JPH10230141A - スパイラル型膜エレメント用圧力容器およびスパイラル型膜モジュール - Google Patents

スパイラル型膜エレメント用圧力容器およびスパイラル型膜モジュール

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JPH10230141A
JPH10230141A JP3518497A JP3518497A JPH10230141A JP H10230141 A JPH10230141 A JP H10230141A JP 3518497 A JP3518497 A JP 3518497A JP 3518497 A JP3518497 A JP 3518497A JP H10230141 A JPH10230141 A JP H10230141A
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JP
Japan
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membrane element
spiral
pressure vessel
outer peripheral
spiral membrane
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JP3518497A
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English (en)
Inventor
Hajime Hisada
肇 久田
Yuji Nishida
祐二 西田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパイラル型膜エレメントに捕捉された汚染
物質の状態を容易に確認することが可能な圧力容器およ
びそれを備えたスパイラル型膜モジュールを提供するこ
とである。 【解決手段】 スパイラル型膜エレメント1は、集水管
2の外周面に独立または連続した封筒状膜を巻回すると
ともに、封筒状膜の間に原水スペーサを挿入することに
より構成される。圧力容器10は、透明の合成樹脂から
なる筒形ケース11および透明の合成樹脂からなる一対
の端板12a,12bにより構成される。原水入口13
を通して圧力容器10の内部に導入された原水51は、
スパイラル型膜エレメント1の少なくとも外周部側から
供給され、集水管2から導出される透過水52が、圧力
容器10の透過水出口14を通して取り出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧逆浸透膜分離
装置、限外濾過装置、精密濾過装置等の膜分離装置に用
いられるスパイラル型膜エレメントおよびその運転方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、浄水技術へ膜分離技術が適用され
るとともに、海水淡水化等で用いられる逆浸透膜分離シ
ステムの前処理として膜分離技術が適用されつつある。
このような膜分離に使用される膜の種類としては、高透
過水量が得られる精密濾過膜や限外濾過膜が多く使用さ
れているが、最近、10kgf/cm2 以下の超低圧力
で高透過水量が得られる逆浸透膜も開発されてきた。
【0003】また、前記膜分離に使用される膜エレメン
トの形態としては、単位体積当たりの膜面積(体積効
率)の点から中空糸膜エレメントが多く使用されてい
る。しかしながら、中空糸膜エレメントは、膜が折れや
すく、膜が折れると、原水が透過水に混ざり、分離性能
が低下するという欠点を有している。
【0004】一方、膜面積を多くとれる膜エレメントの
形態としてスパイラル型膜エレメントがある。このスパ
イラル型膜エレメントは、中空糸膜エレメントと比較す
ると、分離性能を維持でき、信頼性が高いという利点を
有している。
【0005】図6は従来のスパイラル型膜エレメントの
一部切欠き斜視図であり、図7は従来のスパイラル型膜
エレメントの外観斜視図である。
【0006】図6に示すように、スパイラル型膜エレメ
ント21は、透過水スペーサ25の両面に分離膜26を
重ね合わせて3辺を接着することにより封筒状膜(袋状
膜)23を形成し、その封筒状膜23の開口部を有孔中
空管からなる集水管22に取り付け、ネット状(網状)
の原水スペーサ24とともに集水管22の外周面にスパ
イラル状に巻回することにより構成される。
【0007】原水スペーサ24は、封筒状膜23間に原
水が通る流路を形成するために設けられる。原水スペー
サ24の厚みが小さいと、分離膜26の充填効率は高く
なるが、懸濁物質による詰まりが生じる。そのため、通
常、原水スペーサ24の厚みは約0.7mm〜3.0m
mに設定される。
【0008】なお、河川水のように懸濁物質を多く含む
原水を処理するためにジグザグ状の波板状原水スペーサ
(いわゆるコルゲートスペーサ)を用いたスパイラル型
膜エレメントがすでに公知となっている。
【0009】図7に示すように、スパイラル型膜エレメ
ント21の外周面は、FRP(繊維強化プラスチッ
ク)、収縮チューブ等からなる外装材27で被覆され、
両端部にはアンチテレスコープと呼ばれるパッキンホル
ダ28がそれぞれ取り付けられている。
【0010】図8は図6および図7のスパイラル型膜エ
レメントを用いた従来のスパイラル型膜モジュールの縦
断面図である。図8に示すように、圧力容器(耐圧容
器)30は、筒形ケース31および1対の端板32a,
32bにより構成される。一方の端板32aには原水入
口33が形成され、他方の端板32bには濃縮水出口3
5が形成されている。また、他方の端板32bの中央部
には透過水出口34が設けられている。この圧力容器3
0は、通常、FRPまたはステンレスにより形成されて
いる。
【0011】外周面の一端部近傍にパッキン37が取り
付けられたスパイラル型膜エレメント21を筒形ケース
31内に装着し、筒形ケース31の両方の開口端をそれ
ぞれ端板32a,32bで封止する。集水管22の一方
の開口端は端板32bの透過水出口34に嵌合され、他
方の開口端にはエンドキャップ36が装着される。
【0012】スパイラル型膜エレメント21の運転時に
は、原水51を圧力容器30の原水入口33から第1の
液室38内に導入する。図6に示すように、原水51
は、スパイラル型膜エレメント21の一方の端面側から
供給される。この原水51は原水スペーサ24に沿って
軸方向に流れ、スパイラル型膜エレメント21の他方の
端面側から濃縮水53として排出される。原水51が原
水スペーサ24に沿って流れる過程で分離膜26を透過
した透過水52が透過水スペーサ25に沿って集水管2
2の内部に流れ込み、集水管22の端部から排出され
る。
【0013】その透過水52は、図8の圧力容器30の
透過水出口34から外部へ取り出される。また、濃縮水
53は、圧力容器30内の第2の液室39から濃縮水出
口35を通して外部へ取り出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】膜エレメントを運転す
ると、原水中の濁質物質により膜の目詰まりが生じ、透
過流束が低下する。そのため、薬品洗浄等を行って目詰
まりを取り除き、透過流束を回復させるが、薬品洗浄に
要する手間およびコストが問題となる。そこで、目詰ま
りが生じないように、例えば中空糸膜エレメントでは、
透過水または空気による逆流洗浄が定期的に行われる。
【0015】しかし、従来のスパイラル型膜エレメント
21では、集水管22に巻回された封筒状膜23の外周
面が外装材27で被覆されているので、逆流洗浄を行っ
ても、膜の目詰まりの原因となっている濁質物質等の汚
染物質が、膜エレメント21の端部から排出されるまで
に原水スペーサ24に捕捉されやすく、十分に除去され
ないという問題がある。
【0016】しかも、汚染物質が膜エレメント21の内
部の原水スペーサ24に捕捉されるので、膜エレメント
21の内部にどの程度の汚染物質が付着しているのかを
確認することができない。また、逆流洗浄後に膜エレメ
ント21の内部の汚染物質が完全に除去されたかどうか
を確認することもできない。
【0017】また、従来のスパイラル型膜エレメント2
1では、原水中の汚染物質によるケークの形成を防ぐた
めに十分な膜面線速を得ることが必要であり、そのため
には十分な濃縮側流量が必要となる。このため、大きな
ポンプを用いて高い圧力で原水を圧力容器30に供給す
る必要が生じる。それにより、圧力容器30に高い耐圧
性が要求され、上記のように圧力容器30をFRP、ス
テンレス等の強度の高い材料により形成する必要があ
る。その結果、圧力容器30のコストが高くなる。
【0018】さらに、濃縮側流量を大きくすると、膜エ
レメント当たりの回収率が低くなる上、原水を供給する
ポンプが大きいものとなるので、システムコストも非常
に大きくなる。
【0019】また、従来のスパイラル型膜エレメント2
1では、原水がスパイラル型膜エレメント21の一端部
から供給され、他端部から排出されるので、集水管22
に巻回された封筒状膜23が竹の子状に変形することを
防止するために、パッキンホルダ28が必要となる。ま
た、原水スペーサ24による圧力損失および目詰まりに
よる圧力損失によって原水流入側と濃縮水出口側との間
に圧力差が生じ、スパイラル型膜エレメント21に変形
が生じる。この変形を防止するために、集水管22に巻
回された封筒状膜23の外周面をFRP、収縮チューブ
等の外装材27で被覆している。これらにより、部品コ
ストおよび製造コストが高くなる。
【0020】また、圧力容器30の筒形ケース31の内
周面とスパイラル型膜エレメント21との間に存在する
空隙がデッドスペースSとなり、流体の滞留(液溜ま
り)が生じる。スパイラル型膜エレメント21を長期間
使用すると、デッドスペースに滞留している流体が変性
を起こす。特に、流体が有機物を含有する液体である場
合には、微生物等の雑菌が繁殖し、この雑菌が有機物を
分解して悪臭を発生したり、分離膜を分解してしまうこ
とがあり、信頼性の低下につながる。
【0021】本発明の目的は、膜エレメントに捕捉され
た汚染物質の状態を容易に確認でき、かつ逆流洗浄時の
様子を観察することが可能な低コストの圧力容器を提供
することである。
【0022】本発明の他の目的は、膜エレメントに捕捉
された汚染物質の状態を容易に確認でき、かつ逆流洗浄
時の様子を観察することができ、洗浄が容易で信頼性の
高い安価なスパイラル型膜モジュールを提供することで
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
に係るスパイラル型膜エレメント用圧力容器は、有孔中
空管の外周面に独立または連続した複数の封筒状膜が原
液流路材を介して巻回されてスパイラル状膜要素が形成
され、スパイラル状膜要素の少なくとも外周部側から原
液が供給され、有孔中空管の少なくとも一方の開口端か
ら透過液が導出されるスパイラル型膜エレメントを収納
するための圧力容器であって、スパイラル型膜エレメン
トの外周部の周囲を取り囲む筒状部およびスパイラル型
膜エレメントの両端側にそれぞれ配置される両端部から
なり、少なくとも筒状部の一部または全体が透明に形成
されたものである。
【0024】本発明に係る圧力容器に収納されるスパイ
ラル型膜エレメントにおいては、スパイラル状膜要素の
少なくとも外周面が外装材で被覆されずに開放状態にさ
れているため、原液を膜エレメントの少なくとも外周部
側から供給し、全量濾過を行うことができる。
【0025】このように、原液が膜エレメントの少なく
とも外周部側から供給されるので、汚染物質が膜エレメ
ントの少なくとも外周部で捕捉される。したがって、例
えば透過水等による逆流洗浄で汚染物質を均一に除去す
ることが可能となる。
【0026】このようなスパイラル型膜エレメントを本
発明に係る圧力容器内に収納すると、少なくとも筒状部
の一部または全体が透明であるので、膜エレメントの外
周部を外部から観察することができる。したがって、膜
エレメントの運転中に膜エレメントの外周部に捕捉され
る汚染物質の状態を観察することができ、また膜エレメ
ントの逆流洗浄時に膜エレメントの外周部から除去され
る汚染物質の状態を観察することができ、かつ膜エレメ
ントの逆流洗浄後に膜エレメントを圧力容器から取り出
すことなく膜エレメントの洗浄の程度を容易に確認する
ことができる。
【0027】上記の膜エレメントにおいては、全量濾過
が行われるので、大きなポンプを用いて原液を高い圧力
で圧力容器内に供給する必要がなく、圧力容器に高い耐
圧性が要求されない。したがって、圧力容器を安価な材
料で形成することが可能となる。
【0028】少なくとも筒状部の一部または全体が透明
の合成樹脂により形成されてもよい。また、透明の合成
樹脂が、透明ポリ塩化ビニルまたはアクリル樹脂であっ
てもよい。この場合、圧力容器を安価に形成することが
可能となる。
【0029】本発明に係るスパイラル型膜モジュール
は、原液入口および透過液出口を有する圧力容器内にス
パイラル型膜エレメントが収納されてなるスパイラル型
モジュールにおいて、スパイラル型膜エレメントは、有
孔中空管の外周面に独立または連続した複数の封筒状膜
が原液流路材を介して巻回されてなり、圧力容器は、ス
パイラル型膜エレメントの外周部の周囲を取り囲む筒状
部およびスパイラル型膜エレメントの両端側に配置され
る両端部からなり、少なくとも筒状部の一部または全体
が透明であり、原液入口を通して圧力容器内に導入され
る原液がスパイラル型膜エレメントの少なくとも外周部
側から供給され、有孔中空管から導出される透過液が圧
力容器の透過液出口を通して取り出されるものである。
【0030】圧力容器の少なくとも筒状部の一部または
全体が透明の合成樹脂により形成されてもよい。
【0031】本発明に係るスパイラル型膜モジュールに
おいては、スパイラル型膜エレメントの少なくとも外周
面が外装材で被覆されずに開放状態にされているため、
圧力容器内に原液入口を通して導入された原液が膜エレ
メントの少なくとも外周部側から供給され、全量濾過が
行われる。
【0032】このように、原液が膜エレメントの少なく
とも外周部側から供給されるので、汚染物質が膜エレメ
ントの少なくとも外周部で捕捉される。一定時間濾過を
行った後、透過側から透過液による逆流洗浄を行う。逆
流洗浄時は、有孔中空管から逆濾過された透過液が原液
流路材に沿って少なくとも外周部側に向かって流れる。
それにより、膜エレメントの少なくとも外周部に捕捉さ
れた汚染物質が容易に剥離する。したがって、逆流洗浄
で汚染物質を均一に除去することが可能となる。
【0033】また、圧力容器の少なくとも筒状部の一部
または全体が透明であるので、圧力容器内に収納された
スパイラル型膜エレメントの外周部を外部から観察する
ことができる。したがって、膜エレメントの運転中に膜
エレメントの外周部に捕捉される汚染物質の状態を観察
することができ、また膜エレメントの逆流洗浄時に膜エ
レメントの外周部から除去される汚染物質の状態を観察
することができ、かつ膜エレメントの逆流洗浄後に膜エ
レメントを圧力容器から取り出すことなく膜エレメント
の洗浄の程度を容易に確認することができる。
【0034】また、全量濾過が行われるので、大きなポ
ンプを用いて原液を高い圧力で圧力容器内に供給する必
要がなく、圧力容器に高い耐圧性が要求されない。した
がって、圧力容器を安価な材料で形成することが可能と
なる。
【0035】また、本発明の構造によれば、全量濾過に
より膜エレメントと圧力容器との間の空隙部にデッドス
ペースSが形成されないので、膜エレメントと圧力容器
との間の空隙部において流体の滞留が生じない。したが
って、有機物を含有する流体の分離に使用した場合で
も、微生物等の雑菌の繁殖、有機物の分解による悪臭の
発生、分離膜の分解等の問題が起こらず、高い信頼性が
得られる。
【0036】さらに、膜エレメントの少なくとも外周部
側から原液が供給され、膜エレメントに全方向から圧力
が加わり、軸方向に変位を起こさせるような圧力が加わ
らないので、有孔中空管に巻回された封筒状膜が竹の子
状に変形することがない。それにより、パッキンホルダ
が不要となり、外装材も不要であるので、部品コストお
よび製造コストが低減される。また、全量濾過が行われ
るので、原液を供給するポンプに大きなものを用いるこ
となく、高い回収率が得られる。それにより、システム
コストが低減される。
【0037】また、膜エレメントに全方向から圧力が加
わるので、原液の供給圧力を高くしても膜エレメントの
変形が生じない。したがって、高い耐圧性が得られる。
【0038】特に、スパイラル型膜エレメントの外周部
が部分的にまたは全体的に外周部流路材で覆われている
ことが好ましい。従来のスパイラル型膜モジュールで
は、透過水等の逆流洗浄により汚染物質が膜エレメント
の一端部から排出される前に原水スペーサに捕捉される
が、本発明のスパイラル型膜モジュールでは、上述のよ
うな構成による濾過形態のために、汚染物質は少なくと
も膜エレメントの外周部で捕捉される。逆流洗浄により
有孔中空管から逆濾過された透過液が原液流路材に沿っ
て少なくとも外周部側に向かって流れる。それにより、
膜エレメントの少なくとも外周部側に捕捉された汚染物
質が容易に剥離する。膜エレメントの外周部が外周部流
路材で覆われていると、膜エレメントと圧力容器との間
に空隙が確保される。その結果、膜エレメントの少なく
とも外周部から剥離した汚染物質をその空隙を通して系
外に容易に排出することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例における
スパイラル型膜モジュールの縦断面図であり、図2は図
1のスパイラル型膜モジュールに用いられるスパイラル
型膜エレメントの一部切欠き斜視図である。図3は図2
のスパイラル型膜エレメントの封筒状膜の一例を示す横
断面図であり、図4は図2のスパイラル型膜エレメント
の封筒状膜の他の例を示す横断面図である。
【0040】図1に示すように、圧力容器(耐圧容器)
10は、筒形ケース11および1対の端板12a,12
bにより構成される。これらの筒形ケース11および端
板12a,12bは、透明ポリ塩化ビニル、アクリル樹
脂等の透明の合成樹脂により形成される。一方の端板1
2aには原水入口13が形成され、他方の端板12bに
は原水出口15が形成されている。また、他方の端板1
2bの中央部には透過水出口14が設けられている。
【0041】スパイラル型膜エレメント1が筒型ケース
11内に収納され、筒状ケース11の両方の開口端がそ
れぞれ端板12a,12bで封止される。集水管2の一
方の端部は端板12bの透過水出口14に嵌合され、他
方の端部にはエンドキャップ16が装着される。端板1
2bの原水出口15には、配管17およびバルブ18が
接続される。
【0042】図2に示すスパイラル型膜エレメント1
は、有孔中空管からなる集水管2の外周面にそれぞれ独
立した複数の封筒状膜3または連続した複数の封筒状膜
3を巻回することにより構成されるスパイラル状膜要素
1aを含む。封筒状膜3の間には、封筒状膜3どうしが
密着して膜面積が狭くなることを防止するため、および
原水の流路を形成するために原水スペーサ(原液流路
材)4が挿入されている。また、スパイラル状膜要素1
aの外周面は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリス
チレン等のプラスチック、金属、ゴムまたは繊維等によ
り形成されるネットからなる外周部流路材5で覆われて
いる。
【0043】図3および図4に示すように、封筒状膜3
は、透過水スペーサ(透過液流路材)6の両面に2枚の
分離膜7を重ね合わせて3辺を接着することにより形成
され、その封筒状膜3の開口部が集水管2の外周面に取
り付けられている。分離膜7としては、10kgf/c
2 以下で運転される低圧逆浸透膜、限外濾過膜、精密
濾過膜等が用いられる。
【0044】図3の例では、複数の封筒状膜3がそれぞ
れ独立した分離膜7により形成される。図4の例では、
複数の封筒状膜3が連続した分離膜7を折り畳むことに
より形成される。
【0045】原水スペーサ4の厚みが0.5mmよりも
大きいと、原水中の汚染物質を膜エレメント1の少なく
とも外周部で捕捉しにくくなる。一方、原水スペーサ4
の厚みが0.1mmよりも小さいと、封筒状膜3どうし
が接触しやすくなり、膜面積が小さくなる。したがっ
て、原水スペーサ4の厚みは0.1mm以上0.5mm
以下であることが好ましい。
【0046】また、外周部流路材5の厚みが30mmよ
りも大きいと、膜エレメント1を収納する圧力容器に対
する膜エレメント1の容積効率が小さくなる。一方、外
周部流路材5の厚みが0.6mmよりも小さいと、透過
水の逆流洗浄時に膜エレメント1の少なくとも外周部に
付着した汚染物質を系外に排出するための原水の流速が
小さくなる。したがって、外周部流路材5の厚みは0.
6mm以上30mm以下であることが好ましい。
【0047】図1のスパイラル型膜モジュールの運転時
には、原水51を圧力容器10の原水入口13から圧力
容器10の内部に導入する。原水51は、スパイラル型
膜エレメント1の少なくとも外周部側から原水スペーサ
4に沿って封筒状膜3間に浸入する。図1の例では、原
水51がスパイラル型膜エレメント1の外周部側および
両端部側から封筒状膜3間に浸入する。分離膜7を透過
した透過水が透過水スペーサ6に沿って集水管2の内部
に流れ込む。それにより、圧力容器10の透過水出口1
4から透過水52が取り出される。このようにして、全
量濾過が行われる。
【0048】この場合、濁質物質等の汚染物質は膜エレ
メント1の少なくとも外周部(図1の例では外周部およ
び両端部)で捕捉されるほど原水スペーサ4の厚さが薄
いため、膜エレメント1の少なくとも外周部に汚染物質
によるケーク層が形成される。膜エレメント1の少なく
とも外周部ではケーク層によるケーク濾過が行われ、膜
エレメント1の内部では分離膜7による膜濾過が行われ
る。
【0049】なお、バルブ18を開いて原水出口15か
ら一部原水を取り出してもよい。この場合、膜エレメン
ト1の外周部で原水の流れを形成することができる。そ
れにより、原水中の汚染物質の沈降を抑制しつつ汚染物
質の一部を圧力容器10の外部に排出することができ
る。
【0050】一定時間濾過を行った後、透過側から透過
水による逆流洗浄を行う。逆流洗浄時は、集水管2から
逆濾過された透過水が原水スペーサ4に沿って少なくと
も外周部に向かって流れる。それにより、膜エレメント
1の少なくとも外周部に捕捉された汚染物質が容易に剥
離する。
【0051】このとき、原水入口13から原水を供給し
つつバルブ18を開放すると、剥離した汚染物質が系外
に排出される。その結果、透過流束が逆流洗浄前と比較
して格段に回復する。
【0052】上記のように、本実施例のスパイラル型膜
モジュールにおいては、圧力容器10が透明の合成樹脂
により形成されているので、膜エレメント1の運転中
に、膜エレメント1の少なくとも外周部に捕捉される汚
染物質の状態を外部から観察することができる。また、
膜エレメント1の逆流洗浄時に、膜エレメント1の少な
くとも外周部から除去される汚染物質の状態を外部から
観察することができ、膜エレメント1の逆流洗浄後に、
膜エレメント1を圧力容器10から取り出すことなく膜
エレメント1の洗浄の程度を容易に確認することができ
る。
【0053】また、全量濾過が行われるので、大きなポ
ンプを用いて原水を高い圧力で圧力容器10に供給する
必要がなく、圧力容器10に高い耐圧性が要求されな
い。したがって、圧力容器10を安価な透明の合成樹脂
で形成することが可能となり、スパイラル型膜モジュー
ルのコストが低減される。また、システムコストも低減
される。
【0054】さらに、前述のような濾過形態により膜エ
レメント1と圧力容器10との間の空隙部にデッドスペ
ースSが形成されないので、微生物等の雑菌の繁殖、有
機物の分解による悪臭の発生、分離膜の分解等の問題が
発生せず、高い信頼性が得られる。
【0055】また、膜エレメント1に全方向から圧力が
加わるので、膜エレメント1の変形の問題が生じず、パ
ッキンホルダおよび外装材が不要となる。それにより、
部品コストおよび製造コストが低減される。
【0056】図5は本発明のスパイラル型膜モジュール
に用いられるスパイラル型膜エレメントの他の例を示す
正面図である。図5では、外周部流路材の図示が省略さ
れている。
【0057】図5(a)のスパイラル型膜エレメント1
においては、スパイラル状膜要素1aの両端部が樹脂層
19で封止されている。図5(b)のスパイラル型膜エ
レメント1においては、スパイラル状膜要素1aの一端
部が樹脂層19で封止されている。
【0058】図5のスパイラル型膜エレメント1を図1
の圧力容器10に収納することによりスパイラル型膜モ
ジュールが構成される。
【0059】このスパイラル型膜モジュールにおいて
も、圧力容器10が透明の合成樹脂により形成されてい
るので、膜エレメント1の少なくとも外周部に付着した
汚染物質を外部から観察することができる。
【0060】図5(a),(b)のスパイラル型膜エレ
メント1では、製造時の作業工程が増加するが、膜エレ
メント1の両端部または一端部に原水を供給するスペー
スが不要となる。したがって、圧力容器10を小型化す
ることができ、それによりスパイラル型膜モジュールを
小型化することができる。
【0061】また、膜エレメント1の樹脂層19で封止
された端部を圧力容器10の原水入口の側に配置するこ
とにより、原水導入時に原水の動圧により膜エレメント
1の端面に汚れが付着することを防止することができ
る。
【0062】なお、上記実施例では、圧力容器10の筒
形ケース11および端板12a,12が透明の合成樹脂
により形成されているが、筒形ケース11のみが透明合
成樹脂等の透明材料により形成されてもよい。また、筒
形ケース11の少なくとも一部が透明合成樹脂等の透明
材料により形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるスパイラル型膜モジ
ュールの縦断面図である。
【図2】図1のスパイラル型膜モジュールに用いられる
スパイラル型膜エレメントの一部切欠き斜視図である。
【図3】図2のスパイラル型膜エレメントの封筒状膜の
一例を示す横断面図である。
【図4】図2のスパイラル型膜エレメントの封筒状膜の
他の例を示す横断面図である。
【図5】本発明のスパイラル型膜モジュールに用いられ
るスパイラル型膜エレメントの他の例を示す正面図であ
る。
【図6】従来のスパイラル型膜エレメントの一部切欠き
斜視図である。
【図7】従来のスパイラル型膜エレメントの外観斜視図
である。
【図8】従来のスパイラル型膜モジュールの一例を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 スパイラル型膜エレメント 1a スパイラル状膜要素 2 集水管 3 封筒状膜 4 原水スペーサ 5 外周部流路材 6 透過水スペーサ 7 分離膜 10 圧力容器 13 原水入口 14 透過水出口 51 原水 52 透過水

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有孔中空管の外周面に独立または連続し
    た複数の封筒状膜が原液流路材を介して巻回されてスパ
    イラル状膜要素が形成され、前記スパイラル状膜要素の
    少なくとも外周部側から原液が供給され、前記有孔中空
    管の少なくとも一方の開口端から透過液が導出されるス
    パイラル型膜エレメントを収納するための圧力容器であ
    って、前記スパイラル型膜エレメントの外周部の周囲を
    取り囲む筒状部および前記スパイラル型膜エレメントの
    両端側にそれぞれ配置される両端部からなり、少なくと
    も前記筒状部の一部または全体が透明であることを特徴
    とするスパイラル型膜エレメント用圧力容器。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記筒状部の一部または全体
    が透明の合成樹脂により形成されたことを特徴とする請
    求項1記載のスパイラル型膜エレメント用圧力容器。
  3. 【請求項3】 前記透明の合成樹脂は、透明ポリ塩化ビ
    ニルまたはアクリル樹脂であることを特徴とする請求項
    2記載のスパイラル型膜エレメント用圧力容器。
  4. 【請求項4】 原液入口および透過液出口を有する圧力
    容器内にスパイラル型膜エレメントが収納されてなるス
    パイラル型膜モジュールにおいて、前記スパイラル型膜
    エレメントは、有孔中空管の外周面に独立または連続し
    た複数の封筒状膜が原液流路材を介して巻回されてな
    り、前記圧力容器は、前記スパイラル型膜エレメントの
    外周部の周囲を取り囲む筒状部および前記スパイラル型
    膜エレメントの両端側にそれぞれ配置される両端部から
    なり、少なくとも前記筒状部の一部または全体が透明で
    あり、前記原液入口を通して前記圧力容器内に導入され
    る原液が前記スパイラル型膜エレメントの少なくとも外
    周部側から供給され、前記有孔中空管から導出される透
    過液が前記圧力容器の前記透過液出口を通して取り出さ
    れることを特徴とするスパイラル型膜モジュール。
  5. 【請求項5】 前記圧力容器の少なくとも前記筒状部の
    一部または全体が透明の合成樹脂により形成されたこと
    を特徴とする請求項4記載のスパイラル型膜モジュー
    ル。
  6. 【請求項6】 前記スパイラル型膜エレメントの外周部
    が部分的にまたは全体的に外周部流路材で覆われたこと
    を特徴とする請求項4または5記載のスパイラル型膜モ
    ジュール。
JP3518497A 1997-02-19 1997-02-19 スパイラル型膜エレメント用圧力容器およびスパイラル型膜モジュール Pending JPH10230141A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020203282A (ja) * 2019-05-15 2020-12-24 アール・ティー・エス ロシェム テクニカル サービシズ ゲーエムベーハー 薄膜を用いて圧力下にある液体混合物を濾過し、分離する装置

Cited By (2)

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CN112243389A (zh) * 2019-05-15 2021-01-19 Rts雷歇姆技术服务有限责任公司 用于借助薄膜过滤和分离处于压力下的流质混合物的设备

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