JPH10249122A - 気固分離器 - Google Patents
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Abstract
の滞留時間が短く、大きい混合比の場合にも固体の除去
率の高い固気分離器を提供する。 【解決手段】 一端に開口して粒子と気体の該混合物が
導入される導入口(1) が形成された鉛直方向に延びる有
底円筒状の内筒(10)と、この内筒を外方から同軸状に覆
って固定され上部には外部に連通する気体抜出口(6) が
形成され下方には外部に連通する粒子抜出口(3) が形成
された略密閉状態の外筒(2) とを具備させ、前記内筒(1
0)には、側面の円周等分部位で軸方向に延びて形成され
た複数の長孔(4) と、該長孔(4) 夫々の縁部近傍から外
方に突出して内筒径方向と一定角度を成して所定幅だけ
延びた長尺平板状或いは長尺湾曲板状の複数の案内羽根
(5)を形成した構成とする。
Description
を夫々に分離するための分離器に関し、更に詳しくは特
に化学反応に伴い生じた気体生成物と触媒等の混合物の
ように混合物から固体を迅速に分離することにより短反
応時間を達成することが望まれる場合等に用いて好適な
高速気固分離器に関する。
反応物と接触させる反応系は古くから知られている。こ
のような反応系である流動床式反応器の中には濃厚流動
層(気泡流動層)を用いるもの、高速移動層(高速流動
層)を用いるもの等がある。固体と気体の接触時間を短
くする必要のある反応(短接触時間反応)には高速移動
層が用いられている。現在、重質油等を原料油としてガ
ソリンを製造している流動接触分解装置においてはライ
ザーと呼ばれる上昇流型高速移動層反応器が主流となっ
ている。理由は触媒性能の向上に伴い接触時間を短くす
ることが可能となり、これによってガソリン等の好まし
い生成物の選択性が上がり、好ましくない過分解反応が
抑制できるようになったことによる。
粒子状固体触媒の混合物が反応器出口から流出するが、
短接触時間反応が要求されるこの種の装置では混合物か
ら粒子状固体触媒をいかに迅速に分離できるかが重要な
課題であり分離器の性能が重要となる。この課題に対処
するため、最近の重質油等を原料油としてガソリンを製
造している流動接触分解装置ではUS5,552,120,US5,538,
623 等に見られるようにライザー出口の直近にサイクロ
ンを置くクローズドサイクロンと呼ばれる分離方式が使
用され始めている。
時間反応で軽質オレフィンを指向するような流動接触分
解装置では、反応器出口における迅速な気固分離、従っ
て分離器が特に重要となる。なぜなら、反応時間が0.
1〜1. 5秒程度になるとサイクロンのような既存の分
離器においては反応器内の気体の滞留時間に対する分離
器内の気体の滞留時間が相対的に大きくなり、反応が分
離器内で継続進行し、製品収率の低下あるいはコーク析
出等の悪影響をまねくことになるからである。
る方法のほかに、触媒の分離によらず反応器出口で生成
物と触媒の混合物を急冷することで反応を停止する方法
も可能である。しかし、重質油等を原料油としてガソリ
ンを製造する流動接触分解装置では、触媒を高温で再生
し再び反応に用いることにより触媒を熱媒体として利用
しているため、触媒を分離する前に該混合物を急冷する
ことは熱効率上好ましくない。
を製造する流動接触分解装置における最も有効な方法は
反応器出口で生成物と触媒を迅速に分離することに帰す
る。この場合、100%の迅速分離ができなくても大部
分の触媒が分離できれば、後続の既存サクロン内の滞留
時間が長くとも残存触媒量が少ないため反応への寄与率
は小さいものとなる。ちなみに、後続の既存サイクロン
内での反応が無視できないものであれば、既存サイクロ
ン入口で急冷すれば熱効率に与える影響は小さなものと
することができる。
方法としては、例えばUS3,074,878があげられる。この
中では下降流の管状反応器の中に方向偏向板を設けるこ
とにより混合物の流れを反応器の片側に寄せ、その反対
側から横向きに気体を抜き出す方法を採用している。然
しながら、この方法は気体の方向転換角度が90度以上
とれないために分離効率が低い。その上、方向偏向板は
直接混合物の衝撃を受けるため磨耗が激しいという欠点
も有している。
昭60-18447があげられる。これは下降流型または上昇流
型反応器に対して水平に長方形のチャンバーを設けてい
る。混合物はこのチャンバーの一方の端から流入し、9
0度方向転換した後、チャンバーの反対側の端から触媒
は下方に、気体は上方に抜き出している。この場合には
チャンバー内での混合物の流れの乱れが激しく、分離触
媒がスムーズに触媒抜き出し口に流れず、上方に巻き上
げられるために分離効率が低く、その傾向は粒子の量を
表す混合比が大きくなるに伴い顕著となる。
接触時間反応が要求されるプロセスにおいては反応時間
の短縮に伴う転化率の低下を補うために触媒循環量の増
加が余儀なくされる。このような背景から分離器として
は、大きい混合比で短時間に分離できる高速分離器が要
求されている。なお、ここでいう分離効率とは分離器に
供給された固体の内、分離器で除去された固体、すなわ
ち固体抜き出し口から抜き出された固体の割合であり、
下式で表される。 分離効率(単位:%)=(固体抜き出し口から抜き出さ
れた固体の重量)/(分離器に供給された触媒の重量)
固混合物の中の固体の重量を気体の重量で除した数値で
あり下式で表される。 混合比=(固体重量)/(気体重量)
に従来の高速気固分離器にあっては、夫々に難点を有し
ており大きい混合比の場合に充分な特性を備えていない
短時間に分離できないとの実情に鑑みて創案されたもの
で、その目的は従前のものに比して一段と分離装置内の
気体の滞留時間が短く、固体の除去率の高い固気分離器
を提供することにある。
に本発明では、一端に開口して粒子と気体の該混合物が
導入される導入口(1) が形成された鉛直方向に延びる有
底円筒状の内筒(10)と、この内筒を外方から同軸状に覆
って固定され上部には外部に連通する気体抜出口(6) が
形成され下方には外部に連通する粒子抜出口(3) が形成
された略密閉状態の外筒(2) とを具備させ、前記内筒(1
0)には、側面の円周等分部位で軸方向に延びて形成され
た複数の長孔(4) と、該長孔(4) 夫々の縁部近傍から外
方に突出して内筒径方向と一定角度を成して所定幅だけ
延びた長尺平板状或いは長尺湾曲板状の複数の案内羽根
(5) を形成する。
個数が2〜16であり、前記外筒(2) の直径と前記内筒
(10)の直径との比が1.1 〜20の範囲にあり、外筒(2) の
有効長を内筒(10)の直径の1 〜30倍とする。また、上記
各構成において前記外筒内の下部位置にストリッピング
用に環状のスチーム供給手段(12)を含んだプレストリッ
ピング機構(13)を設ける。
と外筒の二重管構造を持ち、気固混合物は内筒に供給さ
れる。内筒の混合物供給口と逆の端は底板または天板に
より封止されている。また内筒には軸方向に長いスリッ
トが数カ所設けられており、内筒底板または天板により
方向転換させられた気固混合物はこのスリットから内筒
と外筒の間の空間に噴出する。スリットには案内羽根が
付属しており、噴出した混合物は内筒の円周方向に向き
を変えられ内筒と外筒の間で旋回流を形成する。このと
き遠心力により固体が分離され、外筒壁面に到達した固
体は重力により外筒下部に設けられた固体抜き出し口か
ら排出される。一方、気体は外筒上部に設けられた気体
抜き出し口から排出される。こうして高速の分離が達成
される。前記長孔及び案内羽根の個数を2〜16、前記
外筒の直径と前記内筒の直径との比が1.1 〜20、外筒の
有効長を内筒の直径の1 〜30倍としたものにて確実に良
好な分離が行われる。前記外筒内の下部位置にプレスト
リッピング機構を一体に設けることで高機能の分離器と
することができる。
を詳細に説明する。図1(a) 〜(c) は本発明の気固分離
器を下降流形態での使用に適した一実施例を示すもの
で、図1(a) は側断面図、図1(b) は分離器をA−A’
で切断した横断面図、また図1(c) はB−B’面の横断
面図である。
された内筒(10)及び外囲器を兼ねた外筒(2) とを主体に
略筒状の二重構造に構成されており鉛直方向に延びた姿
勢で使用される。内筒(10)は、上方から鉛直方向に延び
る有底円筒状で本実施例では上方となる一端が開口して
導入口(1) を形成しており、この導入口(1) からは粒子
と気体の所定混合物が導入されることになる。他端(図
では下方)は底板(11)によって封止されていて後述する
側面部に開口する複数の長孔を除いて外方とは気密にな
っている。
状に位置する筒状体で、その上部には外部に連通(但し
前記内筒内部とは確実に離隔されている)する気体抜出
口(6) が形成されている。実施例では外筒(2) 上部の小
径となった気体抜き出し管(7) の上端部分側面の対向位
置2ヵ所にパイプが接続されて開口している(図1(c)
参照)。一方、下方(下端部)には外部に連通する粒子
抜出口(3) が形成されている。実施例では下端部が円錐
側面状に傾斜し一定小径のパイプ(粒子抜出口)に繋が
っている。このように外筒(2) は上下の開口を除き略密
閉状態になっている。
(2) の直径と前記内筒(10)の直径との比が1.1 〜20の範
囲が好適であり、外筒(2) の有効長を内筒(10)の直径の
1 〜30倍とすると好適である。この点については別途説
明する。
円周等分部位に複数個(図では4個)の軸方向に延びる
狭幅矩形状の長孔(4) が形成されており(スリッ
ト)、更にこれら長孔(4) 夫々の縁部近傍から外方に突
出して内筒径方向と一定角度を成して所定幅だけ延びた
長尺湾曲板状(平板状でも良い:後述)の複数の案内羽
根(5) が形成されている(図1(b) 参照)。長孔(4) 及
び案内羽根(5) の個数は2〜16とすると好適である
(後に詳述)。
用いて形成される。例えば、ステンレスは加工性に優れ
耐薬品性も良いので適材といえる。その他、異なる素材
を適宜組み合わせて各部を構成しても良い。要は、必要
な剛性と耐性が得られれば足りる。
この実施例の作用を説明する。気固分離器に対して上方
の混合物導入口(1) から気体および固体からなる混合物
が内筒(10)へと所定速度で導入される。内筒(10)の下端
部は底板(11)により封鎖されていて、導入開始直後だけ
は固体は該底板に衝突することになるが、次第に触媒床
が形成されて底板は固体の衝突・衝撃から保護される。
の流れは静止床への衝突により横方向(水平方向)へと
方向変換され、内筒(10)の側面に設けられた複数の長孔
(スリット:5)から図に矢印Fで表すように側方へと飛
び出す。このとき、案内羽根(4) が機能して混合物の進
路が曲げられる結果、内筒と外筒の間の空間で旋回流が
形成される。この過程中で、固体は遠心力作用によって
分離され外筒壁面にまで到達する。この間にも固体は重
力の影響を受けており、結果、図中矢印Fdで示した如
くに螺旋運動を行いながら下方に移動し、固体抜き出し
口(3) に到達して系外へと抜き出される。一方、固体よ
りも質量の小さい気体は矢印Fu のような螺旋運動を行
いながら上部の気体抜き出し管(7) に到達して気体抜出
口(6) から系外へと抜き出され後続装置へと向かう。
孔(スリット)、案内羽根の各要部についてより詳細に
説明する。以下、まず本構造を採る分離器における一般
に分離効率に影響する因子について説明する。分離効率
に影響する因子には粒子径および粒子密度、気体と粒子
の密度差、旋回流による遠心力等がある。これらはいず
れも大きい方が分離効率が高くなる。また、遠心力は分
離器の構造により変化させることができるが、その他の
因子は混合物固有のものであり変えることは出来ない。
る。内筒を通過する混合物の線速度が一定の場合を考え
ることにする。この場合、イ.) スリットの数が同一であ
ればスリットの開口面積を小さくしてスリットを通過す
る混合物の線速度を大きくする方が大きい遠心力が得ら
れ分離効率が上がる。しかし、逆効果としてエロージョ
ンが進む方向となる。ロ.) スリットの線速度が同一であ
ればスリット1個当たりの開口面積を小さくしてスリッ
トの数を増やす方が分離器全体にわたる安定した遠心力
が得られ、分離効率が上がる。しかし、逆効果として分
離器が複雑となる。以上の事実を踏まえるとスリットの
数は要求される分離効率あるいはエロージョンの程度、
分離器の複雑さ等を総合的に判断し、最終的にはそれぞ
れの混合物を用いた実験結果により決定されることとな
る。
あるが、これに限定されることはなく2〜16個のう
ち、どの数でも良い。好ましくは3〜8個、より好まし
くは4〜6個を採用するのが良い。長孔(4) の数が単一
(2個より少ない)では内外筒間隙にて分離に必要な旋
回流が全体的に得られず不都合であるし、筒部のサイズ
にも依るが一般には16個を越える長孔を設けても分離
器が徒に複雑・高価となるだけであって、さしたる分離
効率の向上は認められなくなる。上記のスリット数は重
質油等を原料油としてガソリンを製造する流動接触分解
装置に使用されている該混合物を用いた実験結果を解析
して総合的に判断した結果である。本構造におけるスリ
ット(長孔)の数は要求される分離効率に直接影響する
ものであり、一般に最終的には実験により確認されるの
が好ましい。
を用いて次式で表される。 スリットの幅=1mm 〜L1 /4 好ましくは =L1 /16〜L1 /64
状のときは外筒上端から内筒底板までの距離、図4の形
状のときは内筒天板から外筒下端までの距離であるL2
を用いて次式で表される。 スリットの長さ=L2 ×a ここでaは0. 1〜0. 99 好ましくは0. 7〜0. 95
スリットを通過する混合物の線速度が1〜100m/s 、
好ましくは3〜30m/s 、より好ましくは3〜15m/s
となるよう決定される。スリットの面積が決まるとそれ
に応じてスリットの幅と長さが決定できる。スリットを
通過する混合物の線速度が1m/sより小さい場合は混
合物の旋回速度が遅く分離不十分になるため好ましくな
い。また線速度が100m/sより大きい場合はスリッ
ト、案内羽根、外筒側壁の磨耗が激しくなるため好まし
くない。
長孔(4) の一方の長辺縁に沿って設けられ、その形状は
図1で例示したように円弧でも良いし、或いは図2(a)
に横断面図で示すように平板状であっても良い。更には
図2(b) に示すようにスリットの両脇に2枚1組で平行
して設置することも考えられる。要は、長孔夫々の縁部
近傍から外方に突出して内筒径方向と一定角度を成して
所定幅だけ延びて板状部材が設けられていれば良い。分
離器総体として円滑な動作が得られるように全ての案内
羽根は同一形状とし円周等分点に位置するように取り付
ける。なお、一つの長孔に対応して複数部に分割された
構成の案内羽根とすることもできる。
内羽根の先端までの距離Rを用いて次式で間接的に表さ
れる。 案内羽根の幅=(Rー内筒の半径)=(外筒の半径ー内
筒の半径)×b ここでbは0. 2〜0. 99 好ましくは0. 5〜0. 8 bが0.2より小さい、すなわち案内羽根の幅が小さす
ぎる場合はスリットから噴出した混合物の方向転換が十
分に行われず旋回速度が小さくなるため好ましくない。
bが0.99より大きい、すなわち案内羽根の幅が大き
すぎる場合は外筒と案内羽根の隙間が小さくなりすぎ旋
回する固体が案内羽根にあたり磨耗が激しくなるため好
ましくない。
規定し得る。 案内羽根の最小長さ=スリットの長さ/2 案内羽根の最大長さ=外筒の長さ 好ましくはスリットの長さ〜0. 8×外筒の長さ
ましくは直結する該混合物移送管と同一であるが、内筒
を通過する混合物の適度な線速度を得るためにサイズダ
ウンしてもサイズアップしても良い。具体的には内筒の
混合物線速度が1〜100m/s、好ましくは3〜30
m/s、より好ましくは3〜15m/sとなるよう内筒
の直径が決められる。
ら20倍。滞留時間を短くする点を重視すれば、好まし
くは可能な限り小さくする。具体的には1.1〜3倍が
好ましい。また、外筒の長さについては内筒の直径を基
準としてその1〜50倍。滞留時間を短くする点を重視
すれば、好ましくは可能限り短くする。具体的には1〜
5倍が好ましい。
様に旋回による遠心力を用いて気固分離を行うため分離
効率が高い上、気固混合物の導入口を分離器の全長にわ
たってスリット状に広く取っているために小さい線速度
でありながら分離器全体にわたって安定した旋回流を生
み出せる点にある。これによって気体は分離器内を下か
ら上へと旋回しながらスムーズに流れ、接線型サイクロ
ンに比較して気体の上下の旋回速度の差が小さいことか
ら気体の滞留時間分布が狭く、圧力損失も小さい。ま
た、接線型サイクロンのような大きいコーン部を持たな
いので滞留時間も短い。さらに、分離効率は粒子負荷の
増大に伴い接線型サイクロンの分離効率を上回る。
の衝撃を最も強く受ける場所は内筒底板であるが、スリ
ット下端と底板との間の空間は触媒溜まりとなり、この
触媒床が保護材となって磨耗が低減される。一方、上昇
流に使用する場合にはスリット上端と内筒天板との空間
はガス溜まりとなり、この空間で混合物による衝撃が吸
収される。該分離器の案内羽根は混合物の流れに対して
平行に配置されるために磨耗が少なく、スリットから噴
出する混合物の線速度が小さくできるのでスリットの口
および外筒壁面の磨耗も少ない。
れると、重質油等を原料油としてガソリンを製造する流
動接触分解装置に用いるような場合には固体抜出口は下
流のストリッピング装置に接続される。ストリッピング
装置に導入される固体抜出口からの触媒は粒子群の隙間
に存在するガスおよび粒子に吸着されている重質油を含
んでおり、これらがストリッピング装置内でスチーム等
の不活性ガスにより除去される。
ピング装置が問題となることがある。すなわち、ストリ
ッピング装置内における触媒の滞留時間は概して長いた
め、ストリッピングが完了するまでの時間は反応が継続
されているという点である。従って、このような余分な
反応を避け、また、気体の一部が固体抜き出し口からス
トリッピング装置に導入されるという好ましくない現象
が起こった場合の影響を無くすために滞留時間の短い
(装置容積の小さい)プレ・ストリッピング装置が設置
されることがある。
(図5も参照)に示すように本発明の分離器に等価機能
を組み込んで外筒下部をプレ・ストリッピング装置とす
ることが可能である(符号13)。なお図中ではバッフル
によって固体粒子を分散させる方式のプレストリッピン
グ機構(装置)を用いているが、これに限定されること
はなくパーフォレイテッドトレイ(穴あき盤)や濃厚流
動層を用いる方式のプレストリッピング装置相当の機構
なども採用することができる。
生するガスおよびオイルベーパー、ストリッピングスチ
ーム等はプレ・ストリッピング装置から系外に排出する
のではなく、当該気固分離器に直接導入される。これに
よりプレ・ストリッピング効果が向上すると共に設備が
省力化できる。なお直接導入(組み込み)が可能となる
理由は直接導入を行った場合にも該分離器においては広
範囲にわたる安定した旋回流が装置内下部まで維持され
ており分離効率の低下は認められないためである。
いて説明するが、本発明はこれによって何ら限定される
ものではない。実験に供した分離器は図1に示す形態の
ものであってスリットの幅およびスリットの長さ、案内
羽根の幅、案内羽根の長さ、外筒の直径、外筒の長さ、
さらにスリットの数を変えた5種である。粉粒体には重
質油からガソリンを製造する流動接触分解装置に使用さ
れている触媒を用いた。この触媒の平均粒径は63ミクロ
ン、カサ比重は0.85g/cm3 である。また、気体には常温
の空気を用いた。
よび分離器B、分離器C、分離器D、分離器Eの寸法等
を示す。
よび混合比(触媒重量/空気重量)を変化させたときの
分離効率(触媒回収率)を示す。内筒線速度15m/s
で混合比29は流動接触分解装置の反応管の条件に相当
するが、この条件における分離効率は99%以上であ
る。また、線速度30m/sにおいても分離効率は99
%を保持している。
た結果を示す。分離器Bはスリットの数が3個であるた
め、スリットの線速度が分離器Aの4/3倍になってい
る。この場合の分離効率は内筒線速度15m/s以下に
おいては99%以上、30m/sにおいては97%以上
である。
た結果を示す。分離器Cは外筒の直径が分離器Aの8/
10になり、これに伴い案内羽根の幅が1/2になった
ものである。この場合の分離効率は内筒線速度15m/
s以下においては99%以上、30m/sにおいては9
5%以上である。
た結果を示す。。分離器Dはスリットの長さが分離器C
の1/2になっているため、スリットの線速度が分離器
Cの2倍になっている。この場合の分離効率は全ての条
件において92%以上となっている。
た結果を示す。分離器Eはスリットの幅が分離器Cの1
/2になっているため、スリットの線速度が分離器Cの
2倍(分離器Dと同じ)になっている。この場合の分離
効率は内筒線速度15m/sにおいては99%以上、3
0m/sにおいては95%以上である。
ら導入される下降流型の気固分離器を示したが、本発明
は混合物を下方から導入する上昇流型の気固分離器に適
用することもできる。図4は、このように構成した本発
明他の実施例を示す側断面図である。この気固分離器(1
00A)においても同軸状に固着された内筒(10 ´) 及び外
囲器を兼ねた外筒(2´) とを主体に略筒状の二重構造に
構成されている点は変わりがなくやはり鉛直姿勢で使用
される。
に延びる有底円筒状で下方端が開口して導入口(1´) と
なっている。対応して上方の他端が天板(11 ´) によっ
て封止されて複数の長孔を除いて略気密に構成されてい
る。これと対応して外方同軸の外筒(2´) はその上部中
央に小径に絞って気体抜出口(6´) が設けられている。
外筒(2´) の下方部は漸次小径に形成されて内筒(10
´) の外面に接合されるとともに下部の円錐状斜面部に
外部に連通する粒子抜出口(3´) が形成されており上下
の開口を除き略密閉状態で全体は気密が保たれている。
に詳述した図1の例と全く同様である。そして前述した
内筒(10 ´) の側面には既述実施例と同等の複数個の長
孔(4) と案内羽根(5) を具備している(図1(b) 参
照)。その他の部分で図1と同一符号は同等部であるこ
とを示す。本実施例では下方中央の導入口(1´) から混
合物が導入される点以外は、その用法や作用・性能等も
既述した分離器と全く同様であり、等価の効果を発揮す
るもので、これらについては重複をさけて説明を省略す
る。
にバッフルまたはパーフォレイテッドトレイ(穴あき
盤)或いは濃厚流動層を用いることで既存のプレ・スト
リッピング装置と等価機能(符号13)を組み込んだもの
とすることができる。図5にこのように構成した気固分
離器の一例(100A ´) を側断面図で示す。各部の符号は
他図と同等部分に同一符号を付してあり、各部の説明は
省略する。これにより前述例同様に設備が省力化ができ
またプレ・ストリッピング効果自体も向上する。
は、一端に開口して粒子と気体の該混合物が導入される
導入口が形成された鉛直方向に延びる有底円筒状の内筒
と、この内筒を外方から同軸状に覆って固定され上部に
は外部に連通する気体抜出口が形成され下方には外部に
連通する粒子抜出口が形成された略密閉状態の外筒とを
具備し、その内筒には、側面の円周等分部位で軸方向に
延びて形成された複数の長孔と、該長孔夫々の縁部近傍
から外方に突出して内筒径方向と一定角度を成して所定
幅だけ延びた長尺平板状或いは長尺湾曲板状の複数の案
内羽根が形成されている結果、従来のものに比べて装置
内の気体の滞留時間が短く、固体の除去率の高いより高
速に気体と固体の分離が達成される。特に長孔及び案内
羽根の個数を2〜16、外筒の直径と前記内筒の直径と
の比が1.1 〜20、外筒の有効長を内筒の直径の1 〜30倍
としたものでは確実に良好な分離が行われる。外筒内の
下部位置にプレストリッピング機構を一体に設けること
でより高機能の分離器とすることができる。
おり、(a) は分離器の側断面図、(b) 及び(c) は夫々横
断面図である。
内羽根の異なる形状を説明する横断面図である。
図である。
ある。
断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 粒子径1〜500μm の固体粒子と気体
の混合物から粒子を迅速に分離することを目的として設
計され、 一端に開口して粒子と気体の該混合物が導入される導入
口(1) が形成された鉛直方向に延びる有底円筒状の内筒
(10)と、 この内筒を外方から同軸状に覆って固定され上部には外
部に連通する気体抜出口(6) が形成され下方には外部に
連通する粒子抜出口(3) が形成された略密閉状態の外筒
(2) とを具備してなり、 前記内筒(10)には、側面の円周等分部位で軸方向に延び
て形成された複数の長孔(4) と、該長孔(4) 夫々の縁部
近傍から外方に突出して内筒径方向と一定角度を成して
所定幅だけ延びた長尺平板状或いは長尺湾曲板状の複数
の案内羽根(5)が形成されていることを特徴とする気固
分離器。 - 【請求項2】 前記長孔(4) 及び案内羽根(5) の個数が
2〜16であり、前記外筒(2) の直径と前記内筒(10)の
直径との比が1.1 〜20の範囲にあり、外筒(2) の有効長
を内筒(10)の直径の1 〜30倍としたことを特徴とする請
求項1に記載の気固分離器。 - 【請求項3】 前記外筒内の下部位置にストリッピング
用に環状のスチーム供給手段(12)を含んだプレストリッ
ピング機構(13)を設けたことを特徴とする請求項1又は
請求項2に記載の気固分離器。
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