JPH10234902A - ゴルフクラブヘッドとこれに取り付くウエイト部材の取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はゴルフクラブヘッドとこれに取り付
くウエイト部材の取付方法に関し、打球時の衝撃による
ウエイト部材の脱落防止を図ったゴルフクラブヘッド
と、当該ウエイト部材の取付けを容易にしたウエイト部
材の取付方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 請求項１に係る発明は、ゴルフクラブヘ
ッドの金属製のヘッド本体又はソールプレートにウエイ
ト止着孔を形成し、当該ウエイト止着孔に、ヘッド本体
又はソールプレートより柔らかな材料からなる止着部材
を介してウエイト部材を螺着したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブヘッ
ドと、当該ゴルフクラブヘッドのウエイトバランスを調
整するウエイト部材の取付方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ウッドと称されるゴルフクラブヘ
ッドは、品質の安定性，材料供給の容易性等の観点か
ら、柿や桜等の天然木材に代え、ヘッド本体をアルミニ
ウム合金，ステンレス等の金属材料や繊維強化樹脂で成
形して、その底部に取り付くソールプレートをチタンや
チタン合金等で成形したり、これらの金属材料でヘッド
本体全体を中空に一体成形したもの等が広く知られてい
る。

【０００３】そして、従来、この種の多くのゴルフクラ
ブヘッドは、ヘッドのウエイトバランスを調整するウエ
イト部材（錘）が金属製のヘッド本体やソールプレート
に取り付けられている。図７及び図８は実公平４−４５
７４１号公報に開示されたゴルフクラブヘッドを示し、
このゴルフクラブヘッド１は、ヘッド本体３の底部に取
り付く金属製のソールプレート５に中空筒状のウエイト
支持ボルト７をナット９を介して固着し、そして、当該
ウエイト支持ボルト７の内周に設けた螺子溝１１にウエ
イト部材１３を着脱自在に螺着して、ゴルフクラブヘッ
ド１のウエイトバランスの調整を図ったものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、図７及び図
８に示す従来例にあっては、長期に亘る打球時の衝撃で
ウエイト支持ボルト７とナット９が緩んでウエイト支持
ボルト７がソールプレート５から脱落してしまう欠点が
指摘されている。又、図示しないが、従来、金属製のヘ
ッド本体やソールプレートにウエイト取付孔を設けて、
これにウエイト部材を直接螺着する等の方法も知られて
いるが、品質の安定性，材料供給の容易性に加え、ゴル
フクラブヘッドの強度を上げる目的で、上述したステン
レスやチタン，チタン合金等の硬質な金属材料がヘッド
本体やソールプレートに使用されているため、ウエイト
取付孔内周の螺子切りが非常に難しいのが実情であっ
た。

【０００５】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、打球時の衝撃によるウエイト部材の脱落防止を図っ
たゴルフクラブヘッドと、当該ウエイトの取付けを容易
にしたウエイト部材の取付方法を提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項１に係るゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラ
ブヘッドの金属製のヘッド本体又はソールプレートにウ
エイト止着孔を形成し、当該ウエイト止着孔に、ヘッド
本体又はソールプレートより柔らかな材料からなる止着
部材を介してウエイト部材を螺着したことを特徴とし、
請求項２に係る発明は、請求項１記載のゴルフクラブヘ
ッドに於て、止着部材に螺子孔を形成し、そして、ウエ
イト部材を当該螺子孔に着脱自在に螺子溝が外周に螺刻
された合成樹脂製のウエイト収納体と、当該ウエイト収
納体内に収納された金属製の錘とで構成したものであ
る。

【０００７】又、請求項３に係るウエイト部材の取付方
法は、ゴルフクラブヘッドを構成する金属製のヘッド本
体又はソールプレートの成形時に、当該ヘッド本体又は
ソールプレートにウエイト止着孔を形成し、当該ウエイ
ト止着孔をヘッド本体又はソールプレートより柔らかな
材料からなる止着部材で閉塞した後、当該止着部材に螺
子孔を設けてこの螺子孔にウエイト部材を螺着すること
を特徴とする。

【０００８】（作用）請求項１及び請求項２に係る発明
によれば、スイング時にウエイト部材がゴルフクラブヘ
ッドのウエイトバランスを調節するが、止着部材がヘッ
ド本体又はソールプレートより柔らかな材料で成形され
ているため、当該止着部材がウエイト止着孔に隙間なく
密着して打球時の衝撃による脱落が防止され、又、請求
項２に係る発明では、更にウエイト部材のウエイト収納
体が合成樹脂で成形されているため、当該ウエイト収納
体に止着部材が食い込んで打球時の衝撃によるウエイト
部材の脱落が防止されることとなる。

【０００９】そして、請求項３に係る発明では、ヘッド
本体やソールプレートの成形時にウエイト止着孔を形成
し、当該ウエイト止着孔をヘッド本体又はソールプレー
トより柔らかな材料からなる止着部材で閉塞した後、止
着部材に螺子切りを施してこれにウエイト部材を螺着す
ることで、ウエイト止着孔がヘッド本体やソールプレー
トに容易に取り付くこととなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図１は請求項１及び請求項２に
係るウッドのゴルフクラブヘッドの一実施形態を示し、
図中、１５はチタン合金で成形された中空な外殻体から
なるヘッド本体、１７は当該ヘッド本体１５の底部に取
り付くソールプレート、１９は発泡合成樹脂製の充填材
で、従来と同様、ヘッド本体１５のヒール側にシャフト
（図示せず）を挿着するホーゼル部２１が一体的に成形
されている。

【００１１】而して、上記ソールプレート１７はヘッド
本体１５と同じチタン合金で成形され、そして、当該ソ
ールプレート１７には、図２に示すようにウエイト止着
孔２３を有する筒状部２５がヘッド本体１５のバック部
１５ａ側に一体成形されており、当該ウエイト止着孔２
３内に止着部材２７が取り付けられている。止着部材２
７は、真鍮や銅合金といったソールプレート１７よりも
柔らかな金属材料で成形されており、その下端側に設け
たフランジ部２９が、ウエイト止着孔２３の開口部周縁
に設けた段部３１に嵌合してソールプレート１７の底面
と面一に取り付けられている。そして、止着部材２７の
中央には、上下方向に螺子孔３３が形成されており、当
該螺子孔３３にウエイト部材３５が着脱自在に螺着され
ている。

【００１２】ウエイト部材３５は、断面略コ字状に成形
された合成樹脂製のウエイト収納体３７と、当該ウエイ
ト収納体３７の凹状の収納部３９に収納された鉛製のウ
エイト４１とで構成されている。そして、ウエイト収納
体３７の外周には、上記螺子孔３３に螺着可能に螺子溝
４３が螺刻されており、このウエイト部材３５をソール
プレート１７に取り付けることで、ゴルフクラブヘッド
４５のウエイトバランスの調整が図られている。

【００１３】本実施形態に係るゴルフクラブヘッド４５
はこのように構成されており、上記ウエイト部材３５の
取付けは、請求項３に係る発明方法の一実施形態によっ
て以下の如く実施される。従来と同様、上記ゴルフクラ
ブヘッド４５も、ヘッド本体１５とソールプレート１７
を夫々別個に成形した後、ソールプレート１７をヘッド
本体１５の底部に溶接して、ホーゼル部２１のシャフト
挿着孔（図示せず）から充填材１９を内部に充填して製
造されるが、ソールプレート１７の鋳造又は打ち抜きや
プレス成形時に上記筒状部２５をこれと一体的に成形す
る。

【００１４】そして、ソールプレート１７の成形後、図
３に示すように筒状部２５のウエイト止着孔２３内に、
真鍮や銅合金等の金属材料からなる中実な止着部材２７
の筒部２７ａを圧入し乍ら、フランジ部２９をウエイト
止着孔２３の段部３１に嵌合させて止着部材２７をソー
ルプレート１７の底面と面一に取り付け、ウエイト止着
孔２３を止着部材２７で閉塞する。この時、ウエイト止
着孔２３や止着部材２７を粗面に形成しておいたり、ウ
エイト止着孔２３の内周面に蟻溝を設けて止着部材２７
の圧入時に蟻溝に係合するように変形させると、より確
実に止着される。

【００１５】次いで、図４に示すように従来周知の方法
で螺子切りを行って止着部材２７の中央に螺子孔３３を
上下方向に形成し、そして、これにウエイト部材３５を
螺着することで、ウエイト部材３５がソールプレート１
７に取り付くこととなる。この後、ソールプレート１７
をヘッド本体１５の底部に溶接し、ホーゼル部２１のシ
ャフト挿着孔から充填材１９を内部に充填してゴルフク
ラブヘッド４５が製造されることとなる。

【００１６】本実施形態に係るゴルフクラブヘッド４５
はこのように構成されているから、当該ゴルフクラブヘ
ッド４５を装着したゴルフクラブをスイングすると、従
来と同様、ウエイト部材３５がゴルフクラブヘッド４５
の重心を下げてウエイトバランスを調節する。そして、
止着部材２７をソールプレート１７よりも柔らかな金属
材料で成形してこれをウエイト止着孔２３内に圧入した
から、止着部材２７が当該ウエイト止着孔２３内に隙間
なく密着して打球時の衝撃による脱落を防止し、又、ウ
エイト部材３５のウエイト収納体３７が合成樹脂で成形
されているため、当該ウエイト収納体３７に止着部材２
７側が食い込んで打球時の衝撃によるウエイト部材３５
の脱落が防止されることとなる。

【００１７】従って、本実施形態に係るゴルフクラブヘ
ッド４５によれば、打球時の衝撃によるウエイト部材３
５の脱落が確実に防止できることとなった。そして、上
述したように請求項３の一実施形態に係るウエイト部材
３５の取付方法は、ソールプレート１７のウエイト止着
孔２３に圧入した柔らかな止着部材２７に螺子切りを行
ってウエイト部材３５を螺着するようにしたので、従来
の如くウエイト部材３５の取付けに当たってソールプレ
ート１７に螺子切りを施す必要がなくなり、この結果、
従来に比しウエイト部材３５を螺着する螺子孔３３の螺
子切りがきわめて容易となって取付作業性が飛躍的に向
上することとなった。

【００１８】尚、上記実施形態では、真鍮や銅合金で中
実に成形した止着部材２７に螺子切りを行ったが、図５
に示すように予め止着部材２７-1に螺子孔成形用の案内
孔４７を設けておいてもよいし、図６の如くソールプレ
ート１７-1の成形時にウエイト止着孔２３-1を有する筒
状部２５-1を溶接，接着，圧入等で後付けして、ソール
プレート１７-1にウエイト止着孔２３-1を設けてもよ
い。

【００１９】又、上記実施形態では、ヘッド本体１５と
ソールプレート１７をチタン合金で成形したが、これら
の金属材料に限定されるものでないことは勿論、本発明
は金属製のゴルフクラブヘッドにのみ適用されるもので
はなく、ヘッド本体を樹脂で成形して、その底部に金属
製のソールプレートを装着したゴルフクラブヘッドにも
適用でき、この場合もソールプレートの成形時に上述の
如き筒状部２５を設けて、ヘッド本体との組付け前にこ
のウエイト止着孔２３に上記止着部材２７を圧入して螺
子切りを行えばよいし、更に又、図示しないがウエイト
部材全体を鉛からなるウエイトとして、その外周に上記
螺子孔３３に螺着可能な螺子溝を設けてもよい。

【００２０】更に、上記実施形態では、止着部材２７を
真鍮や銅合金等の金属材料で成形してこれをウエイト止
着孔２３に圧入したが、その他の方法として、例えば鉄
や鉛等の高比重の金属粉末を含有した硬化前の樹脂を上
記ウエイト止着孔２３に充填，閉塞し、これを硬化させ
てウエイト止着孔２３に止着部材を成形した後、当該止
着部材を螺子切りしてウエイト部材３５の螺着用の螺子
孔を設けてもよく、斯かる実施形態によっても、従来に
比しウエイト部材３５を螺着する螺子孔の螺子切りが容
易となって作業性が向上する。

【００２１】加えて、上記実施形態は本発明をウッドの
ゴルフクラブヘッドに適用したが、本発明はアイアンや
パターのゴルフクラブヘッドにも適用でき、例えば軟鉄
製のヘッド本体の成形時にウエイト止着孔をソール部又
はバック部等に形成して、このウエイト止着孔に真鍮か
らなる止着部材を圧入した後、止着部材を螺子切りして
螺子孔を設け、この螺子孔にウエイト部材を螺着すれば
よい。

【００２２】而して、このアイアンのゴルフクラブヘッ
ドによっても、ウエイト部材をヘッド本体に取り付ける
に当たり、硬い軟鉄製のヘッド本体を螺子切りする必要
がないため、従来に比し作業性が向上する。

【００２３】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１に係るゴル
フクラブヘッドによれば、止着部材がヘッド本体やソー
ルプレートより柔らかな材料で成形されているため、当
該止着部材がウエイト止着孔に隙間なく密着して打球時
の衝撃によるウエイト部材の脱落を防止することがで
き、又、請求項２に係る発明では、更にウエイト部材の
ウエイト収納体が合成樹脂で成形されているため、当該
ウエイト収納体に止着部材が食い込み、この結果、打球
時の衝撃によるウエイト部材の脱落をより確実に防止す
ることが可能となった。

【００２４】そして、請求項３に係る発明方法では、、
従来に比しウエイト部材を螺着する螺子孔の螺子切りが
容易となって、ウエイト部材の取付作業性が向上するこ
ととなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１及び請求項２の一実施形態に係るウッ
ドのゴルフクラブヘッドの断面図である。

【図２】図１に示すゴルフクラブヘッドの要部拡大断面
図である。

【図３】請求項３の一実施形態に係る製造方法の工程を
説明する説明図である。

【図４】請求項３の一実施形態に係る製造方法の工程を
説明する説明図である。

【図５】請求項３の他の実施形態に係る製造方法の工程
を説明する説明図である。

【図６】請求項３の更に他の実施形態に係る製造方法の
工程を説明する説明図である。

【図７】従来のゴルフクラブヘッドの断面図である。

【図８】図７に示すゴルフクラブヘッドの要部拡大断面
図である。

【符号の説明】

１５ ヘッド本体 １７，１７-1 ソールプレート ２３,２３-1 ウエイト止着孔 ２５，２５-1 筒状部 ２７，２７-1 止着部材 ３３ 螺子孔 ３５ ウエイト部材 ３７ ウエイト収納体 ４１ ウエイト ４３ 螺子溝 ４５ ゴルフクラブヘッド

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴルフクラブヘッドの金属製のヘッド本
   体又はソールプレートにウエイト止着孔を形成し、当該
   ウエイト止着孔に、ヘッド本体又はソールプレートより
   柔らかな材料からなる止着部材を介してウエイト部材を
   螺着したことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
2. 【請求項２】 止着部材には螺子孔が形成され、ウエイ
   ト部材は当該螺子孔に着脱自在に螺子溝が外周に螺刻さ
   れた合成樹脂製のウエイト収納体と、当該ウエイト収納
   体内に収納された金属製の錘からなることを特徴とする
   請求項１記載のゴルフクラブヘッド。
3. 【請求項３】 ゴルフクラブヘッドを構成する金属製の
   ヘッド本体又はソールプレートの成形時に、当該ヘッド
   本体又はソールプレートにウエイト止着孔を形成し、当
   該ウエイト止着孔をヘッド本体又はソールプレートより
   柔らかな材料からなる止着部材で閉塞した後、当該止着
   部材に螺子孔を設けてこの螺子孔にウエイト部材を螺着
   することを特徴とするウエイト部材の取付方法。