JPH10231877A - 衝撃吸収装置 - Google Patents

衝撃吸収装置

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JPH10231877A
JPH10231877A JP9036787A JP3678797A JPH10231877A JP H10231877 A JPH10231877 A JP H10231877A JP 9036787 A JP9036787 A JP 9036787A JP 3678797 A JP3678797 A JP 3678797A JP H10231877 A JPH10231877 A JP H10231877A
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JP
Japan
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space
opening
contraction
expansion
base
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JP9036787A
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Inventor
Masahiro Sakamoto
正洋 坂本
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NEC Engineering Ltd
Original Assignee
NEC Engineering Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる方向からの衝撃及び振動にも対応可
能で、状況に応じてダンピング特性を制御することが可
能な衝撃吸収装置を提供する。 【解決手段】 粘性流体通路8を介して連結された第1
凹部2A及び第2凹部2Bをベース23に形成する。第
1凹部2A及び第2凹部2Bにはそれぞれ、部材15、
25が嵌合されて第1空間2C及び第2空間2Dが形成
される。第1空間2C及び第2空間2D及び粘性流体通
路8には、粘性流体18が充填される。粘性流体通路8
を介して粘性流体18が流れて第1空間2C及び第2空
間2Dの容積が変化することにより、外部から加えられ
た衝撃を吸収する。この容積変化の方向と直交する方向
の衝撃は、ボールベアリング3によって緩衝される。ま
た、電気信号ユニット55によりダンピング強度調整装
置5を制御して、粘性流体18の流路の断面積を変化さ
せることによって、減衰特性を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体を振動などの
衝撃から保護するための衝撃吸収装置に関し、特に宇宙
ロケット等の航空宇宙装置に積載された人工衛星等の積
載物に加わる振動を減衰するための衝撃吸収装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ロケットに積載される人工衛星や
人工衛星搭載装置等(以下、ハードウェアという)は架
台などにボルトで固定されていた。このため、ハードウ
ェアはロケットの打ち上げ時の振動により非常に大きな
応力を受ける。従って、ハードウェアをその振動に耐え
得るようにするために、ハードウェアは使用部品や構造
上の制約を受けていた。このことが人工衛星などの開発
上の大きな問題となっていた。
【0003】その対策として、粘性流体を利用して耐振
性の低いハードウェアを振動から保護する装置(以下、
粘性クッションという)が、特開平5−263858の
公報に開示されている。
【0004】この粘性クッションは、図6に示すよう
に、ベース23に支持された2つの弾性的に変形可能な
部材58、61と、部材58、61を連結する、ベース
23内に設けられた環状流体通路63とからなる。弾性
的に変形可能な2つの部材58、61の中には粘性流体
18が満たされている。粘性流体18は、環状流体通路
63を通って2つの弾性的に変形可能な部材58、61
の間を移動することができる。この粘性クッションにお
いて、ベース23はロケットの内壁等に固定される。部
材58は衝撃から保護すべきハードウェアに固定され
る。
【0005】ロケットの打ち上げ時など、ベース23に
ベース面と垂直の方向に加速度が生じると、部材58に
力が加わる。これにより、部材58は所定の弾性係数を
もって変形する。例えば、この変形が部材58の内部の
容積が減少する変形である場合は、部材58内にあった
粘性流体18は環状流体通路63を介して部材61内に
流れ込む。部材61も弾性的に変形可能であるため、流
入する粘性流体18により容積が増加する。一方、部材
58に逆向きに力が加わった場合は、部材58の容積が
増加し、部材61の容積が減少する。このように2つの
部材58、61が逆容積関係を保ちながら変形を繰り返
すことにより、ハードウェアは衝撃及び振動から分離さ
れる。
【0006】しかしながら、この粘性クッションには次
のような問題点があった。まず、この粘性クッションに
おいて、ハードウェア(またはその架台)は部材58に
ネジで固定される。このため、この粘性クッションは、
部材58の変形方向(ベース面と平行な方向)の衝撃及
び振動に対して非常に弱い構造となっている。しかしな
がら、ロケットの打ち上げ時などには部材58はあらゆ
る方向から力を受ける。従って、この粘性クッション
は、ロケット打ち上げ時のようなランダムで大きな振動
が加わる場合に、振動を十分に吸収しきれない。
【0007】また、この粘性クッションのダンピング特
性は、部材58、61の寸法と弾性係数、環状流体通路
63の寸法、及び粘性流体18の粘性などのパラメータ
によって一意的に定まっている。このため、運用中にダ
ンピング特性を調整することは不可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消するためになされたものであり、その
第1の目的は、いかなる方向からの衝撃及び振動に対し
ても対応可能な衝撃吸収装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、状況に応じ
てダンピング特性を制御することが可能な衝撃吸収装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明の第1の観点にかかる衝撃吸収装置は、
第1開口部、第2開口部、及びこれらの第1開口部と第
2開口部とを連結する流体通路が設けられ、震動源に固
定されるよう構成されたベースと、一端を閉じて被支持
物体を支持する物体支持面とし、かつ、前記第1開口部
に嵌合され、前記ベースと前記物体支持面とを結ぶ方向
に伸縮可能とした、前記第1開口部とで中空の第1空間
を形成する第1部材と、一端を閉じた面とし、かつ、前
記第2開口部に嵌合され、前記ベースと前記閉じた面と
を結ぶ方向に伸縮可能とした、前記第2開口部とで中空
の第2空間を形成する第2部材と、前記第1空間の伸縮
と共に伸縮し、前記第1空間の伸縮に伴うエネルギーを
蓄積する第1弾性体と、前記第2空間の伸縮と共に伸縮
し、前記第2空間の伸縮に伴うエネルギーを蓄積する第
2弾性体と、前記第1空間、前記第2空間及び前記流体
通路に充填され、前記第1空間と前記第2空間との間を
相互に流通可能な流体と、前記第1部材の前記物体支持
面に設けられた、前記物体支持面と前記被支持物体との
間の、前記第1空間が伸縮する方向と垂直の方向の動的
摩擦を低減する動的摩擦低減手段と、を備え、前記第1
空間と前記第2空間の総容積は、前記第1空間及び前記
第2空間の伸縮に伴って変動しない、ことを特徴とす
る。
【0011】上記衝撃吸収装置において、前記動的摩擦
低減手段は、例えば、前記物体支持面にボールベアリン
グを配置することによって構成することができる。
【0012】上記衝撃吸収装置においては、前記ベース
と前記物体支持面とを結ぶ方向に振動などによって加わ
る力は、前記第1空間及び前記第2空間の伸縮によって
吸収される。一方、前記ベースと前記物体支持面とを結
ぶ方向と垂直の方向に加わる力は、前記動的摩擦低減手
段によって逃がされる。これにより、いかなる方向から
加わる衝撃及び振動に対しても被支持物体に大きな衝撃
を与えることがない。また、衝撃吸収部材自体の破損を
防ぐこともできる。
【0013】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明の第2の観点にかかる衝撃吸収装置は、第1開口
部、第2開口部、及びこれらの第1開口部と第2開口部
とを連結する流体通路が設けられ、震動源に固定される
よう構成されたベースと、一端を閉じて被支持物体を支
持する物体支持面とし、かつ、前記第1開口部に嵌合さ
れ、前記ベースと前記物体支持面とを結ぶ方向に伸縮可
能とした、前記第1開口部とで中空の第1空間を形成す
る第1部材と、一端を閉じた面とし、かつ、前記第2開
口部に嵌合され、前記ベースと前記閉じた面とを結ぶ方
向に伸縮可能とした、前記第2開口部とで中空の第2空
間を形成する第2部材と、前記第1空間の伸縮と共に伸
縮し、前記第1空間の伸縮に伴うエネルギーを蓄積する
第1弾性体と、前記第2空間の伸縮と共に伸縮し、前記
第2空間の伸縮に伴うエネルギーを蓄積する第2弾性体
と、前記第1空間、前記第2空間及び前記流体通路に充
填され、前記第1空間及び前記第2空間との間を相互に
流通可能な流体と、前記流体通路の断面積を変化させる
ことによってダンピング特性を変化させるダンピング強
度調整手段と、を備え、前記第1空間と前記第2空間の
総容積は、前記第1空間及び前記第2空間の伸縮に伴っ
て変動しない、ことを特徴とする。
【0014】上記衝撃吸収装置においては、前記ベース
と前記物体支持面とを結ぶ方向に振動などによって加わ
る力は、前記第1空間及び前記第2空間の伸縮によって
吸収される。このとき、ダンピング強度調整手段によっ
て前記流体通路の断面積を変化させることができるの
で、被支持物体の質量などの条件によって適切なダンピ
ング強度を得ることができる。
【0015】上記衝撃吸収装置は、さらに、前記ベース
に加わる力を検出する検出手段と、この検出手段の検出
結果に基づいて、前記ダンピング強度調整手段を制御す
る制御手段と、を備えるものとすることができる。
【0016】この場合、ダンピング強度をリアルタイム
で最適な状態に保つことができる。
【0017】上記第1の観点にかかる衝撃吸収装置、第
2の観点にかかる衝撃吸収装置のいずれにおいても、前
記第1の弾性体及び前記第2の弾性体は、それぞれその
伸縮の度合いに応じて弾性係数を変化するように構成さ
れている、ものとすることができる。
【0018】これにより、衝撃及び振動を十分に吸収す
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態にかか
る粘性クッションを添付図面を参照して説明する。
【0020】図1にこの実施の形態の粘性クッションの
外観の斜視図を、図2に図1のA−A断面図を示す。説
明の便宜上、図1において、粘性クッション1が振動及
び衝撃を吸収するために変移する方向をZ軸方向とす
る。このZ軸方向において後述する部材15が縮む方向
を正方向とする。また、Z軸方向に垂直な平面をX−Y
平面とする。
【0021】粘性クッション1は金属等の固い材質で作
られたベース23の上に構成されている。ベース23は
ロケット打ち上げ時において激しい振動を受ける部位、
例えばロケット壁等の構造物に取り付けられる。ベース
23には、円筒形にくりぬかれた第1凹部2A及び第2
凹部2Bが設けられている。第1凹部2A及び第2凹部
2Bは、粘性流体通路8によりつながれている。第2凹
部2Bと粘性流体通路8との間には、ダンピング強度調
整装置5が設けられている。また、ベース23には、そ
こに加わる力(振動及び衝撃)を計測するための加速度
センサ(図示せず)が設けられている。
【0022】第1凹部2Aと嵌合するように、人工衛星
等のハードウェアを支持する面を有する硬質材により構
成された円筒形の部材15がある。部材15は内部が空
洞構造となっており、第1空間2Cを形成している。部
材15の一方の底面が閉じられており、ハードウェア支
持面を成している。部材15はZ軸方向へ滑らかに動く
ことができる。これにより、第1空間2CはZ軸方向に
伸縮する。
【0023】図2に示すように、部材15と第1凹部2
Aとで第1空間2Cを形成している。この第1空間2C
内にはバネ21が設けられている。バネ21は縮んでゆ
くに従って弾性係数が増すように、ベース23側へ向か
うにつれてピッチが密になるように巻かれている。
【0024】部材15のハードウェア支持面には、複数
のボールベアリング3が設けられており、部材15は、
このボールベアリング3を介してハードウェアを支持す
る。
【0025】部材15と同様、第2凹部2Bと嵌合する
ように、硬質材により構成された円筒形の部材25があ
る。部材25は内部が空洞構造となっている。そして、
部材25と第2凹部2Bとで第2空間2Dを形成してい
る。また、部材25もZ軸方向に滑らかに動く。これに
より、第2空間2Dは、Z軸方向に伸縮する。第2空間
2D内にはバネ28が設けられている。
【0026】第1空間2C、第2空間2D及び粘性流体
通路8には、オイルなどの粘性流体18が充填されてい
る。この粘性流体18が外へ漏れ出さないように、部材
15と第1凹部2Aおよび部材25と第2凹部2Bとの
間の隙間には、ゴム等により構成されたシール31がそ
れぞれ設けられている。粘性流体18は、粘性流体通路
8を通じて第1凹部2A及び第2凹部2Bとの間を移動
することができる。粘性流体18の移動量は、ダンピン
グ強度調整装置5によって調整され、粘性クッション1
のダンピング強度が調整される。
【0027】ダンピング強度調整装置5は、図3に示す
ように、圧縮側ダンピング通路35と、伸張側ダンピン
グ通路38、を有し、そのそれぞれにバルブ11、1
3、バルブガイド41、43及びバルブスプリング4
5、48を備えている。さらにまた圧縮側ダンピング通
路35及び伸張側ダンピング通路38にはそれぞれ、ダ
ンパー51、53がある。これらダンパー51、53は
いずれも外部から回転力を加えたときネジの出入り、ま
たは写真レンズの絞りに似た絞り機構によって、通路の
開口面積を加減する構造になっている。
【0028】ダンパー51と53は電動モータ(図示せ
ず)の回転によって駆動される。この電動モータは、電
気信号ユニット55に接続されており、電気信号ユニッ
ト55からの指令に従って制御される。なお、電気信号
ユニット55は、前述の加速度センサからの信号に従っ
て電動モータをリアルタイム制御し、ダンピング強度調
整装置5のダンピング特性を調整する。
【0029】次にこの発明の粘性クッションの作用につ
いて説明する。今、部材15の前記ハードウェア支持面
にハードウェア(図示せず)が取り付けられているもの
として、振動源であるベース23にZ軸の正方向に力が
加わる場合を考える。
【0030】ハードウェアは慣性の法則により静止し続
けようとする。そのためバネ21は縮み、それに伴って
部材15はベース23の中に沈み込み、第1空間2Cの
容積が減少する。これに伴って、部材15の中にあった
粘性流体18の一部は流体通路8を通って第2空間2D
に流れ込み、第2空間2Dの容積が増加する。これによ
り、部材25が浮き上がり、バネ28を引き伸ばす。
【0031】上記のようにバネ21が縮んでいる状態
で、ベース23にZ軸の負方向に力が加わると、バネ2
1に加わる正方向の力が減少するために、バネ21は伸
びる。部材15はベース23から浮き上がり(但し、ベ
ース23からは離れない)、第1空間2Cの容積が増大
する。第1空間2Cの容積が増大すると、バネ28に蓄
えられたエネルギーが放出され(伸びていたバネが戻ろ
うとし)、第2空間2Dの容積が減少することによって
粘性流体18は移動する。これにより、部材25は沈み
込み、バネ28を圧縮する。
【0032】部材15と部材25の移動に伴って、ベー
ス23に加わる振動のエネルギーの一部はバネ21、2
8の位置エネルギーと部材15、25の運動エネルギー
として蓄積され、ハードウェアに加わる振動の周波数と
位相を変化させる。そして粘性流体通路8に流れる粘性
流体18の抵抗により残余の振動のエネルギーは消費さ
れ、ひいてはハードウェアの振動の大きさを抑制するこ
とができる。
【0033】次に、粘性クッション1の部材15の主た
る伸縮方向である図示のZ方向に対して直角方向、すな
わち、図示のX方向あるいはY方向に力が加わった場合
を考える。前述のとおり、部材15のハードウェア支持
面にはボールベアリング3が取り付けられており、粘性
クッション1がX方向、Y方向に振動することがあって
もボールベアリング3が回転することによってハードウ
ェアは部材15からX方向成分、Y方向成分の力をほと
んど受けない。
【0034】次に、ダンピング強度調整装置5の作用に
ついて説明する。
【0035】まず、振動によりZ軸の正方向に力が加わ
る場合を考える。Z軸の正方向に力が加わると、バネ2
1が圧縮され、第1空間2Cの容積が減少させられる。
これにより、粘性流体18は、第1空間2Cから押し出
され、圧力が加わる。このとき、振動によって加わった
エネルギーがバネ21に蓄えられる。
【0036】圧縮側ダンピング通路35のバルブ11は
その形状の凸側からの粘性流体18の圧力を受け、バル
ブスプリング45が伸びて通路を開き、粘性流体18は
圧縮側ダンピング通路35、ダンパー51を通って第2
空間2Dに流れ込む。このとき、伸張側ダンピング通路
38のバルブ13は形状が平らな方向からの圧力が加わ
るため、伸張側ダンピング通路38を閉じる。これらの
動作によって振動のエネルギーの一部が消費される。
【0037】そして、Z軸の正方向の力が減少してゆく
と、第2空間2Dに蓄えられたエネルギーが放出される
ため、第2空間2D内の伸びていたバネ28は戻り始め
る。すると、第2空間2Dの中の粘性流体18は第1空
間2Cへ移動を始める。今度は圧縮側ダンピング通路3
5のバルブ11が閉じ、伸張側ダンピング通路38のバ
ルブ13が開く。伸張側ダンピング通路38のバルブ1
3とダンパー53を通った粘性流体18はバネ21に蓄
えられたエネルギーの一部を放出しながら第1空間2C
の中に入って行く。
【0038】この一連の動作の間に、電気信号ユニット
55は、加速度センサから得られた信号に基づいて、電
動モータを制御する。これにより、電気信号ユニット5
5は、ダンパー51、53が開度を変化させてダンピン
グ強度をリアルタイムで変化させていく。なお、このと
き電気信号ユニット55は、内部メモリに記憶されたプ
ログラムに従ってダンピング強度調整装置5のダンピン
グ強度を制御する。
【0039】以上説明したように、この粘性クッション
1は、ボールベアリング3を設けたことによって、部材
15の伸縮方向(Z軸方向)と垂直方向(X−Y平面方
向)に加わる力を受けない。このため、いかなる方向か
ら加わる衝撃及び振動に対しても、被積載物に大きな衝
撃を与えることがない。また、粘性クッション1自体も
無理な力が加わって破損することがない。
【0040】また、加速度センサから得られた信号に基
づいてダンピング強度調整装置5を制御することによっ
て、ダンピング強度を常に最適の状態に制御することが
できる。
【0041】さらに、バネ21弾性係数をその伸縮に従
って変化させる構造としたことによって、衝撃及び振動
を十分に吸収することができる。
【0042】以下、この発明の粘性クッション1を実際
にロケット等に装着してハードウェアを支持する場合の
好ましい態様について説明する。図4は、この発明の粘
性クッション1の実装状態を説明する断面図である。
【0043】この発明の粘性クッション1を用いて振動
・衝撃からハードウェアを保護するためには図4に示す
ような方法で装着することが好ましい。なお、図4では
紙面表向きから裏向き、および裏より表向きの力を支持
する粘性クッション1の図は省略してある。
【0044】図示するように、形状が直方体(6面体)
のハードウェアに対しては少なくとも6個以上の粘性ク
ッション1を使用し、6方向から支持することによっ
て、ハードウェアをあらゆる方向の振動及び衝撃から保
護することが可能となる。また粘性クッション1の使用
個数を変更することによって、ハードウェアの重量など
の種々の条件が変化しても、一種類の粘性クッションで
あらゆる条件に対応することができる。
【0045】また、球体形状のハードウェアに対して
は、粘性クッション1によって少なくとも4方向からハ
ードウェアを支持することによって、ハードウェアをあ
らゆる方向の振動及び衝撃から保護することが可能とな
る。すなわち、ハードウェアの形状に応じて4個以上の
所定数の粘性クッション1を使用することによって3次
元のあらゆる方向からの振動からハードウェアを保護す
ることが可能となる。
【0046】上記の実施の形態では、X−Y平面方向に
おける動的摩擦を低減させるために部材15の上面(ハ
ードウェア支持面)にボールベアリング3を設けてい
た。しかしながら、本発明はこれに限られない。例え
ば、部材15の上面ばかりでなく部材25の上面にもボ
ールベアリングを設けてもよい。この場合、Z軸方向に
加わる力が大きく、部材15と部材25の高さがほぼ同
じになったとしても、X−Y平面方向における動的摩擦
を低減させることができる。また、ボールベアリングの
代わりにX−Y方向における動的摩擦を低減することが
できるあらゆる手段を用いることができる。
【0047】上記の実施の形態では、バネ21を第1凹
部2A及び部材15とで構成される第1空間2C内に、
バネ28を第2凹部2B及び部材25とで構成される第
2空間2D内に設けていた。しかしながら、本発明はこ
れに限られない。例えば、流体が注入される空間の外側
(すなわち、部材にバネを設けたもの)にも本発明を適
用することができる。また、バネの代わりに他の弾性体
を用いることもできる。さらには、特開平5−2638
58の公報に記載の粘性クッションに用いられているベ
ローズのように、部材15、25と弾性体とが一体とな
ったものでも構わない。
【0048】上記の実施の形態では、バネ21は、ベー
ス23側へ向かうにつれてピッチが密になるように巻か
れており、縮んでいくに従って弾性係数が増していた。
しかしながら、バネ21のピッチを必ずしも変化させる
必要はない。また、バネ21だけでなくバネ28の弾性
係数を変化させてもよい。例えば、バネ28は、ベース
23側に向かうにつれてピッチが疎になるように巻かれ
たものとし、縮んでいくに従って弾性係数を減少するも
のとしてもよい。
【0049】上記の実施の形態では、ベース23の第2
凹部2Bと粘性流体通路8との間にダンピング強度調整
装置5を設けていた。しかしながら、本発明はこれに限
られない。例えば、第1凹部2Aと粘性流体通路8Bと
の間にダンピング強度調整装置を設けてもよい。また、
粘性流体通路8の中途にダンピング強度調整装置を設け
てもよい。
【0050】上記の実施の形態では、ダンピング強度調
整装置5は、電気信号ユニット55の制御によってバル
ブ11、13の開度を調整してダンピング係数を調整し
ていた。しかしながら、本発明はこれに限られない。第
1空間2Cと第2空間2Dとを結ぶ粘性流体通路8の開
度を調整できるものであれば、他の構成とすることも可
能である。
【0051】上記の実施の形態では、電気信号ユニット
55は、加速度センサによって得られたZ軸方向に加わ
る力に従ってバルブ11、13の開度を調整してダンピ
ング係数を調整していた。電気信号ユニット55は、さ
らに粘性流体18の温度に従ってバルブ11、13の開
度を調整してもよい。これにより、温度変化によって粘
性流体18の体積及び粘性が変化しても、常に最適な状
態での制御が可能となる。なお、この場合、粘性流体1
8の温度を計る温度センサを設け、この温度センサから
得られた信号も電気信号ユニット55に入力すればよ
い。また、電気信号ユニット55は、この温度も考慮し
たプログラムによって制御する。
【0052】上記の実施の形態では、部材15、25は
同一の方向に可動とするよう構成されていた。しかしな
がら、本発明はこれに限られない。例えば、部材25
は、部材15が動く方向と垂直の方向に動くように構成
してもよい。
【0053】上記の実施の形態では、部材15のハード
ウェア支持面を平面状に形成していた。しかしながら、
本発明はこれに限られない。例えば、図5に示すよう
に、部材15aのハードウェア支持面を曲率の滑らかな
凸面としてもよい。そして、この凸面に沿ってボールベ
アリング3aを配置すればよい。この場合、部材15a
のハードウェア支持面と接触するハードウェアの底面
を、部材15aのハードウェア支持面より大きく、かつ
曲率半径が上記凸面の曲率半径以上となる凹面とすれば
よい。
【0054】このような形状にすることによって、比較
的小さな振幅の振動に対しては、Z軸の正負2方向に粘
性クッション1aを装着するだけで振動からハードウェ
アを保護することが可能となる。これにより、例えば人
工衛星をロケットに搭載する場合などの粘性クッション
1aの実装作業が容易になる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の衝撃吸収
装置では、被支持物体の支持面に動的摩擦低減手段を設
けることによって、いかなる方向から加わる衝撃及び振
動に対しても被支持物体に大きな衝撃を与えることがな
い。また、衝撃吸収部材自体の破損を防ぐこともでき
る。
【0056】また、本発明の衝撃吸収装置では、流体通
路の断面積を変化させることによって、ダンピング強度
を調整することができる。特に、検出手段からの情報に
基づいて流路の断面積をリアルタイム制御することによ
って、状況に応じてダンピング強度を最適に保つことが
できる。
【0057】さらに、弾性体の弾性係数をその伸縮に従
って変化させる構造とすることによって、衝撃及び振動
を十分に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の粘性クッションの外観構
成を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるダンピング強度調
整装置の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における粘性クッションの
実装状態の一例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の粘性クッションの構
成を示す図である。
【図6】従来例の粘性クッションの構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】 1 粘性クッション 3 ボールベアリング 5 ダンピング強度調整装置 8 粘性流体通路 11 バルブ 13 バルブ 15 部材 18 粘性流体 21 バネ 23 ベース 25 部材 28 バネ 31 シール 35 圧縮側ダンピング通路 38 伸張側ダンピング通路 41 バルブガイド 43 バルブガイド 45 バルブスプリング 48 バルブスプリング 51 ダンパー 53 ダンパー 55 電気信号ユニット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1開口部、第2開口部、及びこれらの
    第1開口部と第2開口部とを連結する流体通路が設けら
    れ、震動源に固定されるよう構成されたベースと、 一端を閉じて被支持物体を支持する物体支持面とし、か
    つ、前記第1開口部に嵌合され、前記ベースと前記物体
    支持面とを結ぶ方向に伸縮可能とした、前記第1開口部
    とで中空の第1空間を形成する第1部材と、 一端を閉じた面とし、かつ、前記第2開口部に嵌合さ
    れ、前記ベースと前記閉じた面とを結ぶ方向に伸縮可能
    とした、前記第2開口部とで中空の第2空間を形成する
    第2部材と、 前記第1空間の伸縮と共に伸縮し、前記第1空間の伸縮
    に伴うエネルギーを蓄積する第1弾性体と、 前記第2空間の伸縮と共に伸縮し、前記第2空間の伸縮
    に伴うエネルギーを蓄積する第2弾性体と、 前記第1空間、前記第2空間及び前記流体通路に充填さ
    れ、前記第1空間と前記第2空間との間を相互に流通可
    能な流体と、 前記第1部材の前記物体支持面に設けられた、前記物体
    支持面と前記被支持物体との間の、前記第1空間が伸縮
    する方向と垂直の方向の動的摩擦を低減する動的摩擦低
    減手段と、を備え、 前記第1空間と前記第2空間の総容積は、前記第1空間
    及び前記第2空間の伸縮に伴って変動しない、 ことを特徴とする衝撃吸収装置。
  2. 【請求項2】 前記動的摩擦低減手段は、ボールベアリ
    ングにより構成されている、 ことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収装置。
  3. 【請求項3】 第1開口部、第2開口部、及びこれらの
    第1開口部と第2開口部とを連結する流体通路が設けら
    れ、震動源に固定されるよう構成されたベースと、 一端を閉じて被支持物体を支持する物体支持面とし、か
    つ、前記第1開口部に嵌合され、前記ベースと前記物体
    支持面とを結ぶ方向に伸縮可能とした、前記第1開口部
    とで中空の第1空間を形成する第1部材と、 一端を閉じた面とし、かつ、前記第2開口部に嵌合さ
    れ、前記ベースと前記閉じた面とを結ぶ方向に伸縮可能
    とした、前記第2開口部とで中空の第2空間を形成する
    第2部材と、 前記第1空間の伸縮と共に伸縮し、前記第1空間の伸縮
    に伴うエネルギーを蓄積する第1弾性体と、 前記第2空間の伸縮と共に伸縮し、前記第2空間の伸縮
    に伴うエネルギーを蓄積する第2弾性体と、 前記第1空間、前記第2空間及び前記流体通路に充填さ
    れ、前記第1空間及び前記第2空間との間を相互に流通
    可能な流体と、 前記流体通路の断面積を変化させることによってダンピ
    ング特性を変化させるダンピング強度調整手段と、を備
    え、 前記第1空間と前記第2空間の総容積は、前記第1空間
    及び前記第2空間の伸縮に伴って変動しない、 ことを特徴とする衝撃吸収装置。
  4. 【請求項4】 前記ベースに加わる力を検出する検出手
    段と、 この検出手段の検出結果に基づいて、前記ダンピング強
    度調整手段を制御する制御手段と、を備える、 ことを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の弾性体及び前記第2の弾性体
    は、それぞれその伸縮の度合いに応じて弾性係数を変化
    するように構成されている、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載
    の衝撃吸収装置。
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