JPH10243693A - ステッピングモータ駆動回路 - Google Patents

ステッピングモータ駆動回路

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Publication number
JPH10243693A
JPH10243693A JP4350097A JP4350097A JPH10243693A JP H10243693 A JPH10243693 A JP H10243693A JP 4350097 A JP4350097 A JP 4350097A JP 4350097 A JP4350097 A JP 4350097A JP H10243693 A JPH10243693 A JP H10243693A
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JP
Japan
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stepping motor
circuit
angle deviation
angle
encoder
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JP4350097A
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Inventor
Toshiki Kawamura
俊基 川村
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Koganei Corp
Original Assignee
Koganei Corp
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  • Control Of Stepping Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷の状態を常時監視して脱調発生を未然に
警告し得る安価なステッピングモータ駆動回路を提供す
る。 【解決手段】 入力されたパルス列信号に基づいて励磁
ステップ角を制御すると共に励磁ステップ数を計数する
励磁ステップカウンタ56と、ステッピングモータ51
の回転角を検出するロータリーエンコーダ54の出力信
号をカウントしてステッピングモータ51の実際の回転
角を示すエンコーダカウント値を出力するエンコーダカ
ウンタ3と、励磁ステップ数とエンコーダカウンタ値の
両者を比較することにより、ステッピングモータ51の
角度偏差を演算する角度偏差検出回路とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タ駆動回路に関し、特に、脱調発生を嫌う装置や機器に
用いられるステッピングモータの駆動回路に適用して有
効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ワークを支持運搬するスライ
ドブロックやロボット、工作機械等の産業機械や、OA
機器、コンピュータの端末機器や周辺機器の駆動用モー
タとして、AC、DCのサーボモータやステッピングモ
ータが数多く用いられている。
【0003】このうちサーボモータは、閉ループによる
フィードバック制御を行うことにより、スライドブロッ
ク等の被駆動部材を所定の位置に所定の速度で移動させ
ることができ、工作機械等、正確な位置決めが必要とさ
れる機械の駆動系に広く用いられている。その一方、サ
ーボモータは周辺回路も含め駆動システムの価格が高く
なる傾向がある。それに対しステッピングモータは、外
部からの入力信号により開ループで制御することができ
るため、駆動システムが比較的低価格で構成できOA機
器向け等その需要が増大してきている。
【0004】図10は、このステッピングモータの駆動
制御に従来より用いられている制御システムの構成を示
すブロック図である。このシステムは、PLC(プログ
ラマブル・ロジック・コントローラ)等の上位の制御装
置62の指令の下、ステッピングモータ51を駆動させ
るものである。図10に示したように、当該制御システ
ムは、ステッピングモータ51と、このステッピングモ
ータ51を直接駆動するステッピングモータ駆動回路5
2と、このステッピングモータ駆動回路52に対して上
位の制御装置62の指令の下パルス列信号を送ってステ
ッピングモータ51の回転方向や回転角度、回転速度等
の指示を行う位置決めコントローラ53および、ステッ
ピングモータ51の回転角度を検出するロータリーエン
コーダ54とを有する構成となっている。この場合、ロ
ータリーエンコーダ54の検出結果は位置決めコントロ
ーラ53に送られており、角度偏差、すなわちステッピ
ングモータ51の実際の回転角度と位置決めコントロー
ラ53が指示した励磁ステップ角との差が位置決めコン
トローラ53において検出されるようになっている。
【0005】ここで、ステッピングモータ駆動回路52
には、図11に示すように、位置決めコントローラ53
からのパルス列信号を受ける入力回路55がまず設けら
れている。次に、入力回路55にて受け取ったパルス列
信号から励磁ステップ数を決定し、ステッピングモータ
51の回転すべき角度(励磁ステップ角)を制御すると
共に励磁ステップ数を計数する励磁ステップカウンタ5
6が設けられている。なお、励磁ステップ数のカウント
はアップダウンカウンタによって行われる。また、励磁
ステップカウンタ56の後段には、励磁シーケンス制御
回路57とモータ駆動出力回路58が設けられており、
励磁シーケンス制御回路57から出力される制御信号の
下、モータ駆動出力回路58によりステッピングモータ
51が駆動される。すなわち、励磁シーケンス制御回路
57は、励磁ステップカウンタ56から送られてくる励
磁ステップ角を指示する信号に基づき、回転方向やモー
タコイル(図示せず)の励磁を行う相を切り替える制御
信号をモータ駆動出力回路58に対して出力する。そし
て、この制御信号の指令に基づいてモータ駆動出力回路
58がステッピングモータ51を駆動する。
【0006】一方、位置決めコントローラ53には、ス
テッピングモータ駆動回路52に送出するパルス列信号
を計数するアドレスカウンタ59と、ロータリーエンコ
ーダ54からの信号を計数するエンコーダカウンタ60
が設けられており、それぞれCPU61と接続されてい
る。この場合、CPU61は上位の制御装置62の指令
の下、ステッピングモータ駆動回路52にパルス列信号
を送出する他、エンコーダカウンタ60での計数値とア
ドレスカウンタ59の計数値とを比較してステッピング
モータ51の角度偏差の算出をも行う。すなわち、エン
コーダカウンタ60からステッピングモータ51の実際
の回転角を取得し、これとアドレスカウンタ59から送
出したパルス列信号に対応する回転角とを比較する。そ
して、この両者の差がステッピングモータ51の角度偏
差となる。なお、前述の位置決めコントローラ53やス
テッピングモータ駆動回路52には、図示しない電源回
路により電力が供給されている。
【0007】ここで、ステッピングモータでは、負荷の
影響によりモータの励磁ステップ角に対し実際の回転角
度が変化したとき角度偏差が生じ、この角度偏差を安定
点(角度偏差0の位置)に戻そうとすることにより回転
トルクが発生する。図12は、この角度偏差とトルクと
の関係を示したグラフであり、角度偏差とトルクとが正
弦波状の関係を有することが示されている。すなわち、
安定点からの角度偏差が大きくなるに連れて発生するト
ルクも大きくなり、ロータ(図示せず)の歯のピッチの
4分の1に達すると最大となる。一方、角度偏差がそれ
以上となるとトルクが次第に減少し、ロータの歯のピッ
チの2分の1(2歯の中間点)に達するとトルクが0と
なる(不安定点)。そして、角度偏差がそれ以上に大き
くなると、逆に次の安定点(次の歯の位置)に向かうト
ルクが発生する。このため、負荷が大きくなり角度変位
が不安定点を超えると、ロータが次相に移動してしまう
いわゆる脱調現象が発生する。従って、ステッピングモ
ータは通常、角度偏差が最大トルクを超さない範囲(±
1/4ピッチ以内)、好ましくはその60%程度の範囲
で用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、ステッピ
ングモータにおいては、慣性負荷や加速度が大きい過負
荷状態となると、脱調現象を起こし入力信号とモータの
回転角とが対応しない状態となる場合がある。そして、
かかる事態が生じると、被駆動部材に位置ズレ等が生じ
機械の作動不良や不良品が発生するなどの問題があっ
た。そのため、この脱調現象を嫌って、ステッピングモ
ータに比して価格の高いサーボモータを選択している場
合も多かった。
【0009】また、この脱調対策として、前述のような
制御システムにおいては、一般に高機能タイプとされ
る、エンコーダカウント機能を持つ位置決めコントロー
ラを用いることになるため、従来のコントローラを高機
能タイプに交換しなければならない場合もあり、パラメ
ータ設定などの操作を一からやり直す必要が生じ、作業
者にとっては非常に手間のかかる調整を余儀なくされて
いた。
【0010】本発明の目的は、負荷の状態を常時監視し
て脱調発生を未然に警告し得る安価なステッピングモー
タ駆動回路を提供することにある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0013】すなわち、本発明のステッピングモータ駆
動回路は、入力されたパルス列信号に基づいて励磁ステ
ップ数を決定し、この励磁ステップ数に基づきステッピ
ングモータの励磁ステップ角を制御すると共に、励磁ス
テップ数を計数する励磁ステップカウンタと、ステッピ
ングモータの回転角を検出するロータリーエンコーダに
接続され、このロータリーエンコーダの出力信号をカウ
ントしてステッピングモータの実際の回転角を示すエン
コーダカウント値を計数するエンコーダカウンタと、前
記励磁ステップ数と前記エンコーダカウンタ値が入力さ
れ、この両者を比較することにより、ステッピングモー
タの励磁ステップ角とステッピングモータの実際の回転
角との間の角度偏差を演算する角度偏差検出回路とを有
することを特徴としている。
【0014】この場合、前記角度偏差検出回路におい
て、算出した角度偏差を大きさと方向を有する符号に変
換するようにしても良い。また、前記角度偏差が所定値
を超えたときに、前記角度偏差検出回路が脱調警告信号
を出力するようにしても良い。さらに、前記角度偏差検
出回路を加算回路としてコストダウンを図ることも可能
である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0016】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1であるステッピングモータ駆動回路によって駆動さ
れるステッピングモータを用いた電動式スライドブロッ
クの構成の概略を示す説明図であり、図2はその制御シ
ステムの構成を示すブロック図、図3は図2のシステム
中のステッピングモータ駆動回路の構成を示すブロック
図である。なお、図10、11に示した従来の制御シス
テムおよびステッピングモータ駆動回路52と同様の構
成については同一の番号を付しその詳細は省略する。
【0017】ここで、当該電動式スライドブロックは、
ステッピングモータ(以下、モータと略す)51によっ
てスライドブロック10を所要量移動させるものであ
り、スライドブロック10が取り付けられたタイミング
ベルト12を、モータ51によって駆動することにより
スライドブロック10が移動するようになっている。こ
の場合、タイミングベルト12は、モータ51の駆動軸
13に取り付けられた駆動プーリ14と従動プーリ15
と間に渡されており、モータ51の回転と同期して移動
する。そして、このタイミングベルト12の移動に伴っ
て、スライドブロック10がガイドレール11によって
案内されて直線方向に往復動する。
【0018】一方、図1の電動式スライドブロックを駆
動させるための制御システムは、従来の制御システムと
同様、上位の制御装置62の指令の下、モータ51を駆
動させるものであり、図2に示したように、モータ51
と、モータ51を直接駆動するステッピングモータ駆動
回路1と、ステッピングモータ駆動回路1に対してパル
ス列信号を送ってモータ51の回転方向等の指示を行う
位置決めコントローラ53および、モータ51の回転角
度を検出するロータリーエンコーダ54とを有する構成
となっている。ここで、当該ステッピングモータ駆動回
路1は、従来のステッピングモータ駆動回路52が位置
決めコントローラ53からの指令によりステッピングモ
ータ51を駆動することのみを行っていたのに対し、図
2、4に示すように、ロータリーエンコーダ54からの
信号を取り込み、それ自身で角度偏差を算出する構成と
なっている。
【0019】この場合、ステッピングモータ駆動回路1
におけるモータ51を駆動するための構成は従来のステ
ッピングモータ駆動回路52と同様である。すなわち、
ステッピングモータ駆動回路1には、図3に示すよう
に、パルス列信号を受ける入力回路55と、パルス列信
号から励磁ステップ数を決定して励磁ステップ角を制御
すると共に励磁ステップ数を計数する励磁ステップカウ
ンタ56と、励磁ステップカウンタ56からの信号に基
づき制御信号を出力する励磁シーケンス制御回路57
と、制御信号の下、モータ51を駆動するモータ駆動出
力回路58が前述同様設けられており、位置決めコント
ローラ53からの指示に基づきモータ51が駆動され
る。
【0020】一方、ステッピングモータ駆動回路1に
は、ロータリーエンコーダ54からの出力が入力される
入力回路2が設けられており、当該システムにおいては
ロータリーエンコーダ54からの出力は位置決めコント
ローラ53には入らずにステッピングモータ駆動回路1
に入力される。また、ステッピングモータ駆動回路1に
は、エンコーダカウンタ3も設けられており、これによ
りロータリーエンコーダ54の出力信号がカウントさ
れ、モータ51の実際の回転角度がエンコーダカウント
値として検出される。さらに、エンコーダカウンタ3の
後段には組み合わせ論理回路(角度偏差検出回路)4が
設けられており、エンコーダカウンタ3の検出結果と励
磁ステップカウンタ56での励磁ステップ角とが比較さ
れ角度偏差が算出される。そして、算出された角度偏差
は、角度偏差等出力回路5から位置決めコントローラ5
3に送出される。なお、後述するように、角度偏差が所
定値以上の場合には過負荷や脱調に対する注意信号や警
告信号も出力される。
【0021】ここで、ステッピングモータの励磁ステッ
プ角とトルクとの関係は図4のようになっている。図4
において、縦軸はトルク、横軸は角度である。また、D
0 〜D2 はそれぞれ、励磁ステップカウンタ56におけ
る励磁ステップ数を示す励磁ステップ番号Ns(以下、
励磁ステップ番号Nsと略す)が、0〜2の場合の励磁
ステップ角度である。
【0022】図4を参照すると、例えば励磁ステップ番
号Nsが「1」である場合にエンコーダカウンタ3のカ
ウント値Ce(以下、エンコーダカウント値Ceと略
す)が「1」であれば、角度偏差は「1−1=0」であ
り、このときトルクも「0」である。しかしながら、エ
ンコーダカウンタ値Ceが「0」であれば、このときの
角度偏差は「0−1=−1」となりトルク「T1 」が発
生する。また、例えば励磁ステップ番号Nsが「2」で
ある場合にエンコーダカウンタ値Ceが「0」であれ
ば、角度偏差は「0−2=−2」であり、このときトル
ク「T2 」が発生する。このように、ステッピングモー
タでは、励磁ステップ番号Nsとエンコーダカウンタ値
Ceとから角度偏差を求めることができ、当該制御シス
テムでは、これをステッピングモータ駆動回路1に設け
た組み合わせ論理回路4によって行っている。
【0023】一方、角度偏差は外力(負荷)とトルクと
が釣り合った点で決まる。従って、角度偏差からトル
ク、すなわち負荷の大きさを知ることができる。図5
は、角度偏差の値とトルクとの関係を示したグラフであ
る。図5に示したように、ステッピングモータは、角度
偏差が「±3」を超えた場合には過負荷状態となり、さ
らにそれが「±5」を超えると脱調発生の危険がある。
当該制御システムでは、組み合わせ論理回路4にて角度
偏差を求めると共に、この関係を利用して、求めた角度
偏差から負荷の大きさを判定し負荷の状態を常時モニタ
するようにしている。
【0024】そこで、組み合わせ論理回路4における角
度偏差の算出と負荷状態の判定について説明する。図6
は、組み合わせ論理回路4においてエンコーダカウンタ
値Ceと励磁ステップ番号Nsを比較して角度偏差Dd
を求めた結果を表としてまとめたものである。この場
合、エンコーダカウンタ出力値Ceと励磁ステップ番号
Nsはそれぞれ4ビットの情報として取得され、エンコ
ーダカウンタ出力値Ceから励磁ステップ番号Nsを減
じて角度偏差Dd(=Ce−Ns)が求められる。そし
て、前述の例で言えば、励磁ステップ番号Nsが「2」
でエンコーダカウンタ出力値Ce「0」のときは角度偏
差Ddは「−2」となる。
【0025】この場合、角度偏差Ddは、モータ51の
加減速に対応しており、加速時は負荷によって実際の回
転角が遅れるため「−」となり、減速時はその逆に
「+」となる。すなわち、組み合わせ論理回路4では、
モータ51の角度偏差を、大きさと向き(正負)に分解
すると共に、それらを有する値に符号化している。そし
て、この符号化された角度偏差に基づき、図5に示した
角度偏差の値とトルクとの関係からモータ51の運転状
態が判定される。
【0026】例えば、励磁ステップ番号Nsが「7」で
エンコーダカウンタ出力値Ce「1」のときは、図6か
らも分かるように、角度偏差Ddは「−6」という値に
符号化される。この角度偏差「Dd=−6」は、図5に
当てはめると、領域Dに該当する値であり脱調の危険が
あると判定される。そこで、組み合わせ論理回路4は、
位置決めコントローラ53に対し、角度偏差等出力回路
5を介して検出値「−6」と脱調警告信号を出力する。
また、ステッピングモータ駆動回路1自身でも、例えば
赤信号や警告音等により脱調に対する警告を発する。な
お、組み合わせ論理回路4は、角度偏差が「±3」を超
えた場合には過負荷注意信号、「±5」を超えると脱調
警告信号を出力するようにプログラミングされている
が、その閾値はステッピングモータの種類や機種によっ
て適宜変更し得るのは勿論である。
【0027】このように、本発明によるステッピングモ
ータ駆動回路1では、ステッピングモータ駆動回路1に
負荷の状態が常にモニタされ、特に過負荷や脱調発生の
おそれがある場合にはその旨の注意や警告が発せられ
る。従って、ステッピングモータ駆動回路1によれば、
モータ51を駆動させながら、加速度が適切であるか、
まだ負荷に余裕があるかなど、負荷の状態を常に監視し
つつ作業を行うことができる。このため、脱調発生やそ
のおそれをいち早く知ることができ、脱調による被害を
最小限にくい止めることが可能となる。従って、ステッ
ピングモータの弱点であった脱調の問題を解決でき、そ
の用途を拡大することが可能となる。
【0028】また、従来ステッピングモータでは、慣性
負荷や加速度等、複数の変数を含んだ複雑な計算により
駆動条件を求めた上で、さらに実際の装置において確認
して条件設定していたのに対し、本発明のステッピング
モータ駆動回路1によれば、概算値によって装置を作動
させつつ負荷の状態を監視しながらその最適値を決定す
ることが可能となる。従って、駆動条件設定に要する手
間や精神的障壁を取り除くことができる。
【0029】さらに、条件設定時において、位置決めコ
ントローラ53の設定をその都度変更したり新たな装置
に交換するする必要がなく、従って、使い慣れた位置決
めコントローラ53をそのまま使用することができる。
【0030】なお、前述のように、組み合わせ論理回路
4では角度偏差を符号化して処理を行っているため、図
6の表を予めテーブルとしてメモリ(図示せず)に格納
させ、これを参照することにより角度偏差を算出するこ
とも可能である。すなわち、励磁ステップ番号Nsとエ
ンコーダカウンタ出力値Ceにより前記の演算を行う代
わりに、これらから図6の表をサーチして符号化された
角度偏差データを得ても良い。この場合、テーブル上の
データが「±3」を超え「±5」までの領域を過負荷注
意信号出力領域、「±5」を超える領域を脱調警告信号
出力領域として、各信号を出力させるようにすることも
できる。
【0031】(実施の形態2)ところで、実施の形態1
における図6のような演算は減算処理となるが、論理回
路としては、加算処理を行う方が回路構成が単純化で
き、よりコストの低減を図ることが可能となる。そこ
で、次に本発明の実施の形態2であるステッピングモー
タ駆動回路6として、実施の形態1の組み合わせ論理回
路4に代えて加算回路7を用いたものを説明する。図7
は、本発明の実施の形態2であるステッピングモータ駆
動回路6の構成を示すブロック図である。なお、実施の
形態1と同様の構成については同一の符号を付しその詳
細は省略する。
【0032】ステッピングモータ駆動回路6の加算回路
7では、エンコーダカウンタ3からは、ロータリーエン
コーダ54の正転カウントに対し「2の補数」となる逆
転カウント値が入力される。そして、この逆転カウント
値−Ceと励磁ステップ番号Nsが加算されて角度偏差
−Ddが算出される。図8は、加算回路7においてエン
コーダカウンタ3の逆転カウント値−Ceと励磁ステッ
プ番号Nsを比較して角度偏差−Ddを求めた結果を表
としてまとめたものである。加算回路7は、このような
演算の結果、前述と同様にモータ51の運転状態を判定
する。そして、角度偏差や脱調警告信号等を角度偏差等
出力回路5から出力する。
【0033】また、このような加算回路7を用いたステ
ッピングモータ駆動回路6では、前述のエンコーダカウ
ンタ3から逆転カウント値を出力させる方法の他、図9
のような構成により加算処理を実行させることも可能で
ある。図9は、そのための回路構成を加算回路7の周辺
のみ示したブロック図である。この場合、エンコーダカ
ウンタ3からの出力は否定回路8に入力されて否定値と
された後加算回路7に−Ceとして入力される。なお、
この場合には、例えば「7:0111」なるエンコーダ
カウンタ3からの出力は否定回路8により「7:100
0」となるため、図9に示すように、加算回路7におい
てさらに桁上がりための「1」が入力され、「7:10
00」は、−Ce「−7:1001」として加算回路7
に入力されることになる。
【0034】このように、実施の形態2のステッピング
モータ駆動回路6では、角度偏差検出回路として加算回
路を用いたことから、その回路構成を簡単なものとする
ことができ、従来に比して大幅なコストダウンが可能と
なる。
【0035】なお、この実施の形態2の場合にも、図8
の表をテーブルとして格納させたメモリを付随させ、こ
れを参照することにより角度偏差を算出しても良い。そ
の場合、テーブル上の「±3」を超え「±5」までの領
域を過負荷注意信号出力領域、「±5」を超える領域を
脱調警告信号出力領域として各信号を出力させることも
勿論可能である。
【0036】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0037】たとえば、励磁ステップ数やエンコーダ分
解能は前記の例には限られない。また、過負荷注意信号
や脱調警告信号を出力する領域は前記の例には限られ
ず、適宜その閾値を変更することも可能である。さら
に、前記の角度偏差に基づき、ステッピングモータ51
の励磁状態を変化させる等のフィードバック制御を行う
ことも可能である。
【0038】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0039】(1)角度偏差を検出する角度偏差検出回
路をステッピングモータ駆動回路に設けたことにより、
駆動条件を負荷の状態を見つつステッピングモータ駆動
回路において設定できるという効果がある。このため、
脱調発生を未然に知ることができると共に、装置を作動
させつつ駆動条件を変更することが可能となり、脱調の
ない最適制御が可能となる。従って、ステッピングモー
タにおける脱調発生の問題が解決でき、ステッピングモ
ータの用途を拡大することができる。
【0040】(2)また、複雑な計算等、駆動条件設定
に要する手間を省くことができ、ステッピングモータ採
用に対する工数上の問題を解決すると共に精神的障壁を
取り除くことができる。
【0041】(3)ステッピングモータ駆動回路におい
て角度偏差の検出を行うため、使い慣れた位置決めコン
トローラをそのまま使用することができる。
【0042】(4)角度偏差検出回路として加算回路を
用いたことから、その回路構成を簡単なものとすること
ができ、従来に比して大幅なコストダウンが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1であるステッピングモー
タ駆動回路によって駆動されるステッピングモータを用
いた電動式スライドブロックの構成の概略を示す説明図
である。
【図2】本発明の実施の形態1であるステッピングモー
タ駆動回路を含むステッピングモータ制御システムの構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1であるステッピングモー
タ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図4】ステッピングモータの励磁ステップとトルクと
の関係を示すグラフである。
【図5】ステッピングモータの角度偏差とトルクとの関
係を示すグラフである。
【図6】組み合わせ論理回路における角度偏差の演算結
果をまとめた表である。
【図7】本発明の実施の形態2であるステッピングモー
タ駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図8】加算回路における角度偏差の演算結果をまとめ
た表である。
【図9】図7のステッピングモータ駆動回路の変形例の
加算回路周辺のみを示したブロック図である。
【図10】従来のステッピングモータ制御システムの構
成を示すブロック図である。
【図11】従来のステッピングモータ駆動回路の構成を
示すブロック図である。
【図12】ステッピングモータの角度偏差とトルクとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ駆動回路 2 入力回路 3 エンコーダカウンタ 4 組み合わせ論理回路(角度偏差検出回路) 5 角度偏差等出力回路 6 ステッピングモータ駆動回路 7 加算回路 8 否定回路 10 スライドブロック 11 ガイドレール 12 タイミングベルト 13 駆動軸 14 駆動プーリ 15 従動プーリ 51 ステッピングモータ 52 ステッピングモータ駆動回路 53 位置決めコントローラ 54 ロータリーエンコーダ 55 入力回路 56 励磁ステップカウンタ 57 励磁シーケンス制御回路 58 モータ駆動出力回路 59 アドレスカウンタ 60 エンコーダカウンタ 61 CPU 62 上位の制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたパルス列信号に基づいて励磁
    ステップ数を決定し、前記励磁ステップ数に基づきステ
    ッピングモータの励磁ステップ角を制御すると共に、前
    記励磁ステップ数を計数する励磁ステップカウンタと、 前記ステッピングモータの回転角を検出するロータリー
    エンコーダに接続され、前記ロータリーエンコーダの出
    力信号をカウントして前記ステッピングモータの実際の
    回転角を示すエンコーダカウント値を計数するエンコー
    ダカウンタと、 前記励磁ステップ数と前記エンコーダカウンタ値が入力
    され、この両者を比較することにより、前記ステッピン
    グモータの励磁ステップ角とステッピングモータの実際
    の回転角との間の角度偏差を演算する角度偏差検出回路
    とを有することを特徴とするステッピングモータ駆動回
    路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のステッピングモータ駆動
    回路であって、前記角度偏差検出回路は、前記角度偏差
    を大きさと方向を有する符号に変換することを特徴とす
    るステッピングモータ駆動回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のステッピングモ
    ータ駆動回路であって、前記角度偏差検出回路は、前記
    角度偏差が所定値を超えたときに、脱調警告信号を出力
    することを特徴とするステッピングモータ駆動回路。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のス
    テッピングモータ駆動回路であって、前記角度偏差検出
    回路が加算回路であることを特徴とするステッピングモ
    ータ駆動回路。
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