JPH10229785A - ジグ・ヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中での沈下速度および空中での飛距離を大
きくでき、製造時の品質を長期間安定に保持でき、鉛害
の虞がなく、その他の有害成分が水中に溶出することも
ないとともに、同一のフックを使用して錘体の重量が種
々異なるものを製作することができるジグ・ヘッドを提
供する。 【解決手段】 鉛より比重の大きいタングステン等の高
比重物質をナイロン樹脂等の樹脂に混合してなる高比重
成分混合樹脂を、該樹脂内にフック４の一部が埋め込ま
れるようにして成形することにより、錘体６を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ルアー釣りに用い
るジグ・ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のジグ・ヘッドは錘体とフックと
を有してなる。図１は従来のジグ・ヘッドを示してお
り、フック１は、その基端部に、リーダーないしはライ
ンを接続される環状のアイ（アイレット）２を一体的に
形成されるとともに、基端部付近をＬ字型に折り曲げら
れている。前記フック１の基端側の部分は、アイ２部分
を除いて錘体３内に埋め込まれている。前記錘体３は鉛
または鉛と錫との合金によって構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のジグ・ヘッドに
おいては、前記のように錘体３は鉛または鉛と錫との合
金によって構成されていたので、１００％鉛製の場合で
もその比重は１１．３４と小さかった（鉛と錫との合金
で構成されている場合はさらに比重が小さくなる）。こ
のため、水中での沈下速度を十分大きくできないととも
に、キャスティング時の空中での飛距離を十分大きくす
ることができないという問題があった。

【０００４】また、錘体３を鉛１００％とすると、柔ら
かくて変形し易くなるとともに、酸化による変色等があ
り、製造時の品質を長期間安定に保持できないという問
題もあった。

【０００５】また、錘体３が鉛または鉛と錫との合金に
よって構成されていたので、錘体３の仕上げ表面が滑ら
かでなく、塗装を容易に行うことができないという問題
もあった。

【０００６】また、錘体３が鉛を含有しているため、鉛
害の虞があるという問題もあった。

【０００７】また、従来のジグ・ヘッドにおいては、ア
イ２が錘体３から完全に突出していたので、アイ２がウ
ィード（藻）等の水中の障害物に絡んでしまい易いとい
う問題もあった。

【０００８】また、比較的に軽い錘体３を製作しようと
する場合は、図２のように錘体３を小さくせざるを得な
い（錫の混入量を多くすれば錘体３の比重は小さくなる
が、鉛と錘との比重の差はそれほど大きくないので、錫
の混入量を大きくすることにより錘体３を軽量化するの
には限度がある）が、そうすると、同一のフック１を使
用したのでは、同図に示されるようにアイ２が錘体３か
ら一層大きく突出してしまうという問題があった。

【０００９】また、アイ２がフック１に一体に形成され
ていたので、同一のフック１を使用すると、錘体３に対
するアイ２の設置位置が限定されてしまうという問題も
あった。

【００１０】本発明は、このような従来の事情に鑑みて
なされたもので、本発明の一つの目的は、錘体の比重を
大きくして、水中での沈下速度およびキャスティング時
の空中での飛距離を十分大きくすることができるジグ・
ヘッドを提供することにある。

【００１１】本発明の他の目的は、変形し難いととも
に、酸化による変色等がなく、製造時の品質を長期間安
定に保持させることができるジグ・ヘッドを提供するこ
とにある。

【００１２】本発明の他の目的は、錘体に対し塗装を容
易に行うことができるジグ・ヘッドを提供することにあ
る。

【００１３】本発明の他の目的は、鉛害の虞がなく、ま
たその他の有害成分が水中に溶出することもないジグ・
ヘッドを提供することにある。

【００１４】本発明の他の目的は、錘体の比重を容易に
調整することができ、ひいては同一体積で重量が異なる
錘体を容易に製作することができ、ひいては同一のフッ
クを使用して錘体の重量が種々異なるジグ・ヘッドを製
作することができるジグ・ヘッドを提供することにあ
る。

【００１５】本発明の他の目的は、アイがウィード
（藻）等の水中の障害物に絡み難いジグ・ヘッドを提供
することにある。

【００１６】本発明の他の目的は、同一のフックを使用
しても、使用目的等に応じて錘体に対するアイの設置位
置を自由に設定することができるジグ・ヘッドを提供す
ることにある。

【００１７】本発明のさらに他の目的は、以下の説明か
ら明らかになろう。

【００１８】

【課題を解決するための手段】鉛より比重の大きいタン
グステン等の高比重物質をナイロン樹脂等の樹脂に混合
してなる高比重成分混合樹脂を、該樹脂内にフックの一
部が埋め込まれるようにして成形することにより、錘体
を構成する。

【００１９】本発明においては、前記高比重成分混合樹
脂により錘体が構成されるので、錘体の比重を従来より
大きくすることができ、これにより、従来と同じ体積で
あれば錘体の総重量を重く、また従来と同じ重量であれ
ば錘体の体積を小さくすることができる。したがって、
水中での沈下速度およびキャスティング時の空中での飛
距離を大きくすることができ、実釣りにおいて水深のあ
るポイント（魚が居る場所）を広範囲に釣ることができ
るようになる。

【００２０】また、前記高比重成分混合樹脂により錘体
が構成されるので、錘体の硬度を大きくすることがで
き、錘体が変形し難いとともに、酸化による変色等もな
く、製造時の品質を長期間安定に保持させることができ
る。また、鉛害の虞がなく、他の有害成分が水中に溶出
することもない。

【００２１】また、高比重成分混合樹脂を成形すること
により錘体が構成されるので、錘体の仕上げ表面を滑ら
かにすることができるため、錘体に対し塗装を容易に行
うことができる。

【００２２】また、樹脂に対する高比重物質の混合量を
調整することにより、錘体の比重を容易に調整すること
ができるので、同一体積で重さの異なる錘体を容易に製
作することができる。このため、同一のフックを使用し
て錘体の重量が種々異なるジグ・ヘッドを製作すること
ができる。

【００２３】また、錘体の表面に凹部を設け、この凹部
内にアイを収容すれば、アイがウィード（藻）等の水中
の障害物に絡み難くなる。

【００２４】また、アイを構成するアイ金具をフックと
は別体とすれば、同一のフックを使用しても、使用目的
等に応じて、錘体に対するアイの設置位置を自由に設定
することができる。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例について説
明する。

【００２６】

【実施例】図１〜７は、本発明のジグ・ヘッドの一実施
例を示し、この実施例において、ジグ・ヘッドはフック
４と、アイ金具５と、錘体６とからなる。前記フック４
の基端側は、従来のジグ・ヘッドのフック１とは異な
り、Ｌ字形に折り曲げておらず、直線状とされており、
基端部は環状に湾曲されて環状部４ａ（図６および７参
照）を構成している。前記アイ金具５は、フック４とは
別体とされていて、全体に割ピン状に湾曲されており、
環状のアイ５ａと、このアイ５ａから二股状に延びる脚
部５ｂとを一体的に有している。前記脚部５ｂはフック
４の環状部４ａに挿通された上、それらの先端側を外側
に広がるように折り曲げられており、これによりアイ金
具５はフック４に取り付けられている。

【００２７】前記錘体６は、ナイロン樹脂等の樹脂にタ
ングステン等の鉛より比重の大きい高比重物質を混合し
てなる高比重成分混合樹脂を、金型を用いて、該樹脂内
にフック４の基端側およびアイ金具５ａの脚部５ｂが埋
め込まれるようにして成形することにより構成されてい
る。

【００２８】前記錘体６の表面には溝状の凹部７が設け
られており、錘体６から外部に露出するアイ５ａの大部
分はこの凹部７内に収容されている。前記アイ５ａは、
リーダーないしはラインを該アイ５ａに挿通し易くする
ため、凹部７の長さ方向に対して垂直に向けられてい
る。なお、本実施例においては、アイ５ａの一部（図
３，６における上端部）が凹部７外に突出しているが、
本発明においてはアイ５ａを凹部７内に完全に収容して
もよい。

【００２９】このジグ・ヘッドにおいては、タングステ
ン等の鉛より比重の大きい高比重物質を樹脂に混合して
なる高比重成分混合樹脂により錘体６が構成されるの
で、錘体６の比重を従来より大きくすることができる。
これは、言い換えれば、従来と同じ体積であれば、錘体
６の総重量を重く、また従来と同じ重量であれば、錘体
６の体積を小さくすることができることを意味する。し
たがって、水中での沈下速度およびキャスティング時の
空中での飛距離を大きくすることができ、実釣りにおい
て水深のあるポイント（魚が居る場所）を広範囲に釣る
ことができるようになる。

【００３０】また、前記高比重成分混合樹脂により錘体
６が構成されるので、錘体６の硬度大きくすることがで
き、錘体６が変形し難いとともに、酸化による変色等も
なく、製造時の品質を長期間安定して保持させることが
できる。また、鉛害の虞がなく、他の有害成分が水中に
溶出することもない。

【００３１】また、高比重成分混合樹脂を成形すること
により錘体６が構成されるので、錘体６の仕上げ表面を
滑らかにすることができるため、錘体６に対し塗装を容
易に行うことができる。

【００３２】また、樹脂に対する高比重物質の混合量を
調整することにより、錘体６の比重を容易に調整するこ
とができる（樹脂と高比重物質との比重の差は非常に大
きいので、高比重物質の混入量を変化することにより錘
体３の総重量を大きく変化させることができる）ので、
同一の金型を用いて、同一体積で重さの異なる錘体６を
容易に製作することができる。このため、同一のフック
４を使用して、錘体６の重量が種々異なるジグ・ヘッド
を製作することができる。

【００３３】また、本実施例では、錘体６に設けられた
凹部７内にアイ５ａが収容されているので、アイ５ａが
ウィード（藻）等の水中の障害物に絡み難くなる。

【００３４】また、本実施例では、従来のようにアイ５
ａがフック４に一体的に設けられておらず、アイ５ａを
構成するアイ金具５とフック４とが別体とされているの
で、同一のフック４を使用しても、アイ５ａの形状を変
えたり、フック４に対するアイ５ａの結合方向を変えた
りすることにより、使用目的等に応じて、錘体６に対す
るアイ５ａの設置位置を自由に設定することができる。
図８は、図１〜７の実施例と同一のフック４を用いて、
アイ５ａの設置位置および凹部７の設置位置を変更した
実施例を示している。

【００３５】

【発明の効果】以上のように本発明によるジグ・ヘッド
は、（イ）錘体の比重を従来より大きくし、水中での沈
下速度およびキャスティング時の空中での飛距離を大き
くし、水深のあるポイントを広範囲に釣ることができる
ようになる、（ロ）錘体が変形し難いとともに、酸化に
よる変色等もなく、製造時の品質を長期間安定して保持
させることができる、（ハ）鉛害の虞がなく、他の有害
成分が水中に溶出することもない、（ニ）錘体に対し塗
装を容易に行うことができる、（ホ）同一体積で重さの
異なる錘体を容易に製作することができるので、同一の
フックを使用して錘体の重量が種々異なるジグ・ヘッド
を製作することができる、（ヘ）錘体に設けられた凹部
内にアイを収容することにより、アイがウィード（藻）
等の水中の障害物に絡み難くなる、（ト）アイを構成す
るアイ金具とフックとを別体とすることにより、同一の
フックを使用しても、使用目的等に応じて、錘体に対す
るアイの設置位置を自由に設定することができる、等の
優れた効果を得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のジグ・ヘッドを示す断面図である。

【図２】従来のジグ・ヘッドにおいて図１と同一のフッ
クを用いて錘体を軽くした場合を示す断面図である。

【図３】本発明によるジグ・ヘッドの一実施例を示す正
面図である。

【図４】前記実施例を示す平面図である。

【図５】前記実施例を示す側面図である。

【図６】図４のＶＩ−ＶＩ線における断面図である。

【図７】図６のＶＩＩ−ＶＩＩ線における断面図であ
る。

【図８】前記実施例と同一のフックを用いてアイおよび
凹部の設置位置を変更した本発明の他の実施例を示す断
面図である。

【符号の説明】

４ フック ５ アイ金具 ５ａ アイ ６ 錘体 ７ 凹部

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フックと、鉛より比重の大きい高比重物
   質を樹脂に混合してなる高比重成分混合樹脂を該樹脂内
   に前記フックの一部が埋め込まれるようにして成形して
   なる錘体とを有してなるジグ・ヘッド。
2. 【請求項２】 前記高比重物質はタングステンである請
   求項１記載のジグ・ヘッド。
3. 【請求項３】 前記樹脂はナイロン樹脂である請求項１
   または２記載のジグ・ヘッド。
4. 【請求項４】 前記錘体の表面に設けられた凹部と、こ
   の凹部内に少なくとも一部を収容されたアイとをさらに
   有する請求項１，２または３記載のジグ・ヘッド。
5. 【請求項５】 前記フックとは別体とされたアイ金具を
   有し、このアイ金具の一部によってアイが構成されてい
   る請求項１，２，３または４記載のジグ・ヘッド。
6. 【請求項６】 前記アイ金具は前記錘体内において前記
   フックと結合されている請求項５記載のジグ・ヘッド。
7. 【請求項７】 前記フックの基端部は環状に湾曲されて
   環状部を構成している一方、前記アイ金具は全体に割ピ
   ン状に湾曲されていて、環状のアイとこのアイから二股
   状に延びる脚部とを一体的に有しており、前記脚部を前
   記フックの前記環状部に挿通されることにより前記フッ
   クと結合されている請求項６記載のジグ・ヘッド。