JPH1024062A - 多層生理用品及びその製造方法並びに多層生理用品用複合吸収シート - Google Patents

多層生理用品及びその製造方法並びに多層生理用品用複合吸収シート

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JPH1024062A
JPH1024062A JP9039964A JP3996497A JPH1024062A JP H1024062 A JPH1024062 A JP H1024062A JP 9039964 A JP9039964 A JP 9039964A JP 3996497 A JP3996497 A JP 3996497A JP H1024062 A JPH1024062 A JP H1024062A
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Mitsuru Uchiyama
充 内山
Mitsuko Uchiyama
充子 内山
Mitsuo Otani
充夫 大谷
Mitsufumi Uchiyama
充史 内山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多数の取り替え用の生理用品の携帯が不要で、
かつ、取り替え時間を大きく短縮できる多層生理用品及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】裏面に液体吸収体シートより寸法の大きい
下層裏張りシートを有する下層複合吸収シートの上に、
裏面に上層裏張りシートを有する上層複合吸収シートを
裏面側を下にして重ね、下層複合吸収シートの液体吸収
体シートの面積寸法より外側にはみ出した下層裏張りシ
ート周縁と上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周
縁同士を、該周縁の少なくとも対向する2縁において、
仮固定してなる2枚以上の複合吸収シートの積層構造を
有し、最下層の複合吸収シートの最下層裏張りシートの
裏面に下着布に対する物理的固着具を設けたことを特徴
とする多層生理用品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用に便利な生理
用品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、女性の生理用品の使用の態様は、
たとえ液体吸収体シートの吸収能力が残存していても、
トイレ使用の度毎に新鮮な生理用品に取り替えて、使用
済みのものは捨ててしまう傾向である。従来は、生理用
品の液体吸収体シートの吸収能力を大きくすることに開
発の力点がおかれているが、この女性の使用態様から見
ると、吸収能力をこれ以上幾ら大きくしても意味がない
ことになる。さて、最近の生理用品は、非常にコンパク
トになってきたとはいえ、上記のようにトイレの度毎に
取り替えるため外出時には予備の生理用品を数個持ち歩
くことになり、かさ張るので不便であった。そのためフ
ォーマルな装い等ファッションを気にする服装時の生理
用品の収納には、別に手提げ袋を用意するなど平常時よ
りも種々の制限を受ける不便が生じていた。また、羞恥
心の大きい女子学生などにとってはトイレの時間が長い
のを嫌う傾向にあり、校内や旅行等での使用にも生理用
品の携帯、保管場所や休み時間の限られた時間内の狭い
場所での取り替えには、長い時間がかかり不便であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多数の取り
替え用の生理用品の携帯が不要で、かつ、下着の所定の
位置へのやっかいな取り付け接着操作は複数個の複合吸
収シート当たり1回でよく、さらに、新鮮な複合吸収シ
ートに取り替える時間を大きく短縮できる多層生理用品
及びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、現在、吸
水性高分子からなる液体吸収材質の進歩によって、液体
吸収シートが非常に薄くなって、しかも大きい吸収能力
を有する点、従来の1個のパッケージにつき一度の使用
で使い切る生理用品を、液体吸収シート部分に同一のシ
ートを2〜5枚重ねても、未吸収の液体吸収シートは非
常に薄い厚さであるので、その厚さはあまり増加せず、
装着感及び外観にも殆ど変化がない点、及び公知の液体
吸収シートの上に、同一の吸収シートを2〜5枚を各シ
ートを個別的に分離状態で重ねた液体吸収シートを使用
すれば、単に上層の使用済み液体吸収シートのみを剥が
すことによって、その下にあるまったく汚れていない生
理用品が露出され、短時間で新しい生理用品に取り替え
た状態になる。その結果、1個のパッケージで従来の2
〜5個分の生理用品の装着が可能となり、予備の生理用
品パッケージを携帯する必要がない点に着目し、この発
想に基づき鋭意研究を重ね、使用済み上層液体吸収シー
トの取り外し操作が容易で、かつ製造に便利な積層液体
吸収シートを有する多層生理用品及びその製造方法を提
供するに至ったものである。従来より、吸収量を増加さ
せる目的又は横もれ防止の目的で液体吸収シートを多層
にする技術思想は実用化されているが、上層液体吸収シ
ートの吸収液が下層に積層された液体吸収シートに浸透
しない構造、すなわち、各液体吸収シート間で液体が透
過しない遮断層による分離状態の積層構造であって各液
体吸収シートの積層間が、しっかりと固定されているに
も拘わらず、指ではがし易い積層構造は知られていな
い。すなわち、本発明は、次の各項の発明よりなるもの
である。 (1) 裏面に液体吸収体シートより寸法の大きい下層
裏張りシートを有する下層複合吸収シートの上に、裏面
に上層裏張りシートを有する上層複合吸収シートを裏面
側を下にして重ね、下層複合吸収シートの液体吸収体シ
ートの面積寸法より外側にはみ出した下層裏張りシート
周縁と上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周縁同
士を、該周縁の少なくとも対向する2縁において、仮固
定してなる2枚以上の複合吸収シートの積層構造を有
し、最下層の複合吸収シートの最下層裏張りシートの裏
面に下着布に対する物理的固着具を設けたことを特徴と
する多層生理用品。 (2) 仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張りシ
ートの周縁と上層複合吸収シートの上層裏張りシートの
周縁との間の感圧接着剤層を介在させた圧着によって行
う第(1)項記載の多層生理用品。 (3) 感圧接着剤層が上層複合吸収シートの裏面に塗
布されたものである第(2)項記載の多層生理用品。 (4) 感圧接着剤層と下層複合吸収シートの下層裏張
りシートの周縁との間にさらに剥離剤層を介在させた圧
着である第(2)項記載の多層生理用品。 (5) 仮固定が、下層複合吸収シートの熱可塑性樹脂
製裏張りシートの周縁と上層複合吸収シートの熱可塑性
樹脂製裏張りシートの周縁との間に溶着防止剤を介在さ
せたヒートシールによる半溶着固定である第(1)項記載
の多層生理用品。 (6) ヒートシールによる半溶着が熱刃による溶断に
よって行ったものである第(5)項記載の多層生理用品。 (7) 仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張りシ
ートと上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周縁の
一部又は全周を感熱接着剤層を介させた熱圧着により固
定したものである第(1)項記載の多層生理用品。 (8) 仮固定の一部が、上層複合吸収シートの上層裏
張りシートが下層複合吸収シートの下層裏張りシートと
一体的な連続シートよりなるものを境界線で折り曲げて
重ねてなる2層以上の多層構造において、その境界線付
近に2列のミシン目を設けたものである第(1)項記載の
多層生理用品。 (9) 連続シートを折り曲げた多層構造において、折
り曲げ境界線の反対側の周縁の下層複合吸収シートの表
面と上層複合吸収シートの裏面との間を接着剤によって
仮固定した第(8)項記載の多層生理用品。 (10) 仮固定が、複数の複合吸収シートを重ねて、全
部の裏張りシートの周縁の少なくとも対向する2縁にお
いて熱融着によって一旦完全固定したものを、その熱融
着の内側全周に切断ミシン目を設けて仮固定状態にした
ものである第(1)項記載の多層生理用品。 (11) 仮固定が、下層裏張りシートと上層裏張りシー
トの全周の少なくとも対向する2縁において、周縁を強
力な機械的圧着により仮固定したものである第(1)項記
載の多層生理用品。 (12) 下層複合吸収シートの下層裏張りシートと上層
複合吸収シートの上層裏張りシートが圧着プレスの凹凸
面によって形成された凹凸面で嵌合して仮固定されてい
る第(11)項記載の多層生理用品。 (13) 裏面に液体吸収体シートと略同一寸法の裏張り
シートを有する複合吸収シートの多層構造において、上
層複合吸収シートの裏面の一部又は全部を下層の複合吸
収シートの表面と仮固定してなる2枚以上の複合吸収シ
ートの積層構造を有し、最下層の複合吸収シートの最下
層裏張りシートの裏面に下着布に対する物理的固着具を
設けたことを特徴とする多層生理用品。 (14) 仮固定が、上層複合吸収シートの裏面の全面又
は一部に、感熱接着剤又は弱接着性感圧接着剤によって
各積層間を仮固定したことを特徴とする第(13)項記載
の多層生理用品。 (15) 2枚以上の複合吸収シートを重ねた多層構造で
あって、各裏張りシートの周縁がその下層の裏張りシー
トの周縁の外側にまで拡張された拡張周縁を有し、積層
構造の最下層裏張りシートの裏面並びにそれに積層され
た2以上の複合吸収シートの裏張りシートの周縁を1層
下の裏張りシートの周縁よりはみ出した拡張周縁とし、
その拡張周縁の裏面に感圧接着剤若しくは下着布に対す
る物理的固着具を設け、かつ最下層裏張りシートの裏面
に下着布に対する物理的固着具を設けたことを特徴とす
る多層生理用品。 (16) 表側にひっくりかえして複合吸収シートを収納
する収納口付きフイルムを裏面に積層してなる多層生理
用品用複合吸収シート。 (17) 2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシー
ト、2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムシ
ート及び2層以上の高分子吸収体シートを用いて、多層
生理用品を連続的に製造する工程において、長尺の熱可
塑性樹脂製多孔質フイルムシート上面に、長尺の熱可塑
性樹脂製裏張りシートを連続的に送り出して、両シート
間の側縁に接着剤を介在させて圧着して形成した接着仮
固定積層シートを1枚以上用意し、当該接着仮固定積層
シートの間に高分子吸収体シートを挟持させた後、側縁
を熱シール又は溶断することにより、各接着仮固定積層
シートの積層間には半溶着状態を形成し、各接着仮固定
積層シートの上層又は下層の接着固定シートの裏張りシ
ート又は多孔質フイルムシートとの間には溶着状態を形
成させることを特徴とする多層生理用品の製造方法。 (18) 2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシー
ト、2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムシ
ート及び2層以上の高分子吸収体シートを用いて、多層
生理用品を連続的に製造する工程において、長尺の熱可
塑性樹脂製多孔質フイルムシート上面に、長尺の熱可塑
性樹脂製裏張りシートを連続的に送り出して、両シート
間の側縁に接着剤を介在させて圧着して形成した接着仮
固定積層シートを1枚以上用意し、各接着仮固定積層シ
ートを該接着仮固定積層シートより幅の狭い2層以上の
長尺の高分子吸収体シートの各層間にそれぞれ介在させ
て積層して高分子吸収体シートと接着仮固定積層シート
が交互に重なる交互積層シートを形成させ、該交互積層
シートの最上面に1枚の長尺の表面熱可塑性樹脂製多孔
質フイルムシートを積層し、該交互積層シートの最下面
には、1枚の長尺の裏面熱可塑性樹脂製裏張りシートを
積層して所定枚数の高分子吸収体シートを含む長尺の多
層積層シートを形成し、該多層積層シートの中の長尺の
接着仮固定積層シート側縁を熱シール若しくは溶断する
ことにより、各接着仮固定積層シートの側縁は、その下
方にある裏面裏張りシート若しくは下方にある接着仮固
定積層シートの上面、並びに、その上方にある接着仮固
定積層シートの下面若しくは表面熱可塑性樹脂製多孔質
フイルムシートの各シートの側縁に融着固定され、ま
た、各接着仮固定積層シートの長尺の熱可塑性樹脂製多
孔質フイルムシートとその直上の長尺の熱可塑性樹脂製
裏張りシートの側縁は接着剤の介在による熱シール若し
くは溶断による半溶着仮固定を形成せしめ、ここに形成
された長尺の多層積層体を所定の間隔毎に切断すること
を特徴とする多層生理用品の製造方法。 (19) 高分子吸収体シートが布状であることを特徴と
する第(18)項記載の多層生理用品の製造方法。 (20) 長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの上面に、
長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムとを連続的に送り
出して、両シート間に接着剤を介在させて圧着して両シ
ートを接合して形成した接着仮固定積層シートを所望に
より複数枚用意し、別に、裏面に物理的固着具を設けた
1枚の長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの上に、前記
接着仮固定積層シートの幅より狭い所定の長さの高分子
吸収体シートを一定間隔を空けて該高分子吸収体の長さ
方向を前記積層シートの長手方向に対して平行又は垂直
方向に載置して、その上に、別の長尺の前記接着仮固定
積層シートを重合して、さらに、その上に、所定の長さ
の高分子吸収体シートを一定間隔を空けて下層の高分子
吸収シートと重なる位置に載置し、所望により、前記接
着仮固定積層シートの積層と所定の長さの高分子吸収体
シートの載置を1回以上繰り返した後、最上層に長尺の
多孔質フイルムを積層して、所望の枚数の高分子吸収体
シートを有する長尺の複合積層シートを形成して、該複
合積層シートを連続的に熱シール工程台に送り出して、
高分子吸収体シートの外側側縁で、前記積層シート同士
をヒートシール若しくは溶断により接合し、最後に、内
部に載置された所定の長さの高分子吸収体シートの間を
溶断又は熱圧着後の機械的切断により分離することを特
徴とする多層生理用品の製造方法。 (21) 長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの上面に、
長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムとを連続的に送り
出して、両シート間に接着剤を介在させて圧着して両シ
ートを接合して形成した接着仮固定積層シートを所望に
より複数枚用意し、別に、1枚の長尺の熱可塑性樹脂製
裏張りシートの上に、前記積層シートの幅より狭い所定
の長さの高分子吸収体シートを一定間隔を空けて該高分
子吸収体の長さ方向を前記積層シートの長手方向に対し
て平行又は垂直方向に載置して、その上に、別の長尺の
前記接着仮固定積層シートを積層して、さらに、その上
に、所定の長さの高分子吸収体シートを一定間隔を空け
て下層の高分子吸収体シートと重なる位置に載置し、所
望により、前記接着仮固定積層シートの積層と所定の長
さの高分子吸収体シートの載置を1回以上繰り返した
後、最上層に多孔質フイルムを積層して、所望の枚数の
高分子吸収体シートを有する長尺の複合積層シートを形
成して、該複合積層シートを連続的に熱シール工程台に
送り出して、高分子吸収体シートの外側側縁で、前記積
層シート同士をヒートシール若しくは溶断により接合
し、該熱シール工程の前又は後に該複合積層シートの裏
面に物理的固着具を設けた長尺の熱可塑性樹脂製シート
を貼着し、最後に、内部に載置された所定の長さの高分
子吸収体シートの間を溶断又は熱圧着後の機械的切断に
より分離することを特徴とする多層生理用品の製造方
法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明生理用品に用いる液体吸収
体シートは、公知の生理用品の液体吸収体シートの材
質、形状及び構造を、特に制限なく採用することができ
る。液体吸収シートの材質は薄くても吸収能力の大き
い、例えば公知公用の吸水性高分子製の布若しくは不織
布又は綿を特に好適に使用できる。生理用品は、通常、
裏張りシートの上に液体吸収体シートが乗せられ、その
上に吸収液の逆戻り防止シートが積層され、さらに、そ
の上に多孔質フイルムが積層され、その多孔質フイルム
の周縁が裏張りシート周縁に接着、融着又はその他の手
段で固定され、裏張りシートと多孔質フイルムとで液体
吸収シート本体を上下から包み込んでいる。本発明にお
いては、液体吸収体シート及びこれを乗せる裏張りシー
トは必須の構成であるが、上面の多孔質フイルム等の積
層構造は好適であるが、必ずしも必須の構成ではなく、
他の態様の構造も本発明に使用することができる。従っ
て、本発明においては、裏張りシートの上に液体吸収体
シートを乗せた積層体の全体を複合吸収シートと定義す
る。また、裏張りシートが液体吸収シートの寸法よりも
大きい場合は裏張りシートの周縁が液体吸収シートより
はみ出す形状となる。この場合には、裏張りシートの周
縁の表面側には、多孔質の表面フイルムなどが積層され
ぬ場合があるが、このような積層シート全体を裏張りシ
ートの周縁とみなして、裏張りシートの周縁の表面側に
一体的に接着している表面フイルムなどは、裏張りシー
トの表面とみなすものとする。また、本発明において
は、上層複合吸収シートのみを剥離して捨てる場合の包
み紙がない点を補うために、複合吸収シート特にその裏
張りシートに廃棄包装用シートを取り付けるとさらに好
適である。例えば、裏張りシートの裏面に積層されたフ
イルムの中央部などにミシン目等を付けてミシン目部分
を収納口として、若しくは裏面の該フイルムの遊離した
一縁を収納口として、複合吸収シートの表側にひっくり
返すことによって複合シート本体を該フイルムの中に収
納包装することができる。従って、本発明における複合
吸収シートとは、裏張りシートに単に液体吸収体シート
を積層しただけの最小構成単位の積層もあり、また、裏
張りシートに、液体吸収体シート、逆戻り防止シート、
多孔質フイルムその他の機能性シートを積層した複合シ
ートの場合もある。ここに多孔質フイルムとは、液体を
透過させるシートを意味し、現実に、無数の微細な穴が
あいているフイルムのみならず、微細な穴がなくとも液
体を抵抗なく透過させるフイルム、例えば液体透過性の
良い紙シートなども本発明の多孔質フイルムの概念に該
当する。本発明に使用する多孔質フイルムは、液体透過
性及び加工性の点から熱可塑性樹脂製フイルムが望まし
い。本発明生理用品の好ましい態様は、下層の複合吸収
シートの液体吸収体シートの周縁からはみ出した下層裏
張りシート周縁の上に、仮固定によって第二、及び第三
の複合吸収シートの上層裏張りシートの周縁が順次仮固
定された複合吸収シートの2以上の積層体からなる。ま
た、裏張りシートが液体吸収体シートの寸法と略同一の
場合は、下層複合吸収シートの表面の周縁と上層複合吸
収シートの裏面の周縁との間の仮固定によって2以上の
複合吸収シートの積層体にすることができる。本発明に
おいて、下層複合吸収シートと上層複合吸収シートとの
間の仮固定とは、携帯状態及び生理用品装着状態では安
定してしっかりと固定されているが、取り替え時には、
指で容易に下層複合吸収シートから上層複合吸収シート
を取り外し可能な取り付け状態である。このようにし
て、上層の複合吸収シートを取り外すときに、本発明生
理用品の最下層の複合吸収シートの最下層裏張りシート
と下着との固定はそのままにして、一番上にある使用済
みの複合吸収シートを指で引き剥がして取り外すことが
できる状態である。また、別の態様として、下層複合吸
収シート周縁との仮固定に代えて、若しくは該仮固定と
ともに、上層複合吸収シートの裏面の全部又は中央部を
直接下層複合シートの表面に接着剤又は高圧の圧着で仮
固定させる態様もある。この場合の接着剤は、感熱接着
剤の方が、はがした後の下層複合吸収シートの表面がべ
とつかないので好適である。このような取り外し可能の
仮固定状態は、例えば下層の複合吸収シート液体吸収体
シートの面積からはみ出している裏張りシートの周縁若
しくは液体吸収体シートの表面の周縁と下層複合吸収シ
ートの裏張りシートの周縁との間に、弱い結合力で固定
することによって達成できる。そして、使用中にしっか
りと固定されている必要から、仮固定が複合吸収シート
の一縁でのみ仮固定されているのでは、積層位置が不安
定であるので、複合吸収シート周縁の少なくとも対向す
る2縁における仮固定、若しくは全周の半分以上、特に
75%以上が仮固定されているのが望ましい。その仮固
定方法としては、接着と剥離が反復できる感圧接着剤
(粘着剤)による複合吸収シートの周縁だけの部分的接
着方法、弱接着性の感圧接着剤による上層複合吸収シー
トの裏面と下層複合吸収シートの表面との全面的接着方
法、接着と剥離が反復できない感熱接着剤による熱圧着
接着方法、融着防止剤を間に介在させた周縁の半溶着方
法、フイルムの切断分離を容易にするミシン目方法及び
接着剤を使用しないで高圧で圧縮する反復不能の超圧着
方法など、仮固定を分離した場合に、継続して使用する
最下層裏張りシート側に接着力が残存しない仮固定方法
であれば、特に制限なく使用できる。また、本発明の仮
固定方法として、これらの仮固定手段の二つ以上を併用
することができる。例えば、一方の縁をミシン目又は圧
着方法にして、これに対向する他方の縁に感圧若しくは
感熱接着剤による仮固定を使用する方法などは好適であ
る。これら仮固定方法は、通常液体吸収シートの周縁か
らはみ出した裏張りシートの周縁において実行すること
ができる。しかし、これらの仮固定方法の中で、感熱接
着剤層及び弱接着性感圧接着剤層による場合は、剥離後
の下層複合吸収シートの表面が粘着することがないの
で、上層複合吸収シートの裏面全体に感熱接着剤又は弱
接着性感圧接着剤を塗布して、下層複合吸収シートの表
面の接着による仮固定を実施することができる。この感
熱接着剤又は弱接着性感圧接着剤による仮固定方法は、
複合吸収シートの裏張りシートが液体吸収シートと同一
寸法であって、はみ出し周縁がない場合にも実施するこ
とができる。また、下層複合吸収シートとの仮固定方法
に代えて、又はこれら仮固定と共に、下層複合吸収シー
ト周縁より拡張された上層複合吸収シートの周縁の裏面
を感圧接着剤層で直接下着の布地に接着又は物理的方法
により仮固定することができる。この場合は、最下層裏
張りシートの裏面には下着布に対する物理的固着具が設
けられ、上層複合吸収シートの上層裏張りシートの拡張
周縁の裏面には感圧接着剤層若しくは下着布に対する物
理的固着具が設けられている。拡張周縁に感圧接着剤を
使用した場合は、一枚の剥離紙で使用直前まで拡張周縁
を固定することができ、この剥離紙が使用直前まで多層
構造を固定している。この場合は剥離紙をはがしたとき
に、多層の複合吸収シートがバラバラに分離しないよう
に各層間の仮固定方法を講じるのが望ましい。本発明生
理用品は、複合吸収シートを下着等に固定する機構、逆
戻り防止及び横漏れ防止機構などについては特徴はな
く、本発明の目的を損なわない限り公知の生理用品の構
造を特に制限なく採用することができる。本発明多層生
理用品を構成する単層の複合吸収シートの好ましい一態
様は、公知の生理用品とほぼ同一の構造を有するもので
あり、裏張りシートの寸法は液体吸収シートの寸法より
大きくして、周縁の少なくとも一部、望ましくは大部分
が内蔵されている液体吸収シートの周縁よりはみ出して
いるものである。本発明に用いる最下層複合吸収シート
の裏張りシートの裏面には、下着の生地の特定の場所に
固定するために、感圧接着剤でない物理的固定具による
固定機構が設けられている。本発明に用いる感圧接着剤
によらない物理的固定具機構とは、マジックテープのフ
イルムもしくは布地面に腰の強いフイラメントを植毛し
たシートを裏張りシートの裏面全面もしくは、一部に貼
着して、その表面の植毛によって、下着の布地にフィラ
メントの先端が付着若しくはからみつく植毛シートによ
る固定具機構、最下層裏張りシートの裏面又は側縁に取
り付けたホック等の金属製若しくはプラスチック製嵌合
固定具又は留めピンによって下着の布に固定する固定具
機構など公知の固定機構は、適宜使用することができ
る。さらに、最下層裏張りシートに設けたゴムバンドを
利用した固定具機構及び磁性ゴムシートなどの磁力を利
用した固定具機構も使用することができる。例えば、図
1に示すように、裏張りシートの裏面に剛性の大きい植
毛を設けた植毛シートAを使用することができる。さら
に、例えば、図16(a)の表面図及び図16(b)の裏面
図に示すように、最下層裏張りシートの側縁から二方向
に延設された延設端部m、nのそれぞれに、凸状ホック
r及び凹状ホックpを設け、これを下着の裏に折り返し
て端部m及びnを16図(c)のように下着布の反対側に
折り返して、延設端部m及び延設端部nのホックを嵌合
させて下着の所定の位置に固定することができる。この
ような延設端部m及び延設端部nを二対、又は三対を適
宜設けることができる。また、16図(d)の状態で、延
設端部m及び延設端部nを互いに接合することを行わな
いで、独立に下着の縁に延設端部m、nに設けた物理的
固着具、例えば安全ピンを足袋のコハゼのようにフック
式にまたはクリップ方式で布地に固定することができ
る。また、例えば、このように延設端部m、nを独立に
固着する方法の物理的固着具として、裏張りシートに設
けた凸状ホックrと延設端部に設けた凹状ホックpの左
右二対を用いて、16図(e)のように、下着布地Jを介
在させて、左右それぞれのホックpとrを嵌合させて固
定することができる。本発明に用いる複合吸収シートの
裏張りシートも公知の形状材質のものを使用することが
できる。本発明に用いる複合吸収シートの裏張りシート
は、液体吸収体シートを固定する台紙シートとしての役
割を果たすものであるが液体吸収体をシートを固定又は
包装する役目を果たすもので液体吸収体と分離している
もの及び一体的に形成されているもののいずれの態様も
使用することができる。本発明の裏張りシートは、液体
吸収体シートに吸収された液体がさらに裏面に染み出さ
ない材質であるべきであり、例えば、薄い樹脂フイル
ム、超薄の樹脂フイルムをラミネートした紙シート若し
くは不織布又は撥水加工した紙シート若しくは不織布な
どを使用することができる。紙シート若しくは不織布の
場合は、廃棄の際に、水洗便所の水でスラリー状になっ
て流れる利点がある。本発明の多層生理用品の一番底に
なる最下層裏張りシートは、下着の所定の位置に最下層
裏張りシートを固定する物理的固着機構を有する必要が
ある。この機構については公知の物理的固定機構を特に
制限なく使用することができる。本発明の複合吸収シー
トは全く同一材質及び同一寸法のものを使用することが
できる。しかし、所望によって、液体吸収体シートの材
質、寸法、厚さを変化させたりすることができる。これ
によって、液体吸収シートの吸収量を時間に応じて適宜
調節することができる。さらに、数枚の液体吸収シート
を積層した場合などには液体吸収シート又は裏張りシー
トの色の変化によって、残りは何層あるかを知らせるよ
うにすると便利である。本発明の上層複合吸収シートの
裏張りシートの役割及び材質は最下層裏張りシートとほ
ぼ同一である。ただ、最下層裏張りシートの裏面に設け
た下着等に固定する機構の代わりに、上層裏張りシート
の裏面には、下層複合吸収シートの所定の位置又は直接
下着生地に仮固定する機構が必要となる。
【0006】本発明を実施例の図面によって、さらに詳
細に説明する。実施例の積層構造は、2〜5層で説明し
ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2
層以上の多層構造は本発明の態様である。図1は、熱可
塑性樹脂フイルム製裏張りシート11が吸水高分子製液
体吸収体シート10より大きい面積寸法の場合の最下層
複合吸収シート1に、上層複合吸収シート2を取り外し
可能状態で積層した構造を有する本発明の一実施態様の
多層生理用品である。液体吸収体シート10の裏面に
は、液体吸収体シート10より少し大きい面積寸法の裏
張りシート11が取り付けられている。そして、液体吸
収体シート10の上には、熱可塑性樹脂製液体透過性の
表面フイルム12(多孔質フイルム)が積層され、裏張
りシート11と表面フイルム12の周縁で接合させて、
裏張りシート11と表面フイルム12の間に液体吸収体
シート10が包まれて、最下層複合吸収シートを形成し
ている。上層の複合吸収シート2も最下層複合吸収シー
ト1と同様の積層体であり、液体吸収体シート20と裏
張りシート21及び表面フイルム22から構成されてい
る。図1の態様では、裏張りシート11の裏面全面に
は、植毛シートAが貼着されている。本発明の固定具機
構においては、最下層裏張りシートそのものを植毛シー
トにすることができる。裏張りシート11の裏面の植毛
シートAは、剛性の大きい微細フィラメント若しくは布
とからむように先端構造が屈曲している微細フィラメン
トを植毛されているものを使用することができる。これ
によって、裏張りシート11を下着の所定の位置に裏張
りシートを物理的に付着固することができる。図面で
は、簡明のため、裏張りシート11、21、表面フイル
ム12、22、植毛シートAは1本の線で表している。
また、液体吸収シート10、20は1本の太線で表して
いる。そして以下の各図においては、複合吸収シートの
内部の液体吸収シートを表す太線も繁雑を避けるために
省略することもある。本発明の場合は、下着を体に装着
する前に自宅で正確な位置に最下層裏張りシートを固定
することができ、また、取り替えるときは、最上層の複
合吸収シートを剥がすだけであり、最下層の裏張りシー
トの固定位置に変化はないので、短時間に新規の液体吸
収シートに取り替えることができる。すなわち、最初の
多層生理用品の固定に関しては従来の生理用品と同様の
時間がかかるが、多くの場合それは時間的余裕のある自
宅で操作することであり、本発明生理用品の場合は、問
題となる外出先での取り替え時間が大幅に短縮できる利
点がある。本態様の図2は、図1の裏張りシート11の
上に固定された複合吸収シート1の平面図(a)及び断面
図(b)であり、裏張りシート11の周縁14が液体吸収
シート10の周縁(点線によって図示した)の外にはみ
出す状態になるよう形成されている。一方、図3の上層
複合吸収シート2の裏張りシート21の裏面の周縁24
の裏面には周縁感圧接着剤層25が塗布されている。
【0007】そして、図2の最下層複合吸収シート1の
上に図3の上層複合吸収シート2の裏張りシート21の
裏面を重ねて周縁感圧接着剤層25によって、下層裏張
りシート11の周縁の表面と上層裏張りシート21の周
縁の裏面を接着固定すると図1の断面構造の本発明生理
用品の一態様が形成される。本発明のこの態様の場合
は、液体吸収体シート10は、裏張りシート11と裏張
りシート21の間に密封されていて、装着時に外部の湿
気を吸収することはない。しかし、この密封構造は必須
の構成ではなく、周縁24の一部には感圧接着剤層25
を塗布しない部分を設けることもできる。そして、この
接着剤層の存在しない周縁部から指を入れて上層複合吸
収シート2を容易にはぎ取ることができるようにするこ
とができる。また、最上層の積層裏張りシートを剥ぎ取
るために便利な突起舌片部26を上層複合吸収シートの
裏張りシート及び/又は最下層裏張りシートの周縁に例
えば図3のように設けることができる。上層裏張りシー
トと最下層裏張りシートの両方にこの突起舌片部を近接
させて設けると引き剥がし操作がさらに容易になる。こ
の態様の上層複合吸収シートを有する生理用品を下着に
装着して使用すると表面に現れる複合吸収シート2が液
体を吸収する。そしてトイレで最上層の複合吸収シート
2を取り替えるときは、裏張りシート21の端部にある
突起舌片部26を持って、これを裏張りシート11の周
縁から剥がすことができる。この剥がし操作は、裏張り
シート11を下着に固定させたままで実施できる。本発
明生理用品が3層以上の多層の場合には、前記のように
上層複合吸収シートの裏張りシートの突起舌片部26の
位置からずらした位置に中間下層の複合吸収シートの裏
張りシートの周縁に同様の舌片部(図示しない)を設け
ておくと、使用済み複合吸収シートとともに、その中間
下層の未使用の複合吸収シートを引き剥がす失敗を防止
することができる。裏張りシート21を剥がしたとき
は、周縁感圧接着剤層25は、裏張りシート21の周縁
の裏面側に接着した状態で剥がれるので、裏張りシート
11の表面側に感圧接着剤の糊移りはなく、膚又は体毛
等に感圧接着剤層が接着する煩わしさはない。感圧接着
剤層は、最初塗布した側に残るという一般原則があるか
らであり、この観点から周縁感圧接着剤層25は、裏張
りシート21の裏面周縁側に塗布することが望ましい。
さらに、最下層裏張りシート11の表面周縁に剥離剤を
塗布しておくことによって、このような糊移り防止を完
全に達成することができる。このように下層裏張りシー
トに剥離剤を塗布する場合は、下層裏張りシート側に感
圧接着剤を塗布しても、剥がした場合には感圧接着剤層
は上層裏張りシート側に転写されて除去される。また、
最近、例えば、ふせん紙などに使用されている糊移りの
ないミクロバルーン式の弱接着力の感圧接着剤なども本
発明の好適な仮固定方法である。また、本発明において
複合吸収シートの周縁で仮固定する方法でなく、複合吸
収シートの積層境界面の全面で仮固定するときは、糊移
りしない弱接着力の感圧接着剤を使用することができ
る。そして、生理用品の液体吸収体シートの上に多孔質
のカバーフイルムのある場合には、複合吸収シートの周
縁のみならず、上層複合吸収シートの裏面の全面と下層
複合吸収シートの多孔質カバーフイルムとの間の仮固定
で積層することができる。このように複合吸収シートの
表面と裏面で周縁のみならず全面で仮固定する場合に通
常の接着力の感圧接着剤を使用すると接着力が強すぎる
上に、表面フイルムの穴に糊移りする恐れがある。
【0008】ここに用いる弱接着性の感圧接着剤は、通
常の感圧接着剤を塗布するときに、溶剤中の粘着性高分
子物質の濃度を低下させて得ることができるが、本質的
に粘着性の低い物質、例えばミクロバルーン型の弱接着
剤層を使用することもできる。本発明の弱接着性とは、
剥離力が通常の感圧接着剤の60%以下、好ましくは4
0%以下のものが使用でき、具体的には、柔軟な樹脂フ
イルムに塗布した場合のT字剥離試験で測定して、20
℃の温度において、剥離力10〜500gf/20mm、
好ましくは20〜300gf/20mm、さらに好ましく
は20〜200gf/20mmの剥離力になるようにして
使用することができる。本発明の別の仮固定の態様は、
図4平面図のように、熱可塑性樹脂フイルム製上層裏張
りシート21と熱可塑性樹脂フイルム製下層裏張りシー
ト11の周縁をヒートシールCによって半溶着して積層
を仮固定するものである。この場合単にヒートシールC
によって上下のフイルムを溶着すると、フイルムを破ら
ない限り2枚の裏張りシートを分離して剥がすことはで
きない。本発明の図4の実施態様では、裏張りシート2
1の裏面又は裏張りシート11の表面に融着防止剤とし
て、油性インキ層が塗布されている。既にヒートシール
又は溶断ヒートシールにおいて、半融着状態にして仮固
定することは公知の技術であり、熱可塑性樹脂フイルム
による製袋工程にはときどき使用されているものであ
る。この半溶着に用いる公知の融着防止剤は、本発明に
も特に制限なく使用でき、例えば、印刷インキ組成物、
該インキから着色顔料を除去した油性組成物、パラフィ
ン類、油脂、低分子量無定形ポリプロピレン、感圧接着
剤、感熱接着剤など、ヒートシールにおいて、溶着を防
止するものであれば特に制限なく好適に使用することが
できる。このような融着防止剤を塗布して、該融着防止
剤層を間に介在させた状態で、2枚の熱可塑性フイルム
のヒートシールCを行うと、2枚のフイルムはヒートシ
ール部では半融着状態となる。この半融着状態は指でほ
ぐすと剥がれ、一端を少し剥がすと、この部分から容易
に裏張りシート21を剥がすことができる。従って、図
4の場合は、ヒートシールCの外側の遊離している最下
層裏張りシート11と上層裏張りシート21の端を持っ
て引きはがすと容易に積層裏張りシート21は除去でき
る。この場合も周縁に舌片部を設けると引き剥がしに便
利である。また、上層裏張りシート21の周縁を大きく
すると上層裏張りシート21だけを剥がし易くなり、さ
らに、3枚以上の液体吸収シートの積層構造にする場合
には、積層の上層からの順に舌片部を、上から順に長さ
の段差を付けて設けると、端の舌片部の長いものから順
に引きはがすことができて最上層の裏張りシートを順次
間違いなく剥がせる。この態様の本発明生理用品も、下
着に装着したままで、上層複合吸収シートを容易に剥が
すことができる。感圧接着剤は使用していないので、糊
移りはまったくなく剥離面は乾燥しており快適に使用す
ることができる。また、図4の融着防止剤を介在させ
て、ヒートシールCの代わりに周縁を熱刃によって溶断
することもできる。この場合は、最下層裏張りシート1
1と上層裏張りシート21の端が半融着していて、半融
着線の外側は溶断により除去されているので、ヒートシ
ールの場合のような遊離片が半融着部の外側にないの
で、剥がす操作が困難になるが、その代わりに積層裏張
りシート21が使用中に剥がれないという安定性は増加
する。需要に応じて適宜選択して使用することができ
る。溶断により固定する場合は、溶断部の一隅を機械的
に切断しておくのが好ましく、この部分に指を入れて積
層裏張りシート21を剥がすことができる。
【0009】また、本発明の他の態様として、図5のよ
うに裏張りシート11と裏張りシート21の間のいずれ
か一方の面、望ましくは上層裏張りシート21の裏面全
面に感熱接着剤層を塗布して、このシート周縁を熱圧着
して接着する態様も好適である。この場合は、塗布され
た感熱接着剤層は常温では乾燥していて粘着性はまった
くなく、加熱圧着した場合に融解して接着力を発揮する
ものである。そして剥がした場合も乾燥していて粘着性
はない点で便利である。裏張りシートの周縁で熱圧着す
るので、熱は良く伝達され簡単に熱圧着することができ
る。上層裏張りシートの裏面全面に感熱接着剤を塗布で
きるので、感圧接着剤の場合のように周縁にだけ選択的
に塗布する困難性は低下し、製造に便利である。裏面全
体に塗布された感熱接着剤層は、常温では乾燥してお
り、粘着しないので、必要部分だけを熱圧着すれば、裏
張りシートの周縁全面(図5(c))、三辺(図5(a))
又は二辺(図5(b))のように任意の形状のヒートシー
ルCを形成することができる。この仮固定方法は、3層
以上の複合吸収シートを積層する場合に仮固定工程が簡
単であり特に好適である。この態様の場合、特に図5
(a)の場合に、上層裏張りシートの開放端縁の長さを上
から順に長くしておくと好適である。また、図5(b)の
場合は側縁の幅を拡張しておくと同様に便利である。ま
た、図5(c)の場合のいずれかの縁又は全縁に上層裏張
りシートの端の寸法を拡張しておくことができる。この
場合は、感熱接着剤層が最下層裏張りシート11の側に
残っても、膚等に対して接着する欠点は発生しない。こ
のような感熱接着剤の特性によって、感熱接着剤を上層
複合吸収シートの裏面全面に塗布して、下層複合吸収シ
ートの表面の表面フイルムと周縁のみならず全面で接着
させることができる。本発明の多層生理用品の製造工程
では、熱圧着工程は、上層裏張りシートの裏面と下層複
合吸収シートの多孔性表面フイルムとの接着で前以て積
層シートを熱圧着して準備しておき、この積層シートを
多層形成して各積層の間に液体吸収シートを順次連続的
に包装して、本発明多層生理用品を効率的に製造するこ
とができる。前以て、熱圧着して前記積層シートを製造
しない場合は、液体吸収シートが熱圧着の熱を断熱する
ので複合吸収シートの全面的熱圧着をすることはできな
い。前述の弱接着性感圧接着剤及び感熱接着剤の上層複
合吸収シートの裏面に全面的に塗布する仮固定は、製造
工程の面から周縁にのみ塗布する工程より工程が容易に
なる利点がある。また、弱接着性感圧接着剤及び感熱接
着剤による複合吸収シートの積層面の全面的仮固定手段
は、本発明の他の仮固定と併用するのに適している。特
に、前記第(2)項周縁との間の感圧接着剤層、第(5)項
溶着防止剤、第(7)項熱圧着、第(8)項ミシン目、第(1
0)項熱融着の内側に切断ミシン目、第(11)項機械的圧
着、及び第(12)項凹凸プレスの周縁の仮固定方法と併用
するのが好適である。本発明の別の態様として、図6
(c)のような、2枚の複合吸収シートを折り曲げた積層
構造がある。この折り曲げ状態を展開した平面図(a)及
びその断面図(b)に示すように、最下層複合吸収シート
1は、裏張りシート11と液体吸収体シート10(図で
は省略)及び表面フイルム12からなり、上層複合吸収
シート2は、裏張りシート21、液体吸収体シート20
(図では省略)及び表面フイルム22からなる。そして
境界線Dの両側には2本のミシン目Eが設けてある。
【0010】この図6の複合吸収シート1を複合吸収シ
ート2の下面に境界線Dを折り目として折り曲げると、
図6(c)の断面図の積層構造になる。この積層の境界線
Dの折り目をつまんで引き裂くと2本のミシン目Eによ
って、複合吸収シート2は複合吸収シート1から分離す
ることができる。この図6の態様では、折り目境界線の
対向する端縁の複合吸収シート2の裏面には周縁感圧接
着剤層25による仮固定もされている。この仮固定によ
って、携帯中及び装着中の積層構造がずれるのを防止す
ることができる。このときミシン目Eが2本あるので、
2本のミシン目Eの間のフイルム端を持って引き剥がす
と、2本のミシン目の間のフイルム片が積層構造をその
ままにして容易に分離することができる。その結果積層
の上層と下層の複合シートの一端は容易に分離すること
ができる。この分離された一端を持って使用済みの複合
シートを上方に剥がすと対向する位置の周縁感圧接着剤
層25による仮固定も容易に剥がすことができる。図6
は2層の場合のみを示したが、この折り曲げの態様の場
合は、図6(d)の本発明多層生理用品の3層以上の場合
に特に適している。図7の本発明の態様は、仮固定を機
械的圧着で行う態様である。ここに用いる機械的圧着
は、積層はがきなどに使用されている公知の高圧の圧着
及び圧着面に僅かな粘着性を付与させる処理をした通常
の高圧圧着並びに凹凸面を有するプレス面で圧着して圧
着面に溝又は凹面を形成して、その凹凸の嵌合作用によ
って仮固定する方法を使用することができる。この機械
的圧着による仮固定は複合吸収シートの裏張りシートの
材質が紙又は合成紙のように腰のある場合に有効であ
る。図7は、複合吸収シートの両側側縁を機械的圧着F
によって仮固定した場合であり、図7(a)は縦断面図で
あり、図7(b)は横断面図である。図7(c)は裏面図で
あり、裏面中央は、物理的固着具として植毛シート機構
を用いた場合が示されている。上層裏張りシート21、
31及び41の端部は下層の裏張りシートの端部より拡
張されていて、該拡張部には植毛機構若しくは感圧接着
剤が塗布されている。感圧接着剤を塗布した場合は、こ
の拡張部分を剥離紙(図に示されていない)で固定する
ことができる。この感圧接着剤層の裏張りシートへの塗
布は、剥離紙側にまず感圧接着剤を塗布して、これを図
7(c)の積層の拡張部に貼着して、拡張部面側に感圧接
着剤層を転写する慣用手段で実施することができる。図
7(d)は、複合吸収シート1、2、3、4及び5を積層
した状態で、裏張りシートの一方又は3方の縁を機械的
に圧着して、積層複合吸収シートの圧着仮固定していな
い端部の裏張りシート51、41、31、21及び11
の端を上から順次長くした態様を示す断面図である。図
8は複合吸収シートの両側側縁を溝列状凹部Gにおいて
かしめて、凹凸形状で仮固定したものである。凸状突起
のあるプレスで押圧して積層を仮固定することができ
る。これは裏張りシートが紙のように腰のある材質の場
合に特に有効である。この凹部の代わりに溝状凹凸形状
も好適である。図9の態様は、最下層複合吸収シートに
対して仮固定するのではなく、上層複合吸収シートの裏
張りシートの裏面を直接下着に仮固定する態様である。
図9の場合は、2層のミシン目による仮固定と併用する
態様である。上層複合吸収シート2の両側縁の裏張りシ
ートは側縁で大きく幅が拡大されていて、この拡張舌片
部27、28の裏面(図9(a)では表面側)には植毛シ
ートA(植毛は図から省略している)が設けられてい
る。そして、複合吸収シート1の裏面全面にも植毛シー
トが設けられている。これを積層するときは、図9(b)
のように、上層複合吸収シートの拡張舌片部27、28
が直接下着の生地に固着することができる。
【0011】取り替えるときは、ミシン目で切断して、
その端を持って引きはがすと、下着に接着している拡張
舌片部27、28の物理的固着具若しくは感圧接着剤固
定部を容易に剥がすことができる。図10の場合は、図
9の生理用品をさらに進展させた態様であり、2枚以上
の複合吸収シートを重ねたものであって、各上層裏張り
シート21、31の幅の狭い側縁がその下層の裏張りシ
ートの側縁の長さの外側にまで拡張された拡張周縁を有
するものである。別の態様として、幅の長い縦方向側縁
に拡張周縁を設けるようにすることができる。そして、
図10の積層構造の最下層裏張りシート11の裏面に物
理的固着具を設けそれに積層された上層複合吸収シート
の上層裏張りシートの下層よりはみ出した拡張周縁の裏
面に物理的固着具若しくは感圧接着剤層を設けることが
できる。図10(a)は裏面図であるが、この態様の多層
生理用品はバラバラに分離する恐れがある。従って、本
発明の複合吸収シートの積層構造の前記した仮固定を併
用するのが望ましい。特に、上層の複合吸収シートの裏
張りシートの裏面全面に、図10(c)拡大図に示すよう
に裏張りシート31、21の裏面に弱接着性の感圧接着
剤39、29を塗布しておく方法により裏張りシートと
表面フイルム22、12と仮固定することができる。弱
接着性感圧接着剤に代えて感熱接着剤を使用することが
できる。本発明の複合吸収シートの積層面を全面的に弱
接着性感圧接着剤又は感熱接着剤で接着する態様の本発
明多層生理用品を製造する場合はすべて次の方法で製造
するのが効率的である。裏張りシート及び表面フイルム
を熱可塑性樹脂フイルムとして、図10(c)の拡大積層
構造において、連続帯状シートの表面フイルム12と裏
張りシート21を接着剤で接着して、1枚の2層構造
(図は接着剤層29を入れて3層構造になっている)の
積層帯状シート121を用意する。同様に表面フイルム
22と裏張りシート31も接着剤で接着した積層帯状シ
ート221を用意する。そして、帯状最下層裏張りシー
ト11及び帯状表面フイルム32も別に用意する。帯状
最下層裏張りシート11の上に液体吸収シート10、積
層帯状121の上に液体吸収シート20及び積層帯状シ
ート221の上に液体吸収シート30をそれぞれ一定間
隔で配置固定する。あるいは上下を逆にして積層帯状シ
ート121、221及び表面フイルム32の下面に液体
吸収シート30をそれぞれ一定間隔で配置固定する。最
下層裏張りシート11、積層帯状シート121及び積層
帯状シート221の各液体吸収シートの上下の位置が重
なるように連続的に積層して、これに表面フイルム32
をさらに積層して、4層積層帯状構造とする。次いで、
この4層積層帯状構造を熱圧着台にワンピッチ移送によ
って送り出し、各液体吸収シートが固定されている間の
余白部分を熱プレス又は熱刃で間欠的に液体吸収シート
の周縁が溶着固定又は溶断打ち抜きされる。
【0012】次いで、溶着の場合はその周縁を打ち抜く
と本発明の生理用品の3層の複合吸収シートの態様の一
つが連続的に製造することができる。この溶着又は溶断
工程においては、表面フイルムと裏張りシートとの間に
は接着剤層が介在しているので、半溶着状態となり、液
体吸収シートの周縁では、複合吸収シート間の仮固定状
態が強化されるが、指でほぐすことによってこの周縁の
半溶着は剥離することができる。その上、表面フイルム
と裏張りシートの間には溶着防止剤層がないので、強固
に溶着されて液体吸収シートがその間に安定に収納され
る。そして、このとき、複合吸収シートの周縁の狭い一
縁を熱融着しない方法若しくは全周の熱融着後複合吸収
シートの一縁を機械的に切断する方法によって、さらに
剥がし易くすることができる。この態様多層生理用品を
同様の方法で4層以上も製造することができる。表面フ
イルムと裏張りシートは、感熱接着剤又は弱接着性感圧
接着剤で仮固定されているので、上層の複合吸収シート
から順次剥がすことができる。このように、本発明の連
続的製造方法は、帯状シートの表面フイルムと上層の複
合吸収シート裏張りシートを前以て仮固定する点と液体
吸収シートの周囲の余白部分を熱圧着してから、打ち抜
く又は熱溶断する点に特徴がある。この実施態様の生理
用品は、前記の製造方法によって製造するに際して、図
11のように、裏張りシート11、21、31の複合吸
収シートが連続的につながった帯シートの間に各区分毎
に3個の液体吸収シート(最下層の液体吸収シートのみ
を点線で示す)をサンドイッチ状に包装して多層連続シ
ートを形成して、弱接着性感圧接着剤で各シートを接着
して連続的にシートを積層接着して、この積層連続帯に
最下層裏張りシートの裏面に植毛シートAを積層貼着し
て、これを図10の状態に打ち抜くと、図10の弱接着
性感圧接着剤層を使用した本発明生理用品を連続的に効
率的に製造することができる。この生理用品は、最下層
の裏張りシートは物理的固着具で、全面が下着にしっか
りと固定され、その上の上層複合吸収シートは弱接着力
の感圧接着剤層で最下層の複合吸収シートに接着してい
るので、使用の最中に位置がずれることはない。しか
し、これを剥がすときは簡単に剥がれて、下層の複合吸
収シートの表面に糊移りすることはない。さらにこの態
様に対して前記した他の仮固定も適宜併用することがで
きる。図12の多層生理用品の態様は、裏張りシートが
液体吸収体シートの同一の寸法の生理用品を多層生理用
品にするものである。このような形状の生理用品に本発
明の多層構造を適用するには、図12のように、下層の
複合吸収シートの表面周縁と上層複合吸収シートの裏面
周縁の一部又は全部を仮固定Kによって固定することが
できる。この場合の仮固定Kは、前記の裏張りシートが
液体吸収シートより大きい場合と同様の仮固定方法を採
用することができる。例えば、接着と剥離が反復できる
感圧接着剤(粘着剤)による接着方法、融着防止剤を間
に介在させた半溶着方法、フイルムの切断を容易にする
ミシン目方法、接着剤を使用しないで高圧で圧縮する圧
着方法、及び仮固定を分離した場合に、続いて使用する
最下層裏張りシート側の液体吸収シートに接着力が残存
しない限り、公知の仮固定方法は特に制限なく使用でき
る。
【0013】さらに、この型の本発明多層生理用品に対
して、感熱接着剤層又は弱接着性感圧接着剤を使用すれ
ば裏張りシートと複合吸収シートの上面を全面的に接着
して仮固定することができる。そして、この型の多層生
理用品を積層する場合は、複合吸収シートを少しずらし
て、周縁に段差をつけると剥離操作を容易にすることが
できる。図13の場合は、複合吸収シートの多層構造の
端を熱可塑性樹脂フイルムとして、これをヒートシール
した全層一体的融着Hで一端を融着固定したものであ
り、その融着部の内側にミシン目を設けて、上層複合吸
収シートから順に剥がせるようにしたものである。この
ように本発明生理用品は前述の仮固定の方法の一つ又は
二つ以上を併用することができる。本発明の仮固定のい
ずれの方法においても、裏張りシートの周縁の先端を最
上層の裏張りシートから順に短くしておくと一番上の裏
張りシートの最も長い先端を簡単に引きはがすことがで
きて好適である。図14は、複合吸収シートの裏張りシ
ート11の裏にさらに、余分に包装用のフイルムR(図
14(a))を貼着している。このフイルムRの中央には
スリットS(図14(b))が付けてある。この複合吸収シ
ートを剥がした後、スリットを開いてひっくり返して、
全複合吸収シートを内部に収納することができる。包装
用フイルムRのスリットの位置及び方向は、中央に限ら
ず任意の位置に設けることができる。包装用フイルムの
側縁を裏張りシートから遊離させてここに形成された開
口部をひっくり返して包装することができる。本発明多
層生理用品の製造方法は、2枚以上の長尺の熱可塑性樹
脂製裏張りシート、2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製多
孔質フイルムシート及び2層以上の高分子吸収体シート
を用いて、多層生理用品を連続的に製造する工程である
が、この場合、複合吸収シートを別個に形成してから、
これを仮固定手段を用いて積層する方法が通常考えられ
るが、本発明者らは、下層の複合吸収シートの上面の多
孔質フイルムと、その上層の複合吸収シートの下面の裏
張りシートを接着剤を介した接着により積層した長尺の
積層シートを1枚以上容易して、この長尺の積層シート
の間に高分子吸収体シートを挟んで、この長尺多層シー
トの両側縁を熱シール又は溶断により溶着し、ついで、
各多層生理用品ごとに切断することを特徴とする好適な
多層生理用品の製造方法を発明するに至った。すなわ
ち、当該製造方法を実行すると、下層の複合吸収体シー
トの上面多孔質フイルムと、その上にある上層の複合吸
収シートの裏張りシートの間は、熱シール又は溶断工程
において接着剤が介在しているので半溶着状態になり、
前記した半溶着による仮固定となる。ところが、一方、
各複合吸収シートの高分子吸収体シートを挟んだ裏張り
シートと多孔質シートの間には接着剤が存在しないの
で、熱溶着が形成されてしっかりと高分子吸収体を包み
こむことができる。その結果、各複合吸収シートの間が
指で剥がせる仮固定状態を連続的に効率的に形成するこ
とができる。このように複合吸収シートの多孔質フイル
ムに相当すると長尺の多孔質フイルムと、複合吸収シー
トの裏張りシートに相当する長尺の裏張りシートを接着
剤を介して接着した長尺の積層シートを前もって用意
し、これを用いて本発明多層生理用品を製造する点に特
徴がある。本発明の製造方法として好適な具体的方法
は、2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシート、2
枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムシート及
び2層以上の長尺の高分子吸収体シートを用いて、多層
生理用品を連続的に製造する工程において、長尺の熱可
塑性樹脂製多孔質フイルムシート上面に、長尺の熱可塑
性樹脂製裏張りシートを連続的に送り出して、両シート
間の側縁に接着剤を介在させて圧着して形成した接着仮
固定積層シート(図15(a)の符号12と21及び22
と31の積層)を複数枚数を前もって製造しておく。
【0014】各接着仮固定積層シートを該接着仮固定積
層シートより幅の狭い2層以上の長尺の高分子吸収体シ
ートの各層間にそれぞれ介在させて、図15(a)のよう
に積層して高分子吸収体シートと接着仮固定積層シート
が交互に重なる交互積層シートMを形成させる。そし
て、該交互積層シートMの最上面に1枚の長尺の表面熱
可塑性樹脂製多孔質フイルムシートを積層し、該交互積
層シートの最下面には、1枚の長尺の裏面熱可塑性樹脂
製裏張りシートを積層して所定枚数の高分子吸収体シー
トを含む長尺の多層積層シートを形成し、該多層積層シ
ートの中の長尺の接着仮固定積層シート側縁を図15
(b)のように熱シール若しくは溶断する。このとき、各
接着仮固定積層シートの側縁は、その下方にある裏面裏
張りシート若しくは下方にある接着仮固定積層シートの
上面、並びに、その上方にある接着仮固定積層シートの
下面若しくは表面熱可塑性樹脂製多孔質フイルムシート
の各シートの側縁に融着固定される。また、この熱シー
ル又は溶断工程において、各接着仮固定積層シートの長
尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムシートとその直上の
長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの側縁は接着剤の介
在による熱シール若しくは溶断による半溶着仮固定を形
成される。ここに形成された長尺の多層積層体を所定の
多層生理用品の縦の長さの間隔毎に切断すると、図15
(c)の各多層生理用品を効率良く製造することができ
る。この製造方法においては、高分子吸収体シートが長
尺の布状であると製造が便利である。長尺の吸収体シー
トを使用する方法は、機械的に切断すると図15(c)の
ように各多層生理用品は、高分子吸収体は切断端部Nに
露出した状態になるが、縦型にして長手方向を切断する
ので、また、この切断端部に弱粘着性の物質を切断端部
の材質に含浸させておくと機械的切断の圧力で切断端部
を半封鎖状態にすることができる。また、切断を溶断に
より切断するのも好適である。本発明の製造方法とし
て、高分子吸収体シートを各複合吸収シート毎に切断し
たものを積層シートの間に一定間隔毎に設置して設置し
て、製造する方法を採用することができる。すなわち、
前記の製造方法と同じく、長尺の熱可塑性樹脂製裏張り
シートの上面に、長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルム
とを連続的に送り出して、両シート間に接着剤を介在さ
せて圧着して両シートを接合して形成した積層シートを
所望により複数枚用意する。別に、裏面に植毛シートを
貼着した1枚の長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの上
に、前記積層シートの幅より狭い所定の長さの高分子吸
収体シートを一定間隔を空けて該高分子吸収体の長さ方
向を前記積層シートの長手方向に対して平行又は垂直方
向に載置して、その上に、別の長尺の前記積層シートを
重合して、さらに、その上に、所定の長さの高分子吸収
体シートを一定間隔を空けて下層の高分子吸収シートと
重なる位置に設置し、所望により、前記積層シートの積
層と所定の長さの高分子吸収体シートの載置を1回以上
繰り返した後、最上層に多孔質フイルムを積層して、所
望の枚数の高分子吸収体シートを有する長尺の複合積層
シートを形成して、該複合積層シートを連続的に熱シー
ル工程台に送り出して、高分子吸収体シートの外側側縁
で、前記積層シート同士をヒートシール若しくは溶断に
より接合し、最後に、内部に設置された所定の長さの高
分子吸収体シートの間を溶断又は熱圧着後の機械的切断
により分離する。高分子吸収体シートの載置の際に、高
分子吸収体シートの裏面の一部又は載置される積層シー
トの位置の一部に感圧接着剤を塗布しておくと載置した
位置に固定されるので便利である。また、高分子吸収体
シートの載置は、各積層シート毎に前以て載置してお
き、高分子吸収体シートを載置された積層シートを重ね
合わせることも本発明の製造方法の均等方法である。こ
の方法による製造する場合は、各高分子吸収体シートを
設置した積層シートを高分子吸収体シートの位置を常用
の光電管等の方法で検知して、上下の高分子吸収体シー
トをちょうど同じ位置に重なるように制御する必要があ
る。この製造方法において、最下層の裏張りシートの裏
面に貼着する植毛シート等の物理的固着具の施工を最後
の切断の直前にすることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明多層生理用品は、複数個の複合吸
収シートの周縁を仮固定することにより、上層から順に
複合吸収シートを除去することができるので、外出時に
多数の生理用品を携帯する必要がなくなる。例えば、二
層の生理用品を使用すると携帯する数は半分以下にな
り、三層にすると三分の一以下になる。また、そのトイ
レにおいて、使用済み液体吸収シートを除去する際に、
最下層複合吸収シートの裏張りシートの下着に於ける位
置はまったく変化しないので、最初の装着さえ正しく行
えば、単に最上層の複合吸収シートを剥がすだけで正確
な位置に次の層の複合吸収シートが配置されていること
になる。従来の生理用品は、外出時の狭い場所での取り
替えにおいて、下着からの取り外し及び下着への正確な
取り付け操作を要するのに対して、本発明多層生理用品
は単に1枚剥がすだけでよく、飛躍的に時間を短縮でき
る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様の多層生理用品の横
断面図である。
【図2】図2は図1の最下層複合吸収シートの平面図
(a)及び横断面図(b)である。
【図3】図3は図1の上層複合吸収シートの平面図
(a)、縦断面図(b)及び横断面図(c)である。
【図4】図4は本発明の他の実施態様の多層生理用品の
平面図(a)及び横断面図(b)である。
【図5】図5は本発明の他の実施態様の3種の多層生理
用品の平面図である。
【図6】図6(c)は本発明の他の実施態様の多層生理用
品の縦断面図であり、図6(a)及び(b)はそれを展開し
た状態の平明図及び縦断面図であり、図6(d)は三層の
場合の縦断面図である。
【図7】図7は本発明の他の実施態様の多層生理用品の
横断面図(a)、縦断面図(b)及び、裏面図(c)であり、
図7(d)は他の実施態様の多層生理用品の縦断面図であ
る。
【図8】図8は本発明の他の実施態様の多層生理用品の
平面図(a)及び横断面図(b)である。
【図9】図9(b)は本発明の他の実施態様の多層生理用
品の平面図であり、図9(a)はこれを展開した状態の平
面図である。
【図10】図10は本発明の他の実施態様の多層生理用
品の裏面図(a)、縦断面図(b)及び断面構造を示す拡大
部分断面図(c)である。
【図11】図11は図10の実施態様の多層生理用品の
製造工程の説明図である。
【図12】図12は本発明の他の実施態様の多層生理用
品の横断面図である。
【図13】図13は本発明の他の実施態様の多層生理用
品の縦断面図である。
【図14】図14は包装用フイルムを設けた複合吸収シ
ートの断面図(a)の裏面図(b)である。
【図15】図15(a)は本発明製造方法に用いる積層シ
ートの一態様の積層構造を示す断面図、図15(b)はそ
の本発明製造方法の積層シートの側縁の熱シールの位置
を示す平面図であり、図15(c)はその本発明製造方法
で製造された多層生理用品の平面図である。
【図16】図16(a)は本発明の物理的固定具の一態様
の平面図であり、図16(b)はその裏面図である。図1
6(c)は、下着に装着した場合の物理的固着具の使用状
態を示す図であり、図16(d)は、他の態様の物理的固
着具の下着に装着した場合の使用状態を示す図であり、
図16(e)はその使用状態の断面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5 複合吸収シート 10、20、30、40 液体吸収体シート 11、21、31、41、51 裏張りシート 12、22、32、42、52 表面フイルム 24 周縁 25、35、45 周縁感圧接着剤層 26 突起舌片部 27 拡張舌片部 28 拡張舌片部 A 植毛シート C ヒートシール D 境界線 E ミシン目 F 機械的圧着 G 溝列状凹部 H 全層一体的融着 J 下着布地 K 仮固定 m 延設端部 n 延設端部 M 積層シート N 切断端部 S 包装フイルムのスリット R 包装フイルム p 凹状ホック r 凸状ホック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 充夫 大阪府河内長野市天見2256 (72)発明者 内山 充史 東京都文京区白山5−29−6−602

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏面に液体吸収体シートより寸法の大きい
    下層裏張りシートを有する下層複合吸収シートの上に、
    裏面に上層裏張りシートを有する上層複合吸収シートを
    裏面側を下にして重ね、下層複合吸収シートの液体吸収
    体シートの面積寸法より外側にはみ出した下層裏張りシ
    ート周縁と上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周
    縁同士を、該周縁の少なくとも対向する2縁において、
    仮固定してなる2枚以上の複合吸収シートの積層構造を
    有し、最下層の複合吸収シートの最下層裏張りシートの
    裏面に下着布に対する物理的固着具を設けたことを特徴
    とする多層生理用品。
  2. 【請求項2】仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張
    りシートの周縁と上層複合吸収シートの上層裏張りシー
    トの周縁との間の感圧接着剤層を介在させた圧着によっ
    て行う請求項1記載の多層生理用品。
  3. 【請求項3】感圧接着剤層が上層複合吸収シートの裏面
    に塗布されたものである請求項2記載の多層生理用品。
  4. 【請求項4】感圧接着剤層と下層複合吸収シートの下層
    裏張りシートの周縁との間にさらに剥離剤層を介在させ
    た圧着である請求項2記載の多層生理用品。
  5. 【請求項5】仮固定が、下層複合吸収シートの熱可塑性
    樹脂製裏張りシートの周縁と上層複合吸収シートの熱可
    塑性樹脂製裏張りシートの周縁との間に溶着防止剤を介
    在させたヒートシールによる半溶着固定である請求項1
    記載の多層生理用品。
  6. 【請求項6】ヒートシールによる半溶着が熱刃による溶
    断によって行ったものである請求項5記載の多層生理用
    品。
  7. 【請求項7】仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張
    りシートと上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周
    縁の一部又は全周を感熱接着剤層を介させた熱圧着によ
    り固定したものである請求項1記載の多層生理用品。
  8. 【請求項8】仮固定の一部が、上層複合吸収シートの上
    層裏張りシートが下層複合吸収シートの下層裏張りシー
    トと一体的な連続シートよりなるものを境界線で折り曲
    げて重ねてなる2層以上の多層構造において、その境界
    線付近に2列のミシン目を設けたものである請求項1記
    載の多層生理用品。
  9. 【請求項9】連続シートを折り曲げた多層構造におい
    て、折り曲げ境界線の反対側の周縁の下層複合吸収シー
    トの表面と上層複合吸収シートの裏面との間を接着剤に
    よって仮固定した請求項8記載の多層生理用品。
  10. 【請求項10】仮固定が、複数の複合吸収シートを重ね
    て、全部の裏張りシートの周縁の少なくとも対向する2
    縁において熱融着によって一旦完全固定したものを、そ
    の熱融着の内側全周に切断ミシン目を設けて仮固定状態
    にしたものである請求項1記載の多層生理用品。
  11. 【請求項11】仮固定が、下層裏張りシートと上層裏張
    りシートの全周の少なくとも対向する2縁において、周
    縁を強力な機械的圧着により仮固定したものである請求
    項1記載の多層生理用品。
  12. 【請求項12】下層複合吸収シートの下層裏張りシート
    と上層複合吸収シートの上層裏張りシートが圧着プレス
    の凹凸面によって形成された凹凸面で嵌合して仮固定さ
    れている請求項11記載の多層生理用品。
  13. 【請求項13】裏面に液体吸収体シートと略同一寸法の
    裏張りシートを有する複合吸収シートの多層構造におい
    て、上層複合吸収シートの裏面の一部又は全部を下層の
    複合吸収シートの表面と仮固定してなる2枚以上の複合
    吸収シートの積層構造を有し、最下層の複合吸収シート
    の最下層裏張りシートの裏面に下着布に対する物理的固
    着具を設けたことを特徴とする多層生理用品。
  14. 【請求項14】仮固定が、上層複合吸収シートの裏面の
    全面又は一部に、感熱接着剤又は弱接着性感圧接着剤に
    よって各積層間を仮固定したことを特徴とする請求項1
    3記載の多層生理用品。
  15. 【請求項15】2枚以上の複合吸収シートを重ねた多層
    構造であって、各裏張りシートの周縁がその下層の裏張
    りシートの周縁の外側にまで拡張された拡張周縁を有
    し、積層構造の最下層裏張りシートの裏面並びにそれに
    積層された2以上の複合吸収シートの裏張りシートの周
    縁を1層下の裏張りシートの周縁よりはみ出した拡張周
    縁とし、その拡張周縁の裏面に感圧接着剤若しくは下着
    布に対する物理的固着具を設け、かつ最下層裏張りシー
    トの裏面に下着布に対する物理的固着具を設けたことを
    特徴とする多層生理用品。
  16. 【請求項16】表側にひっくりかえして複合吸収シート
    を収納する収納口付きフイルムを裏面に積層してなる多
    層生理用品用複合吸収シート。
  17. 【請求項17】2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製裏張り
    シート、2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイル
    ムシート及び2層以上の高分子吸収体シートを用いて、
    多層生理用品を連続的に製造する工程において、長尺の
    熱可塑性樹脂製多孔質フイルムシート上面に、長尺の熱
    可塑性樹脂製裏張りシートを連続的に送り出して、両シ
    ート間の側縁に接着剤を介在させて圧着して形成した接
    着仮固定積層シートを1枚以上用意し、当該接着仮固定
    積層シートの間に高分子吸収体シートを挟持させた後、
    側縁を熱シール又は溶断することにより、各接着仮固定
    積層シートの積層間には半溶着状態を形成し、各接着仮
    固定積層シートの上層又は下層の接着固定シートの裏張
    りシート又は多孔質フイルムシートとの間には溶着状態
    を形成させることを特徴とする多層生理用品の製造方
    法。
  18. 【請求項18】2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製裏張り
    シート、2枚以上の長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイル
    ムシート及び2層以上の高分子吸収体シートを用いて、
    多層生理用品を連続的に製造する工程において、長尺の
    熱可塑性樹脂製多孔質フイルムシート上面に、長尺の熱
    可塑性樹脂製裏張りシートを連続的に送り出して、両シ
    ート間の側縁に接着剤を介在させて圧着して形成した接
    着仮固定積層シートを1枚以上用意し、各接着仮固定積
    層シートを該接着仮固定積層シートより幅の狭い2層以
    上の長尺の高分子吸収体シートの各層間にそれぞれ介在
    させて積層して高分子吸収体シートと接着仮固定積層シ
    ートが交互に重なる交互積層シートを形成させ、該交互
    積層シートの最上面に1枚の長尺の表面熱可塑性樹脂製
    多孔質フイルムシートを積層し、該交互積層シートの最
    下面には、1枚の長尺の裏面熱可塑性樹脂製裏張りシー
    トを積層して所定枚数の高分子吸収体シートを含む長尺
    の多層積層シートを形成し、該多層積層シートの中の長
    尺の接着仮固定積層シート側縁を熱シール若しくは溶断
    することにより、各接着仮固定積層シートの側縁は、そ
    の下方にある裏面裏張りシート若しくは下方にある接着
    仮固定積層シートの上面、並びに、その上方にある接着
    仮固定積層シートの下面若しくは表面熱可塑性樹脂製多
    孔質フイルムシートの各シートの側縁に融着固定され、
    また、各接着仮固定積層シートの長尺の熱可塑性樹脂製
    多孔質フイルムシートとその直上の長尺の熱可塑性樹脂
    製裏張りシートの側縁は接着剤の介在による熱シール若
    しくは溶断による半溶着仮固定を形成せしめ、ここに形
    成された長尺の多層積層体を所定の間隔毎に切断するこ
    とを特徴とする多層生理用品の製造方法。
  19. 【請求項19】高分子吸収体シートが布状であることを
    特徴とする請求項18記載の多層生理用品の製造方法。
  20. 【請求項20】長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの上
    面に、長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムとを連続的
    に送り出して、両シート間に接着剤を介在させて圧着し
    て両シートを接合して形成した接着仮固定積層シートを
    所望により複数枚用意し、別に、裏面に物理的固着具を
    設けた1枚の長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの上
    に、前記接着仮固定積層シートの幅より狭い所定の長さ
    の高分子吸収体シートを一定間隔を空けて該高分子吸収
    体の長さ方向を前記積層シートの長手方向に対して平行
    又は垂直方向に載置して、その上に、別の長尺の前記接
    着仮固定積層シートを重合して、さらに、その上に、所
    定の長さの高分子吸収体シートを一定間隔を空けて下層
    の高分子吸収シートと重なる位置に載置し、所望によ
    り、前記接着仮固定積層シートの積層と所定の長さの高
    分子吸収体シートの載置を1回以上繰り返した後、最上
    層に長尺の多孔質フイルムを積層して、所望の枚数の高
    分子吸収体シートを有する長尺の複合積層シートを形成
    して、該複合積層シートを連続的に熱シール工程台に送
    り出して、高分子吸収体シートの外側側縁で、前記積層
    シート同士をヒートシール若しくは溶断により接合し、
    最後に、内部に載置された所定の長さの高分子吸収体シ
    ートの間を溶断又は熱圧着後の機械的切断により分離す
    ることを特徴とする多層生理用品の製造方法。
  21. 【請求項21】長尺の熱可塑性樹脂製裏張りシートの上
    面に、長尺の熱可塑性樹脂製多孔質フイルムとを連続的
    に送り出して、両シート間に接着剤を介在させて圧着し
    て両シートを接合して形成した接着仮固定積層シートを
    所望により複数枚用意し、別に、1枚の長尺の熱可塑性
    樹脂製裏張りシートの上に、前記積層シートの幅より狭
    い所定の長さの高分子吸収体シートを一定間隔を空けて
    該高分子吸収体の長さ方向を前記積層シートの長手方向
    に対して平行又は垂直方向に載置して、その上に、別の
    長尺の前記接着仮固定積層シートを積層して、さらに、
    その上に、所定の長さの高分子吸収体シートを一定間隔
    を空けて下層の高分子吸収体シートと重なる位置に載置
    し、所望により、前記接着仮固定積層シートの積層と所
    定の長さの高分子吸収体シートの載置を1回以上繰り返
    した後、最上層に多孔質フイルムを積層して、所望の枚
    数の高分子吸収体シートを有する長尺の複合積層シート
    を形成して、該複合積層シートを連続的に熱シール工程
    台に送り出して、高分子吸収体シートの外側側縁で、前
    記積層シート同士をヒートシール若しくは溶断により接
    合し、該熱シール工程の前又は後に該複合積層シートの
    裏面に物理的固着具を設けた長尺の熱可塑性樹脂製シー
    トを貼着し、最後に、内部に載置された所定の長さの高
    分子吸収体シートの間を溶断又は熱圧着後の機械的切断
    により分離することを特徴とする多層生理用品の製造方
    法。
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