JPH10244438A - フェーシング装置における切削油剤供給装置 - Google Patents

フェーシング装置における切削油剤供給装置

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JPH10244438A
JPH10244438A JP6179397A JP6179397A JPH10244438A JP H10244438 A JPH10244438 A JP H10244438A JP 6179397 A JP6179397 A JP 6179397A JP 6179397 A JP6179397 A JP 6179397A JP H10244438 A JPH10244438 A JP H10244438A
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JP
Japan
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tool
flow path
face plate
slider
coolant
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JP6179397A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Sukenari
和弘 祐成
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Hitachi Seiki Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削加工時に発生する切粉の影響を受けるこ
となく長寿命で、且つ切削加工部に十分な量のクーラン
トを確実に供給することのできるフェーシング装置にお
ける切削油剤供給装置が求められていた。 【解決手段】 主軸支持体90に回転自在に支持された
主軸2に取付けられた面板4と、この面板に対して主軸
2の半径方向に移動自在に設けられ、且つ工具装着部に
工具5が装着可能な工具スライダ6とを有するフェーシ
ング装置3における切削油剤供給装置8において、面板
4には、主軸2側より供給されてきた切削油剤Lを工具
5側に供給するための第1の流路52を形成し、工具ス
ライダ6には、工具装着部に装着された工具5に切削油
剤Lを供給するための第2の流路53を形成し、面板4
と工具スライダ6との間に、第1の流路52と第2の流
路53とを常時連通させるスライド式ジョイント手段5
5を設け、工具スライダ6に装着された工具5に、第1
の流路52,スライド式ジョイント手段55及び第2の
流路53を介して切削油剤Lを供給可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェーシング加工等
を行うためのフェーシング装置に係り、特に、切削油剤
(以下、クーラントと記載)を切削加工部に供給するた
めに設けられた切削油剤供給装置(以下、クーラント供
給装置と記載)に関する。
【0002】
【従来の技術】主軸に装着された工具を回転して加工を
行う中ぐり盤やマシニングセンタなど工作機械では、例
えばボーリング加工を行う場合には、各加工径に関して
それぞれ異なる工具が必要である。また、前記工作機械
では、回転する工具を半径方向に移動させることができ
ないので、主軸に直角な端面の連続的な切削加工等は困
難である。
【0003】これらの切削加工を行う場合には、回転駆
動される主軸にフェーシング装置が取付けられたフェー
シングマシンが使用されることが多い。フェーシング装
置の面板には、工具スライダが面板の径方向に往復移動
可能に設けられている。そして、工具スライダに工具を
装着し、面板及び工具スライダを回転させるとともに、
工具スライダを面板に対して所定量移動させることによ
り工具を主軸の半径方向に移動させて、上述の任意の加
工径に関するボーリング加工や主軸に直角な端面の連続
的な切削加工などを行う。
【0004】切削加工部にクーラントを供給するため
に、従来のフェーシングマシンにおけるクーラント供給
装置では、例えば、非回転部にノズルを取付けて、この
ノズルからクーラントを噴出させることがあった。しか
しながら、深穴のボーリング加工などでは、クーラント
が工具の刃先の部分に効率よく供給されない。そこで、
工作物が貫通孔を有している場合には工作物の裏面側の
非回転部にノズルを取付けて、このノズルからクーラン
トを工作物内の貫通孔を通して切削加工部に供給する試
みもなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、いずれの場
合も、ノズルを切削加工部に接近させることができない
ので、十分な量のクーラントを確実に切削加工部に供給
するのは難しかった。一方、例えば特開平7−1248
45号公報には、クーラントを主軸内に流して面板から
工具スライダに送り、工具の刃先に向かって直接噴射す
るようにしてスルークーラント方式でクーラントを供給
するクーラント供給装置が開示されている。
【0006】この場合には、面板内の流路と工具スライ
ダ内の流路とを、面板の前面に取付けられた可撓性のホ
ースにより接続しているので、切削加工時に発生する切
粉がホースに引っかかったりして切粉の排出処理が容易
でなかったり、切粉によってホースに傷がついてその寿
命が短くなる恐れがある。また、面板とともにホースも
回転するので、このホースが邪魔になり、ホースの振動
や変形などによるトラブルが発生する可能性があった。
【0007】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、切粉の影響を受けることなく長寿命で、
且つ切削加工部に十分な量の切削油剤を確実に供給する
ことができるフェーシング装置における切削油剤供給装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係るフェーシング装置における切削油剤供
給装置は、主軸支持体に回転自在に支持された主軸に取
付けられた面板と、この面板に対して前記主軸の半径方
向に移動自在に設けられ、且つ工具装着部に工具が装着
可能な工具スライダとを有するフェーシング装置におけ
る切削油剤供給装置において、前記面板には、前記主軸
側より供給されてきた切削油剤を前記工具側に供給する
ための第1の流路を形成し、前記工具スライダには、前
記工具装着部に装着された前記工具に前記切削油剤を供
給するための第2の流路を形成し、前記面板と前記工具
スライダとの間に、前記第1の流路と前記第2の流路と
を常時連通させるスライド式ジョイント手段を設け、前
記工具スライダに装着された前記工具に、前記第1の流
路,前記スライド式ジョイント手段及び前記第2の流路
を介して前記切削油剤を供給可能にした。
【0009】前記スライド式ジョイント手段は、前記面
板の前記工具スライダに対向する側及び前記工具スライ
ダの前記面板に対向する側のいずれか一方に、前記工具
スライダの移動方向に軸線を有するように設けられると
ともに前記第1の流路又は第2の流路と連通する流路が
前記軸線方向に形成されたジョイント軸体と、前記面板
の前記工具スライダに対向する側及び前記工具スライダ
の前記面板に対向する側のいずれか他方に設けられ、前
記工具スライダが移動したとき前記ジョイント軸体を常
時収納可能な有底中空穴部が形成されたジョイント本体
と、このジョイント本体と前記ジョイント軸体の間に設
けられ、前記ジョイント軸体を収納している前記ジョイ
ント本体の前記有底中空穴部の開口側をシールするシー
ル部とを備えているのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
の一例を図1乃至図3を参照して説明する。図1は本発
明の一実施形態に係るクーラント供給装置(切削油剤供
給装置)を有するフェーシングマシンのフェーシング装
置を示す説明図で一部を断面で示している。図2は前記
フェーシング装置の一部を断面で示す正面図、図3は図
2の部分拡大断面図である。
【0011】図1及び図2に示すように、フェーシング
マシン1の主軸2にはフェーシング装置3が取付けられ
ている。フェーシング装置3の面板4には、工具(例え
ば、DINスルークーラント型の工具)5が装着される
工具スライダ6が、矢印Bに示すように、面板4の半径
方向即ち主軸2の半径方向(この実施形態ではU軸方向
として説明する)に往復移動可能に設けられている。主
軸2が、主軸頭の基体をなす主軸支持体90の内部で回
転することにより、フェーシング装置3が回転して、切
削加工領域で工具5により工作物の切削加工が行われ
る。なお、工具スライダ6に装着された工具5の方向
(例えば、図2の右方)を前方として説明する。
【0012】中空軸状の主軸2は、主軸支持体90の内
部に軸受91等によって回転自在に軸支されて、メイン
モータ(図示せず)により回転駆動される。工具スライ
ダ6をU軸方向に往復移動させるための送り軸11が、
貫通孔10内に配設されている。貫通孔10は、主軸2
の中心部に主軸軸線C方向に形成されている。符号94
は、主軸支持体90にボルトで固定されたフロントカバ
ーで、軸受91の外輪部を軸線方向に押さえている。
【0013】送り軸11は、主軸2に対して相対的に回
動自在に挿通され、且つ、主軸軸線C方向には移動しな
いようにその動作が規制されており、サーボモータによ
り回転駆動される。送り軸11は、工具スライダ6を移
動させない時には主軸2と一体的に回転するが、工具ス
ライダ6をU軸方向に移動させる時には、主軸2に対し
て相対的に正逆方向に回転するようになっている。
【0014】主軸2の前方端部には略円形状の面板4が
固定されており、面板4の反主軸側の面(即ち、前面)
の中央部には、半径方向に案内面が形成されている。案
内面には、工具スライダ6の摺動部が往復移動可能に案
内支持されている。面板4の前面の中央部には、送り軸
11に直交するように配設されたボールねじのねじ軸1
3が取付けられている。ねじ軸13は案内面内に配設さ
れており、面板4に取付けられた軸受部19,20によ
り回転自在に軸支されている。
【0015】送り軸11の前方端部に固定された駆動側
かさ歯車14が、ねじ軸13の途中に固定された被駆動
側かさ歯車15に噛合している。駆動側かさ歯車14
は、主軸2の前端部に固定されたリテーナ92内の軸受
93,93等によって回転自在に支持されている。送り
軸11が、サーボモータにより主軸2に対して相対的に
正逆方向に回転駆動されると、その回転力は、駆動側か
さ歯車14,被駆動側かさ歯車15及びキー部材15a
を介してねじ軸13に伝達されて、ねじ軸13が正逆方
向に回転する。ねじ軸13に形成された雄ねじが、工具
スライダ6の本体部16に取付けられたナット18に螺
合しているので、ねじ軸13が回転運動すると、工具ス
ライダ6はナット18を介して面板4の半径方向に直線
運動する。すなわち、ねじ軸13とナット18とでボー
ルねじが構成されている。
【0016】工具5において、工具ホルダ(ツールシャ
ンク)31にプルスタッド32がねじ込まれており、工
具ホルダ31の前端側には工具刃先部が固定されてい
る。工具スライダ6の本体部16の前端部には、工具装
着部33が設けられている。工具装着部33の後方に
は、工具5をクランプ・アンクランプするための工具ク
ランプ・アンクランプ手段39が配設されている。即
ち、工具装着部33の後部に配設された流体圧シリンダ
装置41と、付勢部材である複数の皿ばね38(又は、
コイルばね等付勢部材)とにより、工具5の工具ホルダ
31が工具装着部33に着脱自在に装着される。
【0017】工具装着部33の後方に位置して工具装着
部33に連通する小径部34と、小径部34より後方に
位置してシリンダ装置41の圧力室42を構成するため
の大径部35とが、工具スライダ6の本体部16内に形
成されている。小径部34と大径部35は、工具装着部
33の中心軸線C1 と同心の位置に形成されている。工
具装着部33の中心軸線C1 は主軸軸線Cと平行になっ
ている。大径部35には、シリンダ装置41のピストン
36が中心軸線C1 方向に進退移動自在に嵌合してお
り、ピストン36の後側は、圧油,圧縮空気など圧力流
体が供給される圧力室42になっている。
【0018】ピストン36の中心部には、工具ホルダ3
1をコレット40に係合させるための係合軸37が、前
方に向けて一体的に取付けられている。ピストン36
は、複数の皿ばね38の強い付勢力により、常時後方に
付勢されている。皿ばね38の付勢力でピストン36が
後方に付勢されて、係合軸37がコレット40を介して
プルスタッド32を後方に引っ張ることにより、工具ホ
ルダ31が工具装着部33にクランプされるようになっ
ている。
【0019】工具クランプ・アンクランプ手段39に
は、工具5のプルスタッド32をコレット40により引
っ張るコレット式引っ張り機構が使用されている。コレ
ット式引っ張り機構の複数のコレット40は、工具スラ
イダ本体部16の小径部34内に配設されており、係合
軸37の前端部の係合部に係合するとともに、小径部3
4の半径方向に揺動可能になっている。
【0020】コレット40の爪部が、工具5のプルスタ
ッド32の被係合部(つかみ部)を着脱可能に掴んで、
係合軸37によりコレット40を後方に引っ張ることに
より、工具ホルダ31が工具装着部33に装着される。
なお、工具クランプ・アンクランプ手段39としては、
このコレット式引っ張り機構の代わりに、小径部34の
半径方向に移動可能な複数個のボール状の係合体でプル
スタッド32のつかみ部を掴んで引っ張るボール式引っ
張り機構を用いてもよい。
【0021】工具クランプ・アンクランプ手段39は、
シリンダ装置41等によりクランプ・アンクランプ動作
をする。アンクランプ動作の場合には、シリンダ装置4
1の圧力室42に圧力流体を供給する。すると、皿ばね
38により付勢されているピストン36は、皿ばね38
の付勢力に抗して前方に移動する。ピストン36と一体
的な係合軸37が、皿ばね38の付勢力に抗して中心軸
線C1 方向に前進移動するので、工具クランプ・アンク
ランプ手段39がアンクランプ状態になる。一方、クラ
ンプ動作の場合には、圧力室42から圧力流体を排出す
る。すると、ピストン36は皿ばね38の付勢力により
後方に強く押されるので、係合軸37もピストン36と
一体的に後方に移動する。その結果、工具クランプ・ア
ンクランプ手段39がクランプ状態になる。
【0022】次に、クーラント(切削油剤)Lを切削加
工部56に供給するためのクーラント供給装置8につい
て説明する。主軸2の後部にはロータリージョイント5
1が取付けられている。主軸2の内部には、クーラント
Lを流すための主軸内流路50が、主軸軸線Cとほぼ平
行に延びて形成されている。主軸内流路50には、クー
ラントLが、ロータリージョイント51を介して非回転
部側から供給されるようになっている。
【0023】なお、クーラントLとしては、水溶性切削
剤や油性切削剤など液体の他に、気体例えば圧縮空気又
は冷却した圧縮空気であってもよい。フェーシング装置
3で加工を行う場合などに、圧縮空気を刃先に吹き付け
ればよい。加工の際に空気を使用すれば、加工部に噴出
した後のクーラントの回収が不要になるとともに、噴出
時にミスト等が発生せず、作業環境を汚染することが少
なくクリーンであるので好ましい。
【0024】面板4の内部には、主軸内流路50に連通
し、主軸2側より供給されてきたクーラントLを工具5
側に供給するための第1の流路52が形成されている。
U軸方向に往復移動する工具スライダ6の本体部16の
内部には、工具装着部33に装着された工具5にクーラ
ントLを供給するための第2の流路53が形成されてい
る。第1の流路52と第2の流路53は、中心軸線C2
方向にスライド移動自在なスライド式ジョイント手段5
5により常時連通状態で接続されている。スライド式ジ
ョイント手段55は面板4と工具スライダ6との間に設
けられており、スライド式ジョイント手段55の中心軸
線C2 は、ねじ軸13の軸線と平行になっている。
【0025】スライド式ジョイント手段55は、第1の
流路52に連通する流路60が内部に形成されるととも
に面板4の本体61から前方に突出して設けられた取付
部材62と、取付部材62から工具スライダ6の移動方
向と平行に延び且つ取付部材62の流路60に連通する
流路63を有するジョイント軸体64とを備えている。
面板本体61に前方に向けて固定された取付部材62の
一方の側面68に、ジョイント軸体64のフランジ69
が、ボルト70など締結部材により締結固定されてい
る。
【0026】さらに、スライド式ジョイント手段55
は、工具スライダ6の本体部16に一体的に設けられた
細長状のジョイント本体65と、ジョイント本体65の
開口部に取付けられたシール部67とを備えている。シ
ール部67は、ジョイント本体65とジョイント軸体6
4との間に設けられている。ジョイント本体65の内部
には、ジョイント軸体64の流路63と第2の流路53
とに連通する有底中空穴部66が、工具スライダ6の移
動方向と平行に形成されている。有底中空穴部66は、
工具スライダ6が移動したときジョイント軸体64を常
時収納可能になっており、シール部67により開口側が
シールされている。
【0027】なお、ジョイント軸体は、面板4の工具ス
ライダ6に対向する側及び工具スライダ6の面板4に対
向する側のいずれか一方に、工具スライダ6の移動方向
に軸線C2 を有するように設けられていればよく、ま
た、第1の流路52又は第2の流路53と連通する流路
が、ジョイント軸体内に軸線C2 方向に形成されていれ
ばよい。この場合には、ジョイント本体を、面板4の工
具スライダ6に対向する側及び工具スライダ6の面板4
に対向する側のいずれか他方に設け、工具スライダ6が
移動したときジョイント軸体を常時収納可能な有底中空
穴部をジョイント本体内に形成すればよい。
【0028】ジョイント軸体64と有底中空穴部66
は、ともに断面円形状をなし中心軸線C2 を共有する同
心状に配設されている。有底中空穴部66は取付部材6
2側に開口して形成されており、ジョイント本体65
は、有底中空穴部66にジョイント軸体64を相対的に
スライド移動自在に収納している。工具スライダ6内に
形成された第2の流路53は、有底中空穴部66の底部
58の近傍に開口するとともに、工具5の内部流路54
に連通可能になっている。
【0029】断面円形状のシール部67は、有底中空穴
部66の開口部に配設され、ボルトなど締結部材により
ジョイント本体65の先端部に締結固定されている。シ
ール部67とジョイント本体65とは、シール部67の
外側のOリング,パッキンなどシール部材72によりシ
ールされている。シール部67の内周面73に嵌合する
ジョイント軸体64が、シール部67の内側のOリン
グ,パッキンなどシール部材74によりシールされなが
ら、シール部67内を中心軸線C2 方向に自在に進退移
動する。このようにして、シール部67は、ジョイント
軸体64の外周面に摺接してシールするとともに有底中
空穴部66を密閉している。
【0030】図2及び図3に示すように、工具スライダ
6内の第2の流路53の出口部には流路接続手段76が
取付けられている。第2の流路53の前記出口部は、工
具スライダ6の前端部79に開口する断面円形の取付け
孔80になっている。取付け孔80は、工具装着部33
の中心軸線C1 と平行な方向に向けて工具スライダ6の
本体部16に形成されており、中心軸線C1 より離れた
外周近傍に位置している。
【0031】取付け孔80は第2の流路53に連通する
とともに、第2の流路53より大きな直径を有してい
る。取付け孔80の内部には、円筒形の摺動部材81が
前後方向に往復移動自在に嵌合している。摺動部材81
の内部には、前方端と後方端に開口する前方側流路78
が形成されており、前方側流路78の前端は、工具5の
内部流路54に連通可能な位置に開口している。取付け
孔80の内部に装着され摺動部材81の後面に係合する
圧縮ばね84により、摺動部材81は常時前方に付勢さ
れている。
【0032】摺動部材81の外周面には、中心軸線C1
と平行な方向に延びた長円状凹部82が形成されてい
る。工具スライダ本体部16にねじ込まれ且つ取付け孔
80の半径方向を向く規制部材83の先端部が、長円状
凹部82内に係合している。これにより、摺動部材81
は、取付け孔80内で非回転状態で前後方向にのみ所定
のストロークで往復移動可能なようにその動作が規制さ
れることになり、摺動部材81が取付け孔80から前方
に抜け出ることを防止している。
【0033】摺動部材81の前端部には、摺動部材81
の本体部より大きな断面積の密着用部材85が一体的に
形成されている。密着用部材85が後方に移動した時に
この密着用部材85を収納可能な凹部86が、工具スラ
イダ6の前端部79に形成されている。密着用部材85
の前端面には、Oリングなどシール材86aが前方側流
路78を囲って取付けられている。これにより、摺動部
材81の密着用部材85の前端面と、工具ホルダ31の
端面77とが広い面積で密着可能になり、更に、シール
材86aが前方側流路78と工具内部流路54との接続
部をシールしている。したがって、前方側流路78から
工具内部流路54に流れるクーラントLが前記接続部か
ら外部に漏洩することを防止できる。
【0034】工具5に形成された内部流路54は、流路
接続手段76に対向する端面77で開口している。即
ち、工具5を工具スライダ6の工具装着部33に装着し
た状態で、内部流路54の開口部が中心軸線C1 より離
れて位置し、内部流路54が流路接続手段76の前方側
流路78に連通可能になっている。内部流路54を有す
るDINスルークーラント型工具など工具5が、工具装
着部33に装着される時に、矢印Dに示すように、工具
ホルダ31の端面77が流路接続手段76の摺動部材8
1の密着用部材85を押圧する。
【0035】すると、摺動部材81は圧縮ばね84の付
勢力に抗して取付け孔80内を後方に摺動するととも
に、密着用部材85と工具5とが密着する。この時、密
着用部材85の大部分は凹部86内に収納された状態に
なる。図3は、工具5に押圧される摺動部材81が後方
に移動する直前の状態を示している。こうして、前方側
流路78と内部流路54とが連通するので、第2の流路
53内のクーラントLは、圧縮ばね84の内方を通過
し、前方側流路78を通って工具内部流路54に流れ
る。
【0036】次に、本実施形態に係るクーラント供給装
置8によりクーラントLを供給する手順について説明す
る。図1乃至図3に示すように、工具装着部33に装着
されている工具5がDINスルークーラント型工具の場
合には、流路接続手段76の上述の動作により、工具ス
ライダ6の第2の流路53は工具5の内部流路54に連
通している。クーラント供給部(図示せず)よりクーラ
ントLがロータリージョイント51に供給されると、ク
ーラントLは、ロータリージョイント51から、主軸内
流路50,第1の流路52,スライド式ジョイント手段
55,第2の流路53の順に流れる。
【0037】より具体的に説明すると、クーラントL
は、主軸内流路50から面板4内の第1の流路52,取
付部材62内の流路60,ジョイント軸体64の流路6
3の順に流れ、その後、この流路63を出て、有底中空
穴部66を介して工具スライダ6内の第2の流路53を
通る。次いで、クーラントLは、流路接続手段76内を
流れ、工具5の内部流路54を通り、工具スルークーラ
ント方式(この場合は、DINスルークーラント方式)
のクーラント供給となって工具5の切削加工部56に噴
出した後、クーラント供給部に回収される。
【0038】こうして、クーラントLを供給しながらサ
ーボモータにより送り軸11を回転駆動すると、その駆
動力は、送り軸11から、駆動側かさ歯車14,被駆動
側かさ歯車15,ねじ軸13の順に伝達されてねじ軸1
3が回転する。すると、ねじ軸13に螺合しているナッ
ト18を有する工具スライダ6が、U軸方向(図1にお
ける矢印B方向)に移動し、工具スライダ6のジョイン
ト本体65が、ジョイント軸体64に対して中心軸線C
2 方向に相対的に移動する。ジョイント本体65内の有
底中空穴部66とジョイント軸体64とはシール部67
で常にシールされているので、ジョイント軸体64の流
路63から有底中空穴部66内を流れるクーラントLが
外部に漏洩することはない。
【0039】したがって、フェーシングマシン1が、面
板4を回転させて工具5により工作物を切削加工してい
る場合に、工具スライダ6が面板4に対して静止してい
る時,及び面板4に対してU軸方向に移動動作をしてい
る時のいずれの場合であっても、常にクーラントLを、
面板4側からスライド式ジョイント手段55を介して工
具スライダ6側に流し、工具5の内部流路54から切削
加工部56に噴出させることができる。
【0040】以上説明したように、主軸スルークーラン
ト方式のクーラント供給の可能な本発明によれば、内部
流路54を有する工具5を工具スライダ6に装着すれ
ば、クーラントLが工具5内を通って噴出する。したが
って、深穴のボーリング加工などを行う場合であって
も、十分な量のクーラントLを、工具内部流路54から
工具5の刃先の部分の切削加工部56に確実に供給する
ことができる。
【0041】前記公報に記載の従来技術では、回転運動
するフェーシング装置の前方に可撓性のホースを取付け
てクーラントを流していたので、切削加工により発生す
る切粉の影響を受けてホースの寿命が短くなっていた。
また、ホースが回転の邪魔になり、トラブル発生の原因
にもなる恐れがあった。これに対して、本発明では、ス
ライド移動自在なスライド式ジョイント手段55により
面板4側と工具スライダ6側とを接続したので、工具ス
ライダ6が面板4に対してU軸方向に移動しても、面板
4内の第1の流路52と工具スライダ6内の第2の流路
53とを、常に連通状態にすることができる。
【0042】したがって、フェーシング装置3の前方に
上述のようなホースを設ける必要がなくなるので、切粉
が引っかかることは殆どない。しかも、スライド式ジョ
イント手段55を金属など剛体により形成することがで
きるので、スライド式ジョイント手段55が切粉の衝突
等により傷つけられて寿命が短くなることはなく、長寿
命化が実現できる。
【0043】スライド式ジョイント手段55は、従来の
ホースと比べてコンパクトになるので狭いスペースに設
置することができ、また、剛体で形成できるので面板と
ともに回転しても従来のようなホースの振動や変形等の
トラブルは生じない。なお、各図中同一符号は同一又は
相当部分を示す。
【0044】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、切
粉の影響を受けることなく長寿命で、且つ切削加工部に
十分な量の切削油剤を確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図3は本発明の一実施形態を示す図
で、図1は切削油剤供給装置を有するフェーシングマシ
ンを示す説明図である。
【図2】前記フェーシングマシンのフェーシング装置の
一部を示す図で、部分断面正面図である。
【図3】図2の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
2 主軸 3 フェーシング装置 4 面板 5 工具 6 工具スライダ 8 切削油剤供給装置 33 工具装着部 52 第1の流路 53 第2の流路 55 スライド式ジョイント手段 63 ジョイント軸体内の流路 64 ジョイント軸体 65 ジョイント本体 66 有底中空穴部 67 シール部 90 主軸支持体 B 主軸の半径方向 C2 軸線 L 切削油剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸支持体に回転自在に支持された主軸
    に取付けられた面板と、 この面板に対して前記主軸の半径方向に移動自在に設け
    られ、且つ工具装着部に工具が装着可能な工具スライダ
    とを有するフェーシング装置における切削油剤供給装置
    において、 前記面板には、前記主軸側より供給されてきた切削油剤
    を前記工具側に供給するための第1の流路を形成し、 前記工具スライダには、前記工具装着部に装着された前
    記工具に前記切削油剤を供給するための第2の流路を形
    成し、 前記面板と前記工具スライダとの間に、前記第1の流路
    と前記第2の流路とを常時連通させるスライド式ジョイ
    ント手段を設け、 前記工具スライダに装着された前記工具に、前記第1の
    流路,前記スライド式ジョイント手段及び前記第2の流
    路を介して前記切削油剤を供給可能にしたことを特徴と
    するフェーシング装置における切削油剤供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフェーシング装置にお
    ける切削油剤供給装置であって、 前記スライド式ジョイント手段は、 前記面板の前記工具スライダに対向する側及び前記工具
    スライダの前記面板に対向する側のいずれか一方に、前
    記工具スライダの移動方向に軸線を有するように設けら
    れるとともに前記第1の流路又は第2の流路と連通する
    流路が前記軸線方向に形成されたジョイント軸体と、 前記面板の前記工具スライダに対向する側及び前記工具
    スライダの前記面板に対向する側のいずれか他方に設け
    られ、前記工具スライダが移動したとき前記ジョイント
    軸体を常時収納可能な有底中空穴部が形成されたジョイ
    ント本体と、 このジョイント本体と前記ジョイント軸体の間に設けら
    れ、前記ジョイント軸体を収納している前記ジョイント
    本体の前記有底中空穴部の開口側をシールするシール部
    とを備えたことを特徴とするフェーシング装置における
    切削油剤供給装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013180361A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Toshiba Mach Co Ltd 加工工具および工作機械

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013180361A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Toshiba Mach Co Ltd 加工工具および工作機械

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