JPH1023863A - 新規ペプチド組成物およびその製造方法 - Google Patents
新規ペプチド組成物およびその製造方法Info
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- JPH1023863A JPH1023863A JP17911196A JP17911196A JPH1023863A JP H1023863 A JPH1023863 A JP H1023863A JP 17911196 A JP17911196 A JP 17911196A JP 17911196 A JP17911196 A JP 17911196A JP H1023863 A JPH1023863 A JP H1023863A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 苦味をはじめとする味を伴わないペプチド組
成物を提供する。 【解決手段】 大麦麦芽タン白質、好ましくはビール仕
込粕から得られる麦芽タンパク質をタンパク質酵素加水
分解、特にアルカリプロテアーゼで加水分解処理して得
られるペプチド組成物。大麦麦芽から皮部を除去してタ
ンパク質含量の高い画分を分離し、この大麦麦芽の高タ
ンパク質画分を酵素加水分解処理し、タンパク質を分解
して得ることを特徴する、ペプチド組成物の製造方法。
この好ましい方法は、ビール仕込粕を圧ペン粉砕処理
し、得られた圧ペン粉砕処理物を水の存在条件下でふる
い分け処理して麦芽の皮部を除去し、ふるいを通過した
画分を遠心分離、脱水および乾燥することにより得られ
る大麦麦芽の高タンパク質画分を、タンパク質分解酵素
で処理してタンパク質を分解して得ることを特徴とす
る、ペプチド組成物の製造方法。 【効果】 苦みを始めとする味や臭いを伴わない吸収性
の優れたペプチド組成物である。
成物を提供する。 【解決手段】 大麦麦芽タン白質、好ましくはビール仕
込粕から得られる麦芽タンパク質をタンパク質酵素加水
分解、特にアルカリプロテアーゼで加水分解処理して得
られるペプチド組成物。大麦麦芽から皮部を除去してタ
ンパク質含量の高い画分を分離し、この大麦麦芽の高タ
ンパク質画分を酵素加水分解処理し、タンパク質を分解
して得ることを特徴する、ペプチド組成物の製造方法。
この好ましい方法は、ビール仕込粕を圧ペン粉砕処理
し、得られた圧ペン粉砕処理物を水の存在条件下でふる
い分け処理して麦芽の皮部を除去し、ふるいを通過した
画分を遠心分離、脱水および乾燥することにより得られ
る大麦麦芽の高タンパク質画分を、タンパク質分解酵素
で処理してタンパク質を分解して得ることを特徴とす
る、ペプチド組成物の製造方法。 【効果】 苦みを始めとする味や臭いを伴わない吸収性
の優れたペプチド組成物である。
Description
【0001】〔発明の背景〕
【発明の属する技術分野】本発明は、大麦麦芽由来のタ
ンパク質を加水分解して得られる、無味のペプチド組成
物およびその製造方法に関する。
ンパク質を加水分解して得られる、無味のペプチド組成
物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質は、様々な食品から摂取さ
れ、人間の生命活動に重要な役割を果たしている。タン
パク源を食品として摂取する場合、タンパク質やアミノ
酸に比べ、アミノ酸が数個結合したペプチドの方がむし
ろ吸収性が良く、また栄養効果も優れているといわれて
いる。しかもペプチドは物性の改善能も有しており加工
特性上有用である。また、ペプチド態においてはタンパ
ク質に比べて抗原性が低下することから、アレルギーに
悩む人々にも安全なタンパク栄養素材を提供することが
できる。具体的には、各種タンパク質由来のペプチドと
しては、酸やアルカリまたは酵素を用いて分解したもの
が知られている。動物性タンパク質由来としては、乳タ
ンパク質ペプチド、卵白タンパク質ペプチド、豚肝臓タ
ンパク質ペプチド、豚血球タンパク質ペプチド、牛血清
由来ペプチド、牛肉タンパク質ペプチド、ゼラチンペプ
チド、豚肉タンパク質ペプチド、及び魚肉タンパク質ペ
プチド等がある。また、植物性タンパク質由来として
は、大豆タンパク質ペプチド、とうもろこしタンパク質
ペプチド、えんどう豆タンパク質ペプチド及び小麦タン
パク質ペプチド等がある。しかしながら、これらいずれ
のペプチドにも苦味があるため、一般的には食品、甘味
料、香料等の配合によって最終食品の風味を配慮しては
いるが、効果が顕著に現れることは少なく、そのために
飲食料品へ利用する場合、その用途の範囲が限定されて
いる。さらに、卵白タンパク質ペプチドや乳タンパク質
ペプチドには特有の風味または異臭があり、飲食料品へ
利用する場合、問題となっている。その点を考慮して、
特開平7−264992号公報では、カゼインを原料に
して、2段階で酵素加水分解を行った後、限外濾過膜、
アニオン交換樹脂で処理することで、苦味および不快臭
を低減させたペプチドの調製をおこなっている。しか
し、このペプチドはあくまでもそれらを低減させたのに
とどまり、その実用的な効果の点で疑問が残る。さら
に、以上に挙げたようなペプチドの中でも卵白や乳タン
パク等はその価格及び生産・出荷数量に不安定要素があ
るため、ペプチド原料としての利用には難点がある。
れ、人間の生命活動に重要な役割を果たしている。タン
パク源を食品として摂取する場合、タンパク質やアミノ
酸に比べ、アミノ酸が数個結合したペプチドの方がむし
ろ吸収性が良く、また栄養効果も優れているといわれて
いる。しかもペプチドは物性の改善能も有しており加工
特性上有用である。また、ペプチド態においてはタンパ
ク質に比べて抗原性が低下することから、アレルギーに
悩む人々にも安全なタンパク栄養素材を提供することが
できる。具体的には、各種タンパク質由来のペプチドと
しては、酸やアルカリまたは酵素を用いて分解したもの
が知られている。動物性タンパク質由来としては、乳タ
ンパク質ペプチド、卵白タンパク質ペプチド、豚肝臓タ
ンパク質ペプチド、豚血球タンパク質ペプチド、牛血清
由来ペプチド、牛肉タンパク質ペプチド、ゼラチンペプ
チド、豚肉タンパク質ペプチド、及び魚肉タンパク質ペ
プチド等がある。また、植物性タンパク質由来として
は、大豆タンパク質ペプチド、とうもろこしタンパク質
ペプチド、えんどう豆タンパク質ペプチド及び小麦タン
パク質ペプチド等がある。しかしながら、これらいずれ
のペプチドにも苦味があるため、一般的には食品、甘味
料、香料等の配合によって最終食品の風味を配慮しては
いるが、効果が顕著に現れることは少なく、そのために
飲食料品へ利用する場合、その用途の範囲が限定されて
いる。さらに、卵白タンパク質ペプチドや乳タンパク質
ペプチドには特有の風味または異臭があり、飲食料品へ
利用する場合、問題となっている。その点を考慮して、
特開平7−264992号公報では、カゼインを原料に
して、2段階で酵素加水分解を行った後、限外濾過膜、
アニオン交換樹脂で処理することで、苦味および不快臭
を低減させたペプチドの調製をおこなっている。しか
し、このペプチドはあくまでもそれらを低減させたのに
とどまり、その実用的な効果の点で疑問が残る。さら
に、以上に挙げたようなペプチドの中でも卵白や乳タン
パク等はその価格及び生産・出荷数量に不安定要素があ
るため、ペプチド原料としての利用には難点がある。
【0003】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明は、如上の状況
に鑑みなされたものであって、苦味等の味をほとんど伴
わない消化性・吸収性の良いペプチド組成物を製造する
ことを目的とする。
に鑑みなされたものであって、苦味等の味をほとんど伴
わない消化性・吸収性の良いペプチド組成物を製造する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、
大麦麦芽由来のタンパク質を酵素加水分解することによ
って、目的のペプチドが得られることを見出し、本発明
を完成させるに至った。すなわち、本発明は大麦麦芽タ
ンパク質を加水分解して得られるペプチド組成物に関す
る。また、本発明はこのようなペプチド組成物の製造方
法にも関する。すなわち、本発明によるペプチド組成物
の製造方法は、大麦麦芽から皮部を除去してタンパク質
含量の高い画分を分離し、この大麦麦芽の高タンパク質
画分を酵素加水分解処理して得ることを特徴とするもの
である。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、
大麦麦芽由来のタンパク質を酵素加水分解することによ
って、目的のペプチドが得られることを見出し、本発明
を完成させるに至った。すなわち、本発明は大麦麦芽タ
ンパク質を加水分解して得られるペプチド組成物に関す
る。また、本発明はこのようなペプチド組成物の製造方
法にも関する。すなわち、本発明によるペプチド組成物
の製造方法は、大麦麦芽から皮部を除去してタンパク質
含量の高い画分を分離し、この大麦麦芽の高タンパク質
画分を酵素加水分解処理して得ることを特徴とするもの
である。
【0005】〔発明の具体的説明〕
【発明の実施の形態】本発明ペプチド 本発明によるペプチドは、大麦麦芽タンパク質を加水分
解して得られるものであることは前記したところであ
り、好ましくは、ビール仕込粕をタンパク質分解酵素、
より好ましくはアルカリプロテアーゼ、特に好アルカリ
性細菌由来のエンド型酵素(例えばエスペラーゼ(ノボ
ノルディスク社製)で加水分解処理して得られたもので
ある。
解して得られるものであることは前記したところであ
り、好ましくは、ビール仕込粕をタンパク質分解酵素、
より好ましくはアルカリプロテアーゼ、特に好アルカリ
性細菌由来のエンド型酵素(例えばエスペラーゼ(ノボ
ノルディスク社製)で加水分解処理して得られたもので
ある。
【0006】本発明ペプチドの化学的および物理的特徴
は、代表的には2〜9個の平均アミノ酸残基数よりな
り、平均分子量は400〜2,000のペプチド混合物
であること、また苦味をはじめとする味は無く臭いもほ
とんど感じられず、外観はクリーム様色を呈しており淡
色であることである。また、本発明ペプチドのアミノ酸
構成は下記のように示されるが、本発明ペプチドは、好
ましくはこれらのアミノ酸の中の2〜9個(平均)のア
ミノ酸残基よりなるペプチド混合物である。アミノ酸構
成アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン
酸、グリシン、アラニン、バリン、システイン、メチオ
ニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルア
ラニン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、プロリン。
本発明ペプチドの具体例としては、下記の特徴を有する
ものが好ましい例としてあげられる。 ・アミノ酸残基数(平均)約3.2からなる平均分子量
約480のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約4.1からなる平均分子量
約615のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約4.2からなる平均分子量
約630のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約4.7からなる平均分子量
約705のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約5.4からなる平均分子量
約810のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約6.6からなる平均分子量
約990のペプチド
は、代表的には2〜9個の平均アミノ酸残基数よりな
り、平均分子量は400〜2,000のペプチド混合物
であること、また苦味をはじめとする味は無く臭いもほ
とんど感じられず、外観はクリーム様色を呈しており淡
色であることである。また、本発明ペプチドのアミノ酸
構成は下記のように示されるが、本発明ペプチドは、好
ましくはこれらのアミノ酸の中の2〜9個(平均)のア
ミノ酸残基よりなるペプチド混合物である。アミノ酸構
成アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン
酸、グリシン、アラニン、バリン、システイン、メチオ
ニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルア
ラニン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、プロリン。
本発明ペプチドの具体例としては、下記の特徴を有する
ものが好ましい例としてあげられる。 ・アミノ酸残基数(平均)約3.2からなる平均分子量
約480のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約4.1からなる平均分子量
約615のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約4.2からなる平均分子量
約630のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約4.7からなる平均分子量
約705のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約5.4からなる平均分子量
約810のペプチド ・アミノ酸残基数(平均)約6.6からなる平均分子量
約990のペプチド
【0007】ペプチドの製造方法 本発明のペプチド組成物は、大麦麦芽タンパクの加水分
解に基づく合目的的な任意の方法により製造することが
可能であるが、以下に述べる方法により効率的に製造す
ることができる。本発明ペプチドの製造源となる大麦麦
芽は、主としてビールやウィスキーの原料として用いら
れているものであり、大麦を一旦発芽させ、通常はその
後加熱して乾燥させたものである。本発明は、この大麦
麦芽中のタンパク質を利用して目的のペプチド組成物、
すなわち無味のペプチド組成物を得るものである。目的
のペプチド組成物を製造するために、大麦麦芽をそのま
まタンパク質原料として用いることも可能であろうが、
大麦麦芽からタンパク質含量の高い画分を得て、この画
分を原料として用いるのが実用的であり効率的である。
すなわち、本発明によるペプチド組成物の製造方法は、
大麦麦芽から皮部を除去してタンパク質含量の高い画分
を分離し、この大麦麦芽の高タンパク質画分を酵素加水
分解処理して得ることを特徴とするものである。
解に基づく合目的的な任意の方法により製造することが
可能であるが、以下に述べる方法により効率的に製造す
ることができる。本発明ペプチドの製造源となる大麦麦
芽は、主としてビールやウィスキーの原料として用いら
れているものであり、大麦を一旦発芽させ、通常はその
後加熱して乾燥させたものである。本発明は、この大麦
麦芽中のタンパク質を利用して目的のペプチド組成物、
すなわち無味のペプチド組成物を得るものである。目的
のペプチド組成物を製造するために、大麦麦芽をそのま
まタンパク質原料として用いることも可能であろうが、
大麦麦芽からタンパク質含量の高い画分を得て、この画
分を原料として用いるのが実用的であり効率的である。
すなわち、本発明によるペプチド組成物の製造方法は、
大麦麦芽から皮部を除去してタンパク質含量の高い画分
を分離し、この大麦麦芽の高タンパク質画分を酵素加水
分解処理して得ることを特徴とするものである。
【0008】大麦麦芽からタンパク質含量の高い画分を
分離するための分画方法としては、たとえば以下の方法
がある。その一つは、麦芽を表面から徐々に削り、穀皮
を除去し(重量がもとの原料の約90%前後になるま
で)、その後アロイロン層および胚乳といったタンパク
質が多く含まれる画分を削りとる(重量がもとの原料の
約80%前後になるまで)という方法であり、これによ
りタンパク質含量10%以上の画分が得られる。さらに
経済的な方法としては、ビールやウィスキーの醸造仕込
粕を利用する方法も有効である。ビールを例に説明する
と、ビール仕込粕は、麦芽を糖化した後、濾過すること
によって得られる麦芽の絞り粕であり、麦芽由来の繊維
質及びタンパク質が多く含まれている麦芽を粉砕して熱
水中に入れることで糖化して麦汁を製造した後、濾別し
たものである。このビール仕込み粕中にはタンパク質が
約26%含まれる。最近、このビール仕込粕中のタンパ
ク質含量を40%以上にする技術が開発された(特公平
4−31666号公報)。この方法は、ビール仕込み粕
を圧ペン粉砕処理し、得られた圧ペン粉砕処理物を水の
存在条件(たとえば仕込み粕の2 〜20倍量の水を加え
る)下でふるい分け処理して麦芽の皮部を除去すること
によって得られる。この場合、ふるいを通過した高タン
パク質画分は遠心分離(たとえば1,000 〜10,000G程
度)、脱水(例えばフィルタープレス等による)および
乾燥(たとえば80〜160 ℃程度(熱風乾燥機やドラムド
ライヤー等を使用))により使用前に水分をできるだけ
除いておくことが好ましい。この方法により得られる大
麦麦芽タンパク質(高タンパク質画分)を利用した場
合、回収率が高くなる点からも非常に効率的で経済的に
もメリットがあるので、好ましい。
分離するための分画方法としては、たとえば以下の方法
がある。その一つは、麦芽を表面から徐々に削り、穀皮
を除去し(重量がもとの原料の約90%前後になるま
で)、その後アロイロン層および胚乳といったタンパク
質が多く含まれる画分を削りとる(重量がもとの原料の
約80%前後になるまで)という方法であり、これによ
りタンパク質含量10%以上の画分が得られる。さらに
経済的な方法としては、ビールやウィスキーの醸造仕込
粕を利用する方法も有効である。ビールを例に説明する
と、ビール仕込粕は、麦芽を糖化した後、濾過すること
によって得られる麦芽の絞り粕であり、麦芽由来の繊維
質及びタンパク質が多く含まれている麦芽を粉砕して熱
水中に入れることで糖化して麦汁を製造した後、濾別し
たものである。このビール仕込み粕中にはタンパク質が
約26%含まれる。最近、このビール仕込粕中のタンパ
ク質含量を40%以上にする技術が開発された(特公平
4−31666号公報)。この方法は、ビール仕込み粕
を圧ペン粉砕処理し、得られた圧ペン粉砕処理物を水の
存在条件(たとえば仕込み粕の2 〜20倍量の水を加え
る)下でふるい分け処理して麦芽の皮部を除去すること
によって得られる。この場合、ふるいを通過した高タン
パク質画分は遠心分離(たとえば1,000 〜10,000G程
度)、脱水(例えばフィルタープレス等による)および
乾燥(たとえば80〜160 ℃程度(熱風乾燥機やドラムド
ライヤー等を使用))により使用前に水分をできるだけ
除いておくことが好ましい。この方法により得られる大
麦麦芽タンパク質(高タンパク質画分)を利用した場
合、回収率が高くなる点からも非常に効率的で経済的に
もメリットがあるので、好ましい。
【0009】上述の大麦麦芽タンパク質を加水分解処理
することにより、目的とする無味のペプチド組成物が得
られる。加水分解の方法は、酸やアルカリによる化学分
解も可能であるが、製造管理の点を考慮すれば酵素を用
いる方法が実用的である。生体触媒である酵素を用いる
方法は生物化学的にマイルドな条件下で操作ができ、ア
ミノ酸の栄養価値保持も良くなるという利点があること
から、タンパク質分解酵素による加水分解が好ましい。
さらに、タンパク質分解酵素のなかでは、アルカリプロ
テアーゼ、特に好アルカリ性細菌、例えば市販されてい
るエスペラーゼやアルカラーゼ(共にノボノルディスク
社製)が適当である。これらのアルカリプロテアーゼ
は、酵素作用の最適pHと最適温度に関してpH7.5 〜
10、温度55〜75℃(エスペラーゼ)およびpH6.5 〜8.
5 、温度55〜70℃(アルカラーゼ)であり、通常はエン
ド型の酵素である。
することにより、目的とする無味のペプチド組成物が得
られる。加水分解の方法は、酸やアルカリによる化学分
解も可能であるが、製造管理の点を考慮すれば酵素を用
いる方法が実用的である。生体触媒である酵素を用いる
方法は生物化学的にマイルドな条件下で操作ができ、ア
ミノ酸の栄養価値保持も良くなるという利点があること
から、タンパク質分解酵素による加水分解が好ましい。
さらに、タンパク質分解酵素のなかでは、アルカリプロ
テアーゼ、特に好アルカリ性細菌、例えば市販されてい
るエスペラーゼやアルカラーゼ(共にノボノルディスク
社製)が適当である。これらのアルカリプロテアーゼ
は、酵素作用の最適pHと最適温度に関してpH7.5 〜
10、温度55〜75℃(エスペラーゼ)およびpH6.5 〜8.
5 、温度55〜70℃(アルカラーゼ)であり、通常はエン
ド型の酵素である。
【0010】アルカリプロテアーゼ処理を行う際には、
大麦麦芽タンパク質は溶液あるいは分散液とすることが
適当であり、その濃度は酵素反応が可能な濃度範囲であ
れば特に限定しないが、通常、1〜15重量%溶液とす
ることができる。また、好ましい態様によれば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のア
ルカリを添加して、そのpHを使用する酵素の至適pH
に調整し、タンパク質分解酵素、例えば、上記のエスペ
ラーゼあるいはアルカラーゼ(ノボノルディスク社製)
を0.05〜0.20%程度添加し、酵素の至適温度で4 〜20時
間反応させる。
大麦麦芽タンパク質は溶液あるいは分散液とすることが
適当であり、その濃度は酵素反応が可能な濃度範囲であ
れば特に限定しないが、通常、1〜15重量%溶液とす
ることができる。また、好ましい態様によれば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のア
ルカリを添加して、そのpHを使用する酵素の至適pH
に調整し、タンパク質分解酵素、例えば、上記のエスペ
ラーゼあるいはアルカラーゼ(ノボノルディスク社製)
を0.05〜0.20%程度添加し、酵素の至適温度で4 〜20時
間反応させる。
【0011】酵素反応終了後、加熱(たとえば煮沸で1
0分間程度)等により酵素を失活させて反応を停止させ
る。その後好ましくは、pHを1.0 〜7.0 、更に好まし
くはpH3.0 〜4.5 に調整し、遠心分離(たとえば1,00
0 〜20,000G程度で30分間)あるいは濾過(フィルター
プレス等)によって得られた水溶液部(ペプチド画分)
を脱塩・脱色処理(イオン交換樹脂など)および殺菌処
理に供した後、エバポレーター等で濃縮し、凍結乾燥あ
るいは噴霧乾燥等により、粉末形態の目的のペプチドが
得られる。
0分間程度)等により酵素を失活させて反応を停止させ
る。その後好ましくは、pHを1.0 〜7.0 、更に好まし
くはpH3.0 〜4.5 に調整し、遠心分離(たとえば1,00
0 〜20,000G程度で30分間)あるいは濾過(フィルター
プレス等)によって得られた水溶液部(ペプチド画分)
を脱塩・脱色処理(イオン交換樹脂など)および殺菌処
理に供した後、エバポレーター等で濃縮し、凍結乾燥あ
るいは噴霧乾燥等により、粉末形態の目的のペプチドが
得られる。
【0012】得られるペプチド(混合物)は、酵素の種
類、大麦麦芽タンパク質の濃度、反応条件(温度、p
H、時間など)等製造条件の違いにより、平均アミノ酸
残基数、平均分子量、アミノ酸組成等において異なった
特徴を有するものとなる。
類、大麦麦芽タンパク質の濃度、反応条件(温度、p
H、時間など)等製造条件の違いにより、平均アミノ酸
残基数、平均分子量、アミノ酸組成等において異なった
特徴を有するものとなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例及び試験例により、更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例、試験例等
に限定されるものではない。 〔調製例1〕 ビール仕込粕からの大麦麦芽タンパク質
の分画1 ビール仕込粕(例えばキリンエコー(株)より購入可
能)1090kgをロールミル(間隙:0.03mm)により圧ペン
粉砕処理し、得られた圧ペン粉砕処理物をふるい機によ
って水の存在条件下(ビール仕込み粕の10倍量の水を添
加)でふるい分け(50メッシュ)処理して麦芽の皮部を
除去し、ふるい(50メッシュ)を通過した画分を遠心分
離(3,600 G、10分間)、高速フェルトフィルター(T
DE社製)による脱水及び乾燥(熱風乾燥機による)す
ることによりビール仕込粕の大麦麦芽タンパク質(タン
パク質含量:48.36%)が65.6kg得られた。
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例、試験例等
に限定されるものではない。 〔調製例1〕 ビール仕込粕からの大麦麦芽タンパク質
の分画1 ビール仕込粕(例えばキリンエコー(株)より購入可
能)1090kgをロールミル(間隙:0.03mm)により圧ペン
粉砕処理し、得られた圧ペン粉砕処理物をふるい機によ
って水の存在条件下(ビール仕込み粕の10倍量の水を添
加)でふるい分け(50メッシュ)処理して麦芽の皮部を
除去し、ふるい(50メッシュ)を通過した画分を遠心分
離(3,600 G、10分間)、高速フェルトフィルター(T
DE社製)による脱水及び乾燥(熱風乾燥機による)す
ることによりビール仕込粕の大麦麦芽タンパク質(タン
パク質含量:48.36%)が65.6kg得られた。
【0014】〔調製例2〕 ビール仕込粕からの大麦麦
芽タンパク質の分画2 上記(i)のロールミル間隙を0.05mmに変えた他は、
(i)と同様に処理し、タンパク質含量が53.64%のビー
ル仕込粕の大麦麦芽タンパク質が得られた。
芽タンパク質の分画2 上記(i)のロールミル間隙を0.05mmに変えた他は、
(i)と同様に処理し、タンパク質含量が53.64%のビー
ル仕込粕の大麦麦芽タンパク質が得られた。
【0015】〔調製例3〕 ビール仕込粕からの大麦麦
芽タンパク質の分画3 上記(i)においてロールミルの工程を省略した他は、
(i)と同様に処理し、タンパク質含量が54.48%のビー
ル仕込粕の大麦麦芽タンパク質が得られた。
芽タンパク質の分画3 上記(i)においてロールミルの工程を省略した他は、
(i)と同様に処理し、タンパク質含量が54.48%のビー
ル仕込粕の大麦麦芽タンパク質が得られた。
【0016】〔実施例1〕 大麦麦芽タンパク質からの
ペプチド組成物の調製1 調製例1〜3の方法によって得た大麦麦芽タンパク質24
g を水に懸濁させて300ml とし、8%水溶液とした。本水
溶液に水酸化ナトリウムを加えてpHを9.5 とし、80℃
で1時間加熱した。その後、500ml 三角フラスコに取っ
た本水溶液300ml に酵素液(エスペラーゼ7.5Lフードグ
レート:ノボノルディスク社製)を0.51ml添加し、塩酸
でpH9.0 とし、55℃の条件下で18時間反応させた。10
分間煮沸することによって酵素反応を停止後、氷冷し、
硫酸を加えてpHを4.0 に調整した。10000rpmで15分間
遠心分離後、上清を分取し、電気透析膜による脱塩後凍
結乾燥することにより、本発明品のペプチド組成物が1
0.93g得られた。分析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.60% 70.68% 2.09% 16.3% 7.33% 4.7 (平均分子量:705 )
ペプチド組成物の調製1 調製例1〜3の方法によって得た大麦麦芽タンパク質24
g を水に懸濁させて300ml とし、8%水溶液とした。本水
溶液に水酸化ナトリウムを加えてpHを9.5 とし、80℃
で1時間加熱した。その後、500ml 三角フラスコに取っ
た本水溶液300ml に酵素液(エスペラーゼ7.5Lフードグ
レート:ノボノルディスク社製)を0.51ml添加し、塩酸
でpH9.0 とし、55℃の条件下で18時間反応させた。10
分間煮沸することによって酵素反応を停止後、氷冷し、
硫酸を加えてpHを4.0 に調整した。10000rpmで15分間
遠心分離後、上清を分取し、電気透析膜による脱塩後凍
結乾燥することにより、本発明品のペプチド組成物が1
0.93g得られた。分析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.60% 70.68% 2.09% 16.3% 7.33% 4.7 (平均分子量:705 )
【0017】〔実施例2〕 大麦麦芽タンパク質からの
ペプチド組成物の調製2 大麦麦芽タンパク質の初期濃度を13% に変えた他は、実
施例1と同様に処理し、得られた水溶性区分を分取し脱
塩後凍結乾燥した。分析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.50% 65.21% 2.50% 21.05% 7.74% 5.4 (平均分子量:810 )
ペプチド組成物の調製2 大麦麦芽タンパク質の初期濃度を13% に変えた他は、実
施例1と同様に処理し、得られた水溶性区分を分取し脱
塩後凍結乾燥した。分析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.50% 65.21% 2.50% 21.05% 7.74% 5.4 (平均分子量:810 )
【0018】〔実施例3〕 大麦麦芽タンパク質からの
ペプチド組成物の調製3 実施例1の方法によって得られた酵素反応後の遠心上清
に活性炭1g を添加し、55℃で更に30分間加熱した。濾
過(ろ紙(ADVANTEC TOYO 社No.1)による吸引ろ過)、
脱塩(アシライザー(旭化成社)による)後の上清を分
取し凍結乾燥することにより、当該ペプチド組成物が1
0.64g得られた。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 平均アミノ酸残基数 3.50% 80.37% 1.53% 14.6% 4.2 (平均分子量:630 )
ペプチド組成物の調製3 実施例1の方法によって得られた酵素反応後の遠心上清
に活性炭1g を添加し、55℃で更に30分間加熱した。濾
過(ろ紙(ADVANTEC TOYO 社No.1)による吸引ろ過)、
脱塩(アシライザー(旭化成社)による)後の上清を分
取し凍結乾燥することにより、当該ペプチド組成物が1
0.64g得られた。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 平均アミノ酸残基数 3.50% 80.37% 1.53% 14.6% 4.2 (平均分子量:630 )
【0019】〔実施例4〕大麦麦芽タンパク質からのペ
プチド組成物の調製4 酵素反応時間を4時間に変えた他は、実施例1と同様に
処理し、得られた水溶性区分を分取し脱塩後凍結乾燥し
た。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.80% 60.56% 1.87% 25.49% 8.28% 6.6 (平均分子量:990 )
プチド組成物の調製4 酵素反応時間を4時間に変えた他は、実施例1と同様に
処理し、得られた水溶性区分を分取し脱塩後凍結乾燥し
た。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.80% 60.56% 1.87% 25.49% 8.28% 6.6 (平均分子量:990 )
【0020】〔実施例5〕大麦麦芽タンパク質からのペ
プチド組成物の調製5 酵素反応処理に用いる酵素をアルカラーゼ(ノボノルデ
ィスク社製)に変えた他は、実施例1と同様に処理し、
得られた水溶性区分を分取し脱 塩後凍結乾燥した。分
析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.52% 60.36% 2.32% 25.05% 8.75% 3.2 (平均分子量:480 )
プチド組成物の調製5 酵素反応処理に用いる酵素をアルカラーゼ(ノボノルデ
ィスク社製)に変えた他は、実施例1と同様に処理し、
得られた水溶性区分を分取し脱 塩後凍結乾燥した。分
析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 その他 平均アミノ酸残基数 3.52% 60.36% 2.32% 25.05% 8.75% 3.2 (平均分子量:480 )
【0021】〔実施例6〕 プラントにおけるペプチド
組成物の製造 調製例2の方法によって得た大麦麦芽タンパク質42kgを
500Lタンク中の水に懸濁させて350Lとし、12% 水溶液と
した。本水溶液に水酸化ナトリウムを加えてpHを9.5
とし、80℃で1時間加熱した。その後、55℃まで冷却さ
せて酵素液(エスペラーゼ7.5Lフードグレード:ノボノ
ルディスク社製)を3.5L添加し、55℃の条件下で18時間
反応させた。硫酸を加えてpHを4.0 に調整し10分間80
℃で加熱することによって酵素反応を停止後、冷却し
た。フィルタープレスによる濾過により濾液を分取し、
吸着樹脂及びイオン交換樹脂による脱塩・脱色後活性炭
5kgを加え殺菌処理した。濾過後濃縮し、スプレードラ
イにより噴霧乾燥し、本発明品のペプチド組成物13.5kg
が得られた。分析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 平均アミノ酸残基数 3.10% 81.37% 1.95% 13.58% 4.1
組成物の製造 調製例2の方法によって得た大麦麦芽タンパク質42kgを
500Lタンク中の水に懸濁させて350Lとし、12% 水溶液と
した。本水溶液に水酸化ナトリウムを加えてpHを9.5
とし、80℃で1時間加熱した。その後、55℃まで冷却さ
せて酵素液(エスペラーゼ7.5Lフードグレード:ノボノ
ルディスク社製)を3.5L添加し、55℃の条件下で18時間
反応させた。硫酸を加えてpHを4.0 に調整し10分間80
℃で加熱することによって酵素反応を停止後、冷却し
た。フィルタープレスによる濾過により濾液を分取し、
吸着樹脂及びイオン交換樹脂による脱塩・脱色後活性炭
5kgを加え殺菌処理した。濾過後濃縮し、スプレードラ
イにより噴霧乾燥し、本発明品のペプチド組成物13.5kg
が得られた。分析値を下記に示す。分析値 水分 タンパク質 灰分 可溶性無窒素物 平均アミノ酸残基数 3.10% 81.37% 1.95% 13.58% 4.1
【0022】〔試験例1〕 各種ペプチドの苦味に対す
る官能評価試験 市販の代表的なペプチドを対象とし、当該ペプチドの苦
味に対する官能評価試験を試みた。本試験は、苦味の尺
度について、「苦味を全く感じない」を(10)、「苦
味をほとんど感じない」を(7)、「苦味を少し感じ
る」を(4)、「苦味を感じる」を(2)、「苦味を強
く感じる」を(0)とし、5%ペプチド水溶液を被検液
として、10名のパネリストによる採点法により行った。
第1表の苦味官能評価試験からも明らかなように、市販
のペプチド(A社製、B社製ともに牛乳中のタンパク質
をプロテアーゼで分解処理したもの)には苦味があり、
中には強く苦味が感じられるものもあった。本発明品の
ペプチド組成物では、対象のペプチドに比べて得点が高
く、苦味のほとんど感じられないペプチドであることが
確認された。 第 1 表 ペ プ チ ド 苦 味 の 評 点 市販乳たん白ペプチド(A社製) 20 市販乳たん白ペプチド2(B社製) 4 本発明品ペプチド(実施例1) 41 本発明品ペプチド(実施例2) 43 本発明品ペプチド(実施例3) 49 本発明品ペプチド(実施例4) 47 本発明品ペプチド(実施例5) 45本発明品ペプチド(実施例6) 50
る官能評価試験 市販の代表的なペプチドを対象とし、当該ペプチドの苦
味に対する官能評価試験を試みた。本試験は、苦味の尺
度について、「苦味を全く感じない」を(10)、「苦
味をほとんど感じない」を(7)、「苦味を少し感じ
る」を(4)、「苦味を感じる」を(2)、「苦味を強
く感じる」を(0)とし、5%ペプチド水溶液を被検液
として、10名のパネリストによる採点法により行った。
第1表の苦味官能評価試験からも明らかなように、市販
のペプチド(A社製、B社製ともに牛乳中のタンパク質
をプロテアーゼで分解処理したもの)には苦味があり、
中には強く苦味が感じられるものもあった。本発明品の
ペプチド組成物では、対象のペプチドに比べて得点が高
く、苦味のほとんど感じられないペプチドであることが
確認された。 第 1 表 ペ プ チ ド 苦 味 の 評 点 市販乳たん白ペプチド(A社製) 20 市販乳たん白ペプチド2(B社製) 4 本発明品ペプチド(実施例1) 41 本発明品ペプチド(実施例2) 43 本発明品ペプチド(実施例3) 49 本発明品ペプチド(実施例4) 47 本発明品ペプチド(実施例5) 45本発明品ペプチド(実施例6) 50
【0023】〔試験例2〕 各種ペプチドの臭いに対す
る官能評価試験 試験例1と同様に市販の代表的なペプチドを対象とし、
当該ペプチドの臭いに対する官能評価試験を試みた。本
試験は、臭いの尺度について、「臭いを全く感じない」
を(10)、「臭いをほとんど感じない」を(7)、
「臭いを少し感じる」を(4)、「臭いを感じる」を
(2)、「臭いを強く感じる」を(0)とし、5%ペプ
チド水溶液を被検液として、10名のパネリストによる採
点法により行った。第2表の臭い官能評価試験からも明
らかなように、市販のペプチドには何らかの異臭があ
り、中には強く異臭が感じられるものもあった。本発明
品のペプチド組成物では、対象のペプチドに比べて得点
が高く臭いのほとんど感じられないペプチドであること
が確認された。 第 2 表 ペ プ チ ド 臭 い の 評 点 市販乳たん白ペプチド(A社製) 10 市販乳たん白ペプチド2(B社製) 21 本発明品ペプチド(実施例1) 36 本発明品ペプチド(実施例2) 33 本発明品ペプチド(実施例3) 41 本発明品ペプチド(実施例4) 38 本発明品ペプチド(実施例5) 37本発明品ペプチド(実施例6) 45
る官能評価試験 試験例1と同様に市販の代表的なペプチドを対象とし、
当該ペプチドの臭いに対する官能評価試験を試みた。本
試験は、臭いの尺度について、「臭いを全く感じない」
を(10)、「臭いをほとんど感じない」を(7)、
「臭いを少し感じる」を(4)、「臭いを感じる」を
(2)、「臭いを強く感じる」を(0)とし、5%ペプ
チド水溶液を被検液として、10名のパネリストによる採
点法により行った。第2表の臭い官能評価試験からも明
らかなように、市販のペプチドには何らかの異臭があ
り、中には強く異臭が感じられるものもあった。本発明
品のペプチド組成物では、対象のペプチドに比べて得点
が高く臭いのほとんど感じられないペプチドであること
が確認された。 第 2 表 ペ プ チ ド 臭 い の 評 点 市販乳たん白ペプチド(A社製) 10 市販乳たん白ペプチド2(B社製) 21 本発明品ペプチド(実施例1) 36 本発明品ペプチド(実施例2) 33 本発明品ペプチド(実施例3) 41 本発明品ペプチド(実施例4) 38 本発明品ペプチド(実施例5) 37本発明品ペプチド(実施例6) 45
【0024】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
大麦麦芽由来のタンパク質を加水分解することにより、
苦味を始めとする味や臭いを有しない吸収性の良いペプ
チドを得ることができ、従って本発明によるペプチド組
成物は、各種飲食料品への利用に有用である。
大麦麦芽由来のタンパク質を加水分解することにより、
苦味を始めとする味や臭いを有しない吸収性の良いペプ
チドを得ることができ、従って本発明によるペプチド組
成物は、各種飲食料品への利用に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/415 C07K 14/415 C12P 21/02 C12P 21/02 B (72)発明者 山 口 孫 一 静岡県富士市三ッ沢235−28
Claims (10)
- 【請求項1】大麦麦芽タンパク質を加水分解して得られ
るペプチド組成物。 - 【請求項2】平均アミノ酸残基数が2〜9である、請求
項1記載のペプチド組成物。 - 【請求項3】大麦麦芽タンパク質がビール仕込粕から得
られたものである、請求項1または2項記載のペプチド
組成物。 - 【請求項4】加水分解の方法がタンパク質分解酵素処理
である、請求項1〜3のいずれか1項記載のペプチド組
成物。 - 【請求項5】タンパク質分解酵素がアルカリプロテアー
ゼである、請求項4記載のペプチド組成物。 - 【請求項6】大麦麦芽から皮部を除去してタンパク質含
量の高い画分を分離し、この大麦麦芽の高タンパク質画
分を加水分解処理して得ることを特徴とする、ペプチド
組成物の製造方法。 - 【請求項7】ビール仕込粕を圧ペン粉砕処理し、得られ
た圧ペン粉砕処理物を水の存在条件下でふるい分け処理
して麦芽の皮部を除去し、ふるいを通過した画分を遠心
分離、脱水および乾燥することにより得られる大麦麦芽
の高タンパク質画分を、タンパク質分解酵素で処理して
得ることを特徴とする、請求項6記載のペプチド組成物
の製造方法。 - 【請求項8】タンパク質分解酵素がアルカリプロテアー
ゼである、請求項7記載のペプチド組成物の製造方法。 - 【請求項9】大麦麦芽タンパク質を、好アルカリ性細菌
由来のエンド型酵素で処理してタンパク質を分解処理し
た後、脱塩処理および脱色処理することを特徴とする、
請求項6〜8のいずれか1項記載のペプチド組成物の製
造方法。 - 【請求項10】大麦麦芽タンパク質を、濃度1〜15重
量%でPH7.5〜10に調整した水溶液または水分散
液とする、請求項6〜9のいずれか1項記載のペプチド
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17911196A JPH1023863A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 新規ペプチド組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17911196A JPH1023863A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 新規ペプチド組成物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1023863A true JPH1023863A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16060214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17911196A Withdrawn JPH1023863A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | 新規ペプチド組成物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1023863A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007072747A1 (ja) * | 2005-12-19 | 2007-06-28 | Suntory Limited | 発芽穀物の口腔内刺激物質の低減方法 |
CN115141693A (zh) * | 2022-08-02 | 2022-10-04 | 王启含 | 一种基于活性多肽的啤酒制备方法 |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP17911196A patent/JPH1023863A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007072747A1 (ja) * | 2005-12-19 | 2007-06-28 | Suntory Limited | 発芽穀物の口腔内刺激物質の低減方法 |
CN115141693A (zh) * | 2022-08-02 | 2022-10-04 | 王启含 | 一种基于活性多肽的啤酒制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031007 |