JPH10232224A - 過酸化物計測装置 - Google Patents

過酸化物計測装置

Info

Publication number
JPH10232224A
JPH10232224A JP3506497A JP3506497A JPH10232224A JP H10232224 A JPH10232224 A JP H10232224A JP 3506497 A JP3506497 A JP 3506497A JP 3506497 A JP3506497 A JP 3506497A JP H10232224 A JPH10232224 A JP H10232224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peroxide
luminescence
fluorescent substance
amount
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3506497A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiko Hoshino
文彦 星野
Osamu Asami
修 浅見
Yukio Yamada
幸生 山田
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP3506497A priority Critical patent/JPH10232224A/ja
Publication of JPH10232224A publication Critical patent/JPH10232224A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】NOX、CO2、HC等の発光反応干渉因子の存
在する試料液中の過酸化物を高感度で検出定量する装置
とすること。 【解決手段】干渉因子が混在する試料溶液中の過酸化物
を定量するための装置であって、試料液に蛍光物質とシ
ュウ酸誘導体とを添加して発光させる発光反応部と、該
発光反応部で発光した試料液の発光量を計測する検出部
とを備えた過酸化物計測装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、過酸化物計測装置
に関し、さらに詳しくは、例えばエンジンオイル消費量
計測のための指標物質としてSO2ガスが化学的当量に
相当する過酸化水素等の過酸化物に変換された過酸化物
を計測定量する過酸化物計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンオイルの消費量は、運転
前後のエンジンオイルの重量差を測定する重量法、同様
にエンジンオイルの容量を計測する容量法、エンジンオ
イル中にラジオアイソトープした成分を加え排気ガス中
の放射能を計測するラジオアイソトープ法などがある。
しかし、これらの方法は、一長一短があり、例えば重量
法、容量法は感度不足であり、ラジオアイソトープ法は
施設面での制約という問題点がある。
【0003】またエンジンオイル中に含まれる硫黄成分
がエンジンオイルの消費に伴って燃焼して、排気ガス中
にSO2として排出されるのを、FPDもしくはNDI
Rで検出するS−トレース法などが知られている。例え
ば、S−トレース法のうち、炎光光度分析法を用いた装
置の例として、特開昭63−198852号公報にそれ
を適用したエンジンオイル消費量の計測装置が開示され
ている。この装置ではエンジン排気管よりサンプリング
した排気ガスは、炎光光度検出装置直前までは加熱導管
により所定温度に保持することができ、排気ガス中の硫
黄成分が配管内壁に吸着されるのを防止した状態で、炎
光光度検出器前段に設けた燃焼炉により酸素ガスを供給
しながら排気ガス中の硫黄成分を酸化してSO2を生成
し、このSO2成分を炎光光度検出器により検出する。
そして検出されたSO2成分値よりエンジンオイルの消
費量を計測するものである。
【0004】このS−トレース法は連続分析も可能な上
に汎用性もある優れた方法であるが、今後エンジン改良
に伴うエンジンオイル消費量の低減化に対しては、感度
面で不足が生じると考えられる。一方,SO2 -イオンを
選択的に酸化する作用を持つ鶏肝臓由来の亜硫酸酸化酵
素を固定化してバイオリアクターとし、SO3 -イオンの
酸化によって生じる過酸化水素をイソルミノールとペル
オキシダーゼ共存下で反応させ、イソルミノールの酸化
分解に伴う化学発光量によりSO2を検出する方法があ
る。この過酸化水素をイソルミノールとペルオキシダー
ゼ共存下で発光反応させて検出する方法は、SO3 2-
オンとしてppbオーダーの検出が可能である上に、フ
ローインジェクション分析法との組み合わせによって連
続分析も可能である。そこで、上記のS−トレース法と
共通原理に基づき、生じたSO2を水溶液に溶解させ,
SO3 2-イオンとした後に、フローインジェクション分
析と亜硫酸酸化酵素のバイオリアクタおよび化学発光の
組み合わせにより,SO3 2-イオンを定量する方法が発
明された。この方法によれば、標準SO2ガスをppb
オーダーで連続分析することが可能となった。
【0005】しかしながら、前記のSO3 2-イオンを選
択的に酸化する作用をもつ鶏肝臓由来の亜硫酸酸化酵素
を固定化したバイオリアクターとし,SO3 2-イオンの
酸化によって生じる過酸化水素をイソルミノールとペル
オキシダーゼ共存化で反応させて、イソルミノールの酸
化分解に伴う化学発光量を検出する方法においては、エ
ンジン排気ガス中に含まれる炭酸ガス、窒素酸化物、炭
化水素等の有機物に影響を受けて安定した測定結果を得
ることができない。
【0006】上記の不具合を除去するために、本出願人
は先に特開平8−28238号公報で、SO3 2-の安定
化液、炭酸ガスの排除装置、有機物除去装置を設けてS
3 2-の酸化で生成する過酸化物を精度よく測定する方
法を提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−28238号公報の装置では、SO3 2-の安定化
液、炭酸ガスの排除装置、有機物除去装置を設けSO3
2-の安定化液、炭酸ガスの排除装置、有機物除去装置を
設けるため操作が煩雑になるという不具合があり感度も
必ずしも十分なものではない。本発明は、上記の点に鑑
みNOX、COX、HC等の干渉因子が存在する過酸化物
の試料溶液を、前処理などによる除去を必要せず試料液
そのままで高感度に過酸化物を精度よく、しかも簡易に
検出定量できる計測装置とすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の過酸化物計測装
置は、干渉因子が混在する試料溶液中の過酸化物を定量
するための装置であって、試料液に蛍光物質とシュウ酸
誘導体とを添加して発光反応させる発光反応部と、該発
光反応部で発光した試料液の発光量を計測する検出部と
を備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施態様】本発明の過酸化物検出装置は、干渉
因子を含む被測定用の過酸化物を含む試料液に、蛍光物
質とシュウ酸誘導体とからなる発光反応試薬を添加して
発光反応させる発光反応部と、該発光反応部で発光した
試料液の発光量を計測する検出部とで構成されている。
なお、発光反応部と検出部とは、発光反応と同時に検出
定量を行うのが好ましく同一領域内としても良い。本発
明の計測装置では、従来のように測定時に干渉作用をす
る物質の排除をおこなう部分を試料液および発光反応部
の前に特に設けることを必要としない。したがって,装
置がその分簡略化でき操作が簡略化できるという特徴を
有する。
【0010】発光反応部では図1に示す反応工程に基づ
いた反応が進行する。すなわち、検出定量される試料液
中に含まれる過酸化物(例えば過酸化水素)は、発光反
応試薬として添加されるシュウ酸誘導体1と反応し、中
間体2を経て1,2−ジオキセタンジオン3を生成し、
これが蛍光物質Fと反応して電荷移動錯体4を形成す
る。この電荷移動錯体4は、ただちに励起状態の蛍光物
質F*と炭酸ガスに分解する。そして励起された蛍光物
質F*は基底状態に戻る際に蛍光物質特有の発光が生じ
る。検出部では蛍光物質の発する発光量を検出定量す
る。この発光量により対応する過酸化物の量が測定でき
る。すなわち、過酸化物がシュウ酸誘導体と当モル量反
応し、かつ形成される電荷移動錯体4が過酸化物の量に
相応した励起状態の蛍光物質Fを形成し、これが基底状
態に戻る際の発光量を検出定量するため高感度の定量が
可能となる。
【0011】従来の一般的に高感度な検出法として使わ
れる化学発光反応の代表例として、ルミノール化学発光
法が知られている。この方法では過酸化物と発光基質で
あるルミノールとの反応の際、金属イオン、金属含有ペ
ルオキダーゼ等が触媒として必須である。この金属イオ
ン、金属含有ペルオキダーゼ等による触媒反応はN
X、COX、HC等が金属イオンに対して特異的に吸着
などにより触媒能を低下させ、結果として発光量が減少
する、そのため過酸化物の計測精度も低下する。したが
って、上記のようにルミノール化学発光系での発光量の
計測では、金属イオンなどに干渉する物質の除去が必要
となる。そのために煩雑な前処理装置を発光反応の前段
に設けることが必要となる。
【0012】一方本発明の発光反応工程では、従来の発
光反応工程のように過酸化物との反応は蛍光物質とシュ
ウ酸誘導体が存在するのみで、発光反応には金属イオ
ン、金属含有ペルオキシダーゼ等の触媒が不要であり、
上記の干渉因子物質に左右されることなく発光反応を進
行させることができるので、高感度の発光量計測が可能
となる。また、前処理として干渉因子物質の除去が不要
となり、操作も簡単におこなうことができる。このため
本過酸化物計測装置では,NOX、COX、HCなどによ
る干渉因子物質に左右されることなく、被計測過酸化物
を高感度でかつ簡易に検出定量することができる。
【0013】本発明で言う干渉因子とは、過酸化物を発
光反応で検出定量する際、発光反応の進行を妨害または
促進し、過酸化物に比例した発光量を変化させる物質で
ある。発光反応に対する干渉因子としては、酸化還元物
質、ラジカル物質等があるが、特に排気ガスの計測の場
合NOX、COX、HC等が代表的なものである。本発明
で言う過酸化物とは、O2 2-を有する酸化物をいい、例え
ば、過酸化水素、過酸化カリウム、テトラリンヒドロペ
ルオキシド、過安息香酸、過酸化ベンゾイル等が挙げら
れる。化学発光反応による過酸化物の検出には、発光反
応における量子収率が高いもの良く、過酸化物の中では
過酸化水素が最も高く、最も好ましい検出定量対象であ
る。
【0014】本発明で言う蛍光物質とは、吸収したエネ
ルギーを光として放出する物質、化学発光反応において
は酸化電位が低く、かつ蛍光量子収率の大きいものほど
良く、ベリレン、ルブレン、ローダミンB、9,10−
ジフェニルアントラセン等を使用するのが好ましい。本
発明で言うシュウ酸誘導体とは、シュウ酸ハロゲン、シ
ュウ酸エステル、オキサミド等の−COCO−結合を持
つ物質が挙げられる。例えば、シュウ酸クロライド、ビ
ス(2,4,6−トリクロロフェニル)オキザレート、
ビス(ペンタクロロフェニル)オキザレート、ビス(ジ
ニトロフェニル)オキザレート、トリフルオロメチルス
ルホニル基をビス(2,4,6−トリクロロフェニル)
オキザミドのアミド基の窒素に導入した化合物等が挙げ
られる。これらのうち過酸化物との反応性が高いものが
良く、すなわち、−COCO−結合の両側の置換基が電
子吸引性が強いほど、−COCO−結合のカルボニル基
の炭素が電子不足状態となり、その結果、過酸化物がこ
の炭素を求核的に攻撃しやすくなることによる。したが
って、例示したシュウ酸エステル類、オキサミド類が特
に好ましい。
【0015】従来、比較的低温で発光を伴う化学反応に
は、例えば、ルミノール誘導体、アクリジン誘導体、シ
ッフ塩基による化学反応、シュウ酸誘導体やジフェノイ
ルペルオキシドに対し蛍光物質が共存した場合に発光す
る化学発光反応、蛍やウミホタルのルシフェリン−ルシ
フェラーゼ反応に代表される生物発光等が可能である。
本発明のように干渉因子を排除しつつ、精度よく簡易に
過酸化物を検出定量するためには、これらのうち、特に
蛍光物質の存在下におけるシュウ酸誘導体の化学発光を
利用することがことが最も好ましい。
【0016】発光量は、発光反応によって生じた光子
(フォトン)数で計測され、波長の長さは限定されな
い。実用上の観点から、赤外線、可視光線、紫外線等を
使用するのがが好ましい。検出する検出部は、蛍光を検
出、定量する装置で、例えば、ビデオカメラ,CCDカ
メラ等の受光部にCCDを持つ装置、発光検出器等の光
電子倍増管(フォトマルチプライヤー)を持つ装置を使
用するのが好ましい。
【0017】過酸化物の定量には、発光法が最も感度が
高く、微量物質の定量に最も好ましく本発明も発光法を
用いる。エンジンオイル消費量を計測する方法の1つに
排気ガス中のSO2量を連続的に測定することによるオ
イル消費量測定がある。さらに、このSO2量を連続的
に測定するため、排ガス中のSO2ガスを連続的に流れ
るトラップ溶液と接触させて溶解させSO3 2-イオンと
する行程と、前記トラップ溶液を亜硫酸酸化酵素からな
るバイオリアクタを通過させることによりSO3 2-イオ
ンをSO4 2-イオンに酸化させると共に過酸化水素を発
生させる行程がある。この過酸化水素量を測定すること
でSO2量を測定するものである。
【0018】この過酸化水素量の測定にあたり、本発明
の手法を用いることで、干渉因子となる排ガス中の窒素
酸化物、炭化水素等の有機物の影響を受けずに高感度で
測定でき、その結果、SO2量およびオイル消費量を精
度よく検出できる。
【0019】
【発明の効果】本発明の計測装置は、過酸化物を蛍光物
質とシュウ酸誘導体と反応させて、電荷移動錯体を介し
て、生じる発光量を計測するため、干渉因子となる物質
の除去などの前処理装置を設けることなく高感度で計測
することができる。したがって、計測装置は簡単となり
計測操作も簡便化することができる。
【0020】
【実施例】以下実施例により具体的に説明する。 (実施例1)本実施例の計測装置の工程を説明する流路
図を図2に示す。前段階として干渉因子の影響を調べる
ため、過酸化物を含む試料水溶液中に各種ガス成分を導
入捕捉するためのガス交換部を設け、試料液に予め干渉
因子を導入した。
【0021】ガス交換部を経た試料液には、増感液と化
学発光溶液を所定量加えて過酸化物の化学発光反応を進
行させると同時に、化学発光検出器で発光反応で生じた
発光量を検出定量した。ガス交換部に過酸化水素を1p
pb含む試料液を送流ポンプで1ml/minの流量で
供給し、以下に示すガス成分を10L/minの流量で
試料液中にモデル試料ガスとして導入した。その後、ガ
ス交換部を通過した試料液に増感液として50μl/L
のトリエタノールアミンを添加したメタノールを送液ポ
ンプで1ml/minの流量で加えた後、酢酸エチル中
に600mg/Lのビス(2、4、6−トリクロロフェ
ニル)オキザレートと50mg/Lのペリレンを含んだ
化学発光溶液を送液ポンプで1ml/minの流量で導
入した。増感液と化学発光溶液が添加された試料液は化
学発光反応が進行し試料液が発する発光を光電子倍増管
を備えた化学発光検出器で検出定量した。
【0022】試料液として1ppb過酸化水素を含む水
溶液を、ガス交換部に導入したモデル試料ガスを窒素ガ
スとした場合は、過酸化水素を干渉なく検出定量できた
(S/N=10(SN比))。試料液として1ppb過
酸化水素を含む水溶液、ガス交換部に導入したモデル試
料ガスをNOとした場合は、NO濃度が500ppm以
下の条件で過酸化水素を干渉なく検出定量できた。
【0023】試料液として1ppb過酸化水素を含む水
溶液、ガス交換部に導入したモデル試料ガスをCO2
した場合は、100%のCO2濃度においても過酸化水
素を干渉なく検出定量できた。なお、炭酸ガスは、本実
施例の発光工程式に示すように発光時に発生するので1
00%存在していても干渉因子とはなっていない。試料
液として1ppb過酸化水素を含む水溶液、ガス交換部
に導入したモデル試料ガスをC36(プロピレン)とし
た場合は、プロピレン濃度が1%以下のC 36で過酸化
水素を干渉なく検出定量できた。
【0024】(実施例2)試料液として1ppb過酸化
水素を導入し、ガス交換部にエンジンの排気管より乾燥
空気を加え5倍希釈した排ガスを導入した場合、運転条
件の全般において排気ガスの干渉を受けることなく過酸
化水素を検出定量できた。さらに、運転条件によっては
希釈無しの排ガスにおいても排気ガスの干渉を受けるこ
となく検出定量できた。したがって、本発明の過酸化物
計測装置によれば、従来干渉因子とされている内燃機関
より排出される排気ガスに晒されている場合においても
過酸化物が高感度で検出定量することができる。実施例
1および2の結果を表1にまとめて示した。
【0025】
【表1】 注+:干渉あり、−:干渉なし なお、表中の数値は、干渉ありならば各モデル試料ガス
が干渉を生じる各モデル試料ガスの最低濃度であり、干
渉無しならば各モデル試料ガスが干渉を生じない各モデ
ル試料ガスの最高濃度を示す。
【0026】(比較例1)従来法の計測装置の工程を説
明する一例を示した工程流路を図3に示す。図3の工程
流路は実施例の図2と同様であるが、増感液の注入は行
わず化学発光溶液のみを実施例と同様の流量で送液ポン
プ添加した。添加した化学発光溶液は、イソルミノール
(17.7mg/L)およびミクロペルオキシダーゼ
(19mg/L)を含んだ溶液である。化学発光溶液を
添加後に発生した発光量は、実施例と同様に光電子倍増
管を備えた化学発光検出器にて検出定量した。
【0027】試料液として1ppbの過酸化水素を含む
水溶液、ガス交換部にモデル試料ガスとして不活性の窒
素ガスを導入した場合は、干渉なく過酸化水素を検出定
量できた。しかし,SN比は8で実施例1よりノイズが
多いことを示している。試料液として1ppbの過酸化
水素を含む水溶液、ガス交換部に導入したモデル試料ガ
スをNOとした場合、NO濃度が10ppm以上で負の
干渉を生じた。
【0028】試料液として1ppbの過酸化水素を含む
水溶液、ガス交換部に導入したモデル試料ガスをCO2
とした場合、CO2濃度が1%以上で負の干渉を生じ
た。試料液として1ppbの過酸化水素を含む水溶液、
ガス交換部に導入したモデル試料ガスをプロピレンとし
た場合、プロピレン濃度が10ppm以上で負の干渉を
生じた。
【0029】試料液として1ppbの過酸化水素を含む
水溶液、ガス交換部に導入したモデル試料ガスをエンジ
ンの排気管より乾燥空気を加えて10倍に希釈した排ガ
スを導入した場合、運転条件の全般において負の干渉を
生じた。各干渉ガスに対する結果を表1にまとめて示し
た。表1に示すようにいずれも干渉が起き、検出定量の
感度も低いことを示している。
【0030】(比較例2)比較例1に化学発光溶液を用
い各種の干渉防止対策を設けた一例の工程流路を図4に
示す。比較例1の工程流路に対し、干渉対策として、ガ
ス交換部の直前で、pH調整液のグリシンを用いてpH
4に調整し、さらに安定化剤としてニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド(66mg/L)を添加したpH調
整液を送液ポンプで0.1ml/minの流量で導入し
た。また、ガス交換部下流にはオクタデシル基で修飾さ
れた不溶性ポリマーを充填したガラスカラムを設けHC
除去カラムとして装着して試料液を通過させた。
【0031】試料液として1ppbの過酸化水素を含む
水溶液、ガス交換部に導入したモデル試料ガスを窒素ガ
スとした場合、過酸化水素を干渉なく検出定量できた。
しかし、SN比は3で一番低い。試料液として1ppb
の過酸化水素を含む水溶液、ガス交換部に導入したモデ
ル試料ガスを酸化窒素ガスNOとした場合、NO濃度が
200ppm以下で過酸化水素を干渉なく検出定量でき
た。実施例の500ppmに比べて最高濃度が200p
pmと半分以下である。
【0032】試料液として1ppbの過酸化水素を含む
水溶液、ガス交換部に導入したモデル試料ガスを二酸化
炭素とした場合、CO2濃度が10%以下で過酸化水素
を干渉なく検出定量できた。実施例の最高濃度が100
%であるのに比べて10%と1割程度の検出感度であ
る。試料液として1ppbの過酸化水素を含む水溶液、
ガス交換部に導入したモデル試料ガスを炭化水素のプロ
ピレンとした場合、プロピレン濃度が500ppm以下
で過酸化水素を干渉なく検出定量できた。実施例の最高
濃度が1%であるのに対して500ppmと検出感度が
低い。
【0033】試料液として1ppbの過酸化水素を含む
水溶液、ガス交換部に導入したモデル試料ガスをエンジ
ンの排気管より乾燥空気を加えて10倍に希釈した排ガ
スを導入した場合、運転条件の全般において過酸化水素
を干渉なく検出定量できた。本実施例では比較例2に示
す従来の干渉因子除去装置を設けた場合よりもさらに干
渉因子の濃度が高くても、干渉因子の影響を排除して高
感度で過酸化物を検出定量することができる。したがっ
て、本発明の計測装置を用いれば簡便で高感度で過酸化
物の検出定量ができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光反応工程を説明する模式反応式
図である。
【図2】 本実施例の試料液の反応工程流路図である。
【図3】 比較例1の試料液の反応工程流路図である。
【図4】 比較例2の試料液の反応工程流路図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅見 修 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山田 幸生 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 田中 俊明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】干渉因子が混在する試料溶液中の過酸化物
    を定量するための装置であって、試料液に蛍光物質とシ
    ュウ酸誘導体とを添加して発光反応させる発光反応部
    と、該発光反応部で発光した試料液の発光量を計測する
    検出部と、を備えた過酸化物検出装置。
JP3506497A 1997-02-19 1997-02-19 過酸化物計測装置 Pending JPH10232224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3506497A JPH10232224A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 過酸化物計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3506497A JPH10232224A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 過酸化物計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10232224A true JPH10232224A (ja) 1998-09-02

Family

ID=12431600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3506497A Pending JPH10232224A (ja) 1997-02-19 1997-02-19 過酸化物計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10232224A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2161419A1 (en) * 2007-06-29 2010-03-10 Honda Motor Co., Ltd. Engine oil degradation estimating device and engine oil oxidation preventive performance estimating device
CN115656132A (zh) * 2022-11-09 2023-01-31 淮阴工学院 一种新型复用光纤活性氧传感器及其检测活性氧浓度的方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2161419A1 (en) * 2007-06-29 2010-03-10 Honda Motor Co., Ltd. Engine oil degradation estimating device and engine oil oxidation preventive performance estimating device
EP2161419A4 (en) * 2007-06-29 2011-07-27 Honda Motor Co Ltd DEVICE FOR ASSESSING MOTOR OIL AGENT AND DEVICE FOR ASSESSING THE PREVENTIVE PERFORMANCE OF ENGINE OIL OXIDATION
US8464576B2 (en) 2007-06-29 2013-06-18 Honda Motor Co., Ltd. Engine oil degradation-estimating device and device for estimating antioxidant performance of engine oil
CN115656132A (zh) * 2022-11-09 2023-01-31 淮阴工学院 一种新型复用光纤活性氧传感器及其检测活性氧浓度的方法
CN115656132B (zh) * 2022-11-09 2023-12-01 淮阴工学院 一种复用光纤活性氧传感器及其检测活性氧浓度的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Auses et al. Chemiluminescent enzyme method for glucose
Hemmila Time-resolved fluorometric determination of terbium in aqueous solution
Paul Recent analytical developments using chemiluminescence in solution
JPS60200167A (ja) 化学発光法による過酸化水素の定量法
Calokerinos et al. Chemiluminescence in drug assay
Nakahara et al. Chemiluminescence for the determination of traces of cobalt (II) by continuous flow and flow injection methods
JP5582745B2 (ja) 化学発光反応の時間計測による被検出物質の濃度を測定する方法およびそれに使用するキット
Navas et al. Air analysis: determination of hydrogen peroxide by chemiluminescence
JPH10232224A (ja) 過酸化物計測装置
Li et al. Flow-injection chemiluminescence determination of formaldehyde with a bromate-rhodamine 6G system
Cao et al. Novel tris (2, 2′-bipyridine) ruthenium (ii) cathodic electrochemiluminescence in aqueous solution at a glassy carbon electrode
US6136233A (en) Hydrogen peroxide based ECL
Zhou et al. Flow injection chemiluminescence determination of amino acids by oxidation with N-bromosuccinimide
Li et al. Flow injection analysis of trace amounts of NADH with inhibited chemiluminescent detection
JP2022171646A (ja) ペルオキシダーゼの化学発光検出・定量・活性測定法
Gooijer et al. On the mechanism of peroxyoxalate chemiluminescence. Quenched chemiluminescence as a detection method in HPLC
JPH10506194A (ja) 含硫黄化合物の検出
Yun-Xiang et al. Study of the mimetic peroxidase-catalysed chemiluminescence reaction
Quaβ et al. Determination of Fe (II) and H2O2 in atmospheric liquid water by peroxyoxalate chemiluminescence
Fan et al. Flow-injection analysis for the determination of total inorganic carbon and total organic carbon in water using the H 2 O 2–luminol–uranine chemiluminescent reaction
JP2000356631A (ja) 全有機体炭素測定方法及び装置
JP3792898B2 (ja) ペルオキシダーゼ活性の測定方法
de MARCOS et al. An enzyme fluorescence quenching method for the determination of lactate in synthetic blood serum
Yang et al. Chemiluminescence of cobalt (II)‐catalysed auto‐oxidation of sulphite and its application to cobalt analysis
JP3792885B2 (ja) ペルオキシダーゼ活性の測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040507