JPH10241374A - 半導体記憶装置と誘電体膜回復方法 - Google Patents

半導体記憶装置と誘電体膜回復方法

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JPH10241374A
JPH10241374A JP9055547A JP5554797A JPH10241374A JP H10241374 A JPH10241374 A JP H10241374A JP 9055547 A JP9055547 A JP 9055547A JP 5554797 A JP5554797 A JP 5554797A JP H10241374 A JPH10241374 A JP H10241374A
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JP
Japan
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bit line
voltage
capacitor
recovery
precharge
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Application number
JP9055547A
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English (en)
Inventor
Hiroki Fujisawa
宏樹 藤澤
Takeshi Sakata
健 阪田
Kazunari Torii
和功 鳥居
Katsutaka Kimura
勝高 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 強誘電体メモリに、誘電体膜の劣化を回復さ
せるための減衰パルスの発生機能を持たせる。 【解決手段】 アドレス選択用MOSFETと強誘電体
膜又は高誘電体膜のキャパシタからなり、アドレス選択
用MOSFETのゲートが対応するワード線にその一方
のソース,ドレインが対応するビット線に、他方のソー
ス,ドレインがキャパシタの一方の電極にそれぞれ接続
され、キャパシタの他方の電極には動作電圧のほぼ中間
電位のプレート電圧が印加された複数のメモリセルに対
して、ビット線を第1と第2の回復用プリチャージ電圧
に設定して各1つのワード線を選択してキャパシタにビ
ット線の第1と第2の回復用プリチャージ電圧を与え、
次いで同時に選択されるワード線の数を段階的に増加さ
せて同様な動作を繰り返してビット線に付属する容量と
それと並列に接続されるキャパシタとの間の電荷分散に
よる電圧により誘電体膜劣化ないし疲労を回復させる減
衰パルスを発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強誘電体メモリ
と誘電体膜回復方法に関し、特にアドレス選択用MOS
FETと強誘電体キャパシタとからなるメモリセルにお
ける誘電体膜の劣化ないし疲労回復技術に利用して有効
な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電体キャパシタを用いた不揮発性記
憶装置の例として、特開平6−243690号公報等が
ある。この不揮発性記憶装置では、ビット線(又はデー
タ線)をプレート電位と同電位にプリチャージし、ビッ
ト選択タイミングまで待って、選択ビット線を読み出し
用のプリチャージを行った後にワード線の選択動作を行
い、強誘電体キャパシタの記憶情報に対応して変化した
ビット線の電位変化を読み出す方式である。
【0003】強誘電体メモリの一種として、通常動作時
は、例えば強誘電体キャパシタのプレート電位及びビッ
ト線のプリチャージ電位を電源電圧及び接地電位間の中
間電位として揮発モードで動作させ、電源切断時には不
揮発モードで動作させるいわゆるシャドーRAMが、例
えば特開平7−21784等に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような強誘電体
キャパシタにおいては、繰り返しの読み出し及び書き込
み動作により膜劣化(インプリント現象)が生じる。つ
まり、図15に示すように、不揮発データ読み出す際、
すなわち、常時不揮発で動作する強誘電体メモリのリー
ド/ライトや、上記シャドーRAMにおけるリコール動
作において、データの‘1’の場合には、読み出し動作
と再書き込み時にキャパシタに双方向の電圧が印加され
るために、インプリントというよりはむしろ膜疲労が生
じる。これに対してデータ‘0’の場合は、同一方向の
電圧のみが印加されるためにこの動作の繰り返しにより
インプリントが発生する。
【0005】図16には、揮発情報を読み出す際、すな
わち、シャドーRAMにおいて通常のリード動作や高誘
電体膜を用いてダイナミック型メモリセルのリード動作
において、データ‘1’も‘0’もキャパシタには同一
方向の電圧がかかり続けるため、インプリントが発生す
る。このような誘電体膜の疲労回復方法として誘電体膜
に正負の減衰パルスを供給することが知られている。し
かしながら、実際の半導体記憶装置において、上記のよ
うな減衰パルスを発生するためには、多値のパルス発生
回路が必要となり実際的ではない。
【0006】この発明の目的は、簡単な構成で上記減衰
パルスを発生させる機能を持つ半導体記憶装置と誘電体
膜疲労回復方法を提供する。この発明の前記ならびにそ
のほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添
付図面から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、アドレス選択用MOSFE
Tと強誘電体膜又は高誘電体膜を用いたキャパシタから
なり、上記アドレス選択用MOSFETのゲートが対応
するワード線に接続され、上記アドレス選択用MOSF
ETの一方のソース,ドレインが対応するビット線に接
続され、他方のソース,ドレインが上記キャパシタの一
方の電極に接続され、上記キャパシタの他方の電極には
動作電圧のほぼ中間電位にされたプレート電圧が印加さ
れてなる複数のメモリセルに対して、上記ビット線を第
1の回復用プリチャージ電圧に設定して1つのワード線
を選択して上記キャパシタに上記ビット線の第1の回復
用プリチャージ電圧を与え、上記ビット線を第2の回復
用プリチャージ電圧に設定して1つのワード線を選択し
て上記キャパシタに上記ビット線の第2の回復用プリチ
ャージ電圧を与え、次いで同時に選択されるワード線の
数を段階的に増加させて同様な動作を繰り返して上記ビ
ット線に付属する容量とそれと並列に接続されるキャパ
シタとの間の電荷分散による電圧により誘電体膜劣化な
いし疲労を回復させる減衰パルスを発生させる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1には、この発明に係る誘電体
膜回復方法を説明するための構成図が示されている。同
図(A)には、その原理を説明するための回路が示さ
れ、(B)には概略波形が示されている。強誘電体膜な
いし高誘電体膜を用いてキャパシタを構成し、それに蓄
積された電荷ないしは誘電体膜の分極の方向を記憶情報
として用いる揮発性メモリないしは不揮発性メモリにお
いては、膜劣化ないし膜疲労が生じることは前記のよう
に広く知られている。そして、かかる膜劣化ないし膜疲
労を回復させるために、上記キャパシタに対して正負の
減衰パルスを供給するこも知られている。
【0009】図1には、上記キャパシタの誘電体膜回復
のための減衰パルスを発生させる原理を説明するための
構成図が示されている。この実施例では、上記のような
減衰パルスを発生させるための電圧発生回路を用いるこ
となく、キャパシタそれ自身によって実質的に減衰パル
スを発生させるという工夫が行われている。このような
減衰パルスを発生させる原理を説明するために、同図
(A)においては、1つのビット線(又はデータ線ある
いはディジット線と呼ばれる場合もある)D0Tと、そ
れと直交するように配置される複数のワード線のうちワ
ード線WL0、WL2及びWL254が代表として例示
的に示されている。
【0010】特に制限されないが、この発明に係る半導
体記憶装置におけるビット線は、後述するように折り返
しビット線方式とされる。つまり、ラッチ形態のセンス
アンプの一対の入出力端子に対応して、一対の相補のビ
ット線が平行に配置されるものであり、かかる相補ビッ
ト線に256本からなるワード線が直交するように配置
されて、その交点にメモリセルが設けられる。この場
合、メモリセルはワード線と上記平行に配置される相補
ビット線のうちの一方との交点に設けられる。それ故、
同図(A)に示すように、相補ビット線のうちの一方の
ビット線D0Tに対しては、1つの置きのワード線WL
0、WL2、・・・WL254のように128個のメモ
リセルが設けられる。残り128個のメモリセルは、上
記ビット線D0Tと平行に配置されるビット線D0Bと
ワード線WL1、WL3、・・・WL255との交点に
設けられる。
【0011】メモリセルは、アドレス選択用MOSFE
TQmと強誘電体又は高誘電体キャパシタCsからな
る。アドレス選択用MOSFETQmのゲートは、対応
するワード線WL0に接続され、上記アドレス選択用M
OSFETQmの一方のソース,ドレインは、ビット線
D0Tに接続され、他方のソース,ドレインは上記キャ
パシタCsの一方の電極に接続される。そして、かかる
キャパシタCsの他方の電極には、特に制限されない
が、電源電圧Vccの1/2にされたプレート電圧が印加
される。
【0012】上記キャパシタCsは、強誘電体キャパシ
タで構成した場合には、後述するような不揮発モードの
メモリセルとして用いることもできるし、前記のシャド
ーRAMのように不揮発モードと揮発モード(ダイナミ
ック型メモリセル)と切り替えて使用することができ
る。ダイナミック型RAMの高集積化のために、言い換
えるならば、メモリセルの微細化のために小さな面積の
キャパシタにより大きな記憶容量を得るために誘電体膜
として高誘電体膜を用いた場合にはダイナミック型メモ
リセルとして用いられる。このような強誘電体キャパシ
タあるいは高誘電体キャパシタを用いた場合には、前記
のような誘電体膜の劣化ないしは疲労が生じる。このよ
うに誘電体膜の劣化ないしは疲労が生じると、V−Qヒ
ステリシス特性や容量値が劣化し、上記のような記憶情
報が小さくなって動作マージンが悪化してしまう。
【0013】この実施例では、上記キャパシタの誘電体
膜回復のために必要な減衰パルスを上記ビット線D0T
に付属するビット線容量Cdと、上記キャパシタCsと
の電荷分散により発生する電圧を利用するものである。
つまり、上記ビット線D0Tには、上記のように128
個ものメモリセルが接続されることにより、かかるメモ
リセルのアドレス選択用MOSFETの上記一方のソー
ス,ドレイン拡散層等による比較的大きな寄生容量Cd
を持つものである。これに対して、メモリセルにおける
キャパシタCsは、上記ビット線容量Cdに対して小さ
な容量値しか持たない。しかながら、ワード線を多重に
同時選択すると、上記ビット線に接続されるメモリセル
の数を増加させることができる。
【0014】上記のようにビット線D0Tには128個
ものメモリセルが接続されるものであり、このことを利
用してワード線を同時に選択させると、上記選択された
メモリセルのキャパシタが互いに並列に接続され、上記
ビット線容量Cdに対する合成容量値の容量比を大きく
できる。このような合成容量値を段階的に大きくするこ
とにより、ビット線容量Cdにプリチャージされたプリ
チャージ電圧を利用して減衰パルスを発生させることが
できる。
【0015】上記減衰パルスは、キャパシタに対して正
方向と負方向に交互に発生させる必要があり、そのため
にビット線D0Tには誘電体膜回復用のプリチャージ回
路が設けられる。上記キャパシタCsのプレート電圧が
Vcc/2のような中点電圧であることから、スイッチに
より電源電圧Vccと回路の接地電位Vssをビット線D0
Tに供給する。このプリチャージ回路は、後述するよう
にメモリアクセスのためのプリチャージ回路を利用し、
そのプリチャージ電圧を切り替えるようにするものであ
ってもよい。この実施例では、その原理を説明するもの
であり、上記スイッチにより簡略化して示されている。
【0016】誘電体膜回復のための減衰パルスを発生さ
せる原理は、図(B)に示すように、ビット線D0Tを
回路の接地電位Vssにプリチャージし、1つのワード線
を選択することにより1つのメモリセルを上記ビット線
に接続させる。すると、ビット線容量Cd及びキャパシ
タCsの電圧は、上記ビット線容量Cdの容量値がメモ
リセルのキャパシタCsの容量値に比べて大きいからほ
ぼ上記ビット線DOTのプリチャージ電圧Vssに従って
決まる。このことを上記ワード線WL0からWL254
まで順次に行い、上記プリチャージ電圧を電源電圧Vcc
にして同様な動作を繰り返す。これにより、キャパシタ
CsにはVssとVccのような負と正のパルスが印加され
る。
【0017】次に、ビット線D0Tを上記同様に回路の
接地電位Vssにプリチャージし、例えば8本のワード線
を同時選択することにより8個のメモリセルを上記ビッ
ト線に接続させる。すると、ビット線容量Cdに対して
キャパシタ側の合成容量が1つの場合に対して8倍に大
きくなり、その容量比に対応してプレード電圧側に上昇
した電位にされる。このことを上記ワード線を8本ずつ
同時に選択しながらWL254まで順次に行い、上記プ
リチャージ電圧を電源電圧Vccにして同様な動作を繰り
返す。これにより、キャパシタCsにはVssとVccのよ
うな負と正のパルスV1とV2が印加される。
【0018】次に、ビット線D0Tを上記同様に回路の
接地電位Vssにプリチャージし、例えば32本のワード
線を同時選択することにより32個のメモリセルを上記
ビット線に接続させる。すると、ビット線容量Cdに対
してキャパシタ側の合成容量が8個の場合に対して4倍
に大きくなり、その容量比に対応してプレード電圧側に
上昇した電位にされる。このことを上記ワード線を32
本ずつ同時に選択しながらWL254まで順次に行い、
上記プリチャージ電圧を電源電圧Vccにして同様な動作
を繰り返す。これにより、キャパシタCsにはVssとV
ccのような負と正のパルスV3とV4が印加される。
【0019】次に、ビット線D0Tを上記同様に回路の
接地電位Vssにプリチャージし、例えば64本のワード
線を同時選択することにより64個のメモリセルを上記
ビット線に接続させる。すると、ビット線容量Cdに対
してキャパシタ側の合成容量が32個の場合に対して2
倍に大きくなり、その容量比に対応してプレード電圧側
に上昇した電位にされる。このことを上記ワード線を6
4本ずつ同時に選択しながらWL254まで順次に行
い、上記プリチャージ電圧を電源電圧Vccにして同様な
動作を繰り返す。これにより、キャパシタCsにはVss
とVccのような負と正のパルスV5とV6が印加され
る。
【0020】最後に、ビット線D0Tを上記同様に回路
の接地電位Vssにプリチャージし、例えば128本のワ
ード線を同時選択することにより128個のメモリセル
を上記ビット線に接続させる。すると、ビット線容量C
dに対してキャパシタ側の合成容量が64個の場合に対
して2倍に大きくなり、その容量比に対応してプレード
電圧に接近した電位にされる。上記プリチャージ電圧を
電源電圧Vccにして同様な動作を行う。これにより、キ
ャパシタCsにはVssとVccのような負と正のパルスV
7とV8が印加される。このようにして、上記ビット線
容量Cdとプリチャージ回路及びメモリセルCsのみを
用いた極めて簡単な構成で、しかも電荷分散により減衰
パルス状の電圧を発生させるものであるので、極めて低
消費電力で誘電体膜回復を行わせること、言い換えるな
らばら、誘電体膜の初期化を行うことができる。
【0021】上記のような減衰パルスV1〜V8を発生
させるためのメモリセルの数は、それが適用される半導
体記憶装置におけるビット線容量Cdとメモリセルのキ
ャパシタCsの容量により決まるものであり、必ずしも
上記のように数のメモリセルが同時選択されるものとは
限らない。
【0022】例えば、上記の例において、電圧V1〜V
8は、次式(1)〜(8)により、求められる。ただ
し、キャパシタCsが1個のときにはビット線のプリチ
ャージ電圧VccとVssに対応した電圧に設定されたとみ
なし、キャパシタCsの容量値は、実際にはヒステリシ
ス特性に対応して多少変化するが一定であるとみなして
いる。
【0023】 V1=(8Cs×Vcc+Vss×Cd)/8Cs+Cd ・・・・(1) V2=(8Cs×V1+Vcc×Cd)/8Cs+Cd ・・・・(2) V3=(32Cs×V2+Vss×Cd)/32Cs+Cd ・・・・(3) V4=(32Cs×V3+Vcc×Cd)/32Cs+Cd ・・・・(4) V5=(64Cs×V4+Vss×Cd)/64Cs+Cd ・・・・(5) V6=(64Cs×V5+Vcc×Cd)/64Cs+Cd ・・・・(6) V7=(128Cs×V6+Vss×Cd)/128Cs+Cd・・・・(7) V8=(128Cs×V7+Vcc×Cd)/128Cs+Cd・・・・(8)
【0024】図2には、この発明に係る半導体記憶装置
における誘電体膜回復動作の一例を説明するための波形
図が示されている。同図の例では、1つのメモリマット
又はメモリブロックは、512本のワード線からなり、
一対の平行に配置されてなる相補ビット線のそれぞれは
上記512本のワード線のうちの奇数と偶数の交互にメ
モリセルが設けられる。それ故、1つのビット線には2
56個ずつのメモリセルが接続される場合に対応してい
る。
【0025】この実施例では、上記ビット線に接続され
るメモリセルの数により上記のうよな減衰パルスが形成
されることから、パルスの極性が変わるごとにメモリセ
ルの数を2倍ずつ増加させるようにした例が示されてい
る。そして、上記相補ビット線の両方のメモリセルに対
して同時に減衰パルスが印加されるようにされる。
【0026】後述するようなメモリアクセスのときに使
用されるプリチャージ回路に供給されるプリチャージ電
圧VPCを接地電位Vssに設定して、プリチャージ信号
PCにより相補ビット線に対してVssのようなプリチャ
ージ動作を行い、ワード線WL0とWL1を同時に選択
させる。これにより、相補ビット線に接続される2つの
メモリセルに対して上記ビット線のプリチャージ電圧V
ssに対応した第1の負パルスが印加される。この動作
は、上記のように相補ビット線に256個ずつのメモリ
セルが接続されているから、256サイクルからなる上
記プリチャージ動作とワード線の選択動作が繰り返して
行われる。ワード線の選択レベルは、上記のようにメモ
リセルのキャパシタに対してVccに近い電圧を印加させ
る必要から、電源電圧Vccに対して昇圧された選択レベ
ルVchにされるものである。
【0027】次に、プリチャージ電圧をVccに切り替え
て、ワード線をWL0〜WL3の4本ずつ同時に選択状
態にさせる。これにより、相補ビット線には2個ずつの
メモリセルが同時に接続されて、プレート電圧(Vcc/
2)に対して正側の電圧が印加される。上記のように2
個ずつのメモリセルの選択動作により上記の場合の半分
の128サイクルにより第2の正パルスの印加が行われ
る。
【0028】そして、プリチャージ電圧をVssに切り替
えて、ワード線をWL0〜WL7の8本ずつ同時に選択
状態にさせる。これにより、相補ビット線には4個ずつ
のメモリセルが同時に接続されて、プレート電圧(Vcc
/2)に対して負側の電圧が印加される。上記のように
4個ずつのメモリセルの選択動作により上記の場合の半
分の64サイクルにより第3の負パルスの印加が行われ
る。以下、省略されているが、相補ビット線に接続され
るメモリセルの数を8個、16個、32個、64個等、
必要なら最大の128個まで増加させ、上記電圧がプレ
ート電圧Vcc/2に対して漸次に接近するよう減衰パル
スを発生させる。
【0029】図3には、本願発明に係る誘電体膜回復動
作時のキャパシタ特性図が示されている。上記のような
減衰パルスの印加により、前記のようなヒステリシス
(V−Q)特性において、(1)から(2)に、(2)
から(3)に、(3)から(4)に、(4)から(5)
に、(5)から(6)のように順次にプレート電圧Vcc
/2に対応した原点に近づき、膜劣化や膜疲労の回復
(初期化)が行われる。同図では、データ‘1’の状態
のキャパシタを初期化する例が示されているが、データ
‘0’の場合にも、同様に初期化される。
【0030】図4には、この発明が適用される強誘電体
メモリの要部一実施例の回路図が示されている。同図に
おいては、1対の相補ビット線D0TとD0Bと、ワー
ド線WL0及び上記ワード線と上記相補ビット線のうち
一方のビット線D0Tとの交点に設けられたメモリセ
ル、上記相補ビット線D0TとD0Bに接続されたメモ
リセルからの読み出し基準電圧を形成するダミーセル、
及びブラックボックスで示されたセンスアンプが代表と
して例示的に示されている。これらの回路は、図示しな
い以下に説明する他の回路とともに公知の半導体集積回
路の製造技術により、単結晶シリコンのような1個の半
導体基板上において形成される。
【0031】上記メモリセルは、アドレス選択用MOS
FETQmと、そのソース−ドレイン経路と直列に接続
されてなる強誘電体キャパシタCsから構成される。上
記アドレス選択用MOSFETQmのゲートは、ワード
線WL0に接続される。上記MOSFETQmの一方の
ソース,ドレインは、上記ビット線D0Tに接続され、
他方のソース,ドレインは、上記強誘電体キャパシタC
sの一方の電極(蓄積ノード)に接続される。上記キャ
パシタCsの他方の電極は、図示しない他の同様なキャ
パシタと電極と共通化されてなるプレート電極に接続さ
れる。このプレート電極には、電源電圧Vccの1/2に
設定されたプレート電圧Vcc/2が供給される。
【0032】プレート電圧Vcc/2は、接地電位を基準
にして上記強誘電体キャパシタCsの強誘電体膜の分極
の向きの反転に必要な電圧になるように設定される。こ
の実施例では、電源電圧Vccを1/2に分圧して上記プ
レート電圧を得るものであるために、上記電源電圧Vcc
は、上記強誘電体キャパシタCsの強誘電体膜の分極の
向きの反転に必要な電圧の2倍に設定される。これによ
り、強誘電体キャパシタCsは、上記蓄積ノード側の電
極に電源電圧Vccを印加すると例えば+Qのような分極
の向きに設定され、上記蓄積ノード側に回路の接地電位
Vssを印加すると、例えば−Qのような分極の向きに反
転させられる。
【0033】この実施例では、上記メモリセルからの読
み出し基準電圧を形成するために、ダミーセルが設けら
れる。ダミーセルは、上記メモリセルと同じサイズから
なるアドレス選択用MOSFETQdと強誘電体キャパ
シタCsを2個用いて構成される。上記アドレス選択用
MOSFETQmは、一方のゲートがダミーワード線D
WL0に接続され、他方のゲートがダミーワード線DW
L1に接続される。上記ダミーワード線DWL0にゲー
トが接続された上記アドレス選択用MOSFETQdの
一方のソース,ドレインは、ビット線D0B側に接続さ
れる。上記ダミーワード線DWL1にゲートが接続され
た上記アドレス選択用MOSFETQdの一方のソー
ス,ドレインは、ビット線D0T側に接続される。そし
て、これらのMOSFETQdの他方のソース,ドレイ
ン、言い換えるならば、上記2つの強誘電体キャパシタ
Csの蓄積ノード側が共通に接続される。
【0034】この結果、上記1つのアドレス選択用MO
SFETQdから見ると、それに直列接続される強誘電
体キャパシタは、並列形態に接続されて2Csのように
2倍のキャパシタ面積を持つようにされる。上記ダミー
ワード線は、相補ビット線D0TとD0Bのうち、ワー
ド線の選択によりメモリセルが接続されない片方のビッ
ト線だけに基準電圧(参照電圧)を発生させればよいた
め、メモリセルと同様な2つのダミーセルを相補ビット
線D0TとD0Bに設け、ダミーセル内部で上記強誘電
体キャパシタの蓄積ノード側を共通化するという極めて
簡単な構成により、上記相補ビット線対に共有できるダ
ミーセルが形成でき、ダミーセルの専有面積を1/2に
低減できるものとなる。
【0035】上記のような構成は、次のような利点をも
もたらすものである。上記ダミーセルのキャパシタCs
とメモリセルのキャパシタCsとは同じサイズのものを
用いているために、メモリセルとダミーセルとの相対比
がプロセスバラツキや温度変化等の影響を受けにくく精
度よく形成できるために、高精度の基準電圧を得ること
ができるものとなる。この結果、読み出しのレベルマー
ジンを大きくでき、読み出し動作の高速化や大記憶容量
化に寄与することができる。
【0036】図5には、上記メモリセルとダミーセルの
動作原理を説明するためのV−Q特性図が示されてい
る。同図において、横軸には電圧Vが示され、縦軸には
電荷量Qが示されている。ダミーセルの強誘電体キャパ
シタ2Csは、上記メモリセルの強誘電体キャパシタC
sが2個並列に設けられて2倍の容量を持つために、そ
のヒステリシス(V−Q)特性は、メモリセルのヒステ
リシス(V−Q)特性に対して縦方向に2倍に大きくさ
れたものとなる。
【0037】上記ヒステリシス特性において、Qrと2
Qrは‘1’記憶に対応した自発分極であり、−Qrと
−2Qrは‘0’記憶に対応した自発分極である。上記
図1のビット線の寄生容量をCDLとし、強誘電体キャ
パシタの容量Csと表し、ビット線の電位をVDLとす
ると、かかるビット線の負荷線はないしのようにな
る。
【0038】 式:Q−Qr=−CDL・VDL 式:Q+Qr=−CDL・VDL 式:Q+2Qr=−CDL・VDL
【0039】メモリセルには記憶情報に応じて、上記電
荷Qr又は−Qrが存在し、ワード線を選択するとビッ
ト線上に読み出し信号Vsig1又はVsig2が現れる。ダミ
ーセルは、容量値が2倍であるためにビット線の電圧変
化が大きく、上記読み出し信号Vsig1とVsig2のほぼ中
間の電圧Vref を得ることができる。つまり、後述する
ように、プリチャージ期間にビット線の寄生容量CDL
には0V(Vss)がプリチャージされている。ワード線
の選択によりアドレス選択用MOSFETQmがオン状
態にされると、上記−Vcc/2の電圧が強誘電体膜に印
加されて上記自発分極Qr又は−Qrの状態からヒステ
リシス特性上を変化して、式又は式との交点で求め
られる読み出し信号Vsig1又はVsig2となる。同様に、
ダミーワード線の選択によりアドレス選択用MOSFE
TQdがオン状態にされると、上記−Vcc/2の電圧が
強誘電体膜に印加されて上記自発分極−2Qr(+2Q
r)の状態からヒステリシス特性上を変化して上記式
との交点で求められる基準電圧Vref になる。
【0040】図6には、この発明に係る強誘電体メモリ
の一実施例の回路図が示されている。同図においては、
3対の相補ビット線D0T,D0B〜D2T,D2B
と、2本のワード線WL0,WL1及び2本のダミーワ
ード線DWL0,DWL1及びそれらに関連したメモリ
セル、ダミーセル及びセンスアンプ、プリチャージ回路
及びカラムスイッチと、共通入出力線IOT,IOBが
代表として例示的に示されている。
【0041】同図において、メモリセルは黒い丸で示さ
れている。例えばワード線WL1においては、上記相補
ビット線のうちの一方のビット線(非反転側)D0T〜
D2Tとの交点に設けられ、ワード線WL2において
は、相補ビット線のうちの他方のビット線(反転側)D
0B〜D2Bとの交点に設けられる。以下、同様な繰り
返しによりメモリセルが配置される。このメモリセルの
配置は、ダイナミック型RAMのそれと同じくしてもよ
い。例えば、後述するように相補ビット線に対して2個
ずつのメモリセルを交互に配置するようにすれば、2の
メモリセルにおいて、アドレス選択用MOSFETQm
の一方のソース,ドレインを共通にでき、かつビット線
とのコンタクト部を1個で済むために、メモリセルアレ
イの高集積化が可能になる。
【0042】ダミーセルは、2個のメモリセルからな
り、アドレス選択用MOSFETのゲートは、2つのダ
ミーワード線DWL0とDWL1に接続されるのに対し
て、強誘電体キャパシタCsは、2個が並列に接続され
る。つまり、強誘電体キャパシタCsのプレート電極側
は必然的にプレート電圧Vcc/2が与えられることによ
り共通接続されているので、蓄積ノード側の電極が互い
に接続される。この蓄積ノード側の電極接続は、特に制
限されないが、アドレス選択用MOSFETの他方のソ
ース,ドレイン拡散層を共通に形成することにより実現
できる。
【0043】センスアンプは、上記相補ビット線D0T
とD0Bに接続される単位回路について説明すると、ゲ
ートとドレインとが互いに交差接続されてなるNチャン
ネル型MOSFETQ1,Q2と、ゲートとドレインと
が互いに交差接続されてなるPチャンネル型MOSFE
TQ3とQ4から構成される。上記Nチャンネル型MO
SFETQ1とQ2のソースは、ソース線SNに共通に
接続される。Pチャンネル型MOSFETQ3とQ4の
ソースは、ソース線SPに接続される。他の相補ビット
線D1T,D1B及びD2T,D2Bに設けられる同様
な単位回路も上記同様に構成され、Nチャンネル型MO
SFETのソースは対応する上記ソース線SNに接続さ
れ、Pチャンネル型MOSFETのソースは対応する上
記ソース線SPに接続される。
【0044】上記ソース線SNとSPには、センスアン
プが活性されるタイミングで回路の接地電位Vssと電源
電圧Vccがそれぞれに供給される。これらの動作電圧V
ssとVccは、Nチャンネル型とPチャンネル型からなる
パワースイッチMOSFETを介してそれぞれ供給され
る。つまり、上記センスアンプが活性化されるタイミン
グで、これらのパワースイッチMOSFETがオン状態
にされて、上記ソース線SNには接地電位Vssを与え、
上記ソース線SPには電源電圧Vccが与えられる。これ
らの動作電圧により、上記ラッチ形態のNチャンネル型
MOSFETQ1とQ2及びPチャンネル型MOSFE
TQ3とQ4は、相補ビット線D0TとD0Bの電位差
を増幅して電源電圧Vccと接地電位Vssを形成し、上記
相補ビット線D0TとD0Bに伝えるものである。上記
読み出し信号Vsig1又はVsig2と基準電圧Vref が上記
のように形成されることを除き、センスアンプの増幅動
作そのものはダイナミック型RAMと同様である。
【0045】プリチャージ回路は、相補ビット線D0T
とD0Bを短絡するNチャンネル型のスイッチMOSF
ETQ5と、上記相補ビット線D0TとD0Bにそれぞ
れプリチャージ電圧VPCを供給するNチャンネル型の
スイッチMOSFETQ6、Q7から構成される。他の
相補ビット線D1T,D1B及びD2T,D2Bにも上
記同様なプリチャージ用のスイッチMOSFETが設け
られ、これらのMOSFETQ5〜Q7等のゲートには
プリチャージ信号PCが供給される。
【0046】上記相補ビット線D0T,D0Bと共通入
出力線IOT,IOBとの間には、カラム選択用のスイ
ッチMOSFETQ8,Q9が設けられる。これらのス
イッチMOSFETQ8とQ9のゲートには、カラム選
択信号YS0が供給される。他の相補ビット線D1T,
D1B及びD2T,D2Bにも同様なカラムスイッチM
OSFETが設けられ、それぞれのゲートにはカラム選
択信号YS1及びYS2が供給される。
【0047】この実施例において、ワード線WL0が選
択されて、相補ビット線のうちの非反転側のビット線D
0T〜D2Tに接続されたメモリセルが選択されたとき
には、ダミーワード線DWL0が選択されて、上記ダミ
ーセルの2つのキャパシタ2Csは、反転側のビット線
D0B〜D2Bに接続されて上記基準電圧Vref を形成
する。ワード線WL1が選択されて、相補ビット線のう
ちの反転側のビット線D0B〜D2Bに接続されたメモ
リセルが選択されたときには、ダミーワード線DWL1
が選択されて、上記ダミーセルの2つのキャパシタ2C
sは、非反転側のビット線D0T〜D2Tに接続されて
上記基準電圧Vref を形成する。
【0048】つまり、ダミーワード線WDL0とダミー
ワード線DWL1は、上記のようにワード線の配列に対
して交互に設けられる構成では、0を含む偶数のワード
線WL0,WL2,WL4…が選択されたときには、ダ
ミーワード線DWL0が選択され、偶数のワード線WL
1,WL3,WL5…が選択されたときには、ダミーワ
ード線DWL1が選択される。
【0049】図7には、この発明に係る強誘電体メモリ
の読み出し動作の一例を説明するためのタイミング図が
示されている。メモリが非選択状態のときには、プリチ
ャージ信号PCがハイレベルにされ、上記MOSFET
Q5〜Q7がオン状態にされて、相補ビット線D0T,
D0B等には回路の接地電位Vssにされたプリチャージ
電圧VPCが与えられている。図示しないアドレス信号
の確定後にプリチャージ信号PCがハイレベルからロウ
レベルに変化し、プリチャージMOSFETQ5〜Q7
等はオフ状態にされる。これにより、相補ビット線D0
T,D0B等は上記寄生容量CDLに接地電位Vssを保
持している。
【0050】デコーダにおいて、上記アドレス信号を解
読してワード線WL0とダミーワード線DWL0を選択
する。これにより、相補ビット線D0TとD0Bには、
上記読み出し信号Vsig0又はVsig1と基準電圧Vref と
の電位差が現れる。特に制限されないが、ダミーセルの
強誘電体キャパシタ2Csに対して、分極の反転を伴う
ような書き換えが生じないようにダミーワード線DWL
0がロウレベルにされる。動作そのものには影響はない
が、強誘電体膜は、上記の分極の反転を繰り返すと特性
が劣化するので、センスアンプにより増幅した信号によ
りダミーセルに分極の反転を伴うような書き込みがなさ
れないようにするものである。
【0051】上記ダミーワード線DWL0をロウレベル
にした後に、センスアンプのソース線SNがロウレベル
(Vss)に、ソース線SPがハイレベル(Vcc)にされ
る。これにより、センスアンプの上記ラッチ形態の増幅
MOSFETQ1〜Q4が動作状態になり、上記相補ビ
ット線D0T,D0Bの電位差を増幅し、かかる相補ビ
ット線D0T,D0Bをハイレベル(Vcc)とロウレベ
ル(Vss)にする。
【0052】ワード線WL0は、電源電圧Vccに対して
アドレス選択用MOSFETQmのしきい値電圧以上に
昇圧された電圧Vchにされており、上記ビット線D0T
がハイレベル(Vcc)にされたなら、それがそのままキ
ャパシタCsの蓄積ノードに伝えられる。これにより、
例えばビット線D0Tのプリチャージ電圧(Vss) の印
加により、負側−Qrに分極が反転させられたのもが、
もとの記憶状態+Qrに回復させられる。もっとも、こ
の状態では上記電圧Vccが印加された状態であるので保
持電荷はそれに対応した電荷になっている。
【0053】センスアンプが非動作状態にされ、引き続
いてプリチャージ信号PCがハイレベルにされる。これ
により、相補ビット線D0TとD0Bのハイレベルとロ
ウレベルを短絡してVcc/2のプリチャージ電圧が形成
される。また、それ以前にプリチャージ電圧がVcc/2
に変化させられているので相補ビット線D0TとD0B
の電位も上記Vcc/2にされる。この結果、メモリセル
の蓄積ノードの電位がプレート電圧と同じVcc/2にな
り、メモリセルの保持電荷は自発分極Qr(又は−Q
r)にされる。これに同期して、ダミーワード線DWL
0が再びハイレベルにされ、ダミーセルの蓄積ノードも
上記プレート電圧と同じVcc/2になり、例えば−2Q
rのような自発分極の状態にされる。この後に、ワード
線WL0及びダミーワード線DWL0がロウレベルの非
選択状態にされる。プリチャージ電圧VPCも回路の接
地電位Vssにもどされて次のメモリアクセスに備える。
【0054】メモリセル及びダミーセルは、非選択状態
において上記のように蓄積ノードにプレート電圧と同じ
電圧に設定するものであるので、キャパシタの強誘電体
膜に電圧がかからず、それによるストレスの発生を防止
するものである。これにより、強誘電体膜の劣化を最小
に抑えることができるものとなる。書き込み動作は、上
記のように一度読み出してからビット線を入力データ線
に対応した電位にすることにより行われる。そして、上
記プリチャージ電圧VPCは、上記Vcc/2やVssのよ
うなメモリアクセスに必要とされるプリチャージ電圧の
他、上記誘電体膜回復動作のためにVccを供給できるよ
うにされるものである。そして、ワード線の選択レベル
は、膜回復動作のときにはVchのような昇圧レベルにさ
れる。
【0055】図8には、この発明に係る強誘電体メモリ
におけるメモリセル(ダミーセル)の一実施例の概略素
子構造断面図が示されている。この実施例のメモリセル
は、キャパシタが強誘電体キャパシタであることを除い
て基本的には、ダイナミック型メモリセルと類似の構成
とされる。ゲート絶縁膜とその上に形成された第1層目
のポリシリコン層によりワード線が構成されて、アドレ
ス選択用MOSFETQmが形成される。このアドレス
選択用MOSFETQmの一方のソース,ドレイン拡散
層は、2つのMOSFETにおいて共通化され、コンタ
クトホール(plug)を介して2層目ポリシリコン層
からなるビット線に接続される。
【0056】この実施例では、集積密度を高くするため
に、上記アドレス選択用MOSFETQmの上部に強誘
電体キャパシタが形成される。つまり、アドレス選択用
MOSFETQmの他方のソース,ドレインは、コンタ
トホールを対して強誘電体キャパシタCsの一方の電極
である蓄積電極に接続される。キャパシタCsは、蓄積
電極と強誘電体膜及び他方の電極から構成され、かかる
他方の電極に所望の電圧を供給するための共通プレート
線(プレート電極)に接続される。
【0057】上記素子形成領域上には、第1層目のアル
ミニュウム層M1や第2層目アルミニュウム層M2が形
成される。上記第1層目のアルミニュウム層M1は、特
に制限されないが、ワード線の抵抗値を減らすためにワ
ード線と所定の簡単で接続されるというワードシャント
として用いられる。第2層目のアルミニュウム層M2
は、特に制限されないが、Y選択信号線、電源電圧線等
に用いられる。なお、必要ならその上に第3層目のアル
ミュウム層M3が形成される。
【0058】上記強誘電体膜は、PZTが用いられ、両
側の電極は、Pt等合金が用いられる。この他、強誘電
体膜としてはBaMgF4 等を用いることができ、強誘
電体キャパシタの形成方法に関しては、例えば、雑誌
『セミコンダクタ・ワールド』1991年12月号、P
P.122−125に詳しく述べられている。
【0059】図9には、この発明に係る強誘電体メモリ
のメモリセルとダミーセルの一実施例のレイアウト図が
示されている。同図には、一対の相補ビット線D0T,
D0Bの他に、参考のために次の列のビット線D1Tが
例示的に示され、ワード線は7本が示されているが、そ
のうちの2本がダミーワード線として用いられる。つま
り、同図においては、メモリアレイの中間部に2本のダ
ミーワード線が配置される例が示されている。
【0060】従来のダイナミック型RAMのメモリアレ
イと同様に横方向に延長される対とされるビット線とワ
ード線の交点のうち、上記ビット線側からみれば1つの
置きのワード線との交点にメモリセルが配置される。こ
のため、ビット線とコンタクト部を中心にして2つのア
ドレス選択MOSFETが形成されので、対とされるビ
ット線ではコンタクト部が交互にずれて設けられる。
【0061】上記のようにコンタト部を中心にして2個
ずつ設けられるメモリセルのうち、片方ずつを利用し、
蓄積ノード側に下に設けられるアドレス選択用MOSF
ETのソース,ドレイン拡散層を互いに延ばして、相互
に接続するという簡単な構成により、相補のビット線D
0TとD0Bに共用できるダミーセルを形成することが
できる。この構成では、メモリセルと繰り返しパターン
の中にダミーセルを合理的に嵌め込むことができるので
メモリセルアレイの高集積化が可能になる。
【0062】図10には、この発明に係る強誘電体メモ
リの一実施例のブロック図が示されている。この実施例
の強誘電体メモリの入出力インターフェイスは、ダイナ
ミック型RAMの入出力インターフェイスに対応された
ものとされる。つまり、Xアドレス信号とYアドレス信
号は、共通のアドレス端子からロウアドレスストローブ
信号/RASとカラムアドレスストローブ信号/CAS
に同期して時系列的に入力される。
【0063】アドレスバッファを通して入力されたXア
ドレス信号とYアドレス信号とは、ラッチ回路にそれぞ
れ取り込まれる。ラッチ回路に取り込まれたXアドレス
信号は、行デコーダにより解読されてワード線WLとダ
ミーワード線DWLの選択信号が形成される。ワード線
の選択動作により、メモリアレイの相補ビット線には上
記のような読み出し信号が現れ、それをダミーワード線
の選択により形成された基準電圧を参照して、センスア
ンプにより増幅動作が行われる。ラッチ回路に取り込ま
れたYアドレス信号は、列デコーダにより解読されてビ
ット線DLの選択信号が形成される。
【0064】ビット線DLは、Yスイッチ回路(カラム
スイッチ回路)を介して、共通入出力線に接続されてメ
インアンプと接続される。このメインアンプは、特に制
限されないが、書き込み回路も兼ねたアンプとされる。
つまり、読み出し動作のときには、Yスイッチ回路を通
して読み出された読み出し信号を増幅して、出力バッフ
ァを通して外部端子I/Oから出力させる。書き込み動
作のときには、外部端子I/Oから入力された書き込み
信号が入力バッファを介して取り込まれ、メインアンプ
を介して共通入出力線及び選択ビット線に伝えられ、選
択ビット線では上記センスアンプの増幅動作により選択
ビット線が電圧Vcc又はVssにされて、メモリセルの強
誘電体キャパシタの分極の向きが決定される。
【0065】クロック発生回路は、上記Xアドレス信号
とYアドレス信号のラッチに必要なタイミング信号、言
い換えるならば、上記信号/RASと/CASに同期し
て入力されたアドレス信号の取り込み制御タイミング信
号や、センスアンプの動作タイミング信号等のように、
強誘電体メモリの動作に必要な各種のタイミング信号を
発生させる。また、上記信号/RASと/CAS及び/
WEと/OEの組み合わせにより、上記誘電体膜回復モ
ードを判別し、後述するワード線の多重選択を行うマル
チプレクサの制御を行う。上記信号/RASと/CAS
及び/WEと/OEの組み合わせは、/RASをロウレ
ベルにする前に/CASをロウレベルにすること、ある
いはそれに/WEのロウレベルを加える等通常のメモリ
セルに無い組み合わせが選ばれる。
【0066】内部電源発生回路は、電源端子から供給さ
れたVccとVssのような動作電圧を受け、上記プレート
電圧、Vcc/2のようなプリチャージ電圧、VccやVss
のような回復用プリチャージ電圧、ワード線の選択レベ
ルVchや必要に応じてマット選択信号の選択レベルに対
応した電圧を形成する。これらの電圧は、電源電圧Vcc
を分圧して形成するもの他、上記電源電圧Vcc又は分圧
電圧をチャージポンプ回路により昇圧して形成するもの
であってもよい。
【0067】そして、従来の強誘電体メモリやダイナミ
ック型RAMと大きく異なる点は、Xアドレス信号を取
り込むラッチ回路の出力部にマルチプレクサが設けられ
る点である。このマルチプレクサは、1つのワード線を
選択するような通常動作ときには外部端子から供給され
たアドレス信号に対して同相と逆相にされた相補アドレ
ス信号を行デコーダに伝えるが、上記のように2本ずつ
のワード線を同時選択状態にさせるときには、最下位ビ
ットの相補アドレス信号(非反転信号と反転信号)を共
に選択レベルにして行デコーダの上記最下位ビットのデ
コード動作を実質的に無効にさせる。
【0068】以下、同様に4本ずつのワード線を同時に
選択状態にさせるときには、下位2ビットの相補アドレ
ス信号を共に選択レベルにする。同様に8本ずつのワー
ド線を同時に選択状態にさせるときには、下位3ビット
の相補アドレス信号を共に選択レベルにする。このよう
に相補信号のうち逆相信号を正相信号に置き換えるとい
う簡単な信号伝達経路(マルチプレクサ)の切り替えに
より、上記のようなワード線の多重選択動作を行わせる
ものである。
【0069】ワード線の多重選択回路は、上記行デコー
ダを利用するもの他、単純にワード線に選択レベルを供
給するスイッチMOSFETを付加し、オン状態にさせ
るMOSFETを順次に増加させるという専用回路を設
けるものであってもよい。
【0070】図11には、この発明に係る強誘電体メモ
リの他の一実施例の概略回路図が示されている。同図に
は、2つのワード線WL0とWL1、2つのビット線D
L0とDL1、上記ワード線WL0,WL1とビット線
DL0,DL1の交点に設けられた4つのメモリセル
と、それらに関連する各回路が代表として例示的に示さ
れており、これらの各回路素子は、公知の半導体集積回
路の製造技術によって、単結晶シリコンのような1個の
半導体基板上において形成される。
【0071】メモリセルは、アドレス選択用MOSFE
TQmと情報記憶用の強誘電体キャパシタCsから構成
される。上記アドレス選択用MOSFETQmのゲート
は、ワード線WL0に接続される。上記アドレス選択用
MOSFETQmの一方のソース,ドレインは、ビット
線DL0に接続される。かかるMOSFETQmの他方
のソース,ドレインは、強誘電体キャパシタCsの一方
の電極である蓄積ノードに接続される。上記キャパシタ
Csの他方の電極には、プレート電圧が印加される。
【0072】特に制限されないが、上記キャパシタCs
の他方の電極は、共通接続されており、1/2VCL
(=0.5VCL)のようなプレート電圧が印加され
る。上記電圧1/2VCLは、上記強誘電体キャパシタ
Csにおける誘電体膜における分極を反転させるのに必
要な電圧である。つまり、プレート電圧を1/2VCL
に設定しておけば、ビット線DL0,DL1等を介して
蓄積ノードにVCLを印加すると正側の自発分極Qrを
生じさせ、ビット線DL0,DL1等を介して蓄積ノー
ドに0Vを印加すると負側の自発分極−Qrを生じさせ
ることができ、これにより記憶情報としての‘1’と
‘0’の書き込みが行える。
【0073】上記ビット線DL0とDL1には、第1の
プリチャージ回路としてMOSFETQ1とQ2が設け
られる。MOSFETQ1とQ2のゲートにはプリチャ
ージ信号φPCが印加され、かかるプリチャージ信号φ
PCにより上記MOSFETQ1とQ2がオン状態にさ
れたときに、上記ビット線DL0とDL1をプレート電
圧に対応したプリチャージ電圧1/2VCLにする。
【0074】上記ビット線DL0とDL1は、カラムス
イッチMOSFETQ3とQ4を介して共通ビット線I
Oに接続される。上記カラムスイッチMOSFETQ3
とQ4のゲートには、カラム選択信号YS0とYS1が
それぞれ印加されている。上記共通ビット線IOには、
第2のプリチャージ回路としてスイッチが設けられる。
かかるスイッチは、プリチャージ信号φPCによりスイ
ッチ制御され、共通データ線IOに対して、特に制限さ
れないが、1.5VCL(=3/2VCL)のようなプ
リチャージ電圧を供給する。
【0075】上記共通ビット線IOの読み出し信号は、
タイミング信号φAMPにより動作制御されるセンスア
ンプAMPにより増幅されて、図示しない出力回路を通
して読み出される。
【0076】上記キャパシタCDは、上記ビット線DL
0,DL1における寄生容量であり、キャパシタCOは
共通ビット線IOにおける寄生容量である。上記強誘電
体キャパシタCsにおける誘電体膜における分極を反転
させるのに必要な電圧1/2VCLを基準にして、上記
のようにキャパシタCDとCOのプリチャージ電圧をそ
れぞれ1/2VCLと3/2VCLのようにした場合、
選択された強誘電体キャパシタCsに対して1/2VC
Lのような電圧が印加されるようにするため、つまり、
強誘電体キャパシタCsのプレート電圧が1/2VCL
であるので、選択されたビット線と共通ビット線とが接
続されたときの電荷分散により決まるビット線及び共通
ビット線の電位がほぼVCL程度になるようにする場合
には、上記寄生容量CDとCOとの容量値がほぼ等しい
ように設定される。
【0077】読み出し動作の際には、次に説明する第2
図(A)のヒステリシス特性における自発分極Qrと式
の直線との交点に対応した蓄積ノードSNの電圧であ
ればよい。ビット線DL0,DL1に接続されるメモリ
セルの数とその配線長さ、共通ビット線IOに接続され
るカラムスイッチMOSFETの数とその配線長さによ
り決まる寄生容量が大きくアンバランスとなり、上記の
ような読み出し動作に必要な電圧を得るのに支障が生じ
るなら、ビット線又は共通ビット線のいずれか寄生容量
が小さくされる一方に不足分の容量値を補うような対応
したダミー容量を並列的に付加すればよい。
【0078】図12には、上記図11の強誘電体メモリ
の読み出し動作の原理を説明するための構成図が示され
ている。図12(A)には、強誘電体キャパシタにおけ
る強誘電体膜のヒステリシス特性が示され、図12
(B)には、読み出し原理を説明するための等価回路が
示されている。
【0079】図12(A)ヒステリシス特性において、
Qrは‘1’記憶に対応した自発分極であり、−Qrは
‘0’記憶に対応した自発分極である。等価回路におい
て、Vsは強誘電体膜への印加電圧であり、COは共通
ビット線IOの寄生容量、CDはビット線の寄生容量で
ある。そして、Csは、強誘電体キャパシタの容量を表
している。
【0080】図12(B)等価回路において、プリチャ
ージ期間にビット線の寄生容量CDには1/2VCLが
プリチャージされ、共通ビット線IOの寄生容量COに
はプリチャージ電圧VPCとして例えば3/2VCLが
プリチャージされる。
【0081】ワード線の選択によりアドレス選択用MO
SFETQmがオン状態にされても、強誘電体キャパシ
タCsの両電極間には同じ1/2VCLが印加され、上
記(A)ヒステリシス特性の自発分極Qr又は−Qrの
状態にある。
【0082】カラムスイッチ選択により、ビット線と共
通ビット線とが接続されると、上記寄生容量CDとCO
の電荷分散が生じて誘電体膜にはVsの電圧が印加され
る。このときの電荷量をQs1 又はQs0 とすると、次
式とが成立する。
【0083】上記自発分極がQr(‘1’)のとき(非
反転)、 Qs1 −Qr=−(CD+CO)Vs1 +COVCL ・・・・ 上記自発分極が−Qr(‘0’)のとき(反転)、 Qs0 +Qr=−(CD+CO)Vs0 +COVCL ・・・・
【0084】上記プリチャージ電圧3/2VCLをプリ
チャージ電圧VPCとして表すなら、上記式とは、
次式とのように表すことができる。上記自発分極が
Qr(‘1’)のとき(非反転)、Qs1 −Qr=−
(CD+CO) ×〔Vs1 −(CO(VPC−VCL/2))/(CD+CO)〕・・・ 上記自発分極が−Qr(‘0’)のとき(反転)、Qs
0 +Qr=−(CD+CO) ×〔Vs0 −(CO(VPC−VCL/2))/(CD+CO)〕 ・・
【0085】図12(A)ヒステリシス特性において、
上記式の直線との交点に対応した蓄積ノードSNにお
ける電圧Vsig1と、式の直線との交点に対応した蓄積
ノードSNにおける電圧Vsig0とがビット線及び共通ビ
ット線に現れる。この読み出し電圧Vsig1とVsig0との
中点に参照電圧Vref を設定して、これを用いてセンス
アンプAMPで上記読み出し電圧Vsig1又はVsig0をセ
ンスすることにより、読み出し信号が得られる。なお、
上記分極が反転したときには、記憶状態が−QrからQ
rのように反転しているので、もとの状態に戻すために
同図では、省略しているが書き込み回路が設けられる。
この書き込み回路は、上記センスアンプの増幅信号又は
それ自身が共通ビット線の信号を増幅させて、かかるビ
ット線を介して蓄積ノードSNの0Vにして、ものと自
発分極−Qrの状態に戻すようにするものである。
【0086】従来のダイナミック型RAMにおけるアド
レス選択方式では、ワード線WLを選択すると、それに
接続された全てのメモリセルの記憶情報が上記ビット線
DLに現れる。つまり、ワード線に接続された全てのメ
モリセルの記憶情報がビット線に破壊的に読み出されて
しまうために、ビット線の電位をセンスアンプSAによ
り増幅してもとのメモリセルに再書き込みを行う必要が
あり、非選択のメモリセルに対応したセンスアンプも活
性化させることになる。したがって、非選択ビット線に
も充放電電流が発生して消費電流を多くしてしまう。ま
た、隣接ビット線の充放電動作による電位変化に対応し
て、ビット線間の干渉ノイズが大きく、読み出しマージ
ンが小さくなってしまうという問題が生じる。
【0087】この発明に係る強誘電体メモリにおけるア
ドレス選択方式では、ワード線WLを選択しても上記の
ようにビット線DLのプリチャージ電圧とメモリセルの
キャパシタのプレート電圧とが同電位であるために分極
の反転が生じることなく、実質的なメモリセルの選択動
作は行われない。Y選択信号により1つのビット線DL
を共通ビット線IOに接続させることにより、共通ビッ
ト線のプリチャージ電圧と選択ビット線のプリチャージ
電圧の電荷分散により、かかる選択ビット線のみが活性
化され、それ以外のビット線は上記の非活性のままとさ
れる。これにより、この発明に係る不揮発性記憶装置で
は、上記選択されたワード線と選択されたビット線の交
点に設けられた選択セルだけが、いわば従来の方式を1
次元的選択(線選択)とするならば、点選択、つまり、
ピンポイント的な選択を行うようにすることができる。
【0088】このことは、図11に示したメモリセルア
レイにおいて、4個のメモリセルのうち、選択された1
つのメモリセルのみが選択され、残りの3個のメモリセ
ルは情報非破壊セルとなることを意味している。このよ
うなピンポイント的な選択においては、選択ビット線の
みで電位変化に対応した電流消費が行われないから極め
て低消費電力にできる。隣接ビット線の充放電動作によ
る電位変化に対応したビット線間の干渉ノイズも小さく
なり、読み出しマージンを大きくすることができる。
【0089】図13には、この発明に係る強誘電体メモ
リの他の一実施例の回路図が示されている。同図には、
代表としてメモリセルアレイ部及びその周辺回路が示さ
れている。特に制限されないが、この実施例では、メモ
リセルアレイは、互いに同じ構成にされた2つのメモリ
マットMMAT0,MMAT1に分けられる。同図に
は、そのうちのメモリマットMMAT0の回路が代表と
して示され、メモリマットMMAT1はメモリセルアレ
イ部がブラックボックスにより示されている。
【0090】この実施例では、読み出しマージンを大き
くするために、メモリマットMMAT0においては、2
つのメモリセルにより1ビットの記憶回路が構成され
る。つまり、ビット線は非反転ビット線DLT0と反転
ビット線DLB0と対とされる相補ビット線とされる。
例示的に示されている他の相補ビット線DLT1,DL
B1及びDLT2,DLB2も同様である。
【0091】上記相補ビット線DLT0,DLB0とワ
ード線WL0の交点には、アドレス選択用MOSFET
と強誘電体キャパシタからなるメモリセルMC00Tと
MC00Bが一対として設けられる。上記相補ビット線
DLT0,DLB0と他のワード線WL1、及び他の相
補ビット線DLT1,DLB1及びDLT2,DLB2
と上記各ワード線WL1,WL2の交点においても、上
記一対のメモリセルが設けられ、それぞれ1ビットの記
憶回路として機能させられる。
【0092】上記相補ビット線DLT0,DLB0に
は、第1のプリチャージ回路として、MOSFETQ1
0、Q11及びQ12が設けられる。MOSFETQ1
0は、上記相補ビット線DLT0,DLB0を短絡し、
MOSFETQ11とQ12は、それぞれビット線DL
T0,DLB0に前記のようなプリチャージ電圧VPC
を供給する。つまり、上記メモリセルのプレート電圧V
PLと上記プリチャージ電圧VPCとは、互いに等しく
される。他の相補ビット線DLT1,DLB1及びDL
T2,DLB2にも上記同様な第1のプリチャージ回路
を構成するMOSFETが設けられる。
【0093】上記相補ビット線DLT0,DLB0は、
Y選択信号YS0によりスイッチ制御されるカラムスイ
ッチMOSFETQ30とQ31を介してサブ共通相補
ビット線CIOT0,CIOB0に接続される。他の相
補ビット線DLT1,DLB1及びDLT2,DLB2
も、上記同様なカラムスイッチMOSFETを介して上
記サブ共通相補ビット線CIOT0,CIOB0に接続
される。
【0094】上記サブ共通相補ビット線CIOT0,C
IOB0は、マット選択信号MAT0によりスイッチ制
御されるマット選択スイッチMOSFETQ5とQ6を
介して共通ビット線CIOT,CIOBに接続される。
他のメモリマットMMAT1に対応されたサブ共通相補
ビット線CIOT1,CIOB1も、マット選択信号M
AT1によりスイッチ制御されるマット選択スイッチM
OSFETを介して共通ビット線CIOT,CIOBに
接続される。
【0095】共通相補ビット線CIOT,CIOBに
は、特に制限されないが、IO線ダミー容量と第2のプ
リチャージ回路及びアンプ回路が設けられる。上記第2
のプリチャージ回路は、プリチャージ信号PCIによ
り、上記共通相補ビット線CIOT,CIOB、サブ共
通相補ビット線CIOT0,CIOB0及びCIOT
1,CIOB1をプリチャージ電圧VPCIにプリチャ
ージさせる。後述するような読み出し動作に必要な電圧
に対して、上記ビット線と共通ビット線との間の容量の
バランスが採れるなら、上記ダミー容量は省略できるも
のである。
【0096】アンプ回路は、読み出し用のセンスアンプ
と、書き込み用のライトアンプから構成される。アンプ
回路は、読み出しモードのときには相補入出力線MIO
TとMIOBに対して相補の読み出し信号を送出し、書
き込みモードのときには相補入出力線MIOTとMIO
Bに伝えられた書き込み信号を、共通相補ビット線CI
OT,CIOB及び選択されたサブ共通相補ビット線C
IOT0,CIOB0又はCIOT1,CIOB1を介
して選択ビット線に伝えて書き込み動作を行わせる。
【0097】上記アンプ回路に含まれるライトアンプ
は、上記のような書き込み動作の他、特に制限されない
が、読み出し動作のときにも動作させられる。この場合
には、上記センスアンプの出力信号を受け、あるいは共
通相補ビット線CIOT,CIOBの電位差を拡大させ
るような正帰還増幅動作を行う。これにより、読み出し
に際して自発分極の向きが反転させられる強誘電体キャ
パシタの分極の向きがもとの状態に戻される。
【0098】この実施例では、一対のメモリセルMC0
0TとMC00Bとを用い、相補的なデータ保持を行わ
せる。例えば、メモリセルMC00Tに自発分極Qr
(‘1’)を記憶させたなら、メモリセルMC00Bに
自発分極−Qr(‘0’)を記憶させる。これは、書き
込みのときに非反転ビット線DLT0にハイレベル(V
CL)を供給したなら、反転ビット線DLB0にロウレ
ベル(0V)を供給することにより行われる。
【0099】このような相補的に自発分極Qrと−Qr
を生じさせた場合には、上記相補ビット線DLT0とD
LB0には前記第2図(A)に示された読み出し電圧V
sig1とVsig0の電圧差として取り出すことができ、差動
のセンスアンプにより増幅するだけで読み出し信号を得
ることができる。つまり、前記のようにVsig1とVsig0
を区別するための参照電圧Vref が不用となる。
【0100】上記図13に示された実施例回路の概略動
作は次の通りである。メモリが非選択状態のときプリチ
ャージ信号PC0はハイレベルであり、第1のプリチャ
ージ回路は、例示的に示されている相補ビット線DLT
0,DLB0をプレート電圧VPLと同じ1/2VCL
にプリチャージする。このときには、メモリマット選択
信号MAT0,MAT1はVmhのようなハイレベルに
されており、プリチャージ信号PC1のハイレベルによ
り、図示しない共通相補ビット線IOT,IOBに設け
られた第2のプリチャージ回路は、かかる共通相補ビッ
ト線IOT,IOBとメモリマット選択スイッチMOS
FETを介して上記サブ共通相補ビット線DLT0,D
LB0(DLT1,DLB1も同じ)を電圧Vhhのよ
うなハイレベルにプリチャージさせる。例えば、前記の
ようにVhhを3/2VCLにするなら、上記メモリマ
ット選択信号MAT0,MAT1のハイレベル(Vm
h)は、3/2VCL+Vth(メモリマット選択スイ
ッチMOSFETのしきい値電圧である。)のような高
いレベルにされる。
【0101】メモリが選択状態にされると、上記プリチ
ャージ信号PC0とPC1は、ハイレベルからロウレベ
ルになり、プリチャージ動作が終了して上記相補ビット
線DLT0,DLB0及びサブ共通相補ビット線CIO
T0,CIOB0は、フローティング状態で上記プリチ
ャージ電圧を維持している。
【0102】アドレス信号の入力により、デコーダ回路
においてメモリマットMMAT0が選択されると、非選
択側のメモリマットMMAT1に対応したメモリマット
選択信号MAT1がハイレベルからロウレベルに変化し
て、メモリマットMMAT1が共通相補ビット線CIO
T,CIOBから切り離される。
【0103】選択されたメモリマットMMAT0では、
ワード線WL0がロウレベルからハイレベルに変化す
る。このワード線の選択レベルは、Vchとされ、前記
のようにハイレベルの書き込み信号がVCLなら、上記
Vchは、VCL+Vth(アドレス選択用MOSFE
TQmのしきい値電圧)のようなレベルにされる。ここ
で注目すべきは、上記のようにワード線WL0を選択状
態にして、メモリセルの強誘電体キャパシタCsとビッ
ト線DLT0,DLB0等に接続しても、ビット線DL
T0,DLB0のプリチャージ電圧VPCが、上記プレ
ート電圧VPLと同じ1/2VCLであるので、実質的
なメモリセルの読み出し動作が行われないことである。
【0104】カラム選択信号YS0がハイレベルになる
と、上記相補ビット線DLT0,DLB0とサブ共通相
補ビット線CIOT0,CIOB0とが接続されて、両
者のプリチャージ電圧に対応した保持電荷の分散(分
配)が行われて、相補ビット線DLT0,DLB0及び
サブ共通相補ビット線CIOT0,CIOB0の電位が
VCLに近い電位に変化する。
【0105】このとき、相補ビット線DLT0,DLB
0ではメモリセルMC00TとMC00Bの自発分極が
Qrと−Qrのようにされているので、それに対応した
電圧Vsig1とVsig0のような微小な電圧差となる。上記
のような相補ビット線DLT0,DLB0の電位差に対
応してサブ共通相補ビット線CIOT0,CIOB0に
も同様な電位差が現れる。
【0106】センスアンプの活性化信号AMPがハイレ
ベルにされると、センスアンプが増幅動作を開始して上
記差電圧を増幅させる。このセンスアンプとして、例え
ば、後述するようなダイナミック型RAMに設けられた
センスアンプのようにCMOSラッチ回路を利用したも
のでは、その正帰還増幅動作により、上記サブ共通相補
ビット線CIOT0,CIOB0の電位差を拡大させる
ような増幅動作も併せて行う。
【0107】上記センスアンプが単なる差動増幅回路で
あるなら、その増幅信号が書き込み回路に供給され、書
き込み回路により上記サブ共通相補ビット線CIOT
0,CIOB0の電位差が拡大させられる。このような
サブ共通相補ビット線CIOT0,CIOB0の電位差
が拡大に対応して相補ビット線DLT0,DLB0の電
位差も拡大し、メモリセルMC00Bのように、自発分
極が−Qrであるものに対しては、上記の読み出し動作
により分極の反転が生じてしまっているので、ビット線
DLB0が上記増幅信号のロウレベル(0V)にされる
ことにより、もとの自発分極−Qrの状態に戻される。
【0108】以後、上記センスアンプの増幅信号が図示
しない出力回路を通して出力されると、ワード線WL
0,カラム選択信号YS0がハイレベルからロウレベル
にされてメモリ非選択状態にされる。そして、このメモ
リ非選択状態により、プリチャージ信号PC0とPC1
がハイレベルに、及び上記非選択のメモリマット選択信
号MAT1もハイレベルに戻されてプリチャージ動作が
開始される。
【0109】上記のようなピンポイントの読み出しが可
能な強誘電体メモリでは、ビット線毎の誘電体膜回復動
作を行わせることができる。つまり、上記のようにカラ
ムスイッチMOSFETをオン状態にしたもののみが、
ビット線を介してメモリセルに接続される。したがっ
て、共通相補ビットCIOT0,CIOB0に設けラレ
たプリチャージ回路に、上記膜回復用のVccとVssのプ
リチャージ電圧を供給するようにし、ダミー容量を上記
ビット線容量を含めて適当に設定する。これにより、例
えばカラムスイッチMOSFETQ30とQ31をオン
状態にして共通相補ビットCIOT0,CIOB0に接
続された相補ビット線DLT0とDLB0に接続された
メモリセルに対してのみ上記段階的なワード線の選択動
作によりメモリセルのキャパシタに減衰パルスを印加し
て誘電体膜回復動作を行わせることができる。
【0110】このとき、ビット線に設けられるプリチャ
ージ回路のMOSFETQ10〜Q12等は、プリチャ
ージ信号PCのロウレベルによりオフ状態にされ、非選
択のビット線に設けられたメモリセルは、上記ワード線
の多重選択には無関係にビット線がプレート電圧と同じ
くされて非選択状態に置かれるものである。あるいは、
プリチャージ信号PCをハイレベルにし、プリチャージ
電圧VPCをハイインピーダンス状態にするものであっ
てもよい。
【0111】上記強誘電体メモリでは、メモリマットを
全面的に初期化する際には、上記相補ビット線に設けら
れたプリチャージ回路が利用される。このプリチャージ
回路のプリチャージ電圧VPCを前記のようにVccとV
ssに切り替え、上記ワード線の多重選択によりビット線
とメモリセルとの間での電荷分散によりメモリマット単
位での初期化ができることは前記と同様である。
【0112】図14には、この発明に係る強誘電体メモ
リを用いたマイクロコンピュータの一実施例の概略ブロ
ック図が示されている。この実施例では、この発明に関
係のあるマイクロプロセッサMPUとメモリコントロー
ラ及び強誘電体メモリが代表として例示的に示されてい
る。実際のマイクロコンピュータシステムは、強誘電体
メモリの他に、ダイナミック型RAM等によるメインメ
モリ、プログラム等が書き込まれたROM、あるいは表
示装置、キーボード等の入出力装置の他に、外部記憶装
置や通信装置等が設けられるが、この発明に直接関係が
ないのでこれらの周辺回路は省略されている。
【0113】メモリコントローラは、システムバス上に
接続され、メモリバスに接続された複数の強誘電体メモ
リの制御を行う。このメモリコントローラには、特に制
限されないが、マイクロプロセッサMPUの指示に従
い、強誘電体メモリの誘電体膜回復動作を行うための一
連の動作シーケンスがプログラムされている。
【0114】すなわち、マイクロプロセッサMPUより
特定の強誘電体メモリに対して初期化が指示されると、
メモリコントローラはかかる強誘電体メモリに記憶され
た記憶情報を別の強誘電体メモリにメモリバスを通して
退避させる。このように退避させられるメモリとして強
誘電体メモリを用いること他、ダイナミック型RAM等
やスタティック型RAMのような揮発メモリを用いるも
のであってもよい。
【0115】上記記憶データの退避が行われると、強誘
電体メモリに対して誘電体膜回復モードが指示され、上
記プリチャージ回路は誘電体膜回復モードに従った電圧
VccとVssを供給するようにされる。メモリコトローラ
は、アドレス信号を発生させて上記ワード線の選択動作
に必要なアドレス信号を供給する。この場合、強誘電体
メモリ自身が自動的に多重選択のためのアドレス信号を
無効にするようにしてもよいし、メモリコントローラか
らアドレス入力を2回に分けて入力するようにし、最初
のアドレス入力では無効にするビット数を指定し、その
後にワード選択のためのアドレスを入力するようにして
もよい。
【0116】特に制限されないが、上記強誘電体メモリ
は一対とされており、上記データの退避が行われた他方
の強誘電体メモリに対して以後メモリアクセスが行われ
る。かかる強誘電体メモリにおいて膜疲労あるいは膜劣
化が生じるであろう回数だけメモリアクセスしたなら、
上記初期化された一方の強誘電体メモリにデータを再び
退避させて、上記他方の強誘電体メモリの初期化を行う
ようにしてもよい。このように一対の強誘電体メモリを
交互に使用することにより、強誘電体メモリの長寿命化
を実現できる。このように強誘電体メモリをシステム上
において初期化できるという機能は、ICカードのよう
にシステムから切り離せない状態で実装される場合にお
いて有効となる。
【0117】上記の実施例から得られる作用効果は、下
記の通りである。すなわち、 (1) アドレス選択用MOSFETと強誘電体膜又は
高誘電体膜を用いたキャパシタからなり、上記アドレス
選択用MOSFETのゲートが対応するワード線に接続
され、上記アドレス選択用MOSFETの一方のソー
ス,ドレインが対応するビット線に接続され、他方のソ
ース,ドレインが上記キャパシタの一方の電極に接続さ
れ、上記キャパシタの他方の電極には動作電圧のほぼ中
間電位にされたプレート電圧が印加されてなる複数のメ
モリセルに対して、上記ビット線を第1の回復用プリチ
ャージ電圧に設定して1つのワード線を選択して上記キ
ャパシタに上記ビット線の第1の回復用プリチャージ電
圧を与え、上記ビット線を第2の回復用プリチャージ電
圧に設定して1つのワード線を選択して上記キャパシタ
に上記ビット線の第2の回復用プリチャージ電圧を与
え、次いで同時に選択されるワード線の数を段階的に増
加させて同様な動作を繰り返して上記ビット線に付属す
る容量とそれと並列に接続されるキャパシタとの間の電
荷分散による電圧により誘電体膜劣化ないし疲労を回復
させる減衰パルスを発生させることができるという効果
が得られる。
【0118】(2) 上記により強誘電体メモリをマイ
クロコンピュータ等のシステムに実装した状態において
も初期化が可能になり、物理的にシステムから切り離せ
ない状態で使用されるICカード等において有益なもの
となるという効果が得られる。
【0119】(3) 上記共通ビット線に対して容量を
付加し、かかる容量に上記第1の回復用プリチャージ電
圧と第2の回復用プリチャージ電圧を与えるとともに、
ビット線に設けられるプリチャージ回路を誘電体膜回復
動作モードのときには非動作状態にするようすることに
より、誘電体膜回復動作を行うビット線に対応したカラ
ムスイッチMOSFETをオン状態にしてかかるビット
線に設けられたメモリセルの初期化を行うことができる
という効果が得られる。
【0120】以上本発明者よりなされた発明を実施例に
基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記
複数のワード線と複数のビット線からなるメモリマット
あるいはメモリブロックは複数からなり、かかる複数の
メモリマットあるいはメモリブロックにおいて、同時に
上記初期化を行うようにするものであってもよい。この
ようなメモリマットあるいはメモリブロックの同時初期
化により短い時間内に大きな記憶容量を持つ強誘電体メ
モリあるいは高誘電体キャパシタを用いたダイナミック
型RAMの初期化を行わせることができる。
【0121】上記強誘電体メモリセルの読み出しあるい
は書き込み方法は、上記実施例のようにキャパシタのプ
レートに中点電圧を印加するようなものであれば何であ
ってもよい。この発明は、強誘電体メモリ、シャドーR
AMあるいは高誘電体キャパシタを用いたダイナミック
型RAMのような半導体記憶装置と誘電体膜回復方法と
して広く利用できる。
【0122】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、アドレス選択用MOSFE
Tと強誘電体膜又は高誘電体膜を用いたキャパシタから
なり、上記アドレス選択用MOSFETのゲートが対応
するワード線に接続され、上記アドレス選択用MOSF
ETの一方のソース,ドレインが対応するビット線に接
続され、他方のソース,ドレインが上記キャパシタの一
方の電極に接続され、上記キャパシタの他方の電極には
動作電圧のほぼ中間電位にされたプレート電圧が印加さ
れてなる複数のメモリセルに対して、上記ビット線を第
1の回復用プリチャージ電圧に設定して1つのワード線
を選択して上記キャパシタに上記ビット線の第1の回復
用プリチャージ電圧を与え、上記ビット線を第2の回復
用プリチャージ電圧に設定して1つのワード線を選択し
て上記キャパシタに上記ビット線の第2の回復用プリチ
ャージ電圧を与え、次いで同時に選択されるワード線の
数を段階的に増加させて同様な動作を繰り返して上記ビ
ット線に付属する容量とそれと並列に接続されるキャパ
シタとの間の電荷分散による電圧により誘電体膜劣化な
いし疲労を回復させる減衰パルスを発生させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る誘電体膜回復方法を説明するた
めの構成図である。
【図2】この発明に係る半導体記憶装置における誘電体
膜回復動作の一例を説明するための波形図である。
【図3】本願発明に係る誘電体膜回復動作時のキャパシ
タ特性図である。
【図4】この発明が適用される強誘電体メモリの要部一
実施例を示す回路図である。
【図5】図4のメモリセルとダミーセルの動作原理を説
明するためのV−Q特性図である。
【図6】この発明に係る強誘電体メモリの一実施例を示
す回路図である。
【図7】この発明に係る強誘電体メモリの読み出し動作
の一例を説明するためのタイミング図である。
【図8】この発明に係る強誘電体メモリにおけるメモリ
セル(ダミーセル)の一実施例を示す概略素子構造断面
図である。
【図9】この発明に係る強誘電体メモリのメモリセルと
ダミーセルの一実施例を示すレイアウト図である。
【図10】この発明に係る強誘電体メモリの一実施例を
示すブロック図である。
【図11】この発明に係る強誘電体メモリの他の一実施
例を示す概略回路図である。
【図12】図11の強誘電体メモリの読み出し動作の原
理を説明するための構成図である。
【図13】この発明に係る強誘電体メモリの他の一実施
例を示す回路図である。
【図14】この発明に係る強誘電体メモリを用いたマイ
クロコンピュータの一実施例を示す概略ブロック図であ
る。
【図15】強誘電体キャパシタにおける誘電体膜劣化な
いし疲労を説明するための特性図である。
【図16】強誘電体キャパシタにおける誘電体膜劣化を
説明するための特性図である。
【符号の説明】
Qm…アドレス選択MOSFET、Cs…キャパシタ、
Cd,CDL…ビット線容量、D0T,DOB…相補ビ
ット線、WL0…ワード線、DWL0,DWL1…ダミ
ーワード線、SN,SP…ソース線、IOT,IOB…
共通入出力線、Q1〜Q31…MOSFET、DL0,
DL1…ビット線、DLT0〜DLB2…相補ビット
線、ICOT0,ICOB0…サブ共通ビット線、CI
OT,CIOBD…共通ビット線、MMAT0,MMA
T1…メモリマット、AMP…アンプ、MPU…マイク
ロプロセッサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/8247 29/788 29/792 (72)発明者 木村 勝高 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のワード線と、 複数のビット線と、 上記ワード線と上記ビット線との交点にそれぞれ配置さ
    れ、アドレス選択用MOSFETと強誘電体膜又は高誘
    電体膜を用いたキャパシタからなり、上記アドレス選択
    用MOSFETのゲートが対応するワード線に接続さ
    れ、上記アドレス選択用MOSFETの一方のソース,
    ドレインが対応するビット線に接続され、他方のソー
    ス,ドレインが上記キャパシタの一方の電極に接続さ
    れ、上記キャパシタの他方の電極には動作電圧のほぼ中
    間電位にされたプレート電圧が印加されてなる複数のメ
    モリセルと、 上記ビット線に対してメモリアクセスのためのプリチャ
    ージ電圧の他に、上記強誘電体膜又は高誘電体膜の劣化
    ないし疲労回復を行うための動作電圧側に対応した第1
    の回復用プリチャージ電圧と上記接地電位側に対応した
    第2の回復用プリチャージ電圧を選択的に供給するプリ
    チャージ回路と、 上記複数のワード線のうちの1つのワード線を選択する
    ことの他、同時に選択されるワード線の数を段階的に増
    加させる機能を持つようにされたワード線選択回路とを
    備え、 誘電体膜回復動作モードの指定より、 上記ビット線を第1の回復用プリチャージ電圧に設定し
    て1つのワード線を選択して上記メモリセルのキャパシ
    タに上記ビット線の第1の回復用プリチャージ電圧を与
    え、上記ビット線を第2の回復用プリチャージ電圧に設
    定して1つのワード線を選択して上記メモリセルのキャ
    パシタに上記ビット線の第2の回復用プリチャージ電圧
    を与える第1動作と、 上記第1動作のうち同時に選択されるワード線の数を段
    階的に増加させて同様な動作を繰り返すようにして上記
    メモリセルのキャパシタに対して正負の減衰パルスを供
    給させてなる誘電膜劣化回復動作モードを持つことを特
    徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 複数のワード線と、 複数のビット線と、 上記ワード線と上記ビット線との交点にそれぞれ配置さ
    れ、アドレス選択用MOSFETと強誘電体キャパシタ
    からなり、上記アドレス選択用MOSFETのゲートが
    対応するワード線に接続され、上記アドレス選択用MO
    SFETの一方のソース,ドレインが対応するビット線
    に接続され、他方のソース,ドレインが強誘電体キャパ
    シタの一方の電極に接続され、上記強誘電体キャパシタ
    の他方の電極には接地電位を基準にして強誘電体膜の分
    極の反転に必要な所定のプレート電圧が印加されてなる
    複数のメモリセルと、 上記ビット線に対してメモリアクセスのためのプリチャ
    ージ電圧の他に、誘電体膜の劣化ないし疲労回復を行う
    ための動作電圧側に対応した第1の回復用プリチャージ
    電圧と上記接地電位に対応した第2の回復用プリチャー
    ジ電圧を選択的に供給するプリチャージ回路と、 上記複数のワード線のうちの1つのワード線を選択する
    ことの他、同時に選択されるワード線の数を段階的に増
    加させる機能を持つようにされたワード線選択回路とを
    備え、 誘電体膜回復動作モードの指定より、 上記ビット線を第1の回復用プリチャージ電圧に設定し
    て1つのワード線を選択して上記強誘電体キャパシタに
    上記ビット線の第1の回復用プリチャージ電圧を与え、
    上記ビット線を第2の回復用プリチャージ電圧に設定し
    て1つのワード線を選択して上記強誘電体キャパシタに
    上記ビット線の第2の回復用プリチャージ電圧を与える
    第1動作と、 上記第1動作のうち同時に選択されるワード線の数を段
    階的に増加させて同様な動作を繰り返すようにして上記
    強誘電体キャパシタに対して正負の減衰パルスを供給さ
    せてなる誘電膜劣化回復動作モードを持つことを特徴と
    する半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 上記ビット線は一対の平行に配置されて
    なる複数の相補ビット線からなり、上記メモリセルは上
    記ワード線と上記相補ビット線の一方との交点にそれぞ
    れ配置されるものであり、 上記相補ビット線には第1と第2のダミーワード線が設
    けられ、かかる相補ビット線の一方と上記第1と第2の
    ダミーワード線との交点には上記メモリセルと同一の素
    子構造とされたアドレス選択用MOSFETと強誘電体
    キャパシタからなり、上記アドレス選択用MOSFET
    のゲートが上記対応する第1又は第2のダミーワード線
    のいずれか一方に接続され、上記アドレス選択用MOS
    FETの一方のソース,ドレインが対応する相補ビット
    線の一方に接続され、他方のソース,ドレインが強誘電
    体キャパシタの一方の電極に接続され、上記強誘電体キ
    ャパシタの他方の電極には上記プレート電圧が印加さ
    れ、かつ上記アドレス選択用MOSFETの他方のソー
    ス,ドレインが共通接続されてなる第1と第2のダミー
    セルが配置され、 上記メモリアクセスのためのプリチャージ電圧は、相補
    ビット線に所定のプリチャージ電圧を与え、かかるプリ
    チャージ電圧をワード線及びダミーワード線が選択され
    たメモリセル及びダミーセルに与えて、相補ビット線に
    読み出し信号を得るとともに、かかる読み出し終了後に
    上記プレート電圧にほぼ等しい電圧を与え、メモリ選択
    動作終了後に上記プリチャージ電圧を与えるものであ
    り、 上記ワード線とそれに対応した第1又は第2のダミーワ
    ード線の選択により、相補ビット線に読み出されたメモ
    リセルとダミーセルからの読み出し信号を接地電位のよ
    うなロウレベルと上記プレート電圧のほぼ2倍にされた
    ハイレベルに増幅し、かかる増幅信号を上記相補ビット
    線に伝えるラッチ回路を含むセンスアンプが設けられて
    なることを特徴とする請求項2の半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 上記プレート電圧は、電源電圧の1/2
    の電圧にされるものであり、 上記メモリアクセスのためのプリチャージ電圧は、相補
    ビット線を短絡する第1のMOSFETと、回路の接地
    電位と上記プレート電圧に対応した電圧とを上記メモリ
    アクセスのためのメモリセルの選択動作に対応させて変
    化させられたプリチャージ電圧と、上記誘電膜回復動作
    のための第1回復プリチャージ電圧及び第2回復プリチ
    ャージ電圧として上記電源電圧と上記接地電位を上記相
    補ビット線にそれぞれ伝える第2と第3のMOSFET
    からなり、そのゲートが共通化されてプリチャージ信号
    が供給されるものであることを特徴とする請求項3の半
    導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 上記ビット線にはY選択信号によりスイ
    ッチ制御されるカラムスイッチMOSFETを介して共
    通ビット線が設けられ、 上記メモリアクセスのためのプリチャージ電圧は、ビッ
    ト線を上記プレート電圧とほぼ同じ電圧にプリチャージ
    させるものであり、 上記共通ビット線には上記メモリセルの強誘電体キャパ
    シタに読み出しに必要な電位を与えるようなプリチャー
    ジ電圧を供給する共通ビット線プリチャージ回路が設け
    られ、 上記共通ビット線には、その電位変化をセンスするセン
    スアンプと上記共通ビット線に書き込み信号を伝える書
    き込み回路とが設けられ、 メモリセルの非選択状態のときに上記ビット線及び共通
    ビット線に対してプリチャージ動作を行い、 上記ワード線の選択動作によるアドレス選択用MOSF
    ETのオン状態と、Y選択動作によるカラムスイッチM
    OSFETのオン状態とにより強誘電体キャパシタと選
    択ビット線及び共通ビット線とを接続したときの電荷分
    散により強誘電体キャパシタの読み出しに必要な電圧を
    印加し、自発分極の方向に対応した信号の読み出しを行
    うものであることを特徴とする請求項2の半導体記憶装
    置。
  6. 【請求項6】 上記共通ビット線に対して容量が付加さ
    れて、かかる容量に上記第1の回復用プリチャージ電圧
    と第2の回復用プリチャージ電圧が与えられて、ビット
    線に設けられるプリチャージ回路は上記誘電体膜回復動
    作モードのときには非動作状態にされるものであり、誘
    電体膜回復動作を行うビット線に対応したカラムスイッ
    チMOSFETがオン状態にされるものであることを特
    徴とする請求項5の半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 複数のワード線と、複数のビット線と、
    上記ワード線と上記ビット線との交点にそれぞれ配置さ
    れ、アドレス選択用MOSFETと強誘電体又は高誘電
    体キャパシタからなり、上記アドレス選択用MOSFE
    Tのゲートが対応するワード線に接続され、上記アドレ
    ス選択用MOSFETの一方のソース,ドレインが対応
    する相補ビット線の一方に接続され、他方のソース,ド
    レインが上記キャパシタの一方の電極に接続され、動作
    電圧の半分に対応した所定のプレート電圧が印加されて
    なる複数のメモリセルを備えてなる半導体記憶装置の誘
    電体膜回復方法において、 上記ビット線を第1の回復用プリチャージ電圧に設定し
    て1つのワード線を選択して上記キャパシタに上記ビッ
    ト線の第1の回復用プリチャージ電圧を与え、上記ビッ
    ト線を第2の回復用プリチャージ電圧に設定して1つの
    ワード線を選択して上記キャパシタに上記ビット線の第
    2の回復用プリチャージ電圧を与え、次いで同時に選択
    されるワード線の数を段階的に増加させて同様な動作を
    繰り返して上記ビット線に付属する容量とそれと並列に
    接続されるキャパシタとの間の電荷分散による電圧によ
    り誘電体膜劣化ないし疲労を回復させる減衰パルスを発
    生させてなることを特徴とする誘電体膜回復方法。
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JP2007004873A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Sony Corp 記憶装置の初期化方法

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JP4701862B2 (ja) * 2005-06-22 2011-06-15 ソニー株式会社 記憶装置の初期化方法

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