JPH10246246A - 変速機用同期装置 - Google Patents

変速機用同期装置

Info

Publication number
JPH10246246A
JPH10246246A JP9089871A JP8987197A JPH10246246A JP H10246246 A JPH10246246 A JP H10246246A JP 9089871 A JP9089871 A JP 9089871A JP 8987197 A JP8987197 A JP 8987197A JP H10246246 A JPH10246246 A JP H10246246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
gear
hub
transmission gear
coupling sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9089871A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumi Hiraiwa
一美 平岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYOWA GOKIN KK
Original Assignee
KYOWA GOKIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYOWA GOKIN KK filed Critical KYOWA GOKIN KK
Priority to JP9089871A priority Critical patent/JPH10246246A/ja
Publication of JPH10246246A publication Critical patent/JPH10246246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/04Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch
    • F16D23/06Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch and a blocking mechanism preventing the engagement of the main clutch prior to synchronisation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シフト操作力を倍力して同期可能な車両用同期
装置における摩擦面での同期能力を向上させる。 【解決手段】同期リング40の外周コーン部をハブ22
から2速ギヤ14に向かうにしたがって径が縮小するよ
うにして、2速ギヤ14からハブ22に向かうにしたが
って径を拡大させた2速ギヤ14側の内周コーン部18
に挿入した。このため同期による摩擦熱により熱膨張率
の高い同期リング40が内周コーン部18との熱膨張差
によって起きる耐久性の低下を防止するとともに、摩擦
面の直径を大きく設定可能になることで同期能力が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カップリングスリ
ーブの押圧力を倍力して同期可能な車両用変速機に用い
る同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からよく知られている車両用変速機
の同期装置としては、たとえばナツメ社から1995年
7月15日に発行された青山元男著「カー・メカニズム
・マニュアル[ベーシック編]」の102ページに記載
されたキー式(ボルグワーナー式ともいう)同期装置等
が知られている。
【0003】このキー式同期装置では、同期は以下のよ
うにして実行される。すなわち、シフト操作によりシフ
トフォークを介してカップリングスリーブをキーととも
に被同期歯車方向へ移動させ、キーが同期リング内周の
摩擦面を被同期歯車に一体形成したコーン部摩擦面に接
触するまで押す。同期リングが被同期歯車のコーン部に
接触すると、同期リングはキー溝の隙間分だけ回転して
カップリングスリーブのチャンファと同期リングのチャ
ンファが相対するインデックス状態となる。その後、さ
らにカップリングスリーブを移動すると、キーは同期リ
ングに当たってそれ以上進まずカップリングスリーブ内
面の溝とキーの突起との係合とが外れ上記両チャンファ
同士が接触して同期リングが被同期歯車の摩擦面を押し
つけられることで、摩擦トルクが発生しカップリングス
リーブと被同期歯車間の同期が行われる。同期終了で摩
擦トルクが消滅しカップリングスリーブが同期リングを
押し分けてさらに移動し被同期歯車のスプラインと噛み
合って変速が終了する。このキー式同期装置は、操作
性、耐久性、組み付け作業性に優れていることから現在
最も多く採用されているタイプの同期装置となってい
る。
【0004】しかしながら、上記キー式同期装置では、
カップリングスリーブに作用する力をそのまま同期リン
グに伝える構造であり、かつチャンファの角度やコーン
部のテーパー角度の設定可能な範囲に限度があったこと
から、同期装置の径を拡大することなくシフトのための
操作力を軽減すること、あるいはより小さな摩擦係数の
摩擦材を使用して同等の同期容量を得られるようにする
ことは、困難であった。そこで、本発明者は、簡単な構
成でカップリングスリーブの押圧力を倍力して同期リン
グへ伝達できる倍力機構を備えた同期装置を発明し、特
願平08−079723号にて出願した。この倍力機構
は、カップリングスリーブとこれを支持しながらスプラ
イン嵌合するハブと、同期リングの間に少なくとも2個
のレバー部材を設けて、シフト時にこのレバー部材の半
径方向内側部分を上記ハブの端面に当て、半径方向外側
部分をカップリングスリーブにテーパー面を介して当て
て、レバー部材におけるこれらの当接部分の途中部分を
同期リング後面に当接可能に構成することで、カップリ
ングスリーブの移動により、ハブに当たる部分を支点と
するレバー部材によるてこ機能を発揮し、カップリング
スリーブの押圧力を拡大して同期リング後面に伝える。
このようにシフト操作力に対する同期リング押圧力を拡
大することで、シフト操作力の軽減、あるいは摩擦材の
選択範囲を広げることが可能になった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記本発明者が提案し
た同期装置では、同期に利用するコーン部の摩擦面の関
係が従来一般の同期装置の摩擦面の関係と同じで、変速
ギヤ側の摩擦面がコーン部の外周にあって変速ギヤから
ハブに向かうにしたがって径が縮小するように形成さ
れ、これに対向する同期リングのコーン部の摩擦面も内
周側でハブから変速ギヤに向かうにしたがって径が拡大
するように形成されていた。このため、同期時レバー部
材でのてこ作用で同期リングの押圧力を倍力して同期能
力を向上できるものの、摩擦面での能力は変わらず、こ
の面でも同期能力の向上が望まれる。
【0006】また、通常同期リングはアルミニューム青
銅系や高力黄銅系といった銅系の材料で作られており、
鉄ベースの変速ギヤ側コーン部に比べ熱膨張率が高い。
一方、同期作用はコーン部同士の相対回転で発生する摩
擦トルクを利用して行うものであるから、同期作用によ
り多量の熱が発生することは避けられない。この結果、
同期リングも変速ギヤ側コーン部も膨張して径が大きく
なるが、同期リングの熱膨張率の方が変速ギヤ側コーン
部より大きいため、高温時に同期リングがクラッチギヤ
側へ移動して同期リングの内周コーン部と変速ギヤ側の
外周コーン部との間で摩耗が生じたのと同じ結果にな
り、同期不能になるまでの耐久性が低下し寿命が短くな
ってしまう。本発明では、上記レバー部材の利用による
倍力機構を備えた同期装置において、摩擦面の直径を大
きくして同期能力をさらに向上させるとともに、高温時
の熱膨張差による耐久性の低下を防止することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の本発明の変速機用同期装置では、
回転しながら動力を伝える軸と、この軸に固定されて半
径外側に延びるハブと、このハブの外周にスプライン嵌
合により支持されて軸と一体回転可能なカップリングス
リーブと、前記軸と同軸上で回転しカップリングスリー
ブがスプライン嵌合可能なクラッチギヤ及びハブに向か
うに従って径が拡大する同期のための内周摩擦面を有す
るコーン部とが前記ハブ側面に一体化された変速ギヤ
と、この変速ギヤのコーン部の内周摩擦面に押圧可能で
前記ハブから前記変速ギヤに向かうにしたがって径が縮
小する外周摩擦面を有するコーン部が形成されて変速ギ
ヤに対し相対回転可能な同期リングと、複数のレバー部
材がカップリングスリーブに向けて半径方向外側へスプ
リングで付勢された状態でハブと同期リングとの間に配
置されてカップリングスリーブの変速ギヤへ向かう移動
による押圧力をてこ作用で倍力して同期リングに伝達す
る倍力機構とを設けたことを特徴とする。
【0008】また、請求項2に記載の本発明の変速機用
同期装置では、請求項1に記載の記載の変速機用同期装
置において、前記変速ギヤと一体化されたコーン部の内
周摩擦面を、この変速ギヤに一体化されたクラッチギヤ
の半径方向内側で軸方向にオーバーラップした位置に設
けたことを特徴とする。
【0009】また、請求項3に記載の本発明の変速機用
同期装置では、請求項1又は2に記載の変速機用同期装
置において、前記クラッチギヤと前記内周摩擦面を有す
るコーン部とは一体で、前記変速ギヤと別体で形成し
て、前記変速機に固定したことを特徴とする。
【0010】また、請求項4に記載の本発明の変速機用
同期装置では、請求項1乃至3に記載の変速機用同期装
置において、前記クラッチギヤと前記内周摩擦面を有す
るコーン部とは一体で、前記変速ギヤとは別材料で形成
して、前記変速機に固定したことを特徴とする。
【0011】
【作用】カップリングスリーブを移動させると、これに
スプリングで押し付けられたレバー部材を介して同期リ
ングが変速ギヤ側へ押し付けられる。この結果、同期リ
ングが設定隙間分回転してレバー部材に当接してレバー
部材を半径方向外側へ押し広げる。さらなるカップリン
グスリーブからの押圧で同期リング外周コーン部の摩擦
面は変速ギヤと一体回転する内周コーン部の摩擦面に押
し付けられ、ここで発生する摩擦トルクにより同期作用
が実行される。通常、同期リングは変速ギヤ側コーン部
より熱膨張率の高い材料で作られているので、同期中の
摩擦熱により前記両者が膨張すれば、同期リングがクラ
ッチギヤから離れることになり熱膨張差に起因する高温
時の耐久性の低下を防止するとともに、摩擦面の直径が
大きく設定できるので同期能力(容量)が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づき説明する。図1は、本発明の同期装置の断面を示
す。図1において、10は軸、本例では出力軸であり、
この大径部10−2には軸受12を介して変速ギヤであ
る2速ギヤ14を回転自在に支持するとともに、出力軸
10の大径部10−2の図中右隣には外周スプライン部
10−1を形成して半径方向外側に延びるリング状のハ
ブ22の内周スプライン22−1と噛み合わせること
で、ハブ22を出力軸10と一体回転させるようにして
ある。
【0013】上記2速ギヤ14には、外周に外スプライ
ン歯を有するクラッチギヤ16とこの半径方向内側に変
速ギヤ12からハブ22に向かうにしたがって径が拡大
する内周面で同期のための摩擦面となるコーン部18と
が、2速ギヤ14と別体で形成して固定してある。この
クラッチギヤ16と内周コーン部18とは、鉄系の材料
で作る。
【0014】一方、ハブ22の外側部分には外周スプラ
イン22−2を形成してあり、この外周スプラインにリ
ング状のカップリングスリーブ28の内周スプライン2
8−2を噛み合わせて、カップリングスリーブ28をハ
ブ22、出力軸10と常時一体回転させるとともに、ハ
ブ22に対し軸方向移動可能とする。カップリングスリ
ーブ28は、この外周に周方向のフォーク溝28−1を
形成して、この溝にはめ合わせた図示しないシフトフォ
ークにて軸方向移動可能とし、内周スプライン28−2
を、2速ギヤ14に一体のクラッチギヤ16と噛み合え
るような歯の大きさ、形状、スプライン径に設定してお
くことで、シフトフォークによる移動時にクラッチギヤ
16とかみ合い可能にする。
【0015】クラッチギヤ16とハブ22との間には、
クラッチギヤ16の内側に形成した内周コーン部18に
はめ合い可能な同期リング40を挿入配置し、この同期
リングの外周に同期のための摩擦面を有する外周コーン
部40−3を形成してこれをコーン部18の摩擦面に対
向させる。したがって、外周コーン部40−3の摩擦面
は、ハブ22から変速ギヤ14に向かうにしたがって径
が縮小するようにしてある。同期リング40は、図2、
図3に示すように、リング状をして一般に銅系の材料で
作られており、この周上の対称位置でハブ22方向に延
びる2つの突起40−1、40−2を備えている。
【0016】同期リング40とハブ22とカップリング
スリーブ24とで形成される空間には、2個のレバー部
材50、52を配置する。レバー部材50、52は、半
円弧状の部材でその円弧の真ん中、すなわちこの両端部
50−1、50−2、52−1、50−2から最も離れ
た位置にテーパー面50−3、52−3を形成した頭部
50−6、52−6を設ける。これら頭部は、ハブ22
の外周スプライン22−2の2カ所に切り欠き部22−
3、22−4を設け、これら切り欠き部にレバー部材5
0、52の頭部50−6、52−6を軸方向、半径方向
の双方に摺動可能に係合させる。一方、カップリングス
リーブ28の内周部にも周方向対称位置に2カ所テーパ
ー面28−3、28−4を形成する。これらカップリン
グスリーブのテーパー面28−3、28−4にはレバー
部材50、52のテーパー面50−3、52−3を対面
させ、レバー部材50、52の端部を、円状の一部が切
り欠かれたスプリング60により半径方向外側へ付勢し
てレバー部材のテーパー面50−3、52−3をカップ
リングスリーブ28のテーパー面28−3、28−4に
それぞれ押しつける力点(図3のP線の延長上)になる
ようにする。この組付け状態では、図2および図3で明
らかなようにレバー部材50、52の相対する端部50
−1と52−2との間、50−2と52−1との間に
は、同期リング40の突起40−1、40−2がそれぞ
れ周方向の隙間45−1、45−2を有した状態で位置
する。
【0017】また、レバー部材50、52の同期リング
40側の前面で頭部50−6、52−6と両端部50−
1と50−2、52−1と52−2の間の途中の周上位
置には、同期リング40に向かって延びこの後面に当接
可能な2組の押圧突起50−4、50−5(図3中50
−4の後側で見えず)、52−4、52−5(図3中5
2−4の後側で見えず)をそれぞれ設ける。この押圧突
起50−4、50−5、52−4、52−5はてこ作用
の作用点(図3のQ線の延長上)になる。さらに、レバ
ー部材50の端部50−1、50−2は図3においてO
線の延長上でハブ22の端面22−5と接し、てこ作用
の支点になる。これはレバー部材52も同様である。
【0018】なお、図では省略したが、図中ハブ22の
右側にはクラッチギヤとコーン部を一体形成した1速ギ
ヤを、ハブ22を中心に対称に配置してある。ただし、
このクラッチギヤは2速ギヤ14側のクラッチギヤ16
と同形かつ同径でカップリングスリーブ28とかみ合い
可能だが、1速ギヤそのものは当然2速ギヤ14と径が
異なるのは言うまでもない。また、同期リング、レバー
部材、スプリングについても2速ギヤ14側と同様に設
ける。また、1速ギヤ、2速ギヤの変速ギヤは図示しな
いカウンタ軸に一体のこれまた図示しない1速、2速用
の変速ギヤに常時かみ合い回転させられる。
【0019】上記構成の同期装置の作動について、説明
する。1速、2速以外の状態では、図1の状態にある。
1速では、カップリングスリーブ28は、図1の位置よ
り右に位置し図示しない1速ギヤのクラッチギヤと噛み
合っており、1速ギヤで減速した回転動力をこのクラッ
チギヤ、カップリングスリーブ28、ハブ22を介して
出力軸10へ伝えている。ここで、2速へシフトするよ
うに図示しないシフトフォークを図中左動させると、こ
れとともにカップリングスリーブ28も図中左へ移動し
1速ギヤのクラッチギヤとのかみ合いが外れ1速ギヤか
らはフリーとなる。
【0020】図1の状態では、スプリング60でカップ
リングスリーブ28のテーパー面28−3にレバー部材
50、52のテーパー面50−3、52−3が押しつけ
られているので、レバー部材50、52は、カップリン
グスリーブ28と一体となって移動し、レバー部材5
0、52の押圧突起50−4、50−5、52−4、5
2−5にて同期リング40の後面を押しこの同期リング
の外周コーン部40−3を2速ギヤ14の内周コーン部
18に押しつける。この結果、2速ギヤ14側の内周コ
ーン部18の摩擦面と同期リング40側の外周コーン部
40−3の摩擦面が押しつけられてこの間で摩擦トルク
が発生する。この摩擦トルクにより2速ギヤと一体回転
している内周コーン部18に引きずられて、同期リング
40の突起40−1、40−2がレバー部材の突起50
−1、52−1に当たるまで隙間45−1、45−2の
分、連れ回りする。これらの当接により上記摩擦トルク
は、レバー部材50、52に伝わり、これらレバー部材
50、52の頭部50−6、52−6、ハブ22の切り
欠き部22−3、22−4を介してハブ22、出力軸1
0へ伝わるとともに、レバー部材50、52を半径方向
外側へ押し広げる。
【0021】一方、カップリングスリーブ28のさらな
る押圧により、このテーパー面28−3、28−4がレ
バー部材50、52のテーパー面50−3、52−3を
押圧することで、レバー部材50、52は図中軸方向左
向きおよび半径方向内側に押されることになる。そうす
ると、レバー部材50、52の端部50−1、52−1
とハブ22の端面22−5とが当たっているところを支
点とし、上記両テーパー面28−3、28−4と50−
3、52−3での押圧部分を力点とし、レバー部材5
0、52の押圧突起50−4、50−5、52−4、5
2−5が同期リング40に当たる点を作用点とするてこ
作用で、図3に示すように作用点には力点での押圧力の
L2/L1倍に拡大した力が作用する。すなわち、同期
リング40は、カップリングスリーブ28を押すL2/
L1倍に倍力された力で押され、両コーン部40−3と
18の摩擦面間で強い同期作用を得ることができる。
【0022】ここで、テーパー面28−3、28−4、
50−3、52−3の角度と摩擦面40−3、18の角
度の関係を、カップリングスリーブ28がテーパー面2
8−3、28−4、50−3、52−3を介してレバー
部材50、52を半径方向内側へ押し込もうとする力よ
り摩擦面40−3、18で得られる摩擦トルクによりレ
バー部材を半径方向外側へ押し広げる力が大きくなるよ
うにあらかじめ設定しておき、同期中のカップリングス
リーブ28のさらなる進行を阻止するようにしておく。
【0023】上記のように倍力された強力な同期作用が
続き、出力軸10と2速ギヤ14との回転差がなくなり
同期が完了すると、上記摩擦トルクが消滅し、この結果
摩擦トルクによりレバー部材50、52を半径方向外側
に押し広げていた力もなくなることから、カップリング
スリーブ28のテーパー面28−3、28−4とレバー
部材50、52のテーパー面50−3、52−3とで生
じる半径方向内向きの力でレバー部材50、52をスプ
リング60に抗して半径方向内側に押し込む。したがっ
て、カップリングスリーブ28は、同期中この移動を阻
止していたレバー部材50、52を半径方向内側へ押し
込んで移動し2速歯車14のクラッチギヤ16と噛み合
うことで、2速へのシフトが完了することになる。
【0024】上記同期作用をみてみると、同期中の摩擦
熱の多量発生で同期装置の温度が上昇しても、同期リン
グ40の方がクラッチギヤ4と一体の内周コーン部18
より熱膨張率が高い材料で作られているので、従来の同
期装置と反対に、同期リング40が2速ギヤ14側から
離れる方向に移動するので熱膨張差による見かけ上の耐
久性の低下を防止するとともに、従来に比べて摩擦面の
直径が大きくできるので同期能力が向上する。
【0025】また、クラッチギヤ16とこれと一体の外
周コーン部18とが半径方向の内外関係に位置して軸方
向にオーバーラップしているので、同期装置、ひいては
変速機の軸方向寸法を小さくできる。さらに、クラッチ
16と内周コーン部18を、2速ギヤ14と別体で作っ
た後、2速ギヤ14に固定するので、これらの材料を異
ならせて性能やコストで最良なものを選べ、熱処理など
もやり易くなる。
【0026】なお、上記例では、同期リングやコーン部
等が図1中左右にある旨、説明したが、本発明者の出願
に係る特願平08−079723号に記載の実施例のよ
うに片方を同期作用のないリバースギヤとしても良い。
また、同期リングとレバー部材の当接による作用点を得
るため、上記例ではレバー部材に押圧突起を設けている
が、これに限られることはなく、要は両者が支点とカッ
プリングスリーブによる力点の間で当接して作用点とな
れば良い。
【0027】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の変速
機用同期装置によれば、以下のような効果を得ることが
できる。 (1)請求項1に記載の発明によれば、同期リングの外
周コーン部をハブから2速ギヤに向かうにしたがって径
が縮小するようにして、変速ギヤからハブに向かうにし
たがって径が拡大されるようにした変速ギヤ側の内周コ
ーン部に挿入して摩擦面同士を押し付けるようにしたの
で、同期時に発生する摩擦熱で同期装置の温度が上昇し
ても、同期リングの方がクラッチギヤと一体の内周コー
ン部より熱膨張率が高い材料で作られているので、同期
リングがギヤ側から離れる方向に移動するので熱膨張差
による耐久性の低下を防止することができる。また、同
期リングとクラッチギヤのコーン部との摩擦面の直径を
大きく設定することで摩擦トルク(同期容量)を大きく
することができる。
【0028】(2)請求項2に記載の発明によれば、請
求項1の同期装置において変速ギヤ側の内周コーン部を
クラッチギヤの内側で軸方向にオーバーラップさせて形
成したので、同期装置、ひいては変速機全体の軸方向寸
法を短くできる。
【0029】(3)請求項3に記載の発明によれば、請
求項1又は2の同期装置において、クラッチギヤと変速
ギヤ側の内周コーン部を変速ギヤと別体で一体化して作
り、変速ギヤに固定したので、材料の異なるものを使用
でき、熱処理など製造も簡単になる。
【0030】(4)請求項4に記載の発明によれば、請
求項1乃至3の同期装置においてクラッチギヤと変速ギ
ヤ側の内周コーン部を変速ギヤと異なる材料で別体にて
一体化して作り、変速ギヤに固定したので、それぞれの
機能やコストや作り易さに合った材料を選べる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同期装置の要部断面図である。
【図2】図1のA−A面におけるカップリングスリーブ
を除いた断面図である。
【図3】図1における同期リング、レバー部材、カップ
リングスリーブ、ハブ間の関係を示す一部断面図であ
る。
【符号の説明】
10:出力軸 14:2速ギヤ 16:クラッチギヤ 18:コーン部 22:ハブ 22−3、22−4:ハブの切り欠き部 22−5:ハブの端面 28:カップリングスリーブ 28−3、28−4:カップリングスリーブのテーパー
面 40:同期リング 40−1、40−2:同期リングの突起 50、52:レバー部材 50−3、52−3:レバー部材のテーパー面 50−4、50−5、52−4、52−5:レバー部材
の押圧突起 60:スプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転しながら動力を伝える軸と、この軸
    に固定されて半径外側に延びるハブと、このハブの外周
    にスプライン嵌合により支持されて軸と一体回転可能な
    カップリングスリーブと、前記軸と同軸上で回転しカッ
    プリングスリーブがスプライン嵌合可能なクラッチギヤ
    及びハブに向かうに従って径が拡大する同期のための内
    周摩擦面を有するコーン部とが前記ハブ側面に一体化さ
    れた変速ギヤと、この変速ギヤのコーン部の内周摩擦面
    に押圧可能で前記ハブから前記変速ギヤに向かうにした
    がって径が縮小する外周摩擦面を有するコーン部が形成
    されて変速ギヤに対し相対回転可能な同期リングと、複
    数のレバー部材がカップリングスリーブに向けて半径方
    向外側へスプリングで付勢された状態でハブと同期リン
    グとの間に配置されてカップリングスリーブの変速ギヤ
    へ向かう移動による押圧力をてこ作用で倍力して同期リ
    ングに伝達する倍力機構とを備えたことを特徴とする変
    速機用同期機構。
  2. 【請求項2】前記変速ギヤと一体化されたコーン部の内
    周摩擦面は、この変速ギヤに一体化されたクラッチギヤ
    の半径方向内側で軸方向にオーバーラップした位置にあ
    ることを特徴とする請求項1に記載の変速機用同期装
    置。
  3. 【請求項3】前記クラッチギヤと前記内周摩擦面を有す
    るコーン部とは一体で、前記変速ギヤと別体で形成され
    て、前記変速機に固定されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の変速機用同期装置。
  4. 【請求項4】前記クラッチギヤと前記内周摩擦面を有す
    るコーン部とは一体で、前記変速ギヤと別材料で形成さ
    れて、前記変速機に固定されていることを特徴とする請
    求項1乃至3に記載の変速機用同期装置。
JP9089871A 1997-03-04 1997-03-04 変速機用同期装置 Pending JPH10246246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9089871A JPH10246246A (ja) 1997-03-04 1997-03-04 変速機用同期装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9089871A JPH10246246A (ja) 1997-03-04 1997-03-04 変速機用同期装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10246246A true JPH10246246A (ja) 1998-09-14

Family

ID=13982839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9089871A Pending JPH10246246A (ja) 1997-03-04 1997-03-04 変速機用同期装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10246246A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014084964A (ja) * 2012-10-24 2014-05-12 Kyowa Metal Work Co Ltd 変速機用同期装置
FR3072141A1 (fr) * 2017-10-05 2019-04-12 Psa Automobiles Sa Synchroniseur de boite de vitesses pourvu d'un systeme de frein de marche arriere a leviers, et vehicule automobile equipe d'un tel synchroniseur
CN113137435A (zh) * 2020-01-19 2021-07-20 广州汽车集团股份有限公司 同步器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014084964A (ja) * 2012-10-24 2014-05-12 Kyowa Metal Work Co Ltd 変速機用同期装置
FR3072141A1 (fr) * 2017-10-05 2019-04-12 Psa Automobiles Sa Synchroniseur de boite de vitesses pourvu d'un systeme de frein de marche arriere a leviers, et vehicule automobile equipe d'un tel synchroniseur
CN113137435A (zh) * 2020-01-19 2021-07-20 广州汽车集团股份有限公司 同步器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1517064A2 (en) Automotive power transmission with synchromesh mechanism
JP2002174261A (ja) 変速機用同期装置
EP2236847B1 (en) Shift device adapted for transmission
JP2008111522A (ja) 同期装置
US20030024335A1 (en) Constant-mesh transmission
JP4263719B2 (ja) 同期噛合装置
JP5020903B2 (ja) 動力伝達装置
EP0291266B1 (en) Gear synchronizer for power transmission
JPH10246246A (ja) 変速機用同期装置
EP0292319B1 (en) Gear synchronizer for power transmission
JPH10246245A (ja) 変速機用同期装置の組立て方法
JPH07269597A (ja) 自己増力を備えたシンクロナイザクラッチ機構
JPH08200397A (ja) 車両用変速機の同期装置
JPH1122746A (ja) 変速機用同期装置
US2377206A (en) Transmission
JP4778224B2 (ja) 副変速機の同期装置
JP4171941B2 (ja) シンクロメッシュ装置
JP2008215450A (ja) 変速機の同期装置
JP2009036217A (ja) 変速機の同期装置
JPH1122747A (ja) 変速機用同期装置
JP2004076812A (ja) トランスミッションの同期結合装置
JPH0612259Y2 (ja) 手動変速機の同期装置
JP2536927Y2 (ja) 複数コーン型同期装置
JPH05215151A (ja) 変速機のシンクロメッシュ装置
JP2005201415A (ja) 変速機のシンクロナイザディテント構造