JPH10243638A - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

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JPH10243638A
JPH10243638A JP9040889A JP4088997A JPH10243638A JP H10243638 A JPH10243638 A JP H10243638A JP 9040889 A JP9040889 A JP 9040889A JP 4088997 A JP4088997 A JP 4088997A JP H10243638 A JPH10243638 A JP H10243638A
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JP
Japan
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voltage
capacitor
output
transistor
circuit
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JP9040889A
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Shinji Kaneko
真二 金子
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング電源装置に関し、AC電源投入
時の出力保持用のコンデンサへの突入電流を制限するこ
と、および、従来方式の電源装置に比べて通常動作時の
電力損失を低減する。 【解決手段】 AC電圧をDC電圧に変換するダイオー
ドブリッジ回路1,入力コンバータ3等から成る電圧変
換回路11と、この電圧変換回路11によるDC出力電
圧を保持する出力保持用のコンデンサC2と、このコン
デンサC2の充電電流を制御するトランジスタQ2と、
AC電源がオンされるとともに、トランジスタQ2のゲ
ート電圧が徐々に立ち上がるようにトランジスタQ2の
ゲートに電圧を印加する電圧制御回路12と、コンデン
サC2に保持されたDC出力電圧を安定化するための電
圧安定化回路13とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はAC/DCコンバ
ータ等に適用して好適なスイッチング電源装置に関する
ものである。更に詳しくは、電源投入と共に出力保持用
の高圧コンデンサを電界効果トランジスタ(以下FET
という)にて充電制御することにより、突入電流を制限
し、しかも、この充電制御用としてオン抵抗の小さなF
ETを用いることにより、通常動作時の電力消費を低減
することができるスイッチング電源装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、放送局用の画像処理装置およびス
イッチヤー等のデジタル機器では低電圧・大電流を必要
とすることが多く、このような負荷機器に直流電源を供
給するスイッチング電源装置が開発されている。例え
ば、AC電源を整流した後の脈流電圧と整流電流との間
の位相差を無くすようにして、力率を1に近づけること
により、AC/DC変換効率を高めようとする力率改善
型のスイッチング電源装置が開発されている。この種の
電源装置では整流後の脈流電圧を保持する高耐圧大容量
のコンデンサが使用されており、AC電源投入時には突
入電流が流れることが多い。そのため、この種の電源装
置にはこのような突入電流から回路素子を保護するため
に突入電流防止回路が設けられている場合が多い。
【0003】図4は突入電流防止回路を備えた従来の力
率改善型のスイッチング電源装置の回路図である。この
図において、AC電源にスイッチSWを介してダイオー
ドブリッジ回路1が接続されており、電源投入と共にA
C電圧がダイオードブリッジ回路1で全波整流される。
整流出力側には突入電流防止回路2が接続されており、
AC電源投入時の突入電流が突入電流防止回路2によっ
て制限される。例えば、AC電源投入時の突入電流は突
入電流防止回路2に設けられた電流制限抵抗R1で制限
されたり、電源投入後に、この電流制限抵抗R1の両端
がサイリスタ(SCR)7によってショートされたりす
る。これにより、ダイオード、チョークコイル等の回路
素子が保護されている。
【0004】突入電流防止回路2の出力段にはコンデン
サC1が接続され、ダイオードブリッジ回路1の整流ノ
イズがコンデンサC1で減衰される。このコンデンサC
1の出力段には抵抗R4を介して力率改善型の入力コン
バータ3が接続され、コンデンサC1に保持された例え
ば140V程度の電圧(ダイオードブリッジ回路1の直
流出力電圧)が、入力コンバータ3で400V程度まで
昇圧されるようになっている。
【0005】具体的にはダイオードブリッジ回路1の出
力電流が、入力コンバータ3に設けられたチョークコイ
ルL1およびnチャネルの電界効果トランジスタ(以下
単にトランジスタという)Q1によるフライバック動作
によってスイッチングされるので、チョークコイルL1
の一端に高電圧が発生する。この高電圧はダイオードD
1によって整流される。
【0006】また、入力コンバータ3の出力段にはコン
デンサC2が接続されており、ダイオードD1によって
整流された後の電圧がこのコンデンサC2に充電されて
保持される。コンデンサC2で保持される電圧は高電圧
であるため、コンデンサC1に比べて大きな容量のもの
が使用されている。
【0007】上述した突入電流防止回路2および入力コ
ンバータ3には電圧制御回路4が接続されており、コン
デンサC1に保持された電圧が分圧用の抵抗R2及びR
3を介して検出されると、突入電流防止回路2に設けら
れたサイリスタ7が電圧制御回路4によってゲート制御
される。これにより、電流制限抵抗R1をショートする
タイミングが電圧制御回路4で制御できる。また、コン
デンサC2に保持された電圧が分圧用の抵抗R5及びR
6を介して検出されると、入力コンバータ3に設けられ
たトランジスタQ1が電圧制御回路4によってスイッチ
ング制御される。これにより、コンデンサC2に保持さ
せる充電電圧(出力電圧)が電圧制御回路4でフィード
バック制御できる。
【0008】コンデンサC2の出力段には変圧器Tを介
してトランジスタQ3が接続され、コンデンサC2に保
持された電圧(一次電圧)がトランジスタQ3によって
スイッチングされると、この一次電圧V1が変圧器Tで
減圧されて二次電圧V2となる。
【0009】変圧器Tの出力側には出力コンバータ5が
接続されており、変圧器Tで減圧された二次電圧V2が
出力コンバータ5によって直流電圧に変換される。例え
ば、変圧器Tの二次電圧V2がダイオードD2,D3で
整流されると、このダイオードD2,D3の出力電流I
outがチョークコイルL2および低圧用のコンデンサC
3により平滑化される。これにより、出力コンバータ5
から負荷回路8へDC電圧が供給できる。
【0010】なお、出力コンバータ5の出力段にはスイ
ッチング制御回路6が接続され、出力コンバータ5で変
換されたDC出力電圧が検出されると、スイッチング制
御回路6によってトランジスタQ3がスイッチング制御
される。これにより、出力コンバータ5のDC出力電圧
が一定になるようなフィードバック制御をスイッチング
制御回路6によって行うことができる。
【0011】次に、図5を参照しながらAC電源投入時
の動作を説明する。まず、図5において時刻t0でAC
電源が供給されると、AC電圧がダイオードブリッジ回
路1によって全波整流される。ダイオードブリッジ回路
1の出力電流はサイリスタ7がオフしているので電流制
限抵抗R1を通してノイズ減衰用のコンデンサC1およ
び出力保持用のコンデンサC2に流入してこれらを充電
する。その後、時刻t1で出力保持用のコンデンサC2
の充電電圧がある程度(通常80%)に上昇すると、電
圧制御回路4からサイリスタ7に対する制御電圧(DC
−OK1)が出力されるので、サイリスタ7はオンす
る。
【0012】このサイリスタ7のオンによって電流制限
抵抗R1の両端がショートされるので、ダイオードブリ
ッジ回路1からの出力電流はサイリスタ7を通ってコン
デンサC1、C2に流入するようになる。これと共に電
圧制御回路4によって入力コンバータ3が起動されて昇
圧モードとなる。その後、出力保持用のコンデンサC2
の充電電圧(出力電圧)が規定値になると、電圧制御回
路4からスイッチング制御回路6に対する起動命令信号
(DC−OK2)が出力されるので、これによって出力
コンバータ5が起動されて安定化モードとなる。
【0013】このようにAC電源投入時はサイリスタ7
がオフしているので、電流制限抵抗R1によってノイズ
減衰用のコンデンサC1、出力保持用のコンデンサC2
へ流入する突入電流が制限できる特徴を有している。
【0014】図6は突入電流防止回路2を備えていない
場合の出力電流波形を示す図である。この例では電源投
入時刻t0で波高値にして約22Aの突入電流が流れて
いる。このような突入電流は突入電流防止回路2を設け
ることで、図5に示したように電源投入時刻t0で約8
Apeak程度に制限できる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、突入電
流防止回路2を備えた従来のスイッチング電源装置にお
いても、AC電源投入時にはコンデンサC2が短絡に近
い状態なので、ダイオードブリッジ回路1から電流制限
抵抗R1へ過電流が流れ込んでしまう。このため、電源
装置の経時変化により電流制限抵抗R1が劣化を起こし
て断線を招き易い。
【0016】また、従来のスイッチング電源装置では通
常動作時に、ダイオードブリッジ回路1の出力電流が常
時サイリスタ7を介して流れるため、サイリスタ7での
電力損失が無視できなくなる。例えば、サイリスタ7は
出力特性にもよるが通電電流が1A程度と少ない場合
は、順方向電圧降下(ピークオン電圧)が1.0V位に
なって非常に小さい。しかし、大電流(10A以上)に
なると順方向電圧降下が1.5V程度まで上昇し、サイ
リスタ7の電力損失も1.0Wから15Wと一段と増加
するようになる。このため、サイリスタ7での発熱量が
増加し、装置内温度を上昇させる原因となっている。
【0017】その対策として、サイリスタ7用の大きな
放熱板が必要になる。このように従来では、電源装置の
信頼性や寿命の低下を招いたりするという問題がある。
【0018】そこで、本発明ではAC電源投入時の出力
保持用のコンデンサへの突入電流を制限すること、およ
び、従来装置に比べて通常動作時の電力損失を低減する
ことができるスイッチング電源装置の提供を目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係るスイッチ
ング電源装置は、交流電源の供給を受けて交流電圧を直
流電圧に変換する電圧変換回路と、この電圧変換回路に
よる直流出力電圧を保持する出力保持用のコンデンサ
と、このコンデンサの充電電流を制御する電界効果トラ
ンジスタと、交流電源がオンされると共に電圧変換回路
から直流電圧を入力してゲート電圧が徐々に立ち上がる
ように電界効果トランジスタのゲートに電圧を印加する
電圧制御回路とを備えるものである。
【0020】本発明のスイッチング電源装置では交流電
源がオンされると共に、電圧制御回路によって充電制御
用の電界効果トランジスタの完全オフ状態から完全オン
状態に至るソース・ドレイン間抵抗の値と出力保持用の
コンデンサの容量値との積である時定数を最初は大き
く、時間の経過とともに時定数を徐々に少なくなるよう
な制御することができるので、出力保持用のコンデンサ
に流れ込む充電電流を時間をかけてゆっくり増加させる
ことができる。
【0021】従って、充電電流が急激に出力保持用のコ
ンデンサに流れ込むことによる突入電流を防止できる。
【0022】また、本発明のスイッチング電源装置では
通常動作時に、電界効果トランジスタを介して出力保持
用のコンデンサに流れるリップル電流は、直流出力電流
に比べて少ないことと、電界効果トランジスタのオン抵
抗が小さいことから直流出力電流を常時サイリスタに通
電する従来方式に比べて電力損失を1/10〜1/20
に低減できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について説明をする。図1は実施の形態
としての突入電流防止機能を備えたスイッチング電源装
置の構成を示す回路図である。本実施の形態ではAC電
源投入に伴う突入電流を極力小さくするために、出力保
持用のコンデンサの充電電流を制御できるようにしたも
のである。
【0024】スイッチング電源装置としての力率改善型
のAC/DCコンバータの構成につて説明をする。AC
電圧をDC高電圧に変換する電圧変換回路11は、図1
に示すようにダイオードブリッジ回路1、コンデンサC
1及び入力コンバータ3によって構成する。例えば、A
C100V電源にスイッチSWを介してダイオードブリ
ッジ回路1が接続されており、電源投入と共にAC電圧
がダイオードブリッジ回路1によって全波整流される。
【0025】ダイオードブリッジ1の出力側にはコンデ
ンサC1が接続されており、このコンデンサC1によっ
てダイオードブリッジ回路1の整流ノイズが減衰され
る。高周波成分を除去するだけのコンデンサC1には、
数μF位の小容量のものが使用される。
【0026】コンデンサC1の出力段には抵抗R4を介
して力率改善型の入力コンバータ3が接続されており、
コンデンサC1に保持された140V程度の電圧(ダイ
オードブリッジ回路1の直流出力電圧)が、入力コンバ
ータ3によって約400V程度まで昇圧されるようにな
っている。
【0027】入力コンバータ3にはコンデンサC1に接
続されたフライバック用のチョークコイルL1と、この
チョークコイルL1に接続されたnチャネルの電界効果
トランジスタ(以下単にトランジスタという)Q1およ
びダイオードD1とが設けられ、ダイオードブリッジ回
路1の出力電流が、チョークコイルL1およびスイッチ
ング用のトランジスタQ1によるフライバック動作によ
ってスイッチングされるようになっている。これによ
り、チョークコイルL1の出力端側に高電圧が発生し、
この高電圧はダイオードD1によって整流される。
【0028】また、入力コンバータ3の出力段にはコン
デンサC2が接続されており、ダイオードD1によって
整流された後の高電圧がこのコンデンサC2に充電され
て保持される。コンデンサC2には通常動作時にリップ
ル電流が流れるため、コンデンサC1に比べて数千μF
位の大きな容量のものが使用される。
【0029】コンデンサC2の一端にはnチャネルの電
界効果トランジスタ(以下単にトランジスタという)Q
2が接続されており、コンデンサC2の充電電流がトラ
ンジスタQ2のスイッチング動作で制御されるようにな
っている。トランジスタQ2には通常動作時にコンデン
サC2のリップル電流が流れるため、このトランジスタ
Q2としては後述するように高耐圧で、オン抵抗の低い
ものが使用される。
【0030】上述した入力コンバータ3およびトランジ
スタQ2には電圧制御回路12が接続されており、コン
デンサC1に保持された電圧が分圧用の抵抗R2及びR
3を介して電圧制御回路12に供給され、その分圧電圧
に応じてトランジスタQ2のゲート電圧が徐々に立ち上
がるように、電圧制御回路12によってトランジスタQ
2のゲート電圧が制御される。コンデンサC2の充電制
御に関する電圧制御回路12の内部構成については図2
で説明する。
【0031】また、コンデンサC2に保持された電圧が
一対の抵抗R5及びR6によって分圧され、その分圧電
圧に応じて電圧制御回路12では制御信号が生成され、
この制御信号(スイッチング信号)で入力コンバータ3
に設けられたトランジスタQ1がスイッチング制御され
る。これにより、コンデンサC2に保持させる充電電圧
(出力電圧)が定電圧制御(フィードバック制御)でき
る。
【0032】これ以降は従来のスイッチング電源装置と
同じ構成である。すなわち、出力保持用のコンデンサC
2に保持された直流出力電圧を安定化する電圧安定化回
路13は、変圧器T,トランジスタQ3,出力コンバー
タ5およびスイッチング制御回路6によって構成する。
例えば、コンデンサC2の出力段には巻数比36:1の
変圧器Tを介してトランジスタQ3が接続されており、
コンデンサC2に保持された電圧(一次電圧)がトラン
ジスタQ3によってスイッチングされると、この一次電
圧V1が変圧器Tで減圧されて二次電圧V2となる。
【0033】変圧器Tの出力側には出力コンバータ5が
接続されており、変圧器Tで減圧された二次電圧V2が
出力コンバータ5によって直流電圧に変換される。出力
コンバータ5では変圧器Tの二次巻線に2つのダイオー
ドD2,D3が接続され、このダイオードD2、D3の
出力(カソード)側には平滑用のチョークコイルL2お
よび低圧コンデンサC3が接続されており、変圧器Tの
二次電圧V2がダイオードD2,D3で整流されると、
このダイオードD2,D3の出力電流Ioutがチョーク
コイルL2およびコンデンサC3により平滑化される。
【0034】なお、出力コンバータ5の出力段にはスイ
ッチング制御回路6が接続されており、出力コンバータ
5で変換されたDC出力電圧の値に応じて周波数制御信
号が生成され、この信号に基づいてトランジスタQ3の
デューティ(Q3のスイッチング時の1周期に対するオ
ン期間の比)が所定値となるようにスイッチング制御回
路6により、このトランジスタQ3が制御される。
【0035】これにより、出力コンバータ5のDC出力
電圧が一定になるようなフィードバック制御を行うこと
ができる。従って、出力コンバータ5から負荷回路8へ
安定したDC電圧が供給できる。
【0036】電圧変換回路11からDC電圧を入力して
トランジスタQ2のゲート制御をする電圧制御回路12
は、図2に示すような抵抗R7およびコンデンサC4か
ら成る積分回路によって構成する。この図において、分
圧用の抵抗R2,R3の接続点pには抵抗R7が接続さ
れており、ノイズ減衰用のコンデンサC1の保持電圧を
分圧した後の電圧が、抵抗R7を介してコンデンサC4
に充電される。このコンデンサC4に保持された電圧は
ゲート電圧VgsとしてトランジスタQ2のゲートに印加
されるようになっている。
【0037】抵抗R3には並列にダイオードD4が接続
されており、抵抗R3の端子電圧が過電圧にならないよ
うにダイオードD4によって保護されており、コンデン
サC4にも並列にダイオードD5が接続され、コンデン
サC4の保持電圧が過電圧にならないようにダイオード
D5によって保護されている。抵抗R7には並列にダイ
オードD6が接続されており、電源オフ時にコンデンサ
C4の電荷がこのダイオードD6によって急速に放電さ
れるようになっている。
【0038】このように構成した力率改善型のスイッチ
ング電源装置のAC電源オンに伴う動作について、図3
を参照しながら説明する。この図において、まず、時刻
t0でSWをオンしてAC電源を投入すると、AC電圧
がダイオードブリッジ回路1に供給される。小容量のノ
イズ減衰用のコンデンサC1にはダイオードブリッジ回
路1の出力電圧V1がただちに充電される(図中の破線
参照)。
【0039】しかし、電源投入時刻t0からゲート電圧
Vgsがしきい値電圧Vthに至る時刻t01までは、充電制
御用のトランジスタQ2はオフ状態であり、出力保持用
のコンデンサC2には充電電流が流れない。電源投入に
よるコンデンサC1の充電電圧は、図2に示したよう
に、抵抗R2、R3で分圧されて積分用の抵抗R7を介
してコンデンサC4に徐々に充電される。このため、コ
ンデンサC4の充電電圧であるトランジスタQ2のゲー
ト電圧Vgsは図の一点鎖線に示すように、ゆっくり上昇
する。
【0040】これにより、時刻t01でゲート電圧Vgsが
しきい値電圧Vth(破線図示)に至ると、それ以後、ゲ
ート電圧Vgsが時刻t01〜t02に至るまで、ゆっくりと
上昇するため、トランジスタQ2は完全オフ状態の抵抗
から完全オン状態の飽和抵抗までゆっくりと変化するよ
うになる。
【0041】従って、出力保持用のコンデンサC2とト
ランジスタQ2のオン抵抗で決まる時定数により、コン
デンサC2がゆっくりと充電されるようになる。この時
定数を大きくとれば突入電流(実線で示した出力電流I
o参照)を制限できる。この突入電流は抵抗R7および
コンデンサC4の値を変えることによっても調整でき
る。
【0042】なお、本実施の形態で使用したFETでは
ゲート電圧VgsがVth=3V付近に達するとオンするよ
うになっている。図3において電源投入時刻t0の直後
に、出力電圧(一次電圧)V1が脈流となっているの
は、トランジスタQ2がオフしているためである。
【0043】その後(時刻t02以降)の動作は従来の電
源装置と同様である。例えば、出力保持用のコンデンサ
C2の充電電圧がある程度(通常80%)に上昇する
と、分圧用の抵抗R5およびR6によってコンデンサC
2の保持電圧が検出されるので、時刻t1で、この検出
電圧を入力した電圧制御回路12によって入力コンバー
タ3が起動されて昇圧モードとなる。
【0044】この昇圧モードでは電圧制御回路12のス
イッチング制御を受けたトランジスタQ1がスイッチン
グ動作をする。つまり、チョークコイルL1を流れる電
流がトランジスタQ1によってスイッチングされること
によるフライバック動作により高電圧が発生する。この
高電圧はダイオードD1により整流されてコンデンサC
2に保持される。
【0045】このコンデンサC2の充電電圧(一次電
圧:V1)がある規定値(400V(DC)程度)にな
ると、電圧制御回路12よりスイッチング制御回路6へ
起動命令信号(DC−OK2)が出力されるので、トラ
ンジスタQ3がスイッチング動作を開始すると共に、出
力コンバータ5が起動されて安定化モードになる。
【0046】この安定化動作(スイッチング動作)によ
って、出力コンバータ5から負荷回路8へ安定化した低
電圧・大電流を供給することができる。
【0047】このように本実施の形態のスイッチング電
源装置では入力電圧を電圧制御回路12を介してトラン
ジスタQ2に与え、完全オフ状態から完全オン状態に至
るトランジスタQ2のソース・ドレイン間抵抗の値とコ
ンデンサC2の容量値との積である時定数を最初は大き
く、時間の経過とともに時定数を徐々に少なくするよう
に制御したので、コンデンサC2に流れ込む充電電流を
時間をかけてゆっくり増加させることができる。
【0048】従って、充電電流が急激にコンデンサC2
に流れ込むことによる従来方式のような突入電流を制限
することができる。
【0049】更に、本実施の形態では従来方式のような
突入電流防止用の電流制限抵抗を使用しないでも済むか
ら、その抵抗体が断線するおそれもない。従って、スイ
ッチング電源装置の信頼性が向上する。
【0050】従来方式のようなサイリスタを使用しない
分、発熱が軽減できるので装置内温度の上昇が少なくな
る。しかも、サイリスタを空冷するための大きな放熱器
を必要としないので電源装置が小型化できる。
【0051】また、本実施の形態のスイッチング電源装
置ではトランジスタQ2を介してコンデンサC2に流れ
るリップル電流は、ダイオードブリッジ回路1からのD
C出力電流に比べて少ないので、通常動作時に、このD
C出力電流を常時サイリスタに通電する従来方式に比べ
て電力損失を1/10〜1/20に低減できる。
【0052】(実施例)実施例としてのノイズ減衰用の
コンデンサC1には耐圧250Vで容量が1.41
(0.47×3)μF程度のものを用い、出力保持用の
コンデンサC2には耐圧450Vで容量が2800(5
60×5)μF程度の電解コンデンサを用いる。
【0053】実施例としてのトランジスタQ2に使用で
きる電界効果トランジスタ(FET)には、入力コンバ
ータ3の出力電圧を例えば400V(DC)とすると、
ドレイン・ソース間の電圧Vdsは400V以上必要であ
る。また、トランジスタQ2の通常動作時(定常時)の
電力損失を減らすためには、トランジスタQ2のオン抵
抗が低くなければならない。
【0054】このため、トランジスタQ2には高耐圧低
オン抵抗のFETを使用する。このようなFETには2
SK559(Vds=450V,オン抵抗=0.25Ω)
や2SK560(Vds=500V,オン抵抗=0.3
Ω)等が適している。オン抵抗を低くするためには複数
のFETを並列に接続して使用してもよい。
【0055】本実施例では2個の2SK559を並列に
接続することによりオン抵抗を下げるような工夫してい
るが、近年、オン抵抗が0.1Ω程度のFETモジュー
ルも開発されており、将来は数十mΩとなることが予測
できる。なお、低耐圧FETとしては既にオン抵抗が1
0mΩのもの製造されている。
【0056】実施例としての電圧制御回路12の抵抗R
7には抵抗値が330KΩのものを用い、コンデンサC
4には耐圧が24Vで、容量が2.2μF程度のものを
用い、保護用としてのダイオードD4には逆方向電圧が
24V程度の定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)
を用い、ダイオードD5には逆方向電圧が6V程度の定
電圧ダイオードを用い、分圧用の抵抗R2およびR3に
は抵抗値が47KΩのものを用いる。このような抵抗R
2,R3,R7,コンデンサC4,ダイオードD4およ
びD5の値を決めることにより、トランジスタQ2のゲ
ート電圧Vgsを時定数=(R3+R7)・C4に従って
ゆっくり上昇させることができる。
【0057】つまり、本実施例の突入電流の防止機能を
備えたスイッチング電源装置では、図3に示すように電
源投入時刻t0でトランジスタQ2はまだオフしている
ので、図5および図6に示したような突入電流が流れな
い。その後、時刻t01でやっとゲート電圧Vgsがしきい
値Vthに達してトランジスタQ2がオフ状態からオン状
態へ遷移する。このとき波高値にして約2.5Apeakの
出力電流Ioが流れる程度である。
【0058】このように本実施例では電圧制御回路12
の抵抗R7およびコンデンサC4によって、トランジス
タQ2の完全オフ状態から完全オン状態に至るソース・
ドレイン間抵抗の値とコンデンサC2の値の積である時
定数を、最初は大きく徐々に少なくするように決められ
るので、電流制限抵抗R1とAC入力電圧とにより突入
電流値を決めてしまう従来方式に比べて、突入電流を十
分に小さくすることができる。
【0059】次に、AC入力範囲が85〜260Vで、
DC出力が5V/200Aのスイッチング電源装置を例
にとって、図4に示したようなサイリスタ7および電流
制限抵抗R1を用いた従来方式の電源装置と、トランジ
スタQ2を用いた本実施例のスイッチング電源装置との
通常動作時の電力損失を考えてみる。
【0060】ここで電圧変換回路11の効率をη1=9
0%とし、電圧安定化回路13の効率をη2=80%と
し、トランジスタQ3のデューティを50%とし、変圧
器Tの一次電圧V1を400Vとし、変圧器Tの二次電
圧V2を11Vとし、出力コンバータ5の出力点cで2
00Aの出力電流Ioutが負荷回路8に流れるとする
と、ダイオードブリッジ回路1の出力点aで12.15
Aの出力電流Ioが入力コンバータ3に流れ込み、ダイ
オードD1の出力点bでは3.125A(実効電流)の
出力電流Iinが変圧器Tに流入する。
【0061】このような条件下で従来方式と比較する
と、従来のサイリスタ7には通常動作時にも常時出力電
流Ioが流れるので、サイリスタ7の順方向電圧降下
(ピークオン電圧)を1.5Vとすると、サイリスタ7
での電力損失は約19Wとなる(実際にはダイオードブ
リッジ回路1の出力が全波の脈流となるので、この数字
よりか小さい値になる)。
【0062】これに対して、本実施例のトランジスタQ
2のオン抵抗を0.1Ωとして見ると、d点で出力保持
用のコンデンサC2に流れるリップル電流Irは、 Ir≒(V2/V1)×Iout×1/(η1×η2)・・・(1) で与えられ、具体的な数値を(1)式に代入するとリッ
プル電流Irは、 Ir≒(11/400)×200×1/(0.8×0.
9)=7.6Ap-p となる。但し、リップル電流(実効電流)Irはトラン
ジスタQ3のデューティが50%であるので、3.8A
となる。
【0063】従って、トランジスタQ2での電力損失P
lossは、通常動作時にトランジスタQ2が常にオンして
いることから、 Ploss=(Irの実効電流)2×トランジスタQ2のオン抵抗・・・(2) で与えられ、具体的な数値を(2)式に代入すると電力
損失Plossは、 Ploss=(3.8)2×0.1=1.444W となり、従来方式に比べて電力損失を約1/13に低減
できる。トランジスタQ2のオン抵抗が下がれば、更に
電力損失は軽減できるのは勿論である。
【0064】このようにAC入力範囲が広い力率改善用
のコンバータを入力段に接続するスイッチング電源装置
では、変圧器Tへの一次電圧V1を高くとれるので、出
力保持用のコンデンサC2へのリップル電流Irが小さ
くなり、本発明の構成を採ることにより、トランジスタ
Q2での電力損失Plossを更に低減できる。
【0065】なお、本実施の形態では入力コンバータ3
を備えた電圧変換回路11の場合について説明したが、
これに限定されることはなく、入力コンバータ3が無く
ダイオードブリッジ回路1の出力電圧を直接コンデンサ
C2に保持する電圧変換回路に適用しても同様な効果が
得られる。
【0066】更に、本発明では電圧変換回路11の後段
に電圧安定化回路13を備える場合について説明した
が、これに限定されることはなく、電圧安定化回路13
が無く、電圧変換回路11の出力を負荷機器に供給する
電源装置に適用しても同様な効果が得られる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明のスイッチン
グ電源装置では、交流電源がオンされると共に充電制御
用のトランジスタのオフ状態からオン状態に至るソース
・ドレイン間抵抗の値と出力保持用のコンデンサの容量
値との積である時定数を最初は大きく、時間の経過とと
もにこの時定数を徐々に少なくするような制御すること
ができるので、そのコンデンサに流れ込む充電電流を時
間をかけてゆっくりと立ち上げることができる。
【0068】従って、充電電流が急激に出力保持用のコ
ンデンサに流れ込む突入電流を制限することができる。
【0069】また、本発明のスイッチング電源装置では
電界効果トランジスタを介して出力保持用のコンデンサ
に流れるリップル電流は、DC出力電流に比べて少ない
ことと、電界効果トランジスタのオン抵抗が小さいこと
から通常動作時に、DC出力電流をサイリスタに常時通
電する従来方式のスイッチング電源装置に比べて電力損
失を1/10〜1/20に低減できる。
【0070】更に、本発明のスイッチング電源装置では
経時変化を起こし易い電流制限抵抗を使用しないでも済
むので、電源装置の信頼性が向上する。サイリスタを使
用しない分、装置内温度の上昇が抑えられ、しかも、大
きな放熱器を必要としないので電源装置が小型化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としての突入電流防止機能を備えた
スイッチング電源装置(AC/DCコンバータ)の構成
を示す回路図である。
【図2】実施例としての電圧制御回路の構成を示す回路
図である。
【図3】実施例としてのスイッチング電源装置の波形を
示す図である。
【図4】突入電流防止回路を備えた従来のスイッチング
電源装置の構成を示す回路図である。
【図5】サイリスタおよび電流制限抵抗を備えた場合の
波形を示す図である。
【図6】突入電流防止回路を備えていない場合の波形を
示す図である。
【符号の説明】
1・・・ダイオードブリッジ回路、2・・・突入電流防
止回路、3・・・入力コンバータ、4,12・・・電圧
制御回路、5・・・出力コンバータ、6・・・スイッチ
ング制御回路、7・・・サイリスタ(SCR)、8・・
・負荷回路、11・・・電圧変換回路、13・・・電圧
安定化回路、D1〜D5・・・ダイオード、C1〜C4
・・・コンデンサ、R1〜R7・・・抵抗、Q1〜Q3
・・・トランジスタ、L1,L2・・・チョークコイ
ル、SW・・・スイッチ、T・・・変圧器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源の供給を受けて交流電圧を直流
    電圧に変換する電圧変換回路と、 前記電圧変換回路による直流出力電圧を保持する出力保
    持用のコンデンサと、 前記コンデンサの充電電流を制御する電界効果トランジ
    スタと、 前記交流電源がオンされると共に前記電圧変換回路から
    直流電圧を入力してゲート電圧が徐々に立ち上がるよう
    に前記電界効果トランジスタのゲートに電圧を印加する
    電圧制御回路とを備えることを特徴とするスイッチング
    電源装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧制御回路は、 前記電圧変換回路から入力した直流電圧を抵抗を介して
    電圧制御用のコンデンサに充電し前記コンデンサに充電
    された電圧を前記電界効果トランジスタのゲートに印加
    する積分回路と、 前記積分回路を保護する保護回路とを有していることを
    特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 【請求項3】 前記出力保持用のコンデンサに保持され
    た直流出力電圧を安定化する電圧安定化回路を設けてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002281745A (ja) * 2001-03-21 2002-09-27 Sony Corp 電源装置
JP2007014064A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Seiko Instruments Inc 電子機器
JP2010183726A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Tdk-Lambda Corp 力率改善コンバータおよび力率改善コンバータ制御器
JP2011004568A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Mitsubishi Electric Corp 電力変換装置

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