JPH10236900A - 酸化物超電導体育成方法及びその装置並びにこの装置に適用される照射光学装置 - Google Patents

酸化物超電導体育成方法及びその装置並びにこの装置に適用される照射光学装置

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JPH10236900A
JPH10236900A JP4358097A JP4358097A JPH10236900A JP H10236900 A JPH10236900 A JP H10236900A JP 4358097 A JP4358097 A JP 4358097A JP 4358097 A JP4358097 A JP 4358097A JP H10236900 A JPH10236900 A JP H10236900A
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JP4358097A
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Kaoru Taki
薫 滝
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Toshiba Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B13/00Single-crystal growth by zone-melting; Refining by zone-melting
    • C30B13/16Heating of the molten zone
    • C30B13/22Heating of the molten zone by irradiation or electric discharge

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、酸化カルシウムなどが晶出せずに、
結晶粒を均一に配向させた育成材の結晶成長を行う。 【解決手段】超電導母材1の周囲に複数のレーザ照射手
段10−1〜10−8を配置し、これらレーザ照射手段
10−1〜10−8によって中央部から両端部になる従
って強度が高くなる強度分布を持つ各線状レーザビーム
11−1〜11−8を超電導母材1の外周壁に照射す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームを用
いた浮遊帯溶融法により酸化物超電導体を育成する酸化
物超電導体育成方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、Y1 Ba2 Cu37-X 、Bi
2 Sr2 Ca1 Cu28+X 、又は(Bi,Pb)2
2 Ca2 Cu310+Xで示される酸化物超電導体は、
いわゆる極低温領域よりも比較的高い低温領域で、高い
臨界電流密度Jcの電流を流し得ることから、各種の電
気(電機)装置や電子機器類の構成部材として注目され
ている。
【0003】特に酸化物超電導性成分を溶融・凝固させ
ることによって作製されるこの種の酸化物超電導体は、
密度が高く、又凝固時の結晶成長を制御することによ
り、良好な結晶粒配向を得られる点で、焼結法によるも
のよりも優れている。
【0004】例えば、Y1 Ba2 Cu37-X 系の場合
は、ペレット状に加工した酸化物超電導性成分の試料を
耐熱性容器内に収納し、1050℃程度に加熱・溶融し
た後、1℃/hr程度の速度で徐冷・凝固させることによ
って、酸化物超電導体を成す酸化物結晶粒界の界面接合
の良好化や良好な配向化によって、高い臨界電流密度J
cを呈する酸化物超電導体を得ている。
【0005】又、Bi2 Sr2 Ca1 Cu28+X の場
合も、例えばAg板やセラミック板面に、酸化物超電導
性成分を塗布した後、890℃程度に加熱・溶融し、そ
の後10℃/hr程度の速度で870℃まで徐冷すること
によって、前記基板面上に厚さ20μm程度のa−b面
が配向した組織を成し、高い臨界電流密度Jcを呈する
酸化物超電導体を得ている。
【0006】一方、この種の酸化物超電導体は、高い臨
界電流密度Jcの通電性を利用し、例えば棒状又はブロ
ック状など、いわゆるバルク材として応用されるケース
も多く、具体的にはパワーリード材等が例示されてい
る。
【0007】ところで、パワーリードは、室温中の電源
から低温領域に設置された超電導機器に、所要の電流を
供給する回路であって、銅製のパワーリードを用いたと
きに、この銅製のパワーリードを介して電源側から低温
領域側に熱が侵入し、低温領域の冷却媒体を蒸発させ
て、冷却機能の低下を招来する。
【0008】これに対して、酸化物超導電体をパワーリ
ードとして使用すると、その超電導状態においては、ジ
ュール熱なしに大電流を流し得るとともに、熱伝導率も
小さいので、低温領域側への熱侵入を低減させつつ、所
要の機能を保持・発揮させることが可能となる。
【0009】ところで、酸化物超電導体系のパワーリー
ドでは、低温領域側へ侵入する熱はバルク材の断面積に
ほぼ比例するため、同じ電流容量で比較した場合、臨界
電流密度(酸化物超電導体の単位断面積当たりに流れる
電流=Jc)が、できるだけ高いことが望まれる。
【0010】そして、この臨界電流密度の高さは、パワ
ーリードへの用途ばかりでなく、バルク材でのいずれの
使用態様においても重要視され、そのためには、バルク
材を構成する酸化物超電導体の結晶粒の方位が、電流の
流れる方向に揃っている(配向)必要がある。
【0011】このような点に着目して、単結晶育成(成
長)の一般的な方法である浮遊帯溶融法で、結晶粒の配
向した酸化物超電導体を作製することが行われている。
図9はかかる浮遊帯溶融法による酸化物超電導体育成装
置の構成図である。
【0012】例えばBi系酸化物超電導体成分から成る
棒状の超電導母材1と酸化物超電導体である種結晶2と
が、それぞれ装着手段3により把持(固定)されて互い
に逆方向(イ)(ロ)に回転される。
【0013】一方、例えばCO2 レーザ装置4が備えら
れ、このCO2 レーザ装置4から出力されたレーザビー
ム5が、例えばハーフミラーと全反射ミラーにより2分
岐され、これらのレーザビームがシリンドリカルレンズ
を通してライン状に集光して超電導母材1に照射され、
超電導母材1を加熱・溶融して浮遊帯(溶融帯)6を作
るものとなっている。
【0014】従って、CO2 レーザ装置4からレーザビ
ーム5が出力されると、このレーザビーム5は、例えば
ハーフミラーと全反射ミラーにより2分岐され、これら
分岐された各レーザビームがそれぞれシリンドリカルレ
ンズを通してライン状に集光されて超電導母材1に照射
され、超電導母材1を加熱・溶融して浮遊帯(溶融帯)
6を作る。
【0015】そして、超電導母材1を回転させることに
よりレーザビーム5の照射による加熱部の周方向の温度
分布を高低を緩和し、かつ超電導母材1と種結晶2とを
同軸中心に互いに逆方向に回転させることにより、溶融
部を撹拌して均一にかき混ぜている。これにより、溶融
部は均質で安定的な溶融体を形成し、溶融体と固相の界
面を平坦化して、結晶粒を配向させて育成材7を成長さ
せている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
ビーム5を2分岐してそれぞれライン状に集光されて超
電導母材1に照射する方法では、レーザビーム5の照射
される超電導母材1の円柱壁面の周方向について温度分
布が十分な均一にならず、超電導母材1が回転している
ことからレーザビーム5で加熱されて溶融した超電導母
材1が低温になったときに、例えばBi2 Sr2 Ca1
Cu28+X 、又は(Bi,Pb)2 Sr2 Ca2 Cu
310+Xで示される酸化物超電導体を作製する際には、
酸化カルシウムが晶出し、これが結晶粒の配向を妨げる
問題がある。
【0017】この酸化カルシウムの晶出は、臨界電流密
度Jcの低かった超電導体のサンプルを分析した結果、
CaOの存在が確認された。この酸化カルシウムの晶出
プロセスは、例えばBi2 Sr2 CaCu28+Xが溶
融した融液には、各構成元素のイオンが均一に混ざり合
って存在している。均一な溶融状態が保たれている限り
は、CaOは晶出しないが、一度CaOの結晶核(小さ
なかたまり)が形成されると、この結晶核は融点が20
00℃と高いので、その後レーザビーム5で加熱しても
再溶融しない。そして、融液の中に浮遊しながら少しづ
つCaを集めて結晶粒として成長していく。
【0018】ここで、CaOの結晶核がなぜ形成される
かであるが、これには融液の一時的な冷却が絡んでいる
ものと考えられる。すなわち、レーザビームの照射され
ない部分で融液の温度が低下すると、少量のBi2 Sr
2 CuO6+X 、(Sr,Ca)Cu23+X 、CaOが
固体となって晶出する(例えれば、湯に食塩を溶かして
飽和させ、冷却すると食塩が晶出するのと同じであ
る)。このうちBi2 Sr2 CuO6+X 、(Sr,C
a)Cu23+X は融点が低くレーザビームの加熱で再
度溶融するが、CaOはそのまま残る。なお、本来なら
ば、晶出するのはBi2 Sr2 CaCu28+X のはず
であるが、この結晶は成長速度が非常に遅いので、実際
にはBi2 Sr2 CuO6+X 、(Sr,Ca)Cu2
8+X 、CaOに分離した状態で晶出する。
【0019】そこで本発明は、酸化カルシウムなどが晶
出せずに、結晶粒を均一に配向させた育成材の結晶成長
ができる酸化物超電導体育成方法及びその装置を提供す
ることを目的とする。又、本発明は、中央部から両端部
になる従って強度が高くなる強度分布を有するレーザビ
ームを出力できる照射光学装置を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、超電
導母材にレーザビームを照射して超電導体を育成する酸
化物超電導体育成方法において、中央部から両端部にな
るに従って強度が高くなる強度分布を有する複数のレー
ザビームを超電導母材の外周壁に所定の間隔で照射し、
超電導母材の外周壁を均一に加熱する酸化物超電導体育
成方法である。
【0021】このような強度分布のレーザビームを超電
導母材の外周壁に所定の間隔で照射するので、超電導母
材の外周壁を均一に加熱でき、酸化カルシウムなどを晶
出せずに、結晶粒を均一に配向させた育成材の結晶成長
ができる。
【0022】請求項2によれば、超電導母材にレーザビ
ームを照射して超電導体を育成する酸化物超電導体育成
装置において、中央部から両端部になるに従って強度が
高くなる強度分布を有するレーザビームを出力して超電
導母材の外周壁に所定の間隔で照射する複数のレーザ照
射手段、を備えた酸化物超電導体育成装置である。
【0023】このような酸化物超電導体育成装置であれ
ば、複数のレーザ照射手段によって上記強度分布のレー
ザビームを超電導母材の外周壁に所定の間隔で照射する
ので、超電導母材の外周壁を均一に加熱でき、酸化カル
シウムなどを晶出せずに、結晶粒を均一に配向させた育
成材の結晶成長ができる。
【0024】請求項3によれば、請求項2記載の酸化物
超電導体育成装置において、レーザ照射手段から出力さ
れるレーザビームは、線状ビームで、かつレーザビーム
の中心部からの距離をx、超電導母材の円柱の半径を
r、レーザビームの中心部の強度をPo としたとき、 P=Po /{1−(x/r)21/2 の強度分布Pに形成されている。
【0025】請求項4によれば、請求項2記載の酸化物
超電導体育成装置において、レーザ照射手段は、線状レ
ーザビームのビーム長手方向を超電導母材の両端に存す
る超電導母材の各固定部分を結ぶ方向に対してほぼ直交
する方向に設定する。
【0026】請求項5によれば、請求項2記載の酸化物
超電導体育成装置において、レーザ照射手段は、中央部
から両端部になる従って密に配列された複数のレーザ出
射口と、これらレーザ出射口から出射された各レーザビ
ームを線状ビームに整形する光学レンズ系と、を備えて
いる。
【0027】請求項6によれば、請求項2記載の酸化物
超電導体育成装置において、レーザ照射手段は、一定間
隔で配列された複数のレーザ出射口と、これらレーザ出
射口から出射された各レーザビームのうち中央部よりも
両端部から出射されるレーザビームの強度を高く制御す
るレーザ強度制御手段と、各レーザ出射口から出射され
た各レーザビームを線状ビームに整形する光学レンズ系
と、を備えている。
【0028】請求項7によれば、中央部から両端部にな
るに従って密な間隔に配列された複数のレーザ出射口
と、これらレーザ出射口から出射された各レーザビーム
を線状ビームに整形する光学レンズ系と、を備えた照射
光学装置である。
【0029】このような照射光学装置であれば、レーザ
出射口から出射された各レーザビームが線状ビームに整
形されることにより、中央部から両端部になる従って強
度の高い強度分布を有するレーザビームに整形される。
【0030】請求項8によれば、請求項7記載の照射光
学装置において、複数のレーザ出射口にそれぞれレーザ
ダイオードを配置し、かつ光学レンズ系としてシリンド
リカルレンズを用いる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。なお、図9と同一部分に
は同一符号を付してその詳しい説明は省略する。本発明
の酸化物超電導体育成方法は、超電導母材にレーザビー
ムを照射する浮遊帯溶融法により超電導体を育成する場
合、中央部から両端部になる従って強度が高くなる強度
分布を有する複数のレーザビームを超電導母材の外周壁
に所定の間隔で照射し、超電導母材の外周壁を均一に加
熱するものである。
【0032】図1はかかるレーザ育成方法を適用した酸
化物超電導体育成装置の上方から見た構成図である。超
電導母材1の周囲には、所定間隔毎に複数のレーザ照射
手段10−1〜10−n、例えばレーザ照射手段10−
1〜10−8が配置されている。
【0033】これらレーザ照射手段10−1〜10−8
は、それぞれ中央部から両端部になる従って強度が高く
なる強度分布を有する線状の各レーザビーム(以下、線
状レーザビームと称する)11−1〜11−8を出力
し、超電導母材1の外周壁に所定の間隔で照射する機能
を有している。
【0034】これらレーザ照射手段10−1〜10−8
は、それぞれレーザ光源12とシリンドリカルレンズ1
3とから構成されている。図2はこれらレーザ照射手段
10−1〜10−8の具体的な構成図である。
【0035】レーザ光源12は、複数のレーザダイオー
ド14−1〜14−m、例えばレーザダイオード14−
1〜14−9をライン状に配置したもので、この配置
は、中央部に配置されたレーザダイオード14−5から
見て両端側にそれぞれ配置される各レーザダイオード1
4−5〜14−1、及び14−5〜14−9に従って配
置間隔を順に密にした構成となっている。
【0036】これらレーザダイオード14−1〜14−
8は、レーザダイオードコントローラ15及びレーザダ
イオードドライバ16によって同一出力強度に制御され
ている。
【0037】シリンドリカルレンズ13は、各レーザダ
イオード14−1〜14−8から出射された各レーザビ
ームを線状レーザビーム11−1〜11−8に整形する
機能を有している。
【0038】このとき、各レーザダイオード14−1〜
14−8から出射された各レーザビームは、広がりをも
って出射されるので、互いに重なりあってシリンドリカ
ルレンズ13に入射する。なお、図3は2つのレーザビ
ームの重なりを示す図であり、これらレーザビームが重
なり合う部分が大きくなるほど強度が高くなる。
【0039】従って、このシリンドリカルレンズ13
は、互いに重なりあった各レーザビームを超電導母材1
の外壁に結像し、その中央部から両端部になる従って強
度が高くなる強度分布を持つ線状レーザビーム11−1
〜11−8に整形する機能を有している。
【0040】ここで、これら線状レーザビーム11−1
〜11−8の強度分布Pは、線状レーザビームの中心部
からの距離をx、超電導母材1の円柱の半径をr、レー
ザビームの中心部の強度をPO としたとき、 P=PO /{1−(x/r)21/2 …(1) により表される。
【0041】図4はかかる線状レーザビーム11−1〜
11−8の強度分布Pを示す図であり、線状レーザビー
ム11−1〜11−8の中央部の強度が最も低く、その
両端部程強度が放物線状に高くなっている。
【0042】すなわち、図5に示すように半径rの超電
導母材1の円柱壁面に、中心のビーム強度がPo のレー
ザビームQを照射したとき、このレーザビームQの照射
される全ての円柱壁面上で均一なビーム強度を持たせよ
うとするには、任意の点Aでのビーム強度Pは、 P cosθ=Po …(2) ゆえにP=Po / cosθ …(3) でなければならない。
【0043】又、レーザビームQの中心からの距離をx
とすると、 x=r sinθ …(4)
が得られ、 sin θ+ cos2 θ=1 から (x/r)2 +(Po /P)=1 …(5) ゆえに P=Po /{1−(x/r)21/2 …(6) が得られる。
【0044】従って、中心のビーム強度Po の設定によ
って上記式(1) が得られる。又、これらレーザ照射手段
10−1〜10−8は、線状レーザのビーム長手方向を
超電導母材1の両端に存する超電導母材1の各固定部分
を結ぶ方向に対してほぼ直交する方向に設定するものと
なっている。この方向は、結晶育成方向に対してほぼ直
交する方向となる。
【0045】なお、超電導母材1と種結晶2とは、図6
の側面図に示すようにそれぞれ装着手段3により把持さ
れ、互いに逆方向(イ)(ロ)に回転されるものとなっ
ている。この図6は1つのレーザ照射手段10−1につ
いて着目した図である。
【0046】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。例えばBi2 Sr2 Ca1 Cu2
8+X 、又は(Bi,Pb)2 Sr2 Ca2Cu310+X
で示される酸化物超電導体を作製する際、そのBi系酸
化物超電導体成分から成る棒状の超電導母材1と酸化物
超電導体である種結晶2とは、それぞれ装着手段3によ
り把持されて互いに逆方向(イ)(ロ)に回転される。
【0047】一方、各レーザ照射手段10−1〜10−
8において、各レーザダイオード14−1〜14−8
は、図2に示すようにレーザダイオードコントローラ1
5及びレーザダイオードドライバ16によって同一出力
強度に制御された各レーザビームを出力する。
【0048】これらレーザダイオード14−1〜14−
8から出力された各レーザビームは、それぞれ広がりを
もって出射されるので、互いに重なりあってシリンドリ
カルレンズ13に入射する。
【0049】このシリンドリカルレンズ13は、互いに
重なりあった各レーザビームを図4に示すようにその中
央部から両端部になる従って強度が高くなる強度分布を
持つ線状レーザビーム11−1〜11−8に整形し、超
電導母材1の外壁に結像する。
【0050】又、これら線状レーザビーム11−1〜1
1−8も、そのビーム長手方向が超電導母材1の両端に
存する超電導母材1の各固定部分を結ぶ方向に対してほ
ぼ直交する方向に設定するものとなっている。この方向
は、結晶育成方向に対してほぼ直交する方向となる。
【0051】なお、図6は1つのレーザ照射手段10−
1から出力された線状レーザビーム11−1の超電導母
材1に対する照射を示している。従って、超電導母材1
には、各レーザ照射手段10−1〜10−8から出力さ
れた各線状レーザビーム11−1〜11−8が超電導母
材1の周方向に照射されることにより、超電導母材1の
円柱外壁の周方向には、均一な強度分布となるように各
線状レーザビーム11−1〜11−8が照射される。
【0052】このように超電導母材1に各線状レーザビ
ーム11−1〜11−8が照射されると、超電導母材1
は、加熱・溶融して浮遊帯(溶融帯)6を作る。そし
て、超電導母材1は回転していることにより各線状レー
ザビーム11−1〜11−8の照射による加熱部の周方
向の温度分布の高低は、さらに緩和し、かつ超電導母材
1と種結晶2とを同軸中心に互いに逆方向に回転させる
ことにより、溶融部を撹拌して均一にかき混ぜている。
【0053】これにより、溶融部は均質で安定的な溶融
体を形成し、溶融体と固相の界面を平坦化して、結晶粒
を配向させた育成材7が成長する。この育成材7は、例
えば育成速度36mm/hで、径5mm程度で成長する。
【0054】このように上記一実施の形態においては、
超電導母材1の周囲に複数のレーザ照射手段10−1〜
10−8を配置し、これらレーザ照射手段10−1〜1
0−8によって中央部から両端部になる従って強度が高
くなる強度分布を持つ各線状レーザビーム11−1〜1
1−8を超電導母材1の外周壁に照射するので、超電導
母材1の外周壁を均一に加熱でき、例えばBi2 Sr2
Ca1 Cu28+X 、又は(Bi,Pb)2 Sr2 Ca
2 Cu310+Xで示される酸化物超電導体を作製する際
に、酸化カルシウムなどを晶出せずに、結晶粒を均一に
配向させた育成材7の結晶成長ができる。
【0055】すなわち、レーザ照射手段10−1〜10
−8によって中央部から両端部になるに従って強度が高
くなる強度分布を持つ各線状レーザビーム11−1〜1
1−8に整形できることから、超電導母材1の円柱壁面
の周方向について均一に加熱できる。
【0056】従って、臨界電流密度Jcの高い酸化物超
電導体を作製することができ、大電流容量を流せる酸化
物超電導パワーリード材の製造ができる。なお、本発明
は、上記一実施の形態に限定されるものでなく次の通り
変形してもよい。
【0057】例えば、各レーザ照射手段10−1〜10
−8は、図7に示すように各レーザダイオード14−1
〜14−9を所定の間隔で均等にライン状に配置し、か
つレーザダイオードコントローラ15及びレーザダイオ
ードドライバ16によって各レーザダイオード14−1
〜14−9から出射された各レーザビームのうち中央部
よりも両端部から出射されるレーザビームの強度を高く
制御するようにしてもよい。
【0058】この場合でも、シリンドリカルレンズ13
から出射される各線状レーザビーム11−1〜11−8
は、上記式(1) に従って強度分布P(図4に示す強度分
布P)に整形される。
【0059】又、各レーザ照射手段10−1〜10−8
は、図8に示すようにレーザ光源20を設け、このレー
ザ光源20に複数の光ファイバー21−1〜21−9を
接続する。
【0060】このレーザ光源20は、レーザビームを複
数に分岐してそれぞれ同一強度のレーザビームとして各
光ファイバー21−1〜21−9に入射する。これら光
ファイバー21−1〜21−9は、レーザ出射端部22
に接続され、このレーザ出射端部22において各光ファ
イバー21−1〜21−9のレーザ出射口は、ライン状
に配置され、かつ中央部に配置された光ファイバー21
−5のレーザ出射口から見て両端側にそれぞれ配置され
る各光ファイバー21−4〜21−1、及び21−6〜
21−9に従って配置間隔を順に密にしている。
【0061】このような構成であれば、レーザ光源20
から出力されたレーザビームは、複数に分岐されてそれ
ぞれ同一強度のレーザビームとして各光ファイバー21
−1〜21−9に入射する。
【0062】そして、これらレーザビームは、各光ファ
イバー21−1〜21−9内を伝搬してそれぞれレーザ
出射口から出射される。これらレーザビームは、それぞ
れ広がりをもって出射されるので、互いに重なりあって
シリンドリカルレンズ13に入射し、このシリンドリカ
ルレンズ13において図4に示すようにその中央部から
両端部になる従って強度が高くなる強度分布を持つ線状
レーザビーム11−1〜11−8に整形され、例えば超
電導母材1の外壁に結像する。
【0063】従って、超電導母材1の外周壁を均一に加
熱できる。レーザ出射端部22において、各光ファイバ
ー21−1〜21−9のレーザ出射口の配置を、所定間
隔ごとに均一に配置し、各光ファイバー21−1〜21
−9に入射する各レーザビームの強度を、その中央部よ
りも両端部から出射されるレーザビームの強度を高く制
御するようにしてもよい。
【0064】又、上記一実施の形態では、Bi2 Sr2
Ca1 Cu28+X 、又は(Bi,Pb)2 Sr2 Ca
2 Cu310+Xで示される酸化物超電導体を作製する場
合について説明したが、これに限らず、例えばY系のY
2 BaCuO5+X (1500℃以下で固体)、Y23
(1500℃以上でも固体)等がYBa2 Cu37-X
の分解溶融によって生成し、これらが結晶粒として成長
すると配向した組織を乱す。
【0065】従って、本発明により複数のレーザビーム
をY系の超電導母材の外周壁に所定の間隔で照射し、超
電導母材の外周壁を均一に加熱すれば、粒成長がなくな
り配向した組織を乱すこともなくなる。
【0066】又、Tl系やHg系には、Caが構成元素
に含まれているので、これらも複数のレーザビームをT
l系又はHg系の超電導母材の外周壁に所定の間隔で照
射し、超電導母材の外周壁を均一に加熱すれば、CaO
の晶出をなくすことができる。
【0067】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1に
よれば、酸化カルシウムなどが晶出せずに、結晶粒を均
一に配向させた育成材の結晶成長ができる酸化物超電導
体レーザ育成方法を提供できる。
【0068】又、本発明の請求項2〜6によれば、酸化
カルシウムなどが晶出せずに、結晶粒を均一に配向させ
た育成材の結晶成長ができる酸化物超電導体レーザ育成
装置を提供できる。又、本発明の請求項7、8によれ
ば、中央部から両端部になる従って強度が高くなる強度
分布を有するレーザビームを出力できる照射光学装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる酸化物超電導体レーザ育成装置
の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置におけるレーザ照射手段の具体的な構成
図。
【図3】レーザビームの重なり合いを示す図。
【図4】線状レーザビームの強度分布を示す図。
【図5】線状レーザビームの強度分布を説明するための
図。
【図6】同装置を側面から見たときの1つのレーザ照射
手段の構成図。
【図7】レーザ照射手段の変形例を示す構成図。
【図8】レーザ照射手段の他の変形例を示す構成図。
【図9】従来の酸化物超電導体レーザ育成装置の構成
図。
【符号の説明】
1…超電導母材、 10−1〜10−n…レーザ照射手段、 12…レーザ光源、 13…シリンドリカルレンズ、 14−1〜14−m…レーザダイオード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 12/06 ZAA H01B 12/06 ZAA 13/00 565 13/00 565D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導母材にレーザビームを照射して超
    電導体を育成する酸化物超電導体育成方法において、 中央部から両端部になるに従って強度が高くなる強度分
    布を有する複数のレーザビームを前記超電導母材の外周
    壁に所定の間隔で照射し、前記超電導母材の外周壁を均
    一に加熱することを特徴とする酸化物超電導体育成方
    法。
  2. 【請求項2】 超電導母材にレーザビームを照射して超
    電導体を育成する酸化物超電導体育成装置において、 中央部から両端部になるに従って強度が高くなる強度分
    布を有するレーザビームを出力して前記超電導母材の外
    周壁に所定の間隔で照射する複数のレーザ照射手段、を
    備えたことを特徴とする酸化物超電導体育成装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ照射手段から出力されるレー
    ザビームは、線状ビームで、かつ前記レーザビームの中
    心部からの距離をx、前記超電導母材の円柱の半径を
    r、前記レーザビームの中心部の強度をPo としたと
    き、 P=Po /{1−(x/r)21/2 の強度分布Pに形成されていることを特徴とする請求項
    2記載の酸化物超電導体育成装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ照射手段は、線状レーザビー
    ムのビーム長手方向を前記超電導母材の両端に存する前
    記超電導母材の各固定部分を結ぶ方向に対してほぼ直交
    する方向に設定することを特徴とする請求項2記載の酸
    化物超電導体育成装置。
  5. 【請求項5】 前記レーザ照射手段は、中央部から両端
    部になる従って密に配列された複数のレーザ出射口と、 これらレーザ出射口から出射された各レーザビームを線
    状ビームに整形する光学レンズ系と、 を備えたことを特徴とする請求項2記載の酸化物超電導
    体育成装置。
  6. 【請求項6】 前記レーザ照射手段は、一定間隔で配列
    された複数のレーザ出射口と、 これらレーザ出射口から出射された各レーザビームのう
    ち中央部よりも両端部から出射される前記レーザビーム
    の強度を高く制御するレーザ強度制御手段と、 前記各レーザ出射口から出射された各レーザビームを線
    状ビームに整形する光学レンズ系と、を備えたことを特
    徴とする請求項2記載の酸化物超電導体育成装置。
  7. 【請求項7】 中央部から両端部になるに従って密な間
    隔に配列された複数のレーザ出射口と、 これらレーザ出射口から出射された各レーザビームを線
    状ビームに整形する光学レンズ系と、を具備したことを
    特徴とする照射光学装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のレーザ出射口にそれぞれレー
    ザダイオードを配置し、かつ前記光学レンズ系としてシ
    リンドリカルレンズを用いることを特徴とする請求項7
    記載の照射光学装置。
JP4358097A 1997-02-27 1997-02-27 酸化物超電導体育成方法及びその装置並びにこの装置に適用される照射光学装置 Pending JPH10236900A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011144081A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 単結晶育成装置および単結晶育成方法
JP2016199411A (ja) * 2015-04-07 2016-12-01 国立研究開発法人理化学研究所 レーザ単結晶育成装置及び単結晶

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