JP3027891U - 多層生理用品 - Google Patents

多層生理用品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】多数の取り替え用の生理用品の携帯が不要で、
かつ、取り替え時間を大きく短縮できる多層生理用品を
提供する。 【解決手段】液体吸収シートの裏面に液体吸収体シート
より寸法の大きい下層裏張りシートを有し、表面に液体
透過性表面フイルムを有する下層複合吸収シートの上
に、裏面に同様の構造の上層複合吸収シートを裏面側を
下にして重ね、下層複合吸収シートの液体吸収体シート
の面積寸法より外側にはみ出した下層裏張りシート周縁
と上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周縁同士を
仮固定してなる2枚以上の複合吸収シートの積層構造を
有することを特徴とする多層生理用品。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、使用に便利な生理用品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、女性の生理用品の使用の態様は、たとえ液体吸収体シートの吸収能力が 残存していても、トイレ使用の度毎に新鮮な生理用品に取り替えて、使用済みの ものは捨ててしまうのが一般的である。 従来は、生理用品の液体吸収体シートの吸収能力を大きくすることに開発の力 点がおかれているが、この女性の使用態様から見ると、吸収能力をこれ以上幾ら 大きくしても意味がないことになる。 さて、最近の生理用品は、非常にコンパクトになってきたとはいえ、上記のよ うにトイレの度毎に取り替えるため外出時には予備の生理用品を数個持ち歩くこ とになり、かさ張るので不便であった。 そのためフォーマルな装い等ファッションを気にする服装時の生理用品の収納 には、別に手提げ袋を用意するなど平常時よりも種々の制限を受ける不便が生じ ていた。 また、羞恥心の大きい女子学生などにとってはトイレの時間が長いのを嫌う傾 向にあり、校内や旅行等での使用にも生理用品の携帯、保管場所や休み時間の限 られた時間内の狭い場所での取り替えには、長い時間がかかり不便であった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、多数の取り替え用の生理用品の携帯が不要で、かつ、取り替え時間 を大きく短縮できる多層生理用品を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案者は、現在、吸収材質の進歩によって、液体吸収シートが非常に薄くな って、しかも大きい吸収能力を有する点、従来の1個のパッケージにつき一度の 使用で使い切る生理用品を、液体吸収シート部分に同一のシートを2〜5枚重ね ても、未使用の液体吸収シートは非常に薄い厚さであるので、2〜5枚重ねても 厚さはあまり増加せず、装着感及び外観にも殆ど変化がない点、及び公知の液体 吸収シートの上に、同一の吸収シートを2〜5枚を分離状態で重ねた液体吸収シ ートを使用すれば、単に上層の使用済み液体吸収シートのみを剥がすことによっ て、その下にある新らしい生理用品に短時間で取り替えができ、1個のパッケー ジで従来の2〜5個分の生理用品の装着が可能となり、予備の生理用品パッケー ジを携帯する必要がない点に着目し、この発想に基づき鋭意研究を重ね、使用済 み上層液体吸収シートの取り外し操作が容易で、かつ製造に便利な積層液体吸収 シートを有する多層生理用品を提供するに至ったものである。 すなわち、本考案は、次の各項の考案よりなるものである。 (1)液体吸収シートの裏面に液体吸収体シートより寸法の大きい下層裏張りシ ートを有し、表面に液体透過性表面フイルムを有する下層複合吸収シートの上に 、裏面に同様の構造の上層複合吸収シートを裏面側を下にして重ね、下層複合吸 収シートの液体吸収体シートの面積寸法より外側にはみ出した下層裏張りシート 周縁と上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周縁同士を仮固定してなる2枚 以上の複合吸収シートの積層構造を有することを特徴とする多層生理用品。 (2)仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張りシートの周縁と上層複合吸収 シートの上層裏張りシートの周縁との間の感圧接着剤層を介在させた圧着によっ て行う第(1)項記載の多層生理用品。 (3)感圧接着剤層が上層複合吸収シートの裏面に塗布されたものである第(2) 項記載の多層生理用品。 (4)感圧接着剤層が下層複合吸収シートの下層裏張りシートの周縁に剥離剤層 を介在させて塗布されたものである第(2)項記載の多層生理用品。 (5)仮固定が、下層複合吸収シートの熱可塑性樹脂製裏張りシートの周縁と上 層複合吸収シートの熱可塑性樹脂製裏張りシートの周縁との間に溶着防止剤を介 在させたヒートシールによる半溶着固定である第(1)項記載の多層生理用品。 (6)ヒートシールによる半溶着が熱刃による溶断によって行ったものである第 (5)項記載の多層生理用品。 (7)仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張りシートと上層複合吸収シート の上層裏張りシートの周縁の一部又は全周を感熱接着剤層を介させた熱圧着によ り固定したものである第(1)項記載の多層生理用品。 (8)仮固定が、上層複合吸収シートの上層裏張りシートが下層複合吸収シート の下層裏張りシートと一体的な連続シートよりなるものを境界線で折り曲げて重 ねてなる多層構造において、その境界線付近に1以上のミシン目を設けたもので ある第(1)項記載の多層生理用品。 (9)連続シートを折り曲げた多層構造において、折り曲げ境界線の反対側の周 縁の下層複合吸収シートの表面と上層複合吸収シートの裏面との間を仮固定した 第(8)項記載の多層生理用品。 (10)複数の複合吸収シートを重ねて、全部の裏張りシートの周縁の一部又は全 周を熱融着によって一旦結合して、その熱融着の内側に切断ミシン目を設けたも のである第(1)項記載の多層生理用品。 (11)仮固定が、下層裏張りシートと上層裏張りシートの少なくとも一縁を単に 機械的圧着により仮固定したものである第(1)項記載の多層生理用品。 (12)下層複合吸収シートの下層裏張りシートと上層複合吸収シートの上層裏張 りシートが圧着プレスの凹凸面によって形成された凹凸面で嵌合して仮固定され ている第(11)項記載の多層生理用品。 (13)裏面に液体吸収体シートと略同一寸法の裏張りシートを有する複合吸収シ ートの多層構造において、上層複合吸収シートを、下層の複合吸収シートの液体 透過性表面フイルムの周縁と上層複合吸収シートの裏面の周縁の一部又は全部を 仮固定してなる2枚以上の複合吸収シートの積層構造を有することを特徴とする 多層生理用品。 (14)2枚以上の複合吸収シートを重ねた多層構造であって、各裏張りシートの 周縁がその下層の裏張りシートの周縁の外側にまで拡張された拡張周縁を有し、 積層構造の最下層裏張りシートの裏面並びにそれに積層された複合吸収シートの 裏張りシートの下層よりはみ出した拡張周縁の裏面に感圧接着剤層を設け、その 各複合吸収シートの全感圧接着剤層を剥離紙で覆って該多層構造を固定したこと を特徴とする多層生理用品。 (15)2以上の複合吸収シートの積層構造において、上層複合吸収シートの裏面 の全面に塗布した感熱接着剤又は弱接着性感圧接着剤によって各積層間を仮固定 したことを特徴とする多層生理用品。
【0005】
【考案の実施の形態】
本考案生理用品に用いる液体吸収体シートは、公知の生理用品の液体吸収体シ ートの材質、形状及び構造を、特に制限なく採用することができる。 液体吸収シートの材質は薄くても吸収能力の大きい吸水性高分子製の布若しく は不織布又は綿を特に好適に使用できる。 生理用品は、通常、裏張りシートの上に液体吸収体シートが乗せられ、その上 に吸収液の逆戻り防止シートが積層され、さらに、その上に液体透過性フイルム が積層され、その液体透過性フイルムの周縁が裏張りシート周縁に接着、融着又 はその他の手段で固定されている。 本考案においては、液体吸収体シート、これを乗せる裏張りシート及び液体透 過性は必須の構成である。 本考案では、生理用品の液体吸収体を含む積層体の全体を複合吸収シートと定 義する。また、裏張りシートが液体吸収シートの寸法よりも大きい場合は裏張り シートの周縁が液体吸収シートよりはみ出す形状となる。このときは、裏張りシ ートの周縁の表面側には、液体透過性表面フイルムなどが積層される場合がある が、このような積層シート全体を裏張りシートの周縁とみなして、例えば裏張り シートの周縁の表面側に一体的に接着している液体透過性表面フイルムなどは、 裏張りシートの周縁の表面とみなすものとする。 また、本考案においては、上層複合吸収シートのみを剥離して捨てる場合の包 み紙がない点を補うために、複合吸収シート特にその裏張りシートに廃棄包装用 シートを取り付けるとさらに好適である。例えば、裏張りシートの裏面に積層さ れたフイルムの中央部にミシン目等を付けて、これを切断して複合吸収シートの 表側にひっくり返して包装することができる。このような廃棄包装用のフイルム のある場合は、このフイルムも含めて裏張りシートの裏面と定義する。 本考案生理用品の好ましい態様は、下層の複合吸収シートの液体吸収体シート の周縁からはみ出した下層裏張りシート周縁の上に、仮固定によって第二、及び 第三の複合吸収シートの上層裏張りシートの周縁が順次仮固定された複合吸収シ ートの2以上の積層体からなる。また、裏張りシートが液体吸収体シートの寸法 と略同一の場合は、下層複合吸収シートの表面の周縁と上層複合吸収シートの裏 面の周縁との間の仮固定によって2以上の複合吸収シートの積層体にすることが できる。 また、別の態様として、下層複合吸収シートと仮固定に代えて、若しくは該仮 固定とともに、上層複合吸収シートの裏面を直接下着布地に感圧接着剤で接着さ せる態様もある。 本考案において、下層複合吸収シートと上層複合吸収シートとの間の仮固定と は、携帯状態及び生理用品装着状態では安定して固定されているが、取り替え時 には、指で容易に下層から上層複合吸収シートを取り外し可能な取り付け状態で あり、上層の複合吸収シートを取り外すときに、本考案生理用品の最下層の複合 吸収シートの最下層裏張りシートと下着との固定はそのままにして、一番上にあ る使用済みの複合吸収シートを指で引き剥がして取り外すことができる状態であ る。 このような取り外し可能の仮固定状態は、下層の複合吸収シート液体吸収体シ ートの面積からはみ出している裏張りシートの周縁若しくは液体吸収体シートの 表面の周縁と下層複合吸収シートの裏張りシートの周縁との間に、弱い結合力で 固定することによって達成できる。 その仮固定方法としては、接着と剥離が反復できる感圧接着剤(粘着剤)によ る部分的接着方法、弱接着性の感圧接着剤による全面的接着方法、接着と剥離が 反復できない感熱接着剤による熱圧着接着方法、融着防止剤を間に介在させた半 溶着方法、フイルムの切断を容易にするミシン目方法及び接着剤を使用しないで 高圧で圧縮する反復不能の圧着方法など、仮固定を分離した場合に、継続して使 用する最下層裏張りシート側に接着力が残存しない仮固定方法であれば、特に制 限なく使用できる。また、本考案の仮固定方法として、これらの仮固定手段の二 つ以上を併用することができる。例えば、一方の縁をミシン目又は圧着方法にし て、これに対向する他方の縁に感圧又は感熱接着剤による仮固定を使用する方法 などは好適である。 これら仮固定は、通常液体吸収シートの周縁からはみ出した裏張りシートの周 縁において、実行される。しかし、これらの仮固定の中で、感熱接着剤層及び弱 接着性感圧接着剤層による場合は、剥離後の下層複合吸収シートの表面が粘着す ることがないので、上層複合吸収シートの裏面全体に感熱接着剤又は弱接着性感 圧接着剤を塗布して、下層複合吸収シートの表面の接着による仮固定を実施する ことができる。この仮固定は、複合吸収シートの裏張りシートが液体吸収シート と同一寸法の場合にも実施することができる。 また、下層複合吸収シートとの仮固定に代えて、又はこれら仮固定と共に、下 層複合吸収シート周縁より拡張された上層複合吸収シートの周縁の裏面を感圧接 着剤層で直接下着の布地に接着仮固定することができる。この場合は、最下層裏 張りシートの裏面とともに、上層複合吸収シートの上層裏張りシートの拡張周縁 の裏面の感圧接着剤層は、一枚の剥離紙で使用直前まで保護することができ、こ の剥離紙が使用直前まで多層構造を固定している。 本考案生理用品は、複合吸収シートを下着等に固定する機構、逆戻り防止及び 横漏れ防止機構などについては特徴はなく、本考案の目的を損なわない限り公知 の生理用品の構造を特に制限なく採用することができる。 本考案多層生理用品を構成する単層の複合吸収シートの好ましい態様は、公知 の生理用品とほぼ同一の構造を有するものであり、裏張りシートの寸法は液体吸 収シートの寸法より大きくして、周縁の少なくとも一部、望ましくは大部分が内 蔵されている液体吸収シートの周縁よりはみ出しているものである。 本考案に用いる最下層複合吸収シートの裏張りシートの裏面には、下着の生地 の特定の場所に固定するために、例えば感圧接着剤層などの公知の固定機構が設 けられている。 特に、感圧接着剤層を設けてその上に剥離紙を張り付けたものを好適に使用す ることができる。使用の際は剥離紙を剥がして下着の生地の所定の位置に接着す ることができる。 本考案に用いる複合吸収シートの裏張りシートも公知の形状材質のものを使用 することができる。 本考案に用いる複合吸収シートの裏張りシートは、液体吸収体シートを固定す る台紙シートとしての役割を果たすものであるが液体吸収体をシート状に固定又 は包装する役目を果たすもので液体吸収体と分離しているもの及び一体的に形成 されているもののいずれの態様も使用することができる。 本考案の裏張りシートは、液体吸収体シートに吸収された液体がさらに裏面に 染み出さない材質が望ましい。例えば、薄い樹脂フイルム、超薄の樹脂フイルム をラミネートした紙シート若しくは不織布又は撥水加工した紙シート若しくは不 織布などを使用することができる。紙シート若しくは不織布の場合は、水でスラ リー状にして流せる利点がある。 本考案に使用する液体吸収シートの液体吸収能が非常に大きい場合は、本考案 の最下層裏張りシートは特に不透湿性である必要はなく、水でほぐれる紙若しく は不織布をそのまま使用することもできる。このような液体吸収シート及び裏張 りシートの材質、形状は本考案の特徴ではなく、どのようなものも使用すること ができる。 本考案の多層生理用品の一番底になる最下層裏張りシートは、下着の所定の位 置に最下層裏張りシートを固定する機構を有する必要がある。 この機構については公知の生理用品の機構を特に制限なく使用することができ る。例えば、最下層裏張りシートの全面又は中央部若しくは周縁に感圧接着剤層 を設け、この感圧接着剤層で下着の所定の位置に接着固定する機構を採用するこ とができる。この感圧接着剤層は使用直前まで剥離紙を接着層面の上に張り付け て接着しないようにされていて、使用の際に剥離紙を剥がして下着に正確に取り 付ける。 本考案の複合吸収シートは全く同一材質及び同一寸法のものを使用することが できる。しかし、所望によって、液体吸収体シートの材質、寸法、厚さを変化さ せたりすることができる。これによって、例えば最下層の最後に使用する液体吸 収シートの吸収量を特に大きくすることができる。さらに、数枚の液体吸収シー トを積層した場合などには液体吸収シート又は裏張りシートの色の変化によって 、残りは何層あるかを知らせるようにすると便利である。 本考案の上層複合吸収シートの裏張りシートの役割及び材質は最下層裏張りシ ートとほぼ同一である。ただ、最下層裏張りシートの裏面に設けた下着等に固定 する機構の代わりに、上層裏張りシートの裏面には、下層複合吸収シートの所定 の位置又は直接下着生地に仮固定する機構が必要となる。
【0006】 本考案を実施例の図面によって、さらに詳細に説明する。 実施例の積層構造は、2〜5層で説明しているが、本考案はこれに限定される ものではなく、2以上の多層構造は本考案の態様である。 図1は、裏張りシート11が液体吸収体シート10より大きい面積寸法の場合 の最下層複合吸収シート1に、上層複合吸収シート2を取り外し可能状態で積層 した構造を有する本考案の一実施態様の多層生理用品である。 液体吸収体シート10の裏面には、液体吸収体シート10より少し大きい面積 寸法の裏張りシート11が取り付けられている。そして、液体吸収体シート10 の上には、液体透過性の表面フイルム12が積層され、裏張りシート11と表面 フイルム12の周縁で接合させて、裏張りシート11と表面フイルム12の間に 液体吸収体シート10が包まれて、最下層複合吸収シートを形成している。上層 の複合吸収シート2も最下層複合吸収シート1と同様の積層体であり、液体吸収 体シート20と裏張りシート21及び表面フイルム22から構成されている。 図1の態様では、裏張りシート11の裏面全面には、感圧接着剤層Aが塗布さ れ、その上に剥離紙Bが貼着されている。この裏張りシート11の裏面の感圧接 着剤層Aは公知の生理用品に使用されているものであり、裏張りシート11を下 着の所定の位置に接着固定するときに、剥離紙Bを剥がして使用する。 図面では、簡明のため、裏張りシート11、21、表面フイルム12、22、 感圧接着剤層A及び剥離紙Bは1本の線で表している。また、液体吸収シート1 0、20は1本の太線で表している。そして以下の各図においては、複合吸収シ ートの内部の液体吸収シートを表す太線も繁雑を避けるために省略することもあ る。 この剥離紙による最下層裏張りシート11の固定機構は従来の生理用品におい ても同様であるが、このような感圧接着剤層で下着の所定の位置に生理用品の裏 張りシートを張り付ける場合には、剥離紙を剥がしたときに露出する接着剤層面 がアチコチにひっつくので、外出先の狭いトイレの中で下着を体に付けたまま正 確な位置に固定するのは非常に困難な慎重を要する操作になり時間がかかる。ま た、下着から使用済みの生理用品の裏張りシートを剥がすときに比較的大きい音 がするのも外出先の使用時の欠点となる。 本考案の場合は、下着を装着する前に自宅で正確な位置に最下層裏張りシート を固定することができ、また、取り替えるときは、最上層の複合吸収シートを剥 がすだけであり、最下層の裏張りシートの固定位置に変化はないので、短時間に 新規の液体吸収シートに取り替えることができる。すなわち、最初の多層生理用 品の固定に関しては従来の生理用品と同様の時間がかかるが、それは時間的余裕 のある自宅で操作することであり、本考案生理用品の場合は、問題となる外出先 での取り替え時間が大幅に短縮できる利点がある。 本態様の図2は、図1の裏張りシート11の上に固定された複合吸収シート1 の平面図(a)及び断面図(b)であり、裏張りシート11の周縁14が液体吸収シ ート10の周縁(点線によって図示した)の外にはみ出す状態になるよう形成さ れている。 一方、図3の上層複合吸収シート2の裏張りシート21の裏面の周縁24の裏 面には周縁感圧接着剤層25が塗布されている。 そして、図2の最下層複合吸収シート1の上に図3の上層複合吸収シート2の 裏張りシート21の裏面を重ねて周縁感圧接着剤層25によって、下層裏張りシ ート11の周縁の表面と上層裏張りシート21の周縁の裏面を接着固定すると図 1の断面構造の本考案生理用品の一態様が形成される。 本考案のこの態様の場合は、液体吸収体シート10は、裏張りシート11と裏 張りシート21の間に密封されていて、装着時に外部の湿気を吸収することはな い。しかし、この密封構造は必須の構成ではなく、周縁24の一部には感圧接着 剤層25を塗布しない部分を設けることもできる。そして、この接着剤層の存在 しない周縁部から指を入れて上層複合吸収シート2を容易にはぎ取ることができ るようにすることができる。 また、最上層の積層裏張りシートを剥ぎ取るために便利な突起舌片部26を上 層複合吸収シートの裏張りシート及び/又は最下層裏張りシートの周縁に例えば 図3のように設けることができる。上層裏張りシートと最下層裏張りシートの両 方にこの突起舌片部を近接させて設けると引き剥がし操作がさらに容易になる。 この態様の上層複合吸収シートを有する生理用品を剥離紙Bを剥がして下着に 装着して使用すると表面に現れる複合吸収シート2が液体を吸収する。そしてト イレで最上層の複合吸収シート2を取り替えるときは、裏張りシート21の端部 にある突起舌片部26を持って、これを裏張りシート11の周縁から剥がすこと ができる。この剥がし操作は、裏張りシート11を下着に固定させたままで実施 できる。 本考案生理用品が3層以上の多層の場合には、前記のように上層複合吸収シー トの裏張りシートの突起舌片部26のそばに中間下層の複合吸収シートの裏張り シートの周縁に同様の舌片部(図示しない)を設けておくと、使用済み複合吸収 シートとともに、その中間下層の未使用の複合吸収シートを引き剥がす失敗を防 止することができる。 裏張りシート21を剥がしたときは、周縁感圧接着剤層25は、裏張りシート 21の周縁の裏面側に接着した状態で剥がれるので、裏張りシート11の表面側 に感圧接着剤の糊移りはなく、膚又は体毛等に感圧接着剤層が接着する煩わしさ はない。 感圧接着剤層は、最初塗布した側に残るという一般原則があるからであり、こ の観点から周縁感圧接着剤層25は、裏張りシート21の裏面周縁側に塗布する ことが望ましい。さらに、最下層裏張りシート11の表面周縁に剥離剤を塗布し ておくことによって、このような糊移り防止を完全に達成することができる。こ のように下層裏張りシートに剥離剤を塗布する場合は、下層裏張りシート側に感 圧接着剤を塗布しても、剥がした場合には感圧接着剤層は上層裏張りシート側に 転写されて除去される。また、最近、例えば、ふせん紙などに使用されている糊 移りのないミクロバルーン式の弱接着力の感圧接着剤なども本考案の好適な仮固 定方法である。 また、本考案において複合吸収シートの周縁で仮固定する方法でなく、複合吸 収シートの積層境界面の全面で仮固定するときは、糊移りしない弱接着力の感圧 接着剤を使用することができる。そして、生理用品の液体吸収体シートの上に液 体透過性の表面フイルムのある場合には、複合吸収シートの周縁のみならず、上 層複合吸収シートの裏面の全面と下層複合吸収シートの液体透過性表面フイルム との間の仮固定で積層することができる。このように複合吸収シートの表面と裏 面で周縁のみならず全面で仮固定する場合に通常の接着力の感圧接着剤を使用す ると接着力が強すぎる上に、表面フイルムの穴に糊移りする恐れがある。 ここに用いる弱接着性の感圧接着剤は、通常の感圧接着剤を塗布するときに、 溶剤中の粘着性高分子物質の濃度を低下させて得ることができるが、本質的に粘 着性の低い物質、例えばミクロバルーン型の弱接着剤層を使用することもできる 。本考案の弱接着性とは、剥離力が通常の感圧接着剤の60%以下、好ましくは 40%以下のものが使用でき、具体的には、柔軟な樹脂フイルムに塗布した場合 のT字剥離試験で測定して、20℃の温度において、剥離力10〜500gf/ 20mm、好ましくは20〜300gf/20mm、さらに好ましくは20〜200 gf/20mmの剥離力になるようにして使用することができる。 本考案の別の仮固定の態様は、図4平面図のように、熱可塑性樹脂フイルム製 上層裏張りシート21と熱可塑性樹脂フイルム製下層裏張りシート11の周縁を ヒートシールCによって半溶着して積層を仮固定するものである。 この場合単にヒートシールCによって上下のフイルムを溶着すると、フイルム を破らない限り2枚の裏張りシートを分離して剥がすことはできない。 本考案の図4の実施態様では、裏張りシート21の裏面又は裏張りシート11 の表面に融着防止剤として、油性インキ層が塗布されている。 既にヒートシール又は溶断ヒートシールにおいて、半融着状態にして仮固定す ることは公知の技術であり、熱可塑性樹脂フイルムによる製袋工程にはときどき 使用されているものである。この半溶着に用いる公知の融着防止剤は、本考案に も特に制限なく使用でき、例えば、印刷インキ組成物、該インキから着色顔料を 除去した油性組成物、パラフィン類、油脂、低分子量無定形ポリプロピレンなど 、ヒートシールにおいて、溶着を防止するものであれば特に制限なく好適に使用 することができる。 このような融着防止剤を塗布して、該融着防止剤層を間に介在させた状態で、 2枚の熱可塑性フイルムのヒートシールCを行うと、2枚のフイルムはヒートシ ール部では半融着状態となる。この半融着状態は指でほぐすと剥がれ、一端を少 し剥がすと、この部分から容易に裏張りシート21を剥がすことができる。従っ て、図4の場合は、ヒートシールCの外側の遊離している最下層裏張りシート1 1と上層裏張りシート21の端を持って引きはがすと容易に積層裏張りシート2 1は除去できる。この場合も周縁に舌片部を設けると引き剥がしに便利である。 また、上層裏張りシート21の周縁を大きくすると柔軟裏張りシート21だけを 剥がし易くなり、さらに、3枚以上の液体吸収シートの積層構造にする場合には 、積層の上層からの順に舌片部を、上から順に長さの段差を付けて設けると、端 の舌片部の長いものから順に引きはがすことができて最上層の裏張りシートを順 次間違いなく剥がせる。 この態様の本考案生理用品も、下着に装着したままで、上層複合吸収シートを 容易に剥がすことができる。感圧接着剤は使用していないので、糊移りはまった くなく剥離面は乾燥しており快適に使用することができる。 また、図4の融着防止剤を介在させて、ヒートシールCの代わりに周縁を熱刃 によって溶断することもできる。この場合は、最下層裏張りシート11と上層裏 張りシート21の端が半融着していて、半融着線の外側は溶断により除去されて いるので、ヒートシールの場合のような遊離片が半融着部の外側にないので、剥 がす操作が困難になるが、その代わりに積層裏張りシート21が使用中に剥がれ ないという安定性は増加する。需要に応じて適宜選択して使用することができる 。溶断により固定する場合は、溶断部の一隅を機械的に切断しておくのが好まし く、この部分に指を入れて積層裏張りシート21を剥がすことができる。 また、本考案の他の態様として、図5のように裏張りシート11と裏張りシー ト21の間のいずれか一方の面、望ましくは上層裏張りシート21の裏面全面に 感熱接着剤層を塗布して、このシート周縁を熱圧着して接着する態様も好適であ る。この場合は、塗布された感熱接着剤層は常温では乾燥していて粘着性はまっ たくなく、加熱圧着した場合に融解して接着力を発揮するものである。そして剥 がした場合も乾燥していて粘着性はない点で便利である。裏張りシートの周縁で 熱圧着するので、熱は良く伝達され簡単に熱圧着することができる。 上層裏張りシートの裏面全面に感熱接着剤を塗布できるので、感圧接着剤の場 合のように周縁にだけ選択的に塗布する困難性は低下し、製造に便利である。 裏面全体に塗布された感熱接着剤層は、常温では乾燥しており、粘着しないの で、必要部分だけを熱圧着すれば、裏張りシートの周縁全面(図5(c))、三辺 (図5(a))又は二辺(図5(b))のように任意の形状のヒートシールCを形成 することができる。この仮固定方法は、3層以上の複合吸収シートを積層する場 合に仮固定工程が簡単であり特に好適である。 この態様の場合、特に図5(a)の場合に、上層裏張りシートの開放端縁の長さ を上から順に長くしておくと好適である。また、図5(b)の場合は側縁の幅を拡 張しておくと同様に便利である。また、図5(c)の場合のいずれかの縁又は全縁 に上層裏張りシートの端の寸法を拡張しておくことができる。 この場合は、感熱接着剤層が最下層裏張りシート11の側に残っても、膚等に 対して接着する欠点は発生しない。 このような感熱接着剤の特性によって、感熱接着剤を上層複合吸収シートの裏 面全面に塗布して、下層複合吸収シートの表面の表面フイルムと周縁のみならず 全面で接着させることができる。 この製造工程では、熱圧着工程は、上層裏張りシートの裏面と下層複合吸収シ ートの多孔性表面フイルムとの接着で前以て積層シートを熱圧着して準備してお き、この積層シートを多層形成して各積層の間に液体吸収シートを順次連続的に 包装して、本考案多層生理用品を効率的に製造することができる。 前以て、熱圧着して前記積層シートを製造しない場合は、液体吸収シートが熱 圧着の熱を断熱するので複合吸収シートの全面的熱圧着をすることはできない。 前述の弱接着性感圧接着剤及び感熱接着剤の上層複合吸収シートの裏面に全面 的に塗布する仮固定は、製造工程の面から周縁にのみ塗布する工程より工程が容 易になる利点がある。また、弱接着性感圧接着剤及び感熱接着剤による複合吸収 シートの積層面の全面的仮固定手段は、本考案の他の仮固定と併用するのに適し ている。特に、前記第(2)項周縁との間の感圧接着剤層、第(5)項溶着防止剤、 第(7)項熱圧着、第(8)項ミシン目、第(10)項熱融着の内側に切断ミシン目、第 (11)項機械的圧着、及び第(12)項凹凸プレスの周縁の仮固定方法と併用するのが 好適である。 本考案の別の態様として、図6(c)のような、2枚の複合吸収シートを折り曲 げた積層構造がある。この折り曲げ状態を展開した平面図(a)及びその断面図( b)に示すように、最下層複合吸収シート1は、裏張りシート11と液体吸収体 シート10(図では省略)及び表面フイルム12からなり、上層複合吸収シート 2は、裏張りシート21、液体吸収体シート20(図では省略)及び表面フイル ム22からなる。そして境界線Dの両側には2本のミシン目Eが設けてある。 この図6の複合吸収シート1を複合吸収シート2の下面に境界線Dを折り目と して折り曲げると、図6(c)の断面図の積層構造になる。この積層の境界線Dの 折り目をつまんで引き裂くと2本のミシン目Eによって、複合境界シート2は複 合吸収シート1から分離することができる。 この図6の態様では、折り目境界線の対向する端縁の複合吸収シート2の裏面 には感圧接着剤層25による仮固定もされている。この仮固定によって、携帯中 及び装着中の積層構造がずれるのを防止することができる。 図6は2層の場合のみを示したが、この折り曲げの態様の場合は、図6(d)の 本考案多層生理用品の3層以上の場合に特に適している。 図7の本考案の態様は、仮固定を機械的圧着で行う態様である。 ここに用いる機械的圧着は、積層はがきなどに使用されている公知の超高圧の 圧着及び圧着面に僅かな粘着性を付与させる処理をした通常の高圧圧着並びに凹 凸面を有するプレス面で圧着して圧着面に溝又は凹面を形成して、その凹凸の嵌 合作用によって仮固定する方法を使用することができる。 この機械的圧着による仮固定は複合吸収シートの裏張りシートの材質が紙のよ うに腰のある場合に有効である。 図7は、複合吸収シートの両側側縁を機械的圧着Fによって仮固定した場合で あり、図7(a)は縦断面図であり、図7(b)は横断面図である。図7(c)は裏面 図であり、裏面中央は剥離紙で保護されていて、剥離紙の接する面には、感圧接 着剤層が設けられている。上層裏張りシート21、31及び41の端部は下層の 裏張りシートの端部より拡張されていて、該拡張部には感圧接着剤層が塗布され ている。これらの感圧接着剤層はすべて一枚の剥離紙Bで固定されている。 この感圧接着剤層の裏張りシートへの塗布は、剥離紙側にまず感圧接着剤を塗 布して、これを図7(c)の積層に貼着して、裏張りシート側に感圧接着剤層を転 写する慣用手段で実施することができる。 図7(d)は、複合吸収シート1、2、3、4及び5を積層した状態で、裏張り シートの一方又は3方の縁を機械的に圧着して、積層複合吸収シートの圧着仮固 定していない端部の裏張りシート51、41、31、21及び11の端を上から 順次長くした態様を示す断面図である。 図8は複合吸収シートの両側側縁を溝列状凹部Gにおいてかしめて、凹凸形状 で仮固定したものである。凸状突起のあるプレスで押圧して積層を仮固定するこ とができる。これは裏張りシートが紙のように腰のある材質の場合に特に有効で ある。この凹部の代わりに溝状凹凸形状も好適である。 図9の態様は、最下層複合吸収シートに対して仮固定するのではなく、上層複 合吸収シートの裏張りシートの裏面を直接下着に仮固定する態様である。 図9の場合は、2層のミシン目による仮固定と併用する態様である。上層複合 吸収シート2の両側縁の裏張りシートは側縁で大きく幅が拡大されていて、この 拡張舌片部27、28の裏面(図9(a)では表面側)には感圧接着剤層Aが設け られている。そして、複合吸収シート1の裏面全面にも感圧接着剤層が設けられ ている。最下層複合吸収シート1の裏面に貼着されている剥離紙Bも上層複合吸 収シートの拡張舌片部27、28に対応して、最下層複合吸収シート1の側縁か らはみ出す舌片部m、nが設けられている。 これを積層するときは、図9(b)のように、上層複合吸収シートの拡張舌片部 27、28が直接下着の生地に接着することができる。 この態様の生理用品は、使用前には、これを折り曲げて積層した状態で、一枚 の剥離紙が拡張舌片部27、28及び裏張りシート11の裏面の感圧接着剤層の 全面を覆って貼着されているので、保存中に複合吸収シート1と複合吸収シート 2がずれることはない。次に使用の際は、剥離紙を剥がして、下着の所定の位置 に裏張りシート11の感圧接着剤層及び裏張りシート21の拡張舌片部27、2 8の裏面の感圧接着剤層により、それぞれ複合吸収シート1及び複合吸収シート 2を固定する。この場合の複合吸収シート2は、一端は折り曲げ境界線Dによっ て最下層複合吸収シート1に仮固定され、側縁部は拡張舌片部27、28の裏面 の感圧接着剤層によって、下着の生地に固定される。 取り替えるときは、ミシン目で切断して、その端を持って引きはがすと、下着 に接着している拡張舌片部27、28の感圧接着剤層による固定部も容易に剥が すことができる。 図10の場合は、図9の生理用品をさらに進展させた態様であり、2枚以上の 複合吸収シートを重ねたものであって、各上層裏張りシート21、31の幅の狭 い側縁がその下層の裏張りシートの側縁の長さの外側にまで拡張された拡張周縁 を有するものである。 そして、積層構造の最下層裏張りシート11の裏面並びにそれに積層された上 層複合吸収シートの上層裏張りシートの下層よりはみ出した拡張周縁の裏面に感 圧接着剤層を設け、その全感圧接着剤層を一枚の共通の剥離紙Bで覆って多層構 造を固定している。図10(a)は裏面図であるが、剥離紙Bを剥がした状態であ る。この態様の多層生理用品は剥離紙を外した瞬間にバラバラに分離する恐れが ある。従って、本考案の複合吸収シートの積層構造の前記した仮固定を併用する のが望ましい。特に、上層の複合吸収シートの裏張りシートの裏面全面に、図1 0(c)拡大図に示すように裏張りシート31、21の裏面に弱接着性の感圧接着 剤39、29を塗布しておく方法により裏張りシートと表面フイルム22、12 と仮固定することができる。弱接着性感圧接着剤に代えて感熱接着剤を使用する ことができる。 本考案の複合吸収シートの積層面を全面的に弱接着性感圧接着剤又は感熱接着 剤で接着する態様の本考案多層生理用品を製造する場合はすべて次方法で製造す るのが効率的である。 裏張りシート及び表面フイルムを熱可塑性樹脂フイルムとして、図10(c)の 拡大積層構造において、連続帯状シートの表面フイルム12と裏張りシート21 を接着剤で接着して、1枚の2層構造(図は接着剤層を入れて3層構造になって いる)の積層帯状シート121を用意する。同様に表面フイルム22と裏張りシ ート31も接着剤で接着した積層帯状シート221を用意する。そして、帯状最 下層裏張りシート1及び帯状表面フイルム32も別に用意する。 帯状最下層裏張りシート11の上に液体吸収シート10、積層帯状121の上 に液体吸収シート20及び積層帯状シート221の上にあるいは上下を逆にして 積層帯状シート121、221及び表面フイルム32の下面に液体吸収シート3 0をそれぞれ一定間隔で配置固定する。 最下層裏張りシート11、積層帯状シート121及び積層帯状シート221の 各液体吸収シートが重なるように連続的に積層して、これに表面フイルム32を さらに積層して、4層積層帯状構造とする。 次いで、この4層積層帯状構造を熱圧着台にワンピッチ移送によって送り出し 、各液体吸収シートが固定されている間の余白部分を熱プレス又は熱刃で間欠的 に液体吸収シートの周縁が溶着固定又は溶断打ち抜きされる。 次いで、溶着の場合はその周縁を打ち抜くと本考案の生理用品の3層の複合吸 収シートの態様の一つが連続的に製造することができる。この溶着又は溶断工程 においては、表面フイルムと裏張りシートとの間には接着剤層が介在しているの で、半溶着状態となり、液体吸収シートの周縁では、複合吸収シート間の仮固定 状態が強化されるが、指でほぐすことによってこの周縁の半溶着は剥離すること ができる。その上、表面フイルムと裏張りシートの間には溶着防止剤層がないの で、強固に溶着されて液体吸収シートがその間に安定に収納される。そして、こ のとき、複合吸収シートの周縁の狭い一縁を熱融着しない方法若しくは全周の熱 融着後複合吸収シートの一縁を機械的に切断する方法によって、さらに剥がし易 くすることができる。 この態様多層生理用品を同様の方法で4層以上も製造することができる。 表面フイルムと裏張りシートは、感熱接着剤又は弱接着性感圧接着剤で仮固定 されているので、上層の複合吸収シートから順次剥がすことができる。 このように、本考案の連続的製造方法は、帯状シートの表面フイルムと上層の 複合吸収シート裏張りシートを前以て仮固定する点と液体吸収シートの周囲の余 白部分を熱圧着してから、打ち抜く又は熱溶断する点に特徴がある。 この実施態様の生理用品は、前記の製造方法によって製造するに際して、図1 1のように、裏張りシート11、21、31の幅が相違する複合吸収シートが連 続的につながった帯シートの間に各区分毎に3個の液体吸収シート(最下層の液 体吸収シートのみを点線で示す)をサンドイッチ状に包装して多層連続シートを 形成して、弱接着性感圧接着剤で各シートを接着して連続的にシートを積層接着 して、この積層連続帯に剥離紙の上に剥離剤及び感圧接着剤を塗布した連続帯状 剥離紙シートBを積層接着して、これを図10の状態に打ち抜くと、図10の弱 接着性感圧接着剤層を使用した本考案生理用品を連続的に効率的に製造すること ができる。 この生理用品は、最下層の裏張りシートは強い接着力の感圧接着剤で、全面が 下着にしっかりと固定され、その上の上層複合吸収シートは、裏張りシートの拡 張された端部分だけは強力な接着力で接着している上に、中央部は弱接着力の感 圧接着剤層で最下層の複合吸収シートに接着しているので、使用の最中に位置が ずれることはない。しかし、これを剥がすときは、下着に接着している端部分の みを剥がせば、中央部は簡単に剥がれて、下層の複合吸収シートの表面に糊移り することはない。 さらに、この態様に対して、前記した他の仮固定も適宜併用することができる 。 図12の態様は、裏張りシートが液体吸収体シートの同一の寸法の生理用品を 多層生理用品にするものである。このような形状の生理用品に本考案の多層構造 を適用するには、図12のように、下層の複合吸収シートの表面周縁と上層複合 吸収シートの裏面周縁の一部又は全部を仮固定Kによって固定することができる 。 この場合の仮固定Kは、前記の裏張りシートが液体吸収シートより大きい場合 と同様の仮固定方法を採用することができる。例えば、接着と剥離が反復できる 感圧接着剤(粘着剤)による接着方法、融着防止剤を間に介在させた半溶着方法 、フイルムの切断を容易にするミシン目方法、接着剤を使用しないで高圧で圧縮 する圧着方法、及び仮固定を分離した場合に、続いて使用する最下層裏張りシー ト側の液体吸収シートに接着力が残存しない限り、公知の仮固定方法は特に制限 なく使用できる。 さらに、この型の本考案多層生理用品に対して、感熱接着剤層又は弱接着性感 圧接着剤を使用すれば裏張りシートと複合吸収シートの上面を全面的に接着して 仮固定することができる。 そして、この型の多層生理用品を積層する場合は、複合吸収シートを少しずら して、周縁に段差をつけると剥離操作を容易にすることができる。 図13の場合は、複合吸収シートの多層構造の端を熱可塑性樹脂フイルムとし て、これをヒートシールした全層一体的融着Hで一端を融着固定したものであり 、その融着部の内側にミシン目を設けて、上層複合吸収シートから順に剥がせる ようにしたものである。このように本考案生理用品は前述の仮固定の方法の一つ 又は二つ以上を併用することができる。 本考案の仮固定のいずれの方法においても、裏張りシートの周縁の先端を最上 層の裏張りシートから順に短くしておくと一番上の裏張りシートの最も長い先端 を簡単に引きはがすことができて好適である。
【0007】
【考案の効果】
本考案多層生理用品は、複数個の複合吸収シートの周縁を仮固定することによ り、上層から順に複合吸収シートを除去することができるので、外出時に多数の 生理用品を携帯する必要がなくなる。例えば、二層の生理用品を使用すると携帯 する数は半分以下になり、三層にすると三分の一以下になる。 また、そのトイレにおいて、使用済み液体吸収シートを除去する際に、最下層 複合吸収シートの裏張りシートの下着に於ける位置はまったく変化しないので、 最初の装着さえ正しく行えば、単に最上層の複合吸収シートを剥がすだけで正確 な位置に次の層の複合吸収シートが配置されていることになる。 従来の生理用品は、外出時の狭い場所での取り替えにおいて、下着からの取り 外し及び下着への正確な取り付け操作を要するのに対して、本考案多層生理用品 は単に1枚剥がすだけでよく、飛躍的に時間を短縮できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の一実施態様の多層生理用品の横
断面図である。
【図2】図2は図1の最下層複合吸収シートの平面図
(a)及び横断面図(b)である。
【図3】図3は図1の上層複合吸収シートの平面図
(a)、縦断面図(b)及び横断面図(c)である。
【図4】図4は本考案の他の実施態様の多層生理用品の
平面図(a)及び横断面図(b)である。
【図5】図5は本考案の他の実施態様の3種の多層生理
用品の平面図である。
【図6】図6(c)は本考案の他の実施態様の多層生理用
品の縦断面図であり、図6(a)及び(b)はそれを展開し
た状態の平明図及び縦断面図であり、図6(d)は三層の
場合の縦断面図である。
【図7】図7は本考案の他の実施態様の多層生理用品の
横断面図(a)、縦断面図(b)及び、裏面図(c)であり、
図7(d)は他の実施態様の多層生理用品の縦断面図であ
る。
【図8】図8は本考案の他の実施態様の多層生理用品の
平面図(a)及び横断面図(b)である。
【図9】図9(b)は本考案の他の実施態様の多層生理用
品の平面図であり、図9(a)はこれを展開した状態の平
面図である。
【図10】図10は本考案の他の実施態様の多層生理用
品の裏面図(a)、縦断面図(b)及び断面構造を示す拡大
部分断面図(c)である。
【図11】図11は図10の実施態様の多層生理用品の
製造工程の説明図である。
【図12】図12は本考案の他の実施態様の多層生理用
品の横断面図である。
【図13】図13は本考案の他の実施態様の多層生理用
品の縦断面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5 複合吸収シート 10、20、30、40 液体吸収体シート 11、21、31、41、51 裏張りシート 12、22、32、42、52 表面フイルム 24 周縁 25、35、45 周縁感圧接着剤層 26 突起舌片部 27、28 拡張舌片部 A 感圧接着剤層 B 剥離紙 C ヒートシール D 境界線 E ミシン目 F 機械的圧着 G 溝列状凹部 H 全層一体的融着 K 仮固定 m、n 舌片部

Claims (15)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体吸収シートの裏面に液体吸収体シート
    より寸法の大きい下層裏張りシートを有し、表面に液体
    透過性表面フイルムを有する下層複合吸収シートの上
    に、裏面に同様の構造の上層複合吸収シートを裏面側を
    下にして重ね、下層複合吸収シートの液体吸収体シート
    の面積寸法より外側にはみ出した下層裏張りシート周縁
    と上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周縁同士を
    仮固定してなる2枚以上の複合吸収シートの積層構造を
    有することを特徴とする多層生理用品。
  2. 【請求項2】仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張
    りシートの周縁と上層複合吸収シートの上層裏張りシー
    トの周縁との間の感圧接着剤層を介在させた圧着によっ
    て行う請求項1記載の多層生理用品。
  3. 【請求項3】感圧接着剤層が上層複合吸収シートの裏面
    に塗布されたものである請求項2記載の多層生理用品。
  4. 【請求項4】感圧接着剤層が下層複合吸収シートの下層
    裏張りシートの周縁に剥離剤層を介在させて塗布された
    ものである請求項2記載の多層生理用品。
  5. 【請求項5】仮固定が、下層複合吸収シートの熱可塑性
    樹脂製裏張りシートの周縁と上層複合吸収シートの熱可
    塑性樹脂製裏張りシートの周縁との間に溶着防止剤を介
    在させたヒートシールによる半溶着固定である請求項1
    記載の多層生理用品。
  6. 【請求項6】ヒートシールによる半溶着が熱刃による溶
    断によって行ったものである請求項5記載の多層生理用
    品。
  7. 【請求項7】仮固定が、下層複合吸収シートの下層裏張
    りシートと上層複合吸収シートの上層裏張りシートの周
    縁の一部又は全周を感熱接着剤層を介させた熱圧着によ
    り固定したものである請求項1記載の多層生理用品。
  8. 【請求項8】仮固定が、上層複合吸収シートの上層裏張
    りシートが下層複合吸収シートの下層裏張りシートと一
    体的な連続シートよりなるものを境界線で折り曲げて重
    ねてなる多層構造において、その境界線付近に1以上の
    ミシン目を設けたものである請求項1記載の多層生理用
    品。
  9. 【請求項9】連続シートを折り曲げた多層構造におい
    て、折り曲げ境界線の反対側の周縁の下層複合吸収シー
    トの表面と上層複合吸収シートの裏面との間を仮固定し
    た請求項8記載の多層生理用品。
  10. 【請求項10】複数の複合吸収シートを重ねて、全部の
    裏張りシートの周縁の一部又は全周を熱融着によって一
    旦結合して、その熱融着の内側に切断ミシン目を設けた
    ものである請求項1記載の多層生理用品。
  11. 【請求項11】仮固定が、下層裏張りシートと上層裏張
    りシートの少なくとも一縁を単に機械的圧着により仮固
    定したものである請求項1記載の多層生理用品。
  12. 【請求項12】下層複合吸収シートの下層裏張りシート
    と上層複合吸収シートの上層裏張りシートが圧着プレス
    の凹凸面によって形成された凹凸面で嵌合して仮固定さ
    れている請求項11記載の多層生理用品。
  13. 【請求項13】裏面に液体吸収体シートと略同一寸法の
    裏張りシートを有する複合吸収シートの多層構造におい
    て、上層複合吸収シートを、下層の複合吸収シートの液
    体透過性表面フイルムの周縁と上層複合吸収シートの裏
    面の周縁の一部又は全部を仮固定してなる2枚以上の複
    合吸収シートの積層構造を有することを特徴とする多層
    生理用品。
  14. 【請求項14】2枚以上の複合吸収シートを重ねた多層
    構造であって、各裏張りシートの周縁がその下層の裏張
    りシートの周縁の外側にまで拡張された拡張周縁を有
    し、積層構造の最下層裏張りシートの裏面並びにそれに
    積層された複合吸収シートの裏張りシートの下層よりは
    み出した拡張周縁の裏面に感圧接着剤層を設け、その各
    複合吸収シートの全感圧接着剤層を剥離紙で覆って該多
    層構造を固定したことを特徴とする多層生理用品。
  15. 【請求項15】2以上の複合吸収シートの積層構造にお
    いて、上層複合吸収シートの裏面の全面に塗布した感熱
    接着剤又は弱接着性感圧接着剤によって各積層間を仮固
    定したことを特徴とする多層生理用品。
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