭酸塩、有機キレ−ト化合物などが挙げられ、有機
物の例としては、2-(4-チアゾリル)-ベンズイミダ
ゾ−ル、N-(フルオロジクロロメチルチオ)、10,1
0’-オキシスフェノキシアルシン、トリメトキシシリ
ル-プロピリオクタデシルアンモニウムクロライド、2-
N-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、ビス(2-ピ
リジルチオ-1-オキシド)亜鉛などが挙げられる。
【0014】これらの抗菌性を有する物質は、単独もし
くは2種類以上混合してバイダ−樹脂の樹脂固形分に対
して0.00001〜10重量%程度充填すればよい
が、好ましくは0.1〜5重量%である。又、抗菌作用
を長時間維持させるためには、イオン交換能や吸着性を
有する無機物に、抗菌性を有する物質を担持させ、使用
すると更によい。このイオン交換能や吸着性を有する無
機物としては、アルミナ、ゼオライト、ヒドロキシアパ
タイト、活性炭、シリカまたはシリカゲル、リン酸カル
シウム、リン酸ジルコニウム、メタ珪酸アルミン酸マグ
ネシウム、メタ珪酸アルミン酸カルシウム、珪酸カルシ
ウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウ
ム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム等が挙げら
れ、単独もしくは2種類以上混合して使用される。これ
らのイオン交換能や吸着性を有する無機物の形状は、特
に限定されるものではなく、粒子径は0.1〜200μ
m程度であればよい。
【0015】尚、無機物に抗菌性を有する物質を担持し
たものは、抗菌剤として市販されており、これらを用い
てもよく、その例としては、(株)サンギ製「アパタイ
ザ−A」、大日精化工業(株)製「ダイキラ−」、新東
工業(株)製「抗菌セラッミクス」、松下電器産業
(株)製「アメニトップ」、東亜合成(株)製「ノバロ
ン」、触媒化成工業(株)製「アトミ−ボ−ル」、カネ
ボウ化成(株)製「バクテキラ−」、品川燃料(株)製
「ゼオミック」等が挙げられ、これらの抗菌剤はバイン
ダ−樹脂固形分に対して0.1〜10重量%充填すれば
よい。
【0016】更に、電気化学的な水性生物の制御を高め
るために、水性生物と電極との電子移動を促進させる物
質(電子メディエ−タ−)を導電性樹脂層に充填しても
よい。電子メディエ−タ−の例としては、フェロセン又
はその誘導体、例えば、フェロセン、フェロセンモノカ
ルボン酸、フェロセンジカルボン酸又は〔(トリメチル
アミン)メチル〕フェロセン;フェロシアン類、例え
ば、H4Fe(CN)6、K4Fe(CN)6又はNa4Fe
(CN)6;或いはその他の化合物、例えば、2,6−ジ
クロロフェノ−ルインド−ル、フェナンジンメトサルフ
ェート、ベンゾキノン、フタロシアニン、ブリリアント
クレジルブ−、カロシアニン、レゾルシン、チオニン、
N,N−ジメチル−ジスルフホネイティド・チオニン、
ニュ−メチレンブル−、トブジントサルフェ−ト、サフ
ラニン−O、2,6−ジクロロフェノ−ルインドフェノ
ール、ベンジルビオロゲン等を挙げることができる。
【0017】次に導電性を有する基材の製造方法につい
て説明する。接着層は接着剤を溶剤で溶解し、スプレ−
法やロ−ルコ−タ−、刷毛塗り法などにより基材表面に
塗布すればよい。その後乾燥して溶剤を取り除き、導電
性繊維層を熱圧着により接着剤表面に積層する。その
後、導電性樹脂をスプレ−法、ロ−ルコ−タ−法、刷毛
塗り法等により塗布し、自然乾燥或いは必要に応じて加
熱乾燥することにより導電性樹脂層を形成する。
【0018】次に導電性樹脂層を用いた防汚方法につい
て説明する。電位を印加する方法としては、導電性樹脂
層を作用極とし、その作用極に対して導電性を有する材
料からなる対極を設置し、作用極と対極との間に直流電
源(整流器)を用いて電位を印加すればよく、又、参照
極を用いて電位を制御してもよい。作用極への印加電位
は正電位の場合では、0〜5Vvs.SCE、負電位の
場合では、0〜−5Vvs.SCEであればよく、正電
位と負電位を交互に印加する場合でも同様の範囲で電位
を変換させればよい。
【0019】本発明では、水性生物を含む水中において
導電性樹脂層に0〜5Vvs.SCEの正電位を印加す
ると、樹脂層表面に付着した水性生物が殺菌されるから
スライム層の形成や生物層の形成が阻止でき、大型生物
の付着が防止できる。
【0020】又、0〜−5Vvs.SCEの負電位を印
加した場合では、導電性樹脂層に接近する水性生物は電
気的な反発により付着できなくなり、スライム層の形成
や微生物層の形成が阻止でき、大型生物の付着が防止で
きる。
【0021】更に、正電位と負電位を交互に印加した場
合では、導電性樹脂層に付着した水性生物は正電位によ
り殺菌され、又、負電位を印加することにより殺菌され
た水性生物が脱離されるからスライム層の形成や生物層
の形成が阻止でき、大型生物の付着が防止できる。
【0022】
【作用】本発明は、基材上に接着層を介して導電性繊維
層と導電性樹脂層を順次形成したことから、これらに電
位を印加して水性生物の付着を防止する上において、電
位を印加しても導電性樹脂層表面に均一に電位が印加で
き、更に、反応に伴って流れる電流を安定に、且つ、均
一に導電性樹脂表面に流すことが可能となり、また、海
水などの接触による導電性樹脂層が摩耗しても導電性繊
維層が設けれていることから摩耗が阻止でき、長期間導
電性を維持できることから、長期間に亘って防汚効果が
保持されるものである。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0024】〈実施例1〉ホットメルト型接着剤(東亜
合成(株)製、PES−360SK)を溶剤(キシレン
とMEKを1:1に混合)で2倍に希釈し、硬化剤(日
本ポリウレタン(株)製、コロネ−トL)を5重量%添
加し、スプレ−にてパイプ内面に塗布し、60℃、20
分間乾燥することにより30μmの厚さの接着層を形成
した。次にカ−ボン繊維布(東レ(株)製、トレカCO
1601)をシリコン樹脂でライニングしたロ−ルヒ−
タ−を用いて加熱圧着した。その後60℃、1時間乾燥
して接着剤を硬化した。次に導電性樹脂層を形成するた
めの組成物について説明する。バインダ−樹脂はウレタ
ン系樹脂(関西ペイント(株)製、ス−パ−ダイヤモン
ドクリヤ−)の樹脂固形分に対して10μmのグラファ
イト(日本黒鉛(株)製)に0.03μmのカ−ボンブ
ラック(三菱化学(株)製、ケッチェンブラックEC−
600JD)を30%混合しものを50重量%充填しボ
−ルミルで分散して作成した。この組成物に専用硬化剤
を5%重量添加しスプレ−にてカ−ボン繊維布を積層し
た塩化ビニルパイプ内面に塗布し、60℃、2時間乾燥
することにより導電性を有する基材を得た。尚、導電性
樹脂層の厚さは35μmであった。
【0025】〈実施例2〉実施例1で用いたホットメル
ト型接着剤の樹脂固形分に対してステンレス微粒子、平
均粒子径10μm(竹内金属箔粉工業(株)製)を30
重量%充填した以外は実施例1と同様になし導電性を有
する基材を得た。尚、導電性樹脂層の厚さは38μmで
あった。
【0026】〈実施例3〉実施例1で用いたカ−ボン繊
維布をステンレス繊維メッシュ(100メッシュ)に変
えた以外は実施例1と同様になし導電性を有する基材を
得た。尚、導電性樹脂層の厚さは31μmであった。
【0027】〈実施例4〉実施例1で用いた導電性樹脂
層を形成するための組成物のバインダ−樹脂をフッ素系
樹脂(旭ガラス(株)製、ルミフロン)に変え、又、抗
菌剤(松下電器産業(株)製アメニトップ)を樹脂固形
分に対して3重量%添加した以外は実施例1と同様にな
し導電性を有する基材を得た。尚、導電性樹脂層の厚さ
は35μmであった。
【0028】〈比較例1〉実施例1で用いたバインダ−
樹脂に10μmグラファイト(日本黒鉛(株)製)を樹
脂固形分に対して60重量%充填し、ボ−ルミルで分散
後専用硬化剤を5%添加しスプレ−にて塩化ビニルパイ
プ内面に塗布し、60℃、2時間乾燥することにより導
電性樹脂層の厚さが32μmの導電性を有する基材を得
た。
【0029】以上実施例1〜4、比較例1で得られた導
電性を有する基材を以下の装置に組み込み、2カ月後、
導電性樹脂層の表面状態と比抵抗値を4端子法で評価し
た。尚、比抵抗値の結果は試験前を100とした相対値
で示した。その結果を表1に示す。
【0030】〈使用装置〉図2に示すものであり、図2
において、符号5はL字の塩化ビニル製パイプであり、
該L字パイプ5内には実施例、比較例で得た導電性樹脂
層が形成されている。このL字パイプ5の一端には、そ
の他端がポンプ7に接続された配管6が連接され、L字
パイプ5の他端には、その他端が容器9内の人工海水1
0と接続された配管8と連接されている。符号11は容
器9とポンプ7とを接続する配管である。尚、人工海水
10は、3m/秒の流速で装置内を循環している。
【0031】
【表1】
【0032】更に、水性生物の殺菌実験、水性生物の殺
菌及び付着防止効果実験を行った。 〈実施例5〉 〈殺菌実験〉試験は50cm×50cm、厚さ5mmの
ナイロン板に実施例1の条件(A)と比較例1の条件
(B)で導電性樹脂層を形成したものを用いた。電位は
+1.2V vs.SCEで1時間/−0.6V v
s.SCEで10分間のパルス電位を印加し、比較のた
めに電位を印加しない場合も試験した。水性生物として
大腸菌(Escherichia coil K−12
ATCC 10789)を用い、水道水に懸濁し、菌
体数をヘマタイトメ−タ−で測定し菌体数を10×10
6cells/mlに調整した。尚、評価はPropi
dium Iodide(PI)、4、6−Diami
dino−2−Phenylindole(DAPI)
を用いて染色を行い紫外線照射下、蛍光顕微鏡で観察し
た。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】〈実施例6〉 〈殺菌及び付着防止効果実験〉実施例5で用いた導電性
樹脂基材を用い、水性生物として海洋細菌(Vibri
o alginolyticus)を用いた。マリンブ
ロス(Marinebroth)2216(DIFCO
Laboratory社製)中で25℃、10時間好
気的に培養した。培養後の菌体を遠心集菌し、その後滅
菌海水で洗浄後滅菌海水中に懸濁させ、菌数をヘマタイ
トメ−タ−にてカウントし、1×108cell/ml
濃度の菌体懸濁液を作製し試験に用いた以外は実施例5
と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の導電性を有する基材は、基材上
に接着層と導電性繊維層を順次設け、該導電性繊維層上
に導電性樹脂層を形成、特に、接着層と導電性樹脂層間
に導電性繊維層を設けたので、海水などの接触による劣
化が少なく、長期的に導電性を維持できることから、こ
れらに電位を印加することで水性生物の付着防止が長期
間保持でき、又、殺菌及び付着防止効果実験の結果から
もその防汚効果が高いことが認められ、水中構造物の防
染を防止する上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基材の断面図。
【図2】実施例、比較例により得られた導電性樹脂基材
の効果を確認するために用いた装置の説明図。
【符号の説明】
1 基材 2 接着層 3 導電性繊維層 4 導電性樹脂層 5 L字パイプ 6 配管 7 ポンプ 8 配管 9 容器 10 人工海水 11 配管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に接着層と導電性繊維層を順次設
    け、該導電性繊維層上に導電性樹脂層を形成した導電性
    を有する基材。
  2. 【請求項2】 接着層に導電性微粒子を含む請求項1記
    載の導電性を有する基材。
  3. 【請求項3】 接着層がホットメルト型接着剤からなる
    請求項1もしくは請求項2記載の導電性を有する基材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014069853A1 (en) * 2012-10-29 2014-05-08 Kolon Industries, Inc. Aramid fiber product with excellent conductivity and method of manufacturing the same
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