JPH10245289A - 排出物処理方法及び排出物処理装置 - Google Patents

排出物処理方法及び排出物処理装置

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JPH10245289A
JPH10245289A JP9049114A JP4911497A JPH10245289A JP H10245289 A JPH10245289 A JP H10245289A JP 9049114 A JP9049114 A JP 9049114A JP 4911497 A JP4911497 A JP 4911497A JP H10245289 A JPH10245289 A JP H10245289A
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JP
Japan
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effluent
insect
decomposed
larva
excrement
Prior art date
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Pending
Application number
JP9049114A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Inaoka
徹 稲岡
Haruji Shimizu
治二 清水
Koichiro Takai
浩一郎 高井
Shunsuke Sugano
俊介 菅野
Kenichi Unno
健一 海野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOKAI
Original Assignee
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK
NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOKAI
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Publication date
Application filed by NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK, NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOKAI filed Critical NOURINSUISAN GIJUTSU JOHO KYOK
Priority to JP9049114A priority Critical patent/JPH10245289A/ja
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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  • Feed For Specific Animals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飼育動物の排泄物について、迅速処理、公害
防止、再資源化の観点から高いレベルでバランスがとれ
た処理を効率よく行う。 【解決手段】 家畜・家禽の排泄物、例えば糞尿を昆虫
を用いて分解する分解工程と、排泄物を分解して得た分
解物と昆虫とを分離する分離工程と、分離された昆虫を
処理する処理工程とを含む。これにより、分解工程後に
糞尿の分解物を主成分とする有機肥料を得て、一方、処
理工程後に昆虫を主成分とする家畜・家禽の飼料原料を
大量に得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排出物処理方法及
び排出物処理装置に関し、特に、飼育動物からの排出物
を生物を用いて処理する排出物処理方法及びこの方法を
実現可能な排出物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、畜産業の多頭羽飼養と専業化が強
まるにつれて、家畜・家禽等の飼育動物からの排出物の
量が急激に増大している。この大量の排出物を全量確実
に処理しないと、衛生害虫の発生源や環境汚染の一因と
なる可能性がある。このため、養豚・養鶏などの大量の
家畜・家禽を収容・飼育する大規模な畜産施設において
は、絶え間なく排出される糞尿の処理が重要な課題であ
る。これに対応して、従来から畜産施設においては、排
出された糞尿を、焼却、乾燥、曝気、攪拌発酵などの方
法で処理してきた。
【0003】また、飼育動物の排出物を生物の飼料とし
て利用する方法も、いくつか提案されている。例えば、
特開昭51−85969号公報には、排出物に集まる甲
虫をそのまま利用して家畜用飼料を製造する方法が開示
されている。また、特開昭52−13880号公報及び
特開昭53−81393号公報には、それぞれ排出物等
をミミズの餌場として利用し、ミミズを養殖させること
や、ミミズを含有したミミズ糞土及びミミズを除去した
処理糞土などの利用価値の高い資源を得る方法が開示さ
れている。
【0004】一方、特開平6−116073号公報に
は、閉鎖環境において、ヒトや動物などから排出された
有機廃棄物を昆虫を用いて利用可能な資源に転換する方
法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、畜産施
設において排出される糞尿を焼却、乾燥、曝気、攪拌発
酵のいずれかで処理する方法では、迅速処理、公害防
止、糞尿のリサイクル利用(再資源化)の観点から見る
と未だ不十分であり、全ての項目について十分に応じら
れるものではない。また、生物を用いた飼育動物の排出
物の処理では、処理後の排出物及び生物を、高いレベル
で再利用化していない。
【0006】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、飼育動物の排出物について、迅速処理、公害防止、
再資源化の観点から高いレベルでバランスがとれた処理
を効率よく行うことができる排出物処理方法及び排出物
処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
飼育動物の排出物を生物を用いて処理する排出物処理方
法において、前記飼育動物の排出物に対して食性を有す
る昆虫を用いて該排出物を分解し、得られた排出物分解
物と前記昆虫とを分離して、前記昆虫を含まない排出物
分解物を得ると共に、分離された前記昆虫を処理して、
昆虫主体資源を得ることを特徴としている。
【0008】この発明によれば、飼育動物の排出物を昆
虫を用いて効率よく分解して悪臭のない高栄養価の排出
物分解物を効率よく得ることができ、これと共に、排出
物の分解を行った昆虫を分離した後に処理して、高栄養
価の昆虫主体資源を大量に得ることができる。また、昆
虫主体資源は、昆虫を処理、例えば加熱乾燥処理を行う
ことによって得られるので、乾燥死骸のような形態の昆
虫を昆虫主体資源の主成分にすることができ、保存が可
能となる。
【0009】ここで、昆虫を含まない排出物分解物は、
例えば有機肥料として使用可能であり、一方、昆虫主体
資源は飼料原料として使用することができる。これによ
り、昆虫主体資源は、例えば、前記飼育動物の飼料原料
として、一層有効に再利用することができる。
【0010】なお、ここで用いられる昆虫には、少なく
ともライフサイクル上の一時期に飼育動物からの排出物
に対して食性のある昆虫を用いることが必要であり、特
に累代飼育が容易でライフサイクルの短い昆虫を用いる
ことが好ましい。これにより、昆虫のライフサイクルに
合わせた短期間に迅速に排出物を処理することができ
る。このような昆虫には、ある種のハエ類及び甲虫類が
該当する。
【0011】また、排出物分解を行った昆虫の処理方法
は、昆虫を構成する良質のタンパク質等を損なわない方
法が好ましく、焼却温度未満の加熱・加温処理、乾燥処
理、その他の処理方法が単独で又は組み合わせて用いら
れる。
【0012】請求項2に係る発明は、前記排出物分解物
を、前記昆虫を分離した後に微生物と更に接触させるこ
とを特徴としている。
【0013】この発明によれば、昆虫を分離した後の排
出物分解物を更に微生物と接触させるので、昆虫によっ
て分解された排出物分解物を微生物によって二次分解さ
せることができる。これにより、排出物分解物を更に濃
縮・減量することができる。ここで用いることができる
微生物は、排出物分解物を効率よく二次分解することが
できるものであり、例えば、Pseudomonas 、Bacillus、
乳酸菌を例示することができる。
【0014】請求項3に係る発明は、前記昆虫がハエ類
及び甲虫類から選択された種の幼虫であって、前記排出
物を前記幼虫を用いて分解し、該幼虫が羽化する前に前
記排出物分解物と該幼虫とを分離することを特徴として
いる。
【0015】この発明によれば、ハエ類及び甲虫類から
選択された種の幼虫によって排出物が分解され、幼虫が
羽化する前に排出物分解物と昆虫との分離を行うので、
食性が高い幼虫によって効率よく排出物を分解すること
ができると共に、羽化前の成熟した幼虫及び蛹を処理し
て昆虫主体資源を得ることができる。羽化前の幼虫及び
蛹は、良質タンパク質などを多く含有し、栄養価が高い
ため、得られた昆虫主体資源は栄養価の高いものとな
る。
【0016】請求項4に記載の発明は、飼育動物の排出
物を生物を用いて処理する排出物処理装置において、前
記飼育動物の排出物に対して食性を有する昆虫を飼育し
て、産卵した卵を採卵する飼育採卵手段と、前記採卵し
た卵から孵化した幼虫を前記排出物上で飼育して、該排
出物の分解を行う飼育手段と、前記飼育手段において分
解された排出物分解物と前記幼虫とを分離する分離手段
と、を備えたことを特徴としている。
【0017】この発明によれば、飼育採卵手段によって
得られた昆虫の卵を飼育手段において孵化させて、幼虫
を飼育して、幼虫が排出物を食することによって飼育動
物の排出物を分解させ、分離手段によって排出物分解物
と幼虫とを分離するので、飼育動物の排出物を一連の操
作によって処理し、悪臭が少なく昆虫を含まない排出物
分解物と、排出物の分解を行った昆虫から構成される高
栄養価の昆虫主体資源と、を効率よく得ることができ
る。
【0018】請求項5に係る発明は、前記分離手段によ
って分離された前記排出物分解物に微生物を接触させて
減量させる減量手段を、さらに有することを特徴として
いる。
【0019】この発明によれば、減量手段によって排出
物分解物に微生物を接触させて、排出物分解物を二次分
解させて減量させるので、微生物によって濃縮され、一
層高い栄養価となった排出物分解物を効率よく得ること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0021】図1に示されるように、本発明の実施の形
態は、家畜・家禽の排出物、例えば糞尿を昆虫を用いて
分解する分解工程と、排出物を分解して得た分解物と昆
虫とを分離する分離工程と、分離された昆虫を処理する
処理工程とを含み、分解工程後に昆虫を含まない排出物
を得て、処理工程後に昆虫を主成分とする昆虫主体資源
を得るものである。
【0022】昆虫は、少なくともライフサイクル上の一
時期で、分解対象である家畜・家禽の排出物に対して食
性があるものであり、また、累代飼育が容易であること
などの条件を満たすことが好ましい。このような昆虫に
は、ある種のハエ類及び甲虫類が該当する。排出物に対
する食性は高い程好ましく、食性が高いことによって大
量の排出物を迅速に処理することができる。また、累代
飼育が容易なことによって簡便に利用することができ
る。このような昆虫は、良質のタンパク質を多く含む幼
虫であることが好ましく、分離工程で排出物分解物から
分離される。
【0023】また、用いられる昆虫には、短期間に高栄
養価の成熟幼虫に成長することができるライフサイクル
が短い昆虫を用いることが特に好ましい。このような昆
虫を用いることによって、短期間に排出物を分解して処
理効率を向上させることができる。本発明に適用可能な
昆虫には、ハエ類及び甲虫類が含まれ、特に、イエバエ
科、クロバエ科、コガネムシ科の昆虫が好ましい。
【0024】上記昆虫は、分解工程において、排出物を
分解する。このとき、昆虫は孵化直後の幼虫から用いる
ことが好ましい。幼虫は、孵化直後から蛹化直前まで家
畜・家禽の排出物に対して食性が高く、このため、効率
よく排出物を分解することができる。
【0025】孵化直後の幼虫に排出物を分解させるため
に、予め排出物に産卵されたものを用いることが好まし
い。例えば、所定量の排出物が存在する環境下で成虫を
飼育して処理対象の排出物に産卵させるか、この産卵が
行われた少量の排出物を処理対象となる多量の排出物に
混合させることによって、容易に孵化直後から幼虫によ
る排出物の分解を開始させることができる。
【0026】幼虫の分解効率を高く維持するためには、
幼虫の成育環境を一定の温度及び湿度に維持することが
好ましい。この温度及び湿度は幼虫の種類によって異な
るが、一般に20〜30℃の温度及び60〜80%の湿
度の範囲内となる。
【0027】採卵のための成虫は、安定して産卵可能な
個体が好ましい。一般に昆虫は羽化してから一定期間後
に産卵可能となり、昆虫の種に依存した所定の期間、略
一定した個数で定期的に産卵を安定して行う。このた
め、種に依存した適切な時期の昆虫を用いることが必要
である。例えば、イエバエでは羽化後5〜7日で産卵可
能となり、約3週間にわたって一定数の卵を安定して産
むことができる。この時期を経過した成虫では、産卵数
が不安定となって減少し、効率よく採卵された卵から開
始される一連の処理工程を効率よく進行させることがで
きなくなるため好ましくない。安定産卵期間を経過した
場合には、採卵用成虫を更新して、処理に用いられる昆
虫を一定の効率で確保することができる。
【0028】採卵用の成虫は分解処理用の幼虫と分離さ
れ、餌及び採卵用の排出物がある環境下で飼育される。
餌用及び採卵用の排出物の量は、成虫の飼育数に対して
一定の関係を有する。このため、成虫の種類に基づいて
異なる最適な割合で成虫数と排出物とを保持することが
好ましい。成虫数が過剰になると、産卵数が過剰とな
り、このため、幼虫が過密となって幼虫の発育不全を引
き起こし、この結果、後述の工程において栄養価が十分
な幼虫を回収することができなくなるため好ましくな
い。一方、成虫数が不足して排出物の量が過剰になる
と、産卵数が不足し、幼虫密度が低くなり過ぎ、排出物
の分解が不十分となるため好ましくない。一例として、
昆虫をイエバエとし、排出物を鶏糞とした場合には、鶏
糞1トンに対して雌雄同数として約60万匹とすること
が効率がよく最も好ましい。
【0029】分解工程で用いられる幼虫は、排出物を分
解しながら成育して成熟幼虫となる。このため、分解対
象となる排出物と幼虫の数とには一定の関係が成立し、
排出物1トンに対して幼虫約200万匹以上となること
が好ましい。これよりも少ないと十分に排出物を分解す
ることができなくなるため好ましくない。また、幼虫が
成熟終了期に全ての排出物が分解終了し、栄養価の高い
幼虫を回収するために、排出物1トンに対して約200
万〜800万匹の幼虫とすることが好ましい。
【0030】分離工程では、幼虫による分解によって得
られた排出物分解物と幼虫との混合物から、幼虫を羽化
する前に分離する。幼虫は、排出物を食しながら分解し
て成熟し、分離時には成熟幼虫となる。また排出物は、
幼虫が成熟幼虫となるまでに全て分解される。なお、幼
虫を羽化前の成熟幼虫の段階で分離することによって、
成虫になる前の昆虫を回収することができる。成虫は幼
虫に比べて体重が著しく減少し、回収率が約50%低下
するため好ましくない。
【0031】分離は、幼虫を振るい落とす、洗い出す等
の物理的手法によって行うことができるが、幼虫の性質
を利用して行うことが好ましい。例えば、容器内の酸欠
状態と成熟幼虫の水嫌悪性を利用して、分解後の排泄分
解物と幼虫との混合物の入った容器に僅かに隙間をあけ
て蓋をして、幼虫の代謝で発生する水分を容器内に充満
させ、軽い酸欠状態を惹起することにより容易に分離す
ることができる。これにより、確実に且つ容易に幼虫と
排泄分解物とを分離することができる。また、幼虫が有
する走性を利用することもできる。例えば、幼虫が正の
光走性又は負の光走性を有する場合には、光を照射する
ことによって容易に分離することができる。正の光走性
があれば光源に向かって移動し、負の光走性があれば光
照射部位から移動する。また、光走性以外にも、熱走
性、化学走性、電気走性、酸素走性、音波走性等を利用
することができる。
【0032】分離工程によって幼虫が分離されると、排
泄分解物だけが得られる。この排泄分解物は、幼虫によ
り分解されて高い栄養価の有機資源となっており、例え
ば有機肥料などの各方面で使用することができる。
【0033】排泄分解物から分離された成熟幼虫は、次
いで、処理工程に付される。排出物を分解して成育し、
排泄分解物から分離された成熟幼虫は、高い栄養価を有
しているため、処理工程では、成熟幼虫に対して、構成
栄養素を損なわない処理を行って成熟幼虫の構成栄養素
を利用可能な形態にする。
【0034】成熟幼虫に対する処理は、例えば、加熱・
加温処理が挙げられる。加熱・加温処理では、成熟幼虫
を、60〜120℃、好ましくは100〜110℃で加
熱する。これにより、成熟幼虫は殺虫されて死骸となる
が、この死骸には、成熟幼虫を構成した各種栄養素が含
有されている。この加熱・加温処理後に、例えば100
〜105℃、20〜30分の滅菌乾燥処理を行う。これ
により、高い栄養価を有すると共に長期保存が可能な、
成熟幼虫を主成分とする有機資源を得ることができ、飼
料原料や例えば有機肥料として各方面で使用することが
できる。
【0035】なお、処理工程は、加熱・加温処理及び滅
菌乾燥処理の組み合わせに限定されない。成熟幼虫の構
成栄養素を少ない損失率で資源化にすることができれ
ば、他の処理であってもよい。このような処理には、例
えば凍結乾燥処理が含まれる。また、処理工程によって
成熟幼虫を必ずしも死骸にする必要はなく、保存可能な
形態として休眠状態、仮死状態にすることができる処理
に付してもよい。例えば、冷蔵あるいは冷凍保存や急冷
によって、休眠状態や仮死状態にすることができる。こ
れにより、保存可能な状態にすることができると共に、
必要に応じて解凍などを行って活性状態に戻して使用す
ることもできる。
【0036】従って、上述した分解工程、分離工程及び
処理工程によって、家畜・家禽の排出物、例えば糞尿な
どから昆虫の幼虫を用いて栄養価の高い排出物分解物を
得ることができると共に、用いられた幼虫から構成され
る栄養価の高い昆虫主体資源を得ることができる。この
結果、家畜・家禽の排出物を効率よく処理することがで
きると共に、栄養価の高い異なる種類の有機資源を多量
に得ることができる。ここで得られた各有機資源は、有
機肥料として使用することができ、特に昆虫を主体とす
る有機資源は家畜・家禽の飼料の原料として用いること
ができる。
【0037】なお、この排出物分解物を主体とする有機
資源は、昆虫によって分解された状態又は更に乾燥工程
に付して乾燥形態にして使用することができるが、必要
に応じて微生物を用いて更に分解させて、減量濃縮化有
機資源にすることもできる。
【0038】ここで用いられる微生物には、Pseudomona
s 、Bacillus、乳酸菌などが挙げられる。このような微
生物は、例えば市販されているものを利用することもで
きる。このような例には、乳酸菌を主成分とするABC
ジャパン製のユニザイム(商品名)が挙げられる。この
ような微生物は、例えば乾燥形態として単体で投与する
ことができるが、水又は他の有機材と共に投与すること
もできる。
【0039】排出物分解物に上記微生物を接触させる
と、微生物による発酵が行われて、排出物分解物が二次
分解される。このとき、排出物分解物に1トン当たり微
生物を3〜5kgの割合で処理することが、処理効率の
観点から好ましい。
【0040】排出物分解物を二次分解することにより、
高度に濃縮減量化された高栄養価の有機資源を得ること
ができる。この濃縮減量化有機資源は、乾燥処理するこ
とによって保存可能にすることができる。
【0041】なお、本発明の処理方法は、家畜・家禽の
排出物を効率よく分解して、栄養価の高い排出物分解物
を主体とする有機資源と昆虫を主体とする昆虫主体資源
と、必要に応じて、栄養価が更に高い濃縮減量化排出物
分解物とを得ることができる一連の処理システムで実施
することができる。
【0042】図2には、処理システムの一例として、排
出物処理システム100が示されている。この排出物処
理システム100は、飼育舎に隣接させ、又は飼育舎に
設けることが好ましい。
【0043】排出物処理システム100には、成虫飼育
室102と、幼虫成育室104と、分離室106とが設
けられている。
【0044】成虫飼育室102は、一例として2m四方
のケージであり、排出物を入れた採卵用カップ110が
配置され、蛹60万匹が投入される。蛹の羽化率は約9
0%であり雌雄ほぼ同数である。羽化した成虫は、粉乳
80%、砂糖20%の混合物を餌とし、自由に吸水して
生活しながら、採卵用カップ110内に産卵する。
【0045】幼虫成育室104には、成虫飼育室102
において産みつけられた卵が接種されたトレー112が
多数搬入され、保持される。幼虫成育室104は、一定
の温度及び湿度に維持されており、これにより、孵化し
た幼虫が効率よく排出物を分解できるようになってい
る。孵化した幼虫は成熟するまで排出物を分解して、排
出物分解物を生成する。
【0046】分離室106に搬入する前に各トレー11
2上に僅かにずらして蓋をすることにより、トレー11
2と蓋との間に隙間を作り、分離室106内に搬入され
て所定の位置に配置されたトレー112から成熟幼虫の
脱出を促す。また、分離室106には排水経路114が
敷設されており、排出物分解物から脱出した幼虫を所定
の回収口116に流し出す。
【0047】分離室106には、回収乾燥装置118が
備えられている。回収乾燥装置118には、回収部12
0が設けられている。回収部120は、回収口116か
らの移動経路上に配置されたふるい122及び水処理室
124で構成されており、ふるい122を通過した水が
水処理室124に案内され、浄化処理される。ふるい1
22によって振り分けられた経路上には、乾燥部126
が設けられている。乾燥部126は、乾燥機128、サ
イクロン132及び熱風発生炉130で構成されてい
る。ふるい122によって振り分けられた幼虫は、乾燥
機128及びサイクロン132に案内され、熱風発生炉
130で発生された熱風によって乾燥機128内で乾燥
処理に付された後、ダストを除去するためにサイクロン
132に案内される。これにより、幼虫は加熱殺虫され
て梱包される。
【0048】分離室106の近傍には、幼虫を分離した
後の排出物分解物を回収する回収乾燥装置134が設け
られている。回収乾燥装置134には、分離室106の
回収乾燥装置118よりも大型の乾燥機136及び熱風
発生炉138を備えており、回収機140に連結されて
いる。これにより、乾燥された大量の排出物分解物を主
体とする有機肥料が袋詰め可能になっている。
【0049】回収乾燥装置134の近傍には、二次分解
装置142が備えられており、必要に応じて、排出物分
解物が投入される。二次分解装置142には図示しない
微生物投入器及び攪拌器が取り付けられており、二次分
解装置142に充填された排出物分解物に微生物が投入
されて、均一に混合される。
【0050】回収乾燥装置134及び二次分解装置14
2の近傍には、洗浄・後処理施設150が敷設されてお
り、使用されたトレー112などを洗浄すると共に洗浄
することによって出される排水を浄化可能になってい
る。
【0051】この排出物処理システム100では、トレ
ー112に排出物と昆虫との混合物を載置し、このよう
なトレー112を、幼虫成育室104、分離室106、
回収乾燥装置134及び洗浄・後処理施設150の各々
の間で移動させることによって、一連の処理工程を容易
に実行することができる。また、使用されたトレー11
2などは後段の洗浄・後処理施設150において洗浄さ
れ、環境に対する影響も同時に少ないものにすることが
でき、閉鎖環境であっても、排出物処理システム100
を有効に適用することができる。
【0052】なお、この排泄処理システム100では、
別個に設けられた成虫飼育室102、幼虫成育室104
及び分離室106の間を、トレー112を運搬すること
により処理を行っているが、これに限定されない。例え
ば、成虫飼育室102、幼虫成育室104及び分離室1
06を連続して設けると共にこれらの間にコンベアなど
の搬送機構を設け、システム内を搬送させることによっ
て連続処理可能にしてもよい。この場合には、各室の間
で昆虫の移動を阻止する阻止手段を設けることが必要と
なる。更に、このような施設を飼育舎に隣接して又は飼
育舎内に設けることができ、これにより、閉鎖環境下で
効率のよい処理を行うことができる。
【0053】また、本発明の実施の形態で用いた処理
は、飼育動物の飼育舎及びこれらの処理施設を宇宙空間
等の完全な閉鎖環境下に設けることができる。これによ
って、閉鎖環境下での排出物の処理を可能にすると共
に、得られた昆虫主体資源を飼育動物に投与したり、又
は飼育動物に投与する飼料の原料として利用することに
より、資源の再利用を効率よく行うことができる。
【0054】
【実施例】次に本実施の形態に係る実施例について以下
に説明する。
【0055】鶏舎から排出される鶏糞を、食糞性昆虫と
してイエバエを用いて排出物処理システム100で処理
した。
【0056】適当な量の鶏糞を1日1回の割合で処理シ
ステムに搬入した。成虫飼育室102では、糞1トンに
対してイエバエ約50万〜60万匹(雌雄同数)の割合
で糞を採卵のために24時間置いた。
【0057】産卵が行われた糞を幼虫成育室104に移
送した。幼虫成育室104では、卵から孵化した幼虫が
食糞し、5〜7日で成熟する。
【0058】成育5日間経過後、成熟幼虫をトレー11
2ごと分離室106に移動した。分離室106では放水
を行って成熟幼虫を鶏糞から分離した。分離された成熟
幼虫を回収して、乾燥器128において105℃、0.
5時間で加熱殺虫し、滅菌・乾燥後に梱包した。これに
より、鶏糞1トン当たり10〜15kgの乾燥成熟幼虫
から構成され、長期保存可能な有機資源である飼料原料
を得た。
【0059】幼虫によって食い尽くされて分解された鶏
糞(鶏糞分解物)を、成熟幼虫分離後に、そのまま回収
して、70℃、24時間で滅菌・乾燥して袋詰めした。
これにより、鶏糞1トン当たり約600kgの鶏糞分解
物から構成され、長期保存可能な有機資源である有機肥
料を得た。
【0060】また、鶏糞分解物を、鶏糞分解物1kg当
たり3〜5gの乳酸菌主体の混合菌群(商品名:ユニザ
イム、ABCジャパン製)と混合して、二次分解させ
た。二次分解物を袋詰めした。これにより、減量され圧
縮された有機資源である濃縮有機肥料を得た。
【0061】その後、この処理によって使用されたトレ
ー112などを回収して洗浄・滅菌し、これにより、次
の処理サイクルで使用できるようにした。また、このと
き排出する排水を排水処理によって浄化した。
【0062】従って、鶏舎から毎日排出される鶏糞をイ
エバエを用いて分解することによって、悪臭がなく長期
保存が可能な高栄養価の有機肥料と、高栄養価のイエバ
エの幼虫を主体とする飼育原料と、必要に応じて、得ら
れた有機肥料を減量化し濃縮された濃縮有機肥料とを得
ることができた。
【0063】このように、鶏糞を効率よく処理すると共
に有効利用が可能な多種の有機資源を大量に効率よく得
ることができる。また、環境に対する影響が少なく且つ
効率よく鶏糞を処理することができる。
【0064】なお、本実施例では、イエバエを用いた鶏
糞の処理を例に説明したが、本発明はこれに限定されな
い。本発明はイエバエ以外の昆虫及び鶏糞以外の排出物
を用いて実施することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、排
出物に対して食性を有する昆虫を用いて飼育動物の排出
物を効率よく分解し、悪臭のない高栄養価の排出物分解
物と高栄養価の昆虫主体資源とを大量に得ることができ
るので、比較的短期間に周囲への悪影響なしに排出物を
分解処理することができ、高度に排出物を再資源化する
ことができる。従って、高いレベルでバランスよく排出
物の処理と再資源化とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る排出物処理の概要を
示した図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る排出物処理システム
の概要を示した図である。
【符号の説明】
100 排出物処理システム(排出物処理装置) 102 成虫飼育室(飼育採卵手段) 104 幼虫成育室(飼育手段) 106 分離室(分離手段) 142 二次分解装置(減量手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 俊介 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 海野 健一 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飼育動物の排出物を生物を用いて処理す
    る排出物処理方法において、 前記飼育動物の排出物に対して食性を有する昆虫を用い
    て該排出物を分解し、 得られた排出物分解物と前記昆虫とを分離して、前記昆
    虫を含まない排出物分解物を得ると共に、 分離された前記昆虫を処理して、昆虫主体資源を得るこ
    とを特徴とする排出物処理方法。
  2. 【請求項2】 前記排出物分解物を、前記昆虫を分離し
    た後に微生物と更に接触させることを特徴とする請求項
    1に記載の排出物処理方法。
  3. 【請求項3】 前記昆虫がハエ類及び甲虫類から選択さ
    れた種の幼虫であって、前記排出物を前記幼虫を用いて
    分解し、該幼虫が羽化する前に前記排出物分解物と該幼
    虫とを分離することを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の排出物処理方法。
  4. 【請求項4】 飼育動物の排出物を生物を用いて処理す
    る排出物処理装置において、 前記飼育動物の排出物に対して食性を有する昆虫を飼育
    して、産卵した卵を採卵する飼育採卵手段と、 前記採卵した卵から孵化した幼虫を前記排出物上で飼育
    して、該排出物の分解を行う飼育手段と、 前記飼育手段において分解された排出物分解物と前記幼
    虫とを分離する分離手段と、 を備えたことを特徴とする排出物処理装置。
  5. 【請求項5】 前記分離手段によって分離された前記排
    出物分解物に微生物を接触させて減量させる減量手段
    を、さらに有することを特徴とする請求項4に記載の排
    出物処理装置。
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