JP3690888B2 - 光情報処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光波コヒーレンス関数の合成により、三次元物体の任意の奥行きに在る部分の断面画像情報を抽出することができる光情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、三次元物体の形状等を特徴抽出するためにホログラフィー技術が利用され、文献「第15回光波センシング技術研究会講演論文集、1995年5月、75−82頁、“光波コヒーレンス関数の合成によるフォトニックセンシング”」に開示されたものが知られている。
【0003】
図8は、この文献に開示されたシステムの構成を示す。半導体レーザ2から出射されるレーザ光をレンズ系で適当な径の平行ビーム光に広げ、このビーム光をハーフミラー4で分岐し、分岐された一方のビーム光は反射ミラー6,8で反射して検出器10に入力し、他方のビーム光はハーフミラー12を通って被測定物体14に照射している。ここで、半導体レーザ2に供給する駆動電流i(t)の電流振幅を時間的に変化させることにより、波長(周波数)fが時間的に変化するレーザ光を出射させることにより、光波コヒーレンス関数を制御している。
【0004】
このようなレーザ光を利用すると、検出器10上において、前記一方のビーム光(反射ミラー6からの参照光)と被測定物体14で反射した反射光が光波コヒーレンス関数で決まる光路長Z0についてのみ干渉する。この干渉像の成分をホログラフィを用いて記録し、更にホログラフィに他のレーザ光源16からの読取用レーザ光を照射することにより被測定物体14の前記光路長Z0に該当する部分の断面像の特徴情報をスクリーン18に投影させ、可視化している。
【0005】
また、半導体レーザ2へ供給する前記駆動電流i(t)の電流振幅を変更して光波コヒーレント関数を変化させることにより、別の光路長Ziに対応する部分の断面像を特徴抽出し、被測定物体14の奥行き方向の断面像を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなホログラフィックな系では、前記検出器上に干渉像を形成させるためには、被測定物体からの反射光に対して前記参照光を斜め方向から入射させる必要がある。このように入射角度を設定すると、被測定物体の奥行き方向についての空間分解能(解像度)が制限されるという課題があった。即ち、反射光と参照光の夫々の入射角度をθ1,θ2とし、夫々の光のビーム径をDとすれば、光路長の空間分解能は、ΔZ=D|sinθ1−sinθ2|となり、これ以上の空間分解能で被測定物体の特徴抽出を行うことができなかった。
【0007】
また、同図に示す従来のシステムでは、被測定物体の特徴抽出をリアルタイムで処理することが困難であるという問題があった。
【0008】
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、被測定物体の奥行き方向の空間分解能を向上させると共に、リアルタイムでその特徴抽出処理を行うことができる光情報処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は、供給される駆動電流の電流振幅に応じて時間的に波長が変化するレーザ光を出射する半導体レーザと、前記レーザ光を分岐し、一方の分岐光を全反射ミラーと位相変調器を有する光路へ、他方の分岐光を被測定物体へ照射させるビームスプリッタと、前記位相変調器にて位相変調される分岐光と被測定物体からの反射光との干渉により生じる干渉光像を露光するロックインアンプ機能を有する手段とを備え、前記駆動電流の電流振幅を変更することにより波長変化特性の異なるレーザ光を出射させることにより、被測定物体の奥行き方向の任意部分の断面画像の干渉光像を発生させる構成とした。
【0010】
【実施の形態】
光情報処理装置の一実施の形態を図面と共に説明する。図1はこの光情報処理装置の全体構成を示すブロック図である。同図において、コンピュータシステムから成る中央制御部20が備えられ、予め決められたアルゴリズムに基づいて作成されたプログラムを実行することにより、本装置の動作を制御している。
【0011】
駆動電流発生回路22は、図2(a)及び図3(a)(b)に示す如く、中央制御部20で指定された波形パラメータに基づいて時間的に電流振幅が変化する駆動電流i(t)を半導体レーザ24に供給することにより、その駆動電流i(t)の電流振幅に応じて時間的に波長(周波数)f(t)が変化するレーザ光を出射させる。即ち、中央制御部20には、予め様々な波形パラメータのデータが格納されており、その内の一つの波形パラメータを駆動電流発生回路22に入力すると、駆動電流発生回路22はその波形パラメータに基づいて時間的に電流振幅の変化する特定波形の駆動電流i(t)を出力し、半導体レーザ24はその駆動電流i(t)の電流値に応じた波長f(t)のレーザ光を出射する。
【0012】
半導体レーザ24のレーザ光出射端には、出射されたレーザ光の戻りを阻止するための光アイソレータ26を介して拡大レンズ系28が設けられ、レーザ光を所定ビーム径の平行光に拡大してビームスプリッタ30に照射する。
【0013】
ビームスプリッタ30は前記平行光を分岐し、分岐された一方の平行光(以下、第1のビーム光という)が位相変調器32を通して全反射ミラー34に入射し、分岐された他方の平行光(以下、第2のビーム光という)が被測定物体36に照射する。更に、全反射ミラー34で反射される第1のビーム光が再び位相変調器32を通ってビームスプリッタ30に戻り、被測定物体36で反射された第2のビーム光(即ち、反射光)もハーフミラー30に戻り、これらの戻ってきたビーム光と反射光が干渉することによって、ハーフミラー30上に干渉光像が生じる構成となっている。即ち、全反射ミラー34と被測定物体36により所謂マイケルソン干渉計と同等の構成が実現されている。
【0014】
ここで、図3(b)に示す波形で、半導体レーザーの周波数が変調されることにより、図2(b)に示すように、突起の光路長Z0,2Z0,3Z0,…… からの反射光のみが、第1のビーム光と干渉し、他の光路長の反射光は、第1のビーム光と干渉できない。被測定物体36の奥行きの中に、図2(b)中の一つのコヒーレンス関数のピーク(例えば、光路長Z0のピーク)のみが存在するようにすれば、被測定物体36中の光路長Z0に対応した一つの断面情報のみが干渉光像を形成するようになる。
【0015】
位相変調器32は、駆動回路38より供給される駆動電圧VPHの2値レベルに従って、0°と180°に位相シフトし、前記第1のビーム光を0°と180°に位相変調する。尚、中央制御部20から出力される切換データDSWをD/A変換器40で2値のアナログ信号SPHに変換し、このアナログ信号SPHを駆動回路38が電力増幅することにより、夫々所定電圧に決められた状態“H”と状態“L”の駆動電圧VPHを形成している。
【0016】
より具体的には、図3(c)に示す如く、レーザ光の周期τよりも長い周期(例えば、1/10秒)Tにおいて、前半T/2期間で状態“H”に相当する所定電圧VPH(π)にすると共に、後半T/2期間で状態“L”に相当す所定電圧VPH(0)にして、周期Tの波形を複数回連続的に繰り返している。
【0017】
第1のビーム光と被測定物体36からの反射光のうち、光路長Z0の反射光のみが干渉するが、上記の電圧制御を行なうことにより、電圧VPH(π)を印加する期間では、位相変調器32で180°位相変調された第1のビーム光と、上記反射光が同じ位相で干渉して最も明るい状態を示す。これに対して、電圧VPH(0)を印加する期間では、位相変調器32で0°の位相変調された第1のビーム光と、上記の反射光が干渉することとなり、最も暗い状態を示す。
【0018】
このように、位相変調器32にて第1のビーム光を位相変調すると、光路長Z0の反射光のみが第1のビーム光との干渉により、明と暗の状態を周期Tで交互に示すのに対し、その他の光路長の反射光は、第1のビーム光と干渉しないので、単なる背景光像となり、位相変調器に同期した変化は示さず、一定のままとなる。したがって、周期Tで明と暗を交互に示す交流成分の振幅を直流的な明るさに変換し、明るさが一定の背景光は除去することができれば、光路長Z0からの反射光像を選択的に取得することができる。この処理を行なうのが、次に述べる二次元ロックインアンプである。
【0019】
ビームスプリッタ30に生じた光像は、結像レンズ42によって二次元ロックインアンプ44の受光面に結像される。この実施の形態では、二次元ロックインアンプ44として空間光変調管(MSLM)が用いられ、電圧制御回路46より出力される2値の書込み制御電圧Vbをこの空間光変調管44の位相変調部(後述する)に印加することにより、光像をその電荷分布に変換することにより、露光を実現している。尚、中央制御部20から出力される切換データSSWをD/A変換器40で2値のアナログ信号Sbに変換し、電圧制御回路46がこのアナログ信号Sbを電力増幅及び昇圧することにより、夫々所定電圧に決められた状態“H”と状態“L”の書込み制御電圧Vbを形成している。
【0020】
空間光変調管44には、後述する誘電体ミラーに形成される電荷分布を光学的に読出すことにより、光像を得るための光学読出部が設けられている。即ち、この光学読出部は、中央制御部20からの指令信号SRDに従って所定波長のレーザ光を出射するレーザ発生装置48と、このレーザ光を所定ビーム径の平行光に拡大する拡大レンズ系50と、この平行光を偏光するポラライザー素子52と、この偏光された平行光(以下、読取り光という)を空間光変調管44の位相変調部に照射すると共にこの位相変調部より戻ってくる戻り光像をアナライザー素子56へ入射させるハーフミラー54、及びアナライザー素子56を通過した戻り光像を二次元撮像することにより被測定物体36の前記干渉光像を得るビデオカメラ58にて構成され、ビデオカメラ58で得られた干渉光像の画像信号SVDOは中央制御部20のフレームメモリへ転送される。
【0021】
空間光変調管44は、図4に示す如く、光電面60、グリッド電極62、アノード電極64、マイクロチャンネルプレート66、メッシュ電極68及び位相変調部70が直列に配列されて真空管内に密封された構造を有している。更に、位相変調部70は、図5(a)に示す如く、結晶に対して55°のカット面を有するLiNbO3 から成る電気光学結晶72を有し、電気光学結晶72のメッシュ電極68側の表面には誘電体ミラー74が積層され、その電気光学結晶72の背面には透明電極76が積層されている。そして、この空間光変調管44の前記各構成要素が所定電位に設定されている。
【0022】
この空間光変調管44は、光電面60に結像レンズ42からの二次元光像が入射すると、光電面60の外部光電効果により二次元光電子像を放出し、この二次元光電子像をグリッド電極62及びアノード電極64によって加速・収束してマイクロチャンネルプレート66の入力面に結像させ、マイクロチャンネルプレート66で電子増倍して、メッシュ電極68を介して誘電体ミラー74に到達させ、更に、メッシュ電極68の印加電圧Vcと透明電極76の書込み制御電圧Vbで設定された二次電子放出特性により、誘電体ミラー74の表面に二次元光電子像の入射エネルギー分布に対応した電荷分布を帯電させるという特性を有している。
【0023】
本実施の形態では、メッシュ電極68の印加電圧Vcと電気光学結晶72の背面に設けられた透明電極76の書込み制御電圧Vbを次のように制御することによって、誘電体ミラー74に前記電荷分布を帯電させると共にこの電荷分布を積算して強調させる書き込みモードと、帯電した電荷分布を消去する消去モードとを設定することとしている。
【0024】
図5(a)(b)に基づいて各モードの設定原理を説明する。尚、同図(b)は、メッシュ電極68の電圧Vcと書込み制御電圧Vbが、0<Vc<Vbに設定された場合の誘電体ミラー74における二次電子放出特性を示す説明図である。
【0025】
二次電子放出特性とは、誘電体ミラー74に一次電子e1が入射すると二次電子e2が放出され、この一次電子数に対して放出される二次電子数が多いときには誘電体ミラー74に正電荷が帯電し、一次電子数に対して放出される二次電子数が少ないときには誘電体ミラー74に負電荷が帯電する特性をいう。そして、一次電子数に対する二次電子数の比率を二次電子放出比δという。この二次電子放出比δは、同図(b)に示す如く、入射電子e1の入射エネルギーEに応じて変化する特性を有している。
【0026】
一般的に、一次電子数と二次電子数が等しくなる平衡状態、即ち二次電子放出比がδ=1となる2点(クロスオーバ点という)が存在し、一次電子e1の入射エネルギーEが第1のクロスオーバ点E1のよりも小さいとき、または、第2のクロスオーバ点E2よりも大きいときには、二次電子放出比はδ<1になる。一方、入射する一次電子のエネルギーEが第1,第2のクロスオーバー点E1,E2の間にあるときは、二次電子放出比はδ>1になる。
【0027】
更に、メッシュ電極68の印加電圧Vcを第1,第2のクロスオーバ点E1,E2間のエネルギーE2’に相当する電圧Vc(E2')に設定すると、同図(b)中の点線で示す如く、第2のクロスオーバー点がE2からE2’へ変化するという特性を有している。このように第2のクロスオーバー点がE2’に変わる現象が生じる理由は、誘電体ミラー74に入射する一次電子e1の入射エネルギーがクロスオーバー点E2’とE2の間のエネルギーであれば本来は実線で示す1<δの状態となって一次電子数よりも二次電子数が多くなるはずであるが、メッシュ電極68の電位Vc(E2')が電圧Vb(E2)よりも低いために、放出された二次電子e2が誘電体ミラー74に戻されることとなり、結果的にδ<1になるからである。
【0028】
そこで、本実施の形態では、メッシュ電極68を前記所定の電圧Vc(E2')に保持し、書込み制御電圧Vbにより誘電体ミラー74の二次電子放出特性を可変制御することによって、被測定物体36の干渉光像に対応する電荷分布を誘電体ミラー74に帯電させている。
【0029】
より具体的には、図3(d)に示す如く、位相変調器32の駆動電圧VPHの周期Tと同期して、書込み制御電圧Vbを2値のレベルで切換制御することとし、状態“L”のときを第1の書込みモード、状態“H”のときを第2の書込みモードとしている。第1の書込みモードでは、書込み制御電圧Vbが状態“L”に相当する電圧(前半T/2期間の電圧)を図5(b)の第1,第2のクロスオーバ点E1,E2’の間のエネルギーE’に相当する電圧Vb(E')にすることによって、1<δの状態を設定し、これにより誘電体ミラー74に正電荷を帯電させる。一方、第2の書込みモードでは、印加電圧Vbが状態“H”に相当する電圧(後半T/2期間の電圧)を第2のクロスオーバ点E2’より高いエネルギーE”に相当する電圧Vb(E")にすることによりδ<1の状態を設定し、これにより誘電体ミラー74に負電荷を帯電させる。
【0030】
そして、位相変調器32の駆動電圧VPHと書込み制御電圧Vbを周期Tで同期させることにより、第1の書込みモードでは、被測定物体36中のZ0からの反射光によって生じた干渉光像は、多くの正電荷が誘電体ミラー74の表面に帯電する。これに対し、第2の書き込みモードでは、前記のごとく干渉光像は暗いので、少ない負電荷が帯電し、結果として干渉構造に対応した正電荷が残る。これに対し、背景光像は、第1,第2の書き込みモードにおいて不変であるので、正・負同量の電荷が生じ、結果的に背景光像については電荷が残らない。即ち、レーザ光の波長特性に従って決まる光路長に該当する被測定物体36の部分についての特徴情報のみを正電荷分布として得られるようにしている。
【0031】
この第1,第2の書込みモードにより誘電体ミラー74の表面に被測定物体36の干渉光像に相当する正電荷分布を帯電させた後、透明電極76側にコヒーレントな読出し光を照射することにより、その電荷分布に相当する光像を光学的に読み出す。このように読出し光を照射すると、読出し光は誘電体ミラー74で反射し、電荷分布に応じて位相変調した電気光学結晶72を通ることにより、電荷分布に相当する光像となって戻るので、この光像をハーフミラー54及びアナライザー素子56を介してビデオカメラ58で撮影することにより、前記干渉光像を得ることができる。
【0032】
また、誘電体ミラー74の電荷分布を消去するための消去モードを設定できるようにしている。この消去モードでは、半導体レーザ24に一定波長のレーザ光を出射させることにより一様ビーム光を空間光変調管44の光電面60に照射し、この状態で、書込み制御電圧Vbをメッシュ電極68と等しいエネルギーE’に相当する電圧Vb(E')、即ちVb(E')=Vc(E')に設定することにより、δ=1の平衡状態にして、電荷分布を消去する。
【0033】
次に、かかる構成を有する光情報処理装置の動作を、図6に示す中央制御部20の制御フローチャートと共に説明する。
【0034】
本装置を起動すると、ステップS100において、位相変調器32に供給する駆動電圧VPH及び空間光変調管44に印加する書込み制御電圧Vbの周期Tを内部設定すると共に、ステップS102及びS104において、繰返し回数MとNを内部設定する。ここで、繰返し回数Nは、周期Tに同期する駆動電圧VPH及び書込み制御電圧Vbの発生回数であり、空間光変調管44の1回の露光期間N×Tを設定する。繰返し回数Mは、前記波形パラメータの数を設定すると同時にM回の露光を設定するためにある。この回数Mによって、各露光期間N×Tが終了する毎に順番に波形パラメータが変更され、順番に供給されるM種類の駆動電流i(t)に応じたレーザ光が出射され、M個の光路長Z1〜ZMが設定されることにより、被測定物体36の奥行き方向の情報をM段階で抽出する。
【0035】
次に、ステップS106において、空間光変調管44を消去モードに設定する。即ち、書込み制御電圧Vbをメッシュ電極の電位Vcと等しくし、半導体レーザ24により一定光強度の一様レーザ光を空間光変調管44に照射する。これにより、誘電体ミラー74の全表面が、エネルギーE2’(図(b)参照)に相当する電位Vsになり、δ=1の平衡状態となってリセットが達成される。
【0036】
次に、ステップS108において、第1番目の波形パラメータを設定する。
【0037】
次に、ステップS110において、第1番目の波形パラメータに基づいて設定される駆動電流i(t)を半導体レーザ24に供給し、その駆動電流i(t)の電流振幅に応じて時間的に波長(周波数)が変化するレーザ光を出射させる。
【0038】
次に、ステップS112とS114において、周期Tで状態が“H”“L”に変化する駆動電圧VPHと書込み制御電圧Vbを位相変調器32と空間光変調管44に供給する。これにより、周期Tの前半T/2期間では、図7(a)に示す如く、レーザ光の波長変化特性で決まる光路長Z1に該当する被測定物体36の部分の干渉光像の正電荷分布G(+Q)と背景光像の正電荷分布H(+Q)が誘電体ミラー74の表面に帯電する。また、後半T/2期間では、図7(b)に示す如く、光路長Z0に該当する被測定物体36の部分の干渉光像は暗いので、ほとんど負電荷は生じないのに対し、背景光像は不変なので前半と同量の負電荷が生じる。結果として、背景光像の負電荷分布H(-Q)と正電荷分布H(+Q)とが相殺することにより、干渉光像の正電荷分布G(+Q)のみが残る。
【0039】
ステップS116では、N回の露光が完了したか否か判断し、未だ完了しないときには、ステップS110〜S114の処理を繰り返す。このようにN回の処理を繰り返すと、図7(c)に示す如く、光路長Z0に当たる部分の干渉光像の正電荷分布G(+Q)がN回加算されて強調される。そして、N回の露光が完了するとステップS118の処理へ移行する。
【0040】
ステップS118では、一旦半導体レーザ24を停止させ、レーザ発生装置48を起動させることにより、空間位相変調器44の背面から電気光学結晶72に読出し光を照射する。そして、電気光学結晶72から戻ってくる戻り光像をビデオカメラ58にて撮影する。
【0041】
次に、ステップS120において、ビデオカメラ58で得られた画像信号SVBOを中央制御部20に備えられたフレームメモリに転送し格納させる。したがって、被測定物体の内、光路長Z1に当たる被測定物体36の断面画像についてのフレーム画像が得られる。
【0042】
次に、ステップS122において、M回の撮影が完了したか否かを判断し、未だ完了しないときにはステップS106の処理に戻り、消去モードにより誘電体ミラー74上の電荷を消去する。
【0043】
そして、第2回目のステップS108及びS110では、第2番目の波形パラメータを設定して、第1番目のレーザ光とは異なる波長変化特性を有するレーザ光を出射させることにより、次の光路長Z2に該当する被測定物体36の部分の干渉光像を発生させ、更にステップS110〜S116の処理をN回繰り返すことによって、その干渉光像に相当する強調された正電荷像を誘電体ミラー74上に帯電させた後、ステップS118及びS120の処理により、第2番目のレーム画像を得る。
【0044】
以後同様に、ステップS106で空間光変調管44のリセット処理とステップS108で順次に光路長を可変にするためのパラメータ設定を行い、ステップS110〜S120の処理を繰り返すことにより、被測定物体36の奥行き方向のM個の部分についてのMフレーム画像を得る。
【0045】
そして、ステップS122において、Mフレーム画像を入手したと判断すると、ステップS124において、これらのMフレーム画像のデータをコンピュータグラフィック処理することにより、被測定物体36の三次元画像を形成し、モニタテレビジョン等の表示手段に画像表示させる。
【0046】
このように、従来のホログラフィー技術では、被測定物体からの戻り光と参照光との入射角度を傾斜させる必要があるために、被測定物体の奥行き方向の分解能の向上を図ることに限界があったが、この実施の形態によれば、被測定物体36からの反射光と位相変調器32及び全反射ミラー34によって生じる参照光とが相互に平行となるので、空間分解能の向上を図ることができる。
【0047】
また、空間光変調管44の書込みモードを制御することにより、被測定物体36の断面像を鮮明に露光することができ、更に、リアルタイム計測が可能となっている。
【0048】
尚、この実施の形態では、第1の書込みモードで被測定物体36の干渉光像に相当する正電荷像分布を形成し、第2の書込みモードで背景光像の部分の電荷をを相殺することで被測定対象物36に対応する正電荷分布のみを形成するようにしたが、これとは逆に、第1の書込みモードを干渉光像の負電荷分布を帯電させるモードにし、第2の書込みモードを正電荷分布を帯電させるためのモードにすることにより、被測定物体36に対応する負電荷分布を形成して、この負電荷分布により位相シフトされる電気光学結晶72に読出し光を照射することにより、撮影を行っても良い。この場合には、図3(c)(d)に示す駆動電圧VPHと書込み制御電圧Vbを同相にする。即ち、各周期Tにおいて、駆動電圧VPH及び書込み制御電圧Vbを共に、前半T/2期間では状態“H”にし、後半T/2期間では状態“L”にする。また、各周期Tにおいて、駆動電圧VPH及び書込み制御電圧Vbを共に、前半T/2期間では状態“L”にし、後半T/2期間では状態“H”にしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被測定物体の奥行き方向の空間分解能を向上させることができるので、被測定物体を高精度で特徴抽出することができる。
【0050】
また、この特徴抽出処理をリアルタイムで実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】レーザ光の波長変化特性と光路長による干渉特性の変化の関係を示す特性図である。
【図3】駆動電流i(t)とレーザ光の波長f(t)、駆動電圧VPH及び書込み制御電圧Vbを示すタイミングチャートである。
【図4】空間光変調管の構造及び特性を説明するための分解図である。
【図5】空間光変調管の二次電子放出特性を説明するための説明図である。
【図6】光情報処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】空間光変調管における正電荷分布の形成原理を示す説明図である。
【図8】従来の光情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
20…中央制御部、22…駆動電流発生回路、24…半導体レーザ、26…光アイソレータ、28…拡大レンズ系、30…ビームスプリッタ、32…位相変調器、34…全反射ミラー、36…被測定物体、38…駆動回路、40…D/A変換器、42…結像レンズ、44…二次元ロックインアンプ(空間光変調管)、46…電圧制御回路、48…レーザ発生装置、50拡大レンズ系、52…ポラライザー素子、54…ハーフミラー、56…アナライザー素子、58…ビデオカメラ、60…光電面、62…グリッド電極、64…アノード電極、66…マイクロチャンネルプレート、68…メッシュ電極、70…位相変調部、72…電気光学結晶、74…誘電体ミラー、76…透明電極76。

Claims (1)

  1. 供給される駆動電流の電流振幅に応じて時間的に波長が変化するレーザ光を出射する半導体レーザと、
    前記レーザ光を分岐し、一方の分岐光を全反射ミラーと位相変調器を有する光路へ、他方の分岐光を被測定物体へ照射させるビームスプリッタと、
    前記位相変調器にて位相変調される分岐光と被測定物体からの反射光との干渉により生じる干渉光像を露光するロックインアンプ機能を有する手段とを備え、
    前記駆動電流の電流振幅を変更することにより波長変化特性の異なるレーザ光を出射させることにより、被測定物体の奥行き方向の任意部分の断面画像の干渉光像を発生させることを特徴とする光情報処理装置。
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