JPH10235508A - 穴明け工具 - Google Patents

穴明け工具

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JPH10235508A
JPH10235508A JP4442597A JP4442597A JPH10235508A JP H10235508 A JPH10235508 A JP H10235508A JP 4442597 A JP4442597 A JP 4442597A JP 4442597 A JP4442597 A JP 4442597A JP H10235508 A JPH10235508 A JP H10235508A
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JP
Japan
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tool
tip
tool body
chip discharge
thickness
Prior art date
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Application number
JP4442597A
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English (en)
Inventor
Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Yasuhiko Kawade
保彦 川出
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具本体1の先端部における剛性を十分に確
保して工具本体1の振れを抑え、円滑かつ安定した高精
度の穴明け加工を促すことが可能な穴明け工具を提供す
る。 【解決手段】 略円柱状の工具本体1先端のドリル部2
外周に、この工具本体1の先端から後端側に向けて延び
る一対の切屑排出溝8,9が形成され、これらの切屑排
出溝8,9のそれぞれ先端に形成されたチップ取付座1
0,11に、切刃15を備えたスローアウェイチップ1
2が装着されてなる穴明け工具であって、少なくとも切
刃15の周辺のチップ取付座10,11の後端位置より
も後端側の部分においては、切屑排出溝8,9の溝底面
とされる凹曲面8C,9Cの間に形成される工具本体1
のウェブ16の厚さEを、工具本体1先端のドリル部2
の外径Dに対して0.15×D〜0.35×Dの範囲に
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体の外周に
複数の切屑排出溝が形成され、その先端に切刃が設けら
れたドリル等の穴明け工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の複数の切屑排出溝および切刃を
備えた穴明け工具においては、工具本体の先端部に、こ
の工具本体の軸線を挟んで一対の切屑排出溝が後端側に
延びるように形成されるとともに、これらの切屑排出溝
のそれぞれ先端にスローアウェイチップ(以下、チップ
と称する。)が着脱自在に装着され、このチップに上記
切刃が形成された、いわゆる2枚刃のスローアウェイ式
穴明け工具が知られている。そして、特にこのようなス
ローアウェイ式穴明け工具においては、一方のチップを
工具本体の先端において工具内周側に配置するとともに
他方のチップを工具外周側に配置し、かつ互いの切刃の
上記軸線回りの回転軌跡を交差するようにして、一つの
チップの切刃長よりも大きな切刃外径が得られるように
されたものが種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
一方のチップが他方のチップよりも工具内周側に偏って
配置された穴明け工具では、この一方のチップが配設さ
れる一方の切屑排出溝の先端部は、他方の切屑排出溝よ
りも工具内周側に深く形成されることとなる。そして、
この一方の切屑排出溝が他方の切屑排出溝よりも深いま
ま後端側に延びるように形成されていると、当該穴明け
工具のランド同士を結ぶ工具本体の中心部分の厚さ、す
なわち両切屑排出溝の溝底面の間に形成される工具本体
のウェブの厚さは小さくならざるを得ない。
【0004】しかしながら、このようにウェブの厚さが
小さくされた穴明け工具では、工具本体先端部における
工具剛性を十分に確保することが難しく、穴明け加工時
に工具本体に振れが生じて、加工精度の劣化や切削トル
クおよびスラスト荷重の増大を招いたり、大きな工具回
転駆動力を要したり、あるいは加工時に激しい切削音を
発したりするおそれがある。特に、上述のように一対の
チップが工具の内周側と外周側とに偏って配置された穴
明け工具では、切刃による切削部位も工具内周側と外周
側とに偏って位置するため、工具本体に作用する切削負
荷のバランスが損なわれやすく、加工時の工具本体の振
れは一層顕著なものとなる。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、工具本体先端部における剛性を十分に確保し
て工具本体の振れを抑え、円滑かつ安定した高精度の穴
明け加工を促すことが可能な穴明け工具を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、略円柱状の
工具本体先端部の外周に、この工具本体の先端から後端
側に向けて延びる複数条の切屑排出溝が形成され、これ
らの切屑排出溝のそれぞれ先端に切刃が設けられてなる
穴明け工具であって、少なくとも上記切刃の周辺よりも
後端側の部分においては、上記切屑排出溝の溝底面の間
に形成される上記工具本体のウェブの厚さを、上記工具
本体先端部の外径Dに対して0.15×D〜0.35×
Dの範囲に設定したことを特徴とするものである。すな
わち、例えば上述のように切刃が工具内周側と外周側と
に偏って配置された穴明け工具であっても、内周側の切
刃が配置される切屑排出溝が深く形成される必要がある
のは、その先端の切刃の周辺の部分だけであるので、上
記構成の穴明け工具では、この切刃の周辺よりも後端側
の部分においては、ウェブの厚さを工具本体先端部の外
径Dに対して0.15×D〜0.35×Dと大きく設定
することにより、この工具本体先端部における工具剛性
を確保することが可能となるのである。
【0007】ここで、このウェブの厚さが0.15×D
を下回るほど小さいと、従来の穴明け工具と同様となっ
て工具本体先端部における剛性が十分に確保されなくな
る一方、ウェブの厚さが0.35×Dを上回るほど大き
いと、相対的に切屑排出溝の深さが小さくなって、円滑
な切屑の排出に支障が生じるおそれがある。なお、この
ように切屑の排出性を損なうことなく工具剛性を確実に
確保するには、上記ウェブの厚さは、上記工具本体先端
部の外径Dに対して0.20×D〜0.25×Dの範囲
に設定されるのが望ましい。また、上記従来の技術およ
びその課題を鑑みると、本発明は、特に上述したような
2枚刃のスローアウェイ式ドリルに適用して好適であ
り、すなわち、上記工具本体の外周に一対の切屑排出溝
が形成され、これらの切屑排出溝のそれぞれ先端に、切
刃が形成されたチップが着脱自在に装着されており、こ
れらのチップのうち、一方の切屑排出溝の先端に装着さ
れるチップが、他方の切屑排出溝の先端に装着されるチ
ップに対して工具本体の内周側に配置された穴明け工具
において、効果的に上述の作用を奏しうる。ただし、本
発明が、このような2枚刃のスローアウェイ式穴明け工
具のみに限定されることはない。
【0008】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の一実
施形態を示すものである。本実施形態の穴明け工具は、
本発明を上述した2枚刃のスローアウェイ式ドリルに適
用したものであって、その工具本体1は、軸線Oを中心
とする外観略多段円柱状をなし、その先端から後端側に
向けて、外径略円柱状のドリル部2と、このドリル部2
から一段拡径した略円錐台状のフランジ部3と、外径が
このフランジ部3より小さくドリル部2よりも大きい略
円柱状のシャンク部4とから構成されている。このシャ
ンク部4の外周面には、後端側に向かうに従い外周側に
切れ上がる取付面4Aが形成されており、またこのシャ
ンク部4の後端面4Bから工具本体1の先端側に向けて
は軸線Oに沿って切削油剤の供給孔5が形成されてい
て、この供給孔5は、上記フランジ部3において、その
外周側から穿設された副供給孔6に連通されているとと
もに、2つに分岐して工具本体1の先端側に延び、ドリ
ル部2の先端面2A、すなわち工具本体1の先端面に開
口せしめられている。なお、この副供給孔6には、その
未使用時に該副供給孔6を封止するプラグ7が螺着され
る。
【0009】一方、工具本体1の外周には、上記ドリル
部2の先端面2Aからフランジ部3にかけて、軸線Oを
間に挟んで互いに反対側に位置するように一対の切屑排
出溝8,9が形成されており、これらの切屑排出溝8,
9の工具回転方向T側を向く壁面8A,9Aの先端に形
成されたチップ取付座10,11に、それぞれチップ1
2がクランプネジ13によって着脱自在に装着されてい
る。ここで、これらの切屑排出溝8,9は、軸線O方向
に工具本体1の後端側に向かうに従い工具回転方向Tの
後方側に向けて捩れるように形成されており、チップ取
付座10,11が形成される工具本体1の先端部におい
ては、上記壁面8A,9Aと工具回転方向Tの後方側を
向く壁面8B,9Bとにより軸線Oに直交する断面視に
おいて略V字型に画成される一方、これよりも後端側で
は、図2に示すように軸線Oに直交する断面視におい
て、上記壁面8A,9Aおよび壁面8B,9Bの間に、
これら壁面8A,9Aおよび壁面8B,9Bに対して軸
線O側に凹んだ円弧状をなす凹曲面8C,9Cが形成さ
れている。また、本実施形態では、この切屑排出溝8,
9の凹曲面8C,9Cの壁面8A,9A側と壁面8B,
9B側とには、当該切屑排出溝8,9の延びる方向に沿
って延びるように、それぞれ3本ずつの凹溝14…が形
成されている。
【0010】さらに、上記チップ取付座10,11は、
一方の切屑排出溝8の先端に形成されるチップ取付座1
0が、他方の切屑排出溝9の先端に形成されるチップ取
付座11に対して工具本体1の内周側に偏って配置され
ており、これに伴い上記チップ12,12も工具本体1
の内周側と外周側に偏った位置に装着される。ここで、
これらのチップ12,12は、本実施形態では超硬合金
等の硬質材料から形成された互いに同形同大の略正三角
形平板状をなすものであり、その一方の三角形面をすく
い面として工具回転方向T側に向けるとともに、このす
くい面の辺稜部に形成された切刃15…の一つを工具本
体1の先端に突出させて、上記チップ取付座10,11
に取り付けられている。そして、この取付状態において
これらのチップ12,12は、工具内周側に位置するチ
ップ12の切刃15の内周端が軸線Oを越えてオーバー
センターとなるとともに、工具外周側のチップ12の切
刃15の外周端がドリル部2の外周面よりも僅かに外周
側に突出し、かつこれらの切刃15,15の軸線O回り
の回転軌跡が互いにオーバーラップするように配設され
ている。
【0011】このようにチップ12,12が工具本体1
の内周側と外周側とに偏って配置されるのに伴い、図2
に示すように上記切屑排出溝8,9は、一方の切屑排出
溝8の方が他方の切屑排出溝9よりも工具内周側に深く
切り欠かれるように形成される。そして、上記軸線Oに
沿ってこれらの切屑排出溝8,9の間に形成される工具
本体1のウェブ16の厚さEは、本実施形態では工具本
体1の先端部のドリル部2の外径Dに対して、0.15
×D〜0.35×Dの範囲に設定されている。なお、本
実施形態では、上述のように切屑排出溝8,9が、チッ
プ取付座10,11が形成される工具本体1の先端部よ
りも後端側で、壁面8A,9Aおよび壁面8B,9Bと
凹曲面8C,9Cとにより画成されており、従って上記
ウェブ16の厚さEは、図2に示すように軸線Oに直交
する断面におけるこれらの凹曲面8C,9Cの間の距離
に等しくなる。
【0012】このように構成された本実施形態の穴明け
工具では、上述のようにチップ12,12が工具本体1
の内周側と外周側とに偏って配置され、これに伴い一方
の切屑排出溝8が他方の切屑排出溝9よりも深く形成さ
れているにも拘わらず、工具本体1のウェブ16の厚さ
Eがドリル部2の外径Dに対して0.15×D〜0.3
5×Dと大きく設定されており、これによりドリル部2
における工具本体1の剛性の向上を図ることができる。
従って、本実施形態によれば、特に偏って配置されたチ
ップ12,12によって、たとえ工具本体1に作用する
切削負荷のバランスが損なわれたとしても、穴明け加工
時に工具本体1に振れが生じるのを抑えることができ、
かかる工具本体1の振れによって加工精度が損なわれた
り、切削トルクやスラスト荷重が増大したり、加工時に
大きな工具回転駆動力が必要となったり、あるいは大き
な切削音が発生したりするような事態を未然に防止する
ことが可能となる。
【0013】ここで、本実施形態ではこのように上記ウ
ェブ16の厚さEをドリル部2の外径Dに対して0.1
5×D〜0.35×Dの範囲に設定しているが、このウ
ェブ16の厚さEが0.15×Dを下回るほど小さい
と、従来の穴明け工具と同様に工具本体1の先端部にお
ける剛性が十分に確保されなくなって上述した効果が十
分に奏功されなくなるおそれがある。一方、逆に上記ウ
ェブ16の厚さEがドリル部2の外径Dに対して0.3
5×Dを上回るほど大きいと、相対的に切屑排出溝8,
9の深さが小さくなって、特に先端に外周側のチップ1
2が取り付けられる浅い他方の切屑排出溝9において、
円滑な切屑の排出に支障が生じるおそれがある。なお、
このように工具本体1の先端部における剛性を確実に確
保しつつ、良好な切屑の排出性を維持するには、上記ウ
ェブ16の厚さEは、上記範囲の中でも特に0.20×
D〜0.25×Dの範囲に設定されるのが望ましい。
【0014】また、工具本体1の上記ウェブ16の厚さ
Eは、工具本体1先端部のドリル部2の全長に渡ってそ
の外径Dに対し0.15×D〜0.35×Dの範囲に設
定されるのが望ましいが、本実施形態のようにチップ1
2,12が工具本体1の内周側と外周側とに偏って配置
され、特に内周側のチップ12が、その切刃15を軸線
Oを越えてオーバーセンターとなるように配置されてい
る場合には、これに合わせて上記内周側のチップ12が
配置される一方の切屑排出溝8もより大きく内周側に切
り欠かれることになるため、工具本体1の最先端の切刃
15周辺においてウェブ16の厚さEを確保することは
難しい。従って、このウェブ16の厚さEは、少なくと
もこの切刃15の周辺よりも後端側において上記範囲に
設定されていればよく、具体的に、例えば本実施形態の
ようなスローアウェイ式ドリルの場合には、チップ1
2,12が装着されるチップ取付座10,11の後端位
置よりも後端側において上記範囲に設定されていればよ
い。
【0015】さらに、上記実施形態では、本発明を2枚
刃のスローアウェイ式ドリルに適用した場合について説
明したが、本発明がこのようなもののみに限定されるこ
とはなく、例えば工具本体先端部における切屑排出溝の
先端に形成された取付座に切刃チップがろう付けされた
ろう付けドリルや、あるいは工具本体先端部の切屑排出
溝の先端に直接切刃が形成されたソリッドドリルなど、
複数条の切屑排出溝を有してウェブが形成される穴明け
工具であれば、他の種のドリルにも適用することが可能
である。しかし、これらのドリルでは一般に切刃が工具
本体の軸線に対して対称に設けられていて、穴明け加工
時の切削負荷のバランスが保たれている場合が多く、従
って元々ウェブの厚さを小さくしても工具本体に振れが
生じにくいことから、本発明は、このようなバランスを
維持し難い上述のような2枚刃のスローアウェイ式ドリ
ルに用いて特に好適であるということができる。
【0016】一方、上記実施形態では、切屑排出溝8,
9が壁面8A,9Aおよび壁面8B,9Bと凹曲面8
C,9Cとにより構成され、また凹曲面8C,9Cには
凹溝14…が形成されており、工具本体1の断面が概略
「H」字型を呈することによってその剛性の一層の向上
が図られるとともに、凹溝14…により切屑の滑らかな
擦過が促されて良好な切屑排出性をさらに確実に確保で
きるという効果も奏しているが、本発明がこのような切
屑排出溝8,9を備えたもののみに限定されるというこ
ともない。例えば、図3および図4に示す本発明の他の
実施形態のように、切屑排出溝18,19の溝底面を構
成する壁面18A,19Aおよび壁面18B,19Bと
凹曲面18C,19Cのうち、凹曲面18C,19Cと
工具回転方向Tの後方側を向く壁面18B,19Bとが
滑らかに連なるとともに、凹曲面18C,19Cには凹
溝が形成されないような構成であってもよい。ただし、
この図3および図4に示した実施形態において、上記図
1および図2に示した実施形態と共通する要素には同一
の符号を配して説明を省略してある。
【0017】しかるに、このような他の実施形態の穴明
け工具においても、切屑排出溝18,19の間に形成さ
れるウェブ16の厚さEを、工具本体1の先端部のドリ
ル部2の外径Dに対して0.15×D〜0.35×D、
望ましくは0.20×D〜0.25×Dの範囲に設定す
ることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることが
できる。また、この他の実施形態では、切屑排出溝1
8,19の壁面18B,19Bと凹曲面18C,19C
とが滑らかに連なるとともに、凹曲面18C,19Cに
凹溝が形成されておらず、このためウェブ16の厚さE
が同じでも切屑排出溝18,19の溝底面が切り欠かれ
る部分をより小さくできるので、工具本体1の先端部に
おける剛性の一層の向上を図ることができるという利点
も得ることができる。
【0018】なお、上記の各実施形態の穴明け工具は、
いずれもチップ12,12が工具本体1の内周側と外周
側とに偏って配置された2枚刃のスローアウェイ式ドリ
ルに本発明を適用したものであり、このため工具本体1
のウェブ16の厚さEは、ドリル部2の全長に渡って図
2および図4に示すように、軸線Oから一方の切屑排出
溝8,18の溝底面(凹曲面8C,18C)までの厚さ
が、軸線Oから他方の切屑排出溝9,19の溝底面(凹
曲面9C,19C)までの厚さよりも小さくされている
が、これを、例えば軸線Oから一方の切屑排出溝8,1
8の溝底面までの厚さを工具本体1の先端から後端側に
向かうに従い漸次大きくするなどして、チップ取付座1
0,11の後端位置よりも後端側においては軸線Oから
両切屑排出溝8,9,18,19の溝底面までの厚さが
等しくなるようにしてもよい。しかるに、そのように構
成された穴明け工具では、ドリル部2の後端側において
工具本体1の重心が軸線Oに一致するため、穴明け加工
時の工具本体1の振れをより一層確実に抑えることが可
能となる。
【0019】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明の効果について
実証する。本実施例では、まずドリル部2の外径Dに対
するウェブ16の厚さEの比E/Dを0.18とした図
1および図2に示す実施形態のドリルと、同じくドリル
部2の外径Dに対するウェブ16の厚さEの比E/Dを
0.20、0.24、および0.27とした図3および
図4に示す実施形態のドリルとにより穴明け加工を行
い、その際の切削音、切削トルク、スラスト荷重、およ
び工具の回転駆動力について測定した。これらを実施例
1〜4として表1に示す。また、上記図3および図4に
示した実施形態のドリルと略同様の構成を有し、ウェブ
の厚さEがドリル部外径Dに対して0.15×Dを下回
るように上記比E/Dを0.13としたドリルと、ウェ
ブの厚さEがドリル部外径Dに対して0.35×Dを上
回るように上記比E/Dを0.40としたドリルとによ
り穴明け加工を行い、同じく切削音、切削トルク、スラ
スト荷重、および回転駆動力について測定した。これら
を比較例1、2として表1に示す。ただし、これら実施
例1〜4および比較例1、2におけるドリルは、いずれ
も切刃の外径(外周側のチップ12の切刃15の外周端
の軸線O回りの回転直径)が25mmのものであって、切
刃の外径に対するドリル部の突き出し長さの比は3、ま
たチップは超硬合金母材にダイヤモンドコーティングを
施したものを用いた。さらに被削材はSCM440であ
り、加工条件は切削速度150m/min、送り0.12mm/
revとした。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果より、まず工具本体のウェブの
厚さEが工具本体先端部のドリル部の外径Dに対して
0.15×Dを下回る比較例1のドリルでは、穴明け加
工中に工具本体に激しい振れが発生し、これにより大き
な切削音が生じるとともに切削トルクやスラスト荷重が
増大し、また大きな回転駆動力を要する結果となった。
一方、逆にウェブの厚さEがドリル部外径Dに対して
0.35×Dを上回る比較例2のドリルでは工具本体の
振れ自体は十分に抑えられて大きな切削音の発生は認め
られなかったが、加工中に切屑排出溝に切屑詰まりが生
じ、これにより切削トルクおよびスラスト荷重が増大す
るとともに、回転駆動力の増大をも招く結果となった。
しかるに、これら比較例1、2に対して実施例1〜4の
ドリルでは、切屑の良好な排出を維持しつつも加工中の
工具本体の振れを十分に抑えることができ、これにより
切削音が低いレベルで抑えられるとともに、切削トルク
やスラスト荷重および回転駆動力の増大も効果的に抑え
ることが可能であった。また、この効果は、特にウェブ
の厚さEをドリル部外径Dに対して0.20×D〜0.
25×Dの範囲とした実施例2、3のドリルで顕著であ
った。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
切屑排出溝に十分な容量を確保しつつも、工具本体先端
部における剛性の向上を図ることができ、これにより穴
明け加工時の工具本体の振れを抑えて、大きな切削音の
発生や切削トルク、スラスト荷重、および工具回転駆動
力の増大を防ぎ、円滑かつ安定した高精度の穴明け加工
を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1におけるXX断面図である。
【図3】 本発明の他の実施形態を示す側面図である。
【図4】 図3におけるYY断面図である。
【符号の説明】
1 ドリル本体 2 ドリル部 8,9,18,19 切屑排出溝 8C,18C,9C,19C 切屑排出溝8,9,1
8,19の凹曲面(溝底面) 10,11 チップ取付座 12 スローアウェイチップ 15 切刃 16 ウェブ O 工具本体1の軸線 D ドリル部2の外径 E ウェブ16の厚さ T 工具回転方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円柱状の工具本体先端部の外周に、こ
    の工具本体の先端から後端側に向けて延びる複数条の切
    屑排出溝が形成され、これらの切屑排出溝のそれぞれ先
    端に切刃が設けられてなる穴明け工具であって、少なく
    とも上記切刃の周辺よりも後端側の部分においては、上
    記切屑排出溝の溝底面の間に形成される上記工具本体の
    ウェブの厚さが、上記工具本体先端部の外径Dに対して
    0.15×D〜0.35×Dの範囲に設定されているこ
    とを特徴とする穴明け工具。
  2. 【請求項2】 上記ウェブの厚さが、上記工具本体先端
    部の外径Dに対して0.20×D〜0.25×Dの範囲
    に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の穴
    明け工具。
  3. 【請求項3】 上記工具本体の外周には一対の切屑排出
    溝が形成され、これらの切屑排出溝のそれぞれ先端に
    は、上記切刃が形成されたスローアウェイチップが着脱
    自在に装着されており、これらのスローアウェイチップ
    のうち、一方の切屑排出溝の先端に装着されるスローア
    ウェイチップは、他方の切屑排出溝の先端に装着される
    スローアウェイチップに対して上記工具本体の内周側に
    配置されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の穴明け工具。
JP4442597A 1997-02-27 1997-02-27 穴明け工具 Pending JPH10235508A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120063858A1 (en) * 2009-05-29 2012-03-15 Tungaloy Corporation Indexable Drill and Drill Body

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