JPH10241611A - 2次元ロックイン画像増幅観測装置 - Google Patents

2次元ロックイン画像増幅観測装置

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JPH10241611A
JPH10241611A JP35447097A JP35447097A JPH10241611A JP H10241611 A JPH10241611 A JP H10241611A JP 35447097 A JP35447097 A JP 35447097A JP 35447097 A JP35447097 A JP 35447097A JP H10241611 A JPH10241611 A JP H10241611A
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lock
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JP35447097A
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Naohiro Tanno
直弘 丹野
Tsutomu Ichimura
勉 市村
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広ダイナミックレンジでこれらの物体の内部
3次元立体像の観測を実時間にて観測可能とする2次元
ロックイン画像増幅観測装置を提供する。 【解決手段】 入射画像光を2乗検波によって2次元空
間変調された光電子流に変換する光電面2と、前記光電
子流3の2次電子放出による残余電荷蓄積作用と増倍2
次電子発生機能とを兼ねたマイクロチャンネルプレート
7と、このマイクロチャンネルプレート7とに電圧を印
加する手段と、前記放出2次電子の捕捉作用をする電極
と、前記増倍2次電子発生機能による増倍2次電子流を
蛍光に変換する作用の蛍光面8とを具備した光パラレル
2次元ロックインイメージインテンシファイアを配備し
て増倍画像を観測できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光反射或いは光透
過物体からの物体光と参照光との2光束干渉画像入射光
から、光パラレルロックイン動作を施したイメージイン
テンシファイアにて、干渉信号の内交流成分のみを2次
元ロックイン検波することにより、背景雑音光と直流成
分を除去し、同時にその2次元ロックイン画像を増幅し
て、例えば高光散乱媒体である生体の鉛直断面断層像な
どや3次元構成集積回路の内部構造を容易に観測できる
ようにした2次元ロックイン画像増幅観測装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】高光散乱媒体である生体の断層像を得る
試みは、1光ビームの走査により反射あるいは透過信号
を1画素信号として、光ヘテロダイン検波と電気信号ロ
ックイン増幅装置により信号蓄積を計り、数値計算を用
いて画像を構築してCT(Computer Tomo
graphy)として得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の方法では、全画素信号を得る走査とそれらの信
号の演算処理に時間を要し、実時間観測は不可能であ
り、任意の断面を抽出して映像化するには膨大な走査と
演算処理時間を必要とし、さらに、上記の方法はいづれ
も、光ビームの走査方向に並行な断面しか測定しえない
欠点を持っている。すなわち、光ビームに鉛直な、通常
の写真と同様の目視方向に垂直な横断面の、しかも生体
などの深部の鉛直断層像の画像化技術は、X線CTにお
いても、また光CTにおいても、いまだ実現していな
い。さらにホログラフィカルに生体深部を立体視する技
術は未だ全く試みられていない。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するために、
広ダイナミックレンジでこれらの物体の内部3次元立体
像の観測を実時間にて観測可能とする2次元ロックイン
画像増幅観測装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、2次元ロックイン画像増幅観測装置にお
いて、入射画像光を2乗検波によって2次元空間変調さ
れた光電子流に変換する光電面と、前記光電子流の2次
電子放出による残余電荷蓄積と増倍2次電子発生機能と
を兼ねた背面電極付きマイクロチャンネルプレートと、
前記電子機能による増倍2次電子流を蛍光に変換する蛍
光面と、前記光電面と前記マイクロチャンネルプレート
間に後者の電極付着の無い前面に近接してその放出2次
電子の捕捉作用とマイクロチャンネルプレートに電界を
印加する作用を兼ねた電子捕捉格子面とを具備した光パ
ラレル2次元ロックインイメージインテンシファイアを
配備して増倍画像を観測できるようにし、例えば、入射
画像光が2光束干渉の2次元画像光で前記光電面でヘテ
ロダイン検波となる場合において、前記光電面より生じ
る光電子流の分布が各画素において直流成分光電子流と
そのヘテロダイン検波に基づく振幅変調を受けている映
像信号交流成分光電子流とから成るに際し、前記2次電
子放出率を1前後で前記振幅変調の周波数に同期して時
間的に変化させるように前記光電面と前記マイクロチャ
ンネルプレートの背面電極間に前記振幅変調周波数に等
しい交流電圧を一定時間印加する手段と、前記電子捕捉
格子面に正電位を印加する手段と、前記マイクロチャン
ネルプレートの前面における直流成分光電子の励起によ
る2次電子放出後の前記マイクロチャンネルプレートの
前面に残余する電荷は正負等量蓄積される結果該一定の
積分時間後にはその電荷分布は正負で相殺され零とな
り、他方映像信号交流成分光電子の励起に基づく残余す
る電荷は位相敏感同期検出により正或いは負いづれかの
電荷をのみ蓄積させることにより絶縁材料より成るマイ
クロチャンネルプレートの前面に映像に準じた2次元電
荷密度分布を蓄積帯電させる狭帯域フィルターの積分動
作に準じた2次元ロックイン動作のその一定時間の後、
その2光束干渉画像入射光を断ち、一様照度の読み出し
光を前記光電面に入射する手段と、同時に前記交流電圧
も断ち、前記光電面と前記マイクロチャンネルプレート
の背面電極間に読み出しゲートパルス電圧を印加する手
段とにより、前記光電面より加速された2次元一様分布
の光電子流を前記のマイクロチャンネルプレートの前面
に蓄積された該2次元ロックイン画像に準じた電荷密度
分布の帯電電位により選択的に遮蔽して、前記2次元ロ
ックイン画像信号に準じた2次元空間密度変調光電子流
に変換し、前記マイクロチャンネルプレートで2次電子
増倍することにより前記振幅変調を受けている入射光電
子流の2次元ロックイン画像信号のみを増幅し、背景雑
音光および直流成分を除去して実時間で観測できる2次
元ロックイン画像増幅観測装置としたことを特徴とし、
さらに、マルチレンズアレイにより、発散照射光群を構
成して多重インラインホログラムを光電面で得て、被測
定物体の任意の断層像を特別の演算を要しない実時間法
あるいは計算機数値演算法で立体視できるようにしたも
のである。
【0006】また、入射画像光を2乗検波によって2次
元空間変調された光電子流に変換する光電面と、その光
電子流の2次電子放出による残余電荷蓄積と増倍2次電
子発生機能とを兼ねたマイクロチャンネルプレートと、
このマイクロチャンネルプレートとに電圧を印加する手
段と、前記増倍2次電子流を蛍光に変換する作用と前記
放出2次電子の捕捉作用をする電極を兼ねた蛍光面とを
具備した光パラレル2次元ロックインイメージインテン
シファイアを配備して増倍画像を観測できるようにす
る。
【0007】このような構成において、入射画像光とな
る2光束干渉光の内、一方の光束を高散乱媒体などから
の反射光や透過光の物体光とし、他方の光束に位相シフ
トあるいは相対的に周波数シフトを施し参照光となし、
両者を合波干渉してヘテロダイン検波を行い、その検波
光電子流が散乱光や2光束によるDC(直流)成分と断
層画像の反射像信号光や透視像信号光によるAC(交
流)成分(交流振幅変調周波数は位相シフト変調周波数
あるいは相対周波数シフトの差周波で決まる)を有する
に、合波干渉画像光全面に対し、その周波数の同期検波
加速電界の印加と光電子による2次電子放出後のマイク
ロチャンネルプレート前面への残余帯電電荷蓄積作用に
より、DC成分電荷は正負等量の蓄積電荷で相殺し、零
電位となし、AC成分のみをそのプレート前面で蓄積す
る2次元ロックイン検出を全画面に対して同時にその周
波数の所定のサイクル時間数にわたり実行して、そのプ
レート前面にAC成分画像強度分布に準じた帯電電荷分
布像を得て、その所定の時間後に読み出し一様光束を入
射し、それに基づく光電子流をその蓄積電荷による遮蔽
作用や増減作用などにより、2次元面で密度変調された
光電子流に変換して前記2次元ロックイン画像情報を転
嫁し、マイクロチャンネルプレートを通常の増倍動作に
戻して画像強度分布を増幅し蛍光像を得て、背景雑音光
やDC成分を除去した反射断層像や透視像のみを抽出し
て容易に観測できるようにしたものである。
【0008】さらに、前記2光束干渉光の内、被測定物
体をマルチレンズアレイを用いて多重発散光で照射し、
それらの反射光あるいは透過光を物体光とし、参照光と
で干渉させ、この場合、2光束干渉画像光は多重インラ
インホログラムとなるが、前記記載と同様の方法で、背
景雑音光やDC成分を除去した反射断層像や透視像のみ
の多重インラインホログラムを抽出した蛍光像を得て、
既知のインコヒーレント・コヒーレント画像変換装置を
用いて、その多重インラインホログラムをコヒーレント
画像として読み出して再生し、既知のズームレンズ付き
撮像装置を用い、この撮像管のレンズの焦点位置をもっ
て物体深部の任意の反射断層像や透視像を直ちに観測で
きるようにしたものであり、さらには前記のインコヒー
レント・コヒーレント画像変換装置を用いることなく、
普通の撮像管で多重インラインホログラムを撮影し、計
算機に数値入力してホログラムの計算機再生アルゴリズ
ムを用いて任意断面の像を再生するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示す真空管
より構成される2次元ロックインイメージインテンシフ
ァイアの構成図であり、図1(a)はその2次元ロック
インイメージインテンシファイアの全体的構成図、図1
(b)は図1(a)のA部拡大図である。
【0010】ここで、100は2次元ロックインインイ
メージテンシファイア装置であり、入射画像光1を、2
次元ロックインイメージインテンシファイア90の窓部
90aより光電面2に照射して、光電子流3を発生さ
せ、マイクロチャンネルプレート7のA部を拡大した、
図1(b)に示すような2次電子放出面7aに、光電面
2と微細なメッシュ構造の電子捕捉格子面4との間の印
加電圧(端子Vaの負電位)により加速し衝突させる。
【0011】マイクロチャンネルプレート7は、図1
(b)に示すような、非常に細い、例えば直径12μm
程度のガラスパイプを多数本束ねて構成する。光電子の
入射軸に対してガラスパイプが傾斜しているのは、2次
電子放出を効率良くパイプ内壁で生じるようにするため
であり、それ自体は周知の技術である。入射した光電子
流3は2次電子放出面7aを構成する前記ガラスパイプ
端面と端面近傍のパイプ内壁に当たり、2次電子を放出
する。ガラスは高絶縁材料であるから、2次電子放出に
伴って失われた電荷の対極する電荷分が発生し残余対価
電荷を生じ、2次電子放出面7aに一定時間滞留する。
この時、前記光電面2とマイクロチャンネルプレート7
間に後者に近接して、その放出2次電子を捕捉する電子
捕捉格子面4を具備して、その電子捕捉格子面4を正電
位VB にしておくと、その放出2次電子は前記電子捕捉
格子面4に捕捉される。マイクロチャンネルプレート7
の背面電極7bをアース電位にしておくことで、各ガラ
スパイプのチャンネルにはその放出2次電子はその場合
入り込まない。入射した光電子流3は、その電子捕捉格
子面4を通過して2次電子放出面7aに達するので、そ
の残余電荷は電子捕捉格子面4の電位に等しい正電位に
帯電して光電子照射位置に部分的に滞留する。その残余
帯電電荷は時間と共に拡散して消滅するが、ある一定の
緩和時間の間は帯電した正電位を保って滞留する。例え
ば、ガラス絶縁材料では、この滞留緩和時間は材質の選
択によって数十msec前後に設定でき、拡散距離も数
十μm程度である。
【0012】2次電子放出面7aによる2次電子放出率
δは、前記印加電圧による加速電界で変化し、1前後の
値を採らせることができる。放出2次電子は−δeの電
荷を電子捕捉格子面4に与え、(δ−1)eの対価電荷
を2次電子放出面7aに残余させる。前記印加電圧を交
流電圧とし、例えば2次電子放出率δの最大、最小値を
それぞれ1.5、0.5とし、正弦波的に時間と共に変
化させる。
【0013】その結果、入射光電子流3がDC成分のみ
の場合は、ほぼ等量の正負電荷が2次電子放出面7aに
残余し、一定時間の積分の結果相殺し、蓄積電荷は零と
なる。他方、入射光強度に比例して入射光電子流3が、
図2に示すように、AC成分である場合に、前記電位差
(VB +Va )>0の範囲で2次電子放出率δが0.5
〜1.5となるように、図2に示すように同期して所定
の時間T1の間、負の交流印加電圧Va を光電面2に印
加すると、その入射光強度に対応した正電荷が積分時間
に比例して2次電子放出面7aに残余する。その結果、
入射画像光の内、AC成分のみをその強度に応じた蓄積
電荷分布像として2次電子放出面7aに形成できる。2
次電子放出面7aの構造は異なるが、この原理はすでに
アレイロックイン動作として(Optics Lett
ers,vol.6,no.l,pp1−3,Janu
ary 1981)に開示されている。この開示内容で
は、イメージオルシコンを用い蓄積電荷分布像は背後よ
りの走査電子ビームによって読み出され、時系列信号と
して取り出され映像を形成する。本発明は、このような
方法と異なり、以下に説明する実施例による。
【0014】前記蓄積電荷分布像を形成した一定時間T
1後、入射画像光を断ち、図2に示すように、一定で一
様な強度分布の入射光を読み出し光として光電面2に入
射させる。同時に、図2に示すように、交流電圧も断
ち、T1時間後にはVa には読み出しゲートパルス−V
gを印加する。これらの電圧は、制御電圧発生器5より
供給する。さらに、電子捕捉格子面4とマイクロチャン
ネルプレート7の背面電極7b間には、予め数十VのD
C電圧VB を、図1に示すように、印加し、その放出2
次電子のマイクロチャンネルプレート7への流出を抑え
ておく。
【0015】したがって、読み出しゲートパルス(−V
g)の印加においては、マイクロチャンネルプレート7
への最適な光電子加速エネルギーとなり、さらにマイク
ロチャンネルプレート7中での2次電子を加速増倍する
ように印加する。電子捕捉格子面4と背面電極7bに
は、図1に示すように、抵抗R1とR2によってその電
圧Vgが配分されて印加され、それぞれ加速電界を形成
する。
【0016】前記した一様な強度分布の入射光による光
電面2よりの光電子流3は、前記読み出しゲートパルス
電圧Vgによる前記電界で加速され、等価負電位〔−V
gR1/(R1+R2)〕の電子捕捉格子面4はそのま
ま通過するが、前記蓄積電荷分布を有する2次電子放出
面7aとマイクロチャンネルプレート7の背面電極7b
間では、蓄積電荷の正電位によって、部分的に逆電界が
発生しており、この光電子流によるマイクロチャンネル
プレート7中での放出2次電子の加速倍増を遮蔽し減少
させる。その蓄積電荷が無い、つまり、正電位が無い場
所では、電子捕捉格子面4と背面電極7bとの間には
〔−VgR2/(R1+R2)+VB 〕の加速電圧が印
加されているので、放出2次電子は遮蔽されることなく
加速増倍される。その結果、当初の一様な分布の光電子
流3を、前記蓄積電荷分布を反映し画像情報が転写され
た2次元密度分布を持つ増倍2次電子流10に変換させ
ることになる。
【0017】この2次元密度分布増倍2次電子流10
は、マイクロチャンネルプレート7の背面より飛び出
し、さらに図1に示す蛍光面加速電圧Vsで加速され蛍
光面8に蛍光映像を形成する。形成された蛍光映像は窓
部90bより観測でき、本原理により、入射画像光によ
り発生した光電子流のAC成分のみの画像となり、DC
成分や同様の背景雑音光成分は除去された、いわゆるロ
ックインアンプ動作による雑音除去信号に等しい全画素
にわたる信号を2次面で並列に処理したものが得られる
ことになる。前記緩和時間の間に、図2に示す読み出し
光とゲートパルス電圧を印加し続ければ、映像は観測で
きるが、前記緩和時間を過ぎれば映像は消滅する。した
がって、時間T1とT2は適宜設定する必要がある。例
えば、前記緩和時間を100msecとする場合は、A
C成分交流周波数を100kHzとし、一定時間T1を
70msecとすれば、7000周期の積分と30ms
ec間の映像読み出しが可能となり、時間T2は100
msecにとれる。この時、1周期だけで観測される映
像信号に対して、この積分で蓄積される信号成分は、7
000倍だけ増幅されたことになる。この設定例では1
秒当たりにして10画面を観測でき、ビデオ信号レート
の3分の1であるが、準実時間観測を可能とすることに
なる。
【0018】図3は本発明の第1実施例を示す反射断層
像を観測する2次元ロックイン画像増幅観測装置の構成
図である。この図に示すように、低コヒーレント光源1
2に、例えば、中心波長0.85μm、スペクトル幅3
0nmのスーパールミネッセントダイオード(SLD)
を用い、出射光をビームエクスパンダー13を用いて有
効な断面直径を持つ平行光束20aにする。この光束2
0aをレンズ19aを用いて収束し、ビームスプリッタ
ー15により2つの光束に分割する。分割された光束の
内、直進透過光はレンズ19bにより元の平行光束にも
どされ、さらに反射鏡16により反射されて参照光20
bを形成する。参照光20bは、レンズ19bを経て、
さらに前記のビームスプリッター15により反射されて
レンズ19dにより再度平行光束となり光電面2に至
る。反射鏡16はトランスデューサー16a(例えば圧
電素子)により、例えば前記周波数100kHzで振動
させて、参照光20bを次式で表される位相変調参照光
電界Erp(t,z)にする。
【0019】 Erp(t,z)=Erpexp〔j2πft−j2kLr−j2kδz ×sin(2πfa t)〕 …(1) ここで、Erpは反射光電界振幅、fは光周波数、kは波
数、Lrはビームスプリッター15から反射鏡16まで
の光路長、δzは振動の変位距離、fa は振動周波数、
jは虚数単位である。式(1)の右辺指数部括弧内第3
項が正弦的に振動する位相変調を表す。式(1)で表さ
れる参照光電界は、光電面2を一様な強度で照射する平
面波電界とする。
【0020】他方分割されたもう一方の反射光ビーム
は、レンズ19cにより平行光束に戻され、被測定物体
14に入射する。この入射光は被測定物体14内の屈折
率変化による各断層面で反射されるが、レンズ19cの
前焦点位置A−A′における反射物体光20cは、レン
ズ19cのレンズフーリエ変換作用により、後焦点位置
にフーリエ変換され、さらにレンズ19cと同一焦点距
離を持つレンズ19dをレンズフーリエ逆変換作用の位
置に配備して、光電面2に断層面A−A′の像を投影す
る。同時に断層面A−A′前後からの反射光も結像しな
い乱れた波面として光電面2を照射する。観測したい断
層面A−A′からの反射信号光電界をEspと(x,y)
とし、乱れた波面の電界を雑音電界Enp(x,y)とし
て、被測定物体14からの物体光電界Eop(t,r)は
次式と表せる。
【0021】 Eop(t,r)=Esp(x,y)exp〔j2πft−2jkLs〕 +Σn np(x,y)exp〔j2πft−2jkLs −2jknΔz〕 …(2) ここで、(x,y)は像面の位置を表し、rはx,y,
zを代表するものとし、Lsは断層面A−A′とビーム
スプリッター15間の光学距離でその焦点距離の2倍で
ある。Σn は断層面A−A′以外の面からの多重反射も
含む前記雑音電界の和を表し、nΔzはそれらの各面ま
でのLsからの距離を表し、Δzは光学的距離分解能を
意味している。
【0022】前記位相変調参照光電界Erp(t,z)と
物体光電界Eop(t,r)は光電面2で2光束干渉の入
射画像光1を形成する。この入射画像光1は観測したい
映像信号以外の前記雑音成分や直流成分も含み、直接観
測しても見たい断面映像のみを抽出することは一般に不
可能である。光電面2でその入射画像光1は2乗検波さ
れて、次式I(t,r)で表される光電子流3に変換さ
れる。
【0023】 I(t,r)=Q|Erp(t,z)+Eop(t,r)|2 =Q{Erp 2 +〔Esp(x,y)〕2 +Σn Σm np(x,y)Emp *(x,y) ×exp〔−2jk(n−m)Δz〕+c.c +Erpsp(x,y)J0 (2kδz) ×cos〔2k(Lr−Ls)〕 +Erpsp(x,y)J1 (2kδz) ×cos〔2πfa t+2k(Lr−Ls)〕 +Σn rpnp(x,y)J0 (2kδz) ×cos〔2k(Lr−Ls−nΔz)〕 +Σn rpnp(x,y)J1 (2kδz) ×cos〔2πfa t+2k(Lr−Ls−nΔz)〕} …(3) ここで、Qは光強度を光電子に変換する量子効率などを
含む変換係数であり、各電界の振幅は実数とし、指数関
数の中の正弦関数は、ベッセル関数で展開し、0次と1
次項までとり、高次項は観測しないので無視した。J0
(2kδz)、J1 (2kδz)は、それぞれ0次と1
次のベッセル関数である。
【0024】前記低コヒーレント光源12はスペクトル
幅が広く、2光束干渉が生じる可能な距離、即ちコヒー
レンス長Lcは数十μm以下と短い。光学距離Lrに等
しい距離Lsの面からの反射に注目すると、両者の光路
差は零となる。さらに、コヒーレンス長Lc以上に光路
差のある面からの反射光同士は干渉しないので、空間分
解能Δz=Lc/2とおけて、式(3)において、2Δ
zを含む異なる電界の積の項は存在しないことになる。
ゆえに、実際に光電子流3として発生する項は次式とな
る。
【0025】 I(t,r)=Q{Erp 2 +〔Esp(x,y)〕2 +Σn 〔Enp(x,y)〕2 +2Erpsp(x,y)J0 (2kδz) +2Erpsp(x,y)J1 (2kδz) ×cos(2πfa t)} …(4) 式(4)において、右辺第1項から第4項までが背景雑
音光によるものも含むDC成分光電子流であり、第5項
が周波数fa で振幅変調された観測したい映像信号AC
成分光電子流である。この光電子流3は前記実施例の光
パラレルロックインイメージインテンシファイア90に
おいて説明したように、この周波数faでロックイン積
分される。この周波数fa は発振器17より発生させ、
トランスデューサー16aを駆動し、他方ターミナル6
より制御電圧発振器5を経て同期して前記交流印加電圧
VaをT1時間の間発生させる。このロックイン動作に
よって、式(4)の右辺第5項の2Erpsp(x,y)
1 (2kδz)に比例した残余電荷がマイクロチャン
ネルプレート7の前面(2次電子放出面)7aに形成さ
れ、他の背景雑音光を含むDC成分は消滅される。
【0026】T1時間に読み出しゲートパルスを印加す
ると同時にターミナル11よりその電圧を伝達して駆動
回路18aによりシャッター18を閉じ、反射物体光2
0cを遮蔽し、参照光20bのみを光電面2に照射し、
読み出し光とする。その結果、映像信号に準じた映像が
蛍光面8に生じ、被測定物体14の内部断層面A−A′
の断層像Esp(x,y)のみが観測される。式(4)の
右辺第5項の2Erpsp(x,y)J1 (2kδz)は
ベッセル関数値によっても変化するが、ベッセル関数の
1つの最大値を与える、例えば、2kδz=1.8とな
るδ=0.45λ/π(ここでλは光の波長)の振動変
位を設定すれば効率良く映像を観測できる。
【0027】前記蛍光面8において、観測される映像I
* は、マイクロチャンネルプレート7の利得係数と蛍光
面での変換係数の積をGとすれば次式で表される。 I* (x,y)=G{Q1 rp 2 +Q2 〔Erp 2 sp 2 (x,y) ×J1 2 (2kδz)〕1/2 } …(5) ここで、右辺括弧内第1項は、読み出し光の透過成分
で、Q1 、Q2 はマイクロチャンネルプレート7に入射
するまでのそれぞれの変換係数である。その変換係数は
ほぼ等しいが、前記積分効果が大きい場合にはQ2 の方
が大となる。映像信号に注目すると、前記積分による7
000倍の増倍に加え、MCP1枚で2×105 の増倍
のとき、全増倍の総合利得は約91.5dBとなり、M
CP2枚で4×107 の倍増のときは約114.5dB
の総合利得が得られる。生体などの高散乱媒体中の断層
像などを観測するのに十分な利得を得ることができ、背
景雑音光の除去が可能となる。
【0028】被測定物体14の内部断層面A−A′の位
置を変えて他の部位を観測する場合には、図3の実施例
に示す被測定物体14をのせたステージ14aをz軸方
向に移動させることにより実現する。あるいは、反射鏡
16を光軸方向に移動しても同じ効果が得られる。移動
距離を、前記空間分解能Δz毎にとれば、奥行きz軸方
向で最小分解能での観測が実現し、x−y面での解像度
は、レンズ19c、19dの開口よりもおおむね蛍光面
8の分解能で決まり観測される。
【0029】低コヒーレント光源12に市販のSLDや
広帯域蛍光源を用いて奥行きの最小距離分解能Δzは1
0μm程度、他方現存の蛍光面では、2次元面の解像度
は約30μmφが実現できる。図4は本発明の第2実施
例を示す光ファイバスコープ付き2次元ロックイン画像
増幅観測装置の構成図である。
【0030】この実施例は、図3に示した第2実施例に
おけるレンズ19cより物体までの光路に光ファイバス
コープ30を配備し、胃カメラ等として使用する遠隔観
測装置である。図4に示すように、レンズ19cよりの
平行光束を光ファイバスコープ30の端面30cより入
射させる。この平行光束は他端の端面30bより出射
し、レンズ30aにより被測定物体14を照射する。被
測定物体14内部の照射断層面A−A′からの反射物体
光20cをレンズ30aの作用によって端面30bに結
像させる。その結像光は、光ファイバスコープ30内を
伝送し、端面30cに現れる。端面30cの位置をレン
ズ19cの前焦点の位置に置くことにより、レンズ19
cのレンズフーリエ変換およびレンズ19dのレンズフ
ーリエ逆変換により光電面2に照射断層面A−A′を投
影する。この時、当然のことであるが、照射断層面A−
A′の前後の反射光が背景雑音光として含まれる。
【0031】ビームスプリッター15から照射断層面A
−A′までの光路長Lsと反射鏡16までの光路長Lr
を同じ距離とする必要があるので、後者の光路を空気中
の伝搬や折り返しプリズムなどで構成してもよいが、同
一長の光のファイバスコープを配備しても良い。2次元
ロックイン像倍画像観測装置としてその他の動作方法
は、図3の実施例で述べたことと同じであるので省略す
る。
【0032】図5は本発明の第3実施例を示すホログラ
フィ実時間反射像再生を行う2次元ロックイン画像増幅
観測装置の構成図である。図5に示すように、コヒーレ
ンス長の充分長い高コヒーレンス光源12aに、例えば
生体透過率の高い波長1.3μmのレーザ発振器を配備
し、出射光をビームスプリッター15aにより2分割す
る。その2分割した一方の光束を周波数シフター24a
に、例えば光音響素子を用いて透過させ周波数シフトf
a を施し、ビームエクスパンダー13aを用いて有効な
直径の平行光束として折り返し反射鏡21aで反射し、
参照光22aとする。この時、参照光電界Erf(t,
r)は次式で表現される。
【0033】 Erf(t)=Erfexp〔j2π(f−fa )t〕 …(6) ここで、Erfは、ビーム断面強度が一様な光の電界振幅
を表し、fa は前記シフト周波数を表す。式(6)で
は、2光束が干渉する光電面2を原点にとり、伝搬距離
の位相項は除いてある。分割された他方の平行光束は、
周波数シフター24bに、例えば光音響素子を用いて透
過させ、周波数シフトfb を施し、ビームエクスパンダ
ー13bを用いて有効な直径の平行光束とし、折り返し
反射鏡21bで反射し、マルチレンズアレイ25により
発散照射光群22bに変換して被測定物体14を照射す
る。その発散照射光群22bは物体内部に伝搬すると同
時に物体内部の各断層面で反射される。その反射光群は
ハーフミラー15bにより反射され、前記参照光22a
と合波し入射画像光1となる。その発散照射光群22b
は球面波と近似できるので、マルチレンズアレイ25に
よる焦点位置より被測定物体14への座標をz軸とする
と、一個のレンズからの照射光による反射光は次式で表
現できる。
【0034】 Esf(t,r)=jk〔2π(2z)〕-1sf(x,y,z) exp{j2π(f−fb )t−jk(x2 +y2 ) ×〔2(2z)〕-1}+Σn n exp(j2πft) …(7) 式(7)の右辺第1項は、像面の反射電界Esf(x,
y,z)を保持した球面反射光を表し、第2項は多重反
射等に基づく背景雑音光を表す。
【0035】その反射光は光電面2において前記参照光
22aと2光束干渉を生じる。球面反射の物体光と平行
光束の参照光との干渉で、光電面2にはインラインホロ
グラムが形成される。その結果生じる光電子流強度If
(t,r)は次式となる。 If (t,r)=Q|Erf(t)+Esf(t,r)|2 =Q{Erf 2 +k2 (4πz)-2〔Esf(x,y,z)〕2 +Σn |En 2 +Σn n rfcos〔2πfa t〕 +k(2πz)-1rfsf(x,y,z) ×sin〔k(x2 +y2 )(4z)-1−2πfc t〕} …(8) 式(8)において、第2の等式の右辺第1項から第3項
までが背景雑音光も含む直流成分光電子流であり、ま
た、第4項は、2次元ロックインイメージインテンシフ
ァイア90は時間応答しない高周波成分で、かつ多重散
乱光による干渉のため平均化され直流成分となる。第5
項がヘテロダイン検波によるビート周波数fc =|fa
−fb |で振幅変調された観測したい映像信号AC成分
光電子流である。この光電子流3は、前記実施例の光パ
ラレル2次元ロックインイメージインテンシファイア9
0において説明したようにその周波数fc でロックイン
積分される。その周波数fc は周波数シフター24aと
24bからの信号を得て、その差周波発振器17aより
発生させ、ターミナル6より制御電圧発生器5を経て同
期して前記交流印加電圧VaをT1時間の間発生させ
る。
【0036】このロックイン動作によって、式(8)の
右辺第4項に比例した残余電荷がマイクロチャンネルプ
レート7の前面7aに形成され、他の背景雑音光を含む
DC成分とシフト周波数fa の高周波成分は消滅され
る。T1時間に読み出しゲートパルスを印加すると同時
にターミナル11よりその電圧を伝達してシャッター1
8を閉じ、発散照射光群22bを遮蔽し、参照光22a
のみを光電面2に照射し、読み出し光とする。その結
果、前記レンズ1個の位置に相当する部分に前記干渉像
に準じたインラインホログラムの映像が蛍光面8に観測
される。
【0037】マルチレンズアレイ25の内、座標
(x0 ,y0 )にある1個のレンズによって、前記のイ
ンラインホログラムが形成され、蛍光面8には各レンズ
の座標毎に、次式で表される干渉蛍光像が観測される。 Iin(x,y)=GQ1 rf 2 +GQ2 [Erf 2 sf 2 (x0 ,y0 ,z) ×sin2 {k〔(x−x0 2 +(y−y0 2 〕 ×(4z)-1}]1/2 …(9) ここで、右辺括弧内第1項は、読み出し光の透過成分
で、Q1 、Q2 はマイクロチャンネルプレート7に入射
するまでのそれぞれの変換係数である。式(9)で表現
されるホログラム干渉像は、物体内部の反射点(x,
y,z)の3次元情報、即ち物体のx−y平面断層像の
情報のみならず、奥行きz軸の情報も含まれている。そ
の干渉像をコントラスト良く観測するためには、ロック
イン積分量を調節し、式(9)の右辺第1項に対し第2
項の振幅を大きくすれば良い。
【0038】マイクロレンズアレイ25は、例えば焦点
距離数cmの、直径およそ50μmの平板マイクロレン
ズを500×500程度平板状に配列して構成する。こ
れらのレンズの球面波による反射波と平面波との干渉で
ヘテロダイン検波されるのは、球面波の波面法線成分が
ほぼ平面波の法線に整合している部分のみであるから、
物体内部をほぼ直進し、反射してくる成分のみを検出す
ることができる。生体のような高散乱物質では多重散乱
が生じ、背景雑音光が多く発生して観測したい像面をマ
スクしてしまうが、上述の原理により、雑音光に埋もれ
た断層像を抽出できる。
【0039】従って、前記インラインホログラムは、こ
の直進光成分を中心に干渉縞が生じることで形成され、
3次元画像情報を含むことになる。現在のところ、前記
蛍光面8等の像分解能が不十分なため、干渉縞を正確に
投影できないので、再生像は不十分な奥行き情報しか再
現できないが、固体素子等の開発により、再現性が良く
なることが期待できる。
【0040】次に、本実施例では、その3次元画像情報
を含んだ蛍光面8のインラインホログラム映像から、被
測定物体の任意の奥行き面の断層像をズーミングによっ
て観測する手段を備えているので、以下に説明する。図
5に示すように、空間光変調素子28を具備し、蛍光面
8のその映像26をレンズ27によりその空間光変調素
子28の背面(書込面)に投影する。インコヒーレント
・コヒーレント光変換作用を有する空間光変調素子28
には、例えば(Optical Engineerin
g vol.17,No.4,p.371,1978)
などに開示されている液晶を用いた空間光変調素子が適
している。投影像は、インコヒーレントな書込光による
から、その投影像を液晶の偏光反射像に変換し、高コヒ
ーレントなレーザー光源12bよりの直線偏光の平行光
束31aで偏光ビームスプリッター29を介して、読み
出し光としてその空間光変調素子28の前面(読み出し
面)に照射する。その結果、書き込み映像信号であるイ
ンラインホログラムがレーザ光によって再生された構成
となり、楕円または円偏光性の反射光は、偏光ビームス
プリッター29を透過して再生光31bとなり、断層像
の再生光となる。この時、式(9)で表される右辺第1
項のDC成分に相当する背景光成分は、空間光変調素子
28への印加電圧を適宜調整することによって除去する
ことにより、高コントラストな再生像を得ることができ
る。
【0041】その再生光31bは、レンズアレイの照射
による反射光の再生であるから、多重の発散球面波群で
ある。被測定物体の奥行きz面の各点(x0 ,y0 )か
らのその反射光群は同一の曲率の発散光であるので、ズ
ームレンズを具備した撮像管32を用いて、任意のz
面、即ち任意の断層面に焦点を合わせることにより、所
望の断層像を実時間で観測できる。撮像管32で撮影さ
れた映像は、画像処理装置33で加算平均化などの処理
を行い、また、焦点位置を順次移動して各面の画像を記
録して、3次元画像に構築することにより、被測定物体
の任意の破断面像の観測が可能になる。34はその表示
装置である。
【0042】自明のことではあるが、前記ズームレンズ
等を用いず、再生光を直視すれば、狭視野ながら立体視
も可能となる。図6は本発明の第4実施例を示す数値ホ
ログラフィ反射再生法による2次元ロックイン画像増幅
観測装置の構成図である。図6に示すように、蛍光面8
に前記インラインホログラムを映像化するまでは、図5
の場合と全く同じなのでその部分の説明は省略し、数値
ホログラフィ再生法を説明する。
【0043】そのインラインホログラムの映像をレンズ
27で撮像管32に投影し、前記インラインホログラム
を画像処理装置33に各画素の干渉強度を数値化して記
録する。次に、数値解析プロセッサー33aを用いて、
その数値画面に対し、次式で与えられる波面を想定し
て、コンボリューション積分を実行する。 jk〔2π(2z)〕-1exp{−jk(x2 +y2 )〔2(2z)〕-1} …(10) その結果、任意のz面にある断面像を数値画面として再
生することができる。z位置を順次移動して同様の数値
計算を実施して各再生数値画面を画像処理装置33の記
録部に格納して、前記と同様に3次元画像に構築するこ
とにより、被測定物体の任意の破断面像の観測が可能に
なる。
【0044】この方法では、数値解析に時間を要し、実
時間観測はできないが、専用の高速プロセッサーなどの
開発により、短時間のうちに所望の断層像を観測できる
ようにすることは容易である。さらには、数値解析で再
生像を逐次得て、ビデオレートで一端記録し、しかる後
に実時間スケールで動画像の観測も可能である。図7は
本発明の第5実施例を示す光透視像を観測する2次元ロ
ックイン画像増幅観測装置の構成図である。
【0045】図7に示すように、高コヒーレンス光源1
2aに例えば生体透過率の高い波長1.3μmのレーザ
発振器を配備し、ビームスプリッター15aにより出射
光束を2分割する。2分割した一方の光束を周波数シフ
ター24aに、例えば光音響素子を用いて透過させ、周
波数シフトfa を施し、ビームエクスパンダー13aを
用いて有効な直径の平行光束とし、折り返し反射鏡21
aで反射し、参照光22aとする。この時、参照光電界
rt(t,r)は次式で表現される。
【0046】 Ert(t)=Ertexp〔j2π(f−fa )t〕 …(11) ここで、Ertはビーム断面強度が一様な光の電界振幅を
表し、fa はシフト周波数を表す。式(11)では、2
光束が干渉する光電面2を原点にとり、伝搬距離の位相
項は除いてある。分割された他方の平行光束は、周波数
シフター24bに、例えば光音響素子を用いて透過さ
せ、周波数シフトfb を施し、ビームエクスパンダー1
3bを用いて有効な直径の平行光束とし、折り返し反射
鏡21bで反射し、被測定物体23に照射する。
【0047】この照射光は、物体内部に部分的に透過す
ると同時に物体の性質により吸収や散乱を受けて減衰す
る。透過光22cはハーフミラー15bにより反射さ
れ、参照光22aと合波し、入射画像光1となる。この
透過光は次式で表現できる。 Est(t,r)=Est(x,y)exp〔j2π(f−fb )t〕 +Σn n exp(j2πft) …(12) 式(12)の右辺第1項は透過像面の情報を有する電界
st(x,y)を保持した透過物体光を表し、第2項は
多重反射等に基づく背景雑音光を表す。
【0048】前記入射画像光1は光電面2において2光
束干渉を生じる。透過物体光と平行光束の参照光との干
渉で、光電面2にはヘテロダイン干渉画像が形成され
る。その結果生じる光電子流強度It (t,r)は次式
となる。 It (t,r)=Q|Ert(t)+Est(t,r)|2 =Q{Ert 2 +〔Est(x,y)〕2 +Σn |En 2 +Σn n rtcos〔2πfa t〕 +Ertst(x,y)cos〔2πfc t〕} …(13) 式(13)において、第2の等式の右辺第1項から第3
項までが背景雑音光も含むDC成分光電子流を表し、ま
た、第4項は、光パラレル2次元ロックインイメージイ
ンテンシファイア90においては時間応答しない高周波
成分でかつ多重散乱光による干渉のため平均化されDC
成分となる。第5項がヘテロダイン検波によるビート周
波数fc =|fa −fb |で振幅変調された観測したい
映像信号AC成分光電子流を現す。この光電子流3は、
前記実施例の光パラレル2次元ロックインイメージイン
テンシファイア90において説明したように周波数fc
でロックイン積分される。この周波数fc は周波数シフ
ター24aと24bからの信号を得て、その差周波発振
器17aより発生させ、ターミナル6より制御電圧発生
器5を経て、同期して前記交流印加電圧VaをT1時間
の間発生させる。
【0049】このロックイン動作によって、式(13)
の右辺第4項に比例した残余電荷がマイクロチャンネル
プレート7の前面7aに形成され、他の背景雑音光を含
むDC成分は消滅される。T1時間に読み出しゲートパ
ルスを印加すると同時にターミナル11よりこの電圧を
伝達してシャッター18を閉じ、透過物体光22cを遮
蔽し、参照光22aのみを光電面2に照射し、読み出し
光とする。
【0050】その結果、被測定物体の光透過映像〔Est
(x,y)〕2 が、背景雑音光やDC成分を除去した鮮
明な画像として蛍光面8にて観測される。その映像は、
光によるX線透視像に相当するものであるが、干渉画像
であることから、微細な干渉縞を背景に含んでいる。さ
らに、鮮明な透視像とするためには、その映像に対して
図6の実施例で説明した撮像管32と数値解析プロセッ
サー33aを用いて、平面波を想定したコンボリューシ
ョン積分で数値ホログラフィ再生を行えばよい。このこ
とは、図3及び図4に示した第1及び第2実施例で得ら
れた映像についても同様であり、平面波を想定したコン
ボリューション積分で数値ホログラフィ再生を行えば、
さらに鮮明な画像が得られることは明らかである。
【0051】図8は本発明の第6実施例を示すホログラ
フィ実時間光透視像を観測する2次元ロックイン画像増
幅観測装置の構成図である。図8に示すように、高コヒ
ーレンス光源12aに、例えば生体透過率の高い波長
1.3μmのレーザ発振器を配備し、出射光をビームス
プリッター15aにより2分割する。2分割した一方の
光束を周波数シフター24aに、例えば光音響素子を用
いて透過させ、周波数シフトfa を施し、ビームエクス
パンダー13aを用いて有効な直径の平行光束とし、折
り返し反射鏡21aで反射し参照光22aとする。この
時、参照光電界Ert(t,r)は次式で表現される。
【0052】 Erg(t)=Ergexp〔j2π(f−fa )t〕 …(14) ここで、Ergはビーム断面強度が一様な光の電界振幅を
表し、fa はシフト周波数を表す。式(14)では、2
光束が干渉する光電面2を原点にとり、伝搬距離の位相
項は除いてある。分割された他方の平行光束は、周波数
シフター24bに、例えば光音響素子を用いて透過さ
せ、周波数シフトfb を施し、ビームエクスパンダー1
3bを用いて有効な直径の平行光束とし折り返し反射鏡
21bで反射し、マルチレンズアレイ25により、発散
照射光群22bに変換して被測定物体23を照射する。
その発散照射光群22bは物体内部に透過する。その透
過光群はハーフミラー15bにより反射され参照光22
aと重畳して、入射画像光1となる。その発散参照光群
(発散照射光群)22bは球面波と近似できるので、マ
ルチレンズアレイ25による焦点位置より被測定物体2
3への座標をz軸とすると、一個のレンズからの照射光
による透過光は、次式で表現できる。
【0053】 Esg(t,r)=jk(2πz)-1sg(x,y,z) exp{j2π(f−fb )t−jk(x2 +y2 ) ×(2z)-1}+Σn n exp(j2πft) …(15) 式(15)の右辺第1項は像面の透過電界Esg(x,
y,z)を保持した球面透過光を表し、第2項は多重散
乱等に基づく背景雑音光を表す。
【0054】その透過光は、光電面2において前記参照
光22aと2光束干渉を生じる。球面反射の物体光と平
行光束の参照光との干渉で、光電面2にはインラインホ
ログラムが形成される。その結果生じる光電子流強度I
g (t,r)は次式となる。 Ig (t,r)=Q|Erg(t)+Esg(t,r)|2 =Q{Erg 2 +k2 (2πz)2 〔Esg(x,y,z)〕2 +Σn |En 2 +Σn n rgcos〔2πfa t〕 +k(2πz)-1rgsg(x,y,z) ×sin〔k(x2 +y2 )(2z)-1−2πfc t〕} …(16) 式(16)において、第2の等式の右辺第1項から第3
項までが背景雑音光も含むDC成分光電子流を表し、ま
た、第4項は、光パラレル2次元ロックインイメージイ
ンテンシファイア90においては時間応答しない高周波
成分でかつ多重散乱光による干渉のため平均化されDC
成分となる。第5項がヘテロダイン検波によるビート周
波数fc =|fa −fb |で振幅変調された観測したい
映像信号AC成分光電子流を表す。この光電子流3は、
前記実施例の光パラレルロックインイメージインテンシ
ファイア90において説明したように、この周波数fc
でロックイン積分される。この周波数fc は周波数シフ
ター24aと24bからの信号を得て、その差周波発振
器17aより発生させ、ターミナル6を経て制御電圧発
振器5より同期して前記交流印加電圧VaをT1時間の
間発生させる。
【0055】このロックイン動作によって、式(16)
の右辺第5項に比例した残余電荷がマイクロチャンネル
プレート7の前面7aに形成され、他の背景雑音光を含
むDC成分は消滅される。T1時間に読み出しゲートパ
ルスを印加すると同時にターミナル11よりこの電圧を
伝達してシャッター18を閉じ、発散照射光群22bを
遮蔽し、参照光22aのみを光電面2に照射し、読み出
し光とする。その結果、前記レンズ1個の位置に相当す
る部分に前記干渉像に準じたインラインホログラムの透
視映像が蛍光面8に観測される。
【0056】マルチレンズアレイ25の内、座標
(x0 ,y0 )にある1個のレンズによって、前記のイ
ンラインホログラムが形成され、蛍光面には各レンズの
座標毎に、次式で表される干渉蛍光像が観測される。 Iig(x,y)=GQ1 rg 2 +GQ2 [Erg 2 sg 2 (x0 ,y0 ,z) ×sin2 {k〔(x−x0 2 +(y−y0 2 〕 (2z)-1}]1/2 …(17) ここで、右辺括弧内第1項は、読み出し光の透過成分で
あり、Q1 、Q2 はマイクロチャンネルプレート7に入
射するまでのそれぞれの変換係数である。
【0057】式(17)で表現されるホログラム干渉像
は物体内部の反射点(x,y,z)の3次元情報、即
ち、物体のx−y平面透視像の情報のみならず、奥行き
z軸の情報も含まれている。この干渉像をコントラスト
良く観測するためには、ロックイン積分量を調節し、式
(17)の右辺第1項に対し、第2項の振幅を大きくす
ればよい。
【0058】マイクロレンズアレイ25は、例えば焦点
距離数cmの、直径およそ50μmないし、それ以下の
平板マイクロレンズを500×500程度平板状に配列
して構成する。これらのレンズの球面波による透過波と
平面波との干渉でヘテロダイン検波されるのは、球面波
の波面接線成分がほぼ平面波に整合している部分のみで
あるから、物体内部をほぼ直進し、透過してくる成分の
みを検出することができる。生体のような高散乱物質で
は多重散乱が生じ、背景雑音光が多く発生して観測した
い像面をマスクしてしまうが、上述の原理により、雑音
光に埋もれた透過断層像を抽出できる。従って、前記イ
ンラインホログラムは、この直進光成分を中心に干渉縞
が生じることで形成され、3次元画像情報を含むことに
なる。
【0059】次に、本実施例では該3次元画像情報を含
んだ蛍光面8のインラインホログラム映像から、被測定
物体の任意の奥行き面の透視断層像をズーミングによっ
て観測する手段を備えているが、動作原理は図5の説明
と同様なので省略する。図9は本発明の第7実施例を示
す数値ホログラフィ再生法による実時間光透視像の2次
元ロックイン画像増幅観測装置の構成図である。
【0060】図9において、蛍光面8に前記インライン
ホログラムを映像化するまでは、図8の場合と全く同じ
なのでその部分の説明は省略する。さらに、数値ホログ
ラフィ再生法も図6における第4実施例と全く同様なの
でその部分の説明は省略する。図10は本発明の第8実
施例を示す真空管より構成される2次元ロックインイメ
ージインテンシファイアの構成図であり、図10(a)
はその2次元ロックインイメージインテンシファイアの
全体的構成図、図10(b)は図10(a)のB部拡大
図である。図11はその2次元ロックインイメージイン
テンシファイアの入射光強度と光電面への印加電圧の説
明図である。なお、この実施例は、上記した第1実施例
の追加の実施例であり、第1実施例と同じ部分には同じ
符号を付してその説明は省略する。
【0061】まず、第1実施例と同じく、入射画像光1
を窓部90aより光電面2に照射し、光電子流3を発生
させる。この光電子流3を図10(b)に示すように、
マイクロチャンネルプレート7のマイクロチャンネル7
cの円筒内壁面7dに、光電子面2と微細なメッシュ構
造の電子捕捉格子面4との間の印加電圧により加速し衝
突させる。
【0062】マイクロチャンネル7cは、非常に細い、
例えば直径12μm程度のガラスパイプであり、多数本
束ねてマイクロチャンネルプレート7を構成する。入射
した光電子流3は、円筒面内壁7dに当たり初期2次電
子3aを放出する。さらに、その放出した初期2次電子
3aは格子面電極4と背面電極7bの間の電位勾配によ
って加速され、図10(b)に示すように繰り返し内壁
に衝突し、電子増倍を繰り返す。ガラスは高抵抗材料で
あるから、2次電子放出に伴って失われた電荷の対極す
る電荷分が残余対価電荷を生じ、2次電子放出のチャン
ネル内壁全表層に亘り一定時間滞留する。
【0063】ここで、円筒内壁面7dに亘る全2次電子
放出率は、2次電子の衝突回数をnとするとδn と表せ
る。具体的には、電子放出の全2次電子放出率δn
1.0以上、即ち電子リッチであれば、残余対価電荷は
正孔(ホール)となり、電子プアー(全2次電子放出率
δn <1)であれば、残余対価電荷は逆に電子リッチと
なって、それぞれ残余対価電荷を生じる。
【0064】この時、蛍光面8の電位を正電位にしてお
くと、各チャンネルから放出したチャンネル増倍2次電
子流3bはこの蛍光面8に捕捉される。前記残余対価電
荷は時間と共に消滅するが、ある一定の緩和時間の間は
帯電した電位を保って滞留する。例えば、ガラス絶縁材
料では、この滞留緩和時間は材質の選択によって数十m
sec以上に設定することができる。
【0065】全2次電子放出率δn は前記印加電圧によ
る加速電界で変化し、1前後の値を任意に設定できる。
放出した2次電子は−δn eの電荷を電子捕捉作用をす
る蛍光面8に与え、(δn −1)eの対価電荷をチャン
ネル内壁表層に残余させる。前記印加電圧を交流電圧と
し、例えば2次電子放出率δn の最大、最小値を、それ
ぞれ1.5、0.5とし、時間と共に変化させる。
【0066】その結果、入射光電子流がDC成分のみの
場合は、ほぼ等量の正負電荷がチャンネル内壁面に残余
し、一定時間の積分の結果相殺し、蓄積電荷は零とな
る。他方、入射光強度に比例して入射光電子流が、図1
1(a)に示すように、AC成分である場合に、前記全
2次電子放出率δn が0.5〜1.5となるように、図
10に示す各印加電圧V1 (t),V2 (t),V
3 (t)を、図11に示すように同期して所定の時間T
1の間印加する。例えば、この時、図11(b)に示す
ように、入射強度のAC成分の時間変化に対して、位相
を同期してV1 (t),V2 (t)を印加すると、AC
成分光電子流があるときは2次電子放出が多く生じる分
残余電荷+0.5eが生じ、半周期のAC成分光電子流
が無いときは2次電子放出は発生せず、残余電荷は中性
で、したがって正味の残余電荷はプラスで正孔リッチと
なる。
【0067】この入射光強度に対応した正電荷が積分時
間に比例してチャンネル内壁表層に蓄積される。その結
果、入射画像光の内、AC成分のみの強度に応じた蓄積
電荷分布像を、各チャンネルを1画素としてイメージイ
ンテンシファイアのイメージ断面に形成できる。そこ
で、前記蓄積電荷分布像を形成した一定時間T1後、入
射画像光を断ち、図11(a)に示すように、一定で一
様な強度分布の入射光を読み出し光として光電面2に入
射させる。同時に、図11(b),図11(c)に示す
ように、交流電圧も断ち、T1時間後にはV1 (t),
2 (t),V3 (t)には、それぞれ読み出しゲート
パルス電圧を印加する。これらの電圧は、制御電圧発生
器5より供給する。
【0068】前記した一様な強度分布の入射光による光
電面2よりの光電子流は、前記読み出しゲートパルス電
圧、前記電界で加速され、前記蓄積電荷分布を有するマ
イクロチャンネルプレート7に達する。マイクロチャン
ネルプレート7には、印加電圧V2 (t)が印加されて
電子加速を行うが、すでに正孔リッチのチャンネルから
は加速電圧が印加され難く2次電子放出が減少するの
で、増倍利得が得られず、他方電荷中性が保存されたチ
ャンネルでは通常に2次電子が発生し、103 〜104
の電子増倍が得られる。
【0069】その結果、プレートに入射した一様な断面
分布の光電子流は前記蓄積電荷分布を反映し、画像情報
が転写された2次元密度分布を持つ増倍2次電子流10
に変換させることになる。この2次元密度分布増倍2次
電子流10は、マイクロチャンネルプレート7の背面よ
り飛び出し、さらに図11に示す蛍光面加速電圧V
3(t)の読み出しゲートパルスで加速され、蛍光面8
に蛍光映像を形成する。
【0070】形成された蛍光映像は窓部90bより観測
でき、本原理により、入射画像光により発生した光電子
流のAC成分のみの画像となり、DC成分や同様の背景
雑音光成分は除去された、いわゆるロックインアンプ動
作による雑音除去信号に等しい全画素にわたる信号を、
2次面で並列に処理したものが得られることになる。前
記緩和時間の間に、図11に示す読み出し光とゲートパ
ルス電圧を印加し続ければ、映像は観測できるが、前記
緩和時間を過ぎれば映像は消滅する。
【0071】従って、時間T1とT2は適宜設定する必
要がある。上述したように、例えば、前記緩和時間を1
00msecとする場合は、AC成分交番周波数を10
0KHzとし、一定時間T1を70msecとすれば、
7000周期の積分と30msec間の映像読み出しが
可能となり、T2は100msecにとれる。この時、
1周期だけで観測される映像信号に対して、この積分で
蓄積される信号成分は、残余電荷が飽和するまで700
0倍だけ増幅されたことになる。この設定例では1秒当
たりにして10画面を観測でき、ビデオ信号レートの3
分の1であるが、準実時間観測を可能とすることにな
る。
【0072】なお、前記各実施例で示した各構成を本発
明の趣旨を違えることなく、適宜組み合わせを変化させ
ても、本発明に基づくことは明らかである。また、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣
旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の
範囲から排除するものではない。
【0073】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、入射画像光を2乗検波によって2次元空間変調され
た光電子流に変換する光電面と、その光電子流の2次元
放出による残余電荷蓄積と増倍2次電子発生機能とを兼
ねた背面電極付きマイクロチャンネルプレートと、この
増倍2次電子発生機能による増倍2次電子流を蛍光に変
換する蛍光面と、前記光電面と前記マイクロチャンネル
プレート間に後者の電極付着の無い前面に近接してその
放出2次電子の捕捉作用と前記マイクロチャンネルプレ
ートに電界を印加する作用を兼ねた電子捕捉格子面とを
具備した光パラレル2次元ロックインイメージインテン
シファイアを配備して、入射画像光が2光束干渉の2次
元画像光で前記光電面でヘテロダイン検波となる場合に
おいて、前記光電面より生じる光電子流の分布が、各画
素において直流成分光電子流とそのヘテロダイン検波に
基づく振幅変調を受けている映像信号交流成分光電子流
とから成るに際し、前記2次電子放出率を1前後で前記
振幅変調の周波数に同期して時間的に変化させるように
前記光電面と前記マイクロチャンネルプレートの背面電
極間に前記振幅変調周波数に等しい交流電圧を一定時間
印加する手段と、前記電子捕捉格子面に正電位を印加す
る手段と、前記マイクロチャンネルプレートの前面にお
ける直流成分光電子の励起による2次電子放出後のその
マイクロチャンネルプレートの前面に残余する電荷は正
負等量蓄積される結果、その一定の積分時間後にはその
電荷分布は正負で相殺され零となり、他方映像信号交流
成分光電子の励起に基づく残余する電荷は位相敏感同期
検出により正あるいは負いづれかの電荷をのみ蓄積させ
ることにより絶縁材料より成る前記マイクロチャンネル
プレートの前面に映像に準じた2次電荷密度分布を蓄積
帯電させる狭帯域フィルターの積分動作に準じた2次元
ロックイン動作のその一定の後、その2光束干渉画像入
射光を断ち、一様照度の読み出し光を前記光電面に入射
する手段と、同時に交流電圧も断ち、前記光電面と前記
マイクロチャンネルプレートの背面電極間に読み出しゲ
ートパルス電圧を印加する手段とにより、前記光電面よ
り加速された2次元一様分布の光電子流を、前記マイク
ロチャンネルプレートの前面に蓄積された、その2次元
ロックイン画像に準じた電荷密度分布の帯電電位により
選択的に遮蔽して、前記2次元ロックイン画像信号に準
じた2次元空間密度変調光電子流に変換し、前記マイク
ロチャンネルプレートで2次電子増倍することにより前
記振幅変調を受けている入射光電子流の2次元ロックイ
ン画像信号のみを増幅し、背景雑音光及び直流成分を除
去して観測できるようにしたことを特徴とする2次元ロ
ックイン画像増幅観測装置により、生体や各種光散乱物
体の奥行きに有る反射断層像や、透過像さらには、マイ
クロレンズアレイの併用により、広ダイナミックレンジ
でこれらの物体の内部3次元立体像の観測をも実時間に
て観測可能とするものである。
【0074】また、入射画像光を2乗検波によって2次
元空間変調された光電子流に変換する光電面と、その光
電子流の2次電子放出による残余電荷蓄積作用と増倍2
次電子発生機能とを兼ねたマイクロチャンネルプレート
と、このマイクロチャンネルプレートとに電圧を印加す
る手段と、前記増倍2次電子流を蛍光に変換する作用と
前記放出2次電子の捕捉作用をする電極を兼ねた蛍光面
とを具備した光パラレル2次元ロックインイメージイン
テンシファイアを配備して増倍画像を観測できるように
する。
【0075】このような観測手段により、X線CTにお
けるように360度方向からの光照射によることなく、
一方向からの光プローブの照射のみで、生体の断層像を
容易に観測できる手段を提供するものであり、非破壊的
に高分解能で物体内部の断層像や立体像を観測したい要
求は医療現場のみならず半導体産業、新素材産業などで
多大な需要があり、本発明はこれらの要求に十分に応え
得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す真空管より構成される2
次元ロックインイメージインテンシファイアの構成図で
ある。
【図2】図1に示す2次元ロックインイメージインテン
シファイアの入射光強度と光電面への印加電圧の説明図
である。
【図3】本発明の第1実施例を示す反射断層像を観測す
る2次元ロックイン画像増幅観測装置の構成図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す光ファイバスコープ
付き2次元ロックイン画像増幅観測装置の構成図であ
る。
【図5】本発明の第3実施例を示すホログラフィ実時間
反射像再生を行う2次元ロックイン画像増幅観測装置の
構成図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す数値ホログラフィ反
射再生法による2次元ロックイン画像増幅観測装置の構
成図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す光透視像を観測する
2次元ロックイン画像増幅観測装置の構成図である。
【図8】本発明の第6実施例を示すホログラフィ実時間
光透視像を観測する2次元ロックイン画像増幅観測装置
の構成図である。
【図9】本発明の第7実施例を示す数値ホログラフィ再
生法による実時間光透視像の2次元ロックイン画像増幅
観測装置の構成図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す真空管より構成さ
れる2次元ロックインイメージインテンシファイアの構
成図である。
【図11】図10に示す2次元ロックインイメージイン
テンシファイアの入射光強度と光電面への印加電圧の説
明図である。
【符号の説明】
1 入射画像光 2 光電面 3 光電子流 3a 初期2次電子 3b チャンネル増倍2次電子流 4 電子捕捉格子面 5 制御電圧発振器 6,11 ターミナル 7 マイクロチャンネルプレート 7a 2次電子放出面(前面) 7b 背面電極 7c マイクロチャンネル 7d マイクロチャンネルの円筒面内壁 8 蛍光面 10 増倍2次電子流 12 低コヒーレント光源 12a コヒーレンス長の充分長い高コヒーレンス光
源 12b 高コヒーレントなレーザー光源 13,13a,13b ビームエクスパンダー 14,23 被測定物体 14a ステージ 15,15a ビームスプリッター 15b ハーフミラー 16,21a,21b 反射鏡 16a トランスデューサー 17 発振器 17a 差周波発振器 18 シャッター 18a 駆動回路 19a,19b,19c,19d,27,30a レ
ンズ 20a 平行光束 20b,22a 参照光 20c 反射物体光 22b 発散照射光群(発散参照光群) 22c 透過物体光 24a,24b 周波数シフター 25 マルチレンズアレイ 26 映像 28 空間光変調素子 29 偏光ビームスプリッター 30 光ファイバスコープ 30c 光ファイバスコープの端面 30b 光ファイバスコープの他端の端面 31a 平行光束 31b 再生光 32 撮像管 33 画像処理装置 33a 数値解析プロセッサー 34 表示装置 90 2次元ロックインイメージインテンシファイア 90a,90b 窓部 100 2次元ロックインイメージインテンシファイ
ア装置

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射画像光を2乗検波によって2次元空
    間変調された光電子流に変換する光電面と、前記光電子
    流の2次電子放出による残余電荷蓄積作用と増倍2次電
    子発生機能とを兼ねたマイクロチャンネルプレートと、
    該マイクロチャンネルプレートとに電圧を印加する手段
    と、前記放出2次電子の捕捉作用をする電極と、前記増
    倍2次電子発生機能による増倍2次電子流を蛍光に変換
    する作用の蛍光面とを具備した光パラレル2次元ロック
    インイメージインテンシファイアを配備して増倍画像を
    観測できるようにしたことを特徴とする2次元ロックイ
    ン画像増幅観測装置。
  2. 【請求項2】 入射画像光を2乗検波によって2次元空
    間変調された光電子流に変換する光電面と、該光電子流
    の2次元電子放出による残余電荷蓄積と増倍2次電子発
    生機能とを兼ねた背面電極付きマイクロチャンネルプレ
    ートと、該増倍2次電子発生機能による増倍2次電子流
    を蛍光に変換する蛍光面と、前記光電面と前記マイクロ
    チャンネルプレート間に後者の電極付着の無い前面に近
    接して前記放出2次電子捕捉作用と前記マイクロチャン
    ネルプレートに電界を印加する作用を兼ねた電子捕捉格
    子面とを具備した光パラレル2次元ロックインイメージ
    インテンシファイアを配備して増倍画像を観測できるよ
    うにしたことを特徴とする2次元ロックイン画像増幅観
    測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の2次元ロックイン
    画像増幅観測装置において、前記光パラレル2次元ロッ
    クインイメージインテンシファイアを配備して入射画像
    光が2光束干渉の2次元画像光で前記光電面でヘテロダ
    イン検波となる場合において、前記光電面より生じる光
    電子流の分布が、各画素において直流成分光電子流と該
    ヘテロダイン検波に基づく振幅変調を受けている映像信
    号交流成分光電子流とから成るに際し、前記2次電子放
    出率を1前後で前記振幅変調の周波数に同期して時間的
    に変化させるように、前記光電面と前記マイクロチャン
    ネルプレートの背面電極間に前記振幅変調周波数に等し
    い交流電圧を一定時間印加する手段と、前記電子捕捉格
    子面に正電位を印加する手段と、前記マイクロチャンネ
    ルプレートの前面における直流成分光電子の励起による
    2次電子放出後の前記マイクロチャンネルプレートの前
    面に残余する電荷は正負等量蓄積される結果、該一定の
    積分時間後には該電荷分布は正負で相殺され零となり、
    他方映像信号交流成分光電子の励起に基づく残余する電
    荷は位相敏感同期検出により正或いは負いづれかの電荷
    をのみ蓄積させることにより絶縁材料より成る前記マイ
    クロチャンネルプレートの前面に映像に準じた2次元電
    荷密度分布を蓄積帯電させる狭帯域フィルターの積分動
    作に準じた2次元ロックイン動作の該一定時間の後、該
    2光束干渉画像入射光を断ち、一様照度の読み出し光を
    前記光電面に入射する手段と、同時に前記交流電圧も断
    ち、前記光電面と前記マイクロチャンネルプレートの背
    面電極間に読み出しゲートパルス電圧を印加する手段と
    により、前記光電面より加速された2次元一様分布の光
    電子流を前記マイクロチャンネルプレートの前面に蓄積
    された該2次元ロックイン画像に準じた電荷密度分布の
    帯電電位により選択的に遮蔽して、前記2次元ロックイ
    ン画像信号に準じた2次元空間密度変調光電子流に変換
    し、前記マイクロチャンネルプレートで2次電子増倍す
    ることにより前記振幅変調を受けている入射光電子流の
    2次元ロックイン画像信号のみを増幅し、背景雑音光お
    よび直流成分を除去して観測できるようにしたことを特
    徴とする2次元ロックイン画像増幅観測装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の2次元ロック
    イン画像増幅観測装置において、前記2光束干渉の2次
    元画像入射光を構成するにおいて、低コヒーレント光源
    よりの光束をレンズ系を用いて略平行光束にし、該平行
    光束を2分割する手段と、分割した一方の光束に位相シ
    フトを施し参照光として反射する手段と、他方の光束を
    被測定物体に照射し、前記参照光との光路差が前記低コ
    ヒーレント長以内の被測定物体の深部断層反射面からの
    物体光と前記参照光とを合波重畳して2光束干渉画像を
    形成して入射光を構成する手段と、前記干渉画像を前記
    光電面に入射し、前記位相シフト量に基づく振幅変調を
    受けている深部断層反射面の映像信号交流成分光電子流
    を発生させ、該振幅変調周波数の交流電圧を前記光電面
    と前記マイクロチャンネルプレートの背面電極間に一定
    時間印加する手段と、前記物体反射光を遮蔽し、前記参
    照光のみを入射光とする手段とを具備し、前記深部断層
    反射面のみの2次元ロックイン画像を増幅して背景雑音
    光及び直流成分を除去して観測できるようにしたことを
    特徴とする2次元ロックイン画像増幅装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の2次元ロックイン画像増
    幅観測装置において、前記参照光光路長を、一枚の深部
    断層反射像を得る毎に奥行き方向に変化させる手段を具
    備したことを特徴とする2次元ロックイン画像増幅観測
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項3、4又は5記載の2次元ロック
    イン画像増幅観測装置において、平行光束の光路中にレ
    ンズを具備し、前記物体光光路の光中に物体反射面のレ
    ンズフーリエ変換用レンズを具備し、さらに前記光電面
    前にレンズフーリエ逆変換用レンズを具備し、前記光電
    面に前記深部反射像を結像し、前記参照光光路中にレン
    ズを具備し、前記レンズフーリエ逆変換用レンズとの作
    用により前記光電面に略平行光束の参照光を照射せし
    め、前記深部反射像とで2光束干渉画像の入射光を構成
    することを特徴とする2次元ロックイン画像増幅観測装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項4、5又は6記載の2次元ロック
    イン画像増幅観測装置において、前記物体光までの光路
    の一部分を光ファイバスコープとすることを特徴とする
    2次元ロックイン画像増幅観測装置。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の2次元ロックイン画像増
    幅観測装置において、2光束干渉画像入射光を構成する
    において、高コヒーレント光源よりの光束を2分割する
    手段と、分割した一方の光束に周波数シフトを施し、レ
    ンズ系を用いて略平行光束にし参照光として反射する手
    段と、他方の光束に前記と異なる周波数シフトを施しレ
    ンズ系を用いて略平行光束にし、マルチレンズアレイを
    通して多重発散光群とする手段と、該発散光群を被測定
    物体に照射し物体深部からの反射物体光と前記参照光と
    を合波重畳して多重インラインホログラムの2光束干渉
    画像を形成する手段とにより入射光を構成し、前記周波
    数シフトの差周波に等しいヘテロダインビート周波数で
    変化する交流電圧を前記光電面と前記マイクロチャンネ
    ルプレートの背面電極間に一定時間印加する手段と、さ
    らに前記一定時間の後、前記反射物体光を遮蔽し参照光
    のみを一様入射光とする手段とを具備し、2次元ロック
    インイメージインテンシファイアの動作によって該多重
    インラインホログラムの干渉縞のみの2次元ロックイン
    画像を増幅して観測できるようにしたことを特徴とする
    2次元ロックイン画像増幅観測装置。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の2次元ロックイン画像増
    幅観測装置において、2光束干渉画像入射光を構成する
    において、高コヒーレント光源よりの光束を2分割する
    手段と、分割した一方の光束に周波数シフトを施しレン
    ズ系を用いて略平行光束にし参照光として反射する手段
    と、他方の光束に前記と異なる周波数シフトを施しレン
    ズ系を用いて略平行光束にし、被測定物体に透過せしめ
    該透過物体光と前記参照光とを合波重畳して2光束干渉
    画像を形成する手段とにより入射光を構成し、前記周波
    数シフトの差周波に等しいヘテロダインビート周波数で
    変化する交流電圧を前記光電面と前記マイクロチャンネ
    ルプレートの背面電極間に一定時間印加する手段と、さ
    らに前記一定時間の後、前記透過物体光を遮蔽し参照光
    のみを一様入射光とする手段とを具備し、2次元ロック
    インイメージインテンシファイアの動作によって、背景
    雑音光及び直流成分を除去した透過物体光の透視像の2
    次元ロックイン画像を増幅して観測できるようにしたこ
    とを特徴とする2次元ロックイン画像増幅観測装置。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の2次元ロックイン画像
    増幅観測装置において、2光束干渉画像入射光を構成す
    るにおいて、高コヒーレント光源よりの光束を2分割す
    る手段と、分割した一方の光束に周波数シフトを施しレ
    ンズ系を用いて略平行光束にし参照光として反射する手
    段と、他方の光束に前記と異なる周波数シフトを施しレ
    ンズ系を用いて略平行光束にし、マルチレンズアレイを
    通して多重発散光群とする手段と、該発散光群を被測定
    物体に透過せしめ、該透過物体光と前記参照光とを合波
    重畳して多重インラインホログラムの干渉入射画像光を
    形成する手段とにより入射光を構成し、前記周波数シフ
    トの差周波に等しいヘテロダインビート周波数で変化す
    る交流電圧を前記光電面と前記マイクロチャンネルプレ
    ートの背面電極間に一定時間印加する手段と、さらに前
    記一定時間の後、前記透過物体を遮蔽し参照光のみを一
    様入射光とする手段とを具備し、2次元ロックインイメ
    ージインテンシファイアの動作によって、該多重インラ
    インホログラムの干渉縞のみの2次元ロックイン画像を
    増幅して観測できるようにしたことを特徴とする2次元
    ロックイン画像増幅観測装置。
  11. 【請求項11】 請求項8又は10記載の2次元ロック
    イン画像増幅観測装置において、蛍光面の前記干渉縞映
    像をインコヒーレント・コヒーレント画像変換素子に入
    力せしめるレンズと、該画像変換素子よりコヒーレント
    画像を読み出し多重インラインホログラフィを再生する
    高コヒーレント光源とを具備し、さらに撮像焦点位置に
    て前記物体深部の任意の断面の映像を背景雑音光及び直
    流成分を除去して観測できるようにズームレンズを装備
    した撮像装置とを具備したことを特徴とする2次元ロッ
    クイン画像増幅観測装置。
  12. 【請求項12】 請求項8又は10記載の2次元ロック
    イン画像増幅観測装置において、前記蛍光面の前記干渉
    縞映像を撮像する手段と、多重インラインホログラムで
    ある該撮像画面を計算機に入力し数値計算によりホログ
    ラムの再生をする手段と、該再生像をディスプレイする
    手段とを具備したことを特徴とする2次元ロックイン画
    像増幅観測装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の2次元ロックイン画像
    増幅観測装置において、前記増倍2次電子発生機能によ
    る増倍2次電子流を蛍光に変換する作用の蛍光面を前記
    放出2次電子の捕捉作用をする電極として兼用する光パ
    ラレル2次元ロックインイメージインテンシファイアを
    配備して増倍画像を観測できるようにしたことを特徴と
    する2次元ロックイン画像増幅観測装置。
  14. 【請求項14】 請求項1又は13記載の2次元ロック
    イン画像増幅観測装置において、前記光パラレル2次元
    ロックインイメージインテンシファイアを配備して入射
    画像光が2光束干渉の2次元画像光により前記光電面で
    ヘテロダイン検波となる場合において、前記光電面より
    生じる光電子流の分布が、各画素において直流成分光電
    子流と該ヘテロダイン検波に基づく振幅変調をうけてい
    る映像信号交流成分光電子流とからなるに際し、前記2
    次電子放出率を1前後で前記振幅変調の周波数に同期し
    て時間的に変化させるように、前記マイクロチャンネル
    プレートの前面電極をアース電位とする場合において
    は、前記光電面と前記マイクロチャンネルプレートの後
    面電極とに前記振幅変調周波数に等しい交流電圧を一定
    時間印加する手段と、前記放出2次電子の捕捉作用に蛍
    光面に正電位を印加する手段と、前記マイクロチャンネ
    ルプレートの各チャンネル内壁全面における直流成分光
    電子の励起による全2次電子放出後の前記各チャンネル
    の内壁層に残余する電荷は正負等量蓄積される結果、該
    一定の積分時間後には該電荷分布は正負で相殺され零と
    なり、他方映像信号交流成分光電子の励起に基づいて残
    余する電荷は位相敏感同期検出により正或いは負いずれ
    かの電荷を各チャンネルに蓄積させることにより高抵抗
    材料より成る前記マイクロチャンネルプレートの断面に
    映像に準じた2次元電荷密度分布を蓄積帯電させる狭帯
    域フィルターの積分動作に準じた2次元ロックイン動作
    の該一定時間の後、該2光束干渉画像入射光を断ち、一
    様照度の読出し光を前記光電面に入射する手段と、同時
    に前記交流電圧も断ち、前記光電面と前記マイクロチャ
    ンネルプレートの後面電極と該蛍光面とに読出しゲート
    パルス電圧を印加する手段とにより、前記光電面より加
    速された2次元一様分布の光電子流を、前記各マイクロ
    チャンネルの内壁面に蓄積された残余電荷により選択的
    に2次電子増倍を増減して、前記2次元ロックイン画像
    信号に準じた2次元空間密度変調光電子流に変換し、前
    記2次元画像光の光電子流の交流成分画像信号のみを増
    幅し、背景雑音光および直流成分を除去して蛍光面にて
    観測できるようにしたことを特徴とする2次元ロックイ
    ン画像増幅観測装置。
  15. 【請求項15】 請求項1、13又は14記載の2次元
    ロックイン画像増幅観測装置において、前記2光束干渉
    の2次元画像入射光を構成するにおいて、低コヒーレン
    ト光源よりの光束をレンズ系を用いて略平行光束にし、
    該平行光束を2分割する手段と、分割した一方の光束に
    位相シフトを施し参照光として反射する手段と、他方の
    光束を被測定物体に照射し、前記参照光との光路差が前
    記低コヒーレント長以内の被測定物体の深部鉛直断層反
    射面からの物体光と前記参照光とを合波重畳して2光束
    干渉画像を形成して入射光を構成する手段と、前記干渉
    画像を前記光電面に入射し、前記位相シフト量に基づく
    振幅変調を受けている深部断層反射面の映像信号交流成
    分光電子流を発生させ、前記マイクロチャンネルプレー
    トの前面電極をアース電位とする場合においては、該振
    幅変調周波数の交流電圧を前記光電面と前記マイクロチ
    ャンネルプレートの後面電極とに一定時間印加する手段
    と、前記物体反射光を遮蔽し、前記参照光のみを入射光
    とする手段とを具備し、前記深部鉛直断層反射面のみの
    2次元ロックイン画像を増幅して背景雑音光及び直流成
    分を除去して光線軸に対しての横断面すなわち鉛直断層
    像を観測できるようにしたことを特徴とする2次元ロッ
    クイン画像増幅装置。
  16. 【請求項16】 請求項14又は15記載の2次元ロッ
    クイン画像増幅観測装置において、前記参照光光路長
    を、一枚の深部鉛直断層像を得る毎に奥行き方向に変化
    させる手段と、前記各鉛直断層像を得て3次元立体像を
    構成する手段を具備したことを特徴とする2次元ロック
    イン画像増幅観測装置。
  17. 【請求項17】 請求項14、15又は16記載の2次
    元ロックイン画像増幅観測装置において、前記平行光束
    の光路中にレンズを具備し、前記物体光光路の光中に物
    体反射面のレンズフーリエ変換用レンズを具備し、さら
    に、前記光電面前にレンズフーリエ逆変換用レンズを具
    備し、前記光電面に前記深部鉛直反射像を結像し、前記
    参照光光路中にレンズを具備し、前記レンズフーリエ逆
    変換用レンズとの作用により前記光電面に略平行光束の
    参照光を照射せしめ、前記深部鉛直反射像とで2光束干
    渉画像の入射光を構成することを特徴とする2次元ロッ
    クイン画像増幅観測装置。
  18. 【請求項18】 請求項14、15、16又は17記載
    の2次元ロックイン画像増幅観測装置において、前記物
    体光までの光路の一部分を光ファイバスコープとするこ
    とを特徴とする2次元ロックイン画像増幅観測装置。
  19. 【請求項19】 請求項14記載の2次元ロックイン画
    像増幅観測装置において、前記2光束干渉画像の入射光
    を構成するにおいて、高コヒーレント光源よりの光束を
    2分割する手段と、分割した一方の光束に周波数シフト
    を施し、レンズ系を用いて略平行光束にし参照光として
    反射する手段と、他方の光束に前記と異なる周波数シフ
    トを施しレンズ系を用いて略平行光束にし、マルチレン
    ズアレイを通して多重発散光群とする手段と、該発散光
    群を被測定物体に照射し物体深部からの反射物体光と前
    記参照光とを合波重畳して多重インラインホログラムの
    2光束干渉画像を形成する手段とにより入射光を構成
    し、前記マイクロチャンネルプレートの前面電極をアー
    ス電位とする場合においては、前記周波数シフトの差周
    波に等しいヘテロダインビート周波数で変化する交流電
    圧を前記光電面と前記マイクロチャンネルプレートの後
    面電極とに一定時間印加する手段と、さらに前記一定時
    間の後、前記反射物体光を遮蔽し参照光のみを一様入射
    光とする手段とを具備し、前記2次元ロックインイメー
    ジインテンシファイアの動作によって該多重インライン
    ホログラムの干渉縞のみの2次元ロックイン画像を増幅
    して観測できるようにしたことを特徴とする2次元ロッ
    クイン画像増幅観測装置。
  20. 【請求項20】 請求項14記載の2次元ロックイン画
    像増幅観測装置において、前記2光束干渉画像入射光を
    構成するにおいて、高コヒーレント光源よりの光束を2
    分割する手段と、分割した一方の光束に周波数シフトを
    施しレンズ系を用いて略平行光束にし参照光として反射
    する手段と、他方の光束に前記と異なる周波数シフトを
    施しレンズ系を用いて略平行光束にし、被測定物体に透
    過せしめ該透過物体光と前記参照光とを合波重畳して2
    光束干渉画像を形成する手段とにより入射光を構成し、
    前記周波数シフトの差周波に等しいヘテロダインビート
    周波数で変化する交流電圧を、前記マイクロチャンネル
    プレートの前面電極をアース電位とする場合において
    は、前記光電面と前記マイクロチャンネルプレートの後
    面電極とに一定時間印加する手段と、さらに前記一定時
    間の後、前記透過物体光を遮蔽し参照光のみを一様入射
    とする手段とを具備し、前記2次元ロックインイメージ
    インテンシファイアの動作によって、背景雑音光及び直
    流成分を除去した透過物体光の透視像の2次元ロックイ
    ン画像を増幅して観測できるようにしたことを特徴とす
    る2次元ロックイン画像増幅観測装置。
  21. 【請求項21】 請求項14記載の2次元ロックイン画
    像増幅観測装置において、前記2光束干渉画像入射光を
    構成するにおいて、高コヒーレント光源よりの光束を2
    分割する手段と、分割した一方の光束に周波数シフトを
    施しレンズ系を用いて略平行光束にし参照光として反射
    する手段と、他方の光束に前記と異なる周波数シフトを
    施しレンズ系を用いて略平行光束にし、マルチレンズア
    レイを通して多重発散光群とする手段と、該多重発散光
    群を被測定物体に透過せしめ、該透過物体光と前記参照
    光とを合波重畳して多重インラインホログラムの干渉入
    射画像光を形成する手段とにより入射光を構成し、前記
    周波数シフトの差周波に等しいヘテロダインビート周波
    数で変化する交流電圧を、前記マイクロチャンネルプレ
    ートの前面電極をアース電位とする場合においては、前
    記光電面と前記マイクロチャンネルプレートの後面電極
    とに一定時間印加する手段と、さらに前記一定時間の
    後、前記透過物体を遮蔽し参照光のみを一様入射光とす
    る手段とを具備し、前記2次元ロックインイメージイン
    テンシファイアの動作によって、該多重インラインホロ
    グラムの干渉縞のみの2次元ロックイン画像を増幅して
    観測できるようにしたことを特徴とする2次元ロックイ
    ン画像増幅観測装置。
  22. 【請求項22】 請求項19又は21記載の2次元ロッ
    クイン画像増幅観測装置において、前記蛍光面の前記干
    渉縞映像をインコヒーレント・コヒーレント画像変換素
    子に入力せしめるレンズと、該画像変換素子よりコヒー
    レント画像を読み出し多重インラインホログラフィを再
    生する高コヒーレント光源とを具備し、さらに撮像焦点
    位置にて前記物体深部の任意の断面の映像を背景雑音光
    及び直流成分を除去して観測できるようにズームレンズ
    を具備した撮像装置とを具備したことを特徴とする2次
    元ロックイン画像増幅観測装置。
  23. 【請求項23】 請求項19又は21記載の2次元ロッ
    クイン画像増幅観測装置において、前記蛍光面の前記干
    渉縞映像を撮像する手段と、多重インラインホログラム
    である該撮像画面を計算機に入力し、数値計算によりホ
    ログラムの再生をする手段と、該再生像をディスプレイ
    する手段とを具備したことを特徴とする2次元ロックイ
    ン画像増幅観測装置。
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